JP6435748B2 - 積層造形部材および積層造形部材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば三次元積層造形機等により製造される積層造形部材の機械的強度を高める技術に関する。
樹脂材料等により形成される部材を製造する技術として、三次元積層造形法と呼ばれる技術が有る。三次元積層造形法とは、樹脂等の材料によって、数μmから数mmの厚さの層を積み重ねていくことによって、目的の形状の部材を製造する方法である。この三次元積層造形法は、金型による成型工程を経ずに目的の三次元形状の部材を製造することができるという特徴がある。このため、三次元積層造形法は、曲がりくねった中空部分を持つ形状というような複雑な形状の部材を容易に製造することができる。また、三次元積層造形法は、金型を使わないことにより製造コストを削減することができる。さらに、三次元積層造形法は、複雑な形状を持つ単体の部材を実現し、これにより、部材の接合部分を無くすことができることから部材の軽量化を図ることができる。さらにまた、三次元積層造形法は、射出成形等で汎用的に使用されている熱可塑性樹脂を利用できるため、耐久性が必要な製品への活用を期待することができる。
三次元積層造形法には複数の種類がある。その一つである材料押し出し法を利用する三次元積層造形機は、例えば、ノズル先端から加熱により溶融している材料(造形材料)を押し出すことによって造形材料の層を形成し、当該層を冷却により固化する。そして、その後、三次元積層造形機は、その層の上に、加熱により溶融している状態の造形材料をノズル先端から押し出すことによって造形材料の層を積層形成する。この際、溶融状態の造形材料は、先に形成された造形材料の層に結合し、固化することにより当該造形材料の層間は密着する。三次元積層造形機は、上記のような工程を繰り返すことによって、目的の三次元形状を持つ部材を製造する。
なお、特許文献1には、光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形物を製造する場合に、黄色っぽく変色してしまう事態を防止できる技術が示されている。特許文献2には、電磁波遮蔽性および熱伝導性に優れると共に、耐摩耗性、防水性、意匠性、耐衝撃性あるいは難燃性のうちの少なくとも一つの特性を持つことができる部品を製造する技術が示されている。特許文献3には、三次元積層造形品に液状ジシクロペンタジエン(DCPD(Dicyclopentadiene))樹脂を浸透させた後に硬化処理を実行することによって、三次元積層造形品の強度を強化する技術が示されている。
特開2014−820号公報 特開2014−88020号公報 特開2002−273796号公報
前述したような材料押し出し法を利用して三次元形状の部材(以下、三次元積層部材とも記載する)を製造する手法には、積層形成されている層間の密着強度が弱いという問題が有る。このために、三次元積層部材の機械的強度が、要求されている強度よりも大幅に小さくなってしまうという問題や、積層形成されている層間で破断が発生するという問題が生じる虞がある。
また、積層形成されている層間の密着強度と、部材の品質とは、トレードオフの関係にある。すなわち、積層形成されている層間の密着強度を高めるためには、粘度が低い材料を利用し、かつ、一つの層の厚みを厚くすることが好ましい。しかしながら、そのように粘度が低い材料を利用し、かつ、層の厚みを厚くすることにより、三次元積層部材に反りや変形や、設計寸法とのずれが大きくなる事態が発生し、三次元積層部材の品質が悪化してしまう。
特許文献3(特開2002−273796号公報)には、前述の如く、三次元積層造形品に液状DCPD樹脂を浸透させた後に硬化処理を実行することによって、三次元積層造形品の強度を強化する技術が示されている。しかしながら、この特許文献3に示されている技術では、三次元積層造形品の表面部分の強度が強化されるにすぎない。このため、特許文献3の技術では、例えば応力が集中する部分では、積層形成されている層間で破断が発生する虞があり、三次元積層造形品の機械的強度に満足できるものではない。
本発明は上記課題を解決するためになされた。すなわち、本発明の主な目的は、三次元積層造形法により製造される部材の機械的強度を高めることができる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の積層造形部材は、
複数の層が積層形成されている積層部位を備え、
前記積層部位を構成する前記各層は、他の前記層に密着していない非積層面を有し、
前記積層部位における、前記層の積層方向に複数の前記非積層面が配置されている態様の層状壁面の少なくとも一部には、前記層を形成する材料とは異なる補助材料が2以上の前記非積層面に亘る形態でもって密着形成されている。
また、本発明の積層造形部材の製造方法は、
複数の層が積層形成され、かつ、それら各層は他の前記層に密着していない非積層面を有する構成を持つ積層部位を、三次元積層造形機を利用することによって形成し、
前記積層部位における、前記層の積層方向に複数の前記非積層面が配置されている態様の層状壁面の少なくとも一部に、前記層を形成する材料とは異なる補助材料を2以上の前記非積層面に亘る形態でもって密着形成する工程を含む。
本発明によれば、三次元積層造形法により製造される部材の機械的強度を高めることができる。
本発明に係る第1実施形態の積層造形部材の構成を説明するモデル図である。 図1に表す構成の変形例を表す図である。 本発明に係る第2実施形態の積層造形部材を構成する積層部位を表す模式的な外観図である。 図3に表されている積層部位の構成を説明する図である。 第2実施形態における積層部位の製造工程の一例を説明する図である。 本発明に係る第3実施形態の積層造形部材を構成する積層部位を表す模式的な外観図である。 図6に表されている積層部位の構成を説明する図である。 本発明に係る第4実施形態の積層造形部材を構成する積層部位を表す模式的な外観図である。 図8に表されている積層部位の構成を説明する図である。 第4実施形態における積層部位の製造工程の一例を説明する図である。 本発明に係る第5実施形態の積層造形部材を構成する積層部位を表す模式的な外観図である。 図10に表されている積層部位の構成を説明する図である。 本発明に係る第6実施形態の積層造形部材を構成する積層部位の構成を説明する模式的な断面図である。 本発明に係る第7実施形態の積層造形部材を構成する積層部位の構成を説明する模式的な断面図である。 第7実施形態における積層部位の変形例を説明する模式的な断面図である。 本発明に係る第8実施形態の積層造形部材を構成する積層部位の構成を説明する模式的な断面図である。 第8実施形態において特徴的な構成を持つ積層部位である立ち上がり部の外観例を表す図である。 本発明に係る第9実施形態の積層造形部材を構成する積層部位の構成を説明する模式的な断面図である。 図18に表されているねじ締め用ボスである立ち上がり部にねじが螺合している状態を表す断面図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の積層造形部材の構成を模式的に表す図である。この第1実施形態の積層造形部材1は、積層部位2を備えている。なお、図1では、断面により積層部位2が表されている。
積層部位2とは、複数の層3が積層形成されて一体化している部位である。積層部位2を構成する各層3は、他の層3に密着していない非積層面4を有している。また、積層部位2は、層3の積層方向αに複数の非積層面4が配置されている態様の層状壁面5を備えている。この層状壁面5の少なくとも一部には、補助材料7が2以上の非積層面4に亘る態様でもって密着形成されている。補助材料7は、層3を形成する材料とは異なる材料である。なお、積層部位2が複数の層状壁面5を有している場合には、それら全ての層状壁面5に補助材料7が形成されていなくともよく、例えば、一つの層状壁面5に補助材料7が形成されているだけであってもよい。
この第1実施形態では、積層部位2を構成する全ての層3は、同じ形成材料により形成されている。このように、全ての層3の形成材料が同じであることにより、積層部位2の製造工程の煩雑化を防止でき、また、製造時間に要する時間が短くて済むという効果を得ることができる。なお、積層部位2の機械的強度等の様々な事情により、全ての層3の形成材料は同じでなくともよい。また、層3の形成材料の一例として、樹脂材料を挙げることができるが、例えば、金属材料であってもよい。
この第1実施形態では、前記の如く、層状壁面5の少なくとも一部には、補助材料7が2以上の非積層面4に亘る態様でもって密着形成されているので、積層部位2は、その機械的強度が高められている。すなわち、積層部位2は、複数の層3が積層形成されている構成であるので、層3と層3が接合している部分の機械的強度が弱い。これに対し、この第1実施形態では、補助材料7が、2以上の層3の非積層面4に亘る態様でもって、換言すれば、2以上の層3の接合を補助(補強)し層3間の結合強度を高める態様でもって、積層部位2の層状壁面5に密着形成されている。これにより、補助材料7は、積層部位2の機械的強度を高めることができる。この補助材料7は、層3の形成材料よりも材料特性である機械的強度が強い材料とすることにより、あるいは(および)、補助材料7により形成される層の厚みによって、層3間の結合強度を高めてもよい。
なお、補助材料7が積層部位2の層状壁面5に形成される態様は、図1の例に限定されず、例えば、図2(a)に表されるように、補助材料7は、層状壁面5における積層方向の下端から上端に掛けて形成されてもよい。また、補助材料7は、図2(b)に表されるように層状壁面5から積層部位2の積層底面2b、あるいは、積層上面2uに回り込んで形成されてもよい。
さらに、積層造形部材1は、積層部位2のみにより構成されていてもよいし、積層部位2以外の構成部を備えていてもよい。その積層部位2以外の構成部の構成は特に限定されず、様々な構成を採り得る。
<第2実施形態>
以下に、本発明に係る第2実施形態を説明する。
図3は、本発明に係る第2実施形態の積層造形部材を構成する積層部位を模式的に表す外観図である。図4(a)は、図3の積層部位11を上方側から見た平面図(上面図)である。図4(b)は、図3の積層部材11におけるA−A断面図である。図4(c)は、図4(b)におけるβ部分の模式的な拡大図である。
この第2実施形態の積層造形部材は積層部位11を備えている。なお、この第2実施形態における積層造形部材における積層部位11以外の構成は特に限定されず、ここでは、その説明は省略する。
積層部位11は、三次元積層造形法により図4(c)に表されるような複数の層12が積層方向α(図4(a)参照)に積層形成されることによって製造(造形)される部材である。この第2実施形態では、全ての層12は、同様な層の厚みを持ち、かつ、同じ材料により形成されている。例えば、層12の厚みDは、数μm(マイクロメートル)から数mm(ミリメートル)の範囲内における仕様により定められた厚み(例えば0.5mm)である。また、層12を形成する形成材料は、例えば熱可塑性樹脂である。より具体的には、層12の形成材料として、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂やポリ乳酸樹脂などを挙げることができる。このような樹脂材料は、三次元積層造形法の材料押し出し法により製品を製造する場合に汎用的に利用される材料である。このため、この第2実施形態の積層造形部材における積層部位11(層12)の形成材料として、そのような樹脂材料を利用することにより、積層造形部材の製造や、強度等の評価に汎用の技術を利用することができる。このため、この第2実施形態の積層造型部材の実現化を促進させることができる。また、ABS樹脂などの非結晶樹脂は、溶融している温度範囲が広く、かつ、その温度範囲内における温度により粘度が変化する。このため、固化している非結晶樹脂の層12に、溶融している非結晶樹脂を積層し当該非結晶樹脂を冷却により固化する際に、それら非結晶樹脂の層12の界面同士が密着でき、これにより、非結晶樹脂の層12間の密着強度を上げることができる。
また、層12の形成材料は、上記のような樹脂材料に、機能追加(例えば弾性率の向上や、難燃性の付与など)のために添加剤(例えば、ガラス繊維等の無機フィラーや、シリコーンなど)が付与された材料であってもよい。
上記のような層12が積層され一体化して成る積層部位11は、図4(b)に表されるように内部空間部13を有する中空部材である。換言すれば、積層部位11は、筒状の周壁11sと、この周壁11sの端部を開口端部として持つ開口を塞ぐ態様の端壁11u,11b(ここでは、便宜上、上端壁11u、底壁11bとも記載する)とを備えている。なお、図3および図4に表されている積層部位11は、上端壁11uおよび底壁11bが円形状(楕円形状)である円筒形状であるが、当該積層部位11は、円筒形状に限定されない。例えば、積層部位11は、上端壁11uおよび底壁11bが三角以上の多角形状である筒形状(中空の柱状)であってもよい。
この第2実施形態では、積層部位11の内部空間部13を囲んでいる周壁11sの壁面は、層12における非積層面12a(他の層12に密着していない面)が積層方向αに配置されている層状壁面15と成している。
また、積層部位11の上端壁11uには、外部から内部空間部13に貫通する貫通孔14が複数(図3および図4の例では、2個)形成されている。これら貫通孔14は、積層部位11を製造する際に使用する部位である。つまり、貫通孔14の一つは、内部空間部13に次に述べる補助材料16を注入する注入孔として機能し、貫通孔14の別の一つは、内部空間部13の気体(空気)を外部に排出する排気孔として機能する。
貫通孔14の孔径、形成位置および形成数は、積層部位11の大きさ、形状や補助材料16の粘性等を考慮して適宜設定される。すなわち、貫通孔14に関する構成は、図3および図4に表される構成に限定されない。
この第2実施形態では、積層部位11の内部空間部13および貫通孔14には、補助材料16が充填されている。換言すれば、積層部位11における内部空間部13の層状壁面15である内壁面には、補助材料16が全ての非積層面12aに亘る態様で密着形成されている。なお、図3および図4の例では、補助材料16は、積層部位11の内部空間部13に充填されているが、当該補助材料16は、内部空間部13の一部に形成されていてもよい。ただし、このように内部空間部13の一部に補助材料16が形成される場合であっても、補助材料16は、層状壁面15に、複数の非積層面12aに亘る態様でもって密着形成される。
補助材料16は、例えば、層12が熱変形する熱変形温度よりも融点が低い熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂である。この補助材料16を選定する場合には、例えば、材料の物性としての引っ張り強度、曲げ強度あるいはアイゾット衝撃強さ等の機械的強度が、層12間の密着強度よりも優れた材料が補助材料16として選定される。また、補助材料16は、層12を積層一体化して積層部位11を形成した後に、当該積層部位11の内部空間部13に注入されるという製造工程により積層部位11の内部空間部13における層状壁面15に密着形成される。このような製造工程を経るために、溶融状態の補助材料16の熱によって、層12(積層部位11)が変形しないように、補助材料16は、前記の如く、層12が熱変形する熱変形温度を考慮して選定される。例えば、層12の形成材料が75℃で熱変形するABS樹脂である場合には、補助材料16として、例えば、75℃よりも低い温度で溶融するエポキシ樹脂が利用される。また、層12の形成材料が203℃程度で熱変形するポリエーテルサルホン樹脂である場合には、補助材料16として、例えば、融点が160℃程度のポリ塩化ビニルが利用される。
さらに、補助材料16についても、層12の形成材料と同様に、機能追加(例えば弾性率の向上や、難燃性の付与など)のために添加剤(例えば、ガラス繊維等の無機フィラーや、シリコーンなど)が付与されていてもよい。例えば、補助材料16としてエポキシ樹脂を利用する場合に、そのエポキシ樹脂に、10μm程度の大きさのシリカフィラーを添加することにより、補助材料16の剛性を添加前よりも高めることができる。
補助材料16として利用することが可能な熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂は、溶融状態での粘度が低く、また、温度等による変形が小さい材料である。また、エポキシ樹脂は、溶融状態での粘度が低いことから、毛細管現象により微細な部分に入り込むことができる。さらに、エポキシ樹脂は、機械的強度(引っ張り強度、曲げ強度あるいはアイゾット衝撃強さなど)および接着性に優れた材料である。
積層部位11の全体の体積に対する補助材料16の体積の比は、仕様に基づいた積層部材11の機械的強度や生産性などを考慮して、適宜設定される。具体例を挙げると、例えば、積層部位11の全体の体積に対する補助材料16の体積の比は、5割以上とする。
第2実施形態の積層造形部材を構成する積層部位11は上記のように構成されている。以下に、積層部位11の製造工程を図5を利用して説明する。
まず、三次元積層造形法により部材を立体的に製造(造形)する三次元積層造形機が、層12を積層形成していくことによって、図5(a)に表されているような内部空間部13を備えた筒状の積層部位11を形成する。なお、三次元積層造形機には様々な種類が有る。ここでは、層12の形成材料や積層部材11の大きさなどを考慮し、適宜な三次元積層造形機が用いられる。三次元積層造形機による製造工程の説明は省略する。
層12により積層部位11が形成された後に、図5(b)に表されているように、溶融状態の補助材料16を積層部位11の貫通孔14の一つから内部空間部13に注入する。この工程では、層12から成る積層部位11が熱変形することを防止するために、補助材料16の加熱温度は、補助材料16の融点以上、かつ、層12の形成材料における熱変形温度よりも低い温度に制御される。具体的には、例えば、補助材料16は、層12の形成材料の熱変形温度よりも10℃程度低い温度に制御される。より具体的には、例えば、層12の形成材料がABS樹脂であり、当該ABS樹脂の熱変形温度が75℃である場合には、補助材料16は、融点以上、かつ、75℃未満の温度範囲内の温度に制御される。
なお、例えば層12の形成材料によっては、補助材料16は、層12の形成材料の熱変形温度以上、かつ、熱変形温度よりも10℃高い温度を越えない温度範囲の温度に制御されてもよい。
補助材料16を積層部材11の内部空間部13に注入する工程では、例えば、補助材料16がエポキシ樹脂である場合には、冷凍保存していたエポキシ樹脂が常温で自然解凍され当該自然解凍されたエポキシ樹脂が用いられる。この自然解凍されたエポキシ樹脂がディスペンサによるエア圧力によって積層部位11の貫通孔14の一つから内部空間部13内に注入される。このとき、別の貫通孔14から内部空間部13内の気体(空気)が排出される。この排出口として機能する貫通孔14を利用することによって、内部空間部13における補助材料16の注入量を確認することができる。このため、内部空間部13への補助材料16の注入作業は効率化が図られる。
積層部位11の内部空間部13に図4(b)のように補助材料16が充填された後に、補助材料16を冷却し固化することにより、内部空間部13における層状壁面15に補助材料16が密着形成される。
このようにして、この第2実施形態における補助材料16を備えた積層部位11を製造(造形)することができる。
この第2実施形態では、前記の如く、層12が積層形成されている積層部位11の内部空間部13において、補助材料16が2以上の非積層面12aに亘って密着形成されている。これにより、補助材料16は、層12間の密着強度を高めることができ、積層部位11の機械的強度を高めることができる。
また、この第2実施形態では、補助材料16は、積層部位11の内部空間部13における層状壁面15に密着形成される。この構成は、積層部位11の外観に影響を与えることを防止できる。
<第3実施形態>
以下に、本発明に係る第3実施形態を説明する。なお、この第3実施形態の説明において、第2実施形態における積層部位の構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図6は第3実施形態の積層造形部材を構成する積層部位11を表す模式的な外観図である。図7(a)は、図6における上方側から積層部位11を見た平面図である。図7(b)は、図6における積層部位11のA−A断面図である。
この第3実施形態における積層部位11は、筒状の周壁11sの両端側のうちの一方が開口部18となっている。換言すれば、この第3実施形態における積層部位11は、第2実施形態における積層部位11の上端壁11uが省略された態様を備えている。
この第3実施形態における積層部位11の上記以外の構成は、第2実施形態と同様である。つまり、この第3実施形態においても、積層部位11における周壁11sに囲まれている内部空間部13には、補助材料16が充填形成されている。つまり、内部空間部13において、周壁11sの内壁面は、複数の層12の非積層面12aが積層方向αに配置されている層状壁面15である。この層状壁面15に補助材料16が複数(ここでは、全て)の非積層面12に亘る態様でもって密着形成されている。
このように、この第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、補助材料16が複数の非積層面12に亘る態様でもって層状壁面15に密着形成されていることから、当該補助材料16は、層12間の密着強度を高めることができる。これにより、補助材料16は、積層部位11の機械的強度を高めることができる。また、補助材料16は、積層部位11の内部空間部13に形成されていることから、積層部位11の外観に悪影響を与えることを防止できる。
さらに、この第3実施形態では、前記の如く、積層部位11における筒状の周壁11sの一端側が開口部18と成している。この開口部18は、第2実施形態における注入孔としての貫通孔14の機能と排気口としての貫通孔14の機能とを持つものである。この開口部18の開口面積は、第2実施形態における2つの貫通孔14の開口面積よりも広いことから、第2実施形態の構成に比べて、第3実施形態の構成は、積層部位11の内部空間部13に補助材料16を充填する作業の効率を上げることができる。
<第4実施形態>
以下に、本発明に係る第4実施形態を説明する。なお、この第4実施形態の説明において、第2又は第3の実施形態における積層部位の構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図8は第4実施形態の積層造形部材を構成する積層部位11を表す模式的な外観図である。図9(a)は、図8における上方側から積層部位11を見た平面図である。図9(b)は、図8における積層部位11のA−A断面図である。
この第4実施形態では、積層部位11は、筒状の周壁11sの両端側が端壁(上端壁11uおよび底壁11b)によって閉塞されている態様を備えている。第4実施形態における上記以外の構成は第2又は第3の実施形態の構成と同様である。
この第4実施形態における積層部位11は、次のように製造(造形)することができる。例えば、まず、三次元積層造形機が、層12を積層形成していくことによって、図10(a)や図10(b)に表されるような積層体20を形成する。この積層体20は、貫通孔14あるいは開口部18によって、内部空間部13が外部と連通している態様を備えている。
その後、補助材料16が貫通孔14あるいは開口部18を通して積層体20の内部空間部13に注入される。そして、補助材料16が積層体20の内部空間部13に充填形成された後に、例えば、補助材料16は冷却により固化される。然る後に、貫通孔14あるいは開口部18を層12の形成材料によって埋めて塞ぐことにより、図10(c)に表すように内部空間部13が密閉される。
この第4実施形態における積層部位11は、第2あるいは第3実施形態と同様の構成を備えていることから、第2あるいは第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、この第4実施形態における積層部位11は、内部空間部13に補助材料16を注入する注入孔が層12の形成材料(つまり、周壁11sおよび底壁11b等の形成材料)と同じ材料でもって塞がれている態様を備えている。このため、第4実施形態における積層部位11は、第2や第3の実施形態における積層部位11よりも貫通孔14や開口部18が外部に露出していないことにより外観をより良くすることができる。
<第5実施形態>
以下に、本発明に係る第5実施形態を説明する。なお、この第5実施形態の説明において、第2〜第4の実施形態における積層部位の構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
この第5実施形態では、積層部位11の内部には、複数の管状空間部22が形成されており、これら管状空間部22の伸長方向は、積層部位11における層12の積層方向αと同様な方向である。このため、各管状空間部22の内部周壁面は、図4(c)に表されている内部空間部13の周壁面と同様に、層12の非積層面12aが積層方向αに配置されている層状壁面15と成している。
管状空間22の管径および隣り合う管状空間部22間の間隔(ピッチ)は、層12の形成材料の剛性等の特性や、積層部位11の生産性などを考慮し、また、積層部位11(特に上端壁11u)の変形を防止することをも考慮して、適宜設計される。その具体例として、例えば、層12の厚み(積層ピッチ)Dが0.25mmである場合には、管状空間部22の管径はその積層ピッチと同様な0.25mmに設計され、また、隣り合う管状空間部22間の間隔は管径と同様な0.25mmに設計される。このように、層12の積層ピッチと、管状空間部22の管径と、管状空間部22間の間隔とを同様な大きさ(寸法)とすることによって、積層部位11の変形を抑制することの効果を高めることができる。
管状空間部22の形成数に関しても、積層部位11の機械的強度を考慮して、適宜設定される。なお、管状空間部22の断面形状は円形に限定されない。
このような管状空間部22の内部には、補助材料16が充填されている。つまり、管状空間部22の周壁面(層状壁面15)には、補助材料16が2以上の非積層面12aに亘る態様でもって密着形成されている。
この第5実施形態における管状空間部22は、第2〜第4の実施形態における内部空間部13よりも細い態様であることから、管状空間部22の管径によっては、管状空間部22に補助材料16を注入する際に毛細管現象を利用する場合がある。このような場合に、管状空間部22への補助材料16の注入スピード向上を考慮する場合には、例えば、溶融状態において粘性の小さい材料が補助材料16として選定される。
この第5実施形態における積層部位11の上記以外の構成は、第2〜第4の実施形態と同様である。この第5実施形態における積層部位11も、第2〜第4の実施形態の積層部位11の製造工程と同様な製造工程でもって製造(造形)することができる。ただ、管状空間部22に補助材料16を注入する場合に毛細管現象を利用する場合には、溶融状態の補助材料16の粘性を小さくするために、第2〜第4の実施形態の場合に比べて、補助材料16の加熱温度をやや高めにすることが好ましい。
この第5実施形態においても、第2〜第4の実施形態と同様に、層状壁面15において、補助材料16が2以上の層12の非積層面12aに亘る態様でもって密着形成されている。このため、第5実施形態の構成は、層12間の密着強度を高めることができ、積層部位11の機械的強度を強くすることができる。
なお、管状空間部22は、直線状に伸長している態様を備えているが、管状空間部22は、直線状に限定されず、例えば蛇行状に積層方向αに伸長形成されている態様であってもよい。また、図11および図12に表されている例では、積層部位11は、上端壁11uを備えているために、管状空間部22が外部から見えない構成である。これに代えて、積層部位11の外観品質(見栄え)を重視しない場合には、例えば、積層部位11は、上端壁11uが省略された態様を備えていてもよい。この場合には、製造工程において、管状空間部22に補助材料16を充填した後における、上端壁11uを形成する工程を省略できるため、製造工程の簡略化を図ることができる。
<第6実施形態>
以下に、本発明に係る第6実施形態を説明する。なお、この第6実施形態の説明において、第2〜第5の実施形態における積層部位の構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図13(a)は、第6実施形態における積層造形部材を構成する積層部位11の模式的な断面図である。図13(b)は、図13(a)におけるγ部分の模式的な拡大図である。この第6実施形態では、積層部位11は、基体部24と、当該基体部24に立設されている複数の立ち上がり部25とを有している。なお、基体部24と立ち上がり部25は、図13(a)に表されているような断面を有していれば、その立体形状は特に限定されない。
この積層部位11は、三次元積層造形機により、第2実施形態等において説明したような層12を積層方向αに積層形成していくことによって製造(造形)されるものである。
図13(a)に表されるような構造において、立ち上がり部25の根元部分には応力が集中する。この第6実施形態では、その応力が集中する立ち上がり部25の根元部分を補強する構成として、第2〜第5の実施形態で説明した構成を採用する。すなわち、この第6実施形態では、リブとしての機能を持つ立ち上がり部25aの内部には、当該立ち上がり部25aの先端から基体部24の内部に入り込む態様の内部空間部13が形成されている。この内部空間13には、補助材料16が充填形成されている。
この第6実施形態では、立ち上がり部25aは、層12が積層方向αに積層形成されている態様を備えている。つまり、立ち上がり部25aにおける内部空間部13の側壁面は層状壁面15と成している。内部空間部13に充填された補助材料16は、層状壁面15に、複数の非積層面12aに亘る態様でもって密着形成されている。これにより、立ち上がり部25aは、第2〜第4の実施形態における積層部位11と同様に、機械的強度を高めることができる。特に、この第6実施形態では、立ち上がり部25aの根元部分から基体部24に入り込む部分(つまり、応力集中により破損しやすい部分)が補助材料16によって補強されている。このため、この第6実施形態の積層造形部材を備えた製品は、機械的強度に対する信頼性を高めることができる。
また、この第6実施形態では、立ち上がり部25aの内部に補助材料16を形成するので、第6実施形態の構成は、立ち上がり部25aを肉厚にすることなく、当該立ち上がり部25aの機械的強度を高めることができる。
なお、図13(a),(b)に表されている立ち上がり部25aにおいては、内部空間部13の上端側は開口している。これに代えて、第2実施形態における積層部位11と同様に、立ち上がり部25aは、その内部空間部13の上端側を塞ぐ上端壁11uが形成され、上端壁11uに、外部から内部空間部13に貫通する貫通孔14が形成されている構成を備えていてもよい。あるいは、立ち上がり部25aは、第4実施形態における積層部位11と同様に、内部空間部13の上端側を塞ぐ上端壁11uが形成されている構成を備えていてもよい。また、立ち上がり部25aの内部には、第5実施形態における積層部位11と同様に、複数の管状空間部22が形成されている構成を備えていてもよい。それら管状空間部22は、少なくとも立ち上がり部25aの根元部分から基体部24に入り込む態様を持つ。
<第7実施形態>
以下に、本発明に係る第7実施形態を説明する。なお、この第7実施形態の説明において、第2〜第6の実施形態における積層部位の構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図14は、第7実施形態において特徴的な構成部分を抜き出して模式的に表す断面図である。この第7実施形態における積層部位11は、第6実施形態の構成に加えて、さらに、立ち上がり部25aの根元部分を強化する構成を備えている。すなわち、この第7実施形態では、立ち上がり部25aの根元部分から基体部24に伸長している内部空間部13の伸長先端側が基体部24の内部に広がる方向に張り出している態様を備えている。その内部空間部13における張り出し部分の図14に表される幅Wbは、例えば、立ち上がり部25aの幅(肉厚)Waよりも広くなっている。
また、次のような条件を満たすように、内部空間部13が形成されてもよい。ここで、立ち上がり部25aを図14に表される上方側からδ方向に投影した場合における投影面積をSaとする。また、基体部24における内部空間部13を図14に表される上方側からδ方向に投影した場合における投影面積をSbとする。さらに、この第7実施形態における積層部位11と同様な外観形状の部材を射出成形法によって形成した場合における立ち上がり部25aの根元部分の機械的強度をXとする(ただし、Xは正の整数)。このような場合に、投影面積Sbが、投影面積SaのX倍以上となるように、内部空間部13の張り出し部分の寸法などが設計される。
上記のような内部空間部13に補助材料16が充填形成される。
この第7実施形態における積層部位11の上記以外の構成は、第6実施形態と同様である。この第7実施形態における内部空間部13の張り出し部分は、立ち上がり部25aの根元部分に加わる応力の分散化を図ることができる。換言すれば、この第7実施形態の構成は、立ち上がり部25aおよび当該立ち上がり部25aの根元に連接する基体部24の部位を補強することができる。これにより、積層部位11は、機械的強度に対する信頼性を高めることができる。
なお、図14に表されるような内部空間部13に代えて、第5実施形態で述べたような管状空間部22を立ち上がり部25aの内部に形成してもよい。この場合にも、例えば、基体部24の内部において、図15に表されるような張り出し部27が形成される。
<第8実施形態>
以下に、本発明に係る第8実施形態を説明する。なお、この第8実施形態の説明において、第2〜第7の実施形態における積層部位の構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図16は、第8実施形態の積層造形部材を構成する積層部位11において特徴的な構成部分を抜き出して模式的に表す断面図である。この第8実施形態では、積層部位11は、位置決め用ボスとして機能する立ち上がり部25aを備えている。この立ち上がり部25aも、第6や第7の実施形態と同様に、第2実施形態で述べたような層12が積層方向αに積層形成されることによって、製造される。
図17(a)〜(c)には、それぞれ、立ち上がり部25aの外観の一例が模式的に表されている。図17(a)における立ち上がり部25aの外観形状は円筒状である。図17(b)における立ち上がり部25aの外観形状は、円筒状の側壁31に、先端側から、根元側に向かう途中位置まで伸びるスリット36が形成されている形状である。図17(c)は、図17(b)と同様な形状であるが、スリット36が先端側から根元側まで伸びている形状である。
この第8実施形態では、立ち上がり部25aは、図16に表される上端部が開口している凹部30を有している。凹部30の周壁31の厚み(肉厚)d1は、層12の形成材料や仕様等の様々な条件に基づいて設計されるものであるが、例えば、立ち上がり部25aの外形寸法Wcの3割程度の寸法とする。
このような周壁31の内部に内部空間部13が形成されている。この内部空間部13は、立ち上がり部25aの上端部から根元を通り基体部24の内部に伸長形成されている。さらに、この第8実施形態では、立ち上がり部25aの凹部30の底面よりも基体部24側に複数の管状空間部22が立ち上がり部25aの根元から基体部24の内部に伸長形成されている。
これら内部空間部13および管状空間部22には補助部材16が充填形成されている。すなわち、内部空間部13および管状空間部22の周壁面は、複数の層12の非積層面12aが積層方向αに配置されている層状壁面15である。補助部材16は、層状壁面15に、2以上の非積層面12aに亘る態様でもって密着形成されている。なお、内部空間部13の周壁の厚み(肉厚)d2は、例えば、層12の厚み(積層ピッチ)Dの2倍程度の寸法とすることが好ましい。
この第8実施形態では、積層部位11における立ち上がり部25a以外の構成は、第6実施形態と同様である。
この第8実施形態においても、前記各実施形態と同様に、積層部位11における立ち上がり部25aの機械的強度を高めることができる。特に、立ち上がり部25aは、根元部分において、内部空間部13だけでなく、管状空間部22をも形成し、それら内部空間部13および管状空間部22に補助部材16を充填している構成が備えられている。このため、立ち上がり部25aの根元部分の機械的強度を効果的に高めることができる。
なお、図16の例では、内部空間部13の先端側は開口しているが、当該内部空間部13の先端側は、閉塞されている態様であってもよい。また、内部空間部13における基体部24側の端部には、第7実施形態と同様に、張り出し部が形成されていてもよい。さらに、管状空間部22における基体部24側の端部側は連結部により連結されていてもよい。
さらにまた、立ち上がり部25aの外観形状の例として、図17(a)〜(c)の形状を挙げているが、図16に表されるような断面を持っていれば、立ち上がり部25aの外観形状は、図17(a)〜(c)の形状以外の形状であってもよい。
<第9実施形態>
以下に、本発明に係る第9実施形態を説明する。なお、この第9実施形態の説明において、第2〜第8の実施形態における積層部位の構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図18(a)は、第8実施形態の積層造形部材における積層部位において特徴的な構成部分を抜き出して模式的に表す断面図である。図18(b)は、図18(a)におけるσ部分の模式的な拡大図である。この第9実施形態では、積層部位11は、ねじ締め用ボスとして機能する立ち上がり部25aを備えている。図19は、図18(a)に表されているねじ締め用ボスである立ち上がり部25aに、ねじ33が螺合している状態を模式的に表す断面図である。また、この第9実施形態における立ち上がり部25aの外観形状は、第8実施形態において説明した例えば図17(a)〜(c)の形状である。
この第9実施形態では、第8実施形態の構成に加えて、立ち上がり部25aの凹部30の内壁面には、ねじが切ってある(螺旋状の溝34が形成されている)。この溝34は、補助材料16が形成されている領域まで入り込む深さを備えている。つまり、溝34が形成される部分の層12の厚みWp(図18(b)参照)は、図18(c)に表されるねじ33のねじ山33qの高さHqの寸法よりも小さくなっている。層12の厚みWpとねじ山33qの高さHqとが、このような寸法関係を持つことにより、ねじ33をねじ締め用ボスである立ち上がり部25aに螺合した際のトルクによる立ち上がり部25aの破損や割れや変形を防止することができる。つまり、ねじ締めに対する立ち上がり部25aの強度を高めることができ、立ち上がり部25aに対する信頼性を高めることができる。
なお、ねじ33は、立ち上がり部25aを構成している材料(ここでは樹脂)を考慮して、樹脂用ねじ(Pタイトねじ)を利用することが好ましい。また、図19の例では、立ち上がり部25aの先端部とねじ33との間に介在しているものは無いが、立ち上がり部25aの先端部とねじ33との間に他の部材(例えば、積層部材11に取り付ける部材)が介在されていてもよい。また、ねじ締め作業でのトルクによって立ち上がり部25aの先端部が破損することを防止するために、例えば、立ち上がり部25aの先端部とねじ33との間にワッシャーをかましてもよい。
前述したような構成を持つ立ち上がり部25aの溝34は、例えば、製造工程において、立ち上がり部25aの内部空間部13に補助材料16を充填し、当該補助材料16を固化した後に、ねじ切り加工により形成される。
この第9実施形態においても、前記各実施形態と同様に、補助材料16が層12間の密着強度を高める構成を備えているので、前記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、この第9実施形態では、立ち上がり部25aの凹部30の内壁面に直接に、ねじ33が螺合する溝34が形成されている。これに代えて、例えば、ねじ締め用ボスとしての立ち上がり部25aは、図16に表されるような断面を持つ立ち上がり部25aの凹部30に、ねじ33に螺合するインサートナット(図示せず)が配置される構成としてもよい。
<その他の実施形態>
なお、本発明は第1〜第9の実施形態に限定されず、様々な実施形態を採り得る。例えば、第2〜第9の実施形態における図4や図15等に表されている内部空間部13や管状空間部22における層状壁面15は、滑らかな平面状の壁面であるが、補助部材16が密着する層状壁面15は、凹凸がある壁面であってもよい。この場合にも、前記各実施形態と同様に、補助部材16は、層状壁面15に、2以上の非積層面12aに亘る態様でもって密着形成される。
さらに、第2〜第9の実施形態では、補助部材16は、内部空間部13や管状空間部22に充填形成されている。これに代えて、例えば、補助部材16は、内部空間部13の管状空間部22の中央部(また、中心軸を含む部分領域)には形成されておらず、内部空間部13や管状空間部22の内壁面(層状壁面15)の全面に密着形成されている構成であってもよい。
1 積層造形部材
2,11 積層部位
3,12 層
4,12a 非積層面
5,15 層状壁面
7,16 補助材料

Claims (7)

  1. 複数の層が積層形成されている積層部位を備え、
    前記積層部位を構成する前記各層は、他の前記層に密着していない非積層面を有し、
    また、前記積層部位は、基体部と、当該基体部の平面状の表面から前記層の積層方向に立ち上がっている立ち上がり部とを有し、前記立ち上がり部の内部には、当該立ち上がり部の根元を通り前記基体部の内部に伸長形成されている態様の空間部が形成されており、
    前記空間部の内壁面は、前記層の積層方向に複数の前記非積層面が配置されている態様の層状壁面と成し、当該内壁面の少なくとも一部には、前記層を形成する材料とは異なる補助材料が2以上の前記非積層面に亘る形態でもって密着形成されている積層造形部材。
  2. 前記立ち上がり部の内部に形成される前記空間部は、複数の管状空間部であり、
    前記補助材料は、少なくとも一つの管状空間部における前記層状壁面である内壁面の少なくとも一部に、2以上の前記層の前記非積層面に亘る形態でもって密着形成されている請求項記載の積層造形部材。
  3. 前記補助材料は、前記立ち上がり部の前記空間部に充填形成され、前記空間部における前記層状壁面である内壁面の全面に亘って密着形成されている請求項又は請求項記載の積層造形部材。
  4. 前記立ち上がり部には先端側が開口した凹部が形成され、当該凹部を囲む周壁の内部に前記空間部が形成され、前記補助材料は、その空間部における前記層状壁面である内壁面の少なくとも一部に、2以上の前記層の前記非積層面に亘る形態でもって密着形成されている請求項記載の積層造形部材。
  5. 前記積層部位の内部には、さらに、前記立ち上がり部の前記凹部の底面から前記基体部に掛けての領域に空間部が形成され、
    前記補助材料は、その空間部における前記層状壁面である内壁面の少なくとも一部に、2以上の前記層の前記非積層面に亘る形態でもって密着形成されている請求項記載の積層造形部材。
  6. 前記補助材料は、前記層を形成する材料の熱変形温度よりも低い融点を持つ材料である請求項1乃至請求項の何れか一つに記載の積層造形部材。
  7. 複数の層が積層形成され、かつ、それら各層は他の前記層に密着していない非積層面を有する構成を持つ積層部位を、三次元積層造形機を利用することによって形成する工程を含み、
    前記積層部位は、基体部と、当該基体部の平面状の表面から前記層の積層方向に立ち上がっている立ち上がり部とを有し、前記立ち上がり部の内部には、当該立ち上がり部の根元を通り前記基体部の内部に伸長形成されている態様の空間部が形成され、前記空間部の内壁面は、前記層の積層方向に複数の前記非積層面が配置されている態様の層状壁面と成している構成を備えており、
    前記空間部の内壁面の少なくとも一部に、前記層を形成する材料とは異なる補助材料を2以上の前記非積層面に亘る形態でもって密着形成する工程をさらに含む積層造形部材の製造方法。
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