JP2010025239A - 歯車とその製造方法 - Google Patents

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英理 永田
Nobuaki Kurita
信明 栗田
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Abstract

【課題】歯の強度を高めた繊維強化樹脂製の歯車とその歯車の製造方法を提供する。
【解決手段】歯2の凹凸面を構成する表面31と表面31の凹凸に沿った形状の裏面35とによって作り出される波型の断面を有すると共に、繊維Fが歯並び方向且つ波型に沿って配向している繊維強化樹脂製Pの歯型構成部3と、歯型構成部3を裏面35から保持する基部4とを備えた歯車1とする。また、形成する歯車1の歯2の凹凸面の形状を内側面に備えた上型に対して歯2の凹凸面に沿った形状を有する基部4を設置し、上型及び基部4によって形成された波型の断面の空間に、繊維強化樹脂Pを歯並び方向且つ波型に沿うよう射出し、歯型構成部3を基部4に対して一体成形して歯車1を製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、樹脂製の歯車とその歯車の製造方法とに関する。
従来、歯車の強度を向上させる技術としては、プリプレグ、例えばフェノール樹脂粉末と補強繊維とを液中に分散し抄造したシートを複数回捲き回し、その中心に金属製ブッシュを配置し成形金型内で両者を加熱加圧成形して一体化した後に、機械切削して歯を加工するものがあった(特許文献1参照)。この構成によると、前記シートの強度は全体的に均一に向上しているため、歯の各部で強度に差が生じず、強度の方向性のない歯車を得ることができる。また、機械切削により歯の加工を行うため、寸法精度の良い歯車を得ることができるとされている。
特許文献2には、平歯車の歯先に樹脂溜まりを設けた金型を用いて歯車の中心から歯先に向けて繊維強化樹脂を射出して繊維を配向させたり、平歯車の歯の中央部に回転軸方向の窪みを設けた金型を用いることにより、その窪み周りの繊維強化樹脂の流動が良くなり、繊維が歯の凹凸に沿って配向するという技術が開示されている。このため、歯の強度が高く、長期間の使用に耐え得る樹脂製歯車を大量生産することができるとされている。
また、繊維を用いて製品の強度を向上させる技術としては、製品形状に近似させた芯材に長繊維プリプレグを繊維方向が斜めになるよう複数回巻き付け、加熱により長繊維プリプレグ同士を付着させた後に芯材を抜き、その隙間に長繊維プリプレグと相性の良い樹脂を射出して製品を成形するものがあった(特許文献3参照)。この構成によると、製品の強度や弾性率を長繊維により向上させることができると共に、製品の内部が射出樹脂であるため製品の軽量化を図ることができるとされている。
さらに、繊維強化樹脂成形品の射出成形用金型において、成形品内部で強度を必要とする位置に接合部を意図的に形成する技術があった(特許文献4)。この構成によると、接合部においては、繊維が接合部の長さ方向に平行に配向し、内部リブ効果を得ることができる。すなわち、接合部によって樹脂の配向を制御して内部リブ効果を有する部分を作り出し、想定される荷重や衝撃に対して強度を向上させることができるとされている。
特開平10−286888号 特開2008−8404号 特開平10−202692号 特開2003−200452号
しかしながら、特許文献1の技術は、プリプレグを捲き回して加熱接着したものを機械切削して歯を仕上げる構成である。このため、繊維が歯型に沿って配向されておらず、歯の強度向上の効果が低かった。また、工程の数も多く、コストアップや成形時間延長等に繋がる虞があった。
特許文献2の技術は、樹脂溜まりの部分を切除する後加工が必要であると共に、樹脂溜まり分の材料が無駄になっていた。また、歯の中央に窪みを設ける場合は、窪みを設けた箇所の厚みは樹脂が流れにくい程度に薄くせねばならず、厚みが大きい歯車を成形するときは、窪みの部分が歯車の厚みと比べて極端に薄くなって逆に強度が落ちる虞があった。さらに、この技術は回転軸に平行に歯を切った平歯車等を成形するときには有効な技術ではあるが、歯すじが捻れているヘリカルギアや回転軸と垂直な面に歯を切ったフェースギアの場合は金型が非常に複雑となり、仮に金型が製作できたとしても、ヘリカルギアに関しては成形品を金型から取り出すのが困難であり、フェースギアに関しては取り出すことすらできない。このように、特許文献2の技術はフェースギア等の成形には適さなかった。
また、歯の強度を向上させるべく、全ての歯に、歯の凹凸に沿ってプリプレグを巻き付けることは相当困難であるため、引用文献3の技術を歯車に適用することは難しかった。仮に、全ての歯に、歯の凹凸に沿って、プリプレグを巻き付けられたとしても、繊維が歯型に沿って配向されておらず、歯の強度向上の効果が低いと考えられる。
さらに、歯車の場合は、前記接合部を歯の高さ方向に設けるべきであるが、歯は、内部リブ効果を有する接合部を設置できる程に高くない場合が多い。仮に、全ての歯の位置に接合部を設けられたとしても、その金型は相当複雑である。したがって、引用文献4の技術を歯車に適用することは現実的に難しい。
本発明は上記実情に鑑み、歯の強度を高めた繊維強化樹脂製の歯車とその歯車の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る歯車の特徴構成は、歯の凹凸面を構成する表面と前記表面の凹凸に沿った形状の裏面とによって作り出される波型の断面を有すると共に、繊維が歯並び方向且つ前記波型に沿って配向している繊維強化樹脂製の歯型構成部と、該歯型構成部を前記裏面から保持する基部とを備えた点にある。
本構成によると、繊維が歯並び方向且つ前記波型に沿って配向しているため、歯の強度が格段に向上する。
また、歯型構成部が歯の凹凸に沿った波型の断面を有しているため、例えば、歯型構成部を射出成形するときは、繊維が歯並び方向且つ前記波型に沿って確実に配向し、少ない繊維強化樹脂で効率よく歯の強度を向上させることができる。繊維の密度も安定するから、歯の強度のバラつきも少なくすることもできる。用いる繊維強化樹脂が少ないため、射出及び固化に要する時間が短くなり、量産性に富んだ歯車とすることができる。さらに、歯型構成部の裏面の凹凸に基部を嵌合させることができるため、歯型構成部と基部とを堅固に接合できる。
このように、歯型構成部によって歯の強度向上が図られているため、基部は前記歯型構成部を保持できれば繊維が配向する必要はない。このため、例えば、基部に繊維強化樹脂と別材質の素材であっても良く、低コストの素材を適用することができる。
本発明に係る歯車の製造方法は、形成する歯車の歯の凹凸面の形状を内側面に有する上型に対して前記歯の凹凸面に沿った形状を有する基部を設置し、前記上型及び前記基部によって形成された波型の断面の空間に、繊維強化樹脂を歯並び方向且つ前記波型に沿うよう射出して、歯型構成部を前記基部に対して一体成形する点を特徴とする。
本構成によると、繊維強化樹脂が歯並び方向且つ前記波型に沿って流れ、繊維が歯並び方向且つ前記波型に沿って配向する。このため、歯の強度を格段に向上させることができる。
また、歯型構成部を基部に対して射出成形するため、歯型構成部と基部とが密着して両部材の結合が堅固になると共に、歯車の量産性を高め、生産コストを削減することができる。
本発明に係る歯車の製造方法のさらなる特徴は、形成する歯車の歯の凹凸面の形状を内側面に有する上型に対して前記歯の凹凸面に沿った形状を有する下型を設置し、前記上型及び前記下型によって形成された波型の断面の空間に、繊維強化樹脂を歯並び方向且つ前記波型に沿うよう射出して、歯型構成部を成形し、前記歯型構成部の前記下型によって形成された面に対して基部を設ける点にある。
本構成によると、繊維強化樹脂が歯並び方向且つ前記波型に沿って流れ、繊維が歯並び方向且つ前記波型に沿って配向する。このため、歯の強度を格段に向上させることができる。
さらに、歯型構成部を射出成形によって成形するため、歯車の量産性を高め、生産コストを削減することができる。
本発明に係る歯車の製造方法のさらなる特徴は、前記基部を前記歯型構成部に対して射出成形することにある。
本構成によると、通常、基部の材料の溶融熱により歯型構成部における歯型構成部と基部との接合面が再加熱される。このため、仮に、歯型構成部に射出成形による内部応力が残留していても、その残留応力を除去することができ、品質の良い歯車を得ることができる。
また、上型を歯型構成部に当てた状態で基部を歯型構成部に対して射出成形する場合、基部の射出成形圧を歯型構成部の射出成形圧より高くすると、歯型構成部の撓み等を基部によって矯正することができ、寸法精度の良い歯車が得られる。
本発明を歯車としてのフェースギアに適用した場合の実施形態と、そのフェースギアの製造方法の実施形態とを図面に基づいて説明する。
(フェースギアの概要)
フェースギア1は、回転軸Lと垂直な面に歯を切っているギアである。本発明に係るフェースギア1は、図1に示すごとく、歯2の凹凸を構成する繊維強化樹脂製の歯型構成部3と、歯型構成部3を保持するよう設けられた基部4とを備えている。
(歯型構成部)
歯型構成部3は、例えば、射出成形によって得るが、使用する繊維強化樹脂Pとしては、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、AFRP(アラミド繊維強化プラスチック)等が適用できる。
樹脂としては、脂肪族ポリアミド系樹脂であるナイロンや、ポリプロピレン等が適する。ナイロンは、耐薬品性、強靭性、耐衝撃性に優れ、ガラス繊維等の複合物との親和性が高く、ポリプロピレンは、耐薬品性に優れ、非常に軽く、強度も高いからである。また、耐熱性等も樹脂選定の条件となる。
混入する繊維Fは、ガラス繊維、炭素繊維、全芳香族ポリアミド系樹脂(アラミド樹脂)であるケブラー等である。繊維Fの長さは、本実施形態では概ね0.2〜30mm程度である。但し、この寸法に限定されるものではなく歯車の形状、寸法、樹脂材質、射出条件等により異なる。
図2に示すごとく、歯型構成部3の表面31は歯2の凹凸面を構成している。その裏面35は、表面31の凹凸に沿った形状に形成している。表面31は歯先側の歯先面32、歯元側の歯元面33、歯先面32と歯元面33との間の歯面34とを備えている。裏面35は歯先対応面36、歯元対応面37、歯先対応面36と歯元対応面37との間の歯対応面38とを備えている。歯先対応面36は歯先面32に同調して突出し、歯元対応面37は歯元面33に同調して引退している。このように、裏面35が表面31の凹凸に沿った形状をなして、歯型構成部3は波型の断面を有している。
歯型構成部3は、繊維Fが歯並び方向且つこの波型の断面形状に沿って配向するよう形成されている。
(基部)
基部4は、歯型構成部3を裏面35から保持するよう設けている。図2に示すごとく、基部4の表面41は、凹面42と凸面43と中間面44とを備えている。凹面42、凸面43、中間面44の形状は、夫々歯型構成部3の裏面35の歯元対応面37、歯先対応面36、歯対応面38の形状と一致している。すなわち、表面41は歯2の凹凸面に沿った形状を有している。このように、基部4の表面41の凹凸が歯型構成部3の裏面35の凹凸に嵌合し、歯型構成部3と基部4とは堅固に結合している。
歯2の歯型形状は、図2のような形状に限定されるものではない。例えば、インボリュート曲線に基づいて形成するものがある。インボリュート曲線に基づいた形状の歯は、製作しやすく、歯と歯とが円滑に噛み合い、また円滑に離間しやすいからである。
(フェースギアの製造方法)
上述のフェースギア1の製造方法について説明する。歯型構成部3の成形に先立って、射出成形、型押し成形等によって基部4を製造し、歯型構成部3を射出成形するための金型5に設置する。そして、繊維強化樹脂を射出して、歯型構成部3を基部4に対して一体成形し、フェースギア1を製造する。
図3に示すごとく、金型5は上型51を備えており、上型51は凹面52と凸面53と中間面54とを有している。凹面52、凸面53、中間面54の形状は、夫々歯型構成部3の表面31の歯先面32、歯元面33、歯面34の形状に対応している。すなわち、上型51は歯2の凹凸面の形状を有している。ここで、凹面52、凸面53、中間面54の形状は、樹脂材料の成形収縮を見込んだ形状にすることもある。
基部4は、その凹部42、凸部43、中間部44が、上型51の凸部53、凹部52、中間部54に夫々沿うよう、金型5に設置する。
この上型51及び基部4によって形成された波型の断面の空間としてのキャビティ6に、繊維強化樹脂Pを射出すると、図3の矢印のごとく、繊維強化樹脂Pは歯並び方向且つキャビティ6の波型形状に沿って流れ、その繊維Fは歯並び方向且つ歯2の凹凸面に沿って配向する。このため、繊維Fが無配向である場合に比べて、歯2の強度は格段に向上する。また、歯型構成部3を射出成形によって成形するため、歯車の量産性を高め、生産コストを削減することができる。
本構成の断面であれば、少ない繊維強化樹脂で効率よく歯の強度を向上させることができる。繊維の密度も安定するから、歯の強度のバラつきも少なくすることもできる。歯型構成部3の成形に用いる繊維強化樹脂が少ないため、射出及び固化に要する時間が短くなり、さらに量産に適したフェースギア1を得ることができる。
このように、歯型構成部3によって歯2の強度向上が図られているため、基部4は歯型構成部3を保持できれば繊維が配向する必要はない。このため、例えば、基部4は繊維強化樹脂Pと別材質の素材であっても良く、低コストの素材を適用することができる。ただし、歯型構成部3を確実に保持できる程度の剛性と、繊維強化樹脂Pと同程度の熱収縮率とを有する材質のものが適当である。
上型51の凹面52と基部4の凹面42との高低差をH、上型51の凹面52と凸面53との高低差をh1、基部4の凸面43と凹面42との高低差をh2とする。このとき、Hがh1とh2との和よりも小さくなるよう基部4を成形すると、上型51と基部4とが互いに噛み込んだ位置関係となる。よって、繊維強化樹脂Pが、ある程度の速度を持って流れ、繊維Fを歯2の凹凸面に沿って配向させやすい。
また、歯車において歯面34の強度は特に重要であるため、繊維Fを歯面34に沿って配向させなければならない。本実施形態では、上型51の中間面54と基部4の中間面44とで形成される流路の幅が、上型51の凹面52と基部4の凸面43とで形成される歯先側の流路の幅、及び、上型51の凸面53と基部4の凹面42とで形成される歯元側の流路の幅よりも狭くなるよう、基部4を成形している。このため、オリフィス効果により、繊維強化樹脂Pが中間面54と中間面44とで形成される流路を流れるときの速度は速まる。したがって、繊維Fを歯面34に沿って配向させることができる。
ただし、上型51と基部4との噛み込みが深過ぎる場合は、キャビティ6が狭くなり過ぎ繊維強化樹脂Pの流れが阻害される。このため、繊維強化樹脂Pの流れが不安定となり、波形に沿って繊維Fを配向させることができなかったり、厚肉部にヒケが発生したりする虞がある。一方、上型51と基部4との噛み込みが浅過ぎる場合も、上型51の凹部付近に繊維強化樹脂Pの流れが生じにくく、波型に沿って繊維Fを配向させることができないことがある。このため、基部4のh2の寸法、及び、基部4と上型51との位置関係は、使用する樹脂の流動性、繊維Fの配合量等を充分加味して決定する必要がある。
歯型構成部3の断面が波型となるならば、基部4の表面41の形状は、歯型構成部3の表面31の形状と略同じような形状に形成する必要はない。すなわち、射出のし易さ等に配慮した形状とすることができる。
特に歯先近傍での繊維の配向、繊維の充填が不十分である場合は、図5に示すごとく、歯先面32を、必要な歯先面32より外側の破線で表すような曲面に設定し、さらにh2の高さを増し、繊維強化樹脂Pが歯先を流れ易い状態を作り出す。歯先面32より外側の不要な部分は、後工程において切除または研磨加工して除去しても、あるいは、そのまま残して相手側歯車の歯先から歯元までを深くしても良い。
本実施形態において、本発明を図1に示すようなフェースギアに適用した例を示したが、本発明を平歯車、ベベルギア、ヘリカルギア、ピニオンラック機構のラックに適用しても良い。また、本発明はクラッチ板にも適用できる。
(別の実施形態)
射出成形した歯型構成部3に対して基部4を設けてフェースギア1を製造する別の実施形態について図面に基づいて説明する。上述の実施形態と同様の構成については、説明は省略し、同じ構成の箇所には同じ符号を付すこととする。
歯型構成部3を成形するための金型5は、図4に示すごとく、上型51と下型55とを備えており、下型55は凹面56と凸面57と中間面58とを有している。下型55の凹面56、凸面57、中間面58の形状は、夫々歯型構成部3の裏面35の歯元対応面37、歯先対応面36、歯対応面38の形状に対応している。すなわち、下型55は歯2の凹凸面に沿った形状を有している。ここで、凹面56、凸面57、中間面58の形状は、樹脂材料の成形収縮を見込んだ形状にすることもある。
この上型51及び下型55によって形成された波型の断面の空間としてのキャビティ6に、繊維強化樹脂Pを射出すると、図4の矢印のごとく、繊維強化樹脂Pは歯並び方向且つキャビティ6の波型形状に沿って流れ、その繊維Fは歯並び方向且つ歯2の歯面34に沿って配向する。このため、繊維Fが無配向である場合に比べて、歯2の強度は格段に向上する。
上型51の凹面52と下型55の凹面56との高低差をH、上型51の凹面52と凸面53との高低差をh1、下型55の凸面57と凹面56との高低差をh2とした場合、Hがh1とh2との和よりも小さくなるような金型であると、上型51と下型55とが互いに噛み込んだ位置関係となる。このとき、繊維強化樹脂Pが、ある程度の速度を持って流れるため、繊維Fを歯2の歯面34に沿って配向させやすい。
繊維Fの歯面34に沿った配向性を向上させるために、上型51の中間面54と下型55の中間面58とで形成される流路の幅が、上型51の凹面52と下型55の凸面57とで形成される歯先側の流路の幅、及び、上型51の凸面53と下型55の凹面56とで形成される歯元側の流路の幅よりも狭くなるよう金型5を構成している。
上述の実施形態と同様に、繊維強化樹脂Pの流動は、上型と下型との噛み合いの深浅に影響を受ける。このため、下型のh2の寸法、及び、上型51と下型55との位置関係は、使用する樹脂の流動性、繊維Fの配合量等を充分加味して決定する必要がある。また、下型55の形状は、歯型構成部3の表面31の形状と略同じような形状に形成する必要はない。
基部4は、歯型構成部3に対して裏面35の側から射出成形する。図示はしないが、歯型構成部3の射出成形後、下型55のみを外し、新たに基部4のための下型を設置する。歯型構成部3の裏面35が上型の役割をなし、裏面35と新たな下型との間の空間が基部4を射出成形するためのキャビティとなる。そして、そのキャビティに樹脂を射出して基部4を成形する。基部4の材質は、上述したように歯型構成部3の材質を勘案して決定する。
本構成によると、通常、基部4の溶融熱によって、歯型構成部3における歯型構成部3と基部3との接合面が再加熱される。このため、仮に、歯型構成部3に射出成形による内部応力が残留していても、その残留応力を除去することができ、品質の良いフェースギア1を得ることができる。
また、基部4の射出成形圧を歯型構成部3の射出成形圧より高くすると、歯型構成部3の撓み等を基部4によって矯正することができ、寸法精度の良いフェースギア1が得られる。
基部4は、型押し成形、射出成形等によって、歯型構成部3とは別途に製造しても良い。この場合は、歯型構成部3の裏側に接着する。
歯型構成部3が単独で機能する程度に強度を有し、機構上の問題がないならば、基部4は設けなくても良い。同様の場合においては、歯型構成部3の裏面35を使用し易い形状に加工しても良い。
本発明に係るフェースギアを示す斜視図 フェースギアの歯並び方向の断面の概略を示す図 歯型構成部の射出成形時の歯並び方向の断面の概略を示す図 別製造方法における歯型構成部の射出成形時の断面の概略を示す図 別の例のフェースギアの歯並び方向の断面の概略を示す図
符号の説明
1 フェースギア(歯車)
2 歯
3 歯型構成部
4 基部
6 キャビティ(空間)
31 表面
35 裏面
51 上型
55 下型
P 繊維強化樹脂
F 繊維

Claims (4)

  1. 歯の凹凸面を構成する表面と前記表面の凹凸に沿った形状の裏面とによって作り出される波型の断面を有すると共に、繊維が歯並び方向且つ前記波型に沿って配向している繊維強化樹脂製の歯型構成部と、
    該歯型構成部を前記裏面から保持する基部とを備えた歯車。
  2. 形成する歯車の歯の凹凸面の形状を内側面に有する上型に対して前記歯の凹凸面に沿った形状を有する基部を設置し、
    前記上型及び前記基部によって形成された波型の断面の空間に、繊維強化樹脂を歯並び方向且つ前記波型に沿うよう射出して、歯型構成部を前記基部に対して一体成形する歯車の製造方法。
  3. 形成する歯車の歯の凹凸面の形状を内側面に有する上型に対して前記歯の凹凸面に沿った形状を有する下型を設置し、
    前記上型及び前記下型によって形成された波型の断面の空間に、繊維強化樹脂を歯並び方向且つ前記波型に沿うよう射出して、歯型構成部を成形し、
    前記歯型構成部の前記下型によって形成された面に対して基部を設ける歯車の製造方法。
  4. 前記基部を前記歯型構成部に対して射出成形する請求項3に記載の歯車の製造方法。
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