JP6434689B2 - 中間膜用ポリビニルアセタール樹脂 - Google Patents

中間膜用ポリビニルアセタール樹脂 Download PDF

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本発明は、水や湿気の多いところで長時間使用した場合でも、光学特性が損なわれず、高い接着性及び耐貫通性を有する中間膜用ポリビニルアセタール樹脂、及び、該中間膜用ポリビニルアセタール樹脂を用いた合わせガラス用中間膜及び合わせガラスに関する。
ポリビニルアセタール樹脂等の樹脂からなる中間膜を、二枚以上からなるガラス板の間に挟着することにより得られる合わせガラスは、透明性、耐候性、耐貫通性に優れ、窓ガラス等に広く使用されている。
また、このような合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車等や鉄道の車両、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。
例えば、特許文献1には、一対のガラス間にポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させた合わせガラスが記載されている。
また、特許文献2には、中間膜とガラス板との接着性を改善することで、衝突時における耐貫通性及びガラスの飛散防止性を向上させた合わせガラス用中間膜が記載されている。
しかしながら、従来の合わせガラス用中間膜は、透明性等の光学特性に加え、衝撃に対する耐貫通性が不充分となる場合があり、特に、水や湿気の多いところで長時間使用した場合に、透明性等の光学特性や、耐貫通性が低下するという問題があった。
従って、近年、需要が急速に拡大している東南アジアをはじめとした高温多湿条件での長期間の使用の要求に応えるには、更なる性能向上が求められるという課題があった。
特開平05−186250号公報 特開2000−302490号公報
本発明は、水や湿気の多いところで長時間使用した場合でも、光学特性が損なわれず、高い接着性及び耐貫通性を有する中間膜用ポリビニルアセタール樹脂、及び、該中間膜用ポリビニルアセタール樹脂を用いた合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、合わせガラス用中間膜に用いられる中間膜用ポリビニルアセタール樹脂であって、アセタール化度が60〜80モル%、アセチル基量が10モル%以下、平均重合度が1500〜3000、重量平均分子量が300000〜500000であり、GPC−MALLSを用いて測定したRMS半径(nm)及びモル分子量(g/mol)の絶対分子量5×10以上の領域における線形近似直線の傾きが、0.20〜0.38(nm/(g/mol))であり、かつ、絶対分子量が5×10での分子の回転半径が75nm以下である中間膜用ポリビニルアセタール樹脂である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、中間膜用ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度、アセチル基量及び平均重合度を所定の範囲内とすることに加えて、GPC−MALLSを用いて測定したRMS半径及びモル分子量の絶対分子量5×10以上の領域における線形近似直線の傾き、並びに、絶対分子量が5×10での分子の回転半径を所定の範囲内とすることで、水や湿気の多いところで長時間使用した場合でも、光学特性が損なわれず、高い接着性及び耐貫通性を実現することが可能になることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は60〜80モル%である。上記アセタール化度が60モル%未満であると、本発明の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂に可塑剤を添加した場合に、可塑剤が樹脂の表面に分離し、接着性の低下や光学歪の原因となる。上記アセタール化度が80モル%を超えると、ポリビニルアセタール樹脂の水素結合力が低下するため、得られる中間膜の強度が低下し、合わせガラスの耐貫通性が低下する。上記アセタール化度の好ましい下限は67モル%、好ましい上限は70モル%である。なお、アセタール化度とは、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率を百分率で示した値である。アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」を用いて測定できる。
本発明の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量の好ましい下限は25モル%、好ましい上限は40モル%である。上記水酸基量が25モル%未満であると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記水酸基量が40モル%を超えると、合わせガラス用中間膜が硬くなりすぎるために取り扱い性に問題が生じることがある。上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量のより好ましい下限は30モル%、より好ましい上限は35モル%である。なお、ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率を百分率で示した値である。水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K 6726「ポリビニルアルコール試験方法」を用いて原料となるポリビニルアルコールの水酸基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。
本発明の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は上限が10モル%である。上記アセチル基量が10モル%を超えると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記アセチル基量の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は5モル%である。
なお、アセチル基量とは、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率を百分率で示した値である。
本発明の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は下限が1500、上限が3000である。上記平均重合度が1500未満であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記平均重合度が3000を超えると、樹脂の剛性が大きくなり過ぎるため、合わせガラス用中間膜の成形が困難になることがある。上記平均重合度の好ましい下限は2000、好ましい上限は2500である。
なお、上記中間膜用ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、原料となるポリビニルアルコールの平均重合度によって求めることができる。
本発明の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量の好ましい下限は300000、好ましい上限は500000である。また、本発明の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂の数平均分子量の好ましい下限は100000、好ましい上限は200000である。
なお、上記重量平均分子量及び数平均分子量は、GPC−MALLS測定によって求めた光散乱強度の角度依存性(Zimm Plot)の切片の値をもとに算出する。
本発明の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂は、GPC−MALLSを用いて測定したRMS半径(nm)及びモル分子量(g/mol)の絶対分子量5×10以上の領域における線形近似直線の傾きが、0.40(nm/(g/mol))以下である。
上記線形近似直線の傾きは、高分子の分岐度を示す指標であり、数値が小さいほど、分岐度が高いことを意味する。絶対分子量が5×10以上の領域では、分子鎖が単独で存在せず、ポリビニルアセタール樹脂の有する水酸基によって会合状態になっていると考えられるが、上記線形近似直線の傾きが0.40以下であることは、分子鎖が良く絡み合っていることを示唆する。
上記線形近似直線の傾きが0.40を超えると、分子間の絡み合い、相互作用が充分でなく、合わせガラスとしたときの強度が低下し、対貫通性に悪影響を及ぼす。
上記線形近似直線の傾きの好ましい下限は0.20、好ましい上限は0.38である。
本発明の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂について、GPC−MALLSを用いてRMS半径及びモル分子量を測定した場合の線形近似直線は、縦軸をRMS半径、横軸をモル分子量とした両対数グラフで表示することができる。
なお、上記GPC−MALLSを用いたRMS半径及びモル分子量の測定は、例えば、溶出溶媒としてテトラヒドロフランを用い、多角度光散乱検出器を用いて測定することができる。
上記線形近似直線の傾きは、例えば、ソフトウエア等を用いて解析することで、求めることができる。
本発明の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂は、絶対分子量が5×10での分子の回転半径が75nm以下である。
上記絶対分子量が5×10での分子の回転半径が75nmを超えると、水素結合による分子間相互作用が不充分となり、ポリビニルアセタールフィルムの強度が低下した結果、対貫通性が低下する恐れがある。上記絶対分子量が5×10での分子の回転半径の好ましい下限は55nm、好ましい上限は70nmである。
なお、上記絶対分子量が5×10での分子の回転半径は、GPC−MALLSを用いて測定した光散乱強度の角度依存性(Zimm Plot)の傾きの値を元に算出することができる。
本発明の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂は、通常、ポリビニルアルコールをアセタール化することにより製造できる。
上記アルデヒドは、従来公知のアルデヒドを用いることが出来る。一般に、炭素数が1〜10のアルデヒドが用いられ、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド 、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。 その中でも、n−ブチルアルデヒドを用いて得られるポリビニルブチラール樹脂が最も好ましい。
特に、上記線形近似直線の傾きが0.40以下であり、絶対分子量が5×10での分子の回転半径が75nm以下である中間膜用ポリビニルアセタール樹脂を製造する方法としては、例えば、ブチラール化反応時の温度を通常より10℃以上高くする方法、反応時間を通常より2時間以上長くする方法、通常1.1モル%程度であるアセチル基量を0.5モル%以下に低下させたポリビニルアルコールを使用する方法、アセトアルデヒドと共アセタール化する方法、水酸基量を30モル%以下とする方法等の複合的な要因を組み合わせる方法が挙げられる。
本発明の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂を用いて成形することで合わせガラス用中間膜が得られる。このような合わせガラス用中間膜もまた本発明の1つである。
本発明の合わせガラス用中間膜は、可塑剤を用いることが好ましい。
上記可塑剤として、例えば、一塩基性有機酸エステル系可塑剤、多塩基性有機酸エステル系可塑剤、有機リン酸系可塑剤等を用いることができる。
上記一塩基性有機酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール又はトリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)又はデシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られるグリコール系エステルが挙げられる。なかでも、トリエチレングリコール−ジ−カプロン酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキシル酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチラート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート等のトリエチレングリコールの一塩基性有機酸エステルが好適に用いられる。
上記多塩基性有機酸エステル系可塑剤としては特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸又はアゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖状又は分枝状アルコールとのエステル等が挙げられる。なかでも、ジブチルセバシン酸エステル(例えばトリエチレングリコール−ジ−ブチルセバケート等)、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適に用いられる。
上記有機リン酸系可塑剤としては特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤の含有量は、中間膜用ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して20〜60重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜50重量部である。上記可塑剤の含有量が20重量部未満であると、得られる合わせガラス用中間膜や該合わせガラス用中間膜が用いられた合わせガラスの衝撃吸収性が不充分となることがあり、60重量部を超えると、可塑剤がブリードアウトして得られる合わせガラス用中間膜や合わせガラスの光学歪みが大きくなったり、透明性やガラスと合わせガラス用中間膜との接着性等が損なわれたりすることがある。
本発明の合わせガラス用中間膜は、接着力調整剤を含有することが好ましい。特に、合わせガラスを製造するときには、上記接着力調整剤を含有することが好ましい。
上記接着力調整剤としては、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、変成シリコーンオイル等が好適に用いられる。上記接着力調整剤として、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。
上記塩を構成する酸としては、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、2−エチル酪酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸の有機酸、又は、塩酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。合わせガラスを製造するときに、ガラスと合わせガラス用中間膜との接着力を容易に調製できることから、接着力調整剤として、マグネシウム塩を用いることが好ましい。
上記接着力調整剤の含有量は、中間膜用ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は0.1重量部である。上記接着力調整剤の含有量が上記下限以上であると、耐貫通性により優れた合わせガラス用中間膜とすることができる。上記接着力調整剤の含有量が上記上限以下であると、合わせガラス用中間膜の透明性がより一層向上する。
本発明の合わせガラス用中間膜は、マロン酸エステル系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ヒンダードアミン系化合物等の紫外線吸収剤;酸化防止剤;光安定剤;界面活性剤;難燃剤;帯電防止剤;耐湿剤;熱線反射剤;熱線吸収剤;キレート剤;耐候剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
少なくとも二枚のガラス板の間に、本発明の合わせガラス用中間膜が挟着されていることで合わせガラスが得られる。このような合わせガラスもまた、本発明の1つである。
上記ガラスとしては特に限定されず、従来公知の透明板ガラス等を用いることができる。
また、ガラスの代わりにポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の透明性のプラスチックを用いてもよい。
本発明の合わせガラスを製造する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
本発明の合わせガラスは、合わせガラス用中間膜の含水率2重量%以下の領域で測定したパンメル値が3〜8であることが好ましい。
なお、パンメル値とは、合わせガラスを−18℃±0.6℃の温度に16時間放置し、この合わせガラスの中央部を頭部が0.45kgのハンマーで打って、ガラスの粒径が6mm以下になるまで粉砕し、ガラスが部分剥離した後の膜の露出度(面積%)により規定した値であり、表1で定義される。
本発明によれば、水や湿気の多いところで長時間使用した場合でも、光学特性が損なわれず、高い接着性及び耐貫通性を有する中間膜用ポリビニルアセタール樹脂、及び、該中間膜用ポリビニルアセタール樹脂を用いた合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供できる。
参考例1及び比較例2で得られたポリビニルアセタール樹脂について、GPC−MALLSを用いてRMS半径及びモル分子量を測定した場合の線形近似直線を示すグラフである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
参考例1)
(1)ポリビニルブチラール樹脂の合成
純水2890gに、平均重合度1700、けん化度99.2モル%のポリビニルアルコール樹脂を275gを加えて加熱溶解した。反応系を15℃に温度調節し、濃度35重量%の塩酸201gとn−ブチルアルデヒド157gを加え、この温度を保持して反応物を析出させた。次いで、反応系を60℃で3時間保持して反応を完了させた後、過剰の水で洗浄して未反応のn−ブチルアルデヒドを洗い流し、塩酸触媒を炭酸水素ナトリウム12gで中和し、更に、過剰の水で2時間水洗及び乾燥を経て、白色粉末状のポリビニルブチラール樹脂を得た。得られたポリビニルブチラール樹脂をDMSO−dに溶解させ、2重量%の溶液とした後、13C−NMRを用いてブチラール化度を計算したところ、ブチラール化度は68.1モル%であった。
(2)合わせガラス用中間膜の製造
得られたポリビニルブチラール樹脂100重量部に対し、可塑剤としてトリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)(3GO)40重量部、及び、接着力調整剤として酢酸カリウムを0.03重量部添加し、ミキシングロールで充分に溶融混練した後、押出機を用いて成型し、平均膜厚0.76mmの合わせガラス用中間膜を得た。
(3)合わせガラスの製造
得られた合わせガラス用中間膜を、その両端から透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm)で挟み込み、これをゴムバック内に入れ、2.6kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブンに移し、更に90℃で30分間保持しつつ真空プレスした。このようにして予備圧着された合わせガラスをオートクレーブ中で135℃、圧力1.2MPaの条件で20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
(実施例2〜5、比較例1〜2)
表2に示すブチラール化度、アセチル基量、水酸基量、数平均分子量、重量平均分子量となるように、ポリビニルアルコールを変更するとともに、表2に示す温度、時間でアセタール化反応を行った以外は、参考例1と同様にしてポリビニルブチラール樹脂、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
(比較例3)
平均重合度830、けん化度1.1モル%のポリビニルアルコール樹脂を用い、表2に示す温度、時間でアセタール化反応を行った以外は、参考例1と同様にしてポリビニルブチラール樹脂、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
<評価>
実施例、参考例及び比較例で得られたポリビニルブチラール樹脂及び合わせガラスについて以下の評価を行った。
[ポリビニルブチラール樹脂の評価]
(1)GPC−MALLS測定
得られたポリビニルブチラール樹脂について、赤外検出器としてWyatt Optilab rex、Shodex製GPCカラムLF−804を2本連結して使用し、カラム温度40℃で、溶出溶媒としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流量で絶対分子量の測定を行った。なお、重量平均分子量、数平均分子量はGPC−MALLSを用いて測定した光散乱強度の角度依存性(Zimm Plot)の切片の値と、溶出時間に対する濃度の広がりを基に算出した。
また、上記GPC条件において多角度光散乱検出器(Wyatt Technology社製、Wyatt DAWN EOS)を用いて、GPC−MALLS測定を行い、専用ソフトウエア(ASTRA V ver.5)を用いて解析を行うことで、RMS半径−モル分子量両対数直線(縦軸:RMS半径、横軸:モル分子量)の線形近似直線の傾きを求めた。また、得られたデータより、絶対分子量5×10における分子の回転半径を求めた。
上記GPC−MALLS測定の線形近似直線を図1(両対数グラフ)に示す。図1は、縦軸をRMS半径(回転半径)、横軸をモル分子量(絶対分子量)としたものである。
実線は参考例1で得られたポリビニルアセタール樹脂であり、破線は比較例2で得られたポリビニルアセタール樹脂である。ここで、「絶対分子量5×10以上の領域における線形近似直線の傾き」とは、図1に示す5×10の直線と交差する部分以上での傾きを示す。
[合わせガラスの評価]
(2)パンメル値測定
まず、得られた合わせガラスについて、水の吸収帯を利用する近赤外線吸収分析法により、合わせガラス用中間膜の含水率を測定して、含水率が全て2重量%以下であることを確認した。なお、含水率は、合わせガラスを近赤外分光計(日本分光社製、Ubest V−570)にセットしてスペクトルを測定し、1925cm−1のピーク(水の吸収帯)と1705cm−1(ポリビニルブチラール樹脂の吸収帯)の強度比により測定した。
次いで、得られた合わせガラスを−18℃±0.6℃の温度で16時間放置し、この合わせガラスの中央部(縦150mm×横150mmの部分)を頭部が0.45kgのハンマーで打って、ガラスの粒径が6mm以下になるまで粉砕し、ガラスが部分剥離した後の膜の露出度を、表1によってパンメル値(積水法)で示した。
(3)ガラスの飛散性試験
上記「(2)パンメル値測定」によって得られたパンメル値が3〜8の範囲内である場合を「○」とし、パンメル値が3〜8の範囲外である場合を含む場合を「×」として評価した。
Figure 0006434689
(4)耐貫通性試験(JIS R 3212に準拠)
得られた合わせガラスを23℃±1℃の温度で16時間放置し、この合わせガラスの周縁部を支持枠に固定して水平に保持した状態で、その上から合わせガラスの中央部に2.26kgの鋼球を自由落下させ、試験片が鋼球の貫通を防止できる落球高さ(m)を測定した。落球高さが4m以上である場合を「○」とし、4m未満である場合を「×」として評価した。
(5)光学歪み評価
得られた合わせガラスを透かした像の光学歪みの有無を目視で評価した。
像に歪が見られない場合を「○」とし、歪が確認されたもの場合を「×」として評価した。
Figure 0006434689
本発明によれば、水や湿気の多いところで長時間使用した場合でも、光学特性が損なわれず、高い接着性及び耐貫通性を有する中間膜用ポリビニルアセタール樹脂、及び、該中間膜用ポリビニルアセタール樹脂を用いた合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供できる。

Claims (7)

  1. 合わせガラス用中間膜に用いられる中間膜用ポリビニルアセタール樹脂であって、
    アセタール化度が60〜80モル%、アセチル基量が10モル%以下、平均重合度が1500〜3000、重量平均分子量が300000〜500000であり、
    GPC−MALLSを用いて測定したRMS半径(nm)及びモル分子量(g/mol)の絶対分子量5×10以上の領域における線形近似直線の傾きが、0.20〜0.38(nm/(g/mol))であり、かつ、絶対分子量が5×10での分子の回転半径が75nm以下である
    ことを特徴とする中間膜用ポリビニルアセタール樹脂。
  2. 水酸基量が25〜40モル%であることを特徴とする請求項1記載の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂。
  3. ポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂。
  4. 請求項1、2又は3記載の中間膜用ポリビニルアセタール樹脂を用いてなることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  5. 中間膜用ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、可塑剤を20〜60重量部、接着力調整剤を0.1重量部以下含有することを特徴とする請求項4記載の合わせガラス用中間膜。
  6. 少なくとも二枚のガラス板の間に、請求項4又は5記載の合わせガラス用中間膜が挟着されていることを特徴とする合わせガラス。
  7. 合わせガラス用中間膜の含水率2重量%以下の領域で測定したパンメル値が3〜8であることを特徴とする請求項6記載の合わせガラス。
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