JP2012001397A - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐湿性に優れ、高温下に置かれたときにでも端部発泡の生じにくい合わせガラス用中間膜を提供する。
【解決手段】ポリビニルアセタール樹脂と、下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表されるジエステル化合物とを含有する合わせガラス用中間膜であって、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表されるジエステル化合物との合計100重量%に占める、下記一般式(1)で表される化合物の割合が20〜60重量%であり、下記一般式(1)で表される化合物は、nの値の異なる複数の化合物の混合物であり、nが1〜10である化合物の全量に対するnが6〜10である化合物の割合が16%以下である合わせガラス用中間膜。
Figure 2012001397

Figure 2012001397

【選択図】なし

Description

本発明は、耐湿性に優れ、高温下に置かれたときにでも端部発泡が生じにくい合わせガラス用中間膜に関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全である。そのため、合わせガラスは、自動車等や鉄道の車両、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。例えば、合わせガラスとして、一対のガラス間に、ポリビニルブチラール樹脂と可塑剤とを含有する合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させた合わせガラスが挙げられる。例えば、特許文献1には、可塑剤を添加して可塑化されたポリビニルアセタール樹脂膜が2層以上積層された合わせガラス用中間膜が開示されている。
一般にポリビニルブチラール樹脂と可塑剤とを含有する合わせガラス用中間膜は、吸湿性がある。このため、合わせガラスを高温高湿の環境下に置くと、合わせガラスの端部から侵入した水を合わせガラス用中間膜が吸収し、白化してしまうことがあるという問題があった。
特開平3−124440号公報
本発明者は、ポリビニルアセタール樹脂に対して下記一般式(1)で表される化合物を含有する可塑剤を添加することで、得られる合わせガラス用中間膜の耐湿性が向上することを見出した。
Figure 2012001397
式(1)中、Rはフェニル基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nは整数を表す。
しかしながら、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤として上記一般式(1)で表される化合物のみを含有する合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスは、耐湿性には優れるものの、高温下に置かれたときに、合わせガラスの端部が発泡してしまうことがあるという問題があった。
本発明は、耐湿性に優れ、高温下に置かれたときにでも端部発泡が生じにくい合わせガラス用中間膜を提供することを目的とする。
本発明は、ポリビニルアセタール樹脂と、上記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表されるジエステル化合物とを含有する合わせガラス用中間膜であって、上記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表されるジエステル化合物との合計100重量%に占める、上記一般式(1)で表される化合物の割合が20〜60重量%であり、上記一般式(1)で表される化合物は、nの値の異なる複数の化合物の混合物であり、nが1〜10である化合物の全量に対するnが6〜10である化合物の割合が16%以下である合わせガラス用中間膜である。
Figure 2012001397
一般式(2)中、R及びRは炭素数5〜10の有機基を表し、Rは、−CH−CH−基、−CH−CH(CH)−基又は−CH−CH−CH−基を表し、mは3〜10の整数を表す。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、ポリビニルアセタール樹脂用の可塑剤として、上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表されるジエステル化合物とを併用することにより、高い耐湿性を有するとともに、端部発泡が生じにくい合わせガラスを製造できる合わせガラス用中間膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明の合わせガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は特に限定されないが、好ましい下限は15モル%、好ましい上限は38モル%である。上記水酸基の含有率が15モル%未満であると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記水酸基の含有率が38モル%を超えると、合わせガラス用中間膜が硬くなりすぎるために取り扱い性に問題が生じることがある。上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率のより好ましい下限は20モル%、より好ましい上限は35モル%であり、更に好ましい下限は28モル%、更に好ましい上限は32モル%である。
なお、ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率を百分率で示した値である。水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K 6726「ポリビニルアルコール試験方法」を用いて原料となるポリビニルアルコールの水酸基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度は特に限定されないが、好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は20モル%である。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が0.1モル%未満であると、可塑剤が中間膜の表面に分離することがある。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が20モル%を超えると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度のより好ましい下限は0.3モル%、より好ましい上限は15モル%である。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度の更に好ましい下限は0.4モル%、更に好ましい上限は2モル%である。
なお、アセチル化度とは、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率を百分率で示した値である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は特に限定されないが、ガラスに対する接着力が優れるため、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は特に限定されないが、好ましい下限は63モル%、好ましい上限は73モル%である。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度が63モル%未満であると、可塑剤が合わせガラス用中間膜の表面に分離することがある。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度が73モル%を超えると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度のより好ましい下限は67モル%、より好ましい上限は70モル%である。
上記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は特に限定されないが、好ましい下限は63モル%、好ましい上限は73モル%である。上記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度が63モル%未満であると、可塑剤が合わせガラス用中間膜の表面に分離することがある。上記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度が73モル%を超えると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度のより好ましい下限は67モル%、より好ましい上限は70モル%である。
なお、アセタール化度とは、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率を百分率で示した値である。アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」を用いて測定できる。同様に、ポリビニルブチラール樹脂のブチラール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」を用いて測定できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、通常、ポリビニルアルコールをアセタール化することにより製造できる。
上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより製造できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂の原料となるポリビニルアルコールの平均重合度は特に限定されないが、好ましい下限は1000、好ましい上限は4000である。上記ポリビニルアルコールの平均重合度が1000未満であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記ポリビニルアルコールの平均重合度が4000を超えると、得られるポリビニルアセタール樹脂の剛性が大きくなり過ぎるため、合わせガラス用中間膜の成形が困難になることがある。上記ポリビニルアルコールの平均重合度のより好ましい下限は1300、より好ましい上限は3700である。特に、上記ポリビニルアルコールの平均重合度が1500〜2000である場合、耐貫通性と成形性に優れた合わせガラス用中間膜を得ることができる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、可塑剤として、上記一般式(1)で表される化合物を含有する。
上記一般式(1)中、Rはフェニル基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nは整数を表す。
上記Rは炭素数2〜4のアルキレン基である。アルキレン基の炭素数が5を超えると、ポリビニルアセタール樹脂との混和性が低下することがある。上記アルキレン基は炭素数2又は3のアルキレン基であることが好ましく、なかでも、炭素数2のアルキレン基であることがより好ましい。
上記一般式(1)におけるnは、(OR)基の付加モル数を示す。
上記一般式(1)で表される化合物は、一般にフェノールと環状アルキレンオキサイドとを触媒を用いて反応させる方法により製造される。このとき得られる上記一般式(1)で表される化合物は、(OR)基の付加モル数を表すnの値の異なる化合物の混合物となる。
このように上記一般式(1)で表される化合物がnの値の異なる複数の化合物の混合物である場合、耐湿性向上効果はnの値が特定の範囲にある化合物の割合によって異なる。
上記一般式(1)で表される化合物は、nが1〜10である化合物の全量に対するnが6〜10である化合物の割合が16%以下である。nが6〜10である化合物の割合が16%を超えると、得られる合わせガラス用中間膜の耐湿性が低下する。nが6〜10である化合物の割合の好ましい上限は15.5%であり、より好ましい上限は15%であり、更に好ましい上限は13%である。
上記一般式(1)で表される化合物は、全量に対するnが1〜10である化合物の割合が96%以上であることが好ましい。nが11以上である化合物の割合が増し、nが1〜10である化合物の割合が96%未満となった場合、得られる合わせガラス用中間膜の耐湿性が低下することがある。nが1〜10である化合物の割合のより好ましい下限は97%であり、更に好ましい下限は97.5%である。
なかでも、nが3〜4である化合物の割合が高く、かつ、nが6〜9である化合物の割合が低い場合に、得られる合わせガラス用中間膜は特に優れた耐水性を発揮することができる。
即ち、上記一般式(1)で表される化合物の全量に対するnが10である化合物の割合が0.5%以下、nが9である化合物の割合が1.0%以下、nが8である化合物の割合が2.1%以下、nが7である化合物の割合が3.8%以下、かつ、nが6である化合物の割合が9.0%以下であることが好ましい。更に、上記一般式(1)で表される化合物の全量に対するnが3である化合物の割合が24.5%以上、かつ、nが4である化合物の割合が25.8%以上であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物におけるnの分布の調整方法は特に限定されず、例えば、上記の方法にて製造した上記一般式(1)で表される化合物の標本体を数種類作製し、その後、各々の標本体のnの分布を求め、各々の標本体を適宜混合することによって最終的なnの分布を制御する方法等が挙げられる。また、nの値の違いによる沸点の違いを利用して上記一般式(1)で表される化合物におけるnの分布を調整することもできる。即ち、nの値が小さい程沸点が低いことから、蒸留法を利用してnの値を制御することができる。蒸留法によってnの値を制御した標本体を数種類作製し、その後、各々の標本体のnの分布を求め、各々の標本体を適宜混合することによって最終的なnの分布を制御することができる
上記一般式(1)で表される化合物における各々のn値の化合物の割合(%)は、例えば、ガスクロマトグラフィー分析を行い、各々の付加モル数に対応するピーク面積の比を算出することにより決定できる。より具体的には、例えば、上記一般式(1)で表される化合物0.03gを、塩化メチレンを用いて10mLのメスフラスコにて希釈して調製した試料を、ガスクロマトグラフィー分析装置(例えば、島津製作所社製GC2014)を用いて検出方法をFID―2014、カラムを極性カラム(30m×0.25mm×0.25μm)、昇温速度を15℃/分、温度を300℃とする条件で分析する方法等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜における上記一般式(1)で表される化合物の含有量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して好ましい下限が10重量部、好ましい上限が35重量部である。上記一般式(1)で表される化合物の含有量が10重量部未満であると、合わせガラス用中間膜の耐湿性が低下することがあり、35重量部を超えると、合わせガラス用中間膜を高温下に置いたときに端部が発泡することがある。上記一般式(1)で表される化合物の含有量のより好ましい下限は15重量部、より好ましい上限は30重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、可塑剤として、上記一般式(2)で表されるジエステル化合物を含有する。上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表されるジエステル化合物とを併用することにより、耐湿性に優れるのみならず、端部発泡が生じにくい合わせガラス用中間膜が得られる。
上記一般式(2)で表されるジエステル化合物は、例えば、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコール−ジ−ヘプタノエート、トリエチレングリコール−ジ−ヘプタノエート、ペンタエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、オクタエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ノナエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、デカエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコール−ジ−n−オクタノエート等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)が好ましく、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートがより好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜における上記一般式(2)で表されるジエステル化合物の含有量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して好ましい下限が20重量部、好ましい上限が50重量部である。上記一般式(2)で表されるジエステル化合物の含有量が20重量部未満であると、合わせガラス用中間膜を高温下に置いたときに端部が発泡することがあり、50重量部を超えると、合わせガラス用中間膜の耐湿性が低下することがある。上記一般式(2)で表されるジエステル化合物の含有量のより好ましい下限は22重量部、より好ましい上限は45重量部である。
上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表されるジエステル化合物との合計100重量%に占める、上記一般式(1)で表される化合物の割合の下限は20重量%、上限は60重量%である。上記一般式(1)で表される化合物の割合が20重量%未満であると、合わせガラス用中間膜の耐湿性が低下し、60重量%を超えると、合わせガラス用中間膜を高温下に置いたときに端部が発泡する。上記一般式(1)で表される化合物の割合の好ましい下限は25重量%、好ましい上限は55重量%、より好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は50重量%である。
本発明の合わせガラス用中間膜においては、上記一般式(1)で表される化合物の配合比を大きくするほど耐湿性が向上し、上記一般式(2)で表されるジエステル化合物の配合比を大きくするほど端部発泡を抑える効果を高めることができる。
上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表されるジエステル化合物との合計100重量%に占める、上記一般式(1)で表される化合物の割合は、目的とする物性や、可塑剤全体の配合量、ポリビニルアセタール樹脂との組み合わせ等に従って、上記割合の範囲内において、適当な範囲に適宜調整することが好ましい。
更に、上記一般式(1)で表される化合物は、上記一般式(2)で表されるジエステル化合物のブリードアウトを抑制する効果がある。例えば、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度1700、ブチラール化度68.5モル%、アセチル化度0.9モル%、水酸基含有率30.6モル%)等のアセチル化度が3モル%以下であるポリビニルアセタール樹脂100重量部と、上記一般式(2)で表されるジエステル化合物45重量部とを含有する合わせガラス用中間膜は、上記一般式(2)で表されるジエステル化合物がブリードアウトを起こすことがある。これに対して、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度1700、ブチラール化度68.5モル%、アセチル化度0.9モル%、水酸基含有率30.6モル%)等のアセチル化度が3モル%以下であるポリビニルアセタール樹脂100重量部と、上記一般式(2)で表されるジエステル化合物45重量部と、上記一般式(1)で表される化合物を15重量部とを含有する合わせガラス用中間膜は、上記一般式(2)で表されるジエステル化合物のブリードアウトを防止することができる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、本発明の課題の解決を阻害しない範囲で、上記一般式(1)で表される化合物、上記一般式(2)で表されるジエステル化合物以外の他の可塑剤を含んでもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜における可塑剤の含有量、即ち、上記一般式(1)で表される化合物、上記一般式(2)で表されるジエステル化合物及び必要に応じて配合するその他の可塑剤の合計量は、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して好ましい下限が15重量部、好ましい上限が75重量部である。可塑剤の含有量が15重量部未満であると、得られる合わせガラス用中間膜が硬くなり過ぎて取り扱い性が低下することがあり、75重量部を超えると、得られる合わせガラスの耐貫通性が劣ることがある。可塑剤の含有量のより好ましい下限は25重量部、より好ましい上限は65重量部であり、更に好ましい下限は33重量部、更に好ましい上限は57重量部である。
なかでも、本発明の合わせガラス用中間膜において、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する、上記一般式(1)で表される化合物の含有量と一般式(2)で表されるジエステル化合物の含有量との合計の好ましい下限は35重量部、好ましい上限は65重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、ガラスと合わせガラス用中間膜との接着力を低下させるために、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba等を含む金属塩や、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba等を含む有機酸エステルを含有していてもよい。前記金属塩や有機酸エステルが合わせガラス用中間膜に含有されていない場合には、合わせガラス用中間膜とガラスとの接着力が強くなりすぎるため、合わせガラスの耐貫通性が充分に得られないことがある。
本発明の合わせガラス用中間膜は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、染料、着色剤、赤外線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。
上記赤外線吸収剤は、赤外線を遮蔽する性能を有すれば特に限定されないが、錫ドープ酸化インジウム粒子、アンチモンドープ酸化錫粒子、亜鉛元素以外の元素がドープされた酸化亜鉛粒子、六ホウ化ランタン粒子、アンチモン酸亜鉛粒子及びフタロシアニン構造を有する赤外線吸収剤からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.3mm、好ましい上限は1.5mmである。本発明の合わせガラス用中間膜の厚さが0.3mm未満であると、合わせガラス用中間膜の耐貫通性が低下することがある。本発明の合わせガラス用中間膜の厚さが1.5mmを超えると、合わせガラスに適した厚みを超えてしまうことがある。本発明の合わせガラス用中間膜の厚さのより好ましい下限は0.5mm、より好ましい上限は1.35mmである。
本発明の合わせガラス用中間膜は、単層の合わせガラス用中間膜であってもよいし、2層以上の樹脂膜が積層された多層構造を有する合わせガラス用中間膜であってもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記可塑剤と、任意成分である添加剤と、ポリビニルアセタール樹脂とを混練した後、合わせガラス用中間膜を成形する方法等が挙げられる。上記混練の方法は特に限定されず、例えば、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等を用いる方法等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜を備える合わせガラスもまた、本発明の一つである。
本発明の合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを製造することができる。
上記合わせガラスに用いられるガラス板は特に限定されず、一般に使用されている透明板ガラスが挙げられる。上記透明板ガラスは特に限定されず、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、グリーンガラスやブロンズガラスといった着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ポリカーボネートやポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記ガラス板は、2種以上のガラス板を用いてもよい。例えば、無機ガラスと、有機プラスチックス板との間に、本発明の合わせガラス用中間膜が挟み込まれた合わせガラス等が挙げられる。
上記合わせガラスの製造方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
上記合わせガラスは、自動車用ガラスとして使用する場合は、フロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラスとして用いることができる。
本発明によれば、耐湿性に優れ、高温下に置かれたときにでも端部発泡が生じにくい合わせガラス用中間膜を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されない。
(実施例1)
(1)合わせガラス用中間膜の作製
可塑剤として、上記一般式(1)におけるRがフェニル基、Rがエチレン基であり、各々のn値の上記一般式(1)で表される化合物の割合が表1に示す通りである可塑剤15重量部と、ジエステル化合物としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)22.5重量部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.8重量部と、紫外線吸収剤(2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)0.4重量部との混合物を80℃で30分間攪拌し、可塑剤溶液を作製した。
次いで、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度1700、ブチラール化度68.5モル%、アセチル化度0.9モル%、水酸基含有率30.6モル%)100重量部に対して上記可塑剤溶液の全量を加えて充分に混合し、押出機を用いて膜厚が1mmとなるように押し出し成形して合わせガラス用中間膜を作製した。この際、合わせガラス用中間膜の接着力を調整するために、酢酸マグネシウム水溶液を、合わせガラス用中間膜中におけるMg濃度が40ppmとなるように添加した。
得られた合わせガラス用中間膜を23℃、相対湿度25%の恒温恒湿の条件下で24時間保管した。
(2)合わせガラスの作製
得られた合わせガラス用中間膜を2枚の透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.3mm)で挟み込み積層体とした。得られた積層体を、230℃の加熱ロールを用いて仮圧着させた。仮圧着された合わせガラスを、オートクレーブを用いて135℃、圧力1.2MPaの条件で20分間圧着し、合わせガラスを作製した。
(実施例2〜13、比較例1〜20)
可塑剤の種類及び配合量を表1に示したようにした以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
(評価)
実施例及び比較例にて製造した合わせガラスについて、以下の評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)耐湿性評価
得られた合わせガラスを、50℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽に56日間保管した。保管後の合わせガラスの周辺部における四辺の中点部分において、合わせガラスの端部からの白化距離を測定した後、四辺の中点部分における白化距離の平均値を算出した。
(2)耐熱性評価
得られた合わせガラス(縦300mm×横300mm)を、50℃の恒温槽に、鉛直の状態で1ヶ月間保持した。1ヶ月間保持後の合わせガラスに生じた発泡の数を、目視により観察した。発泡の個数は、発泡の長辺の長さが、2mm未満の発泡、2mm以上5mm未満の発泡、5mm以上の発泡の3種に分類して計数した。
(3)ブリードアウト評価
得られた合わせガラス用中間膜の表面に、赤色の油性マジックを用いて、縦方向及び横方向にそれぞれ2本ずつ線を引き、マーキングした。マーキングされた合わせガラス用中間膜を主面が鉛直方向と平行な平面内に位置するように置いて、該合わせガラス用中間膜を15℃の条件で1ヶ月間保管した。
1ヶ月保管後の合わせガラス用中間膜の表面を観察し、ブリードアウトした可塑剤によるマーキングの滲みや垂れが生じているか否かを目視で確認した。マーキングされた4本の線のいずれにも滲みや垂れが確認されず、可塑剤のブリードアウトが生じていない場合を「○」、マーキングされた4本の線のうちのいずれかに滲み又は垂れが見られ、可塑剤のブリードアウトが確認された場合を「×」とした。
Figure 2012001397
本発明によれば、耐湿性に優れ、高温下に置かれたときにでも端部発泡が生じにくい合わせガラス用中間膜を提供することができる。

Claims (8)

  1. ポリビニルアセタール樹脂と、下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表されるジエステル化合物とを含有する合わせガラス用中間膜であって、
    下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表されるジエステル化合物との合計100重量%に占める、下記一般式(1)で表される化合物の割合が20〜60重量%であり、
    下記一般式(1)で表される化合物は、nの値の異なる複数の化合物の混合物であり、nが1〜10である化合物の全量に対するnが6〜10である化合物の割合が16%以下である
    ことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
    Figure 2012001397
    式(1)中、Rはフェニル基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nは整数を表す。
    Figure 2012001397
    一般式(2)中、R及びRは炭素数5〜10の有機基を表し、Rは、−CH−CH−基、−CH−CH(CH)−基又は−CH−CH−CH−基を表し、mは3〜10の整数を表す。
  2. 一般式(1)で表される化合物は、nが3である化合物の割合が24.5%以上、かつ、nが4である化合物の割合が25.8%以上であることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  3. ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、一般式(1)で表される化合物の含有量と一般式(2)で表されるジエステル化合物の含有量との合計が35〜65重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
  4. ポリビニルアセタール樹脂は、水酸基の含有率が15〜38モル%であることを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
  5. ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル化度が0.1〜20モル%であることを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
  6. ポリビニルアセタール樹脂は、ブチラール化度が63〜73モル%であるポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
  7. ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が1500〜2000のポリビニルアルコールをアセタール化させることにより得られた樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
  8. 請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜を備えることを特徴とする合わせガラス。
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