JP6434314B2 - D級増幅回路 - Google Patents

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本発明は、チップサイズの縮小を図ることでコストアップを最小限に抑えつつ、出力オフセット電圧をキャンセルできるようにしたD級増幅回路に関する。
スピーカ駆動パワーアンプに対する要求例としてポップノイズ対策がある。D級増幅回路は、一般的にAB級増幅回路に比べて損失が少なく放熱板のスペースを無くすことができ、小型化を目指したセットでメリットがあるが、D級増幅回路に特化したポップノイズ対策が必要である。ポップノイズは、D級増幅回路の起動時や停止時に発生する出力オフセット電圧により生じるため、ポップノイズ対策回路を追加し出力オフセット電圧キャンセルを行う。しかし、ポップノイズ対策回路を追加することにより、必然的にコストアップが発生する。そのため、追加回路を小型化し、コストアップを最小限に抑えることが、製品を開発する上で重要となる。
図5に一般的なD級増幅装置の構成を示す。図5に示すようにD級増幅装置は、D級増幅回路10A、出力ローパスフィルタ20、スピーカ30、およびリチウムイオンバッテリなどの電池を用いる電源40から構成される。D級増幅回路10Aは、PWM変調器10A1とD級出力ドライバ10A2からなる。
図5のD級増幅装置では、音声信号がD級増幅回路10Aに入力されると、PWM変調器10A1でその音声信号がPWM信号に変調される。PWM変調信号は、出力が低インピーダンスのD級出力ドライバ10A2で振幅増幅され、出力ローパスフィルタ20で音声信号帯域の信号にフィルタリングされてから、スピーカ30を駆動する。
図6に、上記したD級増幅回路10Aと出力ローパスフィルタ20の具体例を示す。以下で説明する符号末尾のpは正側(ハイサイド)を、nは負側(ローサイド)を示すものとする。図6に示すD級増幅回路10Aは、全差動オペアンプ11、コンパレータ12p,12n、三角波発振器13、D級出力ドライバ14p,14n、出力オフセット電圧キャンセル回路15A、CMOSスイッチSW1p,SW1n、入力抵抗R1p,R1n、帰還抵抗R2p,R2n、積分用キャパシタC1p,C1n、バイアス電圧VBから構成される。そして、出力オフセット電圧キャンセル回路は、可変電流源16Ap,16An、位相検出器17、電流源コントローラ18Aから構成され、出力ローパスフィルタ20は、ローパスフィルタ21p,21nから構成される。
D級増幅回路10Aの動作を説明する。バイアス電圧VBによりバイアスされた、互いに逆相の音声信号Sp,Snが入力信号Vip,Vinとして、入力抵抗R1p,R1nを介してノードN1p,N1nに入力される。この入力信号Vip,Vinは、出力信号Vop,Vonを帰還抵抗R2p,R2nを介してフィードバックした信号とノードN1p,N1nでそれぞれ減算されて、減算信号V1p,V1nとなる。この減算信号V1p,V1nは、キャパシタC1p,C1nと全差動オペアンプ11からなる積分器によって積分されて、積分信号V2p,V2nとなる。この積分信号V2p,V2nは、コンパレータ12p,12nにおいて三角波発生回路13で生成される三角波(音声信号周波数より十分に大きな周波数をもち且つバイアス電圧VBと同じDC電圧をもつ)と比較されることで、PWM変調信号V3p,V3nに変調される。このPWM変調信号V3p,V3nは、D級出力ドライバ14p,14nにて振幅増幅され、出力信号Vop,Vonとなる。そして、この出力信号Vop,Vonは、出力ローパスフィルタ20にて音声周波数帯域の信号にフィルタリングされ、BTLでスピーカ30を駆動する。Vsppはスピーカ30の正側入力電圧、Vspnはスピーカ30の負側入力電圧である。
図7に、可変電流源16Ap,16Anおよび電流源コントローラ18Aの具体例を示す。電流源16ApはPMOSトランジスタMP3pで、電流源16AnはPMOSトランジスタMP3nで、それぞれ構成される。電流源コントローラ18Aは、電流源181p,181n,182p,182n、PMOSトランジスタMP1p,MP1n,MP2p,MP2n、NMOSトランジスタMN1p,MN1n,MN2p,MN2n、キャパシタC2Ap,C2An、および抵抗R3p,R3n、インバータX1,X2で構成される。
図6のD級増幅回路10Aの動作は、「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」、「通常動作」、「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」、「スタンバイ状態」の4つに分けられる。なお、D級出力ドライバ14p,14nの出力インピーダンスは、起動操作から第1のタイマ時間は高インピーダンスに設定され、その後の「通常動作」中は低インピーダンスに設定され、停止操作から第2のタイマ時間経過の後の「スタンバイ状態」で高インピーダンスに設定される。「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」は第1のタイマ時間内、「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」は第2のタイマ時間内である。
まず、「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」について、図6の出力オフセット電圧キャンセル回路の動作を説明する。この期間は、D級出力ドライバ14p,14nの出力は高インピーダンスに設定される。また、スイッチSW1p,SW1nが波線側に切り替えられ、コンパレータ12pのPWM変調信号V3pが帰還抵抗R2pを介してノードN1pに接続され、コンパレータ12nのPWM変調信号V3nが帰還抵抗R2nを介してノードN1nに接続される。
このときは、オーディオ信号Sp,Snは無入力状態で、バイアス電圧VBが入力抵抗R1p,R1nを介して入力される。このバイアス電圧VBは、帰還抵抗R2p,R2nを介してフィードバックされたPWM変調信号V3p,V3nと減算される。減算信号はキャパシタC1p,C1nと全差動オペアンプ11からなる積分器にて積分される。積分信号はコンパレータ12p,12nにおいて、三角波発生回路13にて生成される三角波と比較され、これによりPWM変調信号V3p,V3nが出力される。オーディオ信号Sp,Snが無信号時のPWM変調信号V3p,V3nは、本来ならばDUTY=50%の同相の信号である。
しかし、全差動オペアンプ11の入力オフセット電圧Voff1により出力オフセット電圧Voff2が生じた場合は、「Voff2/VDD」[%]のDUTY比で表される位相差が、PWM変調信号V3p,V3nの間に生じる。位相差の生じたPWM変調信号V3p,V3nは位相検出器17に入力され、正側位相検出信号V5と、負側位相検出信号V6に変換される。
正側位相差検出信号V5は電流源コントローラ18AのトランジスタMP1p,MN1nのオン/オフを制御し、負側位相差検出信号V6は電流源コントローラ18AのトランジスタMN1p,MP1nのオン/オフを制御する。そして、トランジスタMP1p,MN1pのオン/オフによりキャパシタC2Apが充放電され、トランジスタMP1n,MN1nのオン/オフによりキャパシタC2Anが充放電される。このように位相差検出信号V5,V6は、キャパシタの充放電により可聴周波数帯域より十分に低い周波数成分の平滑信号V7p,V7nに変換される。この平滑信号V7p,V7nにより可変電流源16Ap,16Anの電流値I1Ap,I1Anが制御され、PWM変調信号V3p,V3nの位相差が0となるように動作する。
PWM変調信号V3p,V3nの位相差が0になった後は、スイッチSW1p,SW1nが実線側に切り替わり、出力電圧Vop,Vonが帰還抵抗R2p,R2nにそれぞれ接続され、第1のタイマ時間が経過すると、D級出力ドライバ14p,14nの出力インピーダンスが低インピーダンスに設定され、「通常動作」に移行する。このときPWM変調信号V3p,V3nの位相差は0であるため、出力オフセット電圧Voff2は0である。「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」から「通常動作」に移行する動作中の各信号波形例を図8に示した。
次に、「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」を説明する。「通常動作」において停止操作が行われると、オーディオ信号Sp,Snは無入力状態となり、また、第2のタイマ時間のカウントが開始し、その第2のタイマ時間の経過後に、D級出力ドライバ14p,14nの出力インピーダンスが高インピーダンスに設定される。「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」は、この第2のタイマ時間中に行われる。
この「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」は、スイッチSW1p,SW1nが実線側に切り替わっており、D級出力ドライバ14p,14nの出力電圧Vop,Vonが帰還抵抗R2p,R2nを介してノードN1p,N1nに帰還される。そして、PWM変調信号V3p,V3nの間の位相差が0となるように出力オフセット電圧キャンセル回路15Aが動作する。このようにして、出力電圧Vop,Vonの間の位相差が0となった以後に、第2のタイマ時間が経過してD級増幅回路10Aが「スタンバイ状態」になるが、「スタンバイ状態」になる以前に出力オフセット電圧Voff2は0になるため、停止時ポップノイズは発生しない。「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」から「スタンバイ状態」に移行する動作中の各ノード波形例を図9に示した。
次に、図7の電流源コントローラ18Aおよび可変電流源16Ap,16Anの動作を説明する。PWM変調信号V3p,V3n間の位相差によって生成される位相差検出信号V5,V6により、キャパシタC2Apが電流源181p,182pで充放電され、キャパシタC2Anが電流源181n,182nで充放電され、平滑電圧V7p,V7nが発生する。平滑電圧V7p,V7nの時間変化量ΔV7p,ΔV7nは、式(1)、式(2)で表される。
Figure 0006434314
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出力オフセット電圧Voff2は、電圧V7p,V7nの変化量ΔVadj/2,−ΔVadj/2に変換され、可変電流源16Ap,16Anのオフセットキャンセル電流ΔIadj/2,−ΔIadj/2に変換される。平滑電圧V7p,V7nの時間変化量ΔV7p,ΔV7nとオフセットキャンセル電流の変換比によって、最小オフセットキャンセル電圧が決定する。ΔV7p,ΔV7nが小さいほど、オフセットキャンセル電流の変換比が小さいほど、最小オフセットキャンセル電圧が小さい。
「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」は、第1のタイマ時間中であるので、D級出力ドライバ14p,14nの出力が高インピーダンスであり、出力オフセットキャンセル時の電圧変化はスピーカ30から再生されないため、最小オフセットキャンセル電圧の仕様を満たす範囲で式(1)、式(2)の平滑電圧V7p,V7nの時間変化量ΔV7p,ΔV7nを大きくすることができ、D級増幅回路10Aの高速起動が可能になる。
「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」は、第2のタイマ時間中であるので、D級出力ドライバ14p,14nの出力が低インピーダンスであり、出力オフセットキャンセル時の電圧変化がスピーカ30から再生される。そのため、この電圧変化を人間の可聴周波数である20Hzに比べて十分長い時間で行い、出力オフセットキャンセル時の電圧変化によるポップノイズを発生させない設定にする必要がある。
ポップノイズを発生させない設定とするには、式(1)、式(2)で表される平滑電圧V7p,V7nの時間変化量ΔV7p,ΔV7nが小さくなるように、可変電流源16Ap,16Anの電流値I1Ap,I1Anを小さくする、あるいはキャパシタC2Ap,C2Anを大きくする必要がある。しかし、半導体素子のリーク電流の観点からナノアンペアを下回る電流設定の実現は難易度が高く、キャパシタC2Ap,C2Anを数十pFから数百pFと大きく設計することになり、チップサイズが増大し大幅なコストアップにつながる。
特開2014−072613号公報
前記した従来技術では、「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」は出力オフセットキャンセル時の電圧変化がスピーカから再生される。そのため、式(1)、(2)の時間変化量が人間の可聴周波数に比べて十分長い時間での電圧変化となるように設定する。そのため、内蔵するキャパシタC2Ap,C2Anの容量値を数十pFから数百pFに設定しなければならず、チップサイズが大きくなってしまうという問題があった。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、正側帰還信号を正側入力信号から減算した信号と負側帰還信号を負側入力信号から減算した信号をそれぞれ積分する積分回路と、該積分回路の正側積分出力信号と負側積分出力信号をそれぞれPWM変調するPWM変調回路と、該PWM変調回路から出力する正側PWM変調信号と負側PWM変調信号を入力しぞれぞれ増幅するD級出力ドライバと、該D級出力ドライバの正側出力信号を前記正側帰還信号として帰還させる正側帰還抵抗および前記D級出力ドライバの負側出力信号を前記負側帰還信号として帰還させる負側帰還抵抗とを備え、且つ前記D級出力ドライバの出力が、起動操作から第1のタイマ時間は高インピーダンスに設定され、その後の通常動作中は低インピーダンスに設定され、停止操作から第2のタイマ時間経過の後のスタンバイ状態で高インピーダンスに設定される、D級増幅回路において、正側外付けカップリングコンデンサを充放電することで前記正側調整信号を作成する正側可変電流源と、負側外付けカップリングコンデンサを充放電することで前記負側調整信号を作成する負側可変電流源と、前記正側PWM変調信号と前記負側PWM変調信号の位相差を検出する位相差検出回路と、該位相差検出回路で検出された正側位相差検出信号によって前記正側可変電流源を制御するとともに前記位相差検出回路で検出された負側位相差検出信号によって前記負側可変電流源を制御する電流源コントローラと、からなる出力オフセット電圧キャンセル回路をさらに備え、前記正側PWM変調信号と前記負側PWM変調信号の位相差が0となるようにすることで、出力オフセット電圧キャンセルを行うものであって、前記出力オフセット電圧キャンセルの内の起動時出力オフセット電圧キャンセルは、前記第1のタイマ時間内において、前記正側PWM変調信号を前記正側帰還抵抗に切替接続するとともに前記負側PWM変調信号を前記負側帰還抵抗に切替接続して行い、前記出力オフセット電圧キャンセルの内の停止時出力オフセット電圧キャンセルは、前記第2のタイマ時間内において、前記正側出力信号を前記正側帰還抵抗に接続するとともに前記負側出力信号を前記負側帰還抵抗に接続して行う、ことを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のD級増幅回路において、前記正側可変電流源と前記負側可変電流源は、前記停止時出力オフセット電圧キャンセルの際は、正側音声信号入力端子電圧と負側音声信号入力端子電圧が人間の可聴周波数に比べて十分長い時間での電圧変化となるような電流値に設定されることを特徴とする。
本発明によれば、D級増幅回路の起動時および停止時における出力オフセット電圧を打ち消すことができる。また、入力カップリングコンデンサを出力オフセットキャンセル動作に用いることで、可変電流源の電流値の設定を容易に設計することができ、且つ大容量キャパシタを内蔵することなく、オフセットキャンセル動作を可聴帯域外とすることができるため、チップサイズを縮小しコストアップを最小限に抑えることができる。
本発明の実施例のD級増幅装置の回路図である。 図1に示すD級増幅装置の出力オフセット電圧キャンセル回路の回路図である。 図1、2に示すD級増幅装置の起動時出力オフセット電圧キャンセルの動作波形図である。 図1、2に示すD級増幅装置の停止時出力オフセット電圧キャンセルの動作波形図である。 従来のD級増幅装置の構成図である。 従来のD級増幅装置の回路図である。 図6に示すD級増幅装置の電流源コントロール回路の回路図である。 図6、7に示すD級増幅装置の起動時出力オフセット電圧キャンセルの動作波形図である。 図6、7に示すD級増幅装置の停止時出力オフセット電圧キャンセルの動作波形図である。
図1に本発明の実施例のD級増幅装置を示す。このD級増幅装置は、D級増幅回路10、出力ローパスフィルタ20、スピーカ30、外付けカップリングコンデンサC2p,C2nで構成される。そして、D級増幅回路10は、全差動オペアンプ11、コンパレータ12p,12n、三角波発振器13、D級出力ドライバ14p,14n、出力オフセット電圧キャンセル回路15、入力抵抗R1p,R1n、帰還抵抗R2p,R2n、積分用キャパシタC1p,C1n、バイアス電圧VB、CMOSスイッチSW1p,SW1nから構成される。そして、出力オフセット電圧キャンセル回路15は、可変電流源16p,16n、位相検出器17、電流源コントローラ18から構成されており、出力オフセット電圧キャンセル回路15を除いた部分は基本的に従来同様の構造となっている。
図2に可変電流源16p,16n、および電流源コントローラ18の具体例を示す。可変電流源16p,16nは、電流源161p,161n,162p,162n、PMOSトランジスタMP1p,MP1n、NMOSトランジスタMN1p,MN1nで構成される。また電流源コントローラ18は、インバータX1,X2により構成される。
本実施例のD級増幅回路10の動作は、「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」、「通常動作」、「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」、「スタンバイ状態」の4つに分けられる。なお、D級出力ドライバ14p,14nの出力インピーダンスは、起動操作から第1のタイマ時間は高インピーダンスに設定され、その後の「通常動作」中は低インピーダンスに設定され、停止操作から第2のタイマ時間経過の後の「スタンバイ状態」で高インピーダンスに設定される。「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」は第1のタイマ時間内、「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」は第2のタイマ時間内である。
まず、「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」を説明する。この期間は、D級出力ドライバ14p,14nの出力は高インピーダンスに設定される。また、スイッチSW1p,SW1nが波線側に切り替えられ、コンパレータ12pのPWM変調信号V3pが帰還抵抗R2pを介してノードN1pに接続され、コンパレータ12nのPWM変調信号V3nが帰還抵抗R2nを介してノードN1nに接続される。
このときは、オーディオ信号Sp,Snは無入力状態であり、全差動オペアンプ11にバイアス電圧VBが印加される。このバイアス電圧VBは、帰還抵抗R2p,R2nを介してフィードバックされたPWM変調信号V3p,V3nと減算される。減算信号はキャパシタC1p,C1nと全差動オペアンプ11からなる積分器にて積分される。積分信号はコンパレータ12p,12nにおいて、三角波発生回路13にて生成される三角波(音声信号周波数より十分に大きな周波数をもち且つバイアス電圧VBと同じDC電圧をもつ)と比較され、これによりPWM変調信号V3p,V3nが出力される。オーディオ信号Sp,Snが無信号時のPWM変調信号V3p,V3nは、本来ならばDUTY=50%の同相の信号である。
しかし、全差動オペアンプ11の入力オフセット電圧Voff1により出力オフセット電圧Voff2が生じた場合は、「Voff2/VDD」[%]のDUTY比で表される位相差が、PWM変調信号V3p,V3nの間に生じる。位相差の生じたPWM変調信号V3p,V3nは位相検出器17に入力され、正側位相検出信号V5と、負側位相検出信号V6に変換される。
正側位相差検出信号V5は可変電流源16p,16nのトランジスタMP1p,MN1nのオン/オフを制御し、負側位相差検出信号V6は可変電流源16p,16nのトランジスタMN1p,MP1nのオン/オフを制御する。そして、トランジスタMP1p,MN1pのオン/オフにより外付けカップリングコンデンサC2pが充放電され、トランジスタMP1n,MN1nのオン/オフにより外付けカップリングコンデンサC2nが充放電される。このように位相差検出信号V5,V6は、キャパシタの充放電により可聴周波数帯域より十分に低い周波数成分の平滑信号Vip,Vinに変換される。この平滑信号Vip,Vinにより、PWM変調信号V3p,V3nの位相差が0となるように動作する。
PWM変調信号V3p,V3nの位相差が0になった後は、スイッチSW1p,SW1nが実線側に切り替わり、出力電圧Vop,Vonが帰還抵抗R2p,R2nにそれぞれ接続され、第1のタイマ時間が経過すると、D級出力ドライバ14p,14nの出力インピーダンスが低インピーダンスに設定され、「通常動作」に移行する。このときPWM変調信号V3p,V3nの位相差は0であるため、出力オフセット電圧Voff2は0である。「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」から「通常動作」に移行する動作中の各信号波形例を図3に示した。
次に、停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」を説明する。「通常動作」において停止操作が行われると、オーディオ信号Sp,Snは無入力状態となり、また、第2のタイマ時間のカウントが開始し、その第2のタイマ時間の経過後に、D級出力ドライバ14p,14nの出力インピーダンスが高インピーダンスに設定される。「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」は、この第2のタイマ時間中に行われる。
この「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」は、スイッチSW1p,SW1nが実線側に切り替わっており、D級出力ドライバ14p,14nの出力電圧Vop,Vonが帰還抵抗R2p,R2nを介してノードN1p,N1nに帰還される。そして、PWM変調信号V3p,V3nの間の位相差が0となるよう出力オフセット電圧キャンセル回路15が動作する。このようにして、出力電圧Vop,Vonの間の位相差が0となった以後に、第2のタイマ時間が経過してD級増幅回路10が「スタンバイ状態」になるが、「スタンバイ状態」になる以前に出力オフセット電圧Voff2は0になるため、停止時ポップノイズは発生しない。「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」から「スタンバイ状態」に移行する動作中の各ノード波形例を図4に示した。
次に、図2の電流源コントローラ18および可変電流源16p,16nの動作を説明する。PWM変調信号V3p,V3n間の位相差によって生成される位相差検出信号V5,V6により、外付けカップリングコンデンサC2pが電流源161p,162pで充放電され、外付けカップリングコンデンサC2nが電流源161n,162nで充放電され、平滑電圧Vip,Vinが発生する。平滑電圧Vip,Vinの時間変化量ΔVip,ΔVinは、式(3)、式(4)で表される。
Figure 0006434314
Figure 0006434314
出力オフセット電圧Voff2は、電圧Vip,Vinの変化量ΔVadj/2,−ΔVadj/2に変換され、可変電流源16p,16nのオフセットキャンセル電流ΔIadj/2,−ΔIadj/2に変換される。平滑電圧Vip,Vinの時間変化量ΔVip,ΔVinとオフセットキャンセル電流の変換比によって、最小オフセットキャンセル電圧が決定する。ΔVip,ΔVinが小さいほど、オフセットキャンセル電流の変換比が小さいほど、最小オフセットキャンセル電圧が小さい。
「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」は、第1のタイマ時間中であるので、D級出力ドライバ14p,14nの出力が高インピーダンスであり、出力オフセットキャンセル時の電圧変化はスピーカ30から再生されないため、最小オフセットキャンセル電圧の仕様を満たす範囲で式(3)、式(4)の平滑電圧Vip,Vinの時間変化量ΔVip,ΔVinを大きくすることができ、D級増幅回路の高速起動が可能になる。
「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」は、第2のタイマ時間中であるので、D級出力ドライバ14p,14nの出力が低インピーダンスであり、従来技術と同様に出力オフセットキャンセル時の電圧変化がスピーカ30から再生される。そのため、この電圧変化を人間の可聴周波数である20Hzに比べて十分長い時間で行い、出力オフセットキャンセル時の電圧変化によるポップノイズを発生させない設定にする必要がある。
ポップノイズを発生させない設定とするには、式(3)、式(4)で表される平滑電圧Vip,Vinの時間変化量ΔVip,ΔVinが小さくなるように、可変電流源16p,16nの電流値I1p,I1nを小さくする、あるいはキャパシタC2p,C2nを大きくする必要がある。本発明では、平滑用キャパシタに入力カップリングコンデンサを使用する構成としており、また通常入力カップリングコンデンサは数uFから数十uFであるため、容易に平滑電圧Vip,Vinの時間変化量ΔVip,ΔVinを人間の可聴周波数に比べて十分に長い時間での電圧変化とすることが可能となる。また、可変電流源16p,16nの電流値I1p,I1nは数十uAの設定とすることができるため、電流設定も実現の難易度が低くなり、且つ従来内蔵していたキャパシタを削減することによりチップサイズの縮小を図りコストダウンが可能となる。
10,10A:D級増幅回路
11:全差動オペアンプ
12p,12n:コンパレータ
13:三角波発生回路
14p,14n:D級出力ドライバ
15:出力オフセット電圧キャンセル回路
16p,16n:可変電流源
17:位相検出器
18:電流源コントローラ
20:出力ローパスフィルタ
30:スピーカ
40:電池

Claims (2)

  1. 正側帰還信号を正側入力信号から減算した信号と負側帰還信号を負側入力信号から減算した信号をそれぞれ積分する積分回路と、該積分回路の正側積分出力信号と負側積分出力信号をそれぞれPWM変調するPWM変調回路と、該PWM変調回路から出力する正側PWM変調信号と負側PWM変調信号を入力しぞれぞれ増幅するD級出力ドライバと、該D級出力ドライバの正側出力信号を前記正側帰還信号として帰還させる正側帰還抵抗および前記D級出力ドライバの負側出力信号を前記負側帰還信号として帰還させる負側帰還抵抗とを備え、且つ前記D級出力ドライバの出力が、起動操作から第1のタイマ時間は高インピーダンスに設定され、その後の通常動作中は低インピーダンスに設定され、停止操作から第2のタイマ時間経過の後のスタンバイ状態で高インピーダンスに設定される、D級増幅回路において、
    正側外付けカップリングコンデンサを充放電することで前記正側調整信号を作成する正側可変電流源と、負側外付けカップリングコンデンサを充放電することで前記負側調整信号を作成する負側可変電流源と、
    前記正側PWM変調信号と前記負側PWM変調信号の位相差を検出する位相差検出回路と、
    該位相差検出回路で検出された正側位相差検出信号によって前記正側可変電流源を制御するとともに前記位相差検出回路で検出された負側位相差検出信号によって前記負側可変電流源を制御する電流源コントローラと、
    からなる出力オフセット電圧キャンセル回路をさらに備え、
    前記正側PWM変調信号と前記負側PWM変調信号の位相差が0となるようにすることで、出力オフセット電圧キャンセルを行うものであって、
    前記出力オフセット電圧キャンセルの内の起動時出力オフセット電圧キャンセルは、前記第1のタイマ時間内において、前記正側PWM変調信号を前記正側帰還抵抗に切替接続するとともに前記負側PWM変調信号を前記負側帰還抵抗に切替接続して行い、
    前記出力オフセット電圧キャンセルの内の停止時出力オフセット電圧キャンセルは、前記第2のタイマ時間内において、前記正側出力信号を前記正側帰還抵抗に接続するとともに前記負側出力信号を前記負側帰還抵抗に接続して行う、
    ことを特徴とするD級増幅回路。
  2. 請求項1に記載のD級増幅回路において、
    前記正側可変電流源と前記負側可変電流源は、前記停止時出力オフセット電圧キャンセルの際は、正側音声信号入力端子電圧と負側音声信号入力端子電圧が人間の可聴周波数に比べて十分長い時間での電圧変化となるような電流値に設定されることを特徴とするD級増幅回路。
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