JP5936975B2 - D級増幅回路 - Google Patents

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本発明は、出力オフセット電圧をキャンセルできるようにしたD級増幅回路に関する。
スピーカ駆動パワーアンプに対する要求例としてポップノイズ対策がある。スピーカ駆動パワーアンプにおいて、D級増幅回路は、一般的にAB級増幅回路に比べて損失が少なく放熱板のスペースを無くすことができ、小型化を目指したセットでメリットがあるが、D級増幅回路に特化したポップノイズ対策が必要である。
図5に、一般的なD級増幅装置の構成を示す。図5に示すようにD級増幅装置は、D級増幅回路10A、出力ローパスフィルタ20、スピーカ30、およびリチウムイオンバッテリなどの電池を用いる電源40から構成される。D級増幅回路10Aは、PWM変調器10A1とD級出力ドライバ10A2からなる。
図5のD級増幅装置では、音声信号がD級増幅回路10Aに入力されると、PWM変調器10A1でその音声信号がPWM信号に変調される。PWM変調信号は、出力が低インピーダンスのD級出力ドライバ10A2で振幅増幅され、出力ローパスフィルタ20で音声信号帯域の信号にフィルタリングされてから、スピーカ30を駆動する。
図6に、上記したD級増幅回路10Aと出力ローパスフィルタ20の具体例を示す。以下で説明する符号末尾のpは正側(ハイサイド)を、nは負側(ローサイド)を示すものとする。図6に示すD級増幅回路10Aは、全差動オペアンプ11、コンパレータ12p,12n、三角波発振器13、D級出力ドライバ14p,14n、入力抵抗R1p,R1n、帰還抵抗R2p,R2n、積分用キャパシタC1p,C1n、バイアス電圧VBから構成される。出力ローパスフィルタ20は、ローパスフィルタ21p,21nから構成される。
D級増幅回路10Aの動作を説明する。バイアス電圧VBによりバイアスされた、互いに逆相の音声信号Sp,Snが入力信号Vip,Vinとして、入力抵抗R1p,R1nを介してノードN1p,N1nに入力される。この入力信号Vip,Vinは、出力信号Vop,Vonを帰還抵抗R2p,R2nを介してフィードバックした信号とノードN1p,N1pでそれぞれ減算されて、減算信号V1p,V1nとなる。この減算信号V1p,V1nは、キャパシタC1p,C1nと全差動オペアンプ11からなる積分器によって積分されて、積分信号V2p,V2nとなる。この積分信号V2p,V2nは、コンパレータ12p,12nにおいて、三角波発生回路13で生成される三角波(音声信号周波数より十分に大きな周波数をもち且つバイアス電圧VBと同じDC電圧をもつ)と比較されることで、PWM変調信号V3p,V3nに変調される。このPWM変調信号V3p,V3nは、D級出力ドライバ14p,14nにて振幅増幅され、出力信号Vop,Vonとなる。そして、この出力信号Vop,Vonは、出力ローパスフィルタ20にて音声周波数帯域の信号にフィルタリングされ、BTLでスピーカ30を駆動する。動作中の各信号の波形例を図7に示した。Vsppはスピーカ30の正側入力電圧、Vspnはスピーカ30の負側入力電圧である。
ここで、半導体プロセスばらつきにより、全差動アンプ11自体のオフセット、入力抵抗R1pとR1nの間の相対ばらつき、帰還抵抗R2pとR2nの間の相対ばらつき等により、入力オフセット電圧Voff1が発生すると、入力信号無入力時に、出力電圧Vop,Vonの間に、出力オフセット電圧Voff2が発生する。
ノードN1p,N1nについてキルヒホッフ電流則を解くと、そのノードN1p,N1nの電圧V1p,V1nは式(1)、(2)で表される。
Figure 0005936975
Figure 0005936975
また、入力オフセット電圧Voff1に関して、式(3)が成立する。
Figure 0005936975
さらに、入力信号無入力時に、Vip=Vinである。いま、Vip=Vin=Viと置いたとき、式(1)〜(3)より式(4)が導出される。
Figure 0005936975
式(4)を満たすようなVop,Vonの差分電圧が出力オフセット電圧Voff2であり、式(5)で表される。
Figure 0005936975
このオフセット電圧Voff2に起因して、図8に示すように、D級増幅回路10Aの起動時および停止時に、スピーカ30に電圧信号が発生し、ポップノイズとして再生されてしまう。
このポップノイズを低減するためには、D級増幅回路の起動時や停止時に、出力オフセット電圧キャンセル期間を設け、オフセット電圧Voff1の影響を低減するための、出力オフセット電圧キャンセルを行う必要がある。
図9に、このような出力オフセット電圧キャンセル回路50と、それを制御するための電流コントロールロジック回路60を、図6で説明したD級増幅回路10Aに内蔵させて構成したD級増幅回路10Bの回路構成例を示す(特許文献1)。出力オフセット電圧キャンセル回路50は、抵抗R4〜R6、キャパシタC4、スイッチSW2,SW3、定電流源51により構成されている。電流コントロールロジック回路60は、全差動オペアンプ11の出力電圧V2p,V2nを取り込んで、その極性に応じてスイッチSW2,SW3の切り替えを制御する。動作は、出力オフセット電圧キャンセル期間と通常動作期間に分けることができる。以下、同回路の動作を説明する。
図9のD級増幅回路10Bを起動すると、出力オフセット電圧キャンセル期間に移行する。このオフセット電圧キャンセル期間では、D級出力ドライバ14p,14nの出力が高インピーダンスであり、全差動オペアンプ11がオープンループ動作となる。よって、生じていた入力オフセット電圧Voff1は差動オペアンプ11のオープンループゲイン倍に増幅され、出力積分電圧V2p,V2nが生成される。この電圧V2p,V2nの極性を電流コントロールロジック回路60に取り込み、スイッチSW2,SW3を制御する。ここで、電圧V2pが負、電圧V2nが正であるときは、電流コントロールロジック回路60により、スイッチSW2は接点aが接点cに、接点bが接点dに接続されている。また、スイッチSW3は接点fが接点gに接続され、キャパシタC4がバイアス電圧VBで充電されている。よって、V1p=V1n=V8=VBになっている。
この後、スイッチSW3の接点fが接点iが接続されることにより、キャパシタC4に蓄積されていた電荷が電流源51により放電される。そして、この放電によりノードN1nの電圧が順次低下し、ある時点で出力積分電圧V2p,V2nの極性が反転する。この極性が反転したとき、電流コントロールロジック回路60により、スイッチSW3の接点fがオープン接点hに接続され、キャパシタC4と電流源51との接続が切断される。このようにしてスイッチSW3が開放状態となることで、キャパシタC4に生じた電圧V8(=V1n)が保持される。この電圧V8が、出力オフセットキャンセル電圧となる。この後、D級増幅回路10Bは通常動作期間に移行する。
このような出力オフセット電圧キャンセル動作により、出力オフセット電圧Voff2がキャンセルされるため、この後に通常動作期間に移行してスピーカ30が駆動開始してもポップノイズが発生しない。そして、この後スイッチSW3の接点fが接点gに接続され、抵抗R6を介してキャパシタC4がバイアス電源VBと接続される。キャパシタC4には、そのキャパシタC4と抵抗R6の時定数により緩やかにバイアス電圧VBに充電される。この電圧変動が人間の可聴周波数帯域にくらべて十分に小さければ、音声信号の再生品位にはほとんど影響しない。出力オフセット電圧キャンセル動作の波形例を図10に示した。
米国特許第7,142,047号明細書
前記した従来技術には問題が2つある。1つ目は全差動オペアンプ11のもつオフセット電圧、および入力抵抗R1p,R1nの間に相対ばらつきに起因する入力オフセット電圧をキャンセルすることはできるが、帰還抵抗R2p,R2n間の相対ばらつきに起因するオフセット電圧をキャンセルできない問題である。2つ目は停止時の出力オフセットキャンセル動作ができない問題である。
まず、1つ目の問題に関して説明する。抵抗R5を介し、キャパシタC4がノードN1nと接続されたと仮定する。このとき、出力オフセット電圧キャンセル期間における電圧V1p,V1nについてキルヒホッフ電流則を解くと、その電圧V1p,V1nは式(6)、(7)で表される。
Figure 0005936975
Figure 0005936975
また、全差動オペアンプ11の入力端子において式(8)が成立したとき、オフセット電圧がキャンセルされる。
Figure 0005936975
式(6)〜(8)より、オフセット電圧キャンセル回路50にて発生する電圧V8を用いることで、式(9)が導出される。
Figure 0005936975
式(9)より、従来技術では、全差動オペアンプ11の入力オフセット電圧および入力抵抗R1p,R1nの相対ばらつき起因による出力オフセット電圧がキャンセルできる。しかし、式(4)の、帰還抵抗R2p,R2nの相対ばらつきに起因するオフセット電圧のキャンセルは行われていない。
次に、2つ目の問題について説明する。停止時の出力オフセット電圧キャンセル動作は、通常動作期間から停止時出力オフセット電圧キャンセル期間を経て、スタンバイ期間へ移行させるシステムとしなければならない。しかし、従来技術は、出力オフセット電圧キャンセル期間に積分器がオープンループ動作となり、PWM変調回路が停止するため、停止時出力オフセットキャンセル動作ができない。
本発明の目的は、起動時および停止時に、全差動オペアンプのもつオフセット電圧および入力抵抗間、帰還抵抗間の相対ばらつきに依存するオフセット電圧をキャンセルできるようにしたD級増幅回路を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、正側帰還信号を正側入力信号から減算した信号と負側帰還信号を負側入力信号から減算した信号をそれぞれ積分する積分回路と、該積分回路の正側積分出力信号と負側積分出力信号をそれぞれPWM変調するPWM変調回路と、該PWM変調回路から出力する正側PWM変調信号と負側PWM変調信号を入力しぞれぞれ増幅するD級出力ドライバと、該D級出力ドライバの正側出力信号を前記正側帰還信号として帰還させる正側帰還抵抗および前記D級出力ドライバの負側出力信号を前記負側帰還信号として帰還させる負側帰還抵抗とを備え、且つ前記D級出力ドライバの出力が、起動操作から第1のタイマ時間は高インピーダンスに設定され、その後の通常動作中は低インピーダンスに設定され、停止操作から第2のタイマ時間経過の後のスタンバイ状態で高インピーダンスに設定される、D級増幅回路において、前記正側入力信号に正側調整信号を加算させる正側可変電流源および前記負側入力信号に負側調整信号を加算させる負側可変電流源を設け、前記正側PWM変調信号と前記負側PWM変調信号の位相差が0となるように、前記正側可変電流源および前記負側可変電流源を制御して、出力オフセット電圧キャンセルを行うものであって、前記出力オフセット電圧キャンセルの内の起動時出力オフセット電圧キャンセルは、前記第1のタイマ時間内において、前記正側PWM変調信号を前記正側帰還抵抗に切替接続するとともに前記負側PWM変調信号を前記負側帰還抵抗に切替接続して行い、前記出力オフセット電圧キャンセルの内の停止時出力オフセット電圧キャンセルは、前記第2のタイマ時間内において、前記正側出力信号を前記正側帰還抵抗に接続するとともに前記負側出力信号を前記負側帰還抵抗に接続して行う、ことを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のD級増幅回路において、前記正側PWM変調信号と前記負側PWM変調信号の位相差を検出する位相差検出回路と、該位相差検出回路で検出された正側位相差検出信号によって充電されるとともに前記位相差検出回路で検出された負側位相差検出信号によって放電される正側キャパシタおよび前記正側位相差検出信号によって放電されるとともに前記負側位相差検出信号によって充電される負側キャパシタを備えたローパスフィルタと、前記正側キャパシタの電圧に応じて前記正側可変電流源を制御するとともに前記負側キャパシタの電圧に応じて前記負側可変電流源を制御する電流源コントローラと、からなる出力オフセット電圧キャンセル回路を備えることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載のD級増幅回路において、前記ローパスフィルタは、前記起動時出力オフセット電圧キャンセルの際は小さな時定数に設定され、前記停止時出力オフセット電圧キャンセルの際は大きな時定数に設定されることを特徴とする。
本発明によれば、D級増幅回路の起動時および停止時における出力オフセット電圧を打ち消すことができ、このとき、全差動オペアンプのもつオフセット電圧および入力抵抗間の相対ばらつきに起因するオフセット電圧の他に、帰還抵抗間の相対ばらつきに依存するオフセット電圧をもキャンセルできる。また、出力オフセット電圧キャンセル回路のローパスフィルタの時定数を、起動時出力オフセット電圧キャンセルの際は小さく設定し、停止時出力オフセット電圧キャンセルの際は大きく設定することにより、起動時は高速キャンセル動作を行わせ、停止時はノイズ発生を極力防ぐキャンセル動作を行わせることが可能となる。
本発明の実施例のD級増幅装置の回路図である。 図1に示すD級増幅装置の起動時出力オフセット電圧キャンセルの動作波形図である。 図1に示すD級増幅装置の停止時出力オフセット電圧キャンセルの動作波形図である。 図1に示すD級増幅装置の出力オフセット電圧キャンセル回路の回路図である。 従来のD級増幅装置の構成図である。 従来のD級増幅装置の回路図である。 図6に示すD級増幅装置の音声信号再生時の動作波形図である。 図6に示すD級増幅装置の起動時におけるポップノイズ発生の動作波形図である。 従来の出力オフセット電圧キャンセル回路を内蔵したD級増幅装置の回路図である。 図9に示すD級増幅装置の出力オフセット電圧キャンセルの動作波形図である。
図1に、本発明の実施例のD級増幅装置を示す。このD級増幅装置は、D級増幅回路10、出力ローパスフィルタ20、スピーカ30で構成される。そして、D級増幅回路10は、全差動オペアンプ11、コンパレータ12p,12n、三角波発振器13、D級出力ドライバ14p,14n、可変電流源15p,15n、出力オフセット電圧キャンセル回路16、入力抵抗R1p,R1n、帰還抵抗R2p,R2n、積分用キャパシタC1p,C1n、バイアス電圧VB、スイッチSW1p,SW1nから構成される。そして、出力オフセット電圧キャンセル回路16は、位相検出器17、ローパスフィルタ18、電流源コントローラ19から構成される。
図4に、ローパスフィルタ18、電流源コントローラ19、および可変電流源15p,15nの具体例を示す。ローパスフィルタ18は、電流源181p,181n,182p,182n、PMOSトランジスタMP1p,MP1n、NMOSトランジスタMN1p,MN1n、およびキャパシタC2p,C2nで構成される。また、電流源コントローラ19は、PMOSトランジスタMP2p,MP2n、NMOSトランジスタMN2p,MN2n、抵抗R3p,R3nで構成される。電流源15pはPMOSトランジスタMP3pで、電流源15nはPMOSトランジスタMP3nで、それぞれ構成される。
本実施例のD級増幅回路10の動作は、「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」、「通常動作」、「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」、「スタンバイ状態」の4つに分けられる。なお、D級出力ドライバ14p,14nの出力インピーダンスは、起動操作から第1のタイマ時間は高インピーダンスに設定され、その後の「通常動作」中は低インピーダンスに設定され、停止操作から第2のタイマ時間経過の後の「スタンバイ状態」で高インピーダンスに設定される。「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」は第1のタイマ時間内、「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」は第2のタイマ時間内である。
まず、「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」を説明する。この期間は、D級出力ドライバ14p,14nの出力は高インピーダンスに設定される。また、スイッチSW1p,SW1nが波線側に切り替えられ、コンパレータ12pのPWM変調信号V3pが帰還抵抗R2pを介してノードN1pに接続され、コンパレータ12nのPWM変調信号V3nが帰還抵抗R2nを介してノードN1nに接続される。
このときは、オーディオ信号Sp,Snは無入力状態で、バイアス電圧VBが入力抵抗R1p,R1nを介して入力される。このバイアス電圧VBは、帰還抵抗R2p,R2nを介してフィードバックされたPWM変調信号V3p,V3nと減算される。減算信号はキャパシタC1p,C1nと全差動オペアンプ11からなる積分器にて積分される。積分信号はコンパレータ12p,12nにおいて、三角波発生回路13にて生成される三角波(音声信号周波数より十分に大きな周波数をもち且つバイアス電圧VBと同じDC電圧をもつ)と比較され、これによりPWM変調信号V3p,V3nが出力される。オーディオ信号Sp,Snが無信号時のPWM変調信号V3p,V3nは、本来ならばDUTY50%の同相の信号である。
しかし、全差動オペアンプ11のオフセット電圧、入力抵抗R1p,R1nの間および帰還抵抗R2p,R2nの間の相対ばらつきに起因する入力オフセット電圧Voff1により出力オフセット電圧Voff2が生じた場合は、「Voff2/VDD」[%]のDUTY比で表される位相差が、PWM変調信号V3p,V3nの間に生じる。位相差の生じたPWM変調信号V3p,V3nは位相検出器17に入力され、正側位相差検出信号V5と、負側位相差検出信号V6に変換される。
正側位相差検出信号V5はローパスフィルタ18のトランジスタMP1p,MN1nのオン/オフを制御し、負側位相差検出信号V6はローパスフィルタ18のトランジスタMN1p,MP1nのオン/オフを制御する。そして、トランジスタMP1p,MN1pのオン/オフによりキャパシタC2pが充放電され、トランジスタMP1n,MN1nのオン/オフによりキャパシタC2nが充放電される。このように、位相差検出信号V5,V6は、ローパスフィルタ18により可聴周波数帯域より十分に低い周波数成分の平滑信号V7p,V7nに変換される。平滑信号V7p,V7nは電流源コントローラ19に入力し、この電流源コントローラ19によって電流源15p,15nの電流値I1p,I1nが制御され、PWM変調信号V3p,V3nの位相差が0となるように動作する。
PWM変調信号V3p,V3nの位相差が0になった後は、スイッチSW1p,SW1nが実線側に切り替わり、出力電圧Vop,Vonが帰還抵抗R2p,R2nにそれぞれ接続され、第1のタイマ時間が経過すると、D級出力ドライバ14p,14nの出力インピーダンスが低インピーダンスに設定され、「通常動作」に移行する。このときPWM変調信号V3p,V3nの位相差は0であるため、出力オフセット電圧Voff2は0である。「起動時出力オフセット電圧キャンセル期間」から「通常動作」に移行する動作中の各信号波形例を図2に示した。
次に、「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」を説明する。「通常動作」において停止操作が行われると、オーディオ信号Sp,Snは無入力状態となり、また、第2のタイマ時間のカウントが開始し、その第2のタイマ時間の経過後に、D級出力ドライバ14p,14nの出力インピーダンスが高インピーダンスに設定される。「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」この第2のタイマ時間中に行われる。
この「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」は、スイッチSW1p,SW1nが実線側に切り替わっており、D級出力ドライバ14p,14nの出力電圧Vop,Vonが帰還抵抗R2p,R2nを介してノードN1p,N1nに帰還される。そして、PWM変調信号V3p,V3nの間の位相差が0となるように出力オフセット電圧キャンセル回路16が動作する。このようにして、出力電圧Vop,Vonの間の位相差が0となった以後に、第2のタイマ時間が経過してD級増幅回路10が「スタンバイ状態」になるが、「スタンバイ状態」になる以前に出力オフセット電圧Voff2は0になるため、停止時ポップノイズは発生しない。「停止時出力オフセット電圧キャンセル期間」から「スタンバイ状態」に移行する動作中の各ノード波形例を図3に示した。
次に、図4のローパスフィルタ18と電流源コントローラ19および可変電流源15p,15nIの動作を説明する。PWM変調信号V3p,V3n間の位相差によって生成される位相差検出信号V5,V6により、キャパシタC2pが電流源181p,182pで充放電され、キャパシタC2nが電流源181n,182nで充放電され、平滑電圧V7p,V7nが発生する。電圧V7p,V7nは式(10)、式(11)で表される。
Figure 0005936975
Figure 0005936975
電圧V7p,V7nをソース帰還抵抗R3p,R3nによって線形に近いトランスコングクタンスを持つソース接地トランジスタMN2p、MN2nのゲートに入力し、電圧V7p,V7nに比例する電流に変換後、電流源15p,15nから電流I1p,I1nとして出力し、PWM変調回路10の位相差調整に使用する。電圧V7p,V7nの時間変化量とPWM変調回路10の入力電流への変換比によって、最小オフセットキャンセル電圧が決定する。時間変化量が大きいほど、PWM変調回路10の入力電流への変換比が小さいほど、最小オフセットキャンセル電圧が小さい。
起動時は、第1のタイマ時間中であるので、D級出力ドライバ14p,14nの出力が高インピーダンスであり、オフセットキャンセル時の電圧変化はスピーカ30から再生されないため、最小出力オフセットキャンセル電圧の仕様を満たす範囲で式(10)、(11)の電圧V7p,V7nの時間変化を早くすることができ、D級増幅回路10の高速起動が可能になる。つまり、起動時出力オフセット電圧キャンセルの際は、ローパスフィルタ18の時定数を小さい値に設定切り替えすることが望ましい。
停止時は、第2のタイマ時間中であるので、D級出力ドライバ14p,14nの出力が低インピーダンスであり、出力オフセットキャンセル時の電圧変化がスピーカから再生される。そのため、式(10)、(11)の電圧V7p,V7nの変動が人間の可聴周波数帯域にくらべて十分に小さくするように設定する。つまり、停止時出力オフセット電圧キャンセルの際は、ローパスフィルタ18の時定数を大きい値に設定切り替えすることが望ましい。
10,10A,10B:D級増幅回路
11:全差動オペアンプ
12p,12n:コンパレータ
13:三角波発生回路
14p,14n:D級出力ドライバ
15p,15n:可変電流源
16:出力オフセット電圧キャンセル回路
17:位相検出器
18:ローパスフィルタ
19:電流源コントローラ
20:出力ローパスフィルタ
30:スピーカ
40:電池
50:出力オフセット電圧キャンセル回路
60:電流コントロールロジック回路

Claims (3)

  1. 正側帰還信号を正側入力信号から減算した信号と負側帰還信号を負側入力信号から減算した信号をそれぞれ積分する積分回路と、該積分回路の正側積分出力信号と負側積分出力信号をそれぞれPWM変調するPWM変調回路と、該PWM変調回路から出力する正側PWM変調信号と負側PWM変調信号を入力しぞれぞれ増幅するD級出力ドライバと、該D級出力ドライバの正側出力信号を前記正側帰還信号として帰還させる正側帰還抵抗および前記D級出力ドライバの負側出力信号を前記負側帰還信号として帰還させる負側帰還抵抗とを備え、且つ前記D級出力ドライバの出力が、起動操作から第1のタイマ時間は高インピーダンスに設定され、その後の通常動作中は低インピーダンスに設定され、停止操作から第2のタイマ時間経過の後のスタンバイ状態で高インピーダンスに設定される、D級増幅回路において、
    前記正側入力信号に正側調整信号を加算させる正側可変電流源および前記負側入力信号に負側調整信号を加算させる負側可変電流源を設け、前記正側PWM変調信号と前記負側PWM変調信号の位相差が0となるように、前記正側可変電流源および前記負側可変電流源を制御して、出力オフセット電圧キャンセルを行うものであって、
    前記出力オフセット電圧キャンセルの内の起動時出力オフセット電圧キャンセルは、前記第1のタイマ時間内において、前記正側PWM変調信号を前記正側帰還抵抗に切替接続するとともに前記負側PWM変調信号を前記負側帰還抵抗に切替接続して行い、
    前記出力オフセット電圧キャンセルの内の停止時出力オフセット電圧キャンセルは、前記第2のタイマ時間内において、前記正側出力信号を前記正側帰還抵抗に接続するとともに前記負側出力信号を前記負側帰還抵抗に接続して行う、
    ことを特徴とするD級増幅回路。
  2. 請求項1に記載のD級増幅回路において、
    前記正側PWM変調信号と前記負側PWM変調信号の位相差を検出する位相差検出回路と、
    該位相差検出回路で検出された正側位相差検出信号によって充電されるとともに前記位相差検出回路で検出された負側位相差検出信号によって放電される正側キャパシタおよび前記正側位相差検出信号によって放電されるとともに前記負側位相差検出信号によって充電される負側キャパシタを備えたローパスフィルタと、
    前記正側キャパシタの電圧に応じて前記正側可変電流源を制御するとともに前記負側キャパシタの電圧に応じて前記負側可変電流源を制御する電流源コントローラと、
    からなる出力オフセット電圧キャンセル回路を備えることを特徴とするD級増幅回路。
  3. 請求項2に記載のD級増幅回路において、
    前記ローパスフィルタは、前記起動時出力オフセット電圧キャンセルの際は小さな時定数に設定され、前記停止時出力オフセット電圧キャンセルの際は大きな時定数に設定されることを特徴とするD級増幅回路。
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