JP6433739B2 - シート処理装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、スタッカ部において接着剤が塗布するシートを重ね接着する際にかならずしも集積されるシートが揃っているとは言えず、シートが曲がった状態で折りこまれることが想定される。接着剤としての感圧テープはかなりの圧力で押え付けなければ接着しないものを選択しなければならず、接着剤の厳選やかなり特別な加圧機構を必要とする。
請求項1の発明は、シートに接着剤を塗布した後折り合せるシート処理装置であって、シートを所定の搬送方向に搬入する搬入経路と、この搬入経路からのシートを集積するスタッカ部と、スタッカ部に集積されたシートの少なくとも一部を搬入方向と反対方向に退避させる搬入経路から分岐した退避経路と、上記搬入経路と退避経路の合流位置に配置されたシートに接着剤を塗布してシートを貼り合せる接着ユニットと、前記搬入経路と退避経路との間に位置し、これらの経路を区画する区画ガイドを備え、この区画ガイドが搬入経路上流でシート後端の退避経路への移動を許容する解放位置と、この解放位置から接着ユニットに近接しシートの接着剤が塗布された位置を覆う延設位置との間でシートの搬送に応じて移動可能に構成されているとともに、シートを退避経路に付勢する偏向ガイドを設けこの偏向ガイドが上記解放位置と延設位置とそれぞれ配置されているシート処理装置である。
この発明によれば、搬送経路と退避経路とを区画する区画ガイドがシート後端の退避経路への移動を許容する解放位置と、この解放位置から接着ユニットに近接した位置まで延設した延設位置との間でシートの搬送に応じて移動可能となっているので、シートを大きく移動させなくとも延設位置で先行シートの接着剤の塗布位置を覆うことができる。また、解放位置と延設位置とで何れの位置でも偏向ガイドでシートを退避経路側に付勢するのでシートの姿勢変更が確実に行える。
これによれば、区画ガイドの解放位置と延設位置それぞれに偏向ガイドを設けているので、退避経路にシートを確実に姿勢変更できる。特に区画ガイドが解放位置にある場合は、第1及び第2偏向ガイドの2度シートを付勢するので姿勢変更が確実になされる。
これによれば、接着剤の塗布位置を避けた複数の位置に偏向ガイドを設けたので、シートが多少カールや変形をしていても姿勢変更が確実にできる。
これによれば、接着剤の取り扱いが簡単でシートに塗布が簡便に行える装置が提供できる。
これによれば、粘着テープの押圧によって、シートへの粘着テープの転写貼付とシート同士圧着が同時に行える装置が提供できる。
これによれば、折りブレードの移動により接着剤も押圧することになりシート同士の接着を強くすることができる。
上記搬入経路と退避経路の合流位置に配置されシートに接着剤を塗布する接着ユニットと、接着ユニットで接着されたシートを折りこむ折りローラとこの折りローラにシートを押圧する折りブレードからなる折り処理部とを備え、
さらに、前記搬入経路と退避経路との間に位置し、これらの経路を区画する区画ガイドを有し、この区画ガイドが搬入方向における搬入経路の上流でシート後端の退避経路への移動を許容する解放位置と、この解放位置から接着ユニットに近接した位置まで延設して退避したシートの接着剤が塗布された位置を覆う延設位置との間でシートの搬送に応じて移動可能に構成されているとともに、前記搬入経路と退避経路とは合流位置を中心として扇状に重なり合って配置されおり、上記解放位置でシートを退避経路に付勢する第1偏向ガイドと上記延設位置で接着剤が塗布されたシートを退避経路に付勢する第2偏向ガイドをそれぞれ設けているシート処理装置である。
これによれば、区画ガイドも移動するのでシートを大きく移動させなくとも延設位置で先行シートの接着剤の塗布位置を覆うことができる。また、シート後端を解放位置と延設位置とのそれぞれの位置にある偏向ガイドで退避経路に付勢するのでシートの姿勢変更が確実に行える。
これによれば、これによれば、粘着テープの押圧によって、シートへの粘着テープの転写貼付とシート同士圧着が同時に行える装置が提供できる。
これによれば、上記各項に記載の効果を奏する画像形成装置を提供できる。
貼り合せによるシート束生成の際に、先行シートの接着剤の塗布位置を退避位置に移動して先行シート先端が接触することを防ぎ、スタッカ部内での先行するシートへの接着剤の塗布やこれから接着剤を塗布するシートとの重ね合わせを短時間で精度よく行うために、前後の偏向ガイドで退避経路にシートが確実に向かうように姿勢変更することができるシート処理装置及びこれを採用した画像形成装置が提供できる。
図1に示す画像形成装置Aは、給紙部1からシートを画像形成部2に送り、画像形成部2でシートに印刷した後、本体排出口3からシートを搬出する。給紙部1は複数のサイズのシートが給紙カセット1a、1b、1cに収納してあり、指定されたシートを1枚ずつ分離して画像形成部2に給送する。画像形成部2は例えば静電ドラム4と、その周囲に配置された印字ヘッド(レーザ発光器)5と現像器6と、転写チャージャ7と定着器8が配置され、静電ドラム4上にレーザ発光器5で静電潜像を形成し、これに現像器6でトナーを付着し、転写チャージャ7でシート上に画像を転写し、定着器8で加熱定着する。このように画像形成されたシートは本体排出口3から順次搬出される。図示の9は循環経路であり、定着器8から表面側に印刷したシートを、本体スイッチバック経路10を介して表裏反転した後、再び画像形成部2に給送してシートの裏面側に印刷する両面印刷の経路である。このように両面印刷されたシートは本体スイッチバック経路10で表裏反転された後、本体排出口3から搬出される。
上述の画像形成装置Aに連結されたシート処理装置Bは、画像形成装置Aの本体排出口3から画像形成されたシートを受け入れ、1.このシートを第1排紙トレイ21に収容するか(前述の「プリントアウトモード」)、2.本体排出口3からのシートを束状に部揃えしてステープル綴じした後、第1排紙トレイ21に収納するか、(前述の「ステープル綴じモード」)、3.本体排出口3からの排出されたシートの搬送方向中程を1枚ずつ貼り合せて束状にした後冊子状に折り畳んで第2排紙トレイ22に収納(前述の「接着シート束折りモード」)するように構成されている。
図2のシート搬入経路P1の下流側(装置後端部)に配置された第1スイッチバック搬送路SP1は次のように構成されている。シート搬入経路P1にはその出口端に排紙ローラ25と排紙口25aが設けられ、この排紙口25aと段差を隔てた下方に第1の処理トレイ(以下「処理トレイ29」という)が設けられている。この処理トレイ29は排紙口25aからのシートを積載支持するトレイで構成されている。この処理トレイ29の上方には正逆転ローラ30が設けられている。この正逆転ローラ30には正逆転モータM1が連結され処理トレイ29上にシートが進入する際は同図時計方向に回転し、シート後端がトレイ上に進入した後は反時計方向に回転するように制御される。この正逆転ローラ30にはキャタピラベルトに連結されトレイに接した位置とトレイから離間した位置に移動する昇降ローラ31が設けられている。従って上記第1の処理トレイ29上に第1スイッチバック搬送路SP1が構成されている。
前記シート搬入経路P1から分岐された第2スイッチバック搬送路SP2の構成について説明する。この第2スイッチバック搬送路SP2は図2に示すようにケーシング20に略々鉛直方向に配置され、経路入口に経路搬入ローラ45が、経路出口に搬送ローラ46が配置されている。この搬送ローラ46はシートに対してニップする位置とシートから離間した位置とに離間可能に構成されている。この構成は特に図示していないが、搬送ローラ46に圧接しているピンチローラをアームに連結したピンチローラ離間モータM3で駆動して離間するようになっている。この離間は、搬送しているシートを後に説明する整合部材48でシート揃えを行う時に行われるように構成されている。
上記スタッカ部40の搬送方向後端側には前述の第2スイッチバック搬送路SP2であるともにスタッカ部40へシートを搬入する搬入経路41から分岐し、この搬入経路出口端とオーバーラップしてシートをスイッチバック搬送可能とする第3のスイッチバック経路SP3である退避経路47が連設されている。この退避経路47は、図2、図3に示されるように板材からなるスイッチバックガイド42で構成されている。このスイッチバックガイド42はシート搬送方向に沿って表面にリブが突出されていてシートの搬送をスムーズにしている。また、スイッチバックガイド42は、仮に退避経路内でシート束詰まり等が発生した場合に、ガイド解放軸43を中心に図示時計方向に回動して解放できるように構成されている。
しかし、図2、図3にあるように搬入経路41を構成する上ガイド41aに対向する下ガイドを、上記合流位置と搬入経路41の上流位置である搬送ローラ46との間で移動可能な区画ガイド83とて退避経路47を解放するように構成する。このように構成すると搬送されるシート後端が接着ユニット直前の合流位置まで至らなくとも、搬入経路41の上流の位置で退避経路47にシートを移動することができる。このようにシートと区画ガイド83双方を移動可能な構成とすることにより、シートの搬送範囲を少なくでき、ひいては全体の処理速度を上げることができる。この区画ガイド83の構成と動作については図11以降で詳述する。
ここで、図2及び図3に基づいて、搬入経路41から分岐した退避経路47からストッパ部90までの構成の概要を説明する。ここでの図は、搬入経路41を構成する上ガイド41aと下ガイドとなる区画ガイド83が、接着ユニット50の合流位置の搬入経路出口144まで延設した延設位置EP(図3実線)を示している。この区画ガイド83は退避経路を解放する位置である搬入経路41上流のユニット経路入口143にある解放位置OP(図3破線)との間で移動可能である。この区画ガイド83については図11でさらに述べる。
上記の搬入経路41と退避経路47との合流点には、分岐部偏向ガイド44が設けられている。また、区画ガイド83の解放位置OPにはシートを退避経路47側に付勢する基端部偏向ガイド85が設けられている。これらについても図11で説明するが、区画ガイド83の解放位置OPと延設位置EPとの前後2箇所の位置で第1偏向ガイドとしての基端部偏向ガイド85と第2偏向ガイドとしての分岐部偏向ガイド44が退避経路47側にシートを付勢するので、シートは確実に退避経路47に移動する。
このシート押え65の先端側には昇降することによりシートを押えるとともに接着剤としての粘着テープATを繰り出すシート押えスライダ71を配置している。このシート押えスライダ71の上方にはリールから繰り出される粘着テープATをバックアップする転写ヘッド72が設けられ、この転写ヘッド72もシートを押圧して粘着テープATをシートに塗布する接着位置とシートから離間してシートの搬送・移動を許容する離間位置に移動する。従って、図3の図示Xが接着剤塗布位置となる。また、図示Zは、接着剤を塗布することなくシートを押圧するシート押圧位置となっている。
なお、本発明における塗布とは、シートを押圧しながら接着剤をテープから移し替えるいわゆる転写も含むものとする。また、シートを押圧しながら接着剤を吹き付けるもの、あるいは糊部材を塗り付けるものも含む。
次に図3から図8までにおいて接着剤の塗布を行う接着ユニット50について説明する。図3の破線で囲まれた範囲が本実施例における接着ユニット50の断面説明図である。図4は接着ユニット50の斜視図でこの装置範囲をユニットとしてシート処理装置Bに装着する。図5は接着部としての粘着テープユニット50a、50bの主要部分の説明図で、(a)はカム部材57等の平面図、(b)はカム部材57とスタンパホルダ52の係合状態を示す正面図、(c)上段に示すものは粘着テープスタンパ51がシートから離間した位置、下段はシートに接し、プラテン79側にスタンパホルダ52を押圧する位置に移動したカム部材57の説明図である。図6は粘着テープスタンパ51の説明図で、(a)は斜視図、(b)内部機構図、(c)と(d)はスタンプ動作で粘着テープATを巻き取る駆動説明図である。図7と図8は粘着テープスタンパ51を複数支持した粘着テープユニット50a、50bで粘着テープATをシートに塗布・転写する動作説明図である。
なお、この接着ユニットの下方に位置する破線部は、後述する区画ガイド83を移動する区画ガイドユニット82である。
上述のようにユニット化することにより、各位置関係がシート処理装置Bに個々に取り付けるより精度が上がり、特に接着剤塗布後のシートの移動によって本来接着剤が付着してほしくない部位に、位置ずれによって接着剤が付着することが低減される。
したがって、粘着テープATを支持する粘着テープスタンパ51はシート幅方向に複数、間隔を有して配置される。
一方、外側の2本の案内ロッド53の夫々は、左右の塗布装置フレーム50cを結合する中央支持フレーム63に固定された支持ブロック55に摺動可能に支持されている。従って、粘着テープスタンパ51を支持するスタンパホルダ52は外側の案内ロッド53が摺動する支持ブロック55によって支持されている。
ここで、粘着テープユニット50a、50bを構成するスタンパホルダ52に着脱できる粘着テープスタンパ51について図6を用いて説明する。まず、図6(a)外観を示し、スタンパーカバー70と、テープ基材に接着剤を有しして順次繰りだされる接着剤が塗布された転写テープ(以下、粘着テープAT)と、この粘着テープATが巻きつけられ、粘着テープATをシートに押圧するためにバックアップする転写ヘッド72と、この転写ヘッド72の横に位置し転写ヘッド72から突出した位置と転写ヘッド72の同じ位置まで退避する位置との間で昇降移動可能なシート押えスライダ71とが表れている。このシート押えスライダ71は、転写ヘッド72が下降して粘着テープATをシートに塗布・転写する際にシート押えスライダ71の下にあるシートを押えるとともにこの押え動作により、粘着テープATを繰り出し、新しい転写面が繰りだされ、これを転写ヘッド72でバックアップ押圧して、シートに接着剤を塗布・転写する。
実施例における粘着テープATは、テープ基材に接着剤を有し、これをシートに押圧することで、この接着剤がシートに転写するように構成されている。
次に、図6で説明した粘着テープスタンパ51のシート押えスライダ71がシートを接着位置であるプラテン79に押圧する前に、シートの移動やばたつきを規制するシート押え65について、図3、図4、特に図7(a)により説明する。
すでに説明したように、接着ユニット50にはプラテン79に向かって、接着のために接着位置で停止したシートを規制するために押圧するシート押え65が昇降可能に取り付けられている。図7(a)に図示のように、粘着テープスタンパ51を支持する2つのスタンパホルダ52の両側にシート押え65を有するシート押え案内ロッド68を摺動支持するシート押え支持ブロック67が設けられている。このシート押え支持ブロック67は図示の丸孔がねじなどにより中央支持フレーム63に固設してある。また、このシート押え支持ブロック67とシート押え65の側縁押え65aの両側端にシート押え案内ロッド68に巻回した押え加圧スプリング65cを配置している。
ここで、接着ユニット50によりシートに接着剤を塗布(転写)する動作を図7から図8を用いてその動作を説明する。この図7、図8は図4の粘着テープスタンパ51と反対側のカム部材57の裏側から見た説明図である。
図7(a)の図で構成に触れると、カム部材57が初期位置にあり、このカム部材57のカム溝61に粘着テープスタンパ51が装着されたスタンパホルダ52を内側の案内ロッド53に沿って摺動する移動ブロック54とコロ56とが係合している。すでに説明したように移動ブロック54はスタンパホルダ52との間に加圧スプリング62が介在し、図7(a)のように移動ブロック54でスタンパホルダ52の裏面52cに当接するように押圧している。また、塗布装置フレーム50cを中央で連結する中央支持フレーム63に固設した支持ブロック55に各々スタンパホルダ52を昇降自在に外側の案内ロッド53に摺動するように構成されている。
一方、図示右側のスタンパホルダ52のコロ56も傾斜カム溝61bの下降を開始し、右側の粘着テープスタンパ51のシート押えスライダ71がシートの押えを開始する。
さらに、接着ユニットの動作説明で述べたように、図7及び図8に図示の左右のスタンパホルダ52が、左右とも同時にシートに転写ヘッド72を押圧するものではなく、まず左側の転写ヘッド72グループをシートに押圧し、この状態をカム部材57で維持しつつ、右側の転写ヘッド72グループをシートに押圧するように、順次押圧するタイミングをずらしているので、一度に押圧するものに比べて駆動力を小さく、ひいてはカム移動モータ60(M13)を小型化できるとともに、装置フレームが多少脆弱であっても装置を構成でき、軽量化がなされる。
図9により、ストッパ部90の先端に位置するグリッパ91のシートを把持する閉状状態と把持を解除した開状態を説明する。尚、ストッパ部90の昇降についてはすでに説明したので、ここでの説明は省略する。
図9(a)はグリッパ91の移動範囲全域を示し上下位置のものを仮想線で示している。図9(b)はグリッパ91をストッパ部90ともに上方からみた平面図である。グリッパ91は、ストッパ部90の先端に配置され、ストッパ部90の固定片91aから移動片91bが離接して構成されている。この移動片91bのグリッパ連結部152はストッパ部90及びストッパ連結部151の下方に進退自在に重ねられて配置されている。また、移動片91bの下方には常時この移動片91bを閉じ方向に付勢する閉じスプリング91cが設けられている。
次に、接着されたシート束先端が接着束折り位置Sh2に移動され、シートの半分の位置が折り処理される折り処理部80の構成について説明する。上述の接着ユニット50の下流側に配置された折位置Yには、図10(a)に示すように接着したシート束を折り合わせる折りローラ81とこの折りローラ81のニップ位置にシート束を挿入する折りブレード86が備えられている。折りローラ81は互いに圧接したローラ81a、81bで構成され、各ローラは略々最大シートの幅長さに形成されている。この折りローラ81を構成するローラ81a、81bは互いに圧接して接合するように回転軸81ax、81bxを図示しない装置フレームの長溝に嵌合され、圧縮スプリング81aS、81bSで圧接方向に付勢されている。尚、このローラは少なくとも一方が圧接方向に移動可能に軸支持され、その一方に付勢スプリングを掛け渡す構造であっても良い。
ここで、この発明の要部をなす区画ガイド83について説明する。図11は区画ガイド83がユニット経路入口143でシート後端を退避経路47に移動可能する解放位置(OP)と搬入経路出口144の延設位置(EP)との間での移動を示す図3の一部を拡大した説明図である。図12は、接着ユニット50に区画ガイドユニット82を取り付けた図である。また、図13は区画ガイド83の移動機構を示す図である。以下順次説明する。
搬送されるシートの後端は図示の様に退避経路47に移動することになる。また、この基端部偏向ガイド85はシートに塗布された粘着テープATの位置を避けて櫛歯状に間隔を持って配置されている。この配置により粘着テープが基端部偏向ガイド85に接触することがない。
なお、特に図示していないが、区画ガイド83が図示破線の延設位置EPにあるときも基端部偏向ガイド85が昇降できるように適宜の開口が区画ガイド83及び上ガイド41aに設けられている。また、この基端部偏向ガイド85は引張バネ85aにより退避経路47側に付勢するようにしてあるが、ソレノイドに連結してシートの移動に応じて制御してもよい。
なお、この分岐部偏向ガイド44もソレノイドに連結して制御するようにしてもよい。
次に、上述の区画ガイド83の移動機構について、図12及び図13により説明する。
図12は、スタンパホルダ52を有する接着ユニット50に区画ガイド83を昇降移動する区画ガイドユニット82として取り付けた斜視図である。すなわち、区画ガイド83の両側(図示手前側と奥側)で支持する昇降ガイド147が接着ユニット50に固定されている。この昇降ガイド147には区画ガイド83に取り付けられた昇降ギア148を移動可能とする第1スリット161と区画ガイド83側面に突出させた昇降ピン167を移動可能とする第2スリット162が形成されている。これらの機構は、区画ガイド83の奥側も同様になっており、これにより区画ガイド83が傾くことなく、昇降ガイド147間を昇降移動できる。この図に示す様に区画ガイド83が上昇した位置がシート後端を退避経路47に移動可能とする解放位置OPであり、下降した位置が先行シートに塗布された粘着テープATを覆う延設位置EPとなる。
これによれば、接着ユニット50に昇降ガイド147が個設されこれに区画ガイド移動モータGMが取り付けられている。この区画ガイド移動モータGMの駆動は、伝達ギア107を介して上下のプーリに張設された可動ベルト108を移動するようになっている。この可動ベルト108には区画ガイド83に固定された固定ブロック146が取り付けられている。従って、区画ガイド移動モータGMが駆動して可動ベルト108を移動すると、駆動方向に従って区画ガイド83が昇降移動することになる。さらに、この昇降移動を区画ガイド83の両側で同期を取るために、昇降ガイド147に設けられたラックガイド147aに区画ガイド83と一体に設けた昇降ギア148が歯合するようになっている。また、傾くことなく移動するように、昇降ピン167も区画ガイド83から突出して昇降ガイド147に設けた第2スリット162に係合移動するようになっているもので、区画ガイド83は片側にそれぞれ2箇所で、両側の4か所でガイドされているので傾くことなく、両側が同期して昇降移動できる。
なお、後述するように区画ガイド移動モータGMは、シートの移動を管理するシート搬送制御部195によって制御されている。
次に、図14から図18までにより、画像形成装置Aから搬送される3枚のシートに、スタッカ部40内の接着ユニット50により接着剤を塗布(粘着テープATを転写)してシート相互を接着するシート束の生成動作を、区画ガイド83を移動させながら行うことを順次説明する。
まず、画像成装置Aにおいて、本体排出口3からのシートを1枚ずつ貼り合せて束状とした後冊子状に折り畳んで第2排紙トレイ22に収納する「接着シート束折りモード」を指示する。
図15(b)は、2枚目シートをストッパ部90まで搬送した図である。この2枚目シートの搬入過程では、すでに説明しているように、1枚目シートの粘着テープATは区画ガイド83の下に退避して隠れている。従って、2枚目シートの先端はこの粘着テープATに接触することなくストッパ部90まで搬送する。
図15(c)は、ストッパ部90まで、2枚目シートを搬送後、整合部材48を動作させて、粘着テープATが塗布された1枚目シートと2枚目シートの揃えを行う。この際、ストッパ部90のグリッパ91の把持を解除するとともに搬送ローラ46に圧接していたピンチローラも離間させる。従って、1枚目のシートの上流側は退避経路47中に、2枚目シートの上流側は搬入経路41にある二股になった状態で整合部材48を往復動して整合する。
図16(b)は、グリッパ91でシートを把持した状態でストッパ部90を下流側への移動を行うとともに、区画ガイド83も延設位置EPから解放位置OPへ上昇移動を開始した図である。この区画ガイド83の解放位置OPへの移動により、シート後端は延設位置EPまで搬送しなくても退避経路47側に移動できることになり、シートのスイッチバック搬送を早めることができる。
図16(c)は、シート後端を退避経路47中でスイッチバックさせるようにストッパ部90を上昇させてシートの搬送方向1/2の位置が接着ユニット50に位置した図である。この状態では、区画ガイド83は解放位置OPにある。
図17(b)は、延設位置EPに移動した区画ガイド83の下方に退避経路47に位置したシートを上昇させている図である。これにより粘着テープATは延設位置EPにある区画ガイド83の塗布退避位置100に至り、3枚目シートの搬入を待つ。
図17(c)は、最後の3枚目シートがスタッカ部40に搬入している図ある。2枚目のシートのときと同様に、シートに塗布された粘着テープATは区画ガイド83の下方に位置しているので、搬入する3枚目のシートが粘着テープATに接触することなくスムーズに搬入できる。
図18(b)は、3枚のシートをグリッパ91で把持し、ストッパ部90を移動して接着束折り位置Sh2まで移動した図である。この位置で折りブレードを図示左方向に移動するとともに折りローラ81を回転して3枚のシートを二つ折りにする。この二つ折りしたシートは束排紙ローラ95を介して第2排紙トレイ22に排出され、3枚のシートの折り冊子が生成される。
18図(c)は、シート同士の接着性を高めるようにした他の実施例である。この図では、図18(b)の状態で折りブレード86と折りローラ81を動作させずに、3枚のシートの後端が一旦延設位置EPを通過するように搬送し、シート後端を分岐部偏向ガイド44で退避経路47に向け、ストッパ部90を上昇させてシートの1/2の位置が折りブレード86に至った位置で折り処理を実施するようにしている。これによれば、シートの搬送過程で加圧ローラ49等によりシートを押圧するのでシート同士の圧接力が強くなる。また、シートの搬送過程で区画ガイドを解放位置OPに移動するようして、次のシート束の生成に備えてもよい。さらにはね折りブレード86でシートの粘着テープATが塗布してある箇所を押圧するようにしてもよい。
また、退避経路47の移動に際して、下流の合流位置側にある分岐部偏向ガイド44と区画ガイド83の解放位置OPにある基端部偏向ガイド85の双方でシートを退避経路47側に付勢するので速やかに且つ確実に退避経路47側にシートを移動してスイッチバック搬送することができる。
上述した画像形成装置のシステム制御構成を図19のブロック図に従って説明する。図1に示す画像形成装置のシステムは画像形成装置Aの画像形成装置制御部180とシート処理装置Bのシート処理制御部191を備えている。画像形成装置制御部180は画像形成制御部181と給紙制御部186と入力部183を備えている。そしてこの入力部183に設けられたコントロールパネル18から「画像形成モード」「シート処理モード」の設定を行う。画像形成モードは前述したように、プリントアウト部数、シートサイズ、カラー・モノクロ印刷、拡大・縮小印刷、両面・片面印刷、その他の画像形成条件を設定する。
そして、画像形成装置制御部180はこの設定された画像形成条件に応じて画像形成制御部及び給紙制御部を制御し、所定のシートに画像形成した後、本体排出口3からシートを順次搬出する。
シート搬送制御部195は画像形成装置Aからのシートを受け入れ搬送する搬入ローラ24等の駆動を制御するように駆動モータM1の制御回路に連結されている。また、このシート搬送制御部195は、処理トレイ29にシートを搬入する際に、一旦第2スイッチバック経路SP2にシートをスイッチバック待機させ、次シートと合わせて処理トレイ29に排出している。これは、画像形成装置A側の作動を止めることなく処理できるようにするためであるが、このスイッチバック搬送ができるように搬入経路41中の経路搬入ローラ45を正逆搬送可な駆動モータM2を制御している。また、スタッカ部40にその先端側を位置させ、後端側をこの搬入経路41に位置させてシート同士の整合を行う際にピンチローラを駆動ローラ120から離間させる離間モータM3も制御している。さらに、このシート搬送制御部195は、シートの搬送に応じて搬入経路41と退避経路47との間に位置する区画ガイド83を移動する区画ガイド移動モータGMも制御している。従って、シート後端を早い段階で退避経路47側に導くことができる。
処理トレイ集積動作制御部197は、処理トレイ29や第1排紙トレイ21への搬入や処理トレイ29からシート束の搬出するため排紙ローラ25をニップまたは離間させるニップ離間モータM5に制御回路介して接続されている。また、処理トレイ29上のシートを整合するためサイド整合板36をシート幅方向に往復動させるサイド整合板モータM6に制御回路を介して結線されている。
まず、スタッカ部集積動作制御部200は、スタッカ部40の中程に位置し、スタッカ部40に搬入するシートを押圧して下流側への搬送を行う加圧ローラ49の押圧位置への移動と回転駆動及び逆転してシートからの離間を行う加圧ローラニップ離間モータM9に制御回路を介して接続して制御する。
尚、必要に応じて、18図(c)に示したように、区画ガイド83延設位置EPにあるときシートの後端が搬入経路41と退避経路47との分岐位置をシート(束)後端が通過位置する位置としてSh01を設定してもよい。
さらに、このスタッカ部集積動作制御部200はシート先端がスタッカ部40に位置し、後端が搬入経路41と退避経路47に夫々跨って位置しているシートであっても整合可能な整合部材48をシート幅方向に往復動する側縁整合部材モータM12の制御回路にも結線して制御している。
「プリントアウトモード」
このモードでは画像形成装置Aで画像形成されたシートはシート処理装置Bのシート搬入経路P1を経て、第1排紙トレイ21に収容され、例えばフェースダウンの姿勢で1ページから順次nページの順に上方に積載収納されることとなる。
このモードでは画像形成装置Aは前述のモードと同様に一連の文書を第1ページからnページの順に画像形成し、フェースダウンの状態で本体排出口3から搬出する。そこでシート搬入経路P1に送られた後、第1スイッチバック搬送路SP1に沿って処理トレイ29上にスイッチバック搬送される。このシート搬送を繰り返すことによって第1の処理トレイ29に一連のシートがフェースダウンの状態で束状に集積される。この束集積後、端面綴じステープラ35を動作させトレイ上に集積されたシート束の後端縁を綴じ合わせる。ステープル綴じされたシート束を第1排紙トレイ21上に搬出収納する。これによって画像形成装置Aで画像形成した一連のシートをステープル綴じして第1排紙トレイ21に収納することとなる。
このモードでは画像形成装置Aはシート処理装置Bで接着剤を塗布しシートを貼り合せて冊子状に仕上げる。この為シート処理装置Bはシート搬入経路P1に送られたシートを第2スイッチバック搬送路SP2に導き、そしてこの経路に配置された経路搬入ローラ45、搬送ローラ46に導かれスタッカ部40に案内される。
これ以降のシートの流れ、シートを接着する動作、先行シートと次シートの関係などはすでに図14から図18で説明したので、ここでの説明を省略する。
以上の実施の形態で説明したように、シートの搬送に対応して、区画ガイド83を退避経路47が解放される解放位置OPと分岐位置に近接した延設位置EPとに移動制御するので、シートのスタッカ部40での搬送範囲を短くでき、この結果シートを接着処理する処理速度を向上させることができる。
また、解放位置OP付近に設けた基端部偏向ガイド85と延設位置EP付近に設けた分岐部偏向ガイド44それぞれがシートを退避経路47側に付勢しているので、退避経路47側への移動が確実になされる。
B シート処理装置
X 接着剤塗布位置
Y 折り位置
AT 粘着テープ
EP (区画ガイド)延設位置
OP (区画ガイド)解放位置
GM 区画ガイド移動モータ
29 処理トレイ
40 スタッカ部
40a スタッカ上ガイド
40b スタッカ下ガイド
41 搬入経路
41a 上ガイド
44 分岐部偏向ガイド
44a ガイド引張バネ
46 搬送ローラ
47 退避経路
48 整合部材
49 加圧ローラ
50 接着ユニット
51 粘着テープスタンパ
52 スタンパホルダ
53 案内ロッド
54 移動ブロック
55 支持ブロック
56 コロ
57 カム部材
60 カム移動モータ(M13)
61 カム溝
62 加圧スプリング
63 中央支持フレーム
65 シート押え
71 シート押えスライダ
72 転写ヘッド
79 プラテン
80 折り処理部
81 折りローラ
82 区画ガイドユニット
83 区画ガイド
84 区画ガイド折り返し部
85 基端部偏向ガイド
85a 引張バネ
86 折りブレード
90 ストッパ部(規制部材)
91 グリッパ
100 塗布退避位置
191 シート処理制御部
195 シート搬送制御部
201 シート綴じ・接着処理動作制御部
Claims (9)
- シートに接着剤を塗布した後に折り合せるシート処理装置であって、
シートを所定の搬入方向に搬入する搬入経路と、
前記搬入経路からのシートを集積するスタッカ部と、
前記スタッカ部に集積されたシートの少なくとも一部を前記搬入方向と反対方向に退避させる前記搬入経路から分岐した退避経路と、
上記搬入経路と前記退避経路との合流位置に配置されたシートに接着剤を塗布してシートを貼り合せる接着ユニットと、
前記搬入経路と前記退避経路との間に位置し、前記搬入経路と前記退避経路とを区画する区画ガイドを備え、前記区画ガイドが前記搬入方向における前記搬入経路の上流でシート後端の前記退避経路への移動を許容する解放位置と、前記解放位置から前記接着ユニットに近接しシートの接着剤が塗布された位置を覆う延設位置との間でシートの搬送に応じて移動可能に構成されているとともに、シートを前記退避経路に付勢する偏向ガイドを設け前記偏向ガイドが上記解放位置と前記延設位置とそれぞれ配置されていることを特徴とするシート処理装置。 - 前記搬入経路と前記退避経路とは前記合流位置を中心として扇状に重なり合って配置されおり、前記区画ガイドの前記解放位置でシートを前記退避経路に付勢する第1偏向ガイドと前記区画ガイドの前記延設位置で前記接着剤が塗布されたシートを前記退避経路に付勢する第2偏向ガイドをそれぞれ備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
- 前記偏向ガイドは、前記接着剤の塗布位置を避けた位置に前記搬入方向の複数個所に配置したことを特徴とする請求項2記載のシート処理装置。
- 前記接着ユニットは、テープ基材に接着剤を有する粘着テープからなり接着剤のシートへの塗布はこの粘着テープからのシートへの接着剤の転写によって行われ、前記粘着テープをシートの面において前記搬入方向と交差するシート幅方向に複数配置したことを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。
- 前記粘着テープのシートへの接着剤の転写は、前記粘着テープがシートに押圧されることによって塗布されるとともに、この押圧によりシート間の接着も行うことを特徴とする請求項4に記載のシート処理装置。
- 前記スタッカ部に貼り合わされたシートを折り処理する折り処理部を備え、前記折り処理部は、折りローラとこの折りローラにシートを移動する折りブレードからなり、前記接着剤が塗布された先行シートと次シートとを前記接着剤を塗布する接着位置に移動して次シートに接着剤を塗布した後、シートを折る折り位置に移動してシートに接着剤が塗布された位置を前記折りブレードで押圧しながら折り処理を行うことを特徴とする請求項5に記載のシート処理装置。
- シートを所定の搬入方向に搬入する搬入経路と、
前記搬入経路からのシートを集積するスタッカ部と、
前記スタッカ部に集積されるシートを規制する規制部材と、
前記スタッカ部に集積されたシートの少なくとも一部を前記搬入方向と反対方向にスイッチバック搬送して退避させる前記搬入経路から分岐した退避経路と、
前記搬入経路と前記退避経路の合流位置に配置されシートに接着剤を塗布する接着ユニットと、
前記接着ユニットで接着されたシートを折りこむ折りローラとこの折りローラにシートを押圧する折りブレードからなる折り処理部とを備え、
さらに、前記搬入経路と前記退避経路との間に位置し、前記搬入経路と前記退避経路とを区画する区画ガイドを有し、前記区画ガイドが前記搬入方向における前記搬入経路の上流でシート後端の前記退避経路への移動を許容する解放位置と、前記解放位置から前記接着ユニットに近接した位置まで延設して退避したシートの接着剤が塗布された位置を覆う延設位置との間でシートの搬送に応じて移動可能に構成されているとともに、前記搬入経路と前記退避経路とは前記合流位置を中心として扇状に重なり合って配置されおり、前記解放位置でシートを前記退避経路に付勢する第1偏向ガイドと前記延設位置で前記接着剤が塗布されたシートを前記退避経路に付勢する第2偏向ガイドをそれぞれ設けていることを特徴とするシート処理装置。 - 前記接着ユニットは、テープ基材に接着剤を有する粘着テープからなり前記粘着テープをシートに押圧することによってシートへの接着剤の塗布とシート間の貼り合わせを行うとともに、前記粘着テープをシートの面において前記搬入方向と交差するシート幅方向に複数配置したことを特徴とする請求項7記載のシート処理装置。
- 順次シート上に画像形成する画像形成部と、
前記画像形成部からのシートに所定の処理を施すシート処理装置とから構成され、
前記シート処理装置は請求項1乃至8の何れかの項に記載の構成を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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