JP6433026B2 - 油揚げ生地の製造方法および油揚げ生地の連続製造装置 - Google Patents
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Description
水に漬けて膨潤した大豆は定量的に加水しながら磨砕されて呉となり煮熟装置に送られて加熱煮熟される。煮熟が終了した呉には定量的に水(「戻し水」)が加えられた後、分離装置によっておからと豆乳に分離され、おからは工程から排出される。
おからと分離して得られた豆乳に、一定温度で凝固剤が添加される。凝固熟成後、凝固物スラリーと水(「湯」)に分離される。
分離した凝固物スラリーを熟成圧搾して油揚げ生地とした後、所定の寸法で製品形状にカットして油揚げ生地とする。
生地準備工程で発生した不良生地を回収して、空気を飽和させた水を加水しつつ、空気と触れさせながら微細化を行って微細化生地溶液とする。このようにすると、その溶液における飽和レベルまで含む微細化生地溶液を調製することができる。このように、不良生地を微細化する段階で、空気を飽和させた水を用いることにより、その溶液における飽和レベルまで空気を含む微細化生地溶液を調製することができる。更に、この微細化生地溶液を均質化させることにより、均質な空気を十分に含む微細化生地水溶液を得ることができる。
本実施形態では、「戻し水」の添加を煮熟直後(ST13)と、おからを分離した後で、かつ、凝固剤添加前(ST14)の2回に分けて行い、2回目の「戻し水」として、前記の均質化した微細化生地溶液を使用している。このために、本発明における油揚げ生地製造装置においては、煮熟した呉に戻し水を供給する配管を二つに分け、一方は煮熟直後の呉に供給できるようにし、もう一方は空気供給装置を経て空気を飽和させた後、不良生地微細化工程において加水する水として用いることができるようにすることが望ましい。
油揚げ生地の連続成形装置を備えた油揚げ製造ライン(ソーエーマシン(株)製)を用い、生地カットの際に発生する不良生地を回収し、ミートチョッパーを用いて生地を裁断する装置、及び空気を水に供給して空気を飽和させる装置、120メッシュのステンレス網を張った円筒形の固液分離装置で凝固物分離工程において発生した「湯」から微細な凝固物粒子と排水に分離する装置、をそれぞれ設置した。
実施例と同じ油揚げ製造ラインにおいて、生地回収装置と戻し水への空気供給装置を停止し、さらに凝固物分離工程において発生した「湯」から凝固物粒子を回収することなく廃棄して、実施例と同じサイズの生地を成形して油揚げを製造した。得られた油揚げの大きさは平均8.0cm×8.1cmであり、生地収量は大豆60kg当たり4800枚であった。また良品率は96.5%であり、得られた製品は良好な光沢と張りをもちソフトでふわっとした好ましい食感であった。
実施例と同じ油揚げ製造ラインにおいて、生地微細化工程に供給する水に対する空気の供給を止めた他は実施例と同じとして油揚げの製造を行った。
得られた油揚げの大きさは平均7.9cm×7.8cmであり、生地収量は大豆60kg当たり5030枚であった。また良品率は87%であり、ラインの端と中央部にサイズのばらつきが大きく見られた。たま、時間の経過と共に、油揚げのサイズが大きくなったり小さくなったりする現象も見られた。得られた製品は光沢と張りをもちソフトでややふわっとした食感であった。これらの比較例1,2は実施例に比べて、良品率及び得られた油揚げの大きさにおいて、劣っていた。
実施例と同じ油揚げ製造ラインにおいて、生地微細化工程に供給する水をデガッサーを用いて脱気し、微細化装置を水封して微細化工程において空気を抱き込まないように配慮して生地微細化水溶液を調製し、得られた生地微細化水溶液を豆乳添加して油揚げを製造した。
得られた油揚げの大きさは平均7.4cm×7.4cmであり、生地収量は大豆60kg当たり5028枚であった。また良品率は92%であり、得られた製品は厚みと張りをもち皮が固い食感であった。
実施例と同じ油揚げ製造ラインにおいて、凝固物分離工程において発生した「湯」から凝固物粒子を回収することなく生地微細化装置に供給する水として使用して油揚げを製造した。
得られた油揚げの大きさは平均7.4cm×7.6cmであり、生地収量は大豆60kg当たり5032枚であった。また良品率は90%であり、得られた製品は厚みと張りがあるが、ところどころに大きな気泡を持ち、皮が固い食感であった。
2 分離装置
3 凝固装置
4 湯取り装置
5 成形装置
6 切断装置
7 回収装置
8 微細化装置
9 均質化装置
10 凝固物粒子回収添加手段
11 混合装置
Claims (6)
- 膨潤大豆を磨砕して得た呉を煮熟して煮呉とした後、おからを分離して豆乳を得る豆乳分離工程と、
この豆乳に凝固剤を添加した後、凝固物スラリーと湯分を分離する凝固物分離工程と、
分離した凝固物スラリーを熟成圧搾して油揚げ生地とした後、製品形状にカットする生地準備工程を有する油揚げ生地の製造方法であって、
更に、前記の生地準備工程で発生した不良生地を回収して、加水しながら微細化して微細化生地溶液とする不良生地微細化工程と、
前記微細化生地溶液を均質化後、前記の凝固剤を添加する前の豆乳に加える微細化生地溶液添加工程を有し、
前記の不良生地微細化工程での加水には、空気を飽和させた水を用いることを特徴とする油揚げ生地の製造方法。 - 前記の煮呉に、過剰な熱変性防止と空気補給を目的とした水分を添加する戻し水添加工程を有し、
前記戻し水添加工程が、煮熟直後に行われる第一工程と、おからを分離した後で、かつ、凝固剤添加前に行われる第二工程からなり、
この第二工程における前記水分が、前記の均質化した微細化生地溶液であることを特徴とする請求項1記載の油揚げ生地の製造方法。 - 前記の凝固物分離工程で分離された湯分を、更に、微細な凝固物粒子と排水に分離し、この微細な凝固物粒子を回収して、前記の微細化生地溶液に混ぜ込むことを特徴とする請求項1または2記載の油揚げ生地の製造方法。
- 熟成圧搾された油揚げ生地を製品形状にカットする切断装置と、
前記カットの際に発生した不良生地を回収する回収装置と、
この不良生地に、空気を飽和させた水を加水しながら微細化して微細化生地溶液とする微細化装置と、
得られた微細化生地溶液を均質化する均質化装置と、
均質化した微細化生地溶液を豆乳に加える混合装置と、
この豆乳に凝固剤を加えて凝固させる凝固装置と、
凝固剤を添加した豆乳から水分を分離して凝固物スラリーを得る湯取り装置と、
得られた凝固物スラリーを連続的に熟成圧搾して油揚げ生地を成形する成形装置を有することを特徴とする油揚げ生地の連続製造装置。 - 更に、煮熟した呉からおからを分離して豆乳を得る分離装置を有し、前記の混合装置を、この分離装置に続く後段に置くことを特徴とする請求項4記載の油揚げ生地の連続製造装置。
- 更に、前記の湯取り装置で分離された湯分を、更に、微細な凝固物粒子と排水に分離して、この微細な凝固物粒子を回収して、回収した微細な凝固物粒子を、連続的に前記均質化装置に加える凝固物粒子回収添加手段を有することを特徴とする請求項4または5記載の油揚げ生地の連続製造装置。
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