JP6431685B2 - 立体物造形装置 - Google Patents

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本発明は立体物造形装置に関し、より詳細には、被写体を撮影して得られる三次元カラー画像データに基づいて、該被写体の三次元モデルを含む立体物を造形する立体物造形装置に関する。
人物や胸像などの被写体を撮影して得られる三次元カラー画像データに基づいて、該被写体の三次元モデルを立体造形して、該三次元モデルの表面を着色するシステムが知られている(特許文献1および2)。
特開2001−166810号公報(2001年6月22日公開) 特開2001−219695号公報(2001年8月14日公開)
しかしながら、上述の従来技術を用いて立体造形した三次元モデルは、構造的(形状的)に弱い部分が壊れ易く、緻密な構造を実現し難いという問題がある。例えば人物の三次元モデルを立体造形した場合に、指や首などの比較的細長い部分であったり、耳、リボンまたは衣服の裾などの厚さが比較的薄い部分が壊れ易いという問題がある。またオーバーハング部の造形を可能にする為に造形部分の外側にサポート材(支持材)の形成が必要であり、造形後にサポート材を除去する作業と、除去したサポート材の廃棄処理が必要という問題もある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、緻密な構造を有する三次元モデルを立体造形する場合であっても良好に造形することができる立体物造形装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る立体物造形装置は、被写体を三次元でカラー撮影可能な撮像部と、上記撮像部から得られる三次元カラー画像データに基づいて上記被写体を模ったカラー加飾された三次元モデルを造形する造形部とを備え、上記造形部は、透明材料から形成される透明体の内部に上記三次元モデルを有した立体物を、立体造形することを特徴としている。
上記の構成によれば、造形部で造形される立体物は、透明体の内部に三次元モデルが配置した構造であるため、三次元モデルのみでは構造的に弱い部分があってもその周囲に透明体が存在しているため、該部分が補強され、三次元モデルが壊れることを防ぐことができる。そのため、緻密な三次元モデルであっても、緻密に、且つ、信頼性高く造形する立体物造形装置を実現することができる。
また、三次元モデルが透明体の内部に配置された立体物を造形しているため、立体物表面が擦れても、三次元モデル表面が透明体によって保護されているので、三次元モデル表面のカラー加飾の加飾部分の色が失われない。さらに、汚れや傷については表面を研磨や溶解することで再生が可能である。
また、三次元モデルが透明体の内部に配置された立体物を造形しているため、紫外線や湿気が透明体にブロックされて、三次元モデルに直接達しない。これにより、三次元モデル表面のカラー加飾の加飾部分が退色し難い。
上記の構成によれば、上記三次元モデルの周囲を覆うように透明体を立体造形するため、一般的な三次元プリンターで用いられるサポート材(支持材)が不要となる。そのため、サポート材を除去する工程を省略することができ、立体造形して直ぐに立体物が完成する。したがって、立体物を所望する者に直ぐに提供することができる。また、サポート材の廃棄物がないため、環境に優しい。
本発明に係る立体物造形装置の一形態は、上記の構成に加えて、上記造形部は、上記三次元モデルの造形材料、上記カラー加飾のためのカラー加飾材料および上記透明材料のうちの少なくとも1つをインクジェット方式を用いて吐出して造形する。
上記の構成によれば、インクジェット方式を用いて造形されることによって、迅速且つ微細な立体物の造形に寄与することができる。
本発明に係る立体物造形装置の一形態は、上記の構成に加えて、上記三次元モデルの造形材料、上記カラー加飾のためのカラー加飾材料または上記透明材料は、少なくとも一部が紫外線硬化樹脂である。
本発明に係る立体物造形装置の一形態は、上記の構成に加えて、上記三次元モデルは、造形部分の少なくとも表面が白色層で覆われ、該白色層の外部が透明層で覆われ、更に該透明層の外部が上記カラー加飾されている。
上記の構成によれば、上記三次元モデルは、造形部分の少なくとも表面が白色層で覆われ、該白色層とカラー加飾の層との間に透明層が形成されている。そのため、光反射性を有する白色層を形成するインクと、カラー加飾の層を形成するインクとが混じり合うことはない。例えばカラー加飾の層が着色剤を含むインクから形成されている場合、白色層を形成する白色インクと混じり合うと、カラー加飾の層のインクの色が失われて所望する色調を実現することができない。しかしながら、上記の構成によれば、仮にカラー加飾の層を形成するインクが、透明層を構成する透明インクと混じり合ったとしても、カラー加飾層のインクの色は失われないので、立体造形される立体物が呈する加飾に影響は与えない。したがって、所望の加飾を実現した立体物が立体造形される。
本発明に係る立体物造形装置の一形態は、上記の構成に加えて、上記透明体の表面または内部には、上記三次元モデルとは異なる付加情報を示す構造物が造形されている。
上記の構成によれば、透明体の内部に三次元モデル以外の付加情報を入れることができるため、エンターテインメント性がある。
本発明に係る立体物造形装置の一形態は、上記の構成に加えて、上記撮像部から得られる上記三次元カラー画像データを表示する表示部を更に備えている。
上記の構成によれば、表示部を備えていることにより、どのような上記立体物が立体造形されるのかを該立体物を所望する者が事前に確認することができる。
本発明に係る立体物造形装置の一形態は、上記の構成に加えて、上記立体物の販売対価を徴収する徴収部を更に備えている。
上記の構成によれば、徴収部を備えていることにより、立体物の販売対価を徴収することができる。
本発明によれば、緻密な構造を有する三次元モデルを立体造形する場合であっても信頼性良く造形することができる立体物造形装置を提供することができる。
本発明に係る立体物造形装置の一実施形態である立体造形自動販売機によって製造販売される立体物の外観図である。 本発明に係る立体物造形装置の一実施形態である立体造形自動販売機の構成を示す図である。 図2に示す立体造形自動販売機の上面図である。 図2に示す立体造形自動販売機の詳細な構成を示す図である。 図2に示す立体造形自動販売機に具備された制御部の制御フローを示すフロー図である。 (a)は、図2に示す立体造形自動販売機において立体造形される立体物の造形途中の様子を示した図であり、(b)は、造形途中の立体物の断面図であり、(c)は、造形途中の立体物の断面図であって(b)に示す断面図とは異なる位置の断面図である。 図2に示す立体造形自動販売機において立体造形される立体物の斜視図であるが、説明の便宜上、三次元モデルを簡略化した簡略型三次元モデルを含む立体物の斜視図である。 図7に示す切断線A−A´の断面図である。 図2の立体造形自動販売機の立体造形部に具備されるインクジェットヘッド装置のノズル孔側の模式図である。 図7に示す立体物の製造過程を示す図である。 図2の立体造形自動販売機の立体造形部に具備されるインクジェットヘッド装置のノズル孔側の別例を示した模式図である。 図2の立体造形自動販売機の立体造形部に具備されるインクジェットヘッド装置のノズル孔側の別例を示した模式図である。 図2の立体造形自動販売機の立体造形部に具備されるインクジェットヘッド装置のノズル孔側の別例を示した模式図である。 図2の立体造形自動販売機の立体造形部に具備されるインクジェットヘッド装置のノズル孔側の別例を示した模式図である。
以下、本発明に係る立体物造形装置について、その一実施形態である立体物自動造形販売機を例示して説明する。先ずは本実施形態の立体物自動造形販売機によって立体造形される立体物について説明し、続いて、本実施形態の立体物自動造形販売機の構成および動作について説明する。
(1)立体物自動造形販売機が提供(販売)する立体物
本実施形態における立体物自動造形販売機は、その内部で立体造形した立体物を、該立体物を所望する者(主には、該立体物に含まれる三次元モデルの被写体となった人物)から該立体物の販売対価を徴収することとを引き換えに提供(販売)する装置である。
本実施形態における立体物自動造形販売機が提供する立体物は、立体物自動造形販売機が具備するカメラ(撮像部)によって撮影された被写体(人物)の全体あるいは一部を模った三次元モデル(人形)を、透明材料によって形成された透明体の内部に有した構造である。
図1に、本実施形態における立体物自動造形販売機が提供する立体物の外観を幾つか例示する。
図1の(a)に示す立体物50は、被写体(人物)の全体を模ったカラー加飾された三次元モデル30を、透明インクから形成された透明体40の内部に有している。
被写体(人物)全体を模ったカラー加飾された三次元モデル30は、後述するように、造形部分の少なくとも表面が白色層で覆われ、該白色層の外部が透明層で覆われ、更に該透明層の外部にカラー加飾された着色層が形成されてなる。
そして、透明体40は、この三次元モデル30の上記着色層が露出しないように三次元モデル30全体を覆い、立体物50の最外層を形成している。換言すれば、透明体は、立体物50の外形を形作っているといえる。例えば図1の(a)に示す立体物50は、透明体40によって、自立できる据え置き型を有している。
図1の(b)に示す別の立体物50は、例えば携帯電話に取り付けるストラップやキーホルダーとして実現されるために、三次元モデル30の周囲を覆う透明体40の一部分にストラップやキーホルダーを通すための穴70が設けられている。このように、透明体40に穴70を設ければ、三次元モデル30自体に穴をあけずに済む利点がある。穴70は、後述する方法によって透明体40を形成する際に設けることができる。
図1の(c)に示す更に別の立体物50は、被写体(人物)の一部分である上半身部分を模ったカラー加飾された三次元モデル30を、透明体40が覆ってなる。また、透明体40の表面または内部には、三次元モデル30とは別に、付加情報を示す構造物が設けられている。付加情報を示す構造物とは、例えば、マーク、フレーム、または淡色等によって構成された装飾三次元画像71、および、日付、人名、または場所名などの文字を記す文字構造72である。装飾三次元画像71および文字構造72も、透明体40を形成すると同時に形成することができる。
以上のような立体物50を立体造形することができる本実施形態における立体物自動造形販売機の特徴の一つは、インクジェット法を用いて、カメラ(撮像部)によって撮影された被写体(人物)の全体あるいは一部を模った三次元モデル30と、それを覆って立体物の外形を形作る透明体40とを同時に積層方式で立体造形する点にある。すなわち、後述する図6の(a)のように、立体物50を積層方式で立体造形する点にある。
以下、これを実現するための本実施形態の立体物自動造形販売機について説明する。
(2)立体物自動造形販売機の構成
図2および図3は、本実施形態における立体物自動造形販売機1の構成を示す図であり、図2は、立体物自動造形販売機1の内部を側方から見たときの図であり、図3は、立体物自動造形販売機1の内部を上方から見たときの図である。
本実施形態の立体物自動造形販売機1は、図2および図3の紙面左側に、人物を撮影する空間である撮影室2が在り、図2および図3の紙面右側に、撮影室2において撮影された人物の画像データに基づいて立体物を造形する空間である立体造形室3が在る。以下、各室の構成を説明する。
(2−1)撮影室2
上記撮影室2は、一または複数の人物が入室可能な広さを有しており、ステージ4と、カメラ5(撮像部)と、照明部6と、ミラー部7と、表示部8と、操作部9と、料金徴収部10(図1)とが配設されている。
なお、撮影室2には、人物Pが入退出するためのドア2aが設けられており、人物Pは立体物自動造形販売機1(撮影室2)外部からドア2aを通って撮影室2内に入室することができる。なお、ドアの代わりに、カーテンなどであってもよい。撮影室2の外部から撮影室2内に不都合な光が入射すると、立体物の造形に悪影響を与えるおそれがあるので、ドアであってもカーテンであっても遮光性を有するものであることが好ましい。
●ステージ4
ステージ4は、撮影室2の室内の床面に設けられており、被写体である人物Pを上に載せることができる。ステージ4は、ステージ4の上に乗った人物Pと、カメラ5との間が適切な距離になるような位置に配設されている。また、ステージ4は高さを調整することも可能である。本実施形態の立体物自動造形販売機1では、ステージ4の上に起立した状態の人物Pの全身の三次元モデルを造形することができる構成となっている。そのため、ステージ4は、人物Pの足元がカメラ5の撮影可能範囲に含まれるよう、高さを上下させることができる。
●カメラ5
カメラ5は、ステージ4の上に乗った人物Pを撮影するための撮影装置である。本実施形態の立体物自動造形販売機1では、ステージ4の上に起立した状態の人物Pの全身の三次元モデルを造形することから、カメラ5は、人物Pの全身を三次元でカラー撮影可能なように、撮影室2の室内に、複数個設置されている。
具体的には、本実施形態の立体物自動造形販売機1では、人物Pを、ステージ4からの高さが同じ位置で三方向から、且つ、ステージ4からの高さ方向に関して二段階から、合計で六つのカメラ5を人物Pに向けて配設している。本実施形態の立体物自動造形販売機1では、三方向とは、人物Pの正面の前方の左寄りからと、前方の右寄りからと、人物Pの背面の中央からの計三方向である。また、高さ二段階とは、起立した人物Pの下半身全体を網羅することができる比較的低位置と、該人物Pの上半身全体を網羅することができる比較的高位置の計二段である。
なお、人物Pの全身を三次元でカラー撮影可能であれば、カメラ5の設置数、設置位置は特に制限はない。例えば、同じ高さで三方向よりも多方向から撮影することも可能であるし、高さも二段階よりも多くして撮影することも可能であり、これらの態様を採用することにより、より精度の高い三次元カラー画像データを生成することができる。
あるいは、同じ高さで三方向の撮影ができるように三つのカメラ5を備え、これら三つのカメラ5が位置を移動することによって、高さを変えて撮影することにより、人物Pを三次元でカラー撮影してもよい。
なお、図2および図3の撮影室2と立体造形室3との間に配設されたカメラ5のように、撮影室2に設置されるのでは無く、立体造形室3に設置されて撮影室2の室内にレンズを向けてカメラ5を設けることも可能である。
各カメラ5によって撮影されたデータは、立体造形室3に設けられている制御部11に送られる。制御部11では、各データを処理して三次元カラー画像データを生成する。
●照明部6
照明部6は、ステージ4の上に乗った人物Pを照明する照明機器である。照明部6は、多方向から人物Pを照明できるように複数個配設されている。これにより、カメラ5によって撮影する際に、照明によって不都合な影が形成されることを回避することができる。本実施形態1では、照明部6は、各カメラ5の近傍に設けられている。
照明部6には光源が搭載されている。光源は、光強度が予め決まっていても良く、あるいは被写体である人物Pが所望する光強度に調整可能な構成であってもよい。また、照明部6は、異なる色の光を発する複数のLEDが搭載されていてもよく、この場合に被写体である人物Pが照明色を選択する構成としてもよい。
●ミラー部7
ミラー部7は、撮影室2と立体造形室3とを区切る壁に形成されており、ミラー面を撮影室2に向けて配設している。ステージ4の上に乗った人物は、ミラー部7のミラー面に自身の姿を映して確認することができる。また、ミラー面に照明部6の光が反射することにより、該反射光が人物を照らして、より明るく撮影することが可能である。ミラー部7は、例えばフィルムミラーを貼り付けて構成される。
●表示部8
表示部8は、上述した各カメラ5の撮像データに基づいて制御部11が生成する三次元カラー画像データを取得して、三次元カラー画像データに基づいた画像を表示する表示装置である。
また、表示部8には、被写体に対して提示すべき情報を提示するための手段としても用いることができる。提示すべき情報とは、メニュー表示や操作説明や選択肢などである。
●操作部9
操作部9は、立体物自動造形販売機1に対する被写体である人物の操作を受け付ける部分である。例えば、撮影の指示や、表示部8に表示した画像を加工する操作などを受け付ける。操作部9は操作レバーや操作ボタンなどを具備していてもよいし、タッチパネルの態様であってもよい。操作部9がタッチパネルの態様である場合には、メニュー表示や操作説明や選択肢などの被写体に対して提示すべき情報を提示するための手段として操作部9を用いることができる。
なお、表示部8が、三次元カラー画像データを表示する機能とともに、タッチセンサ機能も有している場合には、表示部8と操作部9とを一つの表示パネルにおいて実現することができる。
●料金徴収部10
料金徴収部10は、立体物自動造形販売機1によって立体造形される立体物の販売対価(料金)を徴収する。被写体である人物などが硬貨などを投入する。販売対価としては、例えば、立体造形のための基本料金に、必要に応じた追加料金が加算されたものである。対価は、例えば、制御部11において算出される。料金徴収部10に投入されるものとしては、現金、専用硬貨またはカードなど、その形式は問わない。
(2−2)立体造形室3
上記立体造形室3は、メンテナンス等の作業者が入室し作業することができる広さを有しており、制御部11と、立体造形部12(造形部)と、取り出し部13とが配設されている。また図3に示すように、立体造形室3にも、撮影室2と同様にドア3aが設けられており、作業者はドア3aを通って立体造形室3に入退出する。
●制御部11
制御部11は、立体物自動造形販売機1の電源および各構成部材を制御する機能を有する。図4は、制御部11の詳細として、他の構成部材を制御する制御系について模式的に示した図である。また、図5は、制御部11による制御フローを示したフロー図である。以下に、立体物自動造形販売機1の電源がオンとなっていることを前提として、制御部11の制御機構について説明する。
図4に示すように、制御部11は、操作部9が人物による操作を受け付けたことを示す情報を操作部9から取得することができる操作制御部11aを有している。また、制御部11は、料金徴収部10が料金を徴収したことを示す情報を料金徴収部10から受け取ることができる課金制御部11b(課金処理部)を有している。更に、制御部11は、照明部6を制御する照明制御部11cと、カメラ5を制御する撮影制御部11dと、表示部8を制御する表示制御部11eと、立体造形部12を制御する立体造形制御部11fとを有している。
図5に示す本実施形態の制御フローでは、料金を徴収したことを示す情報が料金徴収部10から制御部11の課金制御部11bに出力されて、これを制御部11(課金制御部11b)が取得することによって、撮影から立体造形までの制御部11による全体的な制御が開始する(ステップS1)。なお、この態様に限らず、操作部9が操作されたことを示す情報を操作部9から制御部11の操作制御部11aが取得することによって制御部11による全体的な制御が開始されてもよい。
課金制御部11bが、料金を徴収したことを示す情報を受け取って制御を開始した後、操作制御部11aが操作部9から情報を受け取る(ステップS2)と、操作部9から受け取った情報を元に、照明制御部11cが照明部6を制御し、撮影制御部11dが各カメラ5を制御する。具体的には、照明制御部11cは、照明部6の光源を点灯させ(ステップS3)、撮影制御部11dは、各カメラ5は被写体である人物を撮影する(ステップS4)。カメラ5は撮像データを生成すると、撮影制御部11dに出力する。
撮影制御部11dは、各カメラ5から取得した撮像データから、三次元カラー画像データを生成する。なお、この三次元カラー画像データは、被写体である人物が三次元でカラー撮像されたデータである。三次元カラー画像データの生成は、立体物自動造形販売機1に設けられた制御部11とは異なる装置によっておこなわれてもよい。
表示制御部11eは、撮影制御部11dから三次元カラー画像データを取得し、表示部8を制御して表示部8に三次元カラー画像データを表示させる。
表示部8に三次元カラー画像データが表示されている間に、人物Pによって操作部9が操作されて立体造形の開始を指示する操作が操作部9に受け付けられると、その情報が操作部9から出力される。操作部9から出力された情報は、操作制御部11aが取得する。
操作制御部11aは、操作部9から立体造形の開始を指示する情報を取得すると、被写体である人物Pを模った三次元モデルを立体造形するための上記三次元カラー画像データを立体造形制御部11fに出力する(ステップS5)。
立体造形制御部11fは、取得した三次元カラー画像データと、該三次元モデルを覆う透明体を立体造形するための透明体造形データとを合成して、合成データを生成する(ステップS6)。合成データは、図1の(a)に示した立体物50を立体造形することができるデータである。立体造形制御部11fは、生成した合成データを立体造形部12に出力し、立体造形をおこなうように立体造形部12を制御する。ここで、上記透明体造形データは、立体造形制御部11fに予め記憶されているか、あるいは立体物自動造形販売機1に別途設けられた記憶部に予め記憶されているデータであってもよいし、被写体である人物Pが操作部9を操作して指定した形状の透明体を立体造形するために制御部11において生成されたデータであってもよい。
なお、制御部11は、表示部8を制御して画像を表示する際に、先述のように三次元カラー画像データに基づいた画像を表示してもよいが、これに替えて、該合成データに基づいた(完成形の)立体物50を示す画像を表示するように制御してもよい。
なお、制御部11は、最初にカメラ5を制御して三次元カラー画像データが生成されてから、立体造形部12を制御して立体造形が開始されるまでの間に、人物Pによる操作部9の他の操作を受け付けてカメラ5で再度人物Pを撮影するようにカメラ5を制御したり、人物Pによる操作部9の他の操作を受け付けて三次元カラー画像データを加工したりすることも可能である。
●立体造形部12
立体造形部12は、制御部11の立体造形制御部11fから取得した合成データに基づいて、インクジェット法を用いた積層方式によって立体物50を立体造形する。立体造形部12は、いわゆるインクジェット3Dプリンターである。なお、三次元カラー画像データと、透明体造形データとは、先述のように立体造形制御部11fにおいて合成されてもよいが、これに替えて、立体造形部12が三次元カラー画像データと透明体造形データとを取得して、立体造形部12によって合成データが生成されてもよい。
以下、立体造形部12の構成と、立体造形部12においておこなわれる立体造形方法について説明する。
(3)立体造形部による立体物の立体造形
(3−1)立体造形の概要
立体造形部12は、取得した合成データに基づいて、積層方式で立体物50を造形する。立体物50の造形は、立体造形部12に搭載されているインクジェットヘッド装置を用いておこなう。
詳細を説明する前に、立体造形部12(インクジェットヘッド装置)による立体造形の概要を、先述の図1の(a)に示す立体物50を例に挙げて、図6を用いて説明する。
図6の(a)は、立体造形部12(インクジェットヘッド装置)による立体造形の概要を説明するための図であり、インクジェット法を用いて層50aを積層する処理を繰り返すことによって、先述の図1の(a)に示す立体物50を造形する過程を示している。なお、図6の(a)では、積層過程の途中の段階を幾つか挙げて示しており、図6の(a)中の(i)、(ii)、(iii)および(iv)の順番で積層が進んでいる様子を示している。
また、図6の(b)には、図6の(a)中の(iii)に示す積層構造をを形成する複数の層50aのうちの一層である層50a´のXY平面図を示している。図6の(b)に示す層50a´は、人物Pを模った三次元モデル30に構成される脚部の位置に相当する層である。図6の(b)に示す層50a´は、三次元モデル30の二本の脚が断面となって表れており、その各々の脚は、造形部分である白色層31と、白色層31の外側に形成された透明層32と、透明層32の外側に形成された着色層33とが形成されてなる。この着色層33が、各脚をカラー加飾していると換言することができる。そして、図6の(b)に示す層50a´の最外層には、三次元モデル30を覆う透明体40が形成されている。透明体40は、三次元モデル30に構成される脚部のように三次元構造的に細長く、それ自身のみでは構造的に脆い部分であっても、その周囲に形成されている透明体40によって、構造的な強度が補強されている。
また、図6の(c)には、図6の(a)中の(iv)に示す積層構造を形成する複数の層50のうちの一層である層50a´´のXY平面図を示している。図6の(c)に示す層50a´´は、人物Pを模った三次元モデル30に構成される胴部の位置に相当する層である。胴部は、造形部分である白色層31と、白色層31の外側に形成された透明層32と、透明層32の外側に形成された着色層33とが形成されてなる。この着色層33が、胴部をカラー加飾していると換言することができる。そして、図6の(c)に示す層50a´´の最外層にも、三次元モデル30を覆う透明体40が形成されている。
このように、図6の(a)に示す何れの層50aであっても三次元モデル30として構成される部分の周囲に透明体40を形成することによって、三次元モデル30の着色層33が露出することを防ぎ、三次元モデル30のみでは構造的に脆弱であっても強度を補うことができる。
なお、透明体40は、三次元モデル30の側方だけでなく、図1の(a)に示す立体物50に示すように三次元モデル30の上方および下方にも形成されている。
(3−2)立体造形の詳細
続いて、立体造形部12(インクジェットヘッド装置)による立体造形方法を具体的に説明する。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、人物Pを模った三次元モデル30に替えて、図7に示すように、側面が湾曲して膨らんだ略円筒の形状の三次元モデル(以下、「簡略型三次元モデル300」と記載する)を用いて、この簡略型三次元モデル300を透明体40が覆った、六面体を外形とする立体物50を例に挙げて説明する。また、説明の便宜上、先述した三次元モデル30(以下で説明する簡略型三次元モデル300)の白色層と着色層との間に在る透明層とを、透明体40と、文言上明確に区別するために、透明体40を第2の透明層34と記載し、三次元モデル30(簡略型三次元モデル300)の白色層と着色層との間に在る透明層を第1の透明層32と記載することとする。
図8は、立体物50を図7に示す切断線A−A´において切断した矢視断面図である。図8に示す立体物50の断面は、図7に示すXYZ座標系に関して、立体物50の中央位置においてXZ平面に沿った断面を出現させたものである。
図8の立体物50も、先述した図6の(a)と同じく、複数の層50aが積層されてなる。図8に示す立体物50は、一例として21枚の層50aをZ方向に積層することによって立体造形されているが、層数は21に限定されるものではない。層50aの一層のZ方向(図の縦方向)の厚さは主に着色層33の減法混色による多色形成に適切な値で5μm〜50μmの範囲であり、例えば紫外線硬化型インクをインクジェット法で層形成する場合の好ましい範囲は10μm〜25μmである。
図8に示す断面の略中央部に在る簡略型三次元モデル300は、造形部分を構成する白色層31を最も内側に構成し、その白色層31の外側に第1の透明層32が形成されており、更に第1の透明層32の外側に着色層33が形成されている。そして、この簡略型三次元モデル300を全体的に包むように第2の透明層34が形成されている。
ここで、本実施形態では、白色層31を簡略型三次元モデル300の造形部分、すなわち簡略型三次元モデル300の本体部分と見なすが、白色層31は造形部分に属するものであってもそうでなくても良い。すなわち、白色層31とは別体の造形部分或いは空洞が造形部分の中心部に在り、その造形部分(白色層でなくても良い)から表層側(外周側)に向けて、白色層31と、第1の透明層32と、着色層33とがこの順で形成されて簡略型三次元モデル300を形成していても良い。あるいは、芯部(白色層でなくても良い)とその表面に形成された白色層31とを造形物本体と見なしても良い。
ここで、略円筒の簡略型三次元モデル300における湾曲して膨らんだ側面に形成される第1の透明層32は、図8に示すように、各層50aに形成された第1の透明層の一部分52が、層50aがZ方向に積層されることにより連なることによって形成されている。同じく、略円筒の簡略型三次元モデル300における湾曲して膨らんだ側面に形成される着色層33も、図8に示すように、各層50aに形成された着色層の一部分53が、層50aがZ方向に積層されることにより連なることによって形成されている。このように簡略型三次元モデル300の側面に形成される層(第1の透明層32および着色層33)は、各層50aの一部分が積層方向に連なることによって形成される。なお、簡略型三次元モデル300の上面および下面についても湾曲面である場合には、側面と同様に積層によって各層の一部分同士を連ねて形成すればよい。
第2の透明層34についても、層50aの積層方向に沿って延設される部分については、各層50aに形成された第2の透明層の一部分54が、層50aがZ方向に積層されることにより連なることによって形成されている。また、立体物50の上面および下面に形成される第2の透明層34については、図8に示すように第2の透明層34のみから構成される層50aを一層あるいは二層以上積層することによって形成することが可能であるほか、立体物50の上面または下面の表面(外面)が湾曲面である場合には、二層以上の層50aを積層によって外面が湾曲した第2の透明層34を形成すればよい。
このように配置することにより、立体物50の表面をX、Y、Zのあらゆる方向から見ても、第2の透明層34、着色層33、第1の透明層32、白色層31の順となるので、減法混色により表現された色調を認識することができる。
第1の透明層の一部分52のXY平面方向の寸法は、第1の透明層の一部分52が上下で接する着色層の一部分53の寸法よりも若干広めに設定することで、着色層33と白色層31とを構成するインク同士の混じり合いの防止をより確実にすることができる。
また、第2の透明層の一部分54のXY平面方向の寸法は、第2の透明層の一部分54が上下で接する着色層の一部分53の寸法よりも若干広めに設定することで、着色層33の保護をより確実にすることができる。
なお、立体物50のZ方向に沿った幅(以下、Z方向の厚さと記載する。Z方向の高さとも称することができる)は限定されるものではなく、層50aのZ方向の厚さ(高さ)も積層数等により適宜設定することができる。また、後述するように、本実施形態ではインクジェット法を用いて積層するため、その積層方法において実現可能な層50aのZ方向の厚さを考慮すれば良い。例えば後述する紫外線硬化型インクをインクジェット法で層形成する場合の層50aの厚さはインク滴の大きさに依り5μm〜20μmであるが、大型の造形物で解像度が要求されない場合は複数層を同じデータで積層してもよく、より大きなインク滴にすれば良いので、その場合、データ量の減少と造形速度の高速化が見込める。
以下に、白色層31(白色層の一部分51)と、第1の透明層32(第1の透明層の一部分52)と、着色層33(着色層の一部分53)とについて、それぞれ説明する。
●白色層31(白色層の一部分51)
白色層31(白色層の一部分51)は、白色インクから形成することができる。白色インクから形成された白色層31は、白色層31の少なくとも着色層側の表面において可視光の全領域の光を反射することができる光反射性を有している。
なお、このように光反射性を有していればよいため、白色層31は、白色顔料を含むインクから形成することも可能であるし、光反射性を有するインクによって形成された光反射層であれば、白色層として採用可能である。光反射性を有するインクの一例としては、金属粉末を含んだインクが挙げられる。
ただし、白色層31は、白色インクから形成することが好ましい。白色インクから形成することにより、白色層31において造形物の表層側から入った光を良好に反射し、減法混色による着色を実現することができる。
なお、本実施形態では簡略型三次元モデル300の造形部分(本体部分)が白色層31によって構成されているが、光反射性を有していなくても良い別体の造形物本体の表面に白色層31を形成する場合には、白色層31の厚さ、すなわち図8に示す白色層の一部分51の外周側から中心側方向に沿った幅(以下、白色層31の厚さと記載する)は最小で5μm〜20μmとすることができる。なお、本発明はこの数値範囲に限定されるものではない。
●第1の透明層32(第1の透明層の一部分52)
第1の透明層32(第1の透明層の一部分52)は、透明インクから形成される。
ここで、透明インクとは、単位厚さ当たりの光透過率が50%以上である透明層を形成することができるインクであれば良い。透明層の単位厚さ当たりの光透過率が50%を下回ると、光の透過が不都合に阻止されて、造形物が減法混色による所望の色調を呈することができないため望ましくない。また、好ましくは、透明層の単位厚さ当たりの光透過率が80%以上となるインクを用い、透明層の単位厚さ当たりの光透過率が90%以上となるインクを用いることがより好ましい。
白色層31(白色層の一部分51)と、着色層33(着色層の一部分53)との間に第1の透明層32(第1の透明層の一部分52)を配設することにより、着色層33を形成する着色インクと白色層31を形成するインクとが混じり合うことを回避することができる。仮に、着色層を形成する着色インクが、第1の透明層を形成する透明インクと混じり合っても着色層33の色は失われないので色調に不都合な変化を生じさせることはない。したがって、着色層33において所望の色調(加飾)を呈した造形物を実現することができる。
第1透明層の一部分52の外周側から中心側方向に沿った幅(以下、第1透明層の厚さと記載する)は、積層方向に垂直な面の加飾部分において最小で5μm〜20μmである。なお、本発明はこの数値範囲に限定されるものではない。
●着色層33(着色層の一部分53)
着色層33(着色層の一部分53)は、着色剤を含む着色インクによって形成される。
着色剤を含むインク(以下、着色インクと記載することもある)としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)、ブラック(K)、各々の淡色のインクが含まれるが、これに限定されるものではなく、赤(R)、緑(G)、青(B)や、オレンジ(Or)等を加えても良い。また、メタリックやパールや蛍光体色を使用することも可能である。所望の色調を表現するべく、これらの着色インクの1種類または複数種類を用いる。
ところで、着色層33(着色層の一部分53)を形成するために用いられる着色インクの量は、所望の(呈したい)色調によってばらつきがある。そのため、低濃度の明るい色調の場合は着色インクのみでは着色層33のインク充填密度が所定のインク充填密度を満たすに至らず、Z方向の高さに凹凸が形成される場合や、X、Y方向に沿った途中に着色インクが無い凹みが形成される場合がある。何れの場合も、本実施形態のように積層方式によって形成される造形物には不都合な凹凸を生じることになり、好ましくない。特に、図8に示す積層構造の真ん中付近の垂直な造形面では、誤差拡散法によるインク形成で、着色層33の一つの断面が縦横各々のインク滴二滴の計四滴の充填密度の場合で、着色インクの数は最大(最高濃度)で四滴、最小(濃度ゼロ、つまり白色)でゼロとなるので、最小の場合は四滴分の隙間の空間を形成してしまう場合があり、造形面からも色調面からも大きく品質を損なう。
そこで、本実施形態では、着色インクのみでは着色層33(着色層の一部分53)のインク充填密度が所定のインク充填密度を満たさない箇所について、補填インクによって着色層33(着色層の一部分53)のインク充填密度を補填することをおこなう。すなわち、着色層33(着色層の一部分53)を、着色インクと補填インクの合算の密度(インク滴の数)を一定となるように形成する。これにより、上述した凹みの発生を回避して、立体物50の形状をち密に造形することができる。
着色インクの吐出量、着色インクに構成される各色インクの着弾位置は予めわかっているため、これらを考慮すれば補填インクの補填量と補填位置(着弾位置)を判断することができる。該判断は、インクジェットヘッド装置または制御部11(図2から図4)、あるいは他の制御装置においておこなうことができる。
また、補填インクによりインク充填密度を補填することにより、着色層33で形成される面が平坦になるために光沢感を持たせることができる。
補填インクは、着色層33(着色層の一部分53)に呈されるべき色調に悪影響を与えないインクであればよく、一例としては、第1の透明層32(第1の透明層の一部分52)および第2の透明層34(第1の透明層の一部分54)において用いる透明インクを採用することができる。
着色層33の厚さ、すなわち、図8に示す着色層の一部分53の外周側から中心側方向に沿った幅(以下、着色層33の厚さと記載する)は、例えば5μm〜20μmとすることができる。
なお、本実施形態では着色層33に基づいて説明しているが、本発明は着色層に限定されるものではなく、加飾層であれば特に制限はない。
●第2の透明層34(第2の透明層の一部分54)の構成
第2の透明層34(第2の透明層の一部分54)は、第1の透明層32(第1の透明層の一部分52)において説明した透明インクを用いて形成される。なお、第2の透明層34と第1の透明層32とは同一種の透明インクを用いても形成されても良く、異種の透明インクを用いても形成されても良い。
第2の透明層34の厚さ、すなわち、図8に示す第2の透明層の一部分54の外周側から中心側方向に沿った幅(以下、第2の透明層34の厚さと記載する)は、例えば10μm以上とすればよく、上限値については、立体物50の外形の大きさに応じて適宜変更することができる。また、第2の透明層34の外形面、すなわち最終造形物の外形面は積層する方向であるZ方向に対してオーバーハングにならない方向に延在させることで滑らかな面が得られる。好ましくは、積層の上方が造形物の内側に倒れる方向の外形面とするのが良い。
第2の透明層34は、着色層33の保護層としての機能、および簡略型三次元モデル300の構造強度の補強機能を有するだけでなく、積層方式を採用している本発明(本実施形態)において、造形物をち密に製造することを可能にするという優位な効果を奏する。すなわち、仮に着色層33が立体物50の最表層を構成している場合、つまり図8に示す各層50aにおいて仮に着色層の一部分53が最も端部に位置している場合には、着色層33(着色層の一部分53)が精度よく形成できない虞がある。しかしながら、本実施形態のように立体物50の最表層に第2の透明層34(第2の透明層の一部分54)が形成されていることにより、着色層33(着色層の一部分53)が精度よく形成されることから、第2の透明層34(第2の透明層の一部分54)によって、所望の色調を呈することに寄与できる。
また、仮に着色層33が立体物50の最表層を構成している場合は、着色層33がむき出しになるので、擦れによる脱色や、紫外線による退色が起き易くなる。しかしながら、本実施形態のように立体物50の最表層に第2の透明層34(第2の透明層の一部分54)が形成されていることにより、脱色や退色を防止することができる。
図9は、立体造形部12に搭載されているインクジェットヘッド装置100の下面を示した図である。
インクジェットヘッド装置100の下面には、大きく分けて3つのインクジェットヘッド111H、112H、113Hが搭載されている。図9に示すように、第1インクジェットヘッド111Hと、第2インクジェットヘッド112Hおよび第3インクジェットヘッド113Hとは、X方向に沿って配設位置がずれている。また、図9に示すように、第1インクジェットヘッド111Hと、第2インクジェットヘッド112Hと、第3インクジェットヘッド113Hとは、Y方向に沿って配設位置がずれている。つまりインクジェットヘッド111H〜113Hは、いわゆるスタガ配列で並んでいる。
第1インクジェットヘッド111Hには、シアンインクを吐出するシアンインク用ノズル110(C)と、マゼンタインクを吐出するマゼンタインク用ノズル110(M)と、イエローインクを吐出するイエローインク用ノズル110(Y)と、ブラックインクを吐出するブラックインク用ノズル110(K)とが設けられている。なお、各ノズル110(C)、110(M)、110(Y)および110(K)の配列順や数は図9に示すものに限定されない。これらノズルから吐出されるインクは何れも立体物50の三次元モデル30の着色層33(後述する着色層の一部分53)を形成するために用いる着色インクである。
第2インクジェットヘッド112Hには、白色インク(W)を吐出する白色インク用ノズル110(W)が設けられている。この白色インク(W)は、立体物50の三次元モデル30の白色層31(後述する白色層の一部分51)を形成するために用いるインクである。
第3インクジェットヘッド113Hには、透明インク(CL)を吐出する透明インク用ノズル110(CL)が設けられている。この透明インク(CL)は、第1の透明層32(後述する第1の透明層の一部分52)、および第2の透明層34(後述する第2の透明層の一部分54)を形成するために用いるインクである。
立体造形部12では、図9に示したインクジェットヘッド装置100の下面を、造形用ステージ(あるいは造形用ステージ上の造形途中の構造物)に対向させて配設させた状態で、X方向に往復移動させ、その移動中に先述の各ノズルから適当なタイミングでインクを吐出させる。なお、インクジェットヘッド装置100をXYZ座標系において所定の方向に移動させる態様に限らず、造形用ステージのほうをXYZ座標系において所定の方向に移動させてもよく、インクジェットヘッド装置100と造形用ステージとの相対位置が変化すれば移動はどちらがおこなっても良い。
ここで、各インクは、紫外線硬化性を有するインクである。したがって、吐出後のインクに対して紫外線を照射する必要がある。紫外線照射器は、インクジェットヘッド装置100に搭載されていても良いし、別体で構成されていても良い。紫外線が照射されることによってインクが硬化して、層50aが形成される。
図10は、本実施形態の立体物50を立体造形部12において造形(製造)する過程を模式的に示した断面図であり、図8に示した断面図の一部に相当する。
まず、図10の(a)に示すように、最初の層50a(第1の層50a(1)と記載する)を、造形用ステージである形成台の形成面Bに形成する。この第1の層50a(1)の形成(製造)工程では、インクジェット法を用いてインクジェットヘッド装置100から透明インクを所定のタイミングで吐出して、インクに紫外線を照射して硬化させることによって、第2の透明層の一部分54のみからなる第1の層50a(1)を形成する。
次に、図10の(b)に示すように、第1の層50a(1)の上に第2の層50a(2)を形成する。この第2の層50a(2)の形成(製造)工程では、形成済みの第1の層50a(1)の上方をインクジェットヘッド装置100が移動し、所定のタイミングでインクを吐出して、インクを紫外線照射により硬化させることによって、第2の層50a(2)の中心部分に着色層の一部分53を含み、且つ該着色層の一部分53の周囲を囲むように第2の透明層の一部分54を含む第2の層50a(2)を形成する。
なお、着色層の一部分53と第2の透明層の一部分54とを並行して形成してもよいし、着色層の一部分53および第2の透明層の一部分54の一方を先に形成し、その後で他方を形成してもよい。
次に、図10の(c)に示すように、第2の層50a(2)の上に第3の層50a(3)を形成する。この第3の層50a(3)の形成(製造)工程では、形成済みの第2の層50a(2)の上方をインクジェットヘッド装置100が移動し、所定のタイミングでインクを吐出して、インクを紫外線照射により硬化させることによって、第3の層50a(3)の中心部分から層の端部に向かって、第1の透明層の一部分52と、着色層の一部分53と、第2の透明層の一部分54とをこの順番で含むように形成する。
この第3の層50a(3)の形成(製造)工程においても、第1の透明層の一部分52と、着色層の一部分53と、第2の透明層の一部分54とを並行して形成してもよいが、第1の透明層の一部分52および第2の透明層の一部分54を先に形成した後に、着色層の一部分53を形成してもよい。
次に、図10の(d)に示すように、第3の層50a(3)の上に第4の層50a(4)を形成する。この第4の層50a(4)の形成(製造)工程では、まず、図10の(d)に示すように、形成済みの第3の層50a(3)の上方をインクジェットヘッド装置100が移動し、所定のタイミングで透明インクを吐出して、この透明インクを紫外線照射により硬化させることによって、第1の透明層の一部分52および第2の透明層の一部分54を形成する。そして、その後に、図10の(e)に示すように、白色層の一部分51および着色層の一部分53を形成する。これにより、第4の層50a(4)の中心部分から層の端部に向かって、白色層の一部分51と、第1の透明層の一部分52と、着色層の一部分53と、第2の透明層の一部分54とをこの順番で含む第4の層50a(4)が形成される。
図10の(d)および(e)に示す第4の層50a(4)の形成(製造)工程のように、第1の透明層の一部分52を形成する工程と、第2の透明層の一部分54を形成する工程とをおこなった後に、着色インクを用いて着色層の一部分53を形成する工程をおこなって、第1の透明層の一部分52と第2の透明層の一部分54との間に着色層の一部分53を形成する。これにより、第2の透明層の一部分54が着色層の一部分53を形成する際に着色層を構成するインク溜まりの外堀として機能し、着色層を構成するインクが不都合に濡れ拡がる虞がなく、精度良く着色層の一部分53を形成することができる。
なお、各層において着色層の一部分53を形成する際、着色インクおよび補填インクからなる着色層形成用インクを両者のインクの合算量が一定となるように吐出して、紫外線硬化する。
このようにZ方向に積層を繰り返すことにより、図8に示す立体物50を製造することができる。なお、一層を形成するにあたっては、二次元の画像形成の公知のインターレイス走査をすることによってムラの少ない良好な造形や加飾が得られる。
なお、図1の(b)に示す立体物50の場合は、透明体40(図7および図8に示す第2の透明層34)の一部に穴70を形成したストラップタイプの立体物50である。穴70は、第2の透明層34を形成する過程で、一部に第2の透明層34を形成しないことによって設ければ良い。
また、図1の(c)に示す立体物50は、透明体40(図7および図8に示す第2の透明層34)の表面またはその内部に、マーク、フレーム、または淡色等によって構成された装飾三次元画像71が施されており、更に、日付、人名、または場所名などの文字を記す文字構造72も設けられている。このような装飾三次元画像71および文字構造72といった付加情報は、図4に示すように制御部11によって制御される付加情報指示部14に基づいて、制御部11が立体造形部12を制御することにより実現することができる。なお、装飾三次元画像71および文字構造72に限らず、透明体40(第2の透明層34)の表面または内部に形成されるのは、他の付加情報であってもよい。なお、付加情報は、付加情報指示部14あるいは他の記憶部に予め記憶されていて立体造形部12において立体物が造形される度に付加されるような態様であってもよいし、あるいは被写体である人物Pが操作部9を操作して指定した場合のみ、制御部11が立体造形部12を制御して付加されるような形態であってもよい。このような付加情報は、透明体40(第2の透明層34)で外形を形成すると同時に形成すれば良い。
立体造形部12において造形された立体物50は、図3に示す取り出し部13に搬出され、人物Pが取り出し部13から立体物50を取り出して、一連の立体造形販売が終了する。
〔4〕変形例
上記実施形態では図9に示すインクジェットヘッド装置100を用いて立体物50を製造しているが、用いるインクジェットヘッド装置はこれらに限定されるものではなく、図11から図14にそれぞれ示すインクジェットヘッド装置を用いることも可能である。
図11に示すインクジェットヘッド装置100aの下面には、大きく分けて2つのインクジェットヘッド111H´および112H´が搭載されている。図11に示すように、第1インクジェットヘッド111H´と、第2インクジェットヘッド112H´とは、X方向に沿って配設位置がずれており、且つY方向に沿って配設位置がずれている。
図12は、インクジェットヘッド装置の変形例を示す図であり、図9に対応している。図12に示すインクジェットヘッド装置100bでは、シアンインク用ノズル110(C)と、マゼンタインク用ノズル110(M)と、イエローインク用ノズル110(Y)と、ブラックインク用ノズル110(K)と、白色インク用ノズル110(W)と、透明インク用ノズル110(CL)とが、この順でX方向に配列して設けられている。
図13は、インクジェットヘッド装置の更に別の変形例を示す図であり、図9に対応している。図13に示すインクジェットヘッド装置100cでは、白色インク用ノズル110(W)と、透明インク用ノズル110(CL)と、イエローインク用ノズル110(Y)と、マゼンタインク用ノズル110(M)と、シアンインク用ノズル110(C)と、ブラックインク用ノズル110(K)と、透明インク用ノズル110(CL)と、白色インク用ノズル110(W)とが、この順でX方向に配列して設けられている。
図14は、インクジェットヘッド装置の更に別の変形例を示す図である。図14に示すインクジェットヘッド装置100dは、X軸に沿って往復移動可能なキャリッジ21と、キャリッジ21に搭載された複数のノズル列と、キャリッジ21に搭載された紫外線照射器24a,24bとを備える。キャリッジ21をY方向に移動させて、ノズル列から紫外線硬化型インクを吐出するとともに、紫外線照射器24a,24bから紫外線を照射させる走査をおこなう。複数のノズル列は、図14に示すようにX方向に沿って併設されており、X方向における紙面左側から紙面右側に向けて、シアンインク用ノズル列C、マゼンタインク用ノズル列M、イエローインク用ノズル列Y、ブラックインク用ノズル列K、白色インク用ノズル列W、および透明インク用ノズル列CLがこの順に配列されている。複数のノズル列各々は、キャリッジ21に搭載されているため、キャリッジ21の移動に伴うX方向への移動時に紫外線硬化型インクを吐出することが可能となっている。
図12、図13および図14では全てのノズルがX方向に配列して設けられているため、一回のX方向への移動で一層の全てのインクを吐出しての層形成も可能である。図14では一回のX方向への移動でインクの吐出と同時に紫外線照射もおこなわれるため、紫外線硬化型インクの場合での一層の硬化も吐出と同じタイミングでおこなうことができる。
[付記事項]
本発明の一態様に係る立体物自動造形販売機1は、被写体(人物P)を三次元でカラー撮影可能なカメラ5と、上記カメラ5から得られる三次元カラー画像データに基づいて上記被写体を模ったカラー加飾された三次元モデル30(300)を造形する立体造形部12とを備え、上記立体造形部12は、透明材料から形成される透明体40の内部に上記三次元モデル30(300)を有した立体物50を、立体造形することを特徴としている。
上記の構成によれば、立体造形部12で造形される立体物50は、透明体40の内部に三次元モデル30(300)が配置した構造であるため、三次元モデル30(300)のみでは構造的に弱い部分があってもその周囲に透明体40が存在しているため、該部分が補強され、三次元モデル30(300)が壊れることを防ぐことができる。そのため、緻密な三次元モデル30(300)であっても、緻密に、且つ、信頼性高く造形する立体物造形装置を実現することができる。
また、三次元モデル30(300)が透明体40の内部に配置された立体物50を造形しているため、立体物50表面が擦れても、三次元モデル30(300)表面が透明体40によって保護されているので、三次元モデル30(300)表面のカラー加飾の加飾部分(着色層33)の色が失われない。
また、三次元モデル30(300)が透明体40の内部に配置された立体物50を造形しているため、紫外線や湿気が透明体40にブロックされて、三次元モデル30(300)に直接達しない。これにより、三次元モデル30(300)表面のカラー加飾の加飾部分(着色層33)が退色し難い。
上記の構成によれば、上記三次元モデル30(300)の周囲を覆うように透明体40を立体造形するため、三次元プリンターで用いられるサポート材(支持材)が不要となる。そのため、サポート材を除去する工程を省略することができ、立体造形して直ぐに立体物50が完成する。したがって、立体物50を所望する者に直ぐに提供することができる。また、サポート材の廃棄物がないため、環境に優しい。これらの特長は、市中に設置する無人の自動販売機として好適である。
また、本発明の一形態に係る立体物自動造形販売機1は、上記の構成に加えて、上記立体造形部12は、上記三次元モデルの造形材料、上記カラー加飾のためのカラー加飾材料および上記透明材料のうちの少なくとも1つをインクジェット方式を用いて吐出して造形する。
上記の構成によれば、インクジェット方式を用いて造形されることによって、迅速且つ微細な立体物の造形に寄与することができる。
また、本発明の一形態に係る立体物自動造形販売機1は、上記の構成に加えて、上記三次元モデルの造形材料(少なくとも白色層を構成するインク)、上記カラー加飾のためのカラー加飾材料(着色剤を含むインク)または上記透明材料(透明インク)は、少なくとも一部が紫外線硬化樹脂である。
また、本発明の一形態に係る立体物自動造形販売機1は、上記の構成に加えて、上記三次元モデルは、造形部分の少なくとも表面が白色層で覆われ、該白色層の外部が透明層で覆われ、更に該透明層の外部が上記カラー加飾されている。
上記の構成によれば、上記三次元モデル30(300)は、造形部分の少なくとも表面が白色層31で覆われ、該白色層31とカラー加飾の層(着色層33)との間に透明層32(第1の透明層32)が形成されている。そのため、光反射性を有する白色層31を形成するインクと、カラー加飾の層を形成するインクとが混じり合うことはない。例えばカラー加飾の層が着色剤を含むインクから形成されている場合、白色層を形成する白色インクと混じり合うと、カラー加飾の層のインク(着色層33を形成する着色剤を含むインク)の色が失われて所望する色調を実現することができない。しかしながら、上記の構成によれば、仮にカラー加飾の層を形成するインク(着色層33を形成する着色剤を含むインク)が、透明層32を構成する透明インクと混じり合ったとしても、カラー加飾層のインクの色(着色層33の色)は失われないので、立体造形される立体物が呈する加飾に影響は与えない。したがって、所望の加飾を実現した立体物が立体造形される。
また、本発明の一形態に係る立体物自動造形販売機1は、上記の構成に加えて、上記透明体の表面または内部には、上記三次元モデルとは異なる付加情報を示す構造物(装飾三次元画像71および文字構造72)が造形されている。
上記の構成によれば、透明体の内部に三次元モデル以外の付加情報を入れることができるため、エンターテインメント性がある。
また、本発明の一形態に係る立体物自動造形販売機1は、上記の構成に加えて、上記カメラ5から得られる上記三次元カラー画像データを表示する表示部8を更に備えている。
上記の構成によれば、表示部8を備えていることにより、どのような上記立体物50が立体造形されるのかを該立体物50を所望する者(人物P)が事前に確認することができる。
また、本発明の一形態に係る立体物自動造形販売機1は、上記の構成に加えて、上記立体物50の販売対価を徴収する料金徴収部10を更に備えている。
上記の構成によれば、料金徴収部10を備えていることにより、立体物50の販売対価を徴収することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、立体物を自動造形して販売する立体物自動販売機に利用することができる。
1 立体物自動造形販売機(立体物造形装置)
2 撮影室
2a ドア
3 立体造形室
3a ドア
4 ステージ
5 カメラ(撮像部)
6 照明部
7 ミラー部
8 表示部
9 操作部
10 料金徴収部
11 制御部
11a 操作制御部
11b 課金制御部(課金処理部)
11c 照明制御部
11d 撮影制御部
11e 表示制御部
11f 立体造形制御部
12 立体造形部(造形部)
14 付加情報指示部
21 キャリッジ
24a,24b 紫外線照射器
30 三次元モデル
31 白色層
32 (第1の)透明層
33 着色層
34 第2の透明層
40 透明体
50 立体物
50a、50a´、50a´´ 層
51 白色層の一部分
52 第1の透明層の一部分
53 着色層の一部分
54 第2の透明層の一部分
71 装飾三次元画像
72 文字構造
100、100a、100b、100c、100d インクジェットヘッド装置
300 簡略型三次元モデル
P 人物

Claims (5)

  1. 被写体を三次元でカラー撮影可能な撮像部と、
    上記撮像部から得られる三次元カラー画像データに基づいて上記被写体を模ったカラー加飾された三次元モデルを造形する造形部と、
    上記造形部を制御する制御部と、を備え、
    上記造形部は、透明材料から形成される透明体の内部に上記三次元モデルを有した立体物を、立体造形し、
    上記造形部は、インクジェットヘッドと紫外線照射器とを備え、
    上記インクジェットヘッドは、UV硬化型インクである上記三次元モデルの造形材料を吐出するノズル、および、UV硬化型インクである上記透明材料を吐出するノズルを有し、
    上記紫外線照射器は、上記インクジェットヘッドから吐出された、上記造形材料および上記透明材料に紫外線を照射するものであり、
    上記制御部は、上記インクジェットヘッドが上記造形材料および上記透明材料のうちの少なくとも1つを吐出することによって形成する層を1層ずつ積層することによって、上記透明材料から形成される透明体の内部に上記三次元モデルを有した立体物を立体造形するように上記造形部を制御するものである
    ことを特徴とする立体物造形装置。
  2. 上記インクジェットヘッドは、UV硬化型インクである白色インクを吐出するノズル、および、UV硬化型インクである上記三次元モデルのカラー加飾材料を吐出するノズルをさらに備え、
    上記制御部は、上記インクジェットヘッドから、上記層の一部を形成する上記造形材料を吐出させ、当該造形材料の周囲を囲うように上記白色インクを吐出させ、当該白色インクの周囲を囲うように上記透明材料を吐出させ、当該透明材料の周囲を囲うように上記カラー加飾材料を吐出させ、当該カラー加飾材料の周囲を囲うように上記透明材料を吐出させることによって、1つの上記層を形成するように上記造形部を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体物造形装置。
  3. 付加情報指示部を更に備え、
    上記制御部は、上記付加情報指示部に基づいて上記造形部を制御し、上記透明体の表面または内部に上記三次元モデルとは異なる付加情報を示す構造物を造形させることを特徴とする請求項1または2に記載の立体物造形装置。
  4. 上記撮像部から得られる上記三次元カラー画像データを表示する表示部を更に備えていることを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の立体物造形装置。
  5. 上記立体物の販売対価を課金する課金処理部を更に備えていることを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の立体物造形装置。
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