JP6430886B2 - 回路基板およびこれを備える電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板およびこの回路基板に電子部品を搭載してなる電子装置に関するものである。
半導体素子、発熱素子、ペルチェ素子等の各種電子部品が、基台となるセラミック焼結体に金属層を備える回路基板上に搭載された電子装置が用いられている。このように回路基板上に搭載される電子部品は、動作時に熱を生じるものであり、近年の電子部品の高集積化、電子装置の小型化や薄型化によって、回路基板の体積当たりに加わる熱量は大きくなっていることから、セラミック焼結体と金属層との接合が剥がれないことに加えて放熱性の高い回路基板が求められている。
そのため、貫通孔を備えるセラミック焼結体を用い、金属層を介し、貫通孔内に設けられた貫通導体を利用して放熱性を向上させることが行なわれている。ここで、貫通導体は、貫通導体となる金属ペーストを充填した際は貫通孔内を満たしているものの、貫通導体とするための熱処理時において、有機ビヒクルの消失や、金属の溶融によって収縮して貫通導体の表面は窪みやすいものであった。このように、貫通導体が窪んだときには、貫通導体上に形成される金属層も窪みを生じることとなり、例えば、金属層上に電子部品を搭載したとき、接合面積が少ないために放熱性を向上させることができなかったり、金属層と電子部品との接合信頼性が低くなってしまう。
このような問題に対して検討した結果、特許文献1に例示されているような、主成分が銀であり、錫を含む金属ペーストを用いて、大気雰囲気において熱処理を行なえば、錫または銀および錫の合金の酸化に伴う体積膨張により、窪みを改善できることがわかっている。
特開2003−133732号公報
しかしながら、主成分が銀であり、錫を含む金属ペーストを用いて、大気雰囲気において熱処理を行ない、錫または銀および錫の合金の酸化に伴う体積膨張により、窪みは改善されるものの、貫通孔内部における貫通導体は、体積膨張によって貫通孔の内壁に接している状態であるため、電子部品の動作時における放熱性向上の観点から、密着性の向上が必要であった。
それ故、今般の回路基板においては、窪みが少なく接合信頼性に優れているとともに、さらに放熱性に優れていることが求められている。
本発明は、放熱性および接合信頼性および放熱性に優れた回路基板およびこの回路基板に電子部品を搭載してなる電子装置を提供するものである。
本発明の回路基板は、一方主面から他方主面に貫通する貫通孔を有するセラミック焼結体と、前記貫通孔内に設けられ、主成分である銀と、錫の酸化物または銀および錫の合金
の酸化物とを含む貫通導体と、該貫通導体の少なくとも一方の表面に接する金属層とを備える回路基板であり、前記貫通孔の壁面に、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブから選択される少なくとも1種の活性金属を含む接合層を有することを特徴とするものである。
また、本発明の電子装置は、上記構成の本発明の回路基板に電子部品を搭載してなることを特徴とするものである。
本発明の回路基板は、接合信頼性および放熱性に優れる。
また、本発明の電子装置は、本発明の回路基板が接合信頼性および放熱性に優れるものであることから、高い信頼性を有する。
本実施形態の回路基板の一例を模式的に示す断面図である。 本実施形態の電子装置の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の回路基板の一例を模式的に示す断面図である。本実施形態の回路基板10は、一方主面から他方主面に貫通する貫通孔を有するセラミック焼結体1と、貫通孔内に設けられた貫通導体2と、貫通導体2の少なくとも一方の表面に接する金属層3とを備える。
なお、図1においては、貫通導体2の一方の表面(図1における上方)にのみ金属層3を備える例を示しているが、貫通導体2の他方の表面(図1における下方)の表面にも金属層3を備えるものであってもよい。また、図1においては、貫通導体2の断面形状として、上方および下方において拡がる鼓状を示しているが、矩形状であってもよい。
そして、貫通導体2は、主成分である銀と、錫の酸化物または銀および錫の合金の酸化物とを含む。上記構成を満たすものとするには、貫通導体2となる金属ペーストとして、主成分である銀と、錫とを含ませたものを用いて大気雰囲気において熱処理すればよい。このようにして形成された貫通導体2は、酸化による体積膨張により、貫通導体2および貫通導体2に接する金属層3の表面の窪みが小さく、金属層3と、金属層3の上方に搭載される電子部品との接合面積を十分に得ることができるため、接合信頼性に優れる。また、接合面積を十分に得ることができることにより、放熱性の向上にも寄与する。
なお、貫通導体2における主成分とは、それぞれを構成する全成分の合計100質量%のうち、銀の質量の合計で70質量%以上含有する成分のことであり、80質量%以上であることが好適である。
そして、本実施形態の回路基板10は、貫通孔の壁面に、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブから選択される少なくとも1種の活性金属(以下、単に活性金属と記載する場合がある。)を含む接合層を有する。このように、貫通孔の壁面に、活性金属を含む接合層を有していれば、貫通導体2と貫通孔の壁面(セラミック焼結体1)との密着性が高まり、貫通孔の壁面と貫通導体2とが強固に接合されているということになることから、電子部品から生じた熱を、セラミック焼結体1へ放つ熱量が増えるため、放熱性に優れたものとなる。また、電子部品から生じた熱によって、貫通導体2が貫通孔の壁面か
ら剥がれることが少ないため、高い熱的信頼性を有するものとなる。
なお、活性金属を含む接合層とは、セラミック焼結体1が、窒化物系セラミックスであれば、活性金属を含む窒化物の層であり、酸化物系セラミックスであれば、活性金属を含む酸化物の層であり、炭化物系セラミックスであれば、活性金属を含む炭化物の層である。
なお、貫通孔の壁面における、活性金属を含む接合層の有無の確認は、セラミック焼結体1と、貫通導体2と、金属層3とを備える回路基板10である場合、まず、エッチングや研磨等により金属層3を除去する。そして、露出した貫通導体2の位置を確認し、貫通孔の壁面が確認できるように、クロスセクションポリッシャー(CP)を用いて研磨した面を測定面とする。
そして、走査型電子顕微鏡(SEM)に付設のエネルギー分散型X線分析器(EDX)を用いて、貫通導体2からセラミック焼結体1に向かって線分析を行なって、セラミック焼結体1が窒化物系セラミックスであるとき、貫通孔の壁面に、活性金属および窒素が存在しているか否かで確認すればよい。好ましは、貫通孔の壁面が確認できる部分の面分析を行ない、貫通孔の壁面において、活性金属と窒素との存在位置が重なっているか否かで確認した方が層の存在が明らかとなる。また、電子線マイクロアナライザ(EPMA)により面分析を行なうことによっても確認することができる。なお、微小領域が測定可能なX線回折装置(XRD)を用いれば、貫通孔の壁面に存在する化合物を同定することができる。
また、窪みの測定方法については、貫通導体2の表面に接する金属層3の表面を測定面とし、表面粗さ計やレーザー変位計を用いることで窪み(深さ)を測定することができる。また、貫通導体2における銀が主成分であるか否かの確認については、蛍光X線分析装置(XRF)やICP発光分光分析装置(ICP)を用いて測定することにより求めることができる。
また、貫通導体2においては、銅の酸化物やニッケルの酸化物を含むものであってもよい。銅の酸化物やニッケルの酸化物を含むものとするには、貫通導体2となる金属ペーストに、銅やニッケルを含ませて大気雰囲気において熱処理すればよい。このようにして形成された貫通導体2は、銅やニッケルの酸化による体積膨張により、貫通導体2および貫通導体2に接する金属層3の表面の窪みが小さく、金属層3と、金属層3の上方に設けられる電極パッドや電子部品との接合面積を十分に得ることができるため、接合信頼性に優れたものとなるとともに、接合面積を十分に得ることができることにより、放熱性に優れたものとすることができる。
また、本実施形態の回路基板10においては、金属層3が、銀および銅が主成分であり、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブから選択される少なくとも1種の活性金属を含んでいることが好適である。ここで、金属層3における主成分とは、金属層3を構成する全成分の合計100質量%のうち、銀および銅の質量の合計で70質量%以上含有する成分のことであり、少なくとも銀のみで50質量%以上含有するものである。
金属層3における主成分が銀および銅であるときには、貫通導体2との密着性が高いため、金属層3と貫通導体2との接合信頼性に優れたものとなる。また、金属層3が、活性金属を含んでいるときには、金属層3とセラミック焼結体1との間に、活性金属層が存在することとなり、金属層3とセラミック焼結体1とが強固に接合され、電子部品から生じた熱によって、金属層3がセラミック焼結体1から剥がれることが少ないため、高い熱的信頼性を有するものとなる。
なお、活性金属層の存在の有無については、測定面をセラミック焼結体1と金属層3との間とすること以外は、接合層の存在の有無のときと同じ方法により確認することができる。また、上記構成を満たすものとするには、金属層3となる金属ペーストにおいて、銀および銅を主成分とし、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブから選択される少なくとも1種を含ませればよい。
また、貫通導体2および金属層3の界面付近に、錫、インジウム、錫およびインジウムの合金のいずれか1種以上が存在してもよい。錫、インジウム、錫およびインジウムの合金は、低融点金属であるため、熱処理時の溶融により、ボイドを少なくすることができ、放熱性向上に寄与することができる。
また、本実施形態の回路基板10においては、金属層3が、モリブデン、タンタル、オスミウム、レニウムおよびタングステン(以下、総称して高融点金属と記載することもある。)から選択される少なくとも1種を含んでいることが好適である。ここで、上記構成を満たすものとするには、金属層3となる金属ペーストに、モリブデン、タンタル、オスミウム、レニウムおよびタングステンから選択される少なくとも1種を含ませればよい。
主成分である銀および銅よりも融点の高い、モリブデン、タンタル、オスミウム、レニウムおよびタングステンから選択される少なくとも1種を含ませることにより、熱処理において、金属層3を構成する成分の貫通導体2側への拡散を抑制することができる。また、高融点金属を含むことにより、所定位置からの配線のはみ出しが少なくなるとともに、微細な配線が対応可能となる。なお、高融点金属の含有の有無については、EDXやEPMAを用いて面分析を行なうことにより確認することができる。
次に、本実施形態の回路基板10を構成するセラミック焼結体1としては、窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナ、炭化珪素を主成分とする焼結体およびそれらの単結晶を用いることができる。ここで、主成分とは、焼結体を構成する全成分の合計100質量%のうち、70質量%以上を占める成分のことである。ここで、主成分であることの確認は、例えば、セラミック焼結体1が窒化アルミニウムであるとき、XRFやICPを用いて測定することにより、アルミニウム(Al)の含有量を求め、窒化アルミニウム(AlN)に換算すればよい。
そして、回路基板10を放熱性に優れたものとするには、セラミック焼結体1が、窒化アルミニウムや窒化珪素等の窒化物系セラミックスであることが好適である。窒化物系セラミックスは、熱伝導率が高いため、回路基板10の放熱性を向上させることができる。
また、本実施形態の回路基板10においては、金属層3の表面が、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金および金より選択される少なくとも1種により構成される被膜で覆われていることが好適である。上記構成を満たしているときには、ボンディングワイヤとの接合処理がしやすくなり、さらに金属層3が酸化腐蝕することを抑制することができる。
次に、本実施形態の電子装置20について図2を用いて説明する。本実施形態の電子装置20は、本実施形態の回路基板10上に電子部品4が搭載されてなるものであり、本実施形態の回路基板10の優れた接合信頼性および放熱性により、高い信頼性を有する。なお、図3においては、電子部品4が貫通導体2の上方に位置する例を示しているが、電子部品4の位置が必ずしも貫通導体2の上方で無ければならないものではない。
そして、電子部品4としては、例えば、発光ダイオード(LED)素子、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)素子、インテリジェント・パワー・モジュール(
IPM)素子、金属酸化膜型電界効果トランジスタ(MOSFET)素子、フリーホイーリングダイオード(FWD)素子、ジャイアント・トランジスタ(GTR)素子、ショットキー・バリア・ダイオード(SBD)等の半導体素子、昇華型サーマルプリンタヘッドまたはサーマルインクジェットプリンタヘッド用の発熱素子、ペルチェ素子等を用いることができる。
以下、本実施形態の回路基板10の製造方法の一例について説明する。
まず、公知の方法により、窒化アルミニウムが主成分であり、貫通孔を有するセラミック焼結体1を準備する。
次に、貫通導体2となる金属ペーストおよび金属層3となる金属ペーストを作製する。以下識別のため、貫通導体2となる金属ペーストを貫通導体用金属ペースト、金属層3となる金属ペーストを金属層用金属ペーストと記載する。
まず、平均粒径が1.0μm以上5.0μm以下の銀粉末、平均粒径が1.0μm以上5.0μm以下の銅粉末、有機ビヒクルを準備し、所望量秤量することにより、金属層用金属ペーストを作製する。質量比率は、例えば、銀:銅を65:35とする。
次に、平均粒径が1.0μm以上5.0μm以下の銀粉末、平均粒径が2μm以上10μm以下の錫粉末、有機ビヒクルを準備し、所望量秤量することにより、金属層用金属ペーストを作製する。質量比率は、例えば、銀:錫を85:15とする。
なお、有機ビヒクルとは、有機バインダを有機溶剤に溶解したものであり、有機バインダとしては、例えば、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル類、ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ブチルセルロース等のセルロース類、ポリオキシメチレン等のポリエーテル類、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリビニル類から選択される1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
また、有機溶剤としては、例えば、カルビトール、カルビトールアセテート、α−テルピネオール、メタクレゾール、ジメチルイミダゾール、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルホルムアミド、ジアセトンアルコール、トリエチレングリコール、パラキシレン、乳酸エチル、イソホロンから選択される1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
そして、金属層用ペースト、貫通導体用金属ペーストの準備後、窒化アルミニウムが主成分のセラミック焼結体1を大気雰囲気において、800℃以上900℃以下の温度で熱処理する。次に、貫通導体用金属ペーストを貫通孔内に充填して乾燥し、大気雰囲気において、800℃以上900℃以下の最高温度で、5分以上15分以下保持し、貫通導体を形成する。次に、有機チタン化合物を含む溶液を準備し、貫通導体3の表面に滴下して含浸させた後に乾燥する。
次に、公知のスクリーン印刷法等により、貫通導体2を覆うように金属層用金属ペーストを印刷して乾燥させる。その後、真空雰囲気において、790℃以上860℃以下の最高温度で、3分以上15分以下保持することにより、貫通導体2の表面およびセラミック焼結体1の表面に接する金属層3を形成する。また、以上の熱処理工程までを経ることにより、本実施形態の回路基板10を得ることができる。
次に、本実施形態の回路基板10の他の製造方法について説明する。金属層用金属ペーストとして、平均粒径が1.0μm以上5.0μm以下の銀粉末、平均粒径が1.0μm
以上5.0μm以下の銅粉末、平均粒径が0.5μm以上5.0μm以下のチタン粉末、有機ビヒクルを用い、所望量秤量して金属層用金属ペーストを作製する。質量比率は、例えば、銀:銅:チタンを63:34:3とする。
そして、チタンペーストの貫通孔内に塗布したことを除き、前述の製造方法と同様の工程を経ることにより、本実施形態の回路基板10を得ることができる。この製造方法によって、貫通孔の壁面に、活性金属を含む接合層を有することができるのは、金属層用金属ペーストの熱処理時において、金属層用金属ペーストに含まれる活性金属が貫通導体2側に拡散するからである。なお、この製造方法(チタン:3質量%)によれば、活性金属を含む接合層は、セラミック焼結体1の主面からセラミック焼結体1の厚み方向の深さで50μm程度の部分まで存在することとなる。金属層用金属ペーストに含まれる活性金属の含有量を調整することによって、接合層の存在範囲を調整することができる。
なお、金属層用金属ペーストに活性金属を含むときの添加量としては、添加粉末の合計100質量%のうち、1質量%以上8質量%以下となるように添加することが好適である。また、例示したチタン粉末のみならず、ジルコニウム粉末、ハフニウム粉末およびニオブ粉末およびこれらの混合粉末を用いることができる。
また、貫通導体2および金属層3の界面付近に、錫、インジウム、錫およびインジウムの合金のいずれか1種以上が存在させるには、金属層用金属ペーストに、錫粉末およびインジウム粉末の少なくとも一方を0.5質量%以上5質量%以下含ませればよい。なお、錫粉末およびインジウム粉末を両方含有することによって、焼成時に錫およびインジウムの合金を形成することができる。
また、金属層3に高融点金属を含むものとするには、金属層用金属ペーストに、モリブデン粉末、タンタル粉末、オスミウム粉末、レニウム粉末およびタングステン粉末から選択される少なくとも1種を添加すればよい。添加量としては、添加粉末の合計100質量%のうち、3質量%以上20質量%以下となるように添加することが好適である。
さらに、金属層3の表面を、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金および金より選択される少なくとも1種により構成される被膜で覆うには、公知のめっき法により被覆すればよい。
以上、本実施形態の回路基板10の製造方法の一例について説明したが、本実施形態の回路基板10の製造方法は上述した製造方法に限るものではない。例えば、分割溝が形成されたセラミック焼結体1を用いれば、回路基板10の多数個形成が可能である。
次に、本実施形態の電子装置20の製造方法の一例について、図2に示す構成の電子装置20の製造方法について説明する。まず、上述した製造方法により得られた回路基板10を用意し、金属層3上に電子部品4を実装することにより、本実施形態の電子装置20とすることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
構成の異なる回路基板を作製し、特性比較を行なった。まず、公知の方法により、厚みが0.38mmであり、直径が100μmの貫通孔を有するセラミック焼結体を準備した。次に、平均粒径が2.5μmの銀粉末、平均粒径が5.0μmの錫粉末、有機ビヒクルを準備し、銀:錫が85:15の質量比率の貫通導体用金属ペーストを作製した。また、
平均粒径が2.5μmの銀粉末、平均粒径が2.5μmの銅粉末および有機ビヒクルを用いて、銀:銅を65:35の質量比率とした金属層用金属ペーストを作製した。また、有機チタン化合物を含んだ溶液を準備した。
そして、本発明の試料においては、セラミック焼結体を大気雰囲気において850℃の温度で熱処理した後、貫通孔内に貫通導体用金属ペーストを貫通孔内に充填して乾燥し、大気雰囲気において、850℃の最高温度で、10分保持し、貫通導体を形成した。次に、有機チタン化合物を含む溶液を、貫通導体の表面に滴下して含浸させて後に乾燥させた。次に、スクリーン印刷法により、貫通導体を覆うように金属層用金属ペーストを印刷して乾燥させた。なお、厚みについては、焼成後の金属層の厚みが15μmとなるように調整した。その後、真空雰囲気において、820℃の最高温度で、5分保持することにより、貫通導体の表面およびセラミック焼結体の表面に接する金属層を形成した。
これに対し、比較例の試料については、有機チタン化合物を含んだ溶液を貫通導体内に含浸させなかった以外は、本発明の試料の作製方法と同じ方法で作製した。
まず、貫通導体直上の金属層の表面の窪みを公知のレーザー変位計で確認したが、どちらの試料も2μm以下であり、小さいものであった。
次に、これらの試料を用いて密着強度の測定を行なった。測定にあたっては、まず、金属層の大きさが2×2mmとなるようにエッチングを施し、フラックス(タムラ化研株式会社製 XA−100)と、Sn−Pb(6:4)系で全体に対してAgを2質量%含む半田を用い、貫通導体の表面に、厚みが0.6mmのめっき導線(銅線にSnめっき)を接合(半田付け)した。なお、金属層の下方においては、貫通導体を中心に存在するようにエッチングを行なった。
そして、ANZA TECH社製のダイ・シェアリング・テスタ(型番:520D)を
用いて、めっき導線を7.62mm/分の速度で引っ張り、貫通導体がセラミック焼結体から剥離したときの強度を測定した。
結果、比較例の試料よりも本発明の試料の強度が高かった。そして、各試料ともに、貫通導体とセラミック焼結体との間が確認できる断面を、クロスセクションポリッシャー(CP)を用いて作製し、SEMに付設のEDXを用いて、貫通導体からセラミック焼結体に向かって面分析を行なったところ、本発明の試料にのみ、貫通導体とセラミック焼結体との間に沿って、活性金属であるチタンおよび窒素が存在する層が確認された。
これらの結果より、本発明の回路基板が、接合信頼性および放熱性に優れていることが確認された。
次に、組成の異なる金属層用金属ペーストを作製し、密着強度の確認を行なった。まず、第1の金属層用金属ペーストについては、実施例1で作製した金属層用金属ペーストとした。また、第2の金属層用金属ペーストについては、平均粒径が2.5μmの銀粉末、平均粒径が2.5μmの銅粉末、平均粒径が1.0μmのチタン粉末および有機ビヒクルを用いて、銀:銅:チタンを63:34:3の質量比率で作製した。
そして、窒化アルミニウムが主成分であり、貫通孔を有するセラミック焼結体を準備し、セラミック焼結体を大気雰囲気において850℃の温度で熱処理した。その後、実施例1の本発明の試料の作製に用いた貫通導体用金属ペーストを貫通孔内に充填し、乾燥させた。次に、大気雰囲気において、850℃の最高温度で、10分保持することにより貫通
導体を形成した。
次に、試料No.1については、第1の金属層用金属ペーストを用いて、スクリーン印刷法により、貫通導体を覆うように印刷して乾燥させた。試料No.2については、第2の金属層用金属ペーストを用いて、スクリーン印刷法により、貫通導体を覆うように印刷して乾燥させた。その後、真空雰囲気において、820℃の最高温度で、5分保持することにより、貫通導体の表面およびセラミック焼結体の表面に接する金属層を形成した。
そして、実施例1に記載した方法により、密着強度の測定を行なった。
結果、試料No.1より試料No.2の強度が高かった。この結果より、金属層における主成分が銀および銅であり、活性金属を含んでいることにより、貫通導体2との密着性が高いため、金属層と貫通導体との接合信頼性に優れたものとなることがわかった。また、金属層とセラミック焼結体とが強固に接合されているということであり、電子部品から生じた熱によって、金属層がセラミック焼結体から剥がれることが少ないため、高い熱的信頼性を有するものとなることがわかった。
平均粒径が2.5μmの銀粉末、平均粒径が2.5μmの銅粉末、平均粒径が1μmのチタン粉末、平均粒径が3μmのモリブデン粉末および有機ビヒクルを用いて、銀:銅:チタン:モリブデンが54:28:3:15の質量比率の第3の金属層用金属ペーストを作製した。
そして、実施例2において用いた第2の金属層用金属ペーストと、第3の金属層用金属ペーストとを用いて、同じスクリーンを使用して、セラミック焼結体の表面に印刷を行ない、乾燥させた。その後、真空雰囲気において、820℃の最高温度で、5分保持して熱処理を行なった。
そして、スクリーンと、熱処理後の金属層形状とを確認したところ、第3の金属層用金属ペーストを用いた方が、形状変化が少なかった。この結果より、金属層に高融点金属を含んでいることにより、微細な配線に対応可能であることがわかった。
1:セラミック焼結体
2:貫通導体
3:金属層
4:電子部品
10:回路基板
20:電子装置

Claims (6)

  1. 一方主面から他方主面に貫通する貫通孔を有するセラミック焼結体と、
    前記貫通孔内に設けられ、主成分である銀と、錫の酸化物または銀および錫の合金の酸化物とを含む貫通導体と、
    該貫通導体の少なくとも一方の表面に接する金属層とを備える回路基板であり、
    前記貫通孔の壁面に、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブから選択される少なくとも1種の活性金属を含む接合層を有することを特徴とする回路基板。
  2. 前記金属層は、銀および銅が主成分であり、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブから選択される少なくとも1種の活性金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記金属層は、モリブデン、タンタル、オスミウム、レニウムおよびタングステンから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
  4. 前記セラミック焼結体が、窒化物系セラミックスであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の回路基板。
  5. 前記金属層の表面が、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金および金より選択される少なくとも1種により構成される被膜で覆われていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の回路基板。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の回路基板に電子部品を搭載してなることを特徴とする電子装置。
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