JP6428393B2 - 感放射線性組成物、硬化膜、表示素子及び着色剤分散液 - Google Patents
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Description
重合体(A1):オキシラニル基及びオキセタニル基を有する重合体
重合体(A2):オキシラニル基を有する重合体(但し、前記重合体(A1)を除く)
重合体(A3):オキセタニル基を有する重合体(但し、前記重合体(A1)を除く)
(B)重合性化合物、及び
(C)感放射線性重合開始剤
を含み、
前記(A)重合体中のオキシラニル基(oxi)と、オキセタニル基(oxe)との割合が、モル比(oxi/oxe)で3/97〜50/50である、感放射線性組成物を提供するものである。
したがって、本発明の感放射線性組成物は、カラー液晶表示素子、固体撮像素子の色分解用カラーフィルタ、有機EL表示素子用カラーフィルタ、電子ペーパー用カラーフィルタを始めとする各種のカラーフィルタの作製に極めて好適に使用することができる。また、保護膜材料やスペーサー材料、絶縁膜材料としても極めて有用である。
感放射線性組成物
以下、本発明の感放射線性組成物の構成成分について詳細に説明する。
本発明における(A)成分は、露光及び/又はポストベーク工程の際に架橋反応し、塗膜の硬化性を高める成分である。
本発明の感放射線性組成物は、(A)成分として、下記の重合体(A1)、重合体(A2)及び重合体(A3)のうち、重合体(A1)、あるいは重合体(A2)及び重合体(A3)の組み合わせを必須として含有するものである。(A)成分として、重合体(A1)、あるいは重合体(A2)及び重合体(A3)の組み合わせが含まれていれば、これら以外の重合体を重合体(A1)、重合体(A2)及び重合体(A3)の中から適宜選択して含有させることができる。例えば、(A)成分として、重合体(A1)を使用する場合、重合体(A1)に加え、重合体(A2)及び重合体(A3)から選ばれる少なくとも1種を含有することができる。(A)成分としては、重合体(A1)を少なくとも含むことが、耐溶剤性の観点から好ましい。
重合体(A2):オキシラニル基を有する重合体(但し、重合体(A1)を除く)。
重合体(A3):オキセタニル基を有する重合体(但し、重合体(A1)を除く)。
すなわち、(A)重合体中のオキシラニル基(oxi)と、オキセタニル基(oxe)との割合は、モル比(oxi/oxe)で3/97〜50/50であるが、より一層の耐溶剤性の向上の観点から、4/96〜30/70が好ましく、5/95〜23/77がより好ましく、6/94〜20/80が更に好ましく、7/93〜16/84が特に好ましい。
グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等のグリシジルエーテル基を有するエチレン性不飽和単量体;
1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(3)で表される化合物等の炭素―炭素二重結合をエポキシ化した脂環式基を有するエチレン性不飽和単量体が挙げられる。
R1は、水素原子又はメチル基を示し、
X1は、単結合又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基を示す。〕
R2は、相互に独立に、水素原子又はメチル基を示し、
X2は、相互に独立に、単結合又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基を示す。〕
前記炭素数1〜6のアルカンジイル基はヘテロ原子を含んでいても良い。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられ、このようなヘテロ原子を含むアルカンジイル基としては、例えば、(*)−CH2CH2−O−、(*)−CH2−O−CH2−、(*)−CH2CH2−S−、(*)−CH2−S−CH2−、(*)−CH2CH2−NH−、(*)−CH2−NH−CH2−等を挙げることができる。但し(*)は−COO−との結合手を意味する。
R11〜R15は、相互に独立に、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜6のアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール基を示し、
Y1は、単結合、又は1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基を示す。〕
R21は、水素原子又はメチル基を示し、
R22〜R26は、相互に独立に、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜6のアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール基を示し、
Y2は、単結合、又は1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基を示す。〕
R31は、水素原子又はメチル基を示し、
R32〜R36は、相互に独立に、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜6のアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール基を示し、
Y3は、単結合、又は1以上ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基を示す。〕
アリール基とは、単環〜3環式芳香族炭化水素基をいう。アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基が更に好ましい。具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、アズレニル基、9−フルオレニル基等が挙げることができる。中でも、フェニル基が好ましい。
アルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等を挙げることができる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げられる、中でも、フッ素原子が好ましい。アルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でも構わないが、炭素数は1〜6が好ましい。具体例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。なお、置換基の位置及び数は任意であり、例えば、置換基としてフッ素原子を有する場合、パーフルオロアルキル基とすることもできる。また、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
炭素数1〜6のアルカンジイル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、具体例としては、前述と同様のものを挙げることができる。中でも、炭素数1〜4のアルカンジイル基が好
ましく、炭素数1又は2のアルカンジイル基がより好ましい。また、炭素数1〜6のアルカンジイル基は1以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、ヘテロ原子としては、前述と同様の酸素原子、硫黄原子、窒素原子等を挙げることができる。1以上のヘテロ原子を含むアルカンジイル基の具体例としては、例えば、前述と同様のものの他、−O−CH2CH2CH2−O−CH2−、−CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2−、−O−CH2CH2CH2−S−CH2−、−CH2−O−CH2CH2−NH−CH2CH2−等を挙げることができる。
3−(ビニルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(ビニルオキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(ビニルオキシメチル)−2−エチルオキセタン、3−(ビニルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(ビニルオキシエチル)−2−メチルオキセタン、3−(ビニルオキシエチル)−3−メチルオキセタン、3−(ビニルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(ビニルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−(ビニルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、2−(ビニルオキシメチル)−3−メチルオキセタン、2−(ビニルオキシメチル)−2−エチルオキセタン、2−(ビニルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、2−(ビニルオキシエチル)−2−メチルオキセタン、2−(ビニルオキシエチル)−3−メチルオキセタン、2−(ビニルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、2−(ビニルオキシエチル)−3−エチルオキセタンの如き(ビニルオキシアルキル)アルキルオキセタンを挙げることができる。
3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、3−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕オキセタン、2−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、2−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕オキセタンの如き(メタ)アクリロイルオキシアルキルオキセタン;
4−[3−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)プロポキシ]スチレン、4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブチルオキシ]スチレン、4−[5−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ペンチルオキシ]スチレン、4−[6−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]スチレン、4−[7−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘプチルオキシ]スチレンの如きオキセタニル基を有する芳香族ビニル化合物等を挙げることができる。
不飽和単量体(a3)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
不飽和単量体(a4)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドの如きN−位置換マレイミド;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、アセナフチレンの如き芳香族ビニル化合物;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。
不飽和単量体(a5)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
重合体(A2)がオキシラニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)を含む単量体の重合体である場合、重合体(A2)における不飽和単量体(a1)の共重合割合は、好ましくは3〜40質量%、更に好ましくは5〜30質量%である。
重合体(A3)がオキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)を含む単量体の重合体である場合、重合体(A3)における不飽和単量体(a2)の共重合割合は、好ましくは5〜65質量%、更に好ましくは10〜55質量%である。
重合体(A1)〜(A3)において、不飽和単量体(a3)を単量体単位として含む共重合体とする場合、不飽和単量体(a3)の共重合割合は、1〜40質量%、更に3〜30質量%、特に5〜20質量%とすることが、現像性の観点から好ましい。
重合体(A1)〜(A3)において、不飽和単量体(a4)を単量体単位として含む共重合体とする場合、不飽和単量体(a4)の共重合割合は、5〜50質量%、更に10〜45質量%、特に15〜40質量%とすることが、分散性の観点から好ましい。
重合体(A1)〜(A3)において、不飽和単量体(a5)を単量体単位として含む共重合体とする場合、不飽和単量体(a5)の共重合割合は、10〜70質量%、更に20〜60質量%、特に25〜55質量%とすることが好ましい。これにより、重合体(A1)〜(A3)がゲル化することなく所望の転化率で合成可能となり、また得られる重合体(A1)〜(A3)を含有する感放射線性組成物の耐溶剤性、現像性がより一層良好となり好ましい。
i)不飽和単量体(a1)及び不飽和単量体(a2)から選ばれる少なくとも1種と、水酸基を有する重合性不飽和化合物とを含む単量体の共重合体に、不飽和イソシアネート化合物を反応させて得られる重合体、
ii)不飽和単量体(a1)及び不飽和単量体(a2)から選ばれる少なくとも1種と、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a3)とを含む単量体の共重合体に、オキシラニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)を反応させて得られる重合体、
iii)重合体(A1)又は(A2)に、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a3)を反応させて得られる重合体
を挙げることができる。
また、(A)重合体のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)の比(Mw/Mn)は、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4である。
本発明において重合性化合物とは、2個以上の重合可能な基を有する化合物をいう。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。本発明において、重合性化合物としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましい。
本発明において、(B)重合性化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性組成物は、感放射線性重合開始剤を含有する。本発明に用いる感放射線性重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、上記重合性化合物の重合を開始しうる活性種を発生する化合物であり、本発明の感放射線性組成物をネガ型の感放射線性組成物として用いることができる。
本発明の感放射線性組成物には、更に(D)着色剤を含有せしめることができる。これにより、例えば、カラーフィルタの着色層を形成するための着色感放射線性組成物とすることができる。ここで、「着色層」とは、カラーフィルタに用いられる各色画素、ブラックマトリックス等を意味する。着色剤としては着色性を有する限り特に限定されることなく使用することが可能であり、感放射線性組成物の用途に応じて色彩や材質を適宜選択することができる。本発明の感放射線性組成物をカラーフィルタを構成する各色画素の形成に用いる場合、カラーフィルタには高い色純度、輝度、コントラスト等が求められることから、着色剤として顔料及び染料から選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に有機顔料、有機染料が好ましい。
本発明において顔料及び染料は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性組成物には、バインダー樹脂(但し、上記重合体(A1)〜重合体(A3)を除く。)を含有せしめることができる。これにより、感放射線性組成物のアルカリ可溶性、基板への結着性、保存安定性等を高めることができる。バインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有する樹脂であることが好ましい。中でも、カルボキシル基を有する重合体(以下、「カルボキシル基含有重合体」とも称する。)が好ましく、例えば、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(e1)」とも称する。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(e2)」とも称する。)との共重合体を挙げることができる。
本発明の感放射線性組成物は、上記(A)〜(C)成分、及び任意的に加えられる他の成分を含有するものであるが、通常、有機溶媒を配合して液状組成物として調製される。
有機溶媒としては、感放射線性組成物を構成する(A)〜(C)成分や他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等の(シクロ)アルキルアルコール;
ジアセトンアルコール等のケトアルコール;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のグリコールエーテル;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート等のアルコキシカルボン酸エステル;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の脂肪酸アルキルエステル;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド、又はラクタム
等を挙げることができる。
本発明の着色組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フルオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサ−スピロ[5.5]ウンデカン、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の現像性改善剤等を挙げることができる。
また、着色感放射線性組成物を調製する場合、例えば、(D)着色剤を(F)溶媒中、分散剤の存在下で、(A)重合体、場合により(E)バインダー樹脂の一部と共に、例えばビーズミル、ロールミル等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して着色剤分散液とし、次いで、この着色剤分散液に、(B)重合性化合物と(C)感放射線性重合開始剤、必要に応じて(E)バインダー樹脂、更に追加の溶媒や他の成分を添加し、混合することにより調製する方法が好ましい。
本発明の硬化膜は、本発明の感放射線性組成物を用いて形成されたものである。本発明の硬化膜としては、特に限定されるものではないが、例えば、カラーフィルタを構成する各色画素、ブラックマトリックス、保護膜、スペーサー、絶縁膜等を挙げることができる。以下、カラーフィルタを構成する各色画素としての着色硬化膜を形成する場合を例に、詳細に説明する。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
また、上記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
このようにして形成された画素の膜厚は、通常0.5〜5μm、好ましくは1.0〜3μmである。
着色層を形成する際に使用される基板や放射線の光源、また、プレベークやポストベークの方法や条件は、上記した第一の方法と同様である。このようにして、インクジェット方式により形成された画素の膜厚は、隔壁の高さと同程度である。
このようにして得られる本発明のカラーフィルタは、輝度及び色純度が極めて高いため、カラー液晶表示素子、カラー撮像管素子、カラーセンサー、有機EL表示素子、電子ペーパー等に極めて有用である。
本発明の表示素子は、本発明の硬化膜を具備するものである。表示素子としては、カラー液晶表示素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等を挙げることができる。
本発明の硬化膜を具備するカラー液晶表示素子は、透過型でも反射型でもよく、適宜の構造を採ることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造を採ることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造を採ることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。なお、後者の構造を採用する場合、ブラックマトリックスやスペーサーは、カラーフィルタを形成した基板側、ITO電極を形成した基板側のどちらに形成されていてもよい。また、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板を構成する層間絶縁膜として、本発明の硬化膜を適用することもできる。
また、本発明の硬化膜を具備する電子ペーパーは、適宜の構造をとることが可能であり、例えば、特開2007−41169号公報に開示されている構造を挙げることができる。
本発明の固体撮像素子は、本発明の硬化膜を具備するものである。また、本発明の固体撮像素子は適宜の構造を採ることができる。例えば、1つの実施の形態として、(D)着色剤を含む本発明の感放射線性組成物を用いて、CMOS基板などの半導体基板上に、前述と同様の操作により着色画素(着色硬化膜)を形成することにより、色分離性や色再現性に優れた固体撮像素子を作製することができる。また別の実施形態として、本発明の感放射線性組成物を用いて作製した絶縁膜(硬化膜)を具備する固体撮像素子とすることもでき、具体的には特開2011−215597号公報に開示されている構造を挙げることができる。
THF :テトラヒドロフラン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME :プロピレングリコールモノメチルエーテル
AIBN :2,2'−アゾビスイソブチロニトリル
ST :スチレン
MA :メタクリル酸
MMA :メチルメタクリレート
nBMA :ノルマルブチルメタクリレート
BzMA :ベンジルメタクリレート
CHMA :シクロヘキシルメタクリレート
OXMA :3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン
GMA :グリシジルメタクリレート
DAMA :ジメチルアミノエチルメタクリレート
各合成例で得た重合体の酸価を下記の要領で測定した。
重合体溶液0.5gを1mgの単位まで精密に秤量し、硝子容器に取り分けた。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにより50mLに希釈した後、フェノールフタレインを添加し、0.1Nエタノール性水酸化カリウム水溶液で滴定を行い、ピンク色に着色した点を終点とした。同様に空試験を行なった。重合体と空試験の0.1Nエタノール性水酸化カリウム水溶液滴下量から酸価(単位:mgKOH/g)を算出した。
各合成例で得た重合体のアミン価を下記の要領で測定した。
重合体溶液0.5gを1mgの単位まで精密に秤量し、硝子容器に取り分けた。無水酢酸/酢酸=9/1(体積比)20mLを添加し溶解し、室温で3時間放置した。その後、さらに酢酸30mLを加えた後、電位差測定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)を用いて、0.1mol/L過塩素酸・酢酸溶液で滴定を行った。同様に空試験を行なった。重合体と空試験の0.1mol/L過塩素酸・酢酸溶液滴下量からアミン価(単位:mgKOH/g)を算出した。
合成例1
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、スチレン58.0g、MA15.0g、OXMA22.0g及びサイクロマーM100(株式会社ダイセル社製。3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート)5.0gを3−メトキシプロピオン酸メチル200gに溶解し、さらにアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル6.0g及びα−メチルスチレンダイマー5.0gを投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、反応液を攪拌及び窒素バブリングしながら80℃に加熱し、5時間重合することにより、重合体(A1−1−1)を33質量%含む溶液を得た。重合体(A1−1−1)は、GPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMw=6,000、Mw/Mn=2.5であった。重合体(A1−1−1)は重合体(A1)に該当する。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、スチレン53.0g、MA12.0g、アロニックスM120(東亞合成株式会社製。2−エチルヘキシルEO変性アクリレート)5.0g、OXMA25.0g及びサイクロマーM100:5.0gをPGMEA200gに溶解し、さらにアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル6.0g及びα−メチルスチレンダイマー5.0gを投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、反応液を攪拌及び窒素バブリングしながら80℃に加熱し、5時間重合することにより、重合体(A1−1−2)を33質量%含む溶液を得た。重合体(A1−1−2)は、GPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMw=5,900、Mw/Mn=2.5であった。重合体(A1−1−2)は重合体(A1)に該当する。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、スチレン55.0g、MA15.0g、OXMA20.0g、GMA2.0g及びサイクロマーM100:8.0gを酢酸メトキシブチル200gに溶解し、さらにアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル4.0g及びα−メチルスチレンダイマー5.0gを投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、反応液を攪拌及び窒素バブリングしながら80℃に加熱し、5時間重合することにより、重合体(A1−1−3)を33質量%含む溶液を得た。重合体(A1−1−3)は、GPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMw=12,000、Mw/Mn=2.5であった。重合体(A1−1−3)は重合体(A1)に該当する。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、スチレン54.0g、MA14.0g、MMA2.0g、ブレンマーPME−200(日油株式会社製。メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート)2.0g、OXMA14.0g及びサイクロマーM100:14.0gを3−メトキシプロピオン酸メチル200gに溶解し、さらにアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル5.0g及びα−メチルスチレンダイマー5.0gを投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、反応液を攪拌及び窒素バブリングしながら80℃に加熱し、5時間重合することにより、重合体(A1−1−4)を33質量%含む溶液を得た。重合体(A1−1−4)は、GPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMw=10,000、Mw/Mn=2.5であった。重合体(A1−1−4)は重合体(A1)に該当する。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、スチレン58.0g、MA15.0g及びOXMA27.0gを3−メトキシプロピオン酸メチル200gに溶解し、さらにアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル5.0g及びα−メチルスチレンダイマー5.0gを投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、反応液を攪拌及び窒素バブリングしながら80℃に加熱し、5時間重合することにより、重合体(A3−1)を33質量%含む溶液を得た。重合体(A3−1)は、GPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMw=10,000、Mw/Mn=2.5であった。重合体(A3−1)は重合体(A3)に該当する。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、スチレン58.0g、MA15.0g及びGMA27.0gを酢酸メトキシブチル200gに溶解し、さらにアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル4.0g及びα−メチルスチレンダイマー5.0gを投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、反応液を攪拌及び窒素バブリングしながら80℃に加熱し、5時間重合することにより、重合体(A2−1)を33質量%含む溶液を得た。重合体(A2−1)は、GPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMw=12,000、Mw/Mn=2.5であった。重合体(A2−1)は重合体(A2)に該当する。
合成例1において、各成分の量を表1に示すように変更した以外は合成例1と同様にして、重合体(A1−1−5)を33質量%含む溶液を得た。重合体(A1−1−5)は、GPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMw=6,000、Mw/Mn=2.5であった。重合体(A1−1−5)は重合体(A1)に該当する。
合成例1において、各成分の種類及び量を表1に示すように変更した以外は合成例1と同様にして、重合体(A1−1−6)を33質量%含む溶液を得た。重合体(A1−1−6)は、GPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMw=6,200、Mw/Mn=2.4であった。重合体(A1−1−6)は重合体(A1)に該当する。
「M120」は、2−エチルヘキシルEO変性アクリレート(アロニックスM120、東亞合成株式会社製)由来の繰り返し単位を示す。
「PME−200」は、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPME−200、日油株式会社製)由来の繰り返し単位を示す。
「M100」は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(サイクロマーM100、株式会社ダイセル社製)由来の繰り返し単位を示す。
「oxi/oxe」は、(A)重合体を構成する全重合体中のオキシラニル基の総モル数とオキセタニル基の総モル数との割合を示し、また「woxi/woxe」は、(A)重合体を構成する全単量体に占める、オキシラニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)の総質量woxiとオキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)の総質量woxeとの割合を示す。
合成例9
攪拌子を備えたフラスコ内で、MMAを6.2g、nBMAを7.0g、サイクロマーM100を2.8g、OXMAを2.8g、アロニックスM120を0.8g、AIBNを235mg及びピラゾール−1−ジチオカルボン酸シアノ(ジメチル)メチルエステル605mgを、トルエン30mLに溶解し、30分間窒素バブリングを行った。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を57℃に上昇させ、この温度を34時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、AIBN437mgと、DAMA 8.4gをトルエン20mLに溶解し30分間窒素置換を行った溶液を上記反応溶液に添加し、57℃で34時間リビングラジカル重合を行った。その後、減圧濃縮により溶媒を除去し、PGMEAを添加して不揮発分を40質量%とした。得られた重合体のGPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMwは8,300であり、Mw/Mnは1.3であった。
次いで、得られた重合体溶液にベンジルクロライド5.4g、及びPGMEを20.0g添加し、その後ゆるやかに攪拌して、ポリマー溶液の温度を90℃に上昇させ、この温度を8時間保持して、DAMA由来のジメチルアミノ基を部分的に4級アンモニウム化した。反応溶液をHPLCにて測定し、ベンジルクロライド由来のピークが消失していることを確認した。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有し、その一部が4級アンモニウム化されたAブロックと、MMA、nBMA、サイクロマーM100、OXMA及びアロニックスM120由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を得た。得られた共重合体を重合体(A1−2−1)とする。最後にPGMEを添加して、固形分濃度が35質量%、PGMEA/PGME=68/32(質量比)となるように調節した。重合体(A1−2−1)は重合体(A1)に該当する。
攪拌子を備えたフラスコ内で、MMAを5.6g、nBMAを5.6g、サイクロマーM100を0.8g、OXMAを7.6g、AIBNを235mg及びピラゾール−1−ジチオカルボン酸シアノ(ジメチル)メチルエステル605mgを、トルエン30mLに溶解し、30分間窒素バブリングを行った。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を57℃に上昇させ、この温度を34時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、AIBN481mgと、DAMA 8.4gをトルエン20mLに溶解し30分間窒素置換を行った溶液を上記反応溶液に添加し、57℃で34時間リビングラジカル重合を行った。その後、減圧濃縮により溶媒を除去し、PGMEAを添加して不揮発分を40質量%とした。得られた重合体のGPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMwは8,400であり、Mw/Mnは1.3であった。
次いで、得られた重合体溶液にベンジルクロライド5.4g、PGMEを20.0g添加し、その後ゆるやかに攪拌して、ポリマー溶液の温度を90℃に上昇させ、この温度を8時間保持して、DAMA由来のジメチルアミノ基を部分的に4級アンモニウム化した。反応溶液をHPLCにて測定し、ベンジルクロライド由来のピークが消失していることを確認した。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有し、その一部が4級アンモニウム化されたAブロックと、MMA、nBMA、サイクロマーM100及びOXMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を得た。得られた共重合体を重合体(A1−2−2)とする。最後にPGMEを添加して、固形分濃度が35質量%、PGMEA/PGME=68/32(質量比)となるように調節した。重合体(A1−2−2)は重合体(A1)に該当する。
トルエン6.6mL、1,2−ジメトキシエタン2.7mL、および0.38Mのイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムのトルエン溶液を13.7mL加え、10℃に冷却した。これに1.3Mのsec−ブチルリチウムのヘキサン溶液を0.7mL加え、20分間撹拌を行った。その後、10℃で、nBMA0.81g、MMA0.87g、OXMA 0.84gおよびサイクロマーM100:0.21gをトルエン2.8mLに溶解させた溶液を5分かけて滴下した。
滴下終了後30分経過した後に、DAMA 0.77gをトルエン0.4mLのトルエンで希釈した溶液を10秒で添加し、120分間撹拌を行った。メタノールを加えて反応を停止した。その後、減圧濃縮により溶媒を除去し、PGMEAを添加して不揮発分を40質量%とした。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有するAブロックと、MMA、nBMA、サイクロマーM100及びOXMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を40質量%含む溶液を得た。得られた重合体のGPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMwは6,300であり、Mw/Mnは1.3であった。
得られた共重合体を重合体(A1−2−3)とする。重合体(A1−2−3)は重合体(A1)に該当する。
攪拌子を備えたフラスコ内で、MMAを6.4g、nBMAを6.4g、サイクロマーM100を2.5g、OXMAを5.9g、MAを0.6g、AIBNを290mg及びピラゾール−1−ジチオカルボン酸シアノ(ジメチル)メチルエステル714mgを、トルエン30mLに溶解し、30分間窒素バブリングを行った。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を57℃に上昇させ、この温度を34時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、AIBN352mgと、DAMA 6.2gをトルエン20mLに溶解し30分間窒素置換を行った溶液を上記反応溶液に添加し、57℃で34時間リビングラジカル重合を行った。その後、減圧濃縮により溶媒を除去し、PGMEAを添加して不揮発分を40質量%とした。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有するAブロックと、MMA、nBMA、サイクロマーM100、OXMA及びMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を40質量%含む溶液を得た。得られた重合体のGPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMwは8,200であり、Mw/Mnは1.3であった。得られた共重合体を重合体(A1−2−4)とする。重合体(A1−2−4)は重合体(A1)に該当する。なお重合体(A1−2−4)はカルボキシ基も有するが、形式的にアミノ基を有する重合体として分類する。
攪拌子を備えたフラスコ内で、MMAを3.6g、nBMAを5.0g、サイクロマーM100を0.6g、OXMAを5.6g、DAMA 13.1g、AIBNを340mg及びピラゾール−1−ジチオカルボン酸シアノ(ジメチル)メチルエステル837mgを、トルエン50mLに溶解し、30分間窒素バブリングを行った。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を57℃に上昇させ、この温度を34時間保持してリビングラジカル重合を行った。
その後、減圧濃縮により溶媒を除去し、PGMEAを添加して不揮発分を40質量%とした。このようにして、MMA、nBMA、サイクロマーM100、OXMA及びDAMA由来の繰り返し単位を有するランダム共重合体を40質量%含む溶液を得た。得られた重合体のGPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMwは8,100であり、Mw/Mnは1.3であった。得られた共重合体を重合体(A1−2−5)とする。重合体(A1−2−5)は重合体(A1)に該当する。
攪拌子を備えたフラスコ内で、MMAを1.4g、nBMAを2.0g、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(下記式(8)で表される化合物及び下記式(9)で表される化合物を、モル比で、50:50で混合。)を1.7g、OXMAを15.1g、AIBNを190mg及びピラゾール−1−ジチオカルボン酸シアノ(ジメチル)メチルエステル467mgを、トルエン30mLに溶解し、30分間窒素バブリングを行った。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を57℃に上昇させ、この温度を34時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、AIBN753mgと、DAMA7.8gをトルエン20mLに溶解し30分間窒素置換を行った溶液を上記反応溶液に添加し、57℃で34時間リビングラジカル重合を行った。その後、減圧濃縮により溶媒を除去し、PGMEAを添加して不揮発分を40質量%とした。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有するAブロックと、MMA、nBMA、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート及びOXMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を40質量%含む溶液を得た。得られた重合体のGPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMwは7,200であり、Mw/Mnは1.3であった。得られた共重合体を重合体(A1−2−6)とする。重合体(A1−2−6)は重合体(A1)に該当する。
攪拌子を備えたフラスコ内で、MMAを7.0g、nBMAを7.0g、サイクロマーM100を1.4g、AIBNを227mg及びピラゾール−1−ジチオカルボン酸シアノ(ジメチル)メチルエステル559mgを、トルエン30mLに溶解し、30分間窒素バブリングを行った。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を57℃に上昇させ、この温度を34時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、AIBN721mgと、DAMA 12.6gをトルエン20mLに溶解し30分間窒素置換を行った溶液を上記反応溶液に添加し、57℃で34時間リビングラジカル重合を行った。その後、減圧濃縮により溶媒を除去し、PGMEAを添加して不揮発分を40質量%とした。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有するAブロックと、MMA、nBMA及びサイクロマーM100由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を40質量%含む溶液を得た。得られた重合体のGPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMwは8,000であり、Mw/Mnは1.3であった。得られた共重合体を重合体(A2−2−1)とする。重合体(A2−2−1)は重合体(A2)に該当する。
攪拌子を備えたフラスコ内で、MMAを7.0g、nBMAを7.0g、OXMAを5.6g、AIBNを270mg及びピラゾール−1−ジチオカルボン酸シアノ(ジメチル)メチルエステル664mgを、トルエン30mLに溶解し、30分間窒素バブリングを行った。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を57℃に上昇させ、この温度を34時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、AIBN481mgと、DAMA 8.4gをトルエン20mLに溶解し30分間窒素置換を行った溶液を上記反応溶液に添加し、57℃で34時間リビングラジカル重合を行った。その後、減圧濃縮により溶媒を除去し、PGMEAを添加して不揮発分を40質量%とした。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有するAブロックと、MMA、nBMA及びOXMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を40質量%含む溶液を得た。得られた重合体のGPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMwは7,900であり、Mw/Mnは1.3であった。得られた共重合体を重合体(A3−2)とする。重合体(A3−2)は重合体(A3)に該当する。
攪拌子を備えたフラスコ内で、MMAを7.0g、nBMAを6.4g、サイクロマーM100を0.4g、OXMAを8.0g、AIBNを290mg及びピラゾール−1−ジチオカルボン酸シアノ(ジメチル)メチルエステル714mgを、トルエン30mLに溶解し、30分間窒素バブリングを行った。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を57℃に上昇させ、この温度を34時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、AIBN352mgと、DAMA 6.2gをトルエン20mLに溶解し30分間窒素置換を行った溶液を上記反応溶液に添加し、57℃で34時間リビングラジカル重合を行った。その後、減圧濃縮により溶媒を除去し、PGMEAを添加して不揮発分を40質量%とした。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有するAブロックと、MMA、nBMA、サイクロマーM100及びOXMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を40質量%含む溶液を得た。得られた重合体のMwは8,100であり、Mw/Mnは1.3であった。得られた共重合体を重合体(A1−2−7)とする。重合体(A1−2−7)は重合体(A1)に該当する。
攪拌子を備えたフラスコ内で、MMAを5.6g、nBMAを5.6g、OXMAを8.2g、サイクロマーM100を0.2g、AIBNを254mg及びピラゾール−1−ジチオカルボン酸シアノ(ジメチル)メチルエステル626mgを、トルエン30mLに溶解し、30分間窒素バブリングを行った。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を57℃に上昇させ、この温度を34時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、AIBN481mgと、DAMA 8.4gをトルエン20mLに溶解し30分間窒素置換を行った溶液を上記反応溶液に添加し、57℃で34時間リビングラジカル重合を行った。その後、減圧濃縮により溶媒を除去し、PGMEAを添加して不揮発分を40質量%とした。得られた重合体のGPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMwは8,200であり、Mw/Mnは1.3であった。
次いで、得られた重合体溶液にベンジルクロライド5.4g、プロピレングリコールモノメチルエーテルを20.0g添加し、その後ゆるやかに攪拌して、ポリマー溶液の温度を90℃に上昇させ、この温度を8時間保持して、DAMA由来のジメチルアミノ基を部分的に4級アンモニウム化した。反応溶液をHPLCにて測定し、ベンジルクロライド由来のピークが消失していることを確認した。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有し、その一部が4級アンモニウム化されたAブロックと、MMA、nBMA、サイクロマーM100及びOXMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を得た。得られた共重合体を重合体(A1−2−8)とする。最後にPGMEを添加して、固形分濃度が35質量%、PGMEA/PGME=68/32(質量比)となるように調節した。重合体(A1−2−8)は重合体(A1)に該当する。
攪拌子を備えたフラスコ内で、MMAを5.6g、nBMAを5.6g、OXMAを2.9g、サイクロマーM100を5.5g、AIBNを251mg及びピラゾール−1−ジチオカルボン酸シアノ(ジメチル)メチルエステル617mgを、トルエン30mLに溶解し、30分間窒素バブリングを行った。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を57℃に上昇させ、この温度を34時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、AIBN481mgと、DAMA 8.4gをトルエン20mLに溶解し30分間窒素置換を行った溶液を上記反応溶液に添加し、57℃で34時間リビングラジカル重合を行った。その後、減圧濃縮により溶媒を除去し、PGMEAを添加して不揮発分を40質量%とした。得られた重合体のGPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMwは8,300であり、Mw/Mnは1.3であった。
次いで、得られた重合体溶液にベンジルクロライド5.4g、プロピレングリコールモノメチルエーテルを20.0g添加し、その後ゆるやかに攪拌して、ポリマー溶液の温度を90℃に上昇させ、この温度を8時間保持して、DAMA由来のジメチルアミノ基を部分的に4級アンモニウム化した。反応溶液をHPLCにて測定し、ベンジルクロライド由来のピークが消失していることを確認した。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有し、その一部が4級アンモニウム化されたAブロックと、MMA、nBMA、サイクロマーM100及びOXMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を得た。得られた共重合体を重合体(A1−2−9)とする。最後にPGMEを添加して、固形分濃度が35質量%、PGMEA/PGME=68/32(質量比)となるように調節した。重合体(A1−2−9)は重合体(A1)に該当する。
合成例20
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、OXMA22.0g、MA18.0g、こはく酸モノ2−アクリロイロキシエチル9.0g、N−フェニルマレイミド10.0g、BzMA24.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート14.0g、サイクロマーM−100:3.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300gに溶解し、さらにAIBN4.0g及びα−メチルスチレンダイマー6.0gを投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、反応液を攪拌及び窒素バブリングしながら80℃に加熱し、5時間重合することにより、前駆体共重合体溶液を得た。
得られた前駆体共重合体溶液200gに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート13.4g、重合禁止剤として4−メトキシフェノール0.2gを添加し、90℃で2時間反応させた。室温に冷却後、1回当たり75gのイオン交換水で2回水洗した後、減圧濃縮を行うことにより、重合体(A1−1−7)を33質量%含む溶液を得た。重合体(A1−1−7)は、GPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMw=11,000、Mw/Mn=1.9であった。重合体(A1−1−7)は重合体(A1)に該当する。
(重合体(A1)〜(A3)以外の重合体)
攪拌子を備えたフラスコ内で、MMAを5.6g、nBMAを5.6g、CHMAを8.4g、AIBNを235mg及びピラゾール−1−ジチオカルボン酸シアノ(ジメチル)メチルエステル605mgを、トルエン30mLに溶解し、30分間窒素バブリングを行った。その後ゆるやかに攪拌して、反応溶液の温度を57℃に上昇させ、この温度を34時間保持してリビングラジカル重合を行った。
次いで、AIBN481mgと、DAMA 8.4gをトルエン20mLに溶解し30分間窒素置換を行った溶液を上記反応溶液に添加し、57℃で34時間リビングラジカル重合を行った。その後、減圧濃縮により溶媒を除去し、PGMEAを添加して不揮発分を40質量%とした。得られた重合体のGPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMwは8,300であり、Mw/Mnは1.3であった。
次いで、得られた重合体溶液にベンジルクロライド5.4g、プロピレングリコールモノメチルエーテルを20.0g添加し、その後ゆるやかに攪拌して、ポリマー溶液の温度を90℃に上昇させ、この温度を8時間保持して、DAMA由来のジメチルアミノ基を部分的に4級アンモニウム化した。反応溶液をHPLCにて測定し、ベンジルクロライド由来のピークが消失していることを確認した。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有し、その一部が4級アンモニウム化されたAブロックと、MMA、nBMA及びCHMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を得た。得られた共重合体を重合体(A4)とする。最後にPGMEを添加して、固形分濃度が35質量%、PGMEA/PGME=68/32(質量比)となるように調節した。重合体(A4)は重合体(A1)〜(A3)のいずれにも該当しない。
「ST」はスチレン由来の繰り返し単位を示す。
「M120」は、2−エチルヘキシルEO変性アクリレート(アロニックスM120、東亞合成株式会社製)由来の繰り返し単位を示す。
「PME−200」は、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPME−200、日油株式会社製)由来の繰り返し単位を示す。
「M100」は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(サイクロマーM100、株式会社ダイセル社製)由来の繰り返し単位を示す。
「式(8)/式(9)」は3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(8)で表される化合物及び式(9)で表される化合物を、モル比で、50:50で混合したもの)由来の繰り返し単位を示す。
「DAMA」は4級アンモニウム化されていないDAMA由来の繰り返し単位を示す。
「DAMA−BzCl」は4級アンモニウム化されたDAMA由来の繰り返し単位を示す。
「oxi/oxe」は、(A)重合体を構成する全重合体中のオキシラニル基の総モル数とオキセタニル基の総モル数との割合を示し、また「woxi/woxe」は、(A)重合体を構成する全単量体に占める、オキシラニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)の総質量woxiとオキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)の総質量woxeとの割合を示す。
実施例1
(A)重合体として重合体(A1−1−1)溶液100質量部(固形分濃度33質量%)、(B)重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(商品名アロニックスM−402、東亞合成株式会社製)50質量部及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートの無水こはく酸変性物とジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(商品名アロニックスM−520、東亞合成株式会社製)20質量部、(C)感放射線性重合開始剤としてエタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(イルガキュアOXE02、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)1質量部及び2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(イルガキュア379、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)5質量部、並びに、酸化防止剤としてペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]1質量部を混合し、さらに固形分濃度が30質量%となるようにジエチレングリコールメチルエチルエーテルを添加した後、孔径0.2μmのメンブランフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−1)を調製した。
スピンナーを用い、シリコン基板上に感放射線性組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に水銀ランプによって積算照射量が1,000J/m2となるように紫外線を照射した。次いで、このシリコン基板をホットプレート上で、200℃で30分加熱し、得られた硬化膜の膜厚(T1)を測定した。そして、この硬化膜が形成されたシリコン基板を、70℃に温度制御されたジメチルスルホキシド中に20分間浸漬させた後、浸漬後の硬化膜の膜厚(T2)を測定し、膜厚変化率を下記式から算出し、これを耐溶剤性の指標とした。
スピンナーを用い、SUS基板上に感放射線性組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。露光機(MPA−600FA、キャノン製)を用い、積算照射量が1,000J/m2となるように上記塗膜を露光し、露光した基板をクリーンオーブン内にて200℃で30分加熱することにより、SUS基板上に硬化膜を形成した。次いで、蒸着法により、上記硬化膜上にPt/Pd電極パターンを形成して誘電率測定用サンプルを作製した。この電極パターンを有する基板について、電極(HP16451B、横河・ヒューレットパッカード製)及びプレシジョンLCRメーター(HP4284A、横河・ヒューレットパッカード製)を用い、周波数10kHzでCV法により比誘電率の測定を行った。このとき、比誘電率が3.9以下の場合を「○」、3.9を超える場合を「×」として評価した。結果を表3に示す。
得られた感放射線性組成物の粘度を、E型粘度計(東京計器製)を用いて測定し、これを初期粘度とした。また、得られた感放射線性組成物を遮光ガラス容器に充填し、密閉状態で5℃にて14日間静置した後、E型粘度計(東京計器製)を用いて粘度を測定した。そして、初期粘度に対する14日間保存後の粘度の増加率を算出し、増加率が5%未満の場合を「A」、5%以上10%未満の場合を「B」、10%以上の場合を「C」として、感放射線性組成物の保存安定性を評価した。評価結果を表3に示す。
実施例1において、用いた各成分の種類及び量を表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、感放射線性組成物(S−2)〜(S−11)を調製した。次いで、感放射線性組成物(S−1)に代えて感放射線性組成物(S−2)〜(S−11)を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
B−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(商品名M−402、東亞合成株式会社製)
B−2:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート並びにジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(商品名TO−1382、東亞合成株式会社製)
C−1:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(商品名IRGACURE OX02、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
C−2:2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(イルガキュア379、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)
G−1:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート], (アデカスタブAO−60、ADEKA製)
「oxi/oxe」は、(A)重合体を構成する全重合体中のオキシラニル基の総モル数とオキセタニル基の総モル数との割合を示し、また「woxi/woxe」は、(A)重合体を構成する全単量体に占める、オキシラニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)の総質量woxiとオキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)の総質量woxeとの割合を示す。
着色剤分散液の調製
調製例1
着色剤としてC.I.ピグメントレッド177を7.5質量部とC.I.ピグメントレッド254を7.5質量部、重合体(A1−2−1)溶液15.0質量部(不揮発成分=35質量%)、溶媒としてPGMEA64.0質量部とPGME6.0質量部を用いて、ビーズミルにより処理して、着色剤分散液(D−1)を調製した。
得られた着色剤分散液の粘度を、E型粘度計(東京計器製)を用いて測定し、これを初期粘度とした。また、得られた着色剤分散液を遮光ガラス容器に充填し、密閉状態で23℃にて14日間静置した後、E型粘度計(東京計器製)を用いて粘度を測定した。そして、初期粘度に対する14日間保存後の粘度の増加率を算出し、増加率が5%未満の場合を「A」、5%以上10%未満の場合を「B」、10%以上の場合を「C」として、着色剤分散液の保存安定性を評価した。評価結果を表4に示す。
調製例1において、各成分の種類及び量を表4に示すように変更した以外は調製例1と同様にして、着色剤分散液(D−2)〜(D−6)、(D−8)〜(D−15)を調製した。次いで、着色剤分散液(D−1)に代えて着色剤分散液(D−2)〜(D−6)、(D−8)〜(D−15)を用いた以外は調製例1と同様にして評価を行った。評価結果を表4に示す。
なお比較調製例1においては、重合体(A1−2−1)に代えて分散剤BYK−LPN6919(ビックケミー(BYK)社製、不揮発成分60質量%、アミン価72mgKOH/g)を用いた。
調製例7
着色剤として化合物(D2)2.5質量部、化合物(D3)1.2質量部、化合物(D4)11.3質量部、重合体(A1−2−2)溶液2.0質量部(不揮発成分=35質量%)、重合体(A1−2−8)溶液13.0質量部(不揮発成分=35質量%)、及び溶媒としてPGME70.0質量部を混合して、着色剤溶液(D−7)を調製した。そして、調製例1と同様にして評価を行った。評価結果を表4に示す。
G58 :C.I.ピグメントグリーン58
G7 :C.I.ピグメントグリーン7
Y138 :C.I.ピグメントイエロー138
Y215 :C.I.ピグメントイエロー215
Y185 :C.I.ピグメントイエロー185
R177 :C.I.ピグメントレッド177
R254 :C.I.ピグメントレッド254
R264 :C.I.ピグメントレッド264
化合物(D1):前記式(7)で表される顔料
B15:6 :C.I.ピグメントブルー15:6
化合物(D2):下記式(D2)で表される化合物
化合物(D3):下記式(D3)で表される化合物
化合物(D4):下記式(D4)で表される化合物
化合物(D5):下記式(D5)で表される化合物
化合物(D6):下記式(D6)で表される化合物
PGMEA :プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME :プロピレングリコールモノメチルエーテル
LPN6919:BYK−LPN6919(ビックケミー(BYK)社製、不揮発成分60質量%、アミン価72mgKOH/g)
S41000 :ソルスパース41000(ルーブリゾール(株)社製、不揮発成分100質量%)
「oxi/oxe」は、(A)重合体を構成する全重合体中のオキシラニル基の総モル数とオキセタニル基の総モル数との割合を示し、また「woxi/woxe」は、(A)重合体を構成する全単量体に占める、オキシラニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)の総質量woxiとオキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)の総質量woxeとの割合を示す。
なおC.I.ピグメントイエロー215は、平均一次粒径が70nmのものを用いた。
合成例22
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル44.0g、N−フェニルマレイミド40.0g、BzMA16.0gをPGMEA300gに溶解し、さらにAIBN8.0g及びα−メチルスチレンダイマー8.0gを投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、反応溶液を攪拌及び窒素バブリングしながら80℃に加熱し5時間重合した。
次いで、この反応溶液にMA17.0g、p−メトキシフェノール0.5g及びテトラブチルアンモニウムブロマイド4.4gを添加し、120℃で9時間反応させた。さらに、無水こはく酸18.5gを添加し、100℃で6時間反応させた後、液温を85℃に保持したまま1時間反応を行った。室温に冷却し、2回水洗した後、減圧濃縮を行うことにより、バインダー樹脂(E−1)を33質量%含む溶液を得た。このバインダー樹脂(E−1)は、GPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMw=7,800、Mw/Mn=2.8であった。なおバインダー樹脂(E−1)にオキシラニル基は残存していない。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、N−フェニルマレイミド12.0g、スチレン10.0g、MMA13.0g、CHMA30.0g、こはく酸モノ2−メタクリロイロキシエチル12.5、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.5g及びMA15.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200gに溶解し、さらにアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル4.0g及びα−メチルスチレンダイマー5.0gを投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、反応液を攪拌及び窒素バブリングしながら80℃に加熱し、5時間重合することにより、バインダー樹脂(E−2)を33質量%含む溶液を得た。このバインダー樹脂(E−2)は、GPC(溶出溶媒:THF)で測定したポリスチレン換算のMw=10,000、Mw/Mn=2.5であった。
実施例101
着色感放射線性組成物の調製
着色剤として着色剤分散液(D−1)100質量部、バインダー樹脂として樹脂(E−1)溶液34.1質量部、重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(商品名M−402、東亞合成株式会社製)11.3質量部、光重合開始剤としてエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(商品名IRGACURE OX02、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)4.2質量部、添加剤としてメガファックF−554(フッ素系界面活性剤、DIC株式会社製)を0.1質量部、及び溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチル162質量部を混合して、着色感放射線性組成物(CR−1)を得た。
得られた着色感放射線性組成物(CR−1)を、ガラス基板上に、スリットダイコーターを用いて塗布した後、100℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。
次いで、この基板を室温に冷却したのち、基板上の塗膜に、高圧水銀ランプを用い、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を、フォトマスクを介さずに、1,000J/m2の露光量で露光した。その後、220℃で20分間ポストベークを行い、基板上に赤色の硬化膜を形成した。
この基板を、60℃のN−メチルピロリドンに30分間浸漬した。そして、浸漬前後の色変化ΔEab*を求めた。ΔEab*が2未満である場合を「A」、2以上3未満である場合を「B」、3以上4未満である場合を「C」、4以上5未満である場合を「D」、5以上である場合を「E」として評価した。ΔEab*が小さいほど、耐溶剤性は良好であるといえる。結果を表5に示す。
ITO(インジウム−酸化錫合金)電極を所定形状に蒸着したガラス基板上に、着色組成物(CR−1)をスリットダイコーターを用いて塗布した後、90℃のクリーンオーブン内で10分間プレベークを行って、膜厚1.8μmの塗膜を形成した。
次いで、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を500J/m2の露光量で露光した。その後、この基板を23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液に1分間浸漬して、現像した後、超純水で洗浄して風乾し、更に180℃で30分間ポストベークを行い塗膜を硬化させて、基板上に赤色の硬化膜を形成した。
次いで、液晶セルを60℃の恒温層に入れて、液晶セルの電圧保持率(VHR)を、東陽テクニカ製液晶電圧保持率測定システムVHR−1A型(商品名)により測定した。このときの印加電圧は5.0Vの方形波、測定周波数は60Hzである。ここで電圧保持率とは、(16.7ミリ秒後の液晶セル電位差/印加直後の電圧)の値である。評価結果を表5に示す。電圧保持率の値が大きいほど、良好であることを意味する。特に電圧保持率が90%以上であれば、液晶セルは16.7ミリ秒の時間、印加電圧を所定レベルに保持できるため、十分に液晶を配向させることができ、残像等の「焼き付き」を起こすおそれが少なくなるため、好ましい。
実施例101において、各成分の種類及び量を表4に示すように変更した以外は実施例101と同様にして、着色感放射線性組成物(CR−2)〜(CR−15)を調製した。次いで、着色感放射線性組成物(CR−1)に変えて着色感放射線性組成物(CR−2)〜(CR−15)を用いた以外は実施例101と同様にして評価を行った。結果を表5に示す。
ただし、実施例102においては、得られた着色感放射線性組成物(CR−2)に対して更に、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチル−(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシドとMMAとの3:1(質量比)の共重合体を3.5質量部加え、実施例107においては、得られた着色感放射線性組成物(CR−7)に対して更に3−〔(3−ドデカン酸アミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−2−ヒドロキシプロパン−1−スルホナートを1.3質量部加え、実施例111においては、得られた着色感放射線性組成物(CR−11)に対して更に3−(ドデシルジメチルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロパン−1−スルホナートを0.5質量部加えた。
B−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(商品名M−402、東亞合成株式会社製)
B−3:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート並びにジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(商品名TO−1382、東亞合成株式会社製)
C−1:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(商品名IRGACURE OX02、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
C−3:2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
C−4:NCI−831(株式会社ADEKA社製)
F−1:3−エトキシプロピオン酸エチル
F−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
F−3:3−メトキシブチルアセテート
G−2:メガファックF−554(フッ素系界面活性剤、DIC株式会社製)
「oxi/oxe」は、(A)重合体を構成する全重合体中のオキシラニル基の総モル数とオキセタニル基の総モル数との割合を示し、また「woxi/woxe」は、(A)重合体を構成する全単量体に占める、オキシラニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)の総質量woxiとオキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)の総質量woxeとの割合を示す。
Claims (9)
- (A)下記の重合体(A1)、重合体(A2)及び重合体(A3)よりなる群から選ばれる重合体であって、重合体(A1)、又は重合体(A2)及び重合体(A3)の組み合わせである重合体、
重合体(A1):オキシラニル基及びオキセタニル基を有する重合体
重合体(A2):オキシラニル基を有する重合体(但し、前記重合体(A1)を除く)
重合体(A3):オキセタニル基を有する重合体(但し、前記重合体(A1)を除く)
(B)重合性化合物
(C)感放射線性重合開始剤、並びに
(D)着色剤
を含み、
前記(A)重合体中のオキシラニル基(oxi)と、オキセタニル基(oxe)との割合が、モル比(oxi/oxe)で3/97〜30/70である、感放射線性組成物。 - 前記重合体(A1)がオキシラニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)及びオキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)を含む単量体の共重合体であり、
前記重合体(A2)がオキシラニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)を含む単量体の重合体(但し、前記重合体(A1)を除く)であり、
前記重合体(A3)がオキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)を含む単量体の重合体(但し、前記重合体(A1)を除く)である、
請求項1に記載の感放射線性組成物。 - 前記不飽和単量体(a1)が、グリシジルエーテル基を有するエチレン性不飽和単量体又は炭素―炭素二重結合をエポキシ化した脂環式基を有するエチレン性不飽和単量体を含む、請求項2に記載の感放射線性組成物。
- 前記重合体(A1)〜(A3)のうち少なくとも1種が更に置換又は非置換のアミノ基を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- (D)着色剤が染料を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感放射線性組成物を用いて形成された硬化膜。
- 請求項8に記載の硬化膜を具備する表示素子。
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