JP6428275B2 - 樹脂成形体 - Google Patents

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本発明は、熱硬化性樹脂部材の表面の一部を熱可塑性樹脂部材で封止し、熱硬化性樹脂部材の表面の残部を熱可塑性樹脂部材より露出させてなる樹脂成形体に関する。
従来より、たとえば熱硬化性樹脂よりなる熱硬化性樹脂部材を、熱可塑性樹脂よりなる熱可塑性樹脂部材で封止した樹脂成形体として、特許文献1に記載のものが提案されている。このものでは、熱硬化性樹脂部材の全体を熱可塑性樹脂部材で封止したものとされている。
特許第4620303号公報
ところで、成形体の用途や構造によっては、部材の形状、検出形態や熱硬化性樹脂部材に加わる応力等を考慮して、熱硬化性樹脂部材の一部を熱可塑性樹脂部材から露出させることが必要となる。そこで、本発明者は、熱硬化性樹脂部材の全体を熱可塑性樹脂部材で封止するのではなく、熱可塑性樹脂部材によって熱硬化性樹脂部材の一部を封止する構成、つまり一部封止構成を検討した。
このような構成の場合、熱硬化性樹脂部材の表面の一部である封止面は、熱可塑性樹脂部材で封止されるが、当該表面の残部である露出面は、熱可塑性樹脂部材より露出する。また、一般に、熱硬化性樹脂に対する熱可塑性樹脂の密着性が悪いため、熱硬化性樹脂部材と熱可塑性樹脂部材との界面で剥離が生じやすい。
上記界面で剥離が発生すると、たとえば、上記界面のうち外部に露出する部分、すなわち、上記界面のうち熱硬化性樹脂部材における封止面と露出面との境界に位置する端部から、外部の水分や汚染物質等が、上記界面に沿って樹脂成形体の内部に侵入することになる。そのため、この一部封止構成においては、特に両樹脂部材間における剥離の抑制が望まれる。
そこで、本発明者は、熱硬化性樹脂部材における封止面の一部は、粗化処理されていない非粗化面とされ、封止面の残部は、非粗化面よりも粗化された粗化面とした。このような粗化面を形成する粗化処理は、レーザ照射等で表面除去の加工を行うものであり、粗化面は、非粗化面よりも段差を有して凹んだ面となる。
そして、熱可塑性樹脂部材には官能基を含有する添加剤を添加し、粗化面に存在する官能基と添加剤に存在する官能基とが化学結合されたものとする。この化学結合によって、熱硬化性樹脂部材と熱可塑性樹脂部材との間において高密着性を得ることができるため、熱硬化性樹脂部材と熱可塑性樹脂部材との密着性の向上が図れる。
なお、熱硬化性樹脂部材における封止面の全体を粗化面とするのではなく、封止面の一部を非粗化面とし、封止面の残部を粗化面としたのは、粗化処理のコストや粗化処理される熱硬化性樹脂部材の形状の制約等によるものである。
この場合、熱可塑性樹脂部材で封止されている封止面において、比較的密着性に劣る非粗化面で発生した剥離が、粗化面と非粗化面との境界まで進展すると、粗化面における剥離を誘発するおそれがある。そのため、本発明者は、さらに、この粗化面と非粗化面との境界において当該剥離を抑制することを考えた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、一部封止構成において、熱硬化性樹脂部材の封止面における非粗化面に発生する剥離が、粗化面と非粗化面との境界にて粗化面側へ進展するのを抑制できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、熱硬化性樹脂よりなる熱硬化性樹脂部材(10)と、熱硬化性樹脂部材の表面の一部である封止面(11)を封止する熱可塑性樹脂よりなる熱可塑性樹脂部材(20)と、を備え、熱硬化性樹脂部材の表面の残部である露出面(12)は、熱可塑性樹脂部材より露出している樹脂成形体であって、次のような特徴を有している。
すなわち、請求項1の樹脂成形体では、熱硬化性樹脂部材における封止面の一部は、粗化処理されていない非粗化面(11b)とされ、封止面の残部は、非粗化面よりも段差(11c)を有して凹み非粗化面よりも粗化された粗化面(11a)とされており、熱可塑性樹脂部材には官能基を含有する添加剤(20a)が添加され、粗化面に存在する官能基と添加剤に存在する官能基とが化学結合されており、
封止面における非粗化面と粗化面との境界には、非粗化面と熱可塑性樹脂部材との界面に発生する剥離の粗化面側への進展を抑制するための溝(11d)が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、まず、熱硬化性樹脂部材の表面が粗化面とされ、粗化面に存在する官能基と官能基含有添加剤に存在する官能基が化学結合された構造とされることで、熱硬化性樹脂部材と熱可塑性樹脂部材との密着性の向上が実現できる。
そして、溝により、非粗化面と粗化面との境界部分において封止面と熱可塑性樹脂部材との界面が屈折し、非粗化面と熱可塑性樹脂部材との界面に発生する剥離の粗化面側への進展経路も屈折するから、当該剥離に関する応力拡大係数が低減する。また、溝の分、非粗化面と粗化面との間の沿面距離が長くなる。よって、本発明によれば、熱硬化性樹脂部材の封止面における非粗化面に発生する剥離が、粗化面と非粗化面との境界にて粗化面側へ進展するのを抑制することができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の第1実施形態にかかる樹脂成形体としての半導体装置を示す概略断面図である。 図1中の半導体装置における熱硬化性樹脂部材を模式的に示した外観斜視図である。 図1中の丸で囲まれたA部を拡大して示す概略断面図である。 図1に示される半導体装置の製造工程中の断面のうち図1中の領域Rを拡大した図である。 図4に続く製造工程中の断面のうち図1中の領域Rを拡大した図である。 図5に続く製造工程中の断面のうち図1中の領域Rを拡大した図である。 図6に続く製造工程中の断面のうち図1中の領域Rを拡大した図である。 本発明の第2実施形態にかかる半導体装置における要部を示す概略断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる半導体装置における要部を示す概略断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる半導体装置における要部を示す概略断面図である。 本発明の第5実施形態にかかる半導体装置における要部を示す概略断面図である。 本発明の第6実施形態にかかる半導体装置における要部を示す概略断面図である。 本発明の第7実施形態にかかる樹脂成形体としての半導体装置を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる樹脂成形体について、図1〜図3を参照して述べる。なお、図1、図3では、後述する熱硬化性樹脂部材10の表面に形成された粗化面11aの凹凸形状、段差11c、および、溝11dについては、わかりやすくするために、大きくデフォルメして示してある。また、図2では、熱硬化性樹脂部材10の表面に形成された粗化面11aについて、その表面に斜線ハッチングを施して示している。また、図3では、熱可塑性樹脂部材20中の添加剤20aを省略してある。
この樹脂成形体は、たとえば自動車などの車両に搭載され、車両用の各種電子装置を駆動するための半導体装置として適用されるものである。本実施形態の樹脂成形体としての半導体装置は、熱硬化性樹脂部材10と熱硬化性樹脂部材10の表面の一部を封止する熱可塑性樹脂部材20とを備えて構成されている。
熱硬化性樹脂部材10は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂よりなるもので、必要に応じて、当該樹脂中にシリカやアルミナ等の絶縁性材料よりなるフィラーが含有されていてもよい。このような熱硬化性樹脂部材10は、トランスファー成形、コンプレッション成形、あるいは、ポッティング法等による成形および熱硬化処理を行うことで、形成されたものである。
また、熱可塑性樹脂部材20は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPBT(ポリフェニレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂よりなるもので、熱硬化性樹脂部材10の一部を封止するように射出成形を行うことにより、形成されたものである。この熱可塑性樹脂部材20内には、官能基を含有する添加剤20aが添加されている。
添加剤20aは、水酸基、エポキシ基、アミノ基、カルボニル基などのいずれか1つもしくは複数の官能基を有するポリマーよりなるものである。この添加剤20aが熱硬化性樹脂部材10の粗化面11aに存在する官能基と化学反応して、高密着性な熱硬化性樹脂−熱可塑性樹脂接合を可能としている。
このような添加剤20aが添加された熱可塑性樹脂部材20が熱硬化性樹脂部材10の表面の一部を封止することにより、熱硬化性樹脂部材10の表面の一部は、熱可塑性樹脂部材20により封止された封止面11とされている。そして、熱硬化性樹脂部材10の表面のうち封止面11以外の部分である残部は、熱可塑性樹脂部材20より露出する露出面12とされている。
ここでは、図1および図2に示されるように、熱硬化性樹脂部材10は、直方体状のブロック形状をなすものとして構成されている。そして、この熱硬化性樹脂部材10の長手方向の一端10a側における熱硬化性樹脂部材10の表面の一部が、封止面11とされ、当該長手方向の他端10b側における熱硬化性樹脂部材の表面の残部が、露出面12とされている。
さらに具体的に言うならば、図1、図2に示される熱硬化性樹脂部材10は、長手方向の一端面とこれに対向する他端面、および、長手方向に延びる4個の側面を有する直方体をなしている。
そして、熱硬化性樹脂部材10の封止面11は、当該長手方向の一端面と4個の側面のうちの当該長手方向の一端10a側の部位とされている。一方、熱硬化性樹脂部材10の露出面12は、当該長手方向の他端面と4個の側面のうちの当該長手方向の他端10b側の部位とされている。
熱硬化性樹脂部材10は、その内部に、熱硬化性樹脂部材10により封止された第1の被封止部品としての半導体素子30、第2の被封止部品としての電気接続部材40を有している。
第1の被封止部品である半導体素子30は、磁気センサや光センサ、あるいは、圧力センサ等に用いられるシリコン半導体等よりなるセンサチップである。このような半導体素子30は、通常の半導体プロセスにより形成されるものである。
たとえば、磁気センサ用の半導体素子30の場合、半導体素子30の全体が熱硬化性樹脂部材10により封止されており、半導体素子30は、熱硬化性樹脂部材10を介して外部の磁気を検出するようにしている。
また、光センサや圧力センサ用の半導体素子30の場合、半導体素子30の一部を開口させる図示しない開口部が、熱硬化性樹脂部材10に形成され、半導体素子30は、当該開口部を介して光や圧力を検出するようになっている。
ここで、本実施形態では、熱硬化性樹脂部材10のうち半導体素子30を封止している部分の一部を、熱可塑性樹脂部材20より露出させることで、たとえば半導体素子30に対して余分な応力が加わらないようにしている。
一方、第2の被封止部品である電気接続部材40は、半導体素子30と半導体装置の外部の図示しない配線部材とを電気的に接続するためのものである。ここでは、電気接続部材40の一部41は熱硬化性樹脂部材10に被覆されて、残部42は熱硬化性樹脂部材10における封止面11より突出する。また、電気接続部材40の残部42は、熱硬化性樹脂部材10の外部にて熱可塑性樹脂部材20により封止され、かつ、その先端部が熱可塑性樹脂部材20から露出させられている。
ここで、電気接続部材40の一部41は、熱硬化性樹脂部材10内にて、半導体素子30と電気接続されている。この半導体素子30との接続手法は特に限定するものではないが、ここでは、AlやAu等のボンディングワイヤ50により接続されている。
一方、熱可塑性樹脂部材20は、電気接続部材40の残部42を封止しているが、熱可塑性樹脂部材20には開口部21が形成されている。そして、この開口部21において、電気接続部材40の残部42のうちのさらに一部が、熱可塑性樹脂部材20の外部に露出している。
この熱可塑性樹脂部材20の開口部21は、図示しない外部の配線部材、たとえばコネクタ部材等が挿入されて接続される部位であり、それにより、この外部の配線部材と電気接続部材40とが、電気的に接続されるようになっている。
つまり、電気接続部材40は、半導体素子30の検出や出力等の用をなすものとして機能し、半導体素子30は、電気接続部材40を介して、装置の外部との電気的なやり取りを可能としている。このような電気接続部材40として、本実施形態では、CuやAl等の棒状部材よりなるターミナル端子を用いているが、その他、回路基板などを電気接続部材40として用いてもよい。
そして、図1〜図3に示されるように、本実施形態においては、熱硬化性樹脂部材10における封止面11の一部は、粗化処理された粗化面11aとされ、封止面11の残部は粗化処理されていない非粗化面11bとされている。この粗化面11aは、非粗化面11bよりも段差11cを有して凹み非粗化面11bよりも粗化された面である。
また、非粗化面11bは、粗化処理されていない面であるが、熱硬化性樹脂部材10における露出面12も、非粗化面11bと同様、粗化処理されていない面である。つまり、非粗化面11bと露出面12とは、前者が熱可塑性樹脂部材20で封止され、後者が露出しているという点では相違するものの、性状は同一の連続した面である。
粗化面11aは、後述する製造方法のうちの表面層除去工程により形成されるものであり、この粗化面11aの粗化度合(表面粗さRa)は、非粗化面11bおよび露出面12よりも大きくされている。
具体的には、この粗化面11aの表面粗さRaは、数μm以上(たとえば3μm以上)とされている。逆に言えば、非粗化面11bおよび露出面12は、後述する表面層13(図4参照)が存在する面に相当する。なお、表面粗さRaは、JIS(日本工業規格の略称)に定義されている算術平均粗さRaである。
また、上述したように、第2の被封止部品である電気接続部材40の残部42は、熱硬化性樹脂部材10における封止面11より突出し、熱可塑性樹脂部材20により封止されている。
熱硬化性樹脂部材10において露出面12と電気接続部材40の残部42との間に位置する封止面11には、上記した粗化面11aが、電気接続部材40の残部42の周りに連続した閉環形状をなすように設けられている。
ここでは、図2に示されるように、電気接続部材40の残部42は、直方体状の熱硬化性樹脂部材10の一端面から突出している。そして、粗化面11aの配置パターンは、直方体状の熱硬化性樹脂部材10における4個の側面に渡って連続する閉環状のパターンとされている。
また、本実施形態では、図1、図2に示されるように、粗化面11aは、熱硬化性樹脂部材10における封止面11内にのみ、つまり熱可塑性樹脂部材20の内側にのみ形成されている。このため、粗化面11aの両端部は、熱可塑性樹脂部材20の内側に位置している。
ここで、上述したように、粗化面11aは封止面11の表面層13(図4参照)を全面除去した面であることから、熱硬化性樹脂部材10の表面のうち粗化面11a以外の部分に対して粗化面11aが凹むように、これらの間には上記した段差11cが形成されている。この段差11cの高さ、すなわち、非粗化面と粗化面との高さの差は、数μm以上(たとえば5μm以上)である。
そして、本実施形態では、粗化面11aの両端部が熱可塑性樹脂部材20で封止されていることから、この粗化面11aの両端部にて、粗化面11aと非粗化面11bとの境界が存在する。つまり、本実施形態では、封止面11において当該境界が2箇所存在するものとされている。
[剥離抑制用の溝について]
さらに、本実施形態では、図1に示されるように、封止面11における非粗化面11bと粗化面11aとの境界には、剥離抑制用の溝11dが設けられている。この溝11dは、非粗化面11bと粗化面11aとの間に位置することで、非粗化面11bと熱可塑性樹脂部材20との界面に発生する剥離が粗化面11a側へ進展するのを抑制するものである。この溝について、図3も参照して述べる。
この溝11dは、非粗化面11bと熱可塑性樹脂部材20との界面に発生する剥離の粗化面11a側への進展経路を屈折させ、非粗化面11bと粗化面11aとの間の沿面距離の増加を行う機能を持つ。
具体的には、溝11dは、粗化面11aおよび非粗化面11bの両面よりも凹むように深く掘り込まれた溝として構成されている。そして、溝11dの深さは、粗化面11aの凹凸による段差寸法(つまり凹凸間の段差の高さ)よりも深いものとされている。
また、本実施形態では、封止面11における2箇所の粗化面11aと非粗化面11bとの境界において、溝11dは、直方体状の熱硬化性樹脂部材10における4個の側面に渡って連続する閉環状のパターンにて配置されている。
ここでは、図3に示されるように、溝11dは、深さ方向に幅が細くなる断面V字状の溝、いわゆるV溝である。そして、溝11dは段差11cの部分に形成されており、非粗化面11b、段差11c、溝11d、粗化面11aが連続する配置とされている。
そのため、溝11dにおける非粗化面11b側の内壁面は、段差11cの壁面を溝11dの底部側へ延長した面として構成されており、当該内壁面と段差11cの壁面とは実質と同一の傾斜面とされている。また、溝11dにおける粗化面11b側の内壁面は、粗化面11aに隣接している。
また、図3に示される溝11dにおける非粗化面11b側の内壁面と非粗化面11bとのなす角度θは、45°よりも大きいことが望ましい。つまり、溝11dにおける非粗化面11b側の内壁面は、非粗化面11bに対して急峻であるほど好ましく、本実施形態のように、溝11dをV溝とすることで急峻性を実現しやすい。
[製造方法等]
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法について、図4〜図7も参照して述べる。まず、図4に示される硬化モールド工程では、熱硬化性樹脂部材10の原料である熱硬化性樹脂材料を用い、この熱硬化性樹脂材料を加熱して硬化完了させることにより、熱硬化性樹脂部材10を形成する。
具体的に、この硬化モールド工程では、半導体素子30と電気接続部材40とをボンディングワイヤ50で接続したものを、トランスファー成形、コンプレッション成形あるいはポッティング等により封止し、さらに、このものを加熱、硬化する。こうして、熱硬化性樹脂部材10ができあがる。
この硬化モールド工程で形成された熱硬化性樹脂部材10の最表面には、汚染物よりなる表面層13が存在する。汚染物は、熱硬化性樹脂部材10の構成材料中に存在するが、加熱成形時に最表面に浮き出てきて、それよりも内側にはあまり存在しない状態となる。ここで、汚染物とは、たとえば離型剤や工程中に熱硬化性樹脂部材10の表面に付着した異物等である。離型剤とは、上記成形において型離れ性を確保するために、金型表面に設けられたり、熱硬化性樹脂材料自身に混合されたりするもので、たとえばシロキサンや脂肪酸等よりなる。
次に、図5に示されるように、熱硬化性樹脂部材10に対して表面層除去工程を行う。この工程では、熱硬化性樹脂部材10における封止面11の一部、すなわち封止面11のうちの粗化面11aを形成する部位において、最表面に位置する表面層13を除去することで当該部位を新生面14とする。
具体的には、封止面11のうちの粗化面11aの形成予定位置に対して、レーザ照射、ショットブラスト、研磨等の手法を用い、表面層13を除去する。これら手法は、処理表面を削って凹凸を形成するものであり、レーザ照射が最も望ましい手法である。粗化面11aを形成する際の封止面11の除去深さは、表面層13を除去できる程度で良く、数μm以上(たとえば5μm以上)とされていれば良い。
これら手法により、汚染物としての表面層13が除去されるとともに、表面層13の下地としての新生面14が粗化される。それによって、新生面14は、アンカー効果が付与されて熱可塑性樹脂部材20との密着性に優れた粗化面11aとされる。また、この粗化面11aとしての新生面14には、実際には図6に示すように、熱硬化性樹脂部材10を構成する熱硬化性樹脂における水酸基やエポキシ基等のいずれか1つもしくは複数が官能基として存在している。
なお、表面層除去工程においては、特にレーザ照射を用いると、新生面14が焼けて酸化された部分に存在する官能基がさらに化学反応を促進して高密着性を実現することが可能となるため好ましい。また、OH基などの官能基をより新生面14に多く存在させるために、熱硬化性樹脂部材10の新生面14に、コロナ放電処理を施すことも望ましい。
こうして、表面層除去工程を行った後、図示しないが、封止面11のうちの非粗化面11bと粗化面11aとの境界となる部位に、溝11dを形成する(溝形成工程)。この溝11dは、レーザ照射で熱硬化性樹脂部材10の表面を掘ることにより形成されるが、たとえばフェムト秒レーザを用いると、上記したように急峻な溝11dを形成しやすい。
なお、硬化モールド工程において熱硬化性樹脂部材10を成形するときに、熱硬化性樹脂部材10における溝11dの形成部位を予め、多少凹ませておき、その後、溝形成工程にてレーザで溝11を形成するようにしても良い。
この溝形成工程の後、図7に示される可塑モールド工程を行う。この工程では、官能基が存在する熱硬化性樹脂部材10の新生面14としての粗化面11aに対して、熱可塑性樹脂部材20の原料である添加剤20aを添加した熱可塑性樹脂材料を射出成形する。
たとえば、添加剤20aとなる官能基を有するポリマーを母材となる熱可塑性樹脂材料に混練することにより、添加剤20aを添加した熱可塑性樹脂材料を得ることができる。これにより、粗化面11aに存在する官能基と添加剤20aに存在する官能基とが化学結合しつつ、熱硬化性樹脂部材10における封止面11が熱可塑性樹脂部材20で封止される。
この可塑モールド工程における化学結合としては、たとえば熱硬化性樹脂部材10がエポキシ樹脂である場合、エポキシ樹脂中の水酸基やエポキシ基が添加剤20aに存在する水酸基、エポキシ基、アミノ基、カルボニル基と化学結合することになる。
そして、水酸基同士の結合やエポキシ基同士の結合などとされる場合、共有結合となるため、より強度の高い化学結合となる。つまり、添加剤20aの構成材料として、熱硬化性樹脂部材10の構成材料に含まれる官能基と同じ官能基を少なくとも1つ含む材料を用いることで共有結合を実現できる。
そして、この化学結合により、熱硬化性樹脂部材10における新生面14としての粗化面11aと熱可塑性樹脂部材20との間の高密着性を得ることができるのである。こうして、本実施形態の樹脂成形体としての半導体装置ができあがる。
なお、上記の表面層形成工程以降の各工程は、熱硬化性樹脂部材10の表面の一部に対して選択的に処理を行うものであるため、処理を行わない表面には適宜マスキング等を施したうえで、当該各工程を行うようにする。
[効果等]
ところで、本実施形態によれば、熱硬化性樹脂部材10における封止面11と当該封止面11を封止する熱可塑性樹脂部材20との界面では、封止面11上の汚染物が除去された新生面14としての粗化面11aが形成される。この粗化面11aにおいて上記官能基を介した熱硬化性樹脂部材10と熱可塑性樹脂部材20との化学結合が実現される。
そして、この化学結合によって、熱硬化性樹脂部材10と熱可塑性樹脂部材20との間において高密着性を得ることができる。そのため、本実施形態によれば、熱硬化性樹脂部材10と熱可塑性樹脂部材20との密着性の向上が実現できる。
また、本実施形態によれば、溝11dの分、非粗化面11bと粗化面11aとの境界部分において封止面11と熱可塑性樹脂部材20との界面が屈折する。このことは、非粗化面11bと熱可塑性樹脂部材20との界面に発生する剥離の粗化面11a側への進展経路が屈折することであるから、当該剥離に関する応力拡大係数を低減することができる。この応力拡大係数が低くなれば、剥離応力の集中が緩和される。
また、溝11dの分、非粗化面11bと粗化面11aとの間の沿面距離が長くなる。よって、本実施形態によれば、熱硬化性樹脂部材10の封止面11における非粗化面11bに発生する熱可塑性樹脂部材20の剥離が、粗化面11aと非粗化面11bとの境界にて粗化面11a側へ進展するのを抑制することができる。
また、上述したが、粗化面11aは封止面11の表面層13を全面除去した面であるが、この場合の除去は上述のようにレーザ照射などにより行われる。この表面層除去工程の直後において、粗化面11aと非粗化面11bとの段差11cが形成されるが、この段差11cの壁面と非粗化面11bとのなす角度は最大でも45°程度である。溝11dによる上記沿面距離の増加度合にもよるが、この程度の角度では、上記剥離に関する応力拡大係数の低減は不十分となりやすく、上記剥離の進展が懸念される。
その点、本実施形態によれば、溝11dの形成により、溝11dにおける非粗化面11b側の内壁面と非粗化面11bとのなす角度θを、45°よりも大きいものにできる。この角度θは上記剥離の進展経路の屈折度合に相当するもので、この角度θが大きいほど、剥離に関する応力拡大係数が低減する。これにより、本実施形態によれば、剥離に関する応力拡大係数も大幅に低減でき、剥離進展の抑制がいっそう確実なものになることが期待される。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、図8を参照して述べる。図8では、本実施形態の半導体装置における要部として、非粗化面11bと粗化面11aとの境界近傍部分を示している。本実施形態では、上記第1実施形態との相違点を中心に述べることとする。
上記図3に示した第1実施形態の場合、溝11dにおける非粗化面11b側の内壁面と非粗化面11bとのなす角度θは、45°よりも大であり、フェムト秒レーザによれば85〜90°程度まで急峻な溝11dを形成できるものであった。
これに対して、図8に示されるように、本実施形態では、角度θを90°より大きいもの、たとえば100°以上の鈍角としたV溝により、溝11dを構成している。このような角度θを有する本実施形態の溝11dについては、フェムト秒レーザを被照射面に対して斜めに照射させることで形成が可能である。
そして、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の剥離進展の抑制効果を発揮できるとともに、角度θをより大きくすることで、上記剥離に関する応力拡大係数のさらなる低減が期待でき、剥離抑制の点で望ましい。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について、図9を参照して、上記第1実施形態との相違点を中心に述べることとする。
本実施形態においても、図9に示されるように、剥離抑制用の溝11dは、封止面11における非粗化面11bと粗化面11aとの境界に設けられたV溝であり、非粗化面11bと粗化面11aとの間に位置している。ここで、上記第1実施形態では、溝11dは、粗化面11aに連続して配置されていたが、本実施形態の溝11dは、封止面11において、粗化面11aの端部とは所定距離、離れて設けられたものとされている。
このような本実施形態の溝11dも、上記第1実施形態と同様、フェムト秒レーザ等のレーザ照射により形成される。そして、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が発揮されるが、溝11dと粗化面11aとを離した分、非粗化面11bと粗化面11aとの間の沿面距離を長くできるため、剥離進展の抑制の点で望ましい。
なお、本実施形態のような溝11dと粗化面11aとを離した構成は、角度θを90°より大きいものとした溝11dを採用する上記第2実施形態とも組み合わせが可能であることは言うまでもない。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について、図10を参照して、上記第1実施形態との相違点を中心に述べることとする。
図10に示されるように、本実施形態の剥離抑制用の溝11dは、上記第1実施形態ではV溝であったものを、断面U字形状の溝、いわゆるU溝としたものである。このようなU溝としての溝11dは、たとえば低パワーのレーザ照射を行いながら、対象物をゆっくり回転させる等により、溝の底部を曲面状に加工することで形成される。
そして、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が発揮される。なお、溝11dはV溝である方が、底部の屈折度合がU溝よりも急峻なものとされるため、剥離抑制の点で好ましいといえる。
また、本実施形態のような溝11dをU溝とした構成であっても、レーザの照射角度を調整することにより、上記した角度θを90°より大きいものにできる。そのため、本実施形態は、上記第2実施形態と組み合わせることが可能である。また、このようなU溝としての溝11dであっても、上記第3実施形態のように、溝11dと粗化面11aとを離した構成が適用できることはもちろんである。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について、図11を参照して、上記第1実施形態との相違点を中心に述べることとする。図11に示されるように、本実施形態は、上記第1実施形態のような溝11dを形成することに替えて、封止面11における非粗化面11bと粗化面11aとの間の段差11cにおける壁面11eに、凹凸処理を施したものとしている。
この凹凸処理は、非粗化面11bと熱可塑性樹脂部材20との界面に発生する剥離の粗化面11a側への進展を抑制するためのものである。ここでは、図11に示されるように、上記表面層除去工程で形成された段差11cの壁面11eに対して、レーザ照射により階段状の凹凸を形成している。
具体的には、レーザ走査において照射パワーを段階的に減少させ、掘り込みの深さを減らしていくことで、本実施形態のような階段状の壁面11eが形成される。あるいは、照射パワーを段階的に増加させ、掘り込みの深さを大きくしていくことでも、本実施形態のような階段状の壁面11eが形成される。
本実施形態のように、段差11cの壁面11eを凹凸処理されたものにすることで、非粗化面11bと粗化面11aとの間の沿面距離の増加と、段差11cにおける熱可塑性樹脂部材20の密着性向上とが実現される。
そのため、本実施形態によっても、熱硬化性樹脂部材10の封止面11における非粗化面11bに発生する剥離が、粗化面11aと非粗化面11bとの境界にて粗化面11a側へ進展するのを抑制することができる。
なお、本実施形態の場合、階段状の壁面11eにおける階段の角部の角度を、45°よりも大きいもの、望ましくは90°程度のものとすることにより、上記した剥離の進展経路の屈折度合を大きくすることができ、剥離抑制の点で好ましい。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について、図12を参照して述べる。本実施形態は、上記第5実施形態と同様に、段差11cにおける壁面11eに、凹凸処理を施したものであるが、この凹凸処理による凹凸形状を変形したものである。
本実施形態における段差11cの壁面11eの凹凸処理は、図12に示されるように、レーザ照射により形成された微細な凹凸を形成したものである。この微細な凹凸を形成することは、たとえば、上記表面層除去工程で形成された段差11cの壁面11eに対して低パワーのレーザ照射を施すことにより実現される。
そして、本実施形態によっても、段差11cの壁面11eを凹凸処理されたものにすることで、上記第5実施形態と同様、沿面距離の増加および熱可塑性樹脂部材20の密着性向上が実現される。そのため、本実施形態によっても、上記第5実施形態と同様の剥離進展の抑制効果が発揮される。
ここで、上記した第5、第6実施形態は、上記第1〜第4実施形態に組み合わせてもよい。つまり、上記第1〜第4実施形態における段差11cの壁面に、第5、第6実施形態と同様の凹凸処理を施してやればよい。
さらに言えば、上記各実施形態は、剥離に関する応力拡大係数を低減させるための溝11dや凹凸といった凹形状を有する剥離抑制部を、封止面11における非粗化面11bと粗化面11aとの間、あるいは段差11cの壁面11eに設けたものである。そして、これにより、当該境界における熱可塑性樹脂部材20の剥離経路の屈折、沿面距離の増加、あるいは熱可塑性樹脂部材の密着性の向上を図り、当該剥離の進展を抑制するようにしたものである。
(他の実施形態)
なお、上記図1に示した半導体装置においては、熱硬化性樹脂部材10の封止面11における粗化面11aと非粗化面11bとの境界は、2箇所存在していたが、封止面11における当該境界は少なくとも1箇所あればよく、さらには3箇所以上であってもよい。ここで、当該境界が1箇所である半導体装置の例を図13に示しておく。
図13に示される半導体装置では、熱硬化性樹脂部材10の粗化面11aの一端側(図13の右側)は封止面11に位置するが、他端側(図13の左側)は露出面12に位置している。この場合、この粗化面11aの一端側に、封止面11における粗化面11aと非粗化面11bとの境界が存在する。そして、この境界において、上記各実施形態に示した溝11dの形成や凹凸処理を行うようにすればよい。
また、溝11dとしては、非粗化面11bと熱可塑性樹脂部材20との界面に発生する剥離の粗化面11a側への進展を抑制するものであればよく、上記した各実施形態に示したような形状等に限定されるものではない。
また、段差11cにおける壁面11eに施される凹凸処理についても、非粗化面11bと熱可塑性樹脂部材20との界面に発生する剥離の粗化面11a側への進展を抑制するものであればよく、上記した各実施形態に示したような形状等に限定されるものではない。
また、熱可塑性樹脂部材20としては、上記した添加剤20a以外に、通常、ガラスファイバー等の機械的強度を増加させるための強化繊維が含有される。この場合、強化繊維の配向方向を、非粗化面11bと熱可塑性樹脂部材20との界面に発生する剥離の粗化面11a側への進展経路に沿った方向とすることが望ましい。
このような熱可塑性樹脂部材20中の強化繊維の配向方向は、射出成形における樹脂の流れ方向により規定することができる。つまり、射出成形において当該流れ方向を、上記した剥離の進展経路に沿った方向とすればよい。
このように強化繊維の配向方向を揃えた熱可塑性樹脂部材20においては、強化繊維の配向方向における樹脂の線膨張係数が、強化繊維の配向方向と直交する方向における樹脂の線膨張係数よりも小さくなる。このような線膨張係数の状態とすれば、非粗化面11bと熱可塑性樹脂部材20との界面に発生する剥離が、粗化面11a側へ進展しにくくなるため、好ましい。
また、第1の被封止部品および第2の被封止部品としては、熱硬化性樹脂部材10で封止されることが可能なものであればよく、上記した半導体素子30や電気接続部材40あるいは回路基板に限定されるものではない。
また、熱硬化性樹脂部材10の形状は、上記した直方体状のものに限定されるものではなく、球状、その他、不定形状などであってもよい。また、熱可塑性樹脂部材20の封止形態は、熱硬化性樹脂部材10の表面の一部が封止され残部が露出するものであればよく、上記図示例のような熱硬化性樹脂部材10の一端10a側が封止面11、他端10b側が露出面とされたものに限定するものではない。
また、上記実施形態では、樹脂成形体は半導体装置であり、熱硬化性樹脂部材10の内部には、熱硬化性樹脂部材10で封止された被封止部品となる半導体素子30などが設けられたものであった。しかし、樹脂成形体としては、このような半導体装置に限定されるものではなく、たとえば熱硬化性樹脂部材10として被封止部品を持たない構成のものであってもよい。
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能であり、また、上記各実施形態は、上記の図示例に限定されるものではない。
10 熱硬化性樹脂部材
11 熱硬化性樹脂部材の封止面
11a 封止面における粗化面
11b 封止面における非粗化面
11c 段差
11d 溝
11e 段差の壁面
12 熱硬化性樹脂部材の露出面
20 熱可塑性樹脂部材
20a 添加剤

Claims (5)

  1. 熱硬化性樹脂よりなる熱硬化性樹脂部材(10)と、
    前記熱硬化性樹脂部材の表面の一部である封止面(11)を封止する熱可塑性樹脂よりなる熱可塑性樹脂部材(20)と、を備え、
    前記熱硬化性樹脂部材の表面の残部である露出面(12)は、前記熱可塑性樹脂部材より露出している樹脂成形体であって、
    前記熱硬化性樹脂部材における前記封止面の一部は、粗化処理されていない非粗化面(11b)とされ、前記封止面の残部は、前記非粗化面よりも段差(11c)を有して凹み前記非粗化面よりも粗化された粗化面(11a)とされており、
    前記熱可塑性樹脂部材には官能基を含有する添加剤(20a)が添加され、前記粗化面に存在する官能基と前記添加剤に存在する官能基とが化学結合されており、
    前記封止面における前記非粗化面と前記粗化面との境界には、前記非粗化面と前記熱可塑性樹脂部材との界面に発生する剥離の前記粗化面側への進展を抑制するための溝(11d)が設けられていることを特徴とする樹脂成形体。
  2. 前記溝における前記非粗化面側の内壁面と前記非粗化面とのなす角度θが、45°よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 前記角度θが90°よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の樹脂成形体。
  4. 前記溝は、深さ方向に幅が細くなる断面V字状の溝であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の樹脂成形体。
  5. 前記溝は、前記封止面において、前記粗化面の端部とは離れて設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の樹脂成形体。
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