(実施の形態1)
次に図面を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。まず図1を参照して、基板に部品を実装して実装基板を製造する部品実装システム1について説明する。部品実装システム1は、電子部品実装用装置である印刷装置M1、基板受渡し装置M2、検査・搭載装置M3、部品搭載装置M4、M5、検査・搭載装置M6、基板受渡し装置M7及びリフロー装置M8を、作業対象の基板4を搬送する基板搬送方向(X方向)に連結して成る部品実装ラインを主体として含む。
また、各部品実装用装置は通信ネットワーク2により接続され、管理コンピュータの機能を有するホスト装置3により制御される。また、ホスト装置3には、後述する部品認識データの検査のためのオフラインカメラユニット5が接続されている。上記のM1からM8の各部品実装用装置及びホスト装置3、オフラインカメラユニット5により部品実装システム1が構成されている。また、少なくともホスト装置3及びオフラインカメラユニット5により後述する部品認識データ検査システムが構成されている。部品認識データ検査システムは、検査・搭載装置M3,M6や部品搭載装置M4,M5において、認識対象の部品を撮像して得られた画像データに基づいてこの部品を認識するために用いられる部品認識データを作成する機能と、作成した部品認識データの検査を行う機能を有する。部品認識データ検査システムで作成された部品認識データは、検査を受けた後にホスト装置3から通信ネットワーク2を介して各部品実装用装置へ送信される。
次に図2を参照して、部品実装システム1における部品実装機能について説明する。ここでは部品搭載装置M4、M5の構成を示しているが、検査・搭載装置M3,M6における部品実装機能についても同様である。基台11の上面には基板搬送機構12がX方向に配設されている。基板搬送機構12は基板4を搬送して以下に説明する部品実装機構による実装作業位置に位置決め保持する。
基板搬送機構12の両側には部品供給部14が配設されており、部品供給部14には複数のテープフィーダ15が並設されている。テープフィーダ15は実装対象の部品を保持したキャリアテープをピッチ送りすることにより、部品を後述する搭載ヘッド18によるピックアップ位置に供給する。基台11の上面におけるX方向の一端部には、リニア駆動機構が設けられたY軸移動機構16がY方向に配設されている。Y軸移動機構16には2つのX軸移動機構17がY方向に移動自在に装着されており、それぞれのX軸移動機構17には搭載ヘッド18がリニア駆動機構によってX方向に移動自在に装着されている。
搭載ヘッド18は複数の単位移載ヘッド19(ここでは4個)を備えた多連型ヘッドであり、各単位移載ヘッド19の下端部には部品Pを吸着する吸着ノズル19a(図3)が装着されている。吸着ノズル19aは単位移載ヘッド19に内蔵された回転機構によって水平回転する。Y軸移動機構16及びX軸移動機構17を駆動することにより、2つの搭載ヘッド18はX方向、Y方向に水平移動し、対応する部品供給部14から部品Pを取り出して実装作業位置に位置決め保持された基板4に搭載する。Y軸移動機構16及びX軸移動機構17は、搭載ヘッド18を移動させるヘッド移動機構を構成する。また搭載ヘッド18は、部品供給部14から部品Pを取り出して基板4に搭載する部品搭載手段となっている。
ヘッド移動機構による搭載ヘッド18の移動経路には、ラインカメラ20が撮像面を上面に向けて設けられている。ラインカメラ20は、上方に照明光を照射する複数の光源を有する部品認識用照明20aを備えている。図3に示すように、部品Pを吸着ノズル19aによって保持した搭載ヘッド18がラインカメラ20の上方をスキャン方向(X方向)へ移動することにより(矢印a)、ラインカメラ20は吸着ノズル19aに保持された状態の部品Pを撮像する。この撮像時においては、部品認識用照明20aによって部品Pが照明される。ラインカメラ20は部品Pを撮像する撮像装置となっている。
図2において、X軸移動機構17の下面には搭載ヘッド18と一体的に移動する基板認識カメラ21が撮像面を下面に向けて設けられている。基板認識カメラ21は搭載ヘッド18とともに基板4上へ移動し、基板4や基板4に設定された部品実装点を撮像する。搭載ヘッド18による部品Pの搭載動作は、ラインカメラ20、基板認識カメラ21による画像データを認識処理した認識結果に基づき、搭載ヘッド18による部品Pの位置決めが行われたうえでなされる。このように、部品搭載装置M4,M5は、部品搭載手段によって部品供給部14から部品Pを取り出して保持し、部品搭載手段に保持された部品Pの認識を行って基板4に搭載する。
次に図4及び図5を参照して、部品認識データ検査システムの構成を説明する。部品認識データ検査システムは、前述したようにホスト装置3及びオフラインカメラユニット5を少なくとも含んで構成される。まず、図4及び図5を参照してオフラインカメラユニット5について説明する。オフラインカメラユニット5は、ベース部5aの上方を閉囲して覆う安全カバー5b内に以下の各要素を有する。オフラインカメラユニット5は、有線もしくは無線によりホスト装置3にネットワーク接続されている。
ベース部5aに立設された支持ポスト22には、ボールねじ23aをラインカメラ移動モータ23bによって回転駆動する構成の単軸移動テーブル23が架設されている。単軸移動テーブル23には、部品搭載装置M4,M5において部品Pの撮像に用いられるラインカメラ20と同様構成のラインカメラ120が装着されている。ラインカメラ120は撮像方向を下面に向けた姿勢で配設されており、部品認識用照明20aと同様構成の部品認識用照明120aを備えている。単軸移動テーブル23を駆動することにより、ラインカメラ120は以下に説明する部品載置部25に対して水平移動する(矢印b)。これにより、部品載置部25に載置された部品Pをラインカメラ120によって撮像するためのスキャンが行われる。単軸移動テーブル23は、ラインカメラ120を部品載置部25に対して一方向に相対移動させる相対移動機構となっている。
ベース部5aの上面には、部品Pをラインカメラ120に対向させて載置するための部品載置部25が配置されている。部品載置部25は、部品Pを保持する昇降テーブル28の下面側に下部テーブル26を配設した構成となっている。昇降テーブル28は下部テーブル26に対して上下方向の位置が可変であり、これにより部品Pの高さ位置をラインカメラ120による合焦位置に合わせることができるようになっている。
図5に示すように、部品載置部25の前面部には安全カバー5bを部分的に切り欠いて部品Pを出し入れ可能とした出入用開口部5cが形成されている。出入用開口部5cは開閉扉5dによって開閉自在となっている。
次に図6を参照して、部品認識データ検査システムの制御系の構成について説明する。オフラインカメラユニット5の制御部29は、部品画像取得部30を備えている。ホスト装置3の制御部31は、認識処理部32、部品認識データ作成部33、認識不良データ作成部34、認識不良判定部35及び記憶部36を備えている。制御部29は、ラインカメラ移動モータ23b、ラインカメラ120、部品認識用照明120aと接続されている。制御部31は、表示部37及び操作・入力部38と接続されている。
部品画像取得部30は、ラインカメラ移動モータ23b及びラインカメラ120を制御することにより、部品載置部25に載置された部品Pに対してラインカメラ120を相対移動させながら部品Pの画像を取得するスキャン動作を実行する。このとき、部品画像取得部30は部品認識用照明120aも併せて制御することにより、部品Pが存在する下方に照明光を照射する。部品画像取得部30は、ラインカメラ120により取得された部品Pの画像データを、ネットワーク2を介してホスト装置3に送信する。
認識処理部32は、ラインカメラ120から出力される画像データを認識する。部品認識データ作成部33は、認識処理部32による認識結果に基づいて、検査・搭載装置M3,M6や部品搭載装置M4,M5において搭載ヘッド18に保持された部品Pの認識に使用される部品認識データ36aを作成する。
認識不良データ作成部34はラインカメラ120によって取得した部品Pの画像を所定の態様により画像処理(加工・編集)することで、後述する認識不良判定部35によって認識不良と判定されるべき部品Pの状態をあらわす認識不良データ36bを作成する。認識不良データ36bの作成は、認識不良データ作成部34を実行して後述する認識不良データ作成画面を表示部37に表示させ、この画面を通じてオペレータが所定の入力を行うことによってなされる。このように認識不良データ作成部34は、部品Pの認識において、認識不良と判定されるべき部品Pの状態をあらわす認識不良データ36bを作成する認識不良データ作成手段となっている。
認識不良判定部35は、認識不良データ36bにあらわされる部品Pの状態の認識テストを行う。より具体的には、認識不良判定部35は、認識不良データ36bと部品認識データ36aを照合した結果、部品Pの状態を不良と判定できるか否かを判定することによって部品認識データ36aの検査を行う。このように認識不良判定部35は、認識不良データ36bと部品認識データ36aを照合させることにより、部品認識データ36aによって認識不良データ36bにあらわされる部品状態を認識不良と判定できるか否かを判定する認識不良判定手段となっている。
記憶部36は、ラインカメラ120によって部品Pの画像を取得するスキャン動作を実行するための実行プログラムの他、作成された部品認識データ36a、認識不良データ36bを記憶する。表示部37はモニタ等の表示装置であり、部品認識データ36a及び認識不良データ36bを作成するための案内画面の他、部品認識データ36aの検査結果を表示する。操作・入力部38はキーボードやマウス等の操作・入力装置であり、表示部37でなされる操作指示や各種の入力等の処理を行う。
次に図7を参照して、部品認識データ36aの作成方法について説明する。まず、オペレータはラインカメラ120と対向させて部品Pを昇降テーブル28に載置する(ST1:部品載置工程)。このとき、部品Pの吸着ノズル19aによって保持される面を下向きにして載置する。ここでは、部品Pとしてモールド本体部の各辺に複数のリードが形成されたQFPを例に挙げる。次いで、昇降テーブル28を昇降させることにより、部品Pの高さをラインカメラ120による撮像高さに合わせる(ST2:撮像高さ合わせ工程)。この後、開閉扉5dを閉じることにより、ラインカメラ120による撮像が可能な状態となる。
次いで、部品種別の選択が行われる(ST3:部品種別選択工程)。すなわち、撮像対象となる部品Pの種別をオペレータが表示部37の入力画面で選択入力することによって部品種別が特定される。次いで、撮像条件の設定が行われる(ST4:撮像条件設定工程)。すなわち、特定された部品Pに照射する部品認識用照明120aのランプ値、ラインカメラ120のスキャンスピード等をオペレータが入力画面で選択入力することによって撮像条件が特定される。
次いで、部品Pを撮像して画像を取得するための動作が行われる。すなわち、部品認識用照明120aによって部品Pに対して上方から照明光を照射した状態で、撮像のためのスキャン動作を行う(ST5:スキャン工程)。より具体的には、部品Pに対してラインカメラ120による撮像方向側から照明光を照射した状態で、ラインカメラ120を部品Pに対して一方向に相対移動させる。これにより、部品Pの画像が取得される。
次いで、ラインカメラ120から出力される画像データを取り込み、認識処理部32によって画像データを認識する(ST6:認識処理工程)。これにより図8(a)に示すように、認識対象となる部品Pの形状特性を反映させた部品画像40を取得することができる。この部品画像40は、矩形状のモールド本体部41の各辺に複数のリード42が形成された部品Pをあらわしている。次いで、認識処理部32は部品Pが基板4に搭載される荷姿に合わせて部品画像40を回転させる(ST7:画像回転工程)(図8(b)に示す矢印c)。ここでは図8(b)に示すように、モールド本体部41の一のコーナに形成されたコーナカット部41aを部品搭載装置M4,M5において吸着ノズル19aに保持された状態に対応した位置に移動させる。すなわち、回転後の部品画像40は搭載ヘッド18によって保持されるべき部品Pの正規姿勢を示している。回転後の部品画像40は記憶部36に記憶される。
この後、上述した認識結果に基づいて部品認識データ36aを作成する。ここでは、例えば以下の処理が実行される。まず、部品Pの部品傾き・外形の検出を行う(ST8:部品傾き・外形検出工程)。すなわち、部品認識データ作成部33は認識対象となる部品Pの基本形状・寸法を検出する。ここでは図8(c)に示すように、モールド本体部41の寸法D1およびリード42を含めた全体外形寸法D2を求める例を示している。次いで、部品認識データ作成部33は外形以外の他のデータを作成する(ST9:他データ作成工程)。ここでは図8(d)に示すように、リード42の幅寸法d1、延出長さ寸法d2を求める例を示している。以上の工程を経て部品認識データ36aが作成され、その後に記憶部36に記憶される。なお、部品画像40においてどの寸法要素を検出対象とするかは、部品Pの形状や特性を勘案して適宜決定すればよい。
次に、作成した部品認識データ36aの検査を行うための機能について説明する。図9は、認識不良データ作成部34を実行したときに表示部37に表示される認識不良データ作成画面37aの一例を示す。この認識不良データ作成画面37aを通じて、認識不良データ36bの作成及び部品認識データ36aの検査が行われる。認識不良データ作成画面37aには、「画像表示欄」43、「部品種別」44、「画像処理内容」45、「回転角度」46、「適用」47、「判定開始」48、「判定結果」49、「認識率評価」50、「評価基準」51、「閉じる」52が表示される。
「画像表示欄」43は、部品認識データ36aを検査する対象となる部品Pの画像を表示する。ここでは、部品認識データ36aを作成する過程で取得した部品画像40を用いた例を示している。後述する画像処理がなされる前では、「画像表示欄」43に表示される部品画像40は部品Pが基板4に搭載される荷姿、すなわち搭載ヘッド18によって部品Pが保持されるべき正規姿勢と一致する(図9(a))。この正規姿勢の部品画像40は、認識不良判定部35が部品認識データ36aに基づいて「認識良」と判定すべきものである。
「部品種別」44は、「画像表示欄」43に表示される部品画像40の種別(QFP等)を特定する情報を表示する。「画像処理内容」45は、部品画像40を画像処理(加工・編集)する具体的な内容を表示する。ここでは、画像処理内容として「画像回転」を選択した例を示している。「回転角度」45は、部品画像40を水平回転させる際の回転角度を入力するための入力欄を表示する。図9(b)では、回転角度を「30」として入力した例を示している。なお、「回転角度」45は画像処理内容として画像回転を選択した場合に表示され、他の内容で画像処理する場合にはその内容に応じた表示に変わる。その他の画像処理内容としては、例えば後述する画像圧縮、輝度変換、アウトフォーカスがある。
「適用」47は、入力した回転角度の数値で部品画像40を水平回転させるための操作スイッチである。画面内に表示されるポインタ53の位置を「適用」47に合わせたうえで操作(クリック)することで、「画像表示欄」40に表示される部品画像40の状態が画像処理内容に応じて変化する。図9(b)は「回転角度」45に「30」を入力した後に「適用」47を操作することによって、部品画像40を30°だけ水平回転させた部品画像40Aを示している。なお、このような部品画像40Aの状態は、搭載ヘッド18に保持されるべき部品Pの正規姿勢から大幅に逸脱した状態と同等であり、認識不良判定部35が「認識不良」と判定すべきものである。このように、正規姿勢から逸脱した状態となるように部品画像40を画像処理することで、認識不良判定部35が認識不良と判定すべき部品Pの状態をあらわす認識不良データ36bが作成される。
「判定開始」48は、「画像表示欄」43に表示される画像処理後の部品画像40Aを認識不良判定部35が認識してその良否を判定するための操作スイッチである。「判定結果」49は、認識不良判定部35による部品画像40Aの判定結果を表示する。すなわち、認識不良判定部35が部品認識データ36aと認識不良データ36bを照合した結果、部品画像40Aが搭載ヘッド18に保持されるべき正規姿勢として認められる範囲内にあると判定した場合には「良」と表示される。その一方で、部品画像40Aが搭載ヘッド18に保持されるべき状態から逸脱していると判定した場合には「不良」と表示される。
「認識率評価」50は、認識不良判定部35が部品画像40Aを認識したときの認識率の評価を「良い」、「やや悪い」、「悪い」の複数段階に分けて表示する。認識率とは、認識不良判定部35が部品認識データ36aに基づいて部品画像40Aを正確に認識することができた割合を示す数値である。認識率は認識不良判定部35によって算出される。認識不良判定部35は算出した評価率に基づいて部品認識データ36aの正確性を評価する。「評価基準」51は、部品認識データ36aの正確性を評価する際の基準を設定するものであり、「甘く」51a、「標準」51b、「厳しく」51cの表示を含む。認識不良判定部35による評価の基準を緩和したい場合には「甘く」51aを選択する。その一方、評価の基準を厳格にしたい場合には「厳しく」51cを選択する。「閉じる」52は、認識不良データ作成画面37aを終了するための操作スイッチである。
次に図10を参照して、部品搭載手段に保持された部品Pの認識に用いられる部品認識データ36aの検査方法について説明する。まず、オペレータは表示部37に表示された入力画面を通じて検査対象となる部品Pの種別を決定し(ST11:部品種別決定工程)、次に決定した部品Pに対して行う画像処理の内容を決定する(ST12:画像処理内容決定工程)。これにより、決定した部品種別及び画像処理内容に対応した認識不良データ作成画面37aが表示される。以下、図9に示す認識不良データ作成画面37aの表示内容に基づいて説明する。
次いで、認識不良データ36bの作成を行う(ST13:認識不良データ作成工程)。まず、オペレータは「回転角度」45に所望の数値を入力する。このとき、「回転角度」45には、水平回転後の部品画像40を認識不良判定部35が認識不良と判定すべき数値(ここでは「30」)を意図的に入力する。その後にオペレータが「適用」47を操作することによって、部品画像40は入力された数値に応じて水平回転する。これにより、認識不良と判定されるべき部品Pの状態をあらわす認識不良データ36bが作成される。
すなわちこの工程では、部品Pの認識において、認識不良と判定されるべき部品Pの状態をあらわす認識不良データ36bを作成する。また、ここでいう認識不良と判定されるべき部品Pの状態とは、認識対象となる部品Pが認識良と判断される正規姿勢から許容値以上に水平回転した状態であり、部品Pの画像(部品画像40)を水平回転させることで認識不良データ36bを作成する。
次いで、認識不良判定部35による認識テストを行う。ここでは、認識不良判定部35が画像処理後の部品画像40Aを認識不良と判定できるか否かの判定を行う(ST14:認識不良判定工程)。すなわち、オペレータが認識不良データ作成画面37aの「判定開始」48を操作することで、認識不良判定部35は認識不良データ36bと部品認識データ36aを照合する。このとき、認識不良判定部35は部品認識データ36aに含まれる情報、すなわちモールド本体部41の寸法D1や全体外形寸法D2等に基づいて部品画像40Aを認識し、その良否を判定する。
そして、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像40Aを認識不良と判定できるかを判定し、判定結果を「判定結果」49に表示する。すなわちこの工程では、認識不良データ36bと部品認識データ36aを照合させることにより、部品認識データ36aによって認識不良データ36bにあらわされる部品状態を認識不良と判定できるか否かを判定する。これに加え、認識不良判定部35は部品認識データ36aの正確性を示す認識率を算出し、算出した認識率に基づいて部品認識データ36aの正確性の評価を行う。以上の工程を経て、部品認識データ36aの検査が終了する。
オペレータは、「判定結果」49を視認することで認識不良判定部35が部品画像40Aを認識不良と判定できたかを確認することができる。「判定結果」49に「良」と表示されているとき、部品認識データ36aに不備がある可能性が高い。この場合、オペレータは部品傾き・外形検出の検出(ST7)、外形以外のデータの作成(ST8)を再び実行させて部品認識データ36aを作り直す。そして、作り直した部品認識データ36aを再び検査する。
また、オペレータは「認識率評価」50を視認することで、部品認識データ36aの正確性を確認することができる。そして、認識率の評価が低いときには部品認識データ36aを作り直すことで、部品認識データ36aの信頼性を高めることができる。検査を通過した部品認識データ36aは所定の部品実装用装置に送信され、搭載ヘッド18に保持された部品Pの認識に用いられる。以上説明したように、実施の形態1における部品認識データ検査システムによれば、部品認識データ36aが認識不良と判定されるべき状態の部品Pを確実に認識不良と判定することができるものかを検査できる。
なお、上述の実施の形態1の構成は、これに限定されるものではない。例えば、ホスト装置3の制御部31に部品画像取得部30を含む構成とし、ホスト装置3によりオフラインカメラユニット5を制御するような構成でも構わない。逆に、オフラインカメラユニット5の制御部29に認識処理部32、部品認識データ作成部33、認識不良データ作成部34、認識不良判定部35、記憶部36を含む構成とし、ホスト装置3とは接続されないオフライン環境下のオフラインカメラユニット5で画像の取得及び認識不良の判定を行うような構成でも構わない。また、検査機能だけを部品認識データ検査システムに組み入れ、部品認識データ36aの作成は他の装置やシステムで行うようにしてもよい。この場合、他の装置で作成した部品認識データ36aを磁気ディスク等の記録媒体に記録させ、記録媒体を部品認識データ検査システムに読み込ませたうえで検査を行う。また、部品画像40はラインカメラ120を用いて取得する方法に限られず、例えばCADデータに基づいて部品画像40を作成してもよい。さらに、認識不良判定部35は認識率の算出及び評価を行わず、部品画像40の良否判定のみを行うようにしてもよい。
(実施の形態2)
次に図11及び図12を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、部品実装用装置を稼働させ、搭載ヘッド18によって保持した部品Pを実際に撮像することによって取得した画像に基づき、認識不良データ36bを作成する。
すなわち、実施の形態2は、前述の実施の形態1におけるホスト装置3、及びオフラインカメラユニット5の各構成の代わりに部品実装機能を有する部品実装用装置、すなわち検査・搭載装置M3,M6、部品搭載装置M4、M5の各構成要素により部品認識データ検査システムを構成するものである。より具体的には、図11に示すように、部品認識データ検査システムは、部品実装用装置M3〜M6に含まれる制御部300、搭載ヘッド18、ヘッド移動機構18A、吸着ノズル19a、ラインカメラ20、部品認識用照明20a、表示部37及び操作・入力部38を含んで構成される。制御部300は、部品画像取得部310、認識処理部320、部品認識データ作成部330、認識不良データ作成部340、認識不良判定部350、記憶部360を備える。部品画像取得部310は、搭載ヘッド18、ヘッド移動機構18A、吸着ノズル19a、ラインカメラ20、部品認識用照明20aの各動作を制御するものである。また、部品画像取得部310以外の、制御部300の各構成は基本的に実施の形態1で説明した同一名称の各構成と同様の機能を有する。実施の形態2は、実施の形態1における認識不良データ作成の工程(図10におけるST13)を画像処理ではなく部品実装用装置M3〜M6の構成により実現する点で実施の形態1と異なるのでその点を中心に説明する。以下、部品Pが水平回転した部品画像40をあらわした認識不良データ36bを作成するための方法を例に挙げて説明する。
まず図12(a)に示すように、テープフィーダ15に設定された部品取り出し位置の上方で吸着ノズル19aを昇降させることによって(矢印d)、テープフィーダ15から部品Pを取り出す。このとき、部品Pを吸着すべき正規位置で吸着ノズル19aによって部品Pを吸着する。次いで図12(b)に示すように、ラインカメラ20によって部品Pを撮像する前に、部品Pを保持した吸着ノズル19aを所定の角度(ここでは30°)だけ水平回転させる(矢印e)。そして、この状態で搭載ヘッド18がラインカメラ20の上方をスキャン方向へ移動することにより、ラインカメラ20によって吸着ノズル19aに保持された水平回転後の部品Pを撮像する。この撮像時には部品認識用照明20aによって所定のランプ値で部品Pが照明される。
認識不良データ作成部340(制御部300)は、ラインカメラ20から出力される画像データを取り込んで認識処理する。これにより、許容値以上に水平回転した部品Pの状態をあらわした認識不良データ360bが作成される。すなわち認識不良データ作成手段は、部品搭載手段により認識不良と判定されるべき部品Pの状態となるように保持された部品Pを、部品実装用装置M3〜M6に設けられた撮像装置から画像データとして取り込むことで、認識不良データ360bを作成する。部品認識データ検査方法のその他の工程は、上記した構成上の違いを除いて、実施の形態1で説明したものと同一であるため詳しい説明を省略する。
なお、実施の形態1と実施の形態2に記載の内容は、適宜組み合わせて実施しても構わない。例えば、部品認識データの作成は実施の形態1の構成で行い、部品認識データの検査は実施の形態2の構成で行っても構わない。また、実施の形態2のように部品実装用装置M3〜M6によって取り込んだ画像に基づいて実施の形態1のホスト装置3により認識不良データを作成し、そのままホスト装置3により部品認識データの検査を行ってもよい。
以下、図13〜21を参照して、部品Pの様々な不良状態に応じた部品認識データ36aの検査方法の具体例について、実施の形態1の構成であるホスト装置3及びオフラインカメラユニット5により行う場合(以下、「ケース1」と称する)と、部品実装用装置M3〜M6を用いて検査する場合(以下、「ケース2」と称する)に分けて説明する。
まず図13を参照して、トレイに格納された状態で供給されるBGA等の部品PAにおいて、間違った角度でトレイに格納されている部品PAを搭載ヘッド18が保持したことを部品認識データ36aに基づいて確認できるかを検査するための方法について説明する。図13(a)において、この検査で用いられる部品PAは矩形状の樹脂パッケージPAaの実装面にバンプPAbを格子状に形成して構成される。また、樹脂パッケージPAaの一のコーナには認識マークPAcが設けられている。部品PAに対応して作成された部品認識データ36a,360aには、部品PAの回転方向位置を特定するための特徴部位としての認識マークPAcの位置に関する情報が含まれている。
ここでの検査は、認識マークPAcの認識の有無に基づいて部品認識データ36a,360aの良否を判定する。ケース1の場合、まず、部品PAの下面を示す部品画像60を実施の形態1で説明した方法と同一の方法によって取得する(図13(b))。そして、図13(b)に示す正規姿勢から部品画像60を大幅に水平回転させる。これにより、間違った角度でトレイに格納されている部品PAの状態をあらわした認識不良データ36bが作成される。図13(c),(d),(e)は、「画像表示欄」43において部品画像60をそれぞれ90°,180°,270°だけ回転させた後の部品画像60A,60B,60Cを示す。
認識テストにおいては、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて回転後の部品画像60A〜60Cに含まれる認識マーク60a(部品PAの認識マークPAcに相当)が存在すべきエリアE1を特定し、このエリアE1において認識マーク60aが存在するかを判断する。ここで、認識マーク60aが存在しないと判断した場合には、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて回転後の部品画像60A〜60Cを認識不良と正しく判定できたと判定する。その一方で、エリアE1に認識マーク60aが存在すると判断した場合、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像60A〜60Cを正しく判定できなかったと判定する。すなわち認識不良判定手段は、部品PAに設けられた認識マークPAcが存在すべき箇所に当該認識マークPAcが存在するかを判断することによって、認識不良データ36bにあらわされる部品状態が認識不良と判定されるか否かを判定する。この判定結果を受けたとき、オペレータは認識マーク60aの位置の再検出を部品認識データ作成部33に行わせ、部品認識データ36aを作り直す。
ケース2の場合、搭載ヘッド18によってトレイから部品PAを取り出した後、吸着ノズル19aを90°、180°、270°だけ回転させる。そして、それぞれの角度で回転させた後の部品PAを撮像し、得られた画像データを、制御部300の認識不良データ作成部340により認識処理することで認識不良データ360bを作成する。その後に前述と同様の認識テストを行う。なお、認識マーク以外でも当該部品PAの水平回転位置を特定することができるような特定の形状部分(非対称な形状部分等)を特徴部位として部品認識データの良否を判定するようにしても良い。
次に図14を参照して、搭載ヘッド18に保持されたトランジスタ等の部品PBが許容値以上に回転した状態となっていることを、部品認識データ36a,360aに基づいて確認できるかを検査するための方法について説明する。図14(a),(b)において、この検査で用いられる部品PBは本体部PBaの下方に複数のリードPBbを形成して構成される。この部品PBに対応して作成された部品認識データ36a,360aには、各リードPBbの向きに関する情報が含まれている。
ここでの検査は、各リードPBbの向きに基づいて部品認識データ36a,360aの良否を判定する。ケース1の場合、図14(c)に示すように、部品PBの下面を撮像して部品画像61を取得する。そして、図14(c)に示す正規姿勢から部品画像61を大幅に水平回転させる。これにより、許容値以上に回転した部品PBをあらわした認識不良データ36bが作成される。図14(d),(e),(f)は、部品画像61をそれぞれ40°,80°,120°だけ回転させた後の部品画像61A,61B,61Cを示す。なお、部品画像61を図14(f)に示す状態からさらに40°ずつ小刻みに水平回転させて認識不良データ36bを作成してもよい。
認識テストにおいては、認識不良判定部35は回転後の部品画像61A〜61Cに含まれる複数のリード61a(リードPBbに相当)を特定し、各リード61aが向くべき方向に向いているかを判断する。そして、各リード61aが向くべき方向に向いていないと判断した場合には、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて回転後の部品画像61A〜61Cを認識不良と正しく判定できたと判定する。その一方で、各リード61aが向くべき方向に向いていると判断した場合には、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像61A〜61Cを正しく判定できなかったと判定する。すなわち認識不良判定手段は、部品PBに設けられたリードPBbが向くべき方向に向いているかを判断することによって認識不良データ36bにあらわされる部品状態が認識不良と判定される否かを判定する。
ケース2の場合には、搭載ヘッド18によって部品PBを保持した後、搭載ヘッド18に部品PBが保持されるべき正規姿勢から吸着ノズル19aを40°ずつ小刻みに回転させる。そして、それぞれの角度で回転させた後の部品PBを撮像し、取得した画像データを認識不良データ作成部340により認識処理することで認識不良データ360bを作成する。その後に認識テストを行う。
次に図15を参照して、いわゆる0402や0603等の矩形状の部品PCに対して、部品PCを保持すべき面とは異なる保持面から部品PCを保持したことを部品認識データ36a,360aに基づいて確認できるかを検査するための方法について説明する。図15(a),(b)において、この検査で用いられる部品PCはモールド部PCaの両側に電極部PCbを形成して構成されており、吸着ノズル19aによる吸着方向からみて長辺の長さ寸法がL、短辺の長さ寸法がWとなっている。また図15(b)に示すように、部品PCの厚み方向の長さ寸法はTとなっている。この部品PCに対応して作成された部品認識データ36a,360aには、長さ寸法L,W,Tに関する情報が含まれている。
ここでの検査は、部品PCの長さ寸法に基づいて部品認識データ36a,360aの良否を判定する。ケース1の場合、図15(c)に示すように、部品PCの下面を撮像して部品画像62を取得する。そして、部品画像62を短辺側(幅方向)に圧縮する。これにより図15(d)に示すように、長辺側の厚み方向から搭載ヘッド18によって保持された部品PCをあらわした認識不良データ36bが作成される。さらに、部品画像62を長辺側(長手方向)に圧縮することによって、図15(e)に示すように、短辺側の厚み方向から搭載ヘッド18によって保持された部品PCをあらわした認識不良データ36bが作成される。
認識テストにおいては、認識不良判定部35は圧縮後の部品画像62A,62Bの長辺と短辺の長さ寸法を認識し、部品認識データ36aと照合する。そして、部品画像62A,62Bの各辺の長さ寸法が部品認識データ36aに含まれる各辺の長さ寸法に関する情報と一致(略一致を含む)しないと判断した場合には、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像62A,62Bを認識不良と正しく判定できたと判定する。その一方で、部品画像62A,62Bの各辺の長さ寸法が部品認識データ36aに含まれる前述の情報と一致すると判断した場合には、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像62A,62Bを認識不良と正しく判定できなかったと判定する。すなわち、この例において認識不良と判定されるべき部品PCの状態とは、検出対象となる部品PCが部品搭載手段に保持されるべき保持面とは異なる保持面で保持されることによって正規姿勢から起立した状態であり、正規姿勢の部品PCを示す画像(部品画像62)を幅方向若しくは長手方向に圧縮処理することで認識不良データ36bを取得する。
ケース2の場合には、図16(a)に示すように、テープフィーダ15に装着されたキャリアテープ15aから部品PCを取り出す際に、吸着ノズル19aによる吸着位置を所定量だけずらす。この状態で吸着ノズル19aによって部品PCを吸い上げることにより、図16(b)に示すように部品PCを起立させる。そして、起立した状態で吸着ノズル19aに吸着された部品PCを撮像し、取得した画像データを認識不良データ作成部340により認識処理することで認識不良データ360bを作成し、その後に認識テストを行う。
次に図17及び図18を参照して、搭載ヘッド18によって保持した部品が表裏反転していることを部品認識データ36a,360aに基づいて確認できるかを検査するための方法について、2種類の部品を例に挙げて説明する。まず、部品PCの場合について説明する。図17(a),(b)に示すように、部品PCのモールド部PCaは、基板4に搭載される側の面である搭載面PCa1(すなわち下面)と、その裏面であって吸着ノズル19aによって吸着される吸着面PCa2とで色彩が異なる。この部品PCに対応して作成された部品認識データ36a,360aには、モールド部PCaの色彩に関する情報が含まれている。
ここでの検査は、モールド部PCaの色彩に基づいて部品認識データ36a,360aの良否を判定する。ケース1の場合、図17(c)に示すように、部品PCの下面(搭載面PCa1)を撮像して部品PCの部品画像62を取得する。そして、部品画像62に含まれるモールド部62a(モールド部PCaに相当)の部分の色彩を吸着面PCa2の色彩と同一なるように変換させる。これにより図17(d)に示すように、表裏が反転した部品PCをあらわした認識不良データ36bが作成される。
認識テストにおいては、認識不良判定部35は色彩変換後の部品画像62Cを認識し、部品認識データ36aと照合する。そして、モールド部62aの色彩が部品認識データ36aに含まれる搭載面PCa1の色彩に関する情報と一致しないと判断した場合、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像62Cを認識不良と正しく判定できたと判定する。その一方で、モールド部62aの色彩が部品認識データ36aに含まれる色彩に関する情報と一致すると判断した場合、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像62Cを正しく判定できなかったと判定する。
次に図18を参照して、部品PBの場合について説明する。部品PBに対応して作成された部品認識データ36a,360aには、リードPBbの輝度に関する情報が含まれており、部品PBについてはリードPBbの輝度に基づいてその良否を判定する。ケース1の場合、図18(a)に示すように、部品PBの下面を撮像して部品画像61を取得する。そして、部品画像61に含まれるリード61aの輝度を変換させる。これにより図18(b)に示すように、表裏が反転した部品PBをあらわした認識不良データ36bが作成される。
認識テストでは、認識不良判定部35は輝度変換後の部品画像61Dを認識し、部品認識データ36aと照合する。そして、リード61aの輝度が部品認識データに含まれる輝度に関する情報と一致しないと判断した場合、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像61Dを認識不良と正しく判定できたと判定する。その一方で、リード61aの輝度が部品認識データ36aに含まれる輝度に関する情報と一致すると判断した場合、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像61Dを正しく判定できなかったと判定する。なお、部品PC,PBの表裏反転に対する部品認識データ36a,360aの検査においては、部品実装用装置M3〜M6に部品PC,PBの表裏を反転させるための具体的な手段がない。したがって、ケース2の場合において、この検査を行うことは困難である。
次に図19を参照して、部品厚みが相違することを部品認識データ36a,360aに基づいて確認できるかを検査するための方法について、部品PBを例に挙げて説明する。ケース1の場合、図19(a)に示すように、部品PBの下面を撮像して部品画像61を取得する。そして部品画像61に含まれるリード61aをアウトフォーカス(いわゆるピンボケ)させる。これにより図19(b)に示すように、部品厚みが相違する部品Pをあらわした認識不良データ36bが作成される。
認識テストにおいては、認識不良判定部35はアウトフォーカスさせたリード61aを含む部品画像61Eを認識し、部品認識データ36aと照合する。そして、リード61aの外郭が明瞭でないと判断した場合、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像61Eを認識不良と正しく判定できたと判定する。その一方で、リード61aの外郭が明瞭であると判断した場合、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像61Eを正しく判定できなかったと判定する。
ケース2の場合には、吸着ノズル19aによって保持された部品PBをアウトフォーカスさせて撮像する。すなわち、吸着ノズル19aに保持された部品PBを、図20(a)に示すラインカメラ20のフォーカス高さ(焦点が合う高さ)H1から昇降させる(矢印f)。これにより、部品PBをフォーカス高さH1から外れた高さH2に位置合わせする(図20(b))。この状態でラインカメラ20によって部品PBを撮像することで、部品厚みが相違する部品Pの画像データを取得する。そして、認識不良データ作成部340によって認識不良データ360bを作成し、その後に認識テストを行う。
次に、吸着ノズル19aが部品Pを吸着していないことを部品認識データ36aに基づいて確認できるかを検査するための方法について説明する。ケース1の場合、部品載置部25に吸着ノズル19aを載置し、ラインカメラ120によって吸着ノズル19aの下面(吸着面)を撮像する。これにより、部品Pを吸着していない吸着ノズル19aの状態、すなわち吸着ノズル19aの吸着面をあらわした認識不良データ36bが作成される。
認識テストでは、認識不良判定部35は吸着ノズル19aの吸着面をあらわしたノズル画像を認識し、部品認識データ36aと照合する。そして、部品Pが吸着されていないと判断した場合、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいてノズル画像を認識不良と正しく判定できたと判定する。その一方で、部品Pが吸着されていると判断した場合、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいてノズル画像を認識不良と判定できなかったと判定する。
ケース2の場合には、部品Pを保持していない吸着ノズル19aをラインカメラ20によって下方から撮像することにより、吸着ノズル19aの吸着面の画像データを取得する。そして、認識不良データ作成部340によって認識不良データ360bを作成し、その後に認識テストを行う。
最後に図21を参照して、部品のセット間違い(部品自体の間違い)を部品認識データ36a,360aに基づいて確認できるかを検査するための方法について説明する。ここでは部品PCを例に挙げて説明する。ケース1の場合、図21(a)に示す部品PCの下面を撮像して部品画像62を取得する。そして、部品画像62を拡大若しくは圧縮させることによって、図21(b),(c)に示すように、サイズの異なる部品をあらわした認識不良データ36bを作成する。
認識テストにおいては、認識不良判定部35は部品画像62を拡大若しくは圧縮させた後の部品画像62D,62Eを認識し、部品認識データ36aと照合する。そして、部品画像62D,62Eの各辺の長さ寸法が部品認識データ36aに含まれる各辺の長さ寸法に関する情報と一致しないと判断した場合には、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像62D,62Eを認識不良と正しく判定できたと判定する。その一方で、部品画像62D,62Eの各辺の長さ寸法が部品認識データ36aに含まれる前述の情報と一致すると判断した場合には、認識不良判定部35は部品認識データ36aに基づいて部品画像62D,62Eを認識不良と正しく判定できなかったと判定する。
ケース2の場合には、部品PC以外の部品Pを吸着ノズル19aによって吸着する。そして、その部品Pを吸着した吸着ノズル19aをラインカメラ20によって下方から撮像することによって、部品PBとは異なるサイズの部品Pの画像データを取得する。そして、認識不良データ作成部340によって認識不良データ360bを作成し、その後に認識テストを行う。
以上説明したように、部品認識データ検査システムによれば、部品Pの認識において、認識不良と判定されるべき部品Pの状態をあらわす認識不良データ36b(360b)を作成し、認識不良データ36bと部品認識データ36a(360a)を照合させることにより、部品認識データ36aによって認識不良データ36bにあらわされる部品状態を認識不良と判定できるか否かを判定することにより、部品認識データ36aが認識不良と判断されるべき状態の部品Pを確実に認識不良と判断することができるものかを検査できる。