以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2(価値受付手段、価値付与手段、管理手段、乗入れ手段、第1状態切替手段、第2状態切替手段、優先手段)及び情報表示装置3が設置されている。これら遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は、中継装置4と接続されている。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6(管理手段)と接続されている。
遊技場にはPOS7(記録媒体受付手段、媒体乗入れ手段)や残高精算機(図示せず)も設置されている。POS7及び残高精算機も、LAN5を介して管理装置6と接続されている。POS7は、遊技場内の景品交換カウンタに設けられており、遊技場の係員により操作される。POS7は、カードリーダ(図示せず)を付属しており、一般カード8(記録媒体)を当該カードリーダにより受け付けると、その受け付けた一般カード8に対応付けられている持玉(遊技者が遊技により獲得した遊技価値である獲得価値が)に基づいて景品交換が可能であるか否かの判定や、景品交換に関わる情報の記憶等の景品交換処理を行う(獲得価値について精算処理を行う)。この場合、POS7は、一般カード8に記録されている獲得価値の大きさを取扱うときは、管理装置6が一般カード8に対応して予め記憶している獲得価値の大きさと照合した上で獲得価値の取扱いを有効とし、その有効とした獲得価値の範囲内での景品交換を許容する。また、図示しない残高精算機は、一般カード8を受け付けると、その受け付けた一般カード8に記録されている残高の返却処理を行う(貨幣価値の精算処理を行う)。
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード9、モニタ10、プリンタ(図示せず)等が接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
管理装置6は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から送信される遊技信号を受信することにより、遊技機1、遊技装置2等の稼動状況を管理することで、遊技機1の稼動状況を示す遊技データを表示する遊技情報表示サービスを実行したり、遊技者毎の獲得価値の大きさ(持玉、会員の場合には貯玉も)を記憶管理することで、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を一旦貯蓄し、当日或いは後日遊技に再利用できるようにする貯玉サービスを実行したりする。
遊技機1は、CRパチンコ機であり、盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有すると共に、盤面11に、液晶表示部15、普図入賞口16、第1始動口17、第2始動口18、大入賞口19等を有する。
遊技機1は、以下に示すように動作する。
(1)第1始動口17は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口18は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口17,18への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部15にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/360であり、大当りがその後確変状態(確変、甘中)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当りが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口19を開放する。1Rの上限入賞数は10玉、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
(4)確変中は大当り確率が1/36に向上すると共に、第2始動口18への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当りまで継続するので、大当り後に大当りでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当り(通常大当り)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となり、その後に通常状態となる。
(5)第2始動口18は普図入賞口16への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口18の入賞率が高くなる。
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打込みや各始動口17、18への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を送信する。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから送信される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から送信される信号でも良い。
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出(付与)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から送信される補給信号をセーフ信号としても良い。
・始動信号=遊技機1から出力される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部(役物)15におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じて図柄変動を特定するので、「始動信号数×1」をスタート回数として特定する。尚、始動口に入賞したことを示す信号としても良い。
・大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
・特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口の入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。勿論、確変中に出力される信号であっても良い。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定する。
図1では遊技機1としてパチンコ玉を遊技媒体とするパチンコ機を図示したが、遊技場にはパチンコ機が設置されたパチンココーナーと、メダルを遊技媒体とするスロットマシンが設置されたスロットコーナーとが設けられている。パチンココーナーには、1玉4円レートのパチンコ機が設置された4パチコーナーと、1玉2円レートのパチンコ機が設置された2パチコーナーと、1玉1.67円レートのパチンコ機が設置された1.67パチコーナーと、1玉1円レートのパチンコ機が設置された1パチコーナーとが設けられている。スロットコーナーには、1枚20円レートのスロットマシンが設置された20スロコーナーと、1枚5円レートのスロットマシンが設置された5スロコーナーとが設けられている。つまり、遊技場には、遊技機1にて使用する遊技価値の種類及びレートが異なるコーナーが複数設けられている。尚、レートとしては貸出レートと交換レートとを同一レートとしているが異なるレートを採用しても良い。また、スロットマシンの詳細な説明は省略する。
遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、遊技装置2の遊技状態を示す状態表示部20、貨幣(遊技者所有の貨幣価値)が投入される貨幣投入口21、遊技者からの操作入力を受け付けると共に持玉数や貯玉数等の再プレイに関わる情報、或いは遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部22、持玉または貯玉を払い出すための払出釦23、払い出された玉が通過する払出ノズル24、カードが挿入されるカード挿入口25、遊技機1の下部受皿14の下方に位置する着脱可能な計数受皿26等を有する。
遊技装置2は、以下に示す機能を備えている。
(1)貨幣が貨幣投入口21に投入されたことで、貨幣を受け付け(貨幣受付処理)すると、遊技機1と遊技装置2との双方において入金額を残高に加算して表示する。残高がある状態で遊技機1の貸出釦(図示せず)が押下げされると、貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1内部の払出機構から払い出し(貨幣価値と引換に、遊技に使用可能な遊技価値を付与する貸出処理を行い)、その対価分を残高から減算する。尚、貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。尚、玉の払い出しを遊技装置2により行っても良い。
(2)遊技機1の下部受皿14が操作された(開放された)ことで、下部受皿14から落下した玉を計数受皿26で受けると、その受けた玉を持玉(計数玉)として計数して液晶表示部22に表示する。持玉がある状態で遊技装置2の払出釦23が押下げされると、持玉の一部を遊技機1内部の払出機構から払い出し(獲得価値を対価として遊技者へと遊技価値を付与する付与処理を行い)、その払出分を持玉数から減算する。尚、この場合も、玉の払い出しを遊技装置2により行っても良い。
(3)残高または持玉がある状態で遊技機1の返却釦(図示せず)が押下げされると(発行操作を受け付けると)、残玉及び合計持玉(引換分を除いた残有価価値)を特定可能な一般カード8を発行する(発行処理を行う)。一般カード8がカード挿入口25に挿入されている状態で返却釦が操作されたときには、そのカード挿入口25に挿入されている一般カード8に残高及び合計持玉の情報を対応付けて(記録して)発行し、一般カード8がカード挿入口25に挿入されていない状態で返却釦が操作されたときには、カードストック部(図示せず)にストックしているICカード(貯留記録媒体)をカード挿入口25に繰出して残高及び合計持玉を記録する(対応付ける)ことで一般カード8として発行する。一般カード8を発行すると、自装置を特定可能な情報(遊技装置ID、装置識別情報)、発行した一般カード8を特定可能な情報(カードID、記録媒体情報)、一般カード8に記録した残高及び合計持玉の情報等を含む発行情報を管理装置6に送信する。尚、後述するように残高や合計持玉の一部を発行対象とする分割発行も可能とする。また、一般カード8を受け付けた場合は、その残高や持玉を引継ぐ。
(4)会員カード(記録媒体)もカード挿入口25へと挿入することで受付可能で、会員カードに対しても一般カード8同様に持玉や残高を対応付け可能である。但し、残高は一般カード8同様に会員カードに書き込まれるが、持玉は会員カードには書込まれず、管理装置6にて会員カードのIDである会員IDに対応付けて管理され、会員IDが対応づけられると貯玉として特定される。即ち、遊技者の獲得価値として会員IDに対応付けられた獲得価値が貯玉、一般カード9に対応付けられる等の未対応のものが持玉となる。貯玉は営業日当日以外の期間を含む期間にて獲得した遊技価値であるから、翌日以降も払戻処理や景品交換等を可能とするが、持玉は当日限り有効(貯玉の内、当日預入れられた当日貯玉の場合、翌日以降は貯玉扱い)等、異なる有効期限が設けられる等の違いがある。
(5)中継装置4との間でデータ通信(シリアル通信)を行うことで、管理装置6等にて上記した貨幣受付処理、付与処理、計数処理、払戻処理、発行処理、カード受付処理等の各処理、残高や貸出玉数、入金額、貸出玉数、貸出玉の対価となる売上額、計数玉、払戻玉等の値を特定可能とする。これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、貸出玉や持玉の一部を払い出す際のデータ通信については中継装置4を介さずに遊技機1との間で直接行っても良い。
管理装置6には、上述した各コーナーのレートに対応する複数の口座が設定されており、玉やメダルを計数して貯玉操作した場合に会員IDと対応付けて貯玉(預け入れ)することができる。本実施形態では、会員IDに対応付けて4パチ口座、2パチ口座、1.67パチ口座、1パチ口座、20スロ口座、5スロ口座がそれぞれ設定されており、コーナーで使用可能なメイン口座(コーナーで優先的に使用する遊技媒体の持玉または貯玉のことで、例えば、4パチコーナーであれば、4パチ口座)以外のサブ口座(同じく4パチコーナーであれば、2パチ口座、1.67パチ口座、1パチ口座)を使用可能な乗入れが可能となっている。例えば、4パチコーナーにおいて1パチ口座に1000玉の貯玉或いは持玉(当日貯玉)があれば、4円玉250玉として貯玉の再プレイ、或いは持玉の払い出しに使用できる。
図2は乗入れに関する設定である乗入れ設定1を示しており、管理装置6に対する設定操作に応じて各遊技装置2へ送信されることで当該遊技装置2に設定される。
乗入れ設定1には、以下の各項目が設定されている。
・種別=レートに応じた遊技機グループ。尚、別途、対応する台番範囲が設定され、遊技装置2に対応する台番が属する台番範囲の種別が、当該遊技装置2の遊技機に対応する付与レートである自レート(自種別)となり、その持玉や貯玉が自獲得価値となる。それ以外の種別が他レート(他種別)となり、その持玉や貯玉が他獲得価値となる。
・認証上限(他価値条件)=遊技者が暗証番号や指紋認証等の認証処理の1回当りに許容される再プレイ数の上限。
・再プレイ上限(付与条件、付与上限)=1営業日当り、1つの会員IDに対して許容される再プレイ数の上限。この上限値は乗入れ処理に関わらず該当レートにて払い出された玉数の合計値と比較され、この上限値までの再プレイが許容される。
・払出単位(換算条件、乗入れ付与抑制条件)=遊技価値を付与する場合に、対価を貨幣価値とする貸出処理、対価を持玉とする払戻処理、或いは対価を貯玉とする再プレイ処理を行う場合の1回の操作に応じて払い出される遊技媒体の基本となる上限値(基準操作付与単位)。
・対価額単位=払出単位分の貸出処理を行った場合に減算される貨幣価値(レート情報)。
・換算基準値=該当レートの価値情報であり、対価額単位÷払出単位により示される1遊技価値当りの貨幣価値(単価)を示す。乗入れ処理を行う場合、乗入れ先の換算基準値を乗入れ元の換算基準値にて除した値が乗入れ時の換算率となる(換算条件)。例えば4パチから1パチに乗入れる場合、乗入れ先となる1パチの換算基準値(1)を乗入れ元となる4パチの換算基準値(4)にて除した1/4が換算率となり、乗入れ払出により1パチにて払い出した玉数に換算率を乗じた値を対価として4パチから減算する。
・発行下限数(他価値条件、乗入れ終了条件)=一般カード8を発行するために最低限必要な遊技価値の基準値を示し、該当遊技価値がこの基準値に達していない場合は、発行条件が成立せず、一般カード8の持去りによる一般カード8のコスト分の遊技場における損害を考慮して発行処理を行わない。
・再P単位(換算条件、乗入れ付与抑制条件)=再プレイ処理を行う場合の払出単位(パチンコ機は遊技機1からの払い出しとなるため、遊技機1から払い出しを行う際の最低払出数、最小付与単位)。
・グループ=乗入れを許容するグループ。乗入れ先と乗入れ元とが同グループであることを条件として乗入れ処理や乗入れ払出を許容する。つまり、乗入れは図2に示すグループ内にて許容されており、乗入れ元として指定した種別と同グループの種別が乗入れ先として指定されることを条件として乗入れ払出を行う。
尚、図2では玉やメダル等、同一の遊技媒体をグループ化しているが、同一の遊技媒体を異なるグループとしたり、異なる遊技媒体を同グループに設定したりしても良く、更にどのグループにも属せず乗入れ自体を行わない種別を設けても良い。また、POS7等でもカードを受け付け、乗入れ元を指定することで乗入れ処理(乗入れ元と乗入れ元値の特定)が可能となっている。
一方、遊技装置2には図3に示す乗入れ設定2が設定されており、乗入れ設定1と同様に管理装置6に対する設定操作に応じて各遊技装置2に設定される。この乗入れ設定2は、後述する遊技者による乗入れ操作(予め設定される状態切替条件の成立)に応じて、レート(種別)の異なる持玉や貯玉(以下、持玉等)を自身に対応した種別(自種別)の再プレイ処理や払戻処理(乗入れ付与処理)を行うためのレート間の換算処理である乗入れ処理を行う際に、乗入れ設定1と同様に参照されるように設定されている。即ち、乗入れ設定2では、乗入れ払出に応じた対価の徴収時に整数とならない(小数点未満の)端数の対価が発生しないように(換算条件、乗入れ付与抑制条件)乗入れ設定1の払出単位とは異なる払出単位を含む払出単位(乗入れ単位)を乗入れの組み合わせに応じて設定している。つまり、持玉を対価とする持玉乗入れ払出は1玉単位(払出ノズル24による払出単位(基準最小付与単位))で払い出す遊技装置2の払出ノズル24を払出手段とする一方、貯玉を対価とする貯玉乗入れ払出は25玉単位(遊技機1による払出単位(基準最小付与単位))で払い出す遊技機1を払出手段とするものであることから、端数を考慮して乗入れ対象となるレートの組み合わせ、及び対象となる払出手段に応じて各々異なる払出単位を設定している。
図3は、乗入れ元から乗入れ先へと乗入れ処理を行った場合の払出単位(乗入れ操作付与単位。但し「最小」を除く)を上段(「払出」)に示し、その払出単位分の払い出しを行った場合に乗入れ元の対価となる持玉または貯玉減算値を下段(「対価」)に示し、更に乗入れ対象が持玉であれば左側(「持玉」)、貯玉であれば右側(「再P」)に示している。また、中央(「最小」)は持玉乗入れ時の最小乗入単位(乗入最小付与単位)を示している。つまり、貯玉が対象の場合は乗入れ設定1の払出単位未満の払い出しを行わないことを条件として乗入れ処理を行うことから、1種類のみを設定するものの、持玉が対象の場合には、そのような条件なく乗入れ処理を行うことから乗入れ設定1の払出単位未満であっても「最小」の単位分の払い出しを可能とするため、2種類の払出単位を設定している。ここで、図3に斜線領域で示した箇所は図2で示す乗入れ先の払出単位とは異なる払出単位が設定されており、この点について持玉を対象として4パチから2パチへと乗入れ処理を行う場合について説明する。
4パチから2パチへと乗入れ処理を行う場合、換算率は1/2(=2÷4)となる。ここで、2パチの払出単位である125玉の払い出しを行うと、4パチの減算対象は62.5(=125×1/2)玉となってしまい、整数単位で減算することができなくなる。そこで、減算対象が整数となる乗入れ先の払出単位以上である最小値(126)を払出単位として設定し、対応する減算値である63を併せて設定することで減算対象を整数としたままでの乗入れ処理を可能としている。斜線領域で示す他の箇所の各値も同様の特定方法にて特定しており、以下、特定方法について具体的に説明する。
払出単位は、上記したように図2の乗入れ先の払出単位に対応する乗入れ元の減算値が整数とならなければ、乗入れ先の払出単位に1(払出ノズル24による最小払出単位)を加算し、その値に対応する乗入れ元の減算値が整数とならなければ更に乗入れ先の払出単位に1を加算するという処理を対応する乗入れ元の減算値が整数となるまで繰返すことにより最終的に特定できる。尚、図3の乗入れ設定2は説明の都合上設定値として例示したものであり、図2を設定すれば、上記処理等により図3の各設定値を特定可能であるので、乗入れ設定2を遊技装置2に別途設定しなくとも、図2の設定に応じてまたは乗入れ処理時に毎回処理を行う等して設定しても良いし、図3の設定を管理者による操作入力等により行っても良い。
次に、貯玉を対象とした場合の乗入れ設定について説明する。持玉の乗入れ払出時には払出ノズル24から玉を払い出すことから1玉単位にて払出単位を調整したが、貯玉乗入れ払出時には遊技機1から乗入れ玉を払い出すため、遊技機1での払出単位に合わせて乗入れ時の払出単位を調整する必要がある。これについて、上記同様に4パチから2パチへと乗入れ処理を行う場合を例示して説明する。
この場合、上記同様に乗入れ先の2パチの払出単位(125)の場合の乗入れ元の4パチの減算対象を整数とできないため(62.5)、再P単位(遊技機1の払出単位)の倍数を加算した値の内、対応する減算対象が整数となる最小値(150)を払出単位とする。このような方法により、遊技機1での払出単位(再P単位の倍数)にて乗入れ時の払出単位を調整可能となり、「再P単位」の倍数とならない払い出しを行わないようにできる。
払出単位の特定方法としては、上記同様に対応する減算値が整数とならない場合に、基準となる払出単位に再P単位を順次加算していき、対応する減算値が整数となった場合にその値を払出単位として特定する方法を例示できる。尚、他は上記同様である。
「最小」の特定方法も同様であり、まず乗入れ先に対する1玉(払出ノズル24による最小払出単位)の払い出しにて乗入れ元の減算値が整数となれば1玉を最小の払い出しとし、整数とならなければ対応する乗入れ元の減算値が整数となるまで順次1を加算するという上記同様の方法にて特定すれば良い。尚、貯玉については払出単位以下の払い出しを行わない構成を例示したが、払出単位以下の払い出しを行う場合には上記同様に再P単位の倍数にて「最小」を特定すれば良い。このような設定を行うことにより、払出ノズル24や遊技機1等の払出手段の最小払出単位(基準最小付与単位)とは異なる払出単位である「最小」にて後述するように払出処理を行う場合に、「最小」の倍数とならない払い出しを行わないように(換算条件)できる。
本実施形態では乗入れ時の払い出しを持玉では1玉単位で払出可能な払出ノズル24にて払い出し、貯玉では再P単位で払い出す遊技機1から払い出すことにより上記のような処理となるが、払出手段が遊技機1なのか払出ノズル24なのかにより、上記処理を適宜振分けて行っても良い。勿論、他の払出手段を採用し、上記とは異なる払出単位でしか払い出せない場合は、再P単位と同様に払出単位を別途設定すれば良い。また、遊技機1からの払出しとし、遊技機1にて払出せない端数(25玉に達しない)分を遊技装置2のノズル25から払出しても良い。
さて、遊技装置2は、通常の処理に加えて、乗入れを行うための乗入れ処理に関する処理を実行するようになっている。
図8は、遊技装置2の乗入れ処理に関する処理を示すフローチャートである。遊技装置2は、貨幣または貸出操作または計数玉を受け付けたか(S101:NO)、自種別の持玉が無いか(S102:YES)、乗入れ操作が有るか(S103:NO)、払出操作(付与操作)を受け付けたか(S105:NO)、発行操作を受け付けたか(S106:NO)、解除操作を受け付けたか(S108:NO)、一般カード8または会員カードを受け付けたか(S109:NO)の待機フローを実行している。
遊技者が遊技装置2に貨幣を投入したり、遊技機1の貸出釦を押下げしたり、獲得玉を計数したりすると、貨幣や貸出操作や計数玉を受け付け(S101:YES)、それらの受け付けに応じて貨幣受付処理や貸出処理等の各対応処理を行ってから(S116)、残高や持玉等を対象として記憶領域を更新する(S115)。
図4は遊技装置2(管理装置6)の記憶領域を示しており、カード挿入により受け付けた貨幣価値の内、貸出処理の対価となっていない貨幣価値である残高と、当日の遊技により遊技者が獲得した遊技価値の内、払戻処理や持玉乗入れ払出、或いは景品交換等の対価となっていない遊技価値である持玉(会員の場合なので当日貯玉)と、前日以前も含め、遊技者の持玉の内、会員IDに対応付けて遊技場へと預け入れられた持玉である貯玉と、払戻処理や乗入れ処理、或いは再プレイ処理により払い出された遊技価値を示す再プレイ数とがレート別に(種別単位で)管理されている。尚、図4等の遊技装置2の記憶領域は管理装置6や記録媒体においても管理対象となる。また、図2,3等の設定情報も管理対象となる。
図4の記憶領域1では、利用可能な貯玉の口座としては、4パチ、1.67パチ、1パチ、20スロがあり、1.67パチにて3000玉分、20スロにて500枚分の自種別の再プレイを行った状態を示している。
図4の状態で、遊技者が1.67パチコーナーで遊技するために1.67パチを乗入れ先とする一方、4パチを乗入れ元とした乗入れ処理を例に挙げ、貯玉に基づく乗入れ処理を説明する。
遊技者がメイン口座とは異なるサブ口座(他口座)の持玉または貯玉を利用する場合は、遊技装置2の待機画面にて液晶表示部22のいずれかをタッチする。すると、メニュー画面が表示される。
図7は遊技装置2での乗入れ操作時における液晶表示部22に表示される各画面例を示している。メニュー画面1にはタイトル表示部22aに「メニュー」が表示されると共に、「持ち玉共有」釦22b、「他口座利用」釦22c、「入金残高取出」釦22d、「会員カード挿入」釦22eが表示されており、「次」釦22fをタッチすることにより次のメニュー画面を表示することができる。尚、図7では「会員カード挿入」釦22eが活性化されているが、会員カード挿入中であれば非活性状態となる。
ここで、選択対象となる口座の選択優先順等は次の通りとなる。まず、自種別の持玉があれば、乗入れ操作を受け付けない(「他口座利用」釦22cが非活性化され、選択不能となる)。持玉がないものの他種別の持玉がある場合は、貯玉の有無に関わらずその持玉が対象となる(「他口座利用」釦22cが活性化され、選択可能となる)。他種別の持玉もなく他種別の貯玉がある場合は、その貯玉が対象となり、利用可能な全ての種別が選択対象となる(「他口座利用」釦22cが活性化され、選択可能となる)。図4では持玉が無いことから、「他口座利用」釦22cが活性化されている。尚、利用可能な持玉も貯玉もない場合は「他口座利用」釦22cが非活性化され、選択不能となる。また、自種別の貯玉は再プレイの対象であることから、その口座が選択対象となることはない。
さて、遊技者が「他口座利用」釦22cをタッチすると、遊技装置2は、乗入れ操作が有ったと判断し(S103:YES)、乗入れ操作受付処理を実行する(S104)。
図9は乗入れ操作受付処理を示すフローチャートである。遊技装置2は、乗入れ元となる持玉が有るかを確認する(S201)。図4に示すように乗入れ元となる持玉が無ければ(S201:NO)、貯玉を対象とした選択画面を表示し、乗入れ元選択操作が有るかを判定する(S207:NO)。
図7に示す選択画面は、1.67パチコーナーの遊技装置2において図4に示す記憶情報の場合の表示例を示している。タイトル表示部22aには「口座選択」が表示されていると共に、選択可能な口座が表示される。図4の場合、2パチの貯玉がないので、他種別の貯玉の内、2パチが選択不能となり、「4パチ」釦22g、「1パチ」釦22hが活性化されるが、中止釦を押下げする等のキャンセル操作等があり乗入れ元選択操作が行われない場合は(S207:NO)、S105に移行して待機フローを実行するようになる。
一方、この選択画面において遊技者が乗入れ元となる種別を選択すると、遊技装置2は、乗入れ元選択操作が行われたことから(S207:YES)、認証処理を実行し(S208)、乗入れ状態であることを示す乗入れフラグを1とすることで(S204)、乗入れ状態へと切替える。認証処理では、図7に示すように暗証番号を入力するための認証画面を表示する。この認証画面では、タイトル表示部22aに「暗証番号入力」を表示すると共に、テンキー22jを表示する。
この認証画面において、会員の遊技者が予め登録されている暗証番号をテンキー22jにより入力する等して認証されると、確認画面1が表示され、乗入れ先種別22l、乗入れ元種別22k、乗入れ元貯玉22m、及び乗入れ先値22nが表示される。
図7に示す確認画面1では、乗入れ先種別が1.67パチ、乗入れ元種別が4パチ、図4を参照して乗入れ元の貯玉数が800玉、乗入れ先値が1800玉であることを示している。尚、乗入れ先値とは、乗入れ処理を行う場合に、他獲得価値となる獲得価値を、予め設定される条件である他価値条件が成立するように調整した乗入れ元値を特定する元値特定処理、及び当該乗入れ元値を対象とした前記換算処理により特定される付与レートにおける換算値を、予め設定される条件である換算条件が成立するように調整したものである。
以下、1.67パチを乗入れ先、4パチを乗入れ元とした乗入れ処理を例に挙げ、貯玉に基づく乗入れ処理により乗入れ元の4パチの貯玉数が図4のように800玉の場合に乗入れ先値を1800玉として特定する方法について説明する。
乗入れ先の1.67パチの払出単位は図2によると150であるが、図3より4パチを乗入れ元とする乗入れ時の払出単位は上記した端数処理により300となる。そして、換算率は5/12(=5/3÷4)となり、4パチの貯玉800玉を換算率にて除した1.67パチへの換算値は1920(800÷5/12)玉となる。4パチの貯玉800玉は認証上限(2500)以下である(他価値条件が成立する)ので、800玉が乗入れ元値として特定され(元値特定処理)、換算値の1920玉と現在の再プレイ数である3000玉との合計値である4920玉は図2の再プレイ上限(7000)以下であるが、貯玉による乗入れの場合、払出単位を300とすることが更に条件(換算条件)となるため、換算値である1920玉を払出単位である300にて除した商である6に払出単位である300を乗じた値(1800玉)が乗入れ先値として特定される(先値特定処理)。即ち、換算値以下の値であって、払出単位の倍数の最大値が乗入れ先値となる。
一方、乗入れ元の貯玉が認証上限を超える場合には認証上限を対象として乗入れ元値を特定し、再プレイ数と換算値との合計が再プレイ上限を超える場合には、再プレイ上限から再プレイ数を除いた値を対象として乗入れ先値を特定する。また、認証上限と再プレイ上限とのいずれも超える場合は認証上限と再プレイ上限から再プレイ数を除いた値との内、小さい方を対象として乗入れ先値を特定するが、いずれも上記同様に払出単位の倍数を乗入れ先値として特定する。この場合、先に換算値を払出単位の倍数としてから上限を参照する方が望ましい。
ここで、認証上限について乗入れ元を参照対象としたが、乗入れ先を参照対象(換算条件、乗入れ付与抑制条件)としても良い。即ち、上記例であれば換算値の1920玉が認証上限(3000)を超えないかを条件とする一方、乗入れ元の貯玉(800)と認証上限(2500)とは比較しないという構成も例示できるし、双方の認証上限を比較し、いずれかが認証上限を超える場合にはその認証上限にて乗入れ処理を行っても良い(再プレイ上限も同様)。また、いずれの場合も乗入れ元と乗入れ先との双方の比較を行い、双方共に超過する場合は、より小さな値または大きな値の内、予め設定した方の値を採用しても良い。また、この場合も上記同様に払出単位を考慮する必要はある。
尚、認証上限を乗入れ付与抑制条件のみとした場合、貯玉についての乗入れ終了条件がなくなるが、乗入れ付与抑制条件と乗入れ終了条件の少なくとも一方の条件により乗入れ処理や乗入れ付与処理や乗入れ付与処理の抑制等を行えば、一方のみの条件、即ち、乗入れ付与の抑制と乗入れの終了の一方のみの構成しても良い。
図6は乗入れ状態に関わる遊技装置2の記憶領域3を示しており、以下の各項目が設定されている。
・状態=現在の状態が、貯玉乗入れ状態、持玉乗入れ状態、貯玉認証状態、これらのいずれでもない通常状態のいずれの状態であるのかを示している。
・乗入れ元=乗入れ状態としている乗入れ元の種別(乗入れ元レート)、即ち、乗入れ払出を行った場合の対価分の減算対象を示している。
・乗入れ元値=乗入れ払出分の対価を減算した値としている。
・乗入れ先値=図4にて説明したように特定した乗入れ先値が記憶されている。
・乗入れ払出=対応する状態にて払い出した玉数を示している。
図6の場合、図4のように乗入れ元値の800玉から乗入れ先値を特定して乗入れ先値を1800とする貯玉乗入れ状態となり、その後、600玉(払出単位2回)分の乗入れ払出を行った状態を示している。尚、乗入れ払出が乗入れ先値に達することで乗入れ先値分の乗入れ払出処理を行った旨を特定し、その場合は乗入れ払出を不可とし、乗入れ元値が0となった場合には乗入れ状態を終了する。つまり、乗入れ元値が無くなった(基準値(全ての種別にて乗入れ払出が不能となる乗入れ元値等)に達しなくなった)場合には乗入れ状態を終了するが、乗入れ払出が乗入れ先値となった場合には、その遊技機1での乗入れ払出を終了(抑制)する。
乗入れ元値の換算値と乗入れ先値とが再プレイ上限等を考慮して異なる場合、乗入れ先値分の乗入れ払出を行うことで、その遊技機(種別)の乗入れ払出を終了するが乗入れ状態は継続し、他の種別への台移動時のカード挿入に応じて乗入れ先値を再特定することで、残りの乗入れ元値分の乗入れ払出を可能とする。
図5の記憶領域2は、図4の状態から、4パチの貯玉(800)より払出単位4回分の乗入れ払出(500)を行い、その後、1.67パチにて3521玉の持玉を得た状態を示している。この場合、4パチを乗入れ元とした1.67パチの乗入れ払い出しを1200玉行っていることから、1.67パチの再プレイ玉は図4の3000に1200を加算した4200となる。
乗入れ状態では図7に示すメニュー画面1がメニュー画面2のように変更され、「他口座利用」釦22cに代えて「他口座利用終了」釦22c’が表示される。そして、「他口座利用終了」釦22c’のタッチ(解除操作)により確認画面3が表示され、「OK」釦22oのタッチにより解除操作を受け付けると(S108:YES)、乗入れ状態を解除(終了)可能となる(S120、S121)。尚、このような解除操作が行なわれた場合は、乗入れ状態自体が終了する(台移動時に持ち越さない)。
遊技装置2は、遊技者が全発行処理を行うために全発行操作(遊技機1の返却釦の押下げ)すると、発行操作を受け付け(S106:YES)、発行操作受付処理を実行する(S107)。
図10は発行操作受付処理を示すフローチャートである。遊技装置2は、受け付けた発行操作が持玉分割発行操作か、それ以外かを判定し(S301)、持玉分割発行操作以外の場合は(S301:持玉分割発行操作以外)、受け付けた発行操作が全発行操作か、残高分割発行操作かを判定する(S310)。この場合、全発行操作であることから(S310:全発行操作)、残高や持玉等の発行可能な有価価値全てを発行対象とした全発行処理を行い(S311)、乗入れフラグと貯玉認証フラグを0とすることで乗入れ状態と貯玉認証状態、及び優先乗入れ状態であることを示す優先乗入れフラグを0とすることで後述する優先乗入れ状態を終了する。
ここで、発行処理時に乗入れ状態を終了する場合は乗入れ状態を台移動後も持ち越すために発行対象となったカードに乗入れ元値等を対応付けて発行する一方、解除操作や乗入れ元値分の払出を行った場合等、発行処理以前に乗入れ状態が終了した場合は台移動後も乗入れ状態は持ち越されない。
遊技者が一般カード8を遊技装置2に挿入したり、図7のメニュー画面にて「会員カード挿入」釦22eを押下げて会員カードを挿入したりすると、カードを受け付け(S109:YES)、乗入れフラグと優先乗入れフラグとを0としてから(S110)、管理装置6へ問い合せ等を行うことでカードに対応したデータを引継ぐ記録媒体受付処理を行う(S111)。つまり、乗入れ状態にてカードを挿入した場合は乗入れ状態及び優先乗入れ状態を一旦終了する。これは、会員カードと一般カード8との持玉が合算される場合があり、この場合の処理の複雑化、及び遊技者の混乱を防止するためである。
尚、本実施形態では、会員カードは一般カード8の受付状態でも受付可能とし、一般カード8は、一般カード8や会員カードの受付状態(持玉がある状態を含む)では受付不能としているが、受付可能とした場合等も含め、カード受付時に乗入れ状態を継続しても良い。
遊技装置2は、カード受付時に、受付カードに自種別と同グループの種別が乗入れ元として対応付けられていれば(S112:YES)、乗入れ元値に基づく乗入れ先値を再特定する乗入れ処理を行い(S113)、乗入れ状態としてから(S114)、記憶領域を更新する(S115)。
この場合、台移動時、即ち全発行時には乗入れ元値を引き継ぐ。即ち、発行したカードに乗入れ元値を対応付け、カード受付時に台移動先にて乗入れ先値を再特定する(後述するPOS7等での乗入れ処理後も同様)。
台移動する場合、図6に示す「状態」「乗入れ元」「乗入れ元値」を発行したカードに対応付け、台移動先にて引き継ぐが、「乗入れ元」の遊技機1へと台移動した際には一旦乗入れ状態を解消する。
ここで、遊技者が図5に示す状態からカードを発行して1.67パチコーナーから4パチコーナーへと台移動し、1.67パチの持玉を4パチにて乗入れる場合の持玉を対象とした乗入れ処理である持玉乗入れ処理について説明する。この場合、乗入れ元の4パチへ台移動したことから乗入れ状態は解消されることになり、持玉(1.67パチが3521玉)等は引き継ぐことになる。尚、カード受付後に認証処理を行っても良く、カード受付後の払出釦23の操作に応じて認証処理を行い、その認証結果に応じて乗入れ先値の再特定等を行っても良い。
即ち、遊技装置2は、乗入れ操作が行なわれた場合に(S103:YES)、図5のように持玉(1.67パチが3521玉)が有ることから(S201:YES)、持玉を対象とした選択画面を表示し、この選択画面において乗入れ元となる種別(1.67パチ)の乗入れ元選択操作が有ったかを判定し、上述したようなキャンセル操作等があればステップS105に移行して待機フローを実行するようになる(S202:NO)。1.67パチの乗入れ元選択操作が有ったときは(S202:YES)、貯玉認証フラグを0とし(S203)、乗入れフラグを1とし(S204)、乗入れ処理を実行してから(S205)、記憶領域を更新する(S206)。このとき、図5を参照して図7に示す確認画面2を表示する。確認画面2の表示は確認画面1の表示とほぼ同じであるが、乗入れ対象が持玉となる点で異なっている。この場合、持玉の乗入れ時には暗証入力を必要としないので、認証画面が表示されないと共に認証上限も再プレイ上限も参照されない。
ところで、上述したように会員カードが対象となっている場合は、発行下限数が参照されることなく乗入れ処理が行われるが、一般カード8が対象となっている場合には、一般カード8の持ち去りによる一般カード8のコスト分の遊技場における損害を考慮して以下のように発行下限数が参照される。
具体的には、カードが一般カード8の場合は、1.67パチの持玉3521玉から1.67パチの発行下限数(250)を差引いた(除外処理した)値(3271)を、図3の最小の対価(12)にて除した商(272)にその最小の対価を乗じた値(3264)、即ち発行下限数を差引いた値以下であり、最小の対価の倍数となる最大値を対象として、換算率(12/5=4÷5/3)にて除した値(1360)を乗入れ先値とし、図3の払出単位(125玉)にて払い出す。即ち、払出単位×10回分(1250玉)と、残り(110玉)とが乗入れ先値となる。尚、発行下限数を差引いた値を換算率にて除した商(1362)以下の値の内、払い出しの最小(5)の倍数の最大値という方法にて特定することも可能である。この場合、乗入れ元以外の種別にて発行下限数分の持玉があったり、残高が残存したりする等、予め設定される発行条件が成立すれば、上記のような発行下限数を差し引かずに(除外処理を抑制して)乗入れ先値を特定する。
このような処理により、乗入れ元の持玉を発行下限数以上としたまま整数単位にて乗入れに応じた乗入れ元の持玉の減算が可能となる。
尚、貯玉を対象とした乗入れ処理を含んで乗入れ自体に乗入れ上限(例えば5000)を設けても良い。この場合、乗入れ先(換算条件)または乗入れ元(他価値条件)となる種別単位で乗入れ上限を設け、再プレイ上限と同様に乗入れにより乗入れ元にて徴収した玉数や乗入れ先にて払い出した玉数の営業日当日の累計値が乗入れ上限を超えないように乗入れ先値を特定すれば良い。勿論、払出単位等の他の条件を考慮する必要はあるし、認証上限と同様に乗入れ元と乗入れ先との双方を対象としてそれぞれ特定する等しても良い。この場合、再プレイと払戻処理とによる乗入れ玉数との合計値と、新たに特定する乗入れ先値との合計値が乗入れ上限を超過しないことを条件として乗入れ先値を特定することが望ましいが、貯玉乗入れ払出と持玉乗入れ払出とを区分しても良い。また、貯玉と持玉とで区分して乗入れ上限を設定し、それぞれの乗入れ先値を管理して、それぞれの特定の際に別々に参照しても良い。更に、乗入れ上限と比較するのは乗入れ先値であっても良いし、乗入れにより払い出した遊技価値であっても良いし、その対価分であってもいずれでも良い。
また、自種別の再プレイも、認証処理時に再プレイ玉数等を参照し、乗入れ先値同様に再プレイ可能な玉数を特定した上で貯玉認証状態となり、その再プレイ可能な玉数分の再プレイ処理を行うことにより貯玉認証状態を終了する。
更に、持玉等の全てを対象として乗入れ処理を行ったが、遊技者に指定された範囲の持玉等を対象として乗入れ処理を行っても良い。
尚、乗入れ元値は減算方式、乗入れ払出(乗入れ先値)は加算方式としたが、乗入れ元値を乗入れ先値と同様に固定値として、乗入れ払出同様に加算方式の乗入れ対価を設け、乗入れ対価が乗入れ元値に達した場合に乗入れ状態を終了する目安としたり、乗入れ払出を乗入れ元値同様に減算方式としたりしても良い。
さて、遊技者が獲得した玉を遊技装置2により計数すると、遊技装置2は、計数玉を受け付け(S101:YES)、各対応処理において(S116)、遊技装置2の自種別を計数玉に対応付けることで持玉を受け付けることができるが、遊技装置2は、図5のように乗入れ状態にて自種別の持玉が発生した場合(S102:NO)、乗入れ状態に関わらず優先乗入れ操作が有ったか(S117:NO)を判定することで、乗入れ操作が有ったか(S103:NO)を判定するのに代えて待機フローを実行するようになる。
このように自種別の持玉が発生した場合は優先乗入れ操作を乗入れ操作よりも優先するために、図7に示すメニュー画面1やメニュー画面2に代えてメニュー画面3を表示する。つまり、乗入れ状態でない場合は、自種別の持玉の発生によりメニュー画面1に代えてメニュー画面3を表示し、乗入れ状態の場合は、自種別の持玉の発生によりメニュー画面2に代えてメニュー画面3を表示する。メニュー画面3では、「他口座利用」釦22cまたは「他口座利用終了」釦22c’に代えて「ちょっとだけ乗入れ」釦22c”を表示する。
ここで、遊技者が、自種別の持玉があっても乗入れ状態を継続したまま他種別の遊技価値(持玉等)を使い切りたいと考え、「ちょっとだけ乗入」釦22c”を押下げると、遊技装置2は、遊技者からの優先乗入れ操作の受け付け(予め設定される優先状態切替条件の成立)に応じて(S117:YES)、乗入れ状態でなければ図7に示す選択画面を表示(乗入れ状態であれば省略)するので、遊技者が選択画面により乗入れ元を選択した場合は、確認画面1或いは確認画面2を表示する。尚、乗入れ元対象等は通常の乗入れ処理と同様である。このように優先乗入れ操作が行われた場合には、優先乗入れ操作受付処理を行う(S118)。この優先乗入れ操作受付処理は、図9の乗入れ操作受付処理と同様の処理を行うことから詳細は省略するが、乗入れフラグの代わりに優先乗入れフラグを1とする点で異なり、図6にて説明したような許容される乗入れ先値等も後述するように異なる。尚、乗入れフラグは貯玉乗入れ状態または持玉乗入れ状態に対応するが、優先乗入れフラグも同様に対応する。
遊技装置2は、遊技者が払出釦23を押下げすると、払出操作を受け付け(S105:YES)、払出操作受付処理を行う(S119)。
図11は、遊技装置2による払出操作受付処理を示すフローチャートで、優先順位に応じて払出処理を実行するようになっている。即ち、遊技装置2は、自種別の持玉が有るか(S401:NO)、乗入れ先値分の乗入れ払出しが可能か(S402:NO)、貯玉認証フラグが1か(S403:NO)の順で判定している。この場合、自種別の持玉が有ることから(S401:YES)、他のフラグに優先して優先乗入れフラグが1かを判定し(S412)、優先乗入れフラグが1であることから(S412:YES)、優先乗入れ処理を行う。つまり、乗入れ元が持玉か、貯玉かを判定し(S414)、遊技者が図7の選択画面で他種別の持玉を選択した場合、或いは他種別の持玉の乗入れ状態の場合は(S414:持玉)、持玉を対価とした持玉乗入れ払出処理を行う(S416)。一方、遊技者が他種別の貯玉を選択した場合、或いは他種別の貯玉の乗入れ状態の場合は(S414:貯玉)、貯玉を対価とする貯玉乗入れ払出処理を実行する(S415)。つまり、払出釦23の押下げに応じて乗入れ付与処理された玉を払い出し、対価となる乗入れ元の持玉等を減少させる。
優先乗入れフラグが0の場合は(S412:NO)、次の優先処理として自種別の持玉を対価(例えば払戻した玉数と同数)とした持玉払戻(自価値付与処理)を行う(S413)。
自種別の持玉が無いものの、乗入れ先値分の乗入れ払出し(乗入れ付与処理)が可能な場合、即ち、他獲得価値の換算値を対象として予め設定される乗入れ付与抑制条件が成立しない場合は(S402:YES)、乗入れ元が持玉か、貯玉かを判定し(S414)、持玉の場合は(S414:持玉)、持玉を対価とした持玉乗入れ払出処理を行う(S415)。一方、貯玉の場合は(S414:貯玉)、貯玉を対価とする貯玉乗入れ払出処理を実行する(S416)。
自種別の持玉も無く(S401:NO)、乗入れ状態でない場合等を含み乗入れ先値分の乗入れ払出しが不可能な場合、即ち、乗入れ付与抑制条件が成立する場合は(S402:NO)、乗入れ付与処理を抑制した上で、貯玉認証フラグが1の場合(S403:YES)、つまり貯玉認証状態では、貯玉を対価とした再プレイ処理を行う(S404)。この場合、乗入れ状態中に自種別の持玉を獲得しても乗入れ状態は継続され、その後、自種別の持玉の払戻処理等により自種別の持玉を使用し尽くす等の自価値付与処理終了条件を満たすと、乗入れ付与処理を再開する。
いずれの払出処理もできず、さらに貯玉認証されていない状態では(S403:NO)、認証処理を実行する(S417)。この認証処理では、自種別の貯玉を対価とした再プレイを許容する再プレイ許容状態における再プレイ玉の払出数の限度である再プレイ値を、図2〜図5に基づき乗入れ先値を特定する場合と同様に特定し、その再プレイ許容状態である旨を示す貯玉認証フラグを1とし、再プレイ処理を可能とする。
そして、遊技装置2は、上述したように自種別の持玉が有る場合(S401:YES)、乗入れ先値分の乗入れ払出しが可能な場合(S402:YES)、貯玉認証フラグが1の場合(S403:YES)のいずれかの場合に、対応する払出処理を行うと、記憶領域を更新し(S405)、優先終了条件が成立したか(S406:NO)、乗入れ元値が残存しているか(S408:YES)、再プレイ値が残存しているか(S410:YES)を判定するようになる。優先終了条件は1回分(乗入れ状態を終了する条件となる遊技価値分よりも少ない遊技価値分)の乗入れ払出を行うことや、通常の乗入れ状態と同様に乗入れ元値が0になること等である。乗入れ状態で乗入れ元値が無くなれば(S408:NO)、乗入れ終了条件が成立したとして、乗入れ状態を終了すべく乗入れフラグを0とし(S409)、再プレイ値が無くなれば(S410:NO)、貯玉認証状態を終了すべく貯玉認証フラグを0とする(S411)。
さて、上述のように優先乗入れ処理を行うと優先乗入れ状態となり、優先終了条件が成立すると(S406:YES)、優先乗入れ処理を終了すべく優先乗入れフラグを0とする(S407)。
ここで、本実施形態では優先終了条件は1回分の乗入れ払出を行うこと等としているが、優先終了条件として例えば優先乗入れ操作時に遊技者に任意の玉数(乗入れ状態を終了する条件となる遊技価値分よりも少ない遊技価値分)を指定させ、その指定分の乗入れ払出を行うこと等、他の条件を対象としても良く、当該指定分を別途設定により制限するようにしても良い。このような構成を採用した場合、優先乗入れ状態がイレギュラーな状態となり、多くの自種別の持玉に優先して使用したいという遊技者のニーズに応えつつも、他種別の持玉等を使い切りたいという少数の遊技者のニーズに応えることが可能になると共に、このような遊技者のニーズに適応していることから、いずれの処理が行われるのか遊技者が困惑する虞も低減できる。
また、優先乗入れ処理を行う条件として別途設定される基準値(獲得基準値、例えば100玉)に達していない他口座の持玉等があること等を採用しても良く、この場合、別途優先乗入れ操作を受け付けても良いし受け付けなくとも良い。このような構成を採用した場合、他種別の持玉等を使い切りたい場合に優先乗入れ状態となり、乗入れ払出にて他種別の持玉等を使い切るというような運用が可能となり、遊技者のニーズに応えることが可能になる一方、遊技場側にも少数の遊技価値を管理対象としたくないニーズもあるので、そのような遊技場のニーズにも応えられる。
尚、優先乗入れ状態中もメニュー画面3の「次」釦22fの押下により解除操作を受付可能であり、受け付けた場合は乗入れ状態を含め全ての乗入れ状態を終了するが、優先乗入れ状態のみを終了しても良い。
また、貯玉認証状態、貯玉乗入れ状態、持玉乗入れ状態であっても自種別の持玉があれば持玉を対価とした払戻処理(自価値付与処理)が優先され、その持玉を使用し尽くした場合にはその状態に基づく払い出しを再開するが、いずれかの状態、或いは全ての状態を対象として再度認証処理や乗入れ処理を行っても良い。
ここで、乗入れ状態は、上述した解除操作に加えて、乗入れ元値分の乗入れ払出等により成立する乗入れ終了条件が成立した場合に終了するが、図2に示す同グループ間の台移動があった場合は、図6に示す「乗入れ元値」等を引き継ぎ乗入れ状態も引き継ぐ。即ち、持ち越した「乗入れ元値」(残乗入れ元値)に基づき乗入れ先の再プレイ上限等を考慮して「乗入れ先値」を再特定する乗入れ処理(先値特定処理)を行い、台移動前に乗入れ付与処理を抑制した場合であっても、乗入れ付与処理を許容する。そして、その「乗入れ先値」分の乗入れ払出を行うことにより、台移動先での乗入れ状態を終了(抑制)する(貯玉、持玉共に共通)。即ち、乗入れ付与処理が抑制された上で台移動が行われた場合に、当該台移動前後でレートが異なることにより乗入れ付与抑制条件が成立しないことによって乗入れ付与処理を許容し、乗入れ状態へと価値付与手段の状態を切り替えることを可能としている。また、他グループに移る場合等、改めて乗入れ処理を行う場合には、持ち越している乗入れ状態を終了した上で新たな乗入れ処理を行う。また、乗入れ先の再プレイ上限等により、持ち越した「乗入れ元値」の換算値よりも少ない「乗入れ先値」を特定した場合、「乗入れ先値」分の乗入れ払出を行うことにより台移動先での乗入れ状態を終了しても、別途、操作を行わなければ残りの「乗入れ元値」に基づく新たな「乗入れ処理」を台移動に伴うカード受付時(S109)に行う。
一方、図7のメニュー画面にて遊技者が「入金残高取出」釦22dをタッチすると、遊技装置2は、発行操作を受け付け(S106:YES)、図10の発行操作受付処理にて受け付けた発行操作は残高分割発行操作であるとして(S310:残高分割発行操作)、残高(これも有価価値に含まれる)のみを対象とした所謂残高分割発行処理を行う(S312)。会員カード受付中なら(S313:YES)、乗入れフラグ、貯玉認証フラグ、及び優先乗入れフラグを0とすることで(S309)、乗入れ状態や優先乗入れ状態を終了する。つまり、乗入れ状態で残高分割発行操作が行われた場合、会員カード受付中であれば乗入れ状態や優先乗入れ状態を終了する一方、会員カード受付中でなければ乗入れ状態を継続する。これは、入金残高の取出の際に会員カードに残高を対応付けて発行するのに伴って、乗入れ元の対象が会員カードから一般カード8に移行するため、一旦乗入れ状態を終了することで、処理の複雑化、及び遊技者の混乱を防止するためである。上記持玉分割発行処理の場合も同様に、会員カード受付中であれば乗入れ状態や優先乗入れ状態を終了する一方、会員カード非受付中であれば乗入れ状態や優先乗入れ状態は継続する。
ここで、残高分割発行処理等について説明する。残高分割発行処理は、残高と持玉等とを受け付けている状態で、持玉等を発行対象から除外して残高を発行対象とした発行処理である。この場合、残高は発行した記録媒体側、持玉は遊技装置2側に対応付けられる。そして、残高分割発行処理は遊技者本人が残高を精算するために行われるので、会員カードを受け付けていれば会員カードが発行対象となる。ここで後述する持玉分割発行処理は持玉の一部を発行対象とした発行処理となるが、残高分割発行処理として、残高の一部を発行対象としても良く、この場合は、遊技者以外に残高を分けることが目的となるため、一般カード8を発行対象としても良い。
以上のように、残高を分割する場合は、持玉を残したまま全残高を対象として発行するため、遊技中に遊技者自身が残高精算のために発行処理を行うことであるから、会員カードの挿入状態では会員カードが発行対象となり、会員カードが挿入されていない状態では一般カード8が発行対象となる。
一方、図7のメニュー画面にて遊技者が「持ち玉共有」釦22bをタッチすると、遊技装置2は、持玉分割発行操作を受け付け(S301:持玉分割発行操作)、会員カード受付中でなければ(S302:NO)、乗入れ状態を継続したまま一般カード8に指定分の自種別の持玉を対応付ける持玉分割発行処理を行い(S305)、更に会員カード排出フラグが0であるので(S306:NO)、そのまま待機フローを実行する。このように持玉分割発行処理では、持玉乗入れ状態を継続したまま一般カード8に指定分の自種別の持玉を対応付ける。つまり、乗入れ状態であっても自種別のみを対象とした分割発行を可能としている。これは、乗入れ処理を行っていない場合は自種別のみを対象として持玉分割発行処理を行うため、乗入れ処理を行ってもその条件を継続するためである。
また、会員カード受付中でも(S302:YES)、持玉または貯玉を対象とした分割発行処理は可能だが、この場合、一旦会員カードを排出し(S303)、会員カード排出フラグを1としてから(S304)、指定した持玉または貯玉を対応付けた一般カード8を発行する持玉分割発行処理を実行する(S305)。また、その後の乗入れ状態等の各状態等は、会員カード排出フラグが1であることから(S306:YES)、排出会員カードの受け付けを条件として継続される(S307:YES)。排出会員カードを挿入せずにキャンセル操作等が行われれば(S307:NO)、先の会員カードの排出により会員カードを対象とした発行処理を確定してから(S308)、乗入れ状態及び貯玉認証状態を終了して優先乗入れ状態とする(S309)。
以上のように、持玉を分割する場合は他の遊技者へとカードを渡すため、一般カード8が発行対象となる。
尚、会員カード排出フラグはステップS307の判定後に0となり、排出会員カードを受け付けた場合のその後の処理としては、貯玉認証状態を継続させれば良いが、貯玉乗入れ状態や持玉乗入れ状態は継続させても、終了させたままとしても良い。また、残高分割発行も含め上述した一般カード8挿入中の分割発行処理はいずれも一般カード8の発行処理を行った場合に乗入れ状態を遊技装置2にて継続する例外となる。
乗入れ処理はPOS7や残高精算機等、遊技装置2以外の払出機能(価値付与手段)が対応付けられていない端末(記録媒体受付手段、媒体乗入れ手段)でも可能であり、この場合はカード受付後に遊技装置2同様に乗入れ元となる種別を選択(指定操作)することで乗入れ処理(媒体元値特定処理)を行う。この場合、受け付けたカードに対して乗入れ処理した情報を対応付けても良く、新たなカードを別途発行して対応付けても良い。尚、乗入れ処理は端末ではなく管理装置6にて演算等を行い、管理装置6からの情報送信により端末側にて乗入れ元値等を特定すれば良い。
乗入れ元の種別に台移動した場合に乗入れ状態を解消(終了)することを例示したが、継続して自種別の持玉等の払出に応じて乗入れ元値を更新し、更に台移動があった場合に乗入れ状態を持ち越す構成としても良い。この場合、自種別の持玉払出等に応じた乗入れ元値の更新は、自種別の持玉等が乗入れ元値を上回っている場合には除外して、乗入分を自種別の持玉払出により必要以上に更新しないようにしても良く、更に、乗入れ状態を持ち越した場合は別途解除操作等の終了条件の成立により乗入れ状態を終了すれば良い。
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
乗入れ状態とすることにより、払出操作に応じて乗入れ処理か、自種別の持玉の払出かを選択的に実行可能となり遊技者の利便性を高め、更に乗入れ状態であっても自種別の持玉が残存すれば持玉の払出を優先して実行する一方、優先乗入れ状態であれば自種別の持玉が残存していても優先乗入れ処理を優先して実行するようにしたので、自種別の持玉を他種別の持玉等に優先して使用したいという遊技者のニーズに応えつつも、他種別の持玉等を自種別の持玉に優先して使用したいという遊技者のニーズにも適切に対応し得る遊技場用システムを提供可能となる。
遊技者の操作により乗入れ状態または優先乗入れ状態となり、自種別の持玉がない場合には乗入れ操作、自種別の持玉がある場合には優先乗入れ操作を受付可能としたので、遊技者の操作により乗入れ状態や優先乗入れ状態へと切り替わり、遊技者が意図する払出処理を実行可能になると共に、自種別の持玉が残存するか否かにより乗入れ操作と優先乗入れ操作とを切り替えるため、遊技者がいずれの操作を行えば良いのか困惑する虞を低減できる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
乗入れ状態となった場合に、持玉が増加しない限りは乗入れ払出を行うが、持玉が増加した場合には自種別の持玉を払出すようにしても良い。また、予め設定される基準値(例えば1000玉)分の増加があった場合に初めて持玉が増加した、或いは基準値以上(例えば10玉)の持玉があることを条件として持玉等が残存する等と判定しても良い。
乗入れ先値分の乗入れ払出を行った場合に乗入れ状態を継続させたが乗入れ払出が抑制されれば終了させてもよく、台移動により乗入れ先値を再特定した場合に乗入れ操作を伴うことなく乗入れ状態としても良い。また、遊技装置2、POS7、残高精算機にて乗入れ処理を行うことを例示したが、いずれかの端末のみで行っても良いし、いずれかを除外して行っても良いし、例示した以外の端末にて行っても良い。
レートとして貸出レートと交換レートとの双方が複数設けられる場合を例示したが、いずれか一方のレートが複数設けられる場合に適用しても勿論良い。また、予め設定される自種別を計数した持玉の対応レートとして特定することで対応するレートを特定可能な獲得価値を受け付けることを例示したが、例えば遊技者が遊技開始時等にレートを選択可能な構成としてレートを設定し、計数時にその設定されたレートを採用する等、受け付けた獲得価値のレートを特定可能な構成や設定する構成はどのような構成としても良い。
超えるや達する等の表現は、基準値との比較において、超過だけなく以上とならないかを判定する構成も包含する。同様に超えないや達していない等とは未満だけなく以下とならないかを判定する構成も包含する。認証処理として暗証番号の入力を例示したが、例えば指紋認証や会員カードとは異なる記録媒体の提示等、本人であることを認証出来ればどのような認証処理を採用しても良い。
記録媒体に獲得価値を対応付け、その記録媒体を受け付けること、及び遊技媒体を計数することで獲得価値を受け付ける構成を例示したが、いずれか一方の受付のみを採用しても良いし、例えば指紋等の記録媒体以外の識別情報に獲得価値を対応付け、その識別情報を受け付けることにより獲得価値を受け付けても良い。この場合、乗入れ状態中に新たな記録媒体や識別情報を受け付けることにより、自種別の持玉の優先払出を行う構成とすれば良い。
乗入れ処理を乗入れ操作時のみに行うことを例示したが、乗入れ付与処理を行う度に行っても良い。即ち、乗入れ先値等を乗入れ操作時に特定せず乗入れ付与処理が可能であるか否かや、乗入れ状態を継続するか否かを乗入れ先値や換算値により判定するだけとしても良い。
また、乗入れ元が貯玉であるか持玉であるかにより状態等を区別したが、区別しない乗入れ状態とし、例えば持玉を優先して持玉を優先して対価とし、持玉がなくなったら状態移行することなく貯玉を対価とするようにしても良い。
付与許容値(再プレイ上限)等に対応する所定期間として1営業日を例示したが、例えば1週間や1月間、或いは午前中等、どのような期間を採用しても良い。
遊技者による乗入れ操作が行われることを状態切替条件として例示したが、他に、自種別の持玉がなく他種別の乗入可能な持玉がある場合に、遊技者の操作を伴うことなく成立する条件を状態切替条件とする等、状態切替条件等の条件は適当な条件であればどの様な条件を採用する等、例示した条件はどのような条件としても良い。
通常の付与処理を行う付与手段を乗入れ状態へと切り替えることで乗入付与処理を行うことを例示したが、通常の付与処理を行う付与手段と、乗入付与処理とを行う付与手段とを区別して設けて、乗入れ状態に関わりなく乗入付与処理を行う様にしても良い。
例示した設定値は予め設定されれば、遊技場管理者が任意に設定しても、管理装置の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)の管理サーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。また、記録媒体としてカードを例示したが、有価価値を特定可能な情報を記録可能であれば例えばコイン等の他の記録媒体であっても良い。
遊技装置として貨幣受付処理や、その貨幣による対価付与処理(貸出処理)の所謂貸出機の機能を備えた遊技装置を例示したが、持玉の計数や払戻しが可能であれば、必ずしも貸出機能を備える必要はない。また、例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用する等して間接的に特定しても良い。また、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
対象となる遊技機は遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機やスロットマシン等も採用できる。尚、所謂封入式等を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。また、封入式等の場合、有価価値を遊技に消費出来る状態とすることが遊技に使用可能な遊技価値を付与する対価付与処理となる。
例示した処理は遊技装置だけでなく、中継装置や管理装置、或いはPOS等、どのような機器により行っても良い。また、変形例を含む例示した構成をどのように組合わせても良い。