JP6426989B2 - 表面保護フィルム及び表面保護フィルム付き脂環式オレフィン樹脂フィルム - Google Patents

表面保護フィルム及び表面保護フィルム付き脂環式オレフィン樹脂フィルム Download PDF

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本発明は、透明導電性フィルム用基材等として用いられる脂環式オレフィン樹脂フィルムに貼り合わせるために好適に用いられ、該脂環式オレフィン樹脂フィルムの表面荒れを抑制できる表面保護フィルムに関する。また、本発明は、該表面保護フィルムを含む表面保護フィルム付き脂環式オレフィン樹脂フィルムに関する。
酸化インジウムスズ(ITO)フィルム等の透明導電性フィルムは、基材の一方の面に、ITO等からなる透明導電膜が形成されたフィルムであり、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ等における透明電極等として広く利用されている。
このような透明導電性フィルムは、タッチパネル、液晶ディスプレイ等における透明電極等の製造過程において、多くの加熱工程又は薬液処理工程にさらされる。このため、透明導電性フィルムの透明導電膜が形成された面とは反対側の基材表面に、汚染、損傷等を防ぐために表面保護フィルム(一般に、プロテクトテープ等と称されることもある)を貼り合わせることが一般的である。
表面保護フィルムは、基材の一方の面に粘着剤層を有するフィルムであり、基材としては、従来、透明性及び耐熱性を有し、比較的安価であることから、ポリエステルフィルムが多く用いられてきた。特許文献1には、可撓性を有する基材フィルムの一方の面に、粘着剤層が積層され、基材フィルムの少なくとも他方の面に、所定の保護層が形成されている表面保護フィルムが記載されており、基材フィルムが、2軸延伸したポリエステルフィルムであることが記載されている。
近年、タッチパネル、液晶ディスプレイ等において画像品質を落とす原因となる光学ムラ(輝度ムラ、色ムラ)を低減するため、透明導電性フィルムの基材として、光学特性に優れた脂環式オレフィン樹脂フィルムが注目されている。
しかしながら、脂環式オレフィン樹脂フィルムの一方の面に透明導電膜が形成された透明導電性フィルムに対して、特許文献1に記載のようなポリエステルフィルムの一方の面に粘着剤層を有する従来の表面保護フィルムを用いると、透明導電性フィルムと表面保護フィルムとの間の熱収縮特性の差の影響により、加熱工程又は薬液処理工程中で表面保護フィルムの剥がれ、反り等が生じるという問題がある。
特開2013−240927号公報
本発明は、透明導電性フィルム用基材等として用いられる脂環式オレフィン樹脂フィルムに貼り合わせるために好適に用いられ、該脂環式オレフィン樹脂フィルムの表面荒れを抑制できる表面保護フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、該表面保護フィルムを含む表面保護フィルム付き脂環式オレフィン樹脂フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、脂環式オレフィン樹脂フィルムに貼り合わせるために用いられる表面保護フィルムであって、脂環式オレフィン樹脂を含有する基材層と、粘着剤層とを有し、前記粘着剤層中の残留溶剤の含有量が5ppm以下である表面保護フィルムである。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、透明導電性フィルム用基材等として用いられる脂環式オレフィン樹脂フィルムに貼り合わせるために用いられる表面保護フィルムを、脂環式オレフィン樹脂を含有する基材層と、粘着剤層とを有するものとすることにより、脂環式オレフィン樹脂フィルムに対する表面保護フィルムの接着性を向上させ、加熱工程又は薬液処理工程中の表面保護フィルムの剥がれ、反り等を抑制できることを見出した。しかしながら、このような表面保護フィルムを用いると、表面保護フィルムの使用後に脂環式オレフィン樹脂フィルムから表面保護フィルムを剥がした後、脂環式オレフィン樹脂フィルムの表面にオレンジピールと呼ばれる微細な表面凹凸(表面荒れ)が残るという問題が生じた。このような表面荒れは、脂環式オレフィン樹脂フィルムをタッチパネル、液晶ディスプレイ等に組み込んだとき、画像品質を落とす原因となる光学ムラ(輝度ムラ、色ムラ)を生じさせる。
これに対して、本発明者は、表面保護フィルムの粘着剤層中の残留溶剤の含有量を所定値以下に調整することにより、表面保護フィルムの使用後に脂環式オレフィン樹脂フィルムから表面保護フィルムを剥がした後、脂環式オレフィン樹脂フィルムの表面に残る表面荒れを抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の表面保護フィルムは、脂環式オレフィン樹脂フィルムに貼り合わせるために用いられる表面保護フィルムである。
なお、本発明の表面保護フィルムの被着体となる脂環式オレフィン樹脂フィルムは、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ等における透明電極等として広く利用されている透明導電性フィルムの基材等として用いられるものである。
本発明の表面保護フィルムは、脂環式オレフィン樹脂を含有する基材層と、粘着剤層とを有する。
本発明の表面保護フィルムを、上記脂環式オレフィン樹脂を含有する基材層と、上記粘着剤層とを有するものとすることにより、脂環式オレフィン樹脂フィルムに対する表面保護フィルムの接着性を向上させ、加熱工程又は薬液処理工程中の表面保護フィルムの剥がれ、反り等を抑制することができる。
上記脂環式オレフィン樹脂として、例えば、脂環式オレフィンの単独付加重合体、脂環式オレフィンと鎖状オレフィン及び/又は芳香族ビニル化合物との付加共重合体、脂環式オレフィンの開環重合体及びその水素化物等が挙げられる。なかでも、透明性及び耐熱性に優れ、吸水性が低いことから、脂環式オレフィンの開環重合体の水素化物が好ましい。
上記脂環式オレフィンの開環重合体の水素化物は、例えば、脂環式オレフィンをメタセシス重合触媒を用いて開環重合し、得られた開環重合体を水素化して得ることができる。
上記脂環式オレフィンは、脂環式骨格中に炭素−炭素二重結合が存在する化合物であれば特に限定されず、例えば、ノルボルネンモノマー、単環シクロオレフィンモノマー等が挙げられる。なかでも、ノルボルネンモノマーが好ましい。
上記ノルボルネンモノマーは特に限定されず、例えば、炭化水素基、極性基等で置換されていてもよい、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン等の骨格を有するモノマー等が挙げられる。上記炭化水素基は特に限定されず、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、アリール基等が挙げられる。上記極性基は特に限定されず、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、エステル基、エーテル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、イミド基等が挙げられる。これらのノルボルネンモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、極性基で置換されていない、即ち、炭素原子及び水素原子のみで構成されるノルボルネンモノマーが好ましい。
上記ノルボルネンモノマーは、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン等の骨格中に存在する二重結合以外に、更に二重結合を有していてもよい。
上記ノルボルネン骨格を有するモノマーとして、具体的には例えば、2−ノルボルネン、5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンともいう)、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセンともいう)等が挙げられる。
上記極性基で置換されたノルボルネン骨格を有するモノマーとして、具体的には例えば、 テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−オール、5−ノルボルネン−2−カルボニトリル、7−オキサ−2−ノルボルネン等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン骨格を有するモノマーとして、具体的には例えば、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンともいう)等が挙げられる。
上記テトラシクロドデセン骨格を有するモノマーとして、具体的には例えば、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−フェニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン等が挙げられる。
上記単環シクロオレフィンモノマーは特に限定されず、例えば、炭化水素基、極性基等で置換されていてもよい、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン、1,5−シクロオクタジエン等の単環シクロオレフィン等が挙げられる。上記炭化水素基及び上記極性基として、例えば、上述したノルボルネンモノマーの場合と同様のものが挙げられる。これらの単環シクロオレフィンモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記鎖状オレフィンは特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等が挙げられる。これらの鎖状オレフィンは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記芳香族ビニル化合物は特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、4−メチルスチレン等が挙げられる。これらの芳香族ビニル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記脂環式オレフィン樹脂は、上記脂環式オレフィン、上記鎖状オレフィン、上記芳香族ビニル化合物等に加えて、更に、極性基含有モノマーが共重合されていてもよい。
上記極性基含有モノマーとして、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、ビニルエーテル、ビニルエステル、不飽和ニトリル化合物、アクリルアミド等が挙げられる。上記極性基含有モノマーの添加量は特に限定されないが、全モノマー中の10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
上記基材層において、上記脂環式オレフィン樹脂の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が75重量%、好ましい上限が95重量%である。上記脂環式オレフィン樹脂の含有量が75重量%未満であると、脂環式オレフィン樹脂フィルムに対する表面保護フィルムの接着性が低下することがある。上記脂環式オレフィン樹脂の含有量が95重量%を超えると、表面保護フィルムの可撓性が低下することがある。上記脂環式オレフィン樹脂の含有量のより好ましい下限は80重量%、より好ましい上限は90重量%である。
上記基材層は、上記脂環式オレフィン樹脂に加えて、本発明の効果を損なわない範囲内で、帯電防止剤、離型剤、酸化防止剤、耐候剤、結晶核剤等の添加剤、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エラストマー等の樹脂改質剤を含有してもよい。
上記基材層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は25μm、好ましい上限は200μmである。上記基材層の厚さが25μm未満であると、取扱い時に表面保護フィルムが折れやすくなることがある。上記基材層の厚さが200μmを超えると、上記基材層に巻きぐせが残ることがある。上記基材層の厚さのより好ましい下限は50μm、より好ましい上限は188μmである。
上記粘着剤層は、一般に表面保護フィルムに用いられる粘着剤からなるものであれば特に限定されないが、アクリル粘着剤、ウレタン粘着剤、スチレン系エラストマー等のゴム系粘着剤等を含有することが好ましい。
上記アクリル粘着剤は特に限定されず、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、このアルキル(メタ)アクリレートに共重合可能な改質用モノマーを共重合させた共重合体等が挙げられる。上記共重合可能な改質用モノマーとして、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー、(メタ)アクリル酸等のカルボキシ基含有モノマー、スチレン等のスチレン系モノマー、酢酸ビニル等のビニルエステル類等が挙げられる。これらのアクリル粘着剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ウレタン粘着剤は特に限定されず、例えば、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタン樹脂等が挙げられる。上記ポリオールとして、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。上記ポリイソシアネート化合物として、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのウレタン粘着剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記スチレン系エラストマーとして、例えば、一般式[A−B]n(式中、Aは、芳香族アルケニル化合物単位が連続した芳香族アルケニル重合体を表し、Bは、芳香族アルケニル化合物単位と共役ジエン化合物単位とがランダムに含まれる芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体を表し、nは1〜3の整数を表す。)で表される構造を有する共重合体又はその水素添加物等が挙げられる。なお、一般式[A−B]nで表される構造として、具体的には例えば、A−B、A−B−A−B、A−B−A−B−A−Bで表される構造等が挙げられる。A及びBは、それぞれの繰り返しにおいて同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、上記スチレン系エラストマーとして、例えば、一般式A−B−A又は一般式(A−B)m−Z(式中、A及びBは上記と同じであり、mは2以上の整数を表し、Zはカップリング剤残基を表す。)で表される構造を有する共重合体又はその水素添加物等も挙げられる。
これらのスチレン系エラストマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記スチレン系エラストマーとしては、上記一般式[A−B]nで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物と、上記一般式A−B−A又は一般式(A−B)m−Zで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物との混合物であって、かつ、該混合物に含まれる芳香族アルケニル重合体Aの総量と芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体Bの総量との重量比が5:95〜25:75の範囲内である混合物が好ましい。
上記芳香族アルケニル化合物として、例えば、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等が挙げられる。
上記共役ジエン化合物として、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。
上記粘着剤層は、更に、粘着付与剤を含有してもよい。
上記粘着付与剤は特に限定されないが、軟化点が90〜140℃のものが好ましく、例えば、脂肪族共重合体、芳香族共重合体、脂肪族芳香族共重合体、脂環式共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、及び、これらの水素添加物等が挙げられる。また、ポリオレフィン樹脂との混合物として市販されている粘着付与剤を用いてもよい。これらの粘着付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、上記粘着剤層の剥離性、耐候性等を高めるためには、上記粘着付与剤は、水素添加物であることが好ましい。
上記粘着剤層が上記スチレン系エラストマーを含有する場合、上記粘着付与剤は、上記スチレン系エラストマーにおける芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体Bに対して相溶することが好ましい。
上記粘着付与剤の含有量は特に限定されず、表面保護フィルムの使用後に脂環式オレフィン樹脂フィルムから表面保護フィルムを剥がすときに糊残りしない程度に適宜調整されるが、上記アクリル粘着剤、上記ウレタン粘着剤、上記スチレン系エラストマー等の主成分となる粘着剤100重量部に対する好ましい下限は5重量部、好ましい上限は50重量であり、より好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は40重量部である。
上記粘着剤層は、粘着力の制御等を目的に、必要に応じて、例えば、軟化剤、酸化防止剤、接着昂進防止剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の表面保護フィルムにおいては、上記粘着剤層中の残留溶剤の含有量が5ppm以下である。
上記粘着剤層中の残留溶剤の含有量を上記値以下に調整することにより、表面保護フィルムの使用後に脂環式オレフィン樹脂フィルムから表面保護フィルムを剥がした後、脂環式オレフィン樹脂フィルムの表面に残る表面荒れを抑制することができる。
上記粘着剤層中の残留溶剤の含有量が5ppmを超えると、表面保護フィルムの使用後に脂環式オレフィン樹脂フィルムから表面保護フィルムを剥がした後、脂環式オレフィン樹脂フィルムの表面に表面荒れが残る。上記粘着剤層中の残留溶剤の含有量は、1ppm以下であることが好ましい。また、上記粘着剤層中の残留溶剤の含有量の下限は特に限定されず、少なければ少ないほどよい。
なお、粘着剤層中の残留溶剤の含有量は、粘着剤層から採取した評価サンプル100mgを1mLのメタノールに浸漬させ24時間振とうさせて抽出液を作製し、この抽出液を300℃10分間加熱し、このとき生じた揮発成分をGC−MS装置(JMS K−9、日本電子社製、GCカラムSLBTM−5ms(微極性)0.25mm×30m×0.25μm)を用いて測定し、得られた揮発成分量から算出することができる。
上記粘着剤層中の残留溶剤の含有量を上記値以下に調整する方法として、例えば、上記粘着剤層を形成するときに用いる溶剤の種類、沸点等を適宜選択したり、混合溶剤の場合には該混合溶剤の種類、沸点等の組み合わせを調整したりする方法、上記粘着剤層を形成するときの乾燥条件を調整する方法、上記粘着剤層を形成した後、加熱処理等の後処理工程を行う方法、上記基材層及び/又は上記粘着剤層の厚みを調整する方法等が挙げられる。
上記粘着剤層を形成するときに用いる溶剤は特に限定されず、例えば、酢酸エチル、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。混合溶剤の場合、その組み合わせは特に限定されないが、酢酸エチル等の比較的低沸点の溶剤と、トルエン等の比較的高沸点の溶剤とを組み合わせることが一般的である。
なお、上記粘着剤層がアクリル粘着剤又はウレタン粘着剤を含有する場合、脂環式オレフィン樹脂フィルムの表面に残る表面荒れは、上記粘着剤層中に残留するトルエンを原因として生じることが多い。
これに対して、本発明の表面保護フィルムは、上記粘着剤層中の残留溶剤がトルエンを含有している場合であっても、該残留溶剤の含有量を上記値以下に調整することにより、表面荒れを効果的に抑制することができる。特に、上記粘着剤層がウレタン粘着剤を含有する場合、上記粘着剤層中の残留溶剤の含有量を1ppm以下に調整することができ、これにより表面荒れをより効果的に抑制することができる。
本発明の表面保護フィルムにおいては、上記粘着剤層がアクリル粘着剤を含有し、上記粘着剤層中の残留溶剤がトルエンを含有することが好ましい。また、上記粘着剤層がウレタン粘着剤を含有し、上記粘着剤層中の残留溶剤がトルエンを含有し、上記粘着剤層中の残留溶剤の含有量が1ppm以下であることも好ましい。
上記粘着剤層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は3μm、好ましい上限は30μmである。上記粘着剤層の厚さが3μm未満であると、上記粘着剤層の粘着力が低下することがある。上記粘着剤層の厚さが30μmを超えると、表面保護フィルムの使用後に脂環式オレフィン樹脂フィルムから表面保護フィルムを剥がしにくくなることがある。上記粘着剤層の厚さのより好ましい下限は5μm、より好ましい上限は20μmである。
本発明の表面保護フィルムを製造する方法は特に限定されず、例えば、Tダイ成形、インフレーション成形等の従来公知の成形方法により得られた上記基材層に、上記アクリル粘着剤、上記ウレタン粘着剤、上記スチレン系エラストマー等の主成分となる粘着剤及びその他の添加剤を上記溶剤に添加混合して得られた粘着剤溶液をコンマロール等を用いて塗布し、上記溶剤を乾燥させて粘着剤層を形成する方法等が挙げられる。上記粘着剤層を形成した後、加熱処理等の後処理工程を行ってもよい。
本発明の表面保護フィルムは、透明導電性フィルム用基材等として用いられる脂環式オレフィン樹脂フィルムに貼り合わせるために好適に用いられる。
本発明の表面保護フィルムが、脂環式オレフィン樹脂フィルムの表面に貼り合わせられている表面保護フィルム付き脂環式オレフィン樹脂フィルムもまた、本発明の1つである。上記脂環式オレフィン樹脂フィルムは、ITOフィルム等の透明導電性フィルムの基材として用いられる脂環式オレフィン樹脂フィルムであれば特に限定されず、例えば、本発明の表面保護フィルムの基材層に含まれる脂環式オレフィン樹脂と同様の樹脂からなるフィルム等が挙げられる。
本発明によれば、透明導電性フィルム用基材等として用いられる脂環式オレフィン樹脂フィルムに貼り合わせるために好適に用いられ、該脂環式オレフィン樹脂フィルムの表面荒れを抑制できる表面保護フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、該表面保護フィルムを含む表面保護フィルム付き脂環式オレフィン樹脂フィルムを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
ノルボルネン樹脂(ゼオノア、日本ゼオン社製)をTダイ法により押出成形し、厚さ50μmの基材層を得た。得られた基材層に、粘着剤A(アクリル粘着剤、MS3999、サイデン化学社製)を酢酸エチルとトルエンとの混合溶剤に添加混合して得られた粘着剤溶液をコンマロールを用いて塗布し、130℃3分間加熱して混合溶剤を乾燥させて厚さ10μmの粘着剤層を形成した。これにより、基材層と粘着剤層とを有する表面保護フィルムを得た。
得られた粘着剤層から採取した評価サンプル100mgを1mLのメタノールに浸漬させ24時間振とうさせて抽出液を作製し、この抽出液を300℃10分間加熱し、このとき生じた揮発成分をGC−MS装置(JMS K−9、日本電子社製、GCカラムSLBTM−5ms(微極性)0.25mm×30m×0.25μm)を用いて測定し、得られた揮発成分量から粘着剤層中の残留溶剤の含有量を算出した。残留溶剤の含有量を表1に示した。
(実施例2〜9、比較例1〜7)
表1及び2に示すように基材層の厚み、粘着剤の種類、又は、粘着剤層の厚みを変更したこと以外は実施例1と同様にして、基材層と粘着剤層とを有する表面保護フィルムを得た。また、実施例1と同様にして、粘着剤層中の残留溶剤の含有量を算出した。なお、使用した粘着剤は下記のとおりである。
・粘着剤B(アクリル粘着剤、SKダイン1439U、綜研化学社製)
・粘着剤C(ウレタン粘着剤、US−902A、一方社油脂工業社製)
<評価>
実施例、比較例で得られた表面保護フィルムについて、以下の評価を行った。結果を表1及び表2に示した。
(1)表面荒れの有無
ITOフィルムとして、ノルボルネン樹脂(ゼオノア、日本ゼオン社製)からなる厚さ50μmの基材の一方の面に、厚さ0.01μmのITO膜が形成されたITOフィルムを用いた。このITOフィルムのITO膜が形成された面とは反対側の基材表面に、実施例、比較例で得られた表面保護フィルムを貼り合わせ、試験サンプルを作製した。試験サンプルに対して150℃1時間の加熱処理を行った後、ITOフィルムから表面保護フィルムを剥がした。その後、ITOフィルムの基材表面の表面状態を目視にて観察し、オレンジピールと呼ばれる微細な表面凹凸(表面荒れ)の有無を評価した。
Figure 0006426989
Figure 0006426989
本発明によれば、透明導電性フィルム用基材等として用いられる脂環式オレフィン樹脂フィルムに貼り合わせるために好適に用いられ、該脂環式オレフィン樹脂フィルムの表面荒れを抑制できる表面保護フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、該表面保護フィルムを含む表面保護フィルム付き脂環式オレフィン樹脂フィルムを提供することができる。

Claims (3)

  1. 脂環式オレフィン樹脂フィルムに貼り合わせるために用いられる表面保護フィルムであって、
    脂環式オレフィン樹脂を含有する基材層と、粘着剤層とを有し、
    前記粘着剤層は、アクリル粘着剤を含有し、
    前記粘着剤層中の残留溶剤の含有量が5ppm以下であり、
    前記粘着剤層中の残留溶剤は、トルエンを含有する
    ことを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 脂環式オレフィン樹脂フィルムに貼り合わせるために用いられる表面保護フィルムであって、
    脂環式オレフィン樹脂を含有する基材層と、粘着剤層とを有し、
    前記粘着剤層は、ウレタン粘着剤を含有し、
    前記粘着剤層中の残留溶剤は、トルエンを含有し、
    前記粘着剤層中の残留溶剤の含有量が1ppm以下である
    ことを特徴とする表面保護フィルム。
  3. 請求項1又は2記載の表面保護フィルムが、脂環式オレフィン樹脂フィルムの表面に貼り合わせられていることを特徴とする表面保護フィルム付き脂環式オレフィン樹脂フィルム。
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