JP6426896B2 - 代掻爪 - Google Patents

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Description

本発明は、代掻爪に関する。
従来、代掻き作業を行うために、例えば特許文献1、2及び3に示されるような代掻爪を用いていた。具体的には、特許文献1に記載の代掻爪は、「縦刃部の基部を、横刃部が弯曲している側と反対側に所定角度屈曲させ」て成る(特許文献1の請求項1、図1及び図2参照。)。また、特許文献2に記載の代掻爪は、「縦刃部の前縁を横刃部の対抗側へ折曲して回転方向に対して傾斜角を有するように補助板を形成し」て成る(特許文献2の実用新案登録請求の範囲、第1図及び第2図参照。)。更に特許文献3に記載の代掻爪としては、「縦作用刃部と横作用刃部との間に連続して設けられ、縦作用刃部から横作用刃部とは逆方向に湾曲して又は折り曲がって回転軸の回転方向へ面した面部分を有する段差部とを有する」実施形態、及び、「縦作用刃部から段差部に至る稜線部分を含む板状体側方に膨らみのある湾曲面から成る補強部を有する」実施形態等が挙げられている(特許文献3の請求項1、3、図1及び図2参照。)。
従来における代掻爪は、例えば大きく設定された切削角によって、一定の砕土性及び藁の土中へのすき込み性を確保しつつ、土を後方へ放擲する放擲性に重点を置いていることが多かった。
特開平8−066102号公報 実開昭63−018002号公報 特開2010−004764号公報
しかしながら、良好な放擲性も維持しつつ、砕土性及び藁の土中へのすき込み性をより一層向上させた代掻爪が求められていた。
よって、本発明が解決しようとする課題は、良好な砕土性、藁の土中へのすき込み性及び放擲性を有する代掻爪を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、代掻爪は、水平な回転軸の外周側に複数取付けられ、回転軸と共に回転する代掻爪であって、回転軸に取付けられる取付基部と、取付基部から延在する縦刃部と、縦刃部の先端から延在し、回転中心軸の一方側に折曲又は湾曲されて成る横刃部と、回転方向の前方側において、縦刃部及び横刃部の端縁部である刃縁と、回転方向の後方側において、縦刃部及び横刃部の少なくとも一方から突出し、回転方向に面する面部と、を備える。
代掻爪は、縦刃部及び横刃部における回転中心軸の一方側の面である腹面、及び、回転中心軸の他方側の面である背面、を有し、面部は腹面又は背面から突出することが好ましい。
代掻爪は、面部を通り、刃縁側の端縁に直交する切断面において、取付基部側から横刃部の先端側に向かって各部位の切断面を比較すると、背面側に面部が最も突出する部位と、刃縁の最も背面側に位置する部位との、回転中心軸に沿った距離が、漸次増大する箇所を有することが好ましい。
代掻爪は、面部を通り、刃縁側の端縁に直交する切断面において、取付基部側から横刃部の先端側に向かって各部位の切断面を比較すると、腹面側に面部が最も突出する部位と、刃縁の最も腹面側に位置する部位との、回転中心軸に沿った距離が、漸次増大する箇所を有することが好ましい。
代掻爪は、切断面において、距離は、取付基部側から横刃部の先端側に向かって、増大から減少に転じる箇所を有することが好ましい。
代掻爪は、縦刃部は、背面側に折曲又は湾曲されて成ることが好ましい。
代掻爪は、面部と、縦刃部又は横刃部とは連続的に形成されていることが好ましい。
代掻爪は、面部は、横刃部の先端側において、面部の端縁部と、回転方向の後方側における縦刃部又は横刃部の端縁部とが繋がる箇所を有することが好ましい。
代掻爪は、横刃部の切削角は10°〜50°であることが好ましい。
本発明によると、縦刃部及び横刃部が砕土し、藁を土中へすき込むと共に、面部が土を後方へ放擲するので、良好な砕土性、藁の土中へのすき込み性及び放擲性を有する代掻爪を提供することができる。
図1は、本発明に係る代掻爪を備える代掻き機の一実施形態を示す平面図である。 図2は、図1に示した代掻き機の側面図である。 図3は、本発明に係る代掻爪の一実施形態を示す説明図である。 図4は、図3に示す代掻爪を回転軸に取付ける場合の説明図である。 図5は、図3に示す代掻爪における刃縁と面部の端縁部との位置関係を示す説明図である。 図6は、図3に示す代掻爪の切削角の説明図である。 図7は、図3に示す代掻爪の回転動作の説明図である。 図8は、本発明に係る代掻爪の他の実施形態を示す説明図である。
本発明に係る代掻爪を備えた代掻き機の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の説明においては、代掻き機1が接続されるトラクタTの前進方向を前方向とし、後進方向を後方向とする。更に、代掻き作業を行う水田の田面に平行な方向を水平方向とし、前後方向に対して垂直な水平方向を特に左右方向とする。また、前後方向及び左右方向に対して垂直な方向を上下方向とする。
本発明に係る代掻爪は、例えば代掻き作業を行うためにトラクタの後部に連結されて成る代掻き機に取付けられる代掻き用の爪に適用することができる。本発明に係る代掻爪を適用可能な作業機の一例として、図1及び図2に代掻き機1を示した。図1は代掻き機1の平面図である。また、図2は代掻き機1の側面図である。なお、図1及び図2には、トラクタTのPTO軸からの動力を伝達する動力伝達部材(ユニバーサルジョイント)は図示していない。図1及び図2にはトラクタTにおける後輪の一部の輪郭線が破線で示されている。
図1に示すように、代掻き機1は、連結部2、ギヤボックス3、支持フレーム4、伝動フレーム5、側部フレーム6、チェン伝動ケース7、エプロン8、レベラ9、及びエクステンションレベラ10を備えている。
連結部2は、トラクタTと代掻き機1とを接続する適宜の手段、例えば3点リンクヒッチ機構(図示せず)等が取付けられる部位である。特に図2に示すように、連結部2はトップリンク連結部11及びロアリンク連結部12を有する。トップリンク連結部11はギヤボックス3の上部に固定的に取付けられる部材であり、3点リンクヒッチ機構のトップリンクに連結される。また、ロアリンク連結部12は、ギヤボックス3の左右両側でかつ代掻き機1の前方に設けられる部材であり、3点リンクヒッチ機構の2つのロアリンクに連結される。
なお、3点リンクヒッチ機構はトラクタTに対して着脱自在である。よって、代掻き機1は、3点リンクヒッチ機構を介してトラクタTに対して着脱自在である。
図2に示すように、ギヤボックス3から前方に入力軸13が突出している。入力軸13は、ユニバーサルジョイント等の動力伝達部材が接続される部材であり、その軸線を中心にして回転可能である。つまり、入力軸13は、代掻き機1において最初にトラクタTの動力を受ける部材である。
ギヤボックス3は、PTO軸から入力軸13を介して動力が伝達される部材であり、その内部に適宜のギヤが組み込まれて成る。ギヤボックス3の右側には支持フレーム4が延在し、左側には伝動フレーム5が延在している。
支持フレーム4及び伝動フレーム5は、それぞれ左右方向に沿って延在する筒状部材であり、各軸線が一致するように配置されている。支持フレーム4及び伝動フレーム5は、代掻き機1における上方の枠体として機能する。
支持フレーム4は、一端部がギヤボックス3に固定的に取付けられ、他端部が側部フレーム6に固定的に取付けられている。側部フレーム6は、支持フレーム4の他端部に対して垂直又は略垂直に配設され、適宜の板体及びフレーム状部材等を組合せられて成る部材である。側部フレーム6は、支持フレーム4の右端部及び後述の回転軸14の右端部を側方から支持する。
伝動フレーム5は、一端部がギヤボックス3に固定的に取付けられ、他端部がチェン伝動ケース7に固定的に取付けられている。伝動フレーム5の内部には回転可能な伝動軸(図示せず)が挿通しており、二重構造を有している。伝動軸は、一端部がギヤボックス3内に挿入されている。入力軸13の受けた動力は、ギヤボックス3内で適宜に組合されたギヤによって、伝動軸に伝達される。チェン伝動ケース7は、伝動フレーム5の他端部に対して垂直又は略垂直に配設され、上方において伝動軸の他端部が挿入される筐体である。チェン伝動ケース7の下方には、回転可能な筒状部材である回転軸14が挿入されている。
チェン伝動ケース7は、その内部において伝動軸と回転軸14とに架け渡される無端チェン(図示せず)を有している。チェン伝動ケース7内における伝動軸及び回転軸14の端部は無端チェンに歯合している。よって、伝動軸が動力を受けて回転すると、無端チェンを介して回転軸14に動力が伝達される。
回転軸14の周面には複数の代掻爪15が取付けられる。なお、回転軸14が回転することによって代掻爪15の先端が描く回転軌道を二点鎖線で示している。回転軸14及び代掻爪15については、図3〜図6を参照しつつ後述する。
エプロン8は、代掻き機1の後方において、回転軸14及び代掻爪15を覆う部材である。また、レベラ9は、エプロン8の下方端縁部に装着される整地用部材である。エクステンションレベラ10は、レベラ9の左右端部に装着され、代掻き機1の左右に突出する整地用部材である。エプロン8は、その内側面、つまり図2において下方に臨む面に対して、代掻爪15の後方へ放擲する土が当たって落下させる部材であり、後方への土の飛散を防止することができる。レベラ9は、エプロン8に当たって落下した土の上を通過することによって、土をならして代掻きを完了する。エクステンションレベラ10は、レベラ9が土をならす際に左右に逃げる土をならすことができる。
続いて、図3は、様々な方向から見た場合の代掻爪15を示している。また、図4は、代掻爪15を回転軸14に取付ける際の説明図である。
図3(A)は、取付基部16の側端部及び刃縁19が正面に見えるように配置された代掻爪15を示す。図3(B)は、図3(A)に示す状態から、腹面BSが手前に位置するように、図3(A)の上下方向を軸として略90°回転させた代掻爪15を示す。図3(C)は、図3(B)に示す状態から、面部20が手前に位置するように、図3(B)の上下方向を軸として略90°回転させた代掻爪15を示す。図3(D)は、図3(B)に示す状態から、横刃部18の先端部が手前に位置するように、図3(B)の左右方向を軸として略90°回転させた代掻爪15を示す。
代掻爪15は、水平な回転軸14の軸周の接線方向に沿って複数取付けられ、該回転軸14と共に回転する部材である。なお、本発明においては、回転軸に対する代掻爪の取付角度等は特に限定されず、例えば回転軸の軸周において、回転軸の中心軸線に対して放射状に代掻爪が取付けられても良い。
代掻爪15は、取付基部16と、縦刃部17と、横刃部18と、刃縁19と、面部20とを有する。代掻爪15は各部位が連続する一枚の板状部材である。代掻爪15は、一枚の金属板をプレス加工することによって、折曲部位及び湾曲部位等を形成するのが良い。以下、縦刃部17及び横刃部18の表面において、横刃部18が湾曲している側の面を腹面BSと称し、腹面BSの裏面を背面RSと称する。また、代掻爪15の腹面BS側を腹側と称し、背面RS側を背側と称する。
取付基部16は、回転軸14に取付けられる平板状の部位である。代掻爪15を回転軸14に取付けるには、図4に示すように、円筒体である回転軸14の周面に対して溶接等で固定的に取付けられたホルダ21の貫通孔22に取付基部16を挿入し、取付基部16に開口するネジ穴23とホルダ21に設けられたボルト用貫通孔24とにボルトを挿通して取付けるのが良い。
ホルダ21は、断面形状が矩形の筒体である。ホルダ21は、回転軸14の外側に張り出し、回転軸14の軸線に対して略垂直となるように、回転軸14に取付けられている。ホルダ21の取付位置、取付方向、及び数等については、代掻き作業の効率を考慮して設定される代掻爪15の位置、方向、及び数等に応じて決定すれば良い。
縦刃部17は、取付基部16から延在する部位である。図3(A)及び図3(C)に示すように、縦刃部17は取付基部16から延在する板状の部位が背側に折曲されて成る。図3(B)において、取付基部16と縦刃部17との間にある折曲線が一点鎖線で示されている。縦刃部17の背側への折曲角度は、代掻爪15が一回転したときの代掻き範囲を決定するので、代掻き作業を行う水田の条件等に応じて適宜設定すれば良い。
なお、本発明に係る代掻爪において縦刃部は、良好な砕土性、藁の土中へのすき込み性及び放擲性を維持することができる限り、例えば背側に折曲されて成る形態に代えて湾曲されて成る形態であっても良い。
横刃部18は、縦刃部17の先端から延在し、腹側に湾曲されて成る部位であり、横刃部18は、代掻爪15の先端部側を形成する。
本発明に係る代掻爪において横刃部は、良好な砕土性、藁の土中へのすき込み性及び放擲性を維持することができる限り、例えば腹側に湾曲されて成る形態に代えて折曲されて成る形態であっても良い。
刃縁19は、代掻爪15の回転方向の前方側において、縦刃部17及び横刃部18の端縁部である。図3〜図6に示す代掻爪15における刃縁19は特に加工をしていないが、本発明においては、刃縁及びその周辺部位を研磨して厚みを小さくすることによって代掻爪の土への侵入時の抵抗を低減しても良い。
刃縁19は、代掻爪15の回転方向の前方側であるので、代掻爪15が回転したときに土に侵入し、土をかき分け、砕土し、藁を土中へすき込む部位である。
面部20は、背側でかつ代掻爪15の回転方向の後方側において、縦刃部17及び横刃部18から突出する面状の部位である。換言すると、面部20は、特に図3(A)及び図3(C)に示すように、縦刃部17及び横刃部18から左右方向に突出している。縦刃部17及び横刃部18と面部20とは連続的に形成されている。面部20は、縦刃部17及び横刃部18における回転方向の後方側の一部が背側に湾曲して形成される湾曲面である。図3(B)及び図3(D)において、縦刃部17及び横刃部18と面部20との間にある折曲開始線を二点鎖線で示している。面部20は、縦刃部17及び横刃部18の一部を単に変形させただけではなく、背側に延在する面状部材として形成されている。例えば、仮に面部20を設けること無く単に縦刃部17及び横刃部18を形成した場合における縦刃部17及び横刃部18の腹面BSの面積は、面部20を設けた場合における縦刃部17、横刃部18及び面部20の腹面BSの面積より小さくなる。代掻爪の表面積の大小は、代掻爪の回転時に土に接触する面積の大小につながる。土に接触する面積の大小は、砕土性、土の放擲性等の代掻爪の性能に影響する。代掻爪の性能については、図7を参照しつつ後述する。
本発明に係る代掻爪において面部は、縦刃部又は横刃部から突出する形態であっても良い。つまり、面部は、縦刃部のみから突出する形態、又は、横刃部のみから突出する形態であっても良い。
また、本発明において面部と縦刃部又は横刃部とは連続的である限り、一体形成されていても良く、別体形成されても良い。例えばボルト及びナット等の接続手段によって、縦刃部及び横刃部の少なくとも一方に固定的に接続されても良い。面部を別体に形成すると、代掻き作業を行うことによって縦刃部及び横刃部と面部との間に摩耗の差異が生じた場合に、接続手段による接続を一旦解除して分解し、摩耗が大きい部位のみを交換することができるので、交換が不要な部位は継続して使用することができる。これにより、例えば面部のみの局所的な摩耗によって代掻爪全体を交換する必要性が無くなり、代掻爪の長寿命化及び材料低減を図ることができる。
ここで、面部20の形状について図5を参照しつつ、更に詳述する。図5(A)は、図3(A)と同様に、取付基部16の側端部及び刃縁19が正面に見えるように配置された代掻爪15を示す説明図である。図5(B)は、図5(A)に二点鎖線で示すM−M線を通り、刃縁19の端面に対して直交する面において代掻爪15を切断した場合の端面図である。図5(C)は、図5(A)に二点鎖線で示すN−N線を通り、刃縁19の端面に対して直交する面において代掻爪15を切断した場合の端面図である。
図5(B)に示す、M−M線を通り、刃縁19の端面に対して直交する切断面において、背面RS側に面部20が最も突出する部位M1と、刃縁19の端面の最も背面RS側に位置する部位M2との、回転中心軸線141に沿った図5(B)における左右方向の距離D1は、図5(C)に示すN−N線における切断面の距離D2よりも小さい。なお、距離D2は、図5(C)に示す、N−N線を通り、刃縁19の端面に対して直交する切断面において、背面RS側に面部20が最も突出する部位N1と、刃縁19の端面の最も背面RS側に位置する部位N2との、回転中心軸線141に沿った図5(C)における左右方向の距離である。
任意の切断面毎の回転中心軸線141に沿った距離同士を比較すると、取付基部16側から横刃部18の先端側に向かって漸次増大する箇所を有している。該距離が漸次増大する箇所は、面部20が背面RS側に張り出す距離が大きくなる箇所である。該距離がゼロの状態から増大し始める位置は、縦刃部17における回転方向の後方側の縁端部(峰線)と、図3(B)に二点鎖線で示す折曲開始線とが交わる位置である。この位置によって、図5(A)及び図5(C)における左右方向への、面部20が縦刃部17から突出する位置、換言すると縦刃部17における面部20の背側への立上り位置が決定する。
仮に面部20が横刃部18のみから突出する場合は、横刃部18における刃縁19に直交する複数の切断面において上記と同様に算出される距離を比較すると、漸次増大する箇所を見出すことができる。
また、図3(A)及び図5(A)に示す代掻爪15においては、図5(C)に示す回転中心軸線141に沿った距離D2が最大である。取付基部16側から横刃部18の先端側に向かって、任意の切断面における回転中心軸線141に沿った距離は、D2に達するまで増大し、D2に達した後は減少に転ずる。図3(A)及び図5(A)における面部20の左端、図3(D)における面部20の上端が、上記距離が増大から減少に転じる箇所である。
なお、上記と同様に算出される距離が増大するに従って、つまり面部20における回転方向に面する面積が大きくなるに従って、代掻き作業時において面部20による後方への土の放擲量が増大する。換言すると、代掻き作業時に代掻爪15の特に面部20に対して作用する土からの抵抗が増大する。よって、上記距離は、トラクタTから代掻き機1に伝達される動力の大きさ、回転軸14の回転速度、土質等を考慮して、代掻き作業を円滑に行うことができる程度の土からの抵抗となるように設定すれば良い。
更に、図3(A)及び図5(A)に示すように、面部20は、横刃部18の先端側において、面部20の端縁部と、横刃部18の回転方向の後方側の端縁部とが繋がっている。この繋がる部位は、横刃部18における回転方向の後方側の縁端部と、図3(B)に二点鎖線で示す折曲開始線とが交わる位置である。この位置によって、面部20の横刃部18からの突出位置、換言すると横刃部18における面部20の背側への立上り位置が決定する。
次に示す図6は代掻爪15の切削角についての説明図である。なお、図6に示す代掻爪15は、図3に示した代掻爪15と同じであるので各部位の詳細な説明は省略する。
代掻爪15の切削角は例えば次のように表すことができる。代掻爪15の回転中心Vは、図2に示した回転軸14の回転中心と一致する。代掻爪15が回転する際に、横刃部18の先端角部である刃先Wが、回転中心Vから最も離れた代掻爪15の部位である。刃先Wは代掻爪15の回転によって、円形の回転軌道WPを描く。回転中心Vと刃先Wとを繋ぐ線分Xと、回転軌道WPの刃先Wにおける接線Yとは直交している。縦刃部17と横刃部18との間には、横刃部18を形成する際に縦刃部17から変形が始まる境界である折曲開始線Zが形成されている。刃先Wから折曲開始線Zの平行線Z2を設ける。直線Yと平行線Z2とが成す角度αを、代掻爪15の切削角とする。
図6に示す代掻爪15の切削角は約30°である。本発明に係る代掻爪の切削角としては、例えば10°〜50°が好ましい。切削角が10°〜50°であると、縦刃部17及び横刃部18による良好な砕土性及び藁の土中へのすき込み性を確保することができると共に、土の持ち回り性も良好となる。
従来、代掻爪の切削角は大きく設定されることが多く、例えば90°程度に設定されていた。例えば切削角が90°である代掻爪は、代掻き作業時に代掻爪が回転して代掻爪の横刃部が土に接触する際に、横刃部の腹面と土の表面とが略平行になる。換言すると、横刃部の腹面で土の表面を叩くようにして、横刃部が土に接触する。代掻爪が更に回転して横刃部が土中に侵入し、横刃部の腹面が土を後方に対して押圧する。代掻爪が更に回転して横刃部が土から抜ける際に、横刃部の腹面が押圧していた土を後方に対して放擲する。放擲された土は、例えば図1及び図2に示したエプロン8のような飛散防止部材に当たる。
従来において切削角が大きく設定された代掻爪は、横刃部の腹面による土の表面を叩く動作と、横刃部による土の押圧動作と、後方への土の放擲と、飛散防止部材への衝突によって、砕土していた。
本実施形態に係る代掻爪15の回転を図7に概略図として示した。
先ず、図7(A)には、回転によって土表面Eに接触し始めた状態の代掻爪15を示す。横刃部18近傍に示す黒色の矢印は、横刃部18の土表面Eへの接触方向及び侵入方向を示す。代掻爪15は、図6に示したように切削角が小さく設定されて約30°である。よって、代掻爪15の横刃部18は、従来の腹面で叩く動作ではなく、土表面Eに切り込むようにして土中に侵入する。横刃部18の腹面で土表面Eを叩く従来例に比べて、横刃部18が土表面Eに切り込む場合の方が、代掻爪15が円滑に土中に侵入することができ、砕土性及び藁の土中へのすき込み性は良好である。
図7(B)には、面部20の端縁部が土表面Eに接触した状態の代掻爪15を示す。面部20近傍に示す黒色の矢印は、面部20における端縁部の土表面Eへの接触方向及び侵入方向を示す。面部20の背面は、従来例における横刃部の腹面と同様の機能を有する。具体的には、図7(B)に二点鎖線で示す折曲開始線から、面部20における端縁部、つまり例えば図3(D)に示した背面RSにおける面部20の上側端縁部までの領域が、土表面Eを滑らかに叩くようにして土表面Eに接触する。
図7(C)には、横刃部18の全体と、縦刃部17及び面部20の大部分が土中に侵入した状態の代掻爪15を示す。面部20近傍に示す黒色の矢印は、土中における縦刃部17、横刃部18及び面部20の進行方向を示す。図7(C)に示す状態においては、縦刃部17及び横刃部18が土に切り込みを形成して砕土し、藁を土中へすき込みつつ土中を後方に進行し、面部20の背面が土を後方に押圧しつつ土中を後方に進行する。
図7(D)には、横刃部18が土から抜けつつある状態の代掻爪15を示す。横刃部18近傍に示す黒色の矢印は、横刃部18の進行方向及び面部20による土の放擲方向を示す。面部20の背面は、押圧していた土を後方へ放擲する。
横刃部18が土から抜ける際に、横刃部18の進行方向が後方でかつ上方であるので、横刃部18の腹面が一部の土を掬うことになる。横刃部18の腹面が土を掬った状態で更に代掻爪15が回転すると、掬われた土の一部が回転方向の前方側に落下する。回転方向の前方側に落下した土は、再び横刃部18が侵入して砕土される、又は、面部20により押圧されて後方へ放擲される。よって、横刃部18によって土を持ち回り、複数回に亘って砕土することができる。
図7(A)〜図7(D)に示したように、代掻爪15が回転すると、腹側において土を持ち回りつつ砕土し、藁を土中へすき込み、背側において後方への土の放擲を行う。切削角を小さく設定した代掻爪15は、大きく設定される従来例よりも、横刃部18の土表面Eへの切り込み動作によって良好な砕土性及び藁の土中へのすき込み性を実現するだけでなく、土を持ち回ることによる再耕耘によって砕土性がより一層向上する。更に、背側に突出する面部20によって後方への土の放擲性も良好である。
仮に、縦刃部17及び横刃部18の一部を単に変形させて面部20に似た形状の部位を形成したとしても、背側に延在する面状部材として形成される面部20を備える代掻爪15の方が、土を叩く面積が大きいので、後方への土の放擲性はより一層良好である。
従来では、横刃部の腹面において土の表面を叩く動作を行っていたので、泥水の飛散が激しく、トラクタ後部が泥水により汚れることが多かった。
上述したように、代掻爪15は切削角が約30°であることにより、横刃部18の腹面BSにおいて土を叩く動作よりも砕土動作、及び藁の土中へのすき込み動作を行うので、泥水の飛散は少ない。更に、代掻爪15は、面部20が縦刃部17及び横刃部18から連続的に湾曲するようにして突出している。これにより、面部20による後方への土の放擲性は維持しつつ、面部20で土を単に叩く動作だけでなく湾曲部分によって泥水を掻き分ける動作も行われるので、泥水の飛散が低減される。よって、トラクタ後部の泥水による汚れが低減されるので好ましい。
続いて、図8は、図3に示した代掻爪15の変形例である代掻爪151を示している。
図8(A)は、取付基部161の側端部及び刃縁191が正面に見えるように配置された代掻爪151を示す。図8(B)は、図8(A)に示す状態から、腹面BSが手前に位置するように、図8(A)の上下方向を軸として略90°回転させた代掻爪151を示す。図8(C)は、図8(B)に示す状態から、面部201が手前に位置するように、図8(B)の上下方向を軸として略90°回転させた代掻爪151を示す。
代掻爪151と上記代掻爪15との相違点は、面部の突出方向である。この相違点以外は、各部位が同形状を有しているので詳細な説明を省略する。
面部201は、腹側でかつ代掻爪151の回転方向の後方側において、縦刃部171及び横刃部181から突出する面状の部位である。換言すると、面部201は、特に図8(A)及び図8(C)に示すように、縦刃部171及び横刃部181から左右方向に突出している。縦刃部171及び横刃部181と面部201とは一体的かつ連続的に形成されている。面部201は、縦刃部171及び横刃部181における回転方向の後方側の一部が腹側に湾曲して形成される湾曲面である。図8(B)において、縦刃部17及び横刃部18と面部20との間にある折曲開始線を二点鎖線で示している。面部201は、縦刃部171及び横刃部181の一部を単に変形させただけではなく、腹側に延在する面状部材として形成されている。例えば、仮に面部201を設けること無く単に縦刃部171及び横刃部181を形成した場合における縦刃部171及び横刃部181の腹面BSの面積は、面部201を設けた場合における縦刃部171、横刃部181及び面部201の腹面BSの面積より小さくなる。
なお、面部201が縦刃部171及び横刃部181から立ち上がる位置と、面部20が縦刃部17及び横刃部18から立ち上がる位置とは、略同位置である。また、代掻爪151は、各部位が連続的に形成されているので、代掻爪15と同様に、一枚の金属板をプレス加工することによって、折曲部位及び湾曲部位等を形成することができる。
代掻爪151が回転すると、代掻爪15と同様に、横刃部181が土表面に切り込むようにして土中に円滑に侵入することができ、砕土性及び藁の土中へのすき込み性が良好である。
また、代掻爪151が回転すると、面部201は、面部20と同様に、土表面を滑らかに叩くようにして土表面に接触し、更に後方に土を放擲することができる。なお、上述したように面部20における土表面を叩く部位は代掻爪15の背面RSであったのに対して、面部201における土表面を叩く部位は代掻爪151の腹面BSである。代掻爪151は、土表面に接触する面が代掻爪15とは異なっていても、土表面を叩く動作が可能な角度及び形状に面部201が形成されているので、後方への土の放擲性は良好である。
仮に、縦刃部171及び横刃部181の一部を単に変形させて面部201に似た形状の部位を形成したとしても、腹側に延在する面状部材として形成される面部201を備える代掻爪151の方が、土を叩く面積が大きいので、後方への土の放擲性はより一層良好である。
更に、代掻爪151は切削角が小さく設定されているため、これが回転すると、横刃部181は、横刃部18と同様に、土を持ち回り、複数回にわたって砕土することができる。
代掻爪151は、面部201が縦刃部171及び横刃部181から連続的に湾曲するようにして突出しているので、代掻爪151が回転した時に湾曲部分によって泥水を掻き分け、泥水の飛散が少ない。これにより、トラクタ後部の泥水による汚れが低減される。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:代掻き機、2:連結部、3:ギヤボックス、4:支持フレーム、5:伝動フレーム、6:側部フレーム、7:チェン伝動ケース、8:エプロン、9:レベラ、10:エクステンションレベラ、11:トップリンク連結部、12:ロアリンク連結部、13:入力軸、14:回転軸、141:回転中心軸線、15:代掻爪、16:取付基部、17:縦刃部、18:横刃部、19:刃縁、20:面部、21:ホルダ、22:貫通孔、23:ネジ穴、24:ボルト用貫通孔、BS:腹面、RS:背面、V:回転中心

Claims (6)

  1. 水平な回転軸の外周側に複数取付けられ、該回転軸と共に回転する代掻爪であって、
    前記回転軸に取付けられる取付基部と、
    前記取付基部から延在する縦刃部と、
    前記縦刃部の先端から延在し、回転中心軸の一方側に折曲又は湾曲されて成る横刃部と、
    回転方向の前方側における前記縦刃部及び前記横刃部の端縁部である第1刃縁と、
    回転方向の後方側における前記縦刃部及び前記横刃部の端縁部である、第1刃縁と反対側の第2刃縁と、
    前記第1刃縁と前記第2刃縁とを連結する面において、回転方向の後方側の一部が、前記回転中心軸の他方側に突出し、回転方向に面する面部と、を備える、
    代掻爪。
  2. 前記面部を通り、前記第1刃縁側の端面に直交する切断面において、前記取付基部側から前記横刃部の先端側に向かって各部位の該切断面を比較すると、
    前記切断面と交差する前記第2刃縁と、前記切断面と交差する前記第1刃縁との間の、前記回転中心軸に沿った距離が、漸次増大する箇所を有する、
    請求項1に記載の代掻爪。
  3. 前記切断面において、前記距離は、前記取付基部側から前記横刃部の先端側に向かって、増大から減少に転じる箇所を有する、
    請求項2に記載の代掻爪。
  4. 前記縦刃部は、前記回転中心軸の他方側に折曲又は湾曲されて成る、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の代掻爪。
  5. 前記面部と、前記縦刃部又は前記横刃部とは連続的に形成されている、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の代掻爪。
  6. 前記横刃部の切削角は10°〜50°である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の代掻爪。
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