JP6426763B2 - 排気流路用弁装置 - Google Patents

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Description

本開示は、排気流路用弁装置に関する。
内燃機関の排気系において、排気流路の一部を弁体で開閉することにより流路形態を切り替える排気流路用弁装置が知られている。例えば特許文献1には、排気流路の上流側と下流側とを連通する連通流路を有するバルブケースの中に、当該連通流路を開閉する弁体が設けられた構成が開示されている。弁体は、付勢部材により、連通流路を閉じる方向に付勢されている。このため、上流側の排ガスの圧力が低い状態では、連通流路を閉じる閉位置へ弁体が付勢される。一方、上流側の排ガスの圧力が高くなると、弁体が開いた状態となり、排ガスが連通流路を流れる。
特開2016−125473号公報
ところで、特許文献1に記載の弁体における、当該弁体が閉位置に位置する状態において連通流路の上流側に露出する面である閉塞面は、環状の角部を有する形状である。具体的には、閉塞面は、円形の面と、当該円形の面の外周から延びる円錐台状の面と、を有し、円形の面と円錐台状の面との境界が角部を形成している。このため、弁体が開いた状態において、閉塞面に沿った排ガスの流れが角部で剥離されやすく、これに起因して、排気流路において気流音が大きくなる問題があった。
本開示の一局面は、気流音を低減することができる排気流路用弁装置を提供することを目的としている。
本開示の一態様は、排気流路用弁装置であって、支持体と、弁体と、付勢部材と、を備える。弁体は、支持体に回転移動可能に支持され、排気流路の上流側と下流側とを連通する連通流路を開閉する。付勢部材は、連通流路を流れる排ガスの流量が最小になる位置である閉位置へ弁体を付勢する。弁体は、膨らみ面を有する。膨らみ面は、弁体が閉位置に位置する状態において連通流路の上流側に露出する面であって、全体が連通流路の上流側に向かってドーム状に膨らんでおり、膨らみ面の中心軸を中心に軸対称の形状である。
このような構成によれば、連通流路が開いた状態において、膨らみ面に沿った排ガスの流れが剥離されにくい。その結果、排気流路における気流音を低減することができる。
本開示の一態様は、膨らみ面の全体が曲面であってもよい。このように、膨らみ面全体を滑らかな面とすることで、弁体が開いた状態において、膨らみ面に沿った排ガスの流れがより剥離されにくい構成にすることができる。
本開示の一態様は、膨らみ面の曲率が、一定であってもよい。
本開示の一態様は、膨らみ面における中心軸が通る領域である第1の領域の曲率が、膨らみ面における第1の領域以外の領域である第2の領域の曲率よりも小さくてもよい。
実施形態のマフラの断面図である。 実施形態の弁装置の斜視図である。 図3(A)は実施形態の弁体の正面図、図3(B)は実施形態の弁体の左側面図、図3(C)は実施形態の弁体の下面図である。 図3(A)のIV−IV断面図である。 実施形態の連通流路が開いた状態における弁装置を表す図である。
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.構成]
図1に示すマフラ100は、排気流路の一部を構成する。この排気流路は、車両に搭載された内燃機関から排出される排ガスを、車両の外へ導くための流路である。マフラ100は、筐体1と、仕切板2と、流路部材3と、流路部材4と、弁装置5と、前端板12と、後端板13と、を備える。
筐体1は、筒状の部材である。筐体1の両端は、前端板12と後端板13とにより閉塞されている。
仕切板2は、筐体1の内部に設けられており、筐体1の内部を第1室F及び第2室Sに区画する板である。第1室Fは、前端板12と仕切板2との間に形成されており、第2室Sは、後端板13と仕切板2との間に形成されている。仕切板2には、流路部材3を挿通するための貫通孔2A及び流路部材4を挿通するための貫通孔2Bが設けられている。また、図1には示されていないが、仕切板2には、第1室F及び第2室Sを連通する連通孔が設けられている。
流路部材3は、内燃機関からの排ガスを筐体1の内部へ導くための部材である。本実施形態では、流路部材3は、内径が一定であって、流路部材3の中心軸Cが直線状の管状部材である。流路部材3は、前端板12の貫通孔12A及び仕切板2の貫通孔2Aに挿通されている。流路部材3の下流側端部は、第2室Sに開口している。
流路部材4は、筐体1の内部の排ガスを筐体1の外へ導くための部材である。本実施形態では、流路部材4は、流路部材4の中心軸Dが直線状の管状部材である。また、流路部材4は、上流部41の内径が下流部42の内径よりも大きく、上流部41と下流部42とが縮径部43により連結された形状の管状部材である。下流部42は、仕切板2の貫通孔2B及び後端板13の貫通孔13Aに挿通されている。上流部41及び縮径部43は、第1室Fに配置されている。上流部41の上流側端部は蓋板により閉塞されており、その蓋板の中央には、第1室Fからの排ガスを流路部材4の内部へ導くための流入孔4Aが形成されている。上流部41の内部には、弁装置5が収容されている。また、上流部41には、図示しないバイパス孔が設けられている。バイパス孔は、連通流路51Aが閉じている状態においても、第1室Fから流路部材4の内部へ排ガスを流入させるために設けられた孔である。
図1及び図2に示すように、弁装置5は、ステー51と、弁体52と、シャフト53と、スプリング54と、を備える。なお、図1では、ステー51、弁体52、シャフト53及びスプリング54を断面図ではなく側面図で示している。
ステー51は、上流部41の内側において流路部材4の流入孔4Aの中に固定されている。ステー51には、流入孔4Aと連通する連通流路51Aが形成されている。連通流路51Aの内周面は、上流側へ向かって円錐台状に径が小さくなる形状である。また、ステー51には、シャフト53を挿入するための一対のシャフト孔51Bが設けられている。
図3(A)〜図3(C)に示す弁体52には、シャフト53を挿入するための一対のシャフト孔52Aが設けられている。弁体52は、シャフト53を介してステー51に回転移動可能に支持され、連通流路51Aを上流部41の内側から開閉可能に構成されている。具体的には、弁体52は、連通流路51Aを閉じることが可能な膨らみ面521を有する。また、図4に示すように、弁体52における膨らみ面521を有する部分は板状である。なお、連通流路51Aには、弁体52が当接する位置に、金属製のメッシュ部材が緩衝材として配置されている。
ここで、膨らみ面521の形状について説明する。膨らみ面521は、連通流路51Aが閉じられる位置である閉位置に弁体52が位置する状態において、連通流路51Aの上流側に露出する面、つまり閉塞面である。なお、本実施形態では、閉位置に弁体52が位置する状態において、膨らみ面521の中心軸Eが、流路部材4の中心軸Dと同軸上に位置する。膨らみ面521の全体は、曲面であって、連通流路51Aの上流側に向かってドーム状に膨らんでいる。膨らみ面521は、中心軸Eを中心に軸対称の形状である。ここで、軸対称の形状とは、特定の軸を中心として任意の角度に回転しても変化しない形状を意味する。つまり、膨らみ面521は、中心軸Eを中心として任意の角度に回転させても形状が変化しない面である。特に、本実施形態では、膨らみ面521の曲率は一定である。つまり、膨らみ面521は、球面の一部である。
スプリング54は、ねじりコイルばねである。スプリング54は、シャフト53の周囲に、シャフト53が挿入された状態で設けられている。スプリング54の一端は、ステー51及び弁体52に設けられた切欠きに当接し、他端は弁体52に当接している。スプリング54は、弁体52を閉位置へ付勢する。
[2.作用]
次に、弁装置5の作用について説明する。図1にて矢印で示すように、内燃機関から流れてきた排ガスは、流路部材3を通って第2室Sに流入し、仕切板2に設けられた連通孔を介して第1室Fに流れる。内燃機関の回転数が低い状態においては、排ガスの圧力が低い。この状態で第1室Fの排ガスの圧力が弁体52に及ぼす力は、スプリング54による荷重が弁体52に及ぼす力よりも小さい。その結果、弁体52が閉位置に位置する。具体的には、弁体52の膨らみ面521がメッシュ部材を介して流路部材4に当接することで、連通流路51Aが閉じる。このため、第1室Fの排ガスは、流路部材4に設けられたバイパス孔を介して流路部材4へ流入し、車両の外へ排出される。
一方、内燃機関の回転数が上昇して排ガスの圧力が高くなると、第1室Fの排ガスの圧力が弁体52に及ぼす力が、スプリング54による荷重が弁体52に及ぼす力よりも大きくなる。その結果、図1において破線で示すように、弁体52が回転移動し、連通流路51Aが開く。この連通流路51Aが開いた状態では、図5に示すように、第1室Fから流路部材4へ流入する排ガスの流れの一部は、膨らみ面521にぶつかった後、膨らみ面521に沿って滑らかに下流へと流れる。そして、排ガスは、流路部材4に流入し、車両の外に排出される。
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
弁体52の膨らみ面521の全体は、曲面であって、球面の一部である。
このような構成によれば、連通流路51Aが開いた状態において、全体が滑らかな膨らみ面521に沿って排ガスが流れるため、排ガスの流れが剥離されにくい。その結果、弁体52の周囲で乱流を発生しにくくすることができ、排気流路における気流音を低減することができる。
また、仮に、弁体における連通流路の上流側に露出する面である閉塞面が平面である又は窪んでいる形状である場合、弁体は、閉位置に位置している状態において排ガスの流れの影響を最も受けやすく、回転移動に伴い傾くことにより排ガスの影響を受けにくくなる。このため、閉位置にあった弁体が少しだけ回転移動してまた閉位置に戻る動きを繰り返す現象が生じやすい。このような現象が生じると、弁体とステーとが小刻みに当接する音、いわゆるチャタリング音が発生する。このチャタリング音は、ノイズとなりユーザーに不快感を与える。
これに対し、本実施形態の弁体52は、閉塞面である膨らみ面521が球状であるため、閉位置に位置している状態及び回転移動に伴い傾いた状態のいずれにおいても、排ガスの流れが適度に分散される。このため、閉塞面が平面である又は窪んでいる形状の弁体と比較して、閉位置にあった弁体が少しだけ回転移動してまた閉位置に戻る動きを繰り返す現象が生じにくい。したがって、本実施形態の弁装置5によれば、弁体の閉塞面の中央が平面である場合と比較して、チャタリング音を生じにくくすることができる。
なお、本実施形態では、ステー51及びシャフト53が支持体の一例に相当し、スプリング54が付勢部材の一例に相当する。
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(a)上記実施形態では、弁装置5が、管状部材である流路部材4の上流側端部の開口に取り付けられる構成を例示した。しかし、弁装置の取り付けられる場所はこれに限定されるものではない。例えば、弁装置は、管状部材の下流側端部の開口に取り付けられる構成としてもよい。また例えば、弁装置は、マフラの内部を区画する仕切板に設けられた貫通孔に取り付けられる構成としてもよい。さらに、弁装置は、管状部材や仕切板の一部によりステーが構成されるようにしてもよい。
(b)上記実施形態では、ドーム状に膨らみ、膨らみ面の中心軸を中心に軸対称の形状である膨らみ面として、曲率が一定である膨らみ面521を例示した。ここでいうドーム状には、球面はもちろん、厳密な球面ではないが球面と同様に一方へ膨らんだ形状も含まれる。しかし、膨らみ面の形状は、曲率が一定の形状に限定されるものではなく、他のドーム状であってもよい。例えば、膨らみ面の曲率は、膨らみ面における中心軸が通る領域である第1の領域の曲率が、膨らみ面における第1の領域以外の領域である第2の領域の曲率よりも小さい形状であってもよい。
(c)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1…筐体、2…仕切板、3,4…流路部材、5…弁装置、12…前端板、13…後端板、41…上流部、42…下流部、43…縮径部、51…ステー、51A…連通流路、52…弁体、53…シャフト、54…スプリング、100…マフラ、521…膨らみ面。

Claims (1)

  1. 支持体と、
    前記支持体に回転移動可能に支持され、排気流路の上流側と下流側とを連通する連通流路を開閉するための弁体と、
    前記連通流路を流れる排ガスの流量が最小になる位置である閉位置へ前記弁体を付勢する付勢部材と、
    を備え、
    前記弁体は、膨らみ面を有し、
    前記膨らみ面は、前記弁体が前記閉位置に位置する状態において前記連通流路の上流側に露出する面であって、全体が前記連通流路の上流側に向かってドーム状に膨らんでおり、前記膨らみ面の中心軸を中心に軸対称の形状であ全体が曲面であり、
    前記膨らみ面における前記中心軸が通る領域である第1の領域の曲率は、前記膨らみ面における前記第1の領域以外の領域である第2の領域の曲率よりも小さい、排気流路用弁装置。
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