JP5534144B2 - 内燃機関の排気絞り弁 - Google Patents
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Description
このような排気絞り弁として、ガス通路を開閉する第1弁体に連通孔を穿設するとともに、該連通孔を覆うように金属製の板ばねからなる第2弁体を設けて、ガス通路のガスの圧力が所定以上の圧力となると該第2弁体が変形して連通孔が開放されるようにしたものが知られている(特許文献1)。
また他の排気圧力制御装置として、上記ハウジングにガス通路から分岐するバイパス通路と、該バイパス通路を開閉するバイパスバルブとを設け、ガス通路に設けた弁体と上記バイパスバルブとの開閉をそれぞれ制御するものも知られている(特許文献2)。
また上記特許文献2における排気圧力制御装置の場合、新たにバイパス通路およびバイパスバルブを設けなければならないため、排気圧力制御装置が大型化するとともに高コストであるという問題がある。
このような問題に鑑み、本発明は構成が容易で性能のばらつきの少ない内燃機関の排気絞り弁を提供するものである。
上記弁軸は相対的に回転可能に設けられた第1弁軸および第2弁軸から構成され、
上記弁体は、上記第1弁軸に連結されるとともにガス通路と略同径に形成された大弁体と、上記第2弁軸に連結されるとともに該大弁体に穿設された連通孔に当接して上記連通孔を閉鎖する小弁体とから構成され、
上記小弁体は、第2弁軸の一方に形成されたフラップと他方に形成されたストッパとから構成され、上記フラップが上記大弁体の連通孔を開閉するとともに、該フラップが大弁体に対して所定開度まで開くと上記ストッパが大弁体に当接してフラップを上記所定開度に保持するようになっており、
通常は上記小弁体のフラップを連通孔に弾接させ、小弁体に加わる排気圧力が上昇した際に上記弾接力に抗して連通孔を開放させる付勢手段を設け、
さらに、上記大弁体がガス通路を閉鎖した状態において、上記第2弁軸および小弁体は、上記連通孔の部分を除いてガス通路の上流側に露出しないようにしたことを特徴としている。
このため、第2弁軸の回転が上記排気圧力によって阻害されることはなく、排気圧力が大きくなっても第2弁軸を抵抗なく回転させることができ、安定した排気圧力制御機能を得ることができる。
また上記特許文献2のようにバイパス通路やバイパスバルブは不要であり、構成を容易にすることができ、小型化も可能である。
内燃機関の排気絞り弁1は、上記排気ガスの流通するガス通路2aの形成されたハウジング2と、該ハウジング2に回転自在に軸支された第1弁軸3および第2弁軸4と、上記第1弁軸3に連結されるとともにガス通路2aと略同径に形成された大弁体5と、上記第2弁軸4に連結された小弁体6とから構成されている。
上記ハウジング2のガス通路2aは略円形に形成され、該ガス通路2aを挟むように図示左方に第1貫通孔2b、図示右方に第2貫通孔2cがそれぞれ同一軸線上に穿設されている。
第1弁軸3の左端部にはアーム8を介して図示しないアクチエータが連結されており、該アクチエータは第1弁軸3を回転駆動させることで、大弁体5を図2(a)に示す開放状態から、反時計方向に回転させた図2(b)(c)に示す閉鎖状態へと切り替えるようになっている。
またハウジング2の外部には、第1弁軸3を囲繞するように第1ねじりコイルスプリング9が設けられており、該第1ねじりコイルスプリング9を第1弁軸3とハウジング2との間に弾装することで、第1弁軸3を図2の各図に示す時計方向に付勢するようになっている。
また、図1に示す閉鎖状態において、大弁体5における第1弁軸3よりも上方には連通孔5aが穿設されており、該連通孔5aは上記第1弁軸3が回転して開放状態となると、ガス流の上流側に位置するようになっている。
上記第2弁軸4は上記第1弁軸3の第2弁軸保持部3aに軸支され、その左端部は上記開口部3b内に突出し、右端部はハウジング2の外部に突出するように形成されている。
そして、ハウジング2の外部には、上記第2弁軸4を囲繞するように第2ねじりコイルスプリング10が設けられており、該第2ねじりコイルスプリング10を第2弁軸3とハウジング2との間に弾装することで、第2弁軸4を図2の各図に示す時計方向に付勢するようになっている。
また、小弁体6は第2弁軸4に対して図1の図示上方に形成したフラップ6aと、図示下方に形成したストッパ6bとから構成されており、上記第1弁軸3と第2弁軸4とが相対的に回転することで、上記フラップ6aが上記大弁体5の連通孔5aを開閉するようになっている。
さらに、上記第2弁軸4は第2ねじりコイルスプリング10によって付勢されていることから、通常、上記フラップ6aはガス通路2aの下流側から連通孔5aに当接してこれを閉鎖した状態を保持するようになっている。
これに対し、フラップ6aに対してガス通路2aの上流側から第2ねじりコイルスプリング10の付勢力を超える荷重が作用すると、フラップ6aが連通孔5aより離脱することとなり、その後フラップ6aが大弁体5に対して所定開度まで開くと、上記ストッパ6bが大弁体5に当接するようになっている。
この非作動状態では、アクチエータは第1弁軸3を保持して大弁体5を開放状態としており、上記第1ねじりコイルスプリング9は大弁体5を付勢してこの開放状態を維持するようになっている。
また、上記第2ねじりコイルスプリング10が第2弁軸4を付勢していることから、小弁体6のフラップ6aは大弁体5に当接して上記連通孔5aを閉鎖した状態となっている。
上記非作動状態からこの作動状態とするには、上記アクチエータが上記第1ねじりコイルスプリング9の付勢力に抗して第1弁軸3を反時計方向に回転させ、大弁体5を閉鎖方向に回転させる。
すると、大弁体5は小弁体6のフラップ6aを押圧して第1弁軸3と第2弁軸4とが共回りし、第2弁軸4は第2ねじりコイルスプリング10の付勢力に抗して反時計方向に回転する。
この第2ねじりコイルスプリング10の付勢力により、小弁体6のフラップ6aは大弁体5の下流側から当接して、上記連通孔5aを閉鎖した状態を維持するようになっている。
その結果、ガス通路2aを流通する排気ガスは、上記大弁体5と連通孔5aを閉鎖した小弁体6とによって遮断されることとなる。
図2(b)のようにガス通路2aが遮断されると、大弁体5の上流側で排気ガスによる排気圧力が上昇し、この排気圧力は大弁体5および小弁体6のフラップ6aに作用する。
そして、該排気圧力が上記第2弁軸4を付勢する第2ねじりコイルスプリング10の付勢力を上回ると、小弁体6が排気圧力によって下流側に押圧され、フラップ6aが大弁体5の連通孔5aから離脱する。
このようにして連通孔5aが開放されると、排気ガスが該連通孔5aを通過するため、上記大弁体5および小弁体6によって遮断されていた排気ガスの排気圧力が降下してガス通路2aの排気圧力が調整される。
ここで、上記フラップ6aが大弁体5から離脱して連通孔5aが開放されるタイミングは、第2ねじりコイルスプリング10の付勢力を調整することで任意に設定することが可能となっている。
小弁体6のフラップ6aが大弁体5に対して所定角度開くと、小弁体6に設けたストッパ6bが大弁体5に当接するため、小弁体6が大弁体5に対して過度に開いてしまうのを防止するようになっている。
そして、その後排気ガスの圧力が減少したり、上記大弁体5を開放状態とすると、フラップ6aに作用する排気圧力が減少するため、第2ねじりコイルスプリング10による付勢力によってフラップ6aが大弁体5に当接し、連通孔5aが再び閉鎖されるようになっている。
つまり、図2(b)に示す閉鎖状態とした場合、大弁体5の上流側で排気圧力が上昇し、上流側に露出している上記大弁体5および連通孔5aの部分に位置している小弁体6のフラップ6aには、排気圧力によるガス流の上流側から下流側に向かう荷重が作用する。
換言すると、この大弁体5に対してガス流の下流側に位置している第2弁軸4および連通孔5aの部分を除いた小弁体6は、ガス通路2aの上流側に露出していないことから、これらの部分には排気圧力による荷重は作用していないこととなる。
従って、上記第1弁軸3の第2弁軸保持部3aに設けられた第2弁軸4には、排気圧力による剪断方向への荷重が作用しないため、該第2弁軸4を第1弁軸3に対して少ない摺動抵抗で回転させることが可能となり、小弁体6の開閉による安定した排気圧力制御機能を得ることができる。
これに対し、例えば第2弁軸4および小弁体6がガス通路2aの上流側に露出していると、これら第2弁軸4および小弁体6に作用する荷重によって、第2弁軸4に剪断方向への荷重が作用し、第1弁軸3との間に摺動抵抗が発生することから、小弁体6の開閉が不安定となって安定した排気圧力制御機能を得ることができなくなる。
このため、第1弁軸3の内部において第2弁軸4との偏心が起きにくくなり、第2弁軸4と第1弁軸3とを少ない摺動抵抗で回転させることが可能となっている。
さらに、小弁体6の連結された第2弁軸4をハウジング2の外部に設けた上記第2ねじりコイルスプリング10によって付勢するため、ガス通路2a内のガスの温度変化によって第2ねじりコイルスプリング10の付勢力に変化が生じにくく、排ガスの温度にかかわらず安定した動作を得ることができる。
2a ガス通路 3 第1弁軸
4 第2弁軸 5 大弁体
6 小弁体 7 軸受
Claims (6)
- ガスの流通するガス通路の形成されたハウジングと、該ハウジングに回転自在に軸支された弁軸と、該弁軸に連結されて上記ガス通路を開閉する弁体とを備えた内燃機関の排気絞り弁において、
上記弁軸は相対的に回転可能に設けられた第1弁軸および第2弁軸から構成され、
上記弁体は、上記第1弁軸に連結されるとともにガス通路と略同径に形成された大弁体と、上記第2弁軸に連結されるとともに該大弁体に穿設された連通孔に当接して上記連通孔を閉鎖する小弁体とから構成され、
上記小弁体は、第2弁軸の一方に形成されたフラップと他方に形成されたストッパとから構成され、上記フラップが上記大弁体の連通孔を開閉するとともに、該フラップが大弁体に対して所定開度まで開くと上記ストッパが大弁体に当接してフラップを上記所定開度に保持するようになっており、
通常は上記小弁体のフラップを連通孔に弾接させ、小弁体に加わる排気圧力が上昇した際に上記弾接力に抗して連通孔を開放させる付勢手段を設け、
さらに、上記大弁体がガス通路を閉鎖した状態において、上記第2弁軸および小弁体は、上記連通孔の部分を除いてガス通路の上流側に露出しないようにしたことを特徴とする内燃機関の排気絞り弁。 - 上記大弁体を上記ハウジングのガス通路の断面形状と略同径に形成し、該大弁体がガス通路を閉鎖した状態で、該大弁体よりもガス通路の下流側に上記第1弁軸、第2弁軸、小弁体が位置することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気絞り弁。
- 第1弁軸に上記第2弁軸を回転可能に保持する第2弁軸保持部を形成するとともに、該第2弁軸保持部におけるガス通路の後方に開口部を形成して、
上記第2弁軸と上記小弁体とを上記開口部を介して連結したことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の内燃機関の排気絞り弁。 - 上記ハウジングに、ガス通路を挟んで対向するように第1貫通孔および第2貫通孔を穿設し、第1貫通孔に上記第1弁軸を設けるとともに第2貫通孔に上記第2弁軸を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の内燃機関の排気絞り弁。
- 上記第1弁軸を上記第1、第2貫通孔によって軸支し、上記第2貫通孔は上記第1弁軸および第2弁軸を同軸上で軸支することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気絞り弁。
- 上記付勢手段は、上記第2弁軸を囲繞するとともに該第2弁軸とハウジングとの間に弾装されたねじりコイルスプリングであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の内燃機関の排気絞り弁。
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