JP6425978B2 - 陶磁製品の製造方法 - Google Patents

陶磁製品の製造方法

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Description

本発明は、陶磁製品の製造方法に関し、さらに詳しくは、自然による風化を模した陶磁製品の製造方法に関するものである。
タイルをはじめとする建築用等の陶磁製品において、歴史的な情緒や重厚感を作り出す等の目的で、自然による風化を模した意匠が求められることがある。風化したような風合いを陶磁製品に与える手段としては、特許文献1〜3に記載されるように、彩色や凹凸の形成によって製品表面を加工する方法が採られている。
特開平6−304917号公報 特開平11−42453号公報 特開2001−322864号公報
多数の同種製品に彩色や凹凸構造の形成を行う場合に、1つ1つの製品個体において、彩色や凹凸構造のパターンが類似することが多い。特に、特許文献3においては、突起物を配設した押圧台に焼成前のタイルを押し付けることで、凹凸構造を形成しており、同じ押圧台を使用するかぎり、タイルに設けられる凹凸のパターンは同一または類似のものとなってしまう。しかし、自然による風化現象は、空間的に不均一に起こるのが通常であり、製品個体間で類似していると、自然による風化を受けたという印象を損なってしまう。特に、タイルのように、多数並べて使用される製品において、並べられた個体の間で、彩色や凹凸のパターンが類似していると、人工的な印象を与えやすくなってしまう。つまり、自然による風化を十分に表現することができない。
本発明が解決しようとする課題は、自然による不均一な風化を模した陶磁製品を製造することができる陶磁製品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかる陶磁製品の製造方法は、陶磁材料を粘土状に練った素地を成形して成形体を形成する成形工程と、前記成形体の表面に、陶磁材料を粘土状に練った素地よりなり、大きさと形状に不均一性を有する凝集体を不規則に分散させる凝集体分散工程と、前記成形体の表面上で前記凝集体を潰して、前記成形体に接合する凝集体接合工程と、前記凝集体を接合した前記成形体を焼成する焼成工程と、を有することを要旨とする。
ここで、前記凝集体接合工程は、前記凝集体を分散させた前記成形体の表面を叩くことによって行われるのが好ましい。
さらに、前記凝集体分散工程は、前記成形体の表面を掻いて、掻き出された前記成形体を構成する素地を前記凝集体とする掻き出し工程によって行われることが好ましい。
この場合に、前記掻き出し工程の前に、前記成形体の表面に、粉末状の陶磁材料を散布するとよい。
そして、前記成形工程において、前記成形体の表面に、溝を形成しておくとよい。
また、前記粒子接合工程の前または後に、粉末状の陶磁材料を前記成形体の表面に散布するとよい。
また、前記陶磁製品は、タイルであることが好ましい。
上記発明にかかる陶磁製品の製造方法においては、凝集体分散工程において、成形体の表面に分散させた素地よりなる凝集体が、凝集体接合工程において、潰しながら接合される。これらの工程によって、成形体の表面に凹凸構造が形成される。さらに焼成工程を経て、あたかも自然の風雨による風化で形成されたような凹凸構造を有する陶磁製品を得ることができる。ここで、大きさと形状に不均一性を有する凝集体が不規則に分散され、潰しながら成形体表面に接合されることで、成形体表面に形成される凹凸構造が、不均一な形状と分布をもったものとなる。これにより、個体間での類似を回避して、自然による不均一な風化を模した陶磁製品を得ることができる。
ここで、凝集体接合工程が、凝集体を分散させた成形体の表面を叩くことによって行われる場合には、凝集体を潰す工程と、成形体表面に接合する工程とを、同時に、効率的に実行することができる。
さらに、凝集体分散工程が、成形体の表面を掻いて、掻き出された成形体を構成する素地を凝集体とする掻き出し工程によって行われる場合には、凝集体分散工程を簡便に実行することができる。また、大きさ、形状、空間分布に不均一性を有する凝集体が得られやすい。さらに、掻き出された後の成形体の表面に、溝状の凹構造が形成されるので、成形体表面に大きな凹凸差を形成しやすい。
この場合に、掻き出し工程の前に、成形体の表面に、粉末状の陶磁材料を散布する場合には、散布した粉末が核となり、凝集体の形成が促進される。これにより、掻き出し工程の効率を高めることができる。
そして、成形工程において、素地の表面に、溝を形成しておけば、続く掻き出し工程において、成形体の表面からの素地の掻き出しを行いやすくなる。これによっても、掻き出し工程の効率を高めることができる。
また、製造される陶磁製品が、タイルである場合には、凹凸構造を不均一に形成することで、タイルを多数並べて設置しても、自然による不均一な風化をよく表現することができる。また、タイルは平面形状を有するため、凝集体分散工程や凝集体接合工程を実行しやすい。
本発明の一実施形態にかかる陶磁製品の製造方法において使用する成形体を示す斜視図である。 成形体に粉末材料を散布する第一粉末散布工程を示す模式図である。 (a)は、歯状器具を示す斜視図であり、(b)は、歯状器具を用いて行う掻き出し工程を示す模式図である。 掻き出し工程を経た状態を示す斜視図である。 掻き出し工程の後に粉末材料を散布する第二粉末散布工程を示す模式図である。 (a)は板状器具を示す斜視図であり、(b)は板状器具を用いて行う凝集体接合工程を示す模式図である。 凝集体接合工程を経た状態を示す斜視図である。 面取り工程を経た状態を示す斜視図である。 得られるタイルの一例を示す写真である。
以下、本発明の実施形態にかかる陶磁製品の製造方法について、図面を参照しながら説明する。以下では、陶磁製品の一例として、陶製のタイルを製造する場合について、説明を行う。
(製造工程)
本製造方法は、(1)成形工程、(2)第一粉末散布工程、(3)掻き出し工程、(4)第二粉末散布工程、(5)凝集体接合工程、(6)面取り工程、(7)焼成工程の各製造工程を含んでなる。以下に、それぞれの工程について説明する。
(1)成形工程
まず、成形工程において、タイルの基体となる成形体10を製造する。具体的には、まず、鉱物等に由来する陶磁材料に適宜水分を加えて、粘土状に練り上げ、素地(生地、坏土等とも称する)を製造する。そして、押し出し成形機を用いて長尺の角型形状に素地を押し出し、金属線等の切断手段を用いて、所望の長さに素地を切断する。これにより、図1に示したような略直方体状の成形体10を形成する。ここでは、成形体10は、タイル形状2枚(11a,11b)が背面で接合された形状を有しており、2枚(11a,11b)の境界部分に、焼成後に分割するための分割用溝12が形成されている。また、2枚のタイルの表面13,13には、それぞれ、押出し方向に沿って複数の加工用溝14が形成されている。分割用溝12および加工用溝14は、押し出し成形機の押し出し口の部分に、それらの形状に対応する構造を設けておくことで、形成することができる。
(2)第一粉末散布工程
次に、図2に示すように、(2)第一粉末散布工程において、加工用溝14を形成した成形体10の両側の表面13,13に、陶磁材料よりなる第一粉末20を散布する。第一粉末20は、成形体10を構成する素地と共通する陶磁材料よりなっても、異なる陶磁材料よりなってもよいが、成形体10を構成する素地とは異なり、水分含有量が少なく、砂のような流動性の高い粉末状の陶磁材料よりなっており、後述する凝集体16より小さな粒径を有している。なお、本工程以降の各工程は、2枚のタイルの表面となる成形体10の両側の表面13,13それぞれに対して行われ、また、複数の成形体10を並べて、複数の成形体10に対して同時に行われるが、分かりやすいように、1つの成形体10の一方の表面13に対する加工について、図示および説明を行う。
(3)掻き出し工程
次に、(3)掻き出し工程において、第一粉末20を散布した成形体10の表面13を、歯状器具30を用いて掻く。歯状器具30は、図3(a)に示すように、木材等よりなる板材31の一方面から、多数の釘よりなる歯32を突出させた形状を有する。ここで、歯32は、縦横に列が揃った規則配列から逸脱した、不規則な配列をとっている。
このような歯状器具30の板材31を、歯32が突出していない側の面から握り、図3(b)に示すように、歯32を成形体10の表面13に当てる。そして、矢印D1で示すように回転運動させながら、矢印D2で示すように並進運動させて、成形体10の表面13全体を歯32の先端で掻く。成形体10の表面13が歯32によって掻かれると、掻かれた部分の素地が削られ、溝状の凹構造15が形成されるとともに、掻き出された素地が、散布されていた第一粉末20を核として凝集し、凝集体16を形成する。
このように、成形体10の表面13全体を歯状器具30で掻き、成形体10の外側に落下した凝集体16を、回収可能な範囲で全て回収し、成形体10の表面13全体に分散させる。すると、図4のように、成形体10の表面13全体に凹構造15が不規則に形成され、その表面13に、様々な大きさと形状を有する素地の凝集体16が不規則に分散した状態が得られる。もとの成形体10の表面13に形成されていた加工用溝14は、(3)掻き出し工程によって多数の凹構造15が形成されることで、ほぼ原形を留めなくなる。
(4)第二粉末散布工程
次に、(4)第二粉末散布工程において、図5に示すように、凝集体16が分散した成形体10の表面13に、陶磁材料よりなる第二粉末40を散布する。そして、第二粉末40が散布された成形体10の表面13で、凝集体16を転がすように再度分散させることで、凝集体16の表面に第二粉末40をまぶし付ける。ここで用いる第二粉末40は、(2)第一粉末散布工程で散布された第一粉末20と同じものであっても、異なるものであってもよいが、第一粉末20と同様に、水分含有量が少なく、砂のような流動性の高い粉末状の陶磁材料よりなっており、凝集体16より小さな粒径を有している。製造工程の簡素化の観点からは、第二粉末40を、第一粉末20と同じものとすればよい。
(5)凝集体接合工程
次に、(5)凝集体接合工程において、凝集体16を潰しながら、成形体10の表面13に接合する。ここでは、図6(a)に示すような板状器具50を使用する。板状器具50は、木材等よりなる平板部51の一端に、把持部52を設けたものである。
板状器具50の把持部52を把持し、図6(b)に示すように、平板部51の平面で、凝集体16を分散させた成形体10の表面13を、凝集体16の上から叩く(矢印D3)。これにより、凝集体16が潰されて、扁平になるとともに、成形体10の表面13に押し付けられて接合され、接合凸部16’となる。板状器具50で成形体10の表面13全体を叩くと、図7のように、表面13全体に接合凸部16’が形成され、雲のような不規則な大きさと形状、配置を有する凸構造が、成形体10の表面13を覆った状態となる。
(6)面取り工程
次に、(6)面取り工程において、上記で得られた凸構造を有する成形体10を、作業台等の平面の上で転がす。これにより、成形体の端縁や角部の角が削られ、図8のように、成形体10の外縁17が、丸みを帯びた状態となる。
(7)焼成工程
最後に、得られた成形体10を適宜乾燥させたうえで、(7)焼成工程において、素地の組成等に応じた温度で、釉薬を用いずに素焼きする。そして、2枚が背面で合わせられた状態になっているタイルを、分割用溝12において、1枚ずつに分割する。このようにして得られたタイルの一例を、図9に写真で示す。
(得られる陶磁製品の状態と各工程の寄与)
以上のように、本製造方法においては、(3)掻き出し工程において、不均一な大きさと形状、不規則な配置を有する凝集体16が形成される。そして、(5)凝集体接合工程において、その凝集体16が潰されるとともに、成形体10の表面13に接合される。凝集体16は、板状器具50によって押し潰される際に、さらにその形状および大きさの不規則性が増す。このように、転写型等、凹凸構造のパターンを規定する補助部材を用いることなく、素地の掻き出しによる凝集体16の形成と、その凝集体16の押し潰しを経て、凹凸構造を形成することで、掻き出し時や押し潰し時に印加される力の大きさや方向等、種々の偶然的要素の支配を受けながら、凹凸構造が形成される。これにより、図9に示されるような不規則な凹凸構造をタイル表面13に形成することができる。
煉瓦やタイル等の陶磁製品が自然の風化を受ける際には、その表面13が空間的に不均一に削られ、不規則な凹凸構造が形成されるので、本製造方法において形成される不規則な凹凸構造は、自然による風化に類似した外観を有する。また、上記のように、凹凸構造を形成するのに、パターンを規定する補助部材を用いないので、タイル個体間で、凹凸構造のパターンが同じになりにくい。よって、建造物の壁面等にタイルを複数並べて配置しても、人工的に凹凸が形成されているとの感覚を与えにくく、自然の風化に近い印象を与えることができる。成形体10や凝集体16を構成する素地を煉瓦のように赤みのある陶器材料より構成しておき、このような不規則な凹凸構造を形成したタイルを用いて建造物の外壁等を構成すれば、新しい建造物であっても、煉瓦で造られた古い建造物が風化を受けたような、歴史を経た重厚な雰囲気や高級感を演出することができる。
本製造方法においては、(3)掻き出し工程で、歯状器具30の歯32で成形体10の表面13の素地を掻き出すことで、粘土状の素地の凝集力を利用して、自発的に凝集体16を形成している。この際、成形体10の表面13や既に形成された凝集体16に歯32から印加される力の大きさや方向等、各種パラメータのばらつきによって、種々の大きさや形状を有する凝集体16が得られる。凝集体16の大きさや形状のばらつきを大きくする観点から、上記のように、歯状器具30の歯32の配置は、縦横に規則的な配置から逸脱していることが好ましい。また、(3)掻き出し工程において、作業者の癖等に起因して、歯状器具30の回転方向(矢印D1)および並進方向(矢印D2)における運動パターンに規則性がある場合には、頻度の高い運動方向に歯32が並ばないように配置されていることが好ましい。上記のように、板材31に釘を打ち込んで歯状器具30を製造している場合には、釘の配置や方向を調整することで、容易に歯32の配置を調整することができる。
また、(3)掻き出し工程で形成される凝集体16の大きさは、成形体10を構成する素地の種類や、歯状器具30の歯32の密度、歯32から成形体10の表面13に印加される力の大きさ等によって変化する。形成したい凹凸構造に応じて、適宜凝集体16の大きさを選択すればよいが、煉瓦における自然の風化を模す観点からは、凝集体16の大きさは、直径にして1mm〜1cm程度であることが好ましい。
上記実施形態においては、(3)掻き出し工程の後で、成形体10の表面13から落下した凝集体16を、回収可能な範囲で全て成形体10の表面13に戻している。この場合には、成形体10を構成していた素地を過不足なく凹凸構造の形成に利用しており、材料コストを抑えながら、効果的に凹凸構造を形成することができる。しかし、形成したい凹凸構造の密度に応じて、適宜凝集体16の分布密度を調整することもできる。例えば、生成した凝集体16の全てを成形体10の表面13に戻さずに、一部のみ表面13に分布させるようにしてもよい。あるいは、タイルとする成形体10から(3)掻き出し工程で生成した凝集体16に加え、別途用意した別の素地を用いて生成した凝集体16を、タイルとする成形体10の表面13に散布してもよい。また、多様な外観を有する凹凸構造をタイル表面に形成する観点から、成形体10の素地から(3)掻き出し工程によって生成した凝集体16に加え、種類の異なる陶磁材料から構成した凝集体等、別の材料を混合して成形体10の表面13に散布してもよい。
また、本実施形態においては、成形体10の表面13から素地を掻き出す(3)掻き出し工程によって、凝集体16の生成と分散を行っており、これは、上記のように、不均一性の高い凝集体16を簡便に形成するのに寄与するが、その他に、掻き出された後の成形体10の表面13に溝状の凹構造15を与えることで、大きな凹凸差を形成するのにも寄与する。また、凹構造15と、生成した凝集体16との配置関係の多様性によって、次の(5)凝集体接合工程を経て形成される凹凸構造の不規則性が増大されるという効果も得られる。さらに、(3)掻き出し工程によって凝集体の生成と分散を行う場合には、上記のように、複数の成形体10を並べて配置して、歯状器具30でそれら成形体10の表面13を一括して掻くことができるので、手作業であっても、多数の成形体10に対して、一度に凝集体16の生成と分散を行うことができる。
しかし、凝集体16の生成と分散は、必ずしも上記のような(3)掻き出し工程によって行われる必要はなく、適宜形成した凝集体16を、任意の凝集体分散工程によって、成形体10の表面13に分散させればよい。例えば、タイルとする成形体10とは別の素地を使用して凝集体16を形成したうえで、平滑な成形体10の表面13、または適宜凹構造を形成した成形体10の表面13に、分散させればよい。この場合、凝集体16を構成する素地は、タイルとする成形体10の素地と同種のものでも、異種のものでもよい。上記のように、(3)掻き出し工程によって凝集体16を生成、分散させる場合には、工程の簡略化を図ることができるのに対し、別途形成した凝集体16を分散させる場合には、凹凸構造の形成において、高い自由度を得ることができる。
(5)凝集体接合工程も、必ずしも上記の板状器具51のような平板状部材を用いて行う必要はないが、平板状部材を用いて凝集体16が分散された成形体10の表面13を叩くことで、粒状であった凝集体16の頂部が平坦化され、凸部の頂部が平坦になった凹凸構造を得ることができる。これは、もとは平滑であったタイルや煉瓦の表面が自然の風雨によって削られてできた凹凸構造によく類似したものである。また、板状器具51を用いて叩く手法を採ることで、複数の成形体10を並べて配置すれば、手作業であっても、多数の成形体10に対して、一括して凝集体16の平坦化と接合を行うことができる。
さらに、上記実施形態においては、(4)第二粉末散布工程において、凝集体16よりも粒径の小さい粉末材料である第二粉末40を成形体10の表面13に散布し、さらに第二粉末40を凝集体16の表面にまぶし付けている。これにより、焼成後のタイルの表面において、太陽等の光の反射を抑えることができる。これにより、人工的な印象を排除し、一層高度に、自然による風化を表現することができる。第二粉末40として、成形体10や凝集体16を構成する陶磁材料と同種のもの、あるいは類似した色のものを用いれば、自然な印象を一層高めることができる。一方、第二粉末40として、成形体10や凝集体16を構成する陶磁材料と色彩の異なるものを用いて、積極的に成形体10の表面13に彩色を行ってもよい。なお、第二粉末40の散布は、(5)凝集体接合工程の後に行ってもよい。
さらに、本実施形態においては、(6)面取り工程を行うことで、自然の風化によるタイルの削り取りを一層よく表現することができる。また、(7)焼成工程において、釉薬を用いずに、素焼きを行うことで、古い煉瓦のような質感をよく表現することができる。
本実施形態において、(1)成形工程で成形体10の表面13に加工用溝14を形成しておくこと、そして(3)掻き出し工程の前に(2)第一粉末散布工程を実施して第一粉末20を散布しておくことは、得られるタイルの外観に直接的な影響を与える訳ではないが、タイルの製造工程の効率に寄与する。すなわち、成形体10の表面13に加工用溝14を形成しておくことで、(3)掻き出し工程において、歯状器具30の歯32が引掛りやすくなるので、掻き出しの足掛かりとして機能し、素地の掻き出しを促進することができる。また、(2)第一粉末散布工程で第一粉末20を散布してから(3)掻き出し工程を行うことで、第一粉末20が凝集体16の核として機能し、凝集体16の形成と成長を促進することができる。
上記で説明した各工程以外にも、種々の工程を併用して、タイルにおいて種々の意匠を表現することができる。例えば、上記の各工程を経て凹凸構造を形成した領域と、凹凸構造を形成していない平滑な領域を、一枚のタイルの表面に共存させたり、コテ等の器具を用いて、上記のような凹凸構造を有するタイルの表面に筋や段差を設けたりすることで、単純な風化とは異なる雰囲気を表現することができる。また、上記では、タイルを素焼きにしたが、成形前の素地の着色や成形後の彩色によって積極的に様々な色彩を与えたり、釉薬によって光沢を与えたりすることで、自然な雰囲気と人工的な雰囲気が融合したような意匠等、凹凸形状を利用した多様な意匠を表現することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、製造される陶磁製品は、上記のタイルのように平板状の構造を有する方が、(3)掻き出し工程や(5)凝集体接合工程の簡便性等の観点からは好適であるが、タイルである必要はなく、(1)成形工程において、種々の形状に成形しておくことができる。また、上記の実施形態においては、(3)掻き出し工程および(5)凝集体接合工程を手作業によって行ったが、機械を用いてもよい。
10 成形体
13 (成形体の)表面
14 加工用溝
15 凹構造
16 凝集体
16’ 接合凸部
20 第一粉末
30 歯状器具
40 第二粉末
50 板状器具

Claims (7)

  1. 陶磁材料を粘土状に練った素地を成形して成形体を形成する成形工程と、
    前記成形体の表面に、陶磁材料を粘土状に練った素地よりなり、大きさと形状に不均一性を有する凝集体を不規則に分散させる凝集体分散工程と、
    前記成形体の表面上で前記凝集体を潰して、前記成形体に接合する凝集体接合工程と、
    前記凝集体を接合した前記成形体を焼成する焼成工程と、を有し、
    前記粒子接合工程の前または後に、粉末状の陶磁材料を前記成形体の表面に散布することを特徴とする陶磁製品の製造方法。
  2. 前記凝集体分散工程は、前記成形体の表面を掻いて、掻き出された前記成形体を構成する素地を前記凝集体とする掻き出し工程によって行われることを特徴とする請求項1に記載の陶磁製品の製造方法。
  3. 前記掻き出し工程の前に、前記成形体の表面に、粉末状の陶磁材料を散布することを特徴とする請求項に記載の陶磁製品の製造方法。
  4. 陶磁材料を粘土状に練った素地を成形して成形体を形成する成形工程と、
    前記成形体の表面に、陶磁材料を粘土状に練った素地よりなり、大きさと形状に不均一性を有する凝集体を不規則に分散させる凝集体分散工程と、
    前記成形体の表面上で前記凝集体を潰して、前記成形体に接合する凝集体接合工程と、
    前記凝集体を接合した前記成形体を焼成する焼成工程と、を有し、
    前記凝集体分散工程は、前記成形体の表面を掻いて、掻き出された前記成形体を構成する素地を前記凝集体とする掻き出し工程によって行われ、
    前記掻き出し工程の前に、前記成形体の表面に、粉末状の陶磁材料を散布することを特徴とする陶磁製品の製造方法。
  5. 前記成形工程において、前記成形体の表面に、溝を形成しておくことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の陶磁製品の製造方法。
  6. 前記凝集体接合工程は、前記凝集体を分散させた前記成形体の表面を叩くことによって行われることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の陶磁製品の製造方法。
  7. 前記陶磁製品は、タイルであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の陶磁製品の製造方法。
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