以下、本発明の実施形態に係るOCXOについて、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
OCXOは、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともにz方向の正側を上方として、上面、下面などの用語を用いるものとする。
同一又は類似する構成については、「第1外部端子23A」、「第2外部端子23B」のように、名称の頭に番号を付すとともに符号の末尾に大文字のアルファベットを付すことがある。また、この場合において、単に「外部端子23」のように、番号及びアルファベットを省略し、区別しないことがある。
配線やパッド等の導電体について、電気的乃至は熱的の説明無しに単に接続という場合、基本的には、対象物同士が接触したり、対象物同士が一体的に形成されたり、対象物同士がバンプ等を介して接合されたりするような接続を指し、電気的な接続及び熱的な接続を伴うものとする。熱的な接続は、例えば、2つの対象物が直接に接触乃至は一体的に形成されている状態、及び、2つの対象物の間に、後述する絶縁基体24の材料及びケース19内の気体(例えば空気)よりも熱伝導率が高い材料からなる1又は複数の部材が介在して熱の経路が構成されている状態をいうものとする。
図1は、本発明の実施形態に係るOCXO1の概略構成を、一部を破断して示す斜視図である。また、図2は、図1のII−II線における断面図である。
OCXO1は、例えば、TCXO3と、TCXO3の周囲の雰囲気を所定の温度に維持するとともにTCXO3と外部機器との電気的接続を仲介するための恒温槽5とを有している。
TCXO3は、例えば、素子搭載部材7と、素子搭載部材7に搭載された振動素子9(図2)及びIC11(図2)と、振動素子9を封止するための蓋体13とを有している。
素子搭載部材7は、例えば、絶縁部材15と、絶縁部材15の表面又は内部に設けられた各種の配線及びパッドとを有している。
絶縁部材15(素子搭載部材7)は、図2に示すように、上方に開口し、振動素子9を収容する第1凹部15aと、下方に開口し、IC11を収容する第2凹部15bとを有している。別の観点では、絶縁部材15は、基板部15cと、基板部15cの一方の主面(第1搭載面15ca)上に位置する第1枠部15dと、基板部15cの他方の主面(第2搭載面15cb)上に位置する第2枠部15eとを有している。
絶縁部材15は、例えば、アルミナ等のセラミックからなる層状部材を複数枚重ねて形成されている。図2の例では、絶縁部材15は、基板部15cを構成する2枚の層状部材、第1枠部15dを構成する層状部材、及び、第2枠部15eを構成する層状部材の4枚が重ねられて形成されている。
素子搭載部材7の配線及びパッドは、例えば、絶縁部材15を構成する層状部材を上下方向に貫通するビア導体、及び、層状部材に重ねられた層状導体によって構成されている。これら導体は、例えば、Cu等の金属によって構成されており、絶縁部材15よりも熱伝導率が高い。
振動素子9は、例えば、平板状の圧電素板10(図2)と、圧電素板10の両主面に設けられた1対の励振電極32(図5参照)とを備えている。圧電素板10は、例えば、水晶のような石英材料よりなり、結晶軸に対し所定の角度で切断され、平面視で長方形状とされている。圧電素板10は、1対の励振電極32に電圧が印加されることにより、所定の周波数で厚みすべり振動を生じる。振動素子9は、例えば、励振電極32から延びる不図示の引出電極が第1搭載面ca上の不図示のパッドにバンプによって接合されることによって素子搭載部材7に実装されている。
IC11は、例えば、第2搭載面cbに設けられた不図示のパッドに対してバンプによって接合されることにより、第2搭載面cbに実装されている。IC11は、素子搭載部材7に設けられた配線及びパッドを介して、恒温槽5(より詳細には後述する実装基体17)に電気的に接続されるとともに、振動素子9に電気的に接続されている。
蓋体13は、第1枠部15dの上面に接合され、第1凹部15aを封止する。蓋体13は、金属等の導電材料により構成されてもよいし、絶縁材料により構成されてもよいし、絶縁層と導電層とを積層した複合材料により構成されてもよい。例えば、蓋体13は、金属板から構成されており、この金属板は、シーム溶接等により第1枠部15dに接合されており、蓋体13Bが絶縁部材15の表面又は内部に設けられた配線によって、第2デバイスパッド25B(図5参照)と電気的に接続されている。
恒温槽5は、例えば、TCXO3が実装される実装基体17と、TCXO3を収容するケース19と、ケース19内の雰囲気を加熱するためのヒータ21(図2)と、OCXO1を外部機器に実装するための複数(本実施形態では4個)の外部端子23(第1外部端子23A〜第4外部端子23D)とを有している。なお、実装基体17には、TCXO3及びヒータ21以外に、各種の電子部品(例えば電源用IC等)が実装されてもよい。
実装基体17は、例えば、プリント配線基板により構成されており、絶縁基体24と、絶縁基体24に設けられた各種の導体とを有している。絶縁基体24(実装基体17)は、第1実装面24aと、その背面の第2実装面24bとを有している。第1実装面24aにはTCXO3が実装され、第2実装面24bにはヒータ21が実装されている。すなわち、TCXO3とヒータ21との間には実装基体17が介在している。絶縁基体24は、例えば、ガラスエポキシ材よりなる。
ケース19は、例えば、金属材料よりなり、TCXO3、実装基体17及びヒータ21を収容している。ケース19は、特に図示しないが、例えば、ケース19の下面を構成する部材と、ケース19の上面及び外周面を構成する部材とが固定されて構成されている。両部材は気密に接合されている(ケース19の内部は密閉されている)ことが好ましい。
ヒータ21は、例えば、実装基体17の第2実装面24bにおいて、TCXO3と重なる位置に実装されている。ヒータ21は、例えば、所定のパターンに延びる導電体(抵抗体)を絶縁材料により封止して構成されており、実装基体17を介して印加された電圧に応じた熱を生じる。
複数の外部端子23は、例えば、ピン状の端子であり、一端側が、実装基体17に形成された孔に挿通され、半田等により実装基体17に固定されるとともに電気的に接続されている。複数の外部端子23の他端側は、例えば、ケース19の下面から延び出ている。なお、複数の外部端子23は、ケース19に対して固定され、実装基体17とケース19の下面との間隔を確保しつつ、実装基体17とケース19とを固定することに寄与してもよい。
図3は、図2の一部拡大図である。図3では、TCXO3及びヒータ21の実装基体17に対する実装に係る部分、及び、実装基体17の構成等を図2よりも詳細に図示している。
素子搭載部材7は、例えば、第2枠部15eの下面に設けられた複数(本実施形態では4つ)のデバイスパッド25(第1デバイスパッド25A〜第4デバイスパッド25D。図5も参照)を有している。デバイスパッド25は、素子搭載部材7の配線を介してIC11と電気的に接続されている。複数のデバイスパッド25の第2枠部15eの下面内における配置位置、平面形状及び面積は適宜に設定されてよい。例えば、複数のデバイスパッド25は、第2枠部15eの4隅に設けられている。
TCXO3は、第2枠部15eの下面を実装基体17の第1実装面24aに対向させて配置される。そして、複数のデバイスパッド25は、第1実装面24aに設けられた複数のデバイス用実装パッド27(第1デバイス用実装パッド27A〜第4デバイス用実装パッド27D。図4(a)も参照)に対して複数のバンプ26によって接合される。これにより、TCXO3は、実装基体17に固定されるとともに電気的に接続される。バンプ26は、例えば、半田(鉛フリー半田を含む)又は導電性接着材によって構成されている。
素子搭載部材7に第2凹部15bが形成されていることにより、また、バンプ26が素子搭載部材7と実装基体17との間に介在していることによって、TCXO3と実装基体17との間には第1空間S1が構成されている。なお、第1空間S1は、複数のバンプ26の間の隙間を介して素子搭載部材7の外部と通じている。ただし、樹脂が素子搭載部材7の周囲乃至は複数のバンプ26の間に配置されることなどによって、第1空間S1は密閉されていてもよい。
ヒータ21は、例えば、第2実装面24bに対向する面に複数(本実施形態では2つ)のヒータパッド28を有している。ヒータパッド28は、例えば、電力供給を受けるためのものであり、ヒータ21の長手方向の両側に設けられている。複数のヒータパッド28は、第2実装面24bに設けられた複数のヒータ用実装パッド30(第1ヒータ用実装パッド30A及び第2ヒータ用実装パッド30B)に対して複数のバンプ29によって接合される。これにより、ヒータ21は、実装基体17に固定されるとともに電気的に接続される。バンプ29は、例えば、半田(鉛フリー半田を含む)又は導電性接着材によって構成されている。
ヒータ21は、更に、接着剤31によっても実装基体17に対して固定されている。接着剤31は、例えば、ヒータ21を覆うように設けられている。すなわち、接着剤31は、ヒータ21の側面(例えば4側面又は2側面)、及び、ヒータ21の実装基体17とは反対側の面に密着するとともに、第2実装面24bのヒータ21の周囲の領域に密着している。なお、接着剤31は、ヒータ21に対して、ヒータ21の側面のみに密着してもよい。また、接着剤31は設けられなくてもよい。
ヒータ21と第2実装面24bとはバンプ29の厚みで離間しており、また、両者の間には、外周側を除いて接着剤31が流れ込んでいない。従って、両者の間には第2空間S2が構成されている。第2空間S2は、例えば、接着剤31がヒータ21の外周を囲むように設けられることによって密閉されている。ただし、第2空間S2は、接着剤がヒータ21の4側面のうち2側面のみを覆うように設けられることなどにより、ヒータ21の外側の空間と通じていてもよい。
実装基体17には、TCXO3の昇温を好適化するために、TCXO3及びヒータ21に重なる領域に複数の貫通孔61が形成されている。複数の貫通孔61は、第1空間S1と第2空間S2とを連通している。複数の貫通孔61の数、配置、形状及び大きさは適宜に設定されてよい。なお、実装基体17に、当該実装基体17の導電層同士を接続するためのスルーホールが設けられる場合、貫通孔61は、このスルーホールと同一の形状及び大きさであれば、スルーホールと同様に形成できて都合がよい。
また、実装基体17は、第1空間S1の昇温を好適化するために、絶縁基体24を貫通して第1実装面24a及び第2実装面24bに露出する伝熱体63を有している。伝熱体63は、例えば、第1実装面24aに設けられ、TCXO3に対向する第1伝熱膜63aと、第2実装面24bに設けられ、ヒータ21に対向する第2伝熱膜63bと、貫通孔61の内周面に設けられ、第1伝熱膜63aと第2伝熱膜63bとを接続する内周伝熱膜63cと、を含んでいる。
第2伝熱膜63bは、例えば、2つのヒータ用実装パッド30のうち一方と接続されている(ヒータ用実装パッド30を含んでいると捉えられてもよい。)。従って、伝熱体63は、ヒータ用実装パッド30及びバンプ29を介してヒータ21(ヒータパッド28)と熱的に接続されている。伝熱体63は、例えば、Cu等の金属により構成されており、絶縁基体24よりも伝熱率が高い。伝熱体63は、TCXO3に対して電気的に非接続とされている。
図4(a)は、第1実装面24aの平面図であり、図4(b)は、第2実装面24bの平面図である。ただし、図4(b)は、第1実装面24a側から第2実装面24bを透視した図となっている。すなわち、図4(a)の紙面上下左右と、図4(b)の紙面上下左右とは互いに対応している(座標系xyz参照)。
また、図4(a)では、TCXO3を2点鎖線で示し、図4(b)では、ヒータ21及びヒータ21の制御を行うための制御IC50を2点鎖線で示している。
実装基体17には、複数(4つ)の外部端子23が挿入される複数の孔、及び、複数の外部端子23に接続される複数の接続端子65(第1接続端子65A〜第4接続端子65D)が設けられている。複数の孔及び複数の接続端子65は、例えば、実装基体17の外周側に、より具体的には4隅に設けられている。複数の接続端子65は、例えば、複数の孔の内周面、及び、第1実装面24a及び第2実装面24bにおける孔の周囲に金属膜が設けられることによって形成されている。
複数の接続端子65において、その位置と役割との関係は適宜に設定されてよい。本実施形態では、第1接続端子65Aは、TCXO3の生成する発振信号の周波数を制御するための制御電圧Vconが入力される端子であり、第2接続端子65Bは、基準電位となるグランドと接続される端子であり、第3接続端子65Cは、TCXO3の生成した発振信号Voutを出力する端子であり、第4接続端子65Dは、TCXO3及び恒温槽5を駆動するための電源電圧Vccが入力される端子であるものとする。
複数(4つ)のデバイス用実装パッド27は、TCXO3のデバイスパッド25がTCXO3の4隅に設けられていることに対応して、TCXO3の配置領域の4隅に設けられている。また、複数のデバイス用実装パッド27は、例えば、TCXO3の中心が第1実装面24aの中心に位置するように配置されている。
なお、中心は、例えば、平面形状の重心である。後述するヒータ21等の中心も同様である。
第1デバイス用実装パッド27A〜第4デバイス用実装パッド27Dは、例えば、実装基体17に設けられた配線を介して、第1接続端子65A〜第4接続端子65Dに電気的に接続されている。なお、図4では、第1デバイス用実装パッド27A〜第4デバイス用実装パッド27Dの配置位置と、第1接続端子65A〜第4接続端子65Dの配置位置とは互いに対応しているが、必ずしも対応していなくてもよい。
複数(2つ)のヒータ用実装パッド30は、ヒータパッド28がヒータ21の長手方向の両側に設けられていることに対応して、ヒータ21の配置領域の長手方向の両側に設けられている。また、複数のヒータ用実装パッド30は、例えば、ヒータ21の中心が第2実装面24bの中心よりも基準電位であるグランドと電気的に接続される第2接続端子65B側に位置するように配置されている。
第1ヒータ用パッド30Aは、例えば、実装基体17に実装された制御IC50から駆動信号が入力される。第2ヒータ用パッド30Bは、例えば、実装基体17に設けられた配線を介して、基準電位であるグランドと電気的に接続される第2接続端子65Bに電気的に接続されている。
制御IC50は、基準電位であるグランドと電気的に接続される第2接続端子65B、電源電圧が付与される第4接続端子65D、及び、ヒータ21に電気的に接続される第1ヒータ用パッド30Aに対して、実装基体17の配線を介して電気的に接続される。
第1伝熱膜63aは、例えば、複数のデバイス用実装パッド27とバンプ26等によって短絡が生じないように、且つ、できるだけTCXO3との重なりが大きくなるように形成されている。例えば、第1伝熱膜63aは、第2凹部15bの平面形状と同様の形状(例えば矩形)とされるとともに、第2凹部15bの平面形状よりも若干小さくされている。
第2伝熱膜63bは、例えば、第2実装面24b上の第2伝熱膜63bとは電位が異なる配線と短絡が生じないように、且つ、できるだけヒータ21との重なりが大きくなるように形成されている。例えば、第2伝熱膜63bは、ヒータ21と同等の幅(x方向)を有し、ヒータ21の2/3以上の面積を有するように形成されている。また、第2伝熱膜63bは、例えば、平面透視において、第1伝熱膜63aが収まるような大きさ及び形状に形成されている。
複数の貫通孔61は、例えば、第1空間S1及びヒータ21に重なる領域(本実施形態では、ヒータ21は第1空間S1よりも広いので、第1空間S1と重なる領域と同一)の中央側に位置する第1貫通孔61Aと、第1空間S1及びヒータ21に重なる領域の外周側に位置し、第1貫通孔61Aを囲む複数(4つ)の第2貫通孔61Bと、を含んでいる。複数の第2貫通孔61Bは、例えば、矩形の第1空間S1の4隅に位置している。
なお、第1空間S1及びヒータ21に重なる領域の中央側は、例えば、前記領域の外周縁部よりも前記領域の中心に近い範囲(中心側の半分の範囲)をいい、外周側は、前記中心よりも前記外周縁部に近い範囲(外周縁部側の半分の範囲)をいう。より好適には、中央側は、前記中心と前記外周縁部との中間位置よりも前記中心に近い範囲(中心側の1/4の範囲)位置であり、外周側は、前記中間位置よりも前記外周縁部に近い範囲(外周縁部側の1/4の範囲)位置である。
実装基体17は、基準電位となるグランドと電気的に接続される第2接続端子65Bにヒータ21の熱を伝え易くするために、第2実装面24bに伝熱配線67(図4(b))を有している。伝熱配線67は、第2接続端子65Bに接続されるとともに、平面透視においてヒータ21に重なっている。ただし、伝熱配線67は、ヒータ21に対して電気的に接続されていなくてもよい。又は、伝熱配線67は、ヒータ21(ヒータ用実装パッド30)に対して抵抗、キャパシタ又はインダクタ等の電子素子を介してヒータ21に電気的に接続されていてもよい。なお、伝熱配線67の第2接続端子65B側の他端は、ヒータ21に電気的に接続されていない場合、ヒータ21以外の電子素子に電気的に接続されていてもよいし、接続されていなくてもよい。伝熱配線67は、第2接続端子65Bからヒータ21に至るまで一体的に延びていることが望ましいが、その中途に熱の伝達をさほど妨げない電子素子が配置されていてもよい。伝熱配線67は、例えば、ヒータ21を横切るように2つのヒータ用実装パッド30の間において延びている。
また、実装基体17は、基準電位となるグランドと電気的に接続される第2デバイス用実装パッド27Bにヒータ21の熱を伝え易くするために、第1実装面24aにダミーパッド69(図4(a))を有している。ダミーパッド69は、例えば、配線の一部(例えば先端)が拡幅することにより形成されており、第2接続端子65Bと第2デバイス用実装パッド27Bとを接続するデバイス用配線71に対して、第2デバイス用実装パッド27Bを介して接続されている。ダミーパッド69は、TCXO3と電気的に接続されていなくてもよい。例えば、ダミーパッド69上には、バンプ26が設けられず、ダミーパッド69は、TCXO3と接合されない。又は、ダミーパッド69は、IC11及び振動素子9等のTCXO3のいずれの電子素子にも電気的に接続されていないダミーのデバイスパッド25とバンプ26によって接合されており、TCXO3と熱的には接続されているものの電気的には接続されていない。
図5は、OCXO1の信号処理系の概略構成を示すブロック図である。
OCXO1は、既述のように、TCXO3と、恒温槽5とを有しており、両者は、複数のデバイスパッド25と複数のデバイス用実装パッド27とがバンプ26によって接合されることにより電気的に接続されている。また、恒温槽5の複数の外部端子23を介して、TCXO3の複数のデバイスパッド25は、種々の信号が入力され、又は、種々の信号を出力する。
TCXO3は、上述のように、振動素子9と、振動素子9と電気的に接続されるIC11とを有している。IC11は、例えば、振動素子9に電圧を印加して発振信号を生成する発振回路33と、発振信号の温度変化に対する補償を行うための温度補償回路35と、温度補償回路35の保持する温度補償に係るデータの内容を書き換えるための不図示の書換え回路とを有している。これら回路の構成は、公知の構成と同様でよい。
例えば、発振回路33は、特に図示しないが、入力側及び出力側が振動素子9に電気的に接続されるインバータ、インバータの入力側及び出力側に電気的に接続される帰還抵抗、インバータの入力側とグランド部との間に配置される可変容量素子、及び、インバータの出力側とグランド部との間に配置される可変容量素子を含んで構成されている。
また、例えば、温度補償回路35は、振動素子9とグランド部との間に配置される可変容量素子39と、可変容量素子39に電気的に接続された補償信号発生回路41と、補償信号発生回路41に電気的に接続されたROM43、RAM45及び第1温度センサ47とを有している。
なお、温度補償回路35の可変容量素子39には、制御電圧Vconに従って発振信号の周波数を変化させるために発振回路33に含まれる可変容量素子が兼用されてもよい。また、ROM43及びRAM45は、発振回路33が利用する情報を保持するROM及びRAMと兼用されるものであってもよい。第1温度センサ47は、IC11とは別個に設けられてもよい。
補償信号発生回路41は、ROM43又はRAM45に記憶されている情報に基づいて、第1温度センサ47の検出する温度に応じた電圧を可変容量素子39に印加する。これにより、温度に応じて振動素子9の負荷容量が変化し、発振信号の周波数は温度補償がなされる。
恒温槽5は、上述したヒータ21に加えて、例えば、ケース19内の適宜な位置の温度を検出する第2温度センサ49と、第2温度センサ49の検出した温度に基づいてヒータ21を制御する温度制御回路51(制御IC50)とを有している。温度制御回路51は、例えば、第2温度センサ49の検出する温度が予め設定された温度に維持されるようにヒータ21をフィードバック制御する。
なお、TCXOには、第1温度センサ47の検出する温度をデバイスパッド25から出力可能なものがある。このようなTCXOがTCXO3として選択されている場合においては、第2温度センサ49を設けずに、第1温度センサ47の検出した温度に基づいてヒータ21が制御されてもよい。
図4(a)では、恒温槽5から露出する複数の外部端子23と、TCXO3の複数のデバイスパッド25とは、電子素子を介在させずに、実装基体17の配線によって接続されている。ただし、適宜な電子素子が介在していてもよい。例えば、増幅器又はインピーダンス整合を図るための素子が介在していてもよい。ただし、基準電位となるグランドと電気的に接続される第2外部端子23B(第2接続端子65B)と、第2デバイスパッド25Bとは、電子素子を介在させずに接続されていることが望ましい。
以上に説明した本実施形態のOCXO1は、例えば、以下に述べる第1〜第3の観点の作用効果を奏する。
第1の観点では、本実施形態のOCXO1は、第1実装面24a及びその背面の第2実装面24bを有する実装基体17と、第1実装面24aに実装されたTCXO3と、第2実装面24bに実装されたヒータ21と、これらを収容するケース19とを有している。TCXO3と第1実装面24aとの間には第1空間S1が形成されている。実装基体17には、ヒータ21及び第1空間S1に重なる領域に、実装基体17を第2実装面24b側から第1実装面24a側へ貫通して第1空間S1に通じる中空の貫通孔61が形成されている。
従って、第1空間S1の気体(例えば空気)は、実装基体17を介さずに、貫通孔61を介して直接的にヒータ21に触れることができる。その結果、第1空間S1の温度がヒータ21によって上昇しやすくなり、ひいては、ヒータ21によってTCXO3の温度を迅速に一定の温度にすることができる。すなわち、OCXO1の特性が安定するまでの起動時間を短くすることができる。
また、本実施形態では、ヒータ21と第2実装面24bとの間には第2空間S2が形成されており、貫通孔61によって第1空間S1と第2空間S2とが連通されている。
通常、ヒータ21がバンプ29によって実装されることによって第2空間S2が形成されると、ヒータ21から実装基体17への伝熱性が低下し、ひいては、TCXO3を昇温させにくくなる。しかし、本実施形態では、貫通孔61によって第2空間S2の気体が第1空間S1に流れ込むことができることから、第2空間S2は、ヒータ21によって第1空間S1の気体を直接的に昇温させる空間として機能することになる。その結果、第2空間S2が形成されることによる伝熱性の低下を低減することができ、又は、第2空間S2が形成されない場合よりも伝熱性を向上させることができる。
また、本実施形態では、複数の貫通孔61によって第1空間S1と第2空間S2とが連通されている。
従って、第2空間S2から複数の貫通孔61のいずれかを介した第1空間S1への気体の流れ、及び、第1空間S1から複数の貫通孔の他のいずれかを介した第2空間S2への気体の流れが生じ得る。その結果、第1空間S1及び第2空間S2に好適な対流が生じ、第1空間S1の温度が上昇しやすくなる。
また、本実施形態では、複数の貫通孔61は、第1空間S1及びヒータ21に重なる領域の中央側に位置する第1貫通孔61A(中央側貫通孔)と、第1空間S1及びヒータ21に重なる領域の外周側に位置し、第1貫通孔61Aを囲む複数の第2貫通孔61B(外側貫通孔)と、を含んでいる。
従って、上述の対流が好適に生じやすくなる。例えば、第1空間S1は、外周側が第2枠部15eに接しており、中央側がIC11に接しており、両者の温度に影響を及ぼす部材が異なっていることから、中央側及び外周側の一方が他方よりも温度が高くなりやすい。その結果、第1空間S1の中央側から外周側へ、又は、第1空間S1の外周側から中央側への気体の流れが生じやすい。その流れに対応した位置に第1貫通孔61A及び第2貫通孔61Bが配置されていることによって、これら貫通孔61に気体が流れやすくなり、ひいては、好適に対流が生じる。また、ヒータ21において、中央側と外周側とで温度差が生じやすく、且つ、TCXO3の中央側とヒータ21の中央側とが概ね一致していれば、さらに対流が生じやすくなる。
また、本実施形態では、TCXO3は、互いに反対側に開口する第1凹部15a及び第2凹部15bを有する素子搭載部材7と、第1凹部15aに収容された振動素子9(圧電素子)と、第2凹部15bに収容されたIC11(集積回路素子)と、を有し、第2凹部15b側を第1実装面24aに向けて第1実装面24aに実装されている。第2凹部15bは、第1空間S1の少なくとも一部を構成し、貫通孔61は、第2凹部15bと重なる領域に位置している。
従って、いわゆるH型の素子搭載部材7において、第2凹部15bの温度を迅速に上昇させることができる。その結果、第2凹部15b側から第1凹部15aを昇温しにくいというH型のデメリットを低減することができる。
また、第2の観点では、本実施形態のOCXO1は、第1実装面24a及びその背面の第2実装面24bを有する実装基体17と、第1実装面24aに実装されたTCXO3(圧電デバイス)と、第2実装面24bに実装されたヒータ21と、これらを収容するケース19と、を有している。実装基体17は、第1実装面24a及び第2実装面24bを構成する絶縁基体24と、絶縁基体24よりも熱伝導率が高い材料からなり、絶縁基体24を貫通し、ヒータ21に重なる領域にて第2実装面24b側に露出するとともにTCXO3に重なる領域にて第1実装面24a側に露出し、TCXO3に対して電気的に非接続とされた伝熱体63と、を有している。
従って、ヒータ21とTCXO3との間に絶縁基体24のみが介在している場合に比較して、ヒータ21の熱がTCXO3に伝わり易くなる。その結果、ヒータ21によってTCXO3の温度を迅速に一定の温度にすることができる。すなわち、OCXO1の特性が安定するまでの起動時間を短くすることができる。
また、本実施形態では、伝熱体63は、第1実装面24aに設けられ、TCXO3に対向する第1伝熱膜63aを含む。
従って、単に絶縁基体24を貫通する導体(金属)を設けるような場合に比較して、伝熱体63の体積の増加を抑えつつ、広範囲に亘って伝熱体63からTCXO3に熱を伝えることできる。その結果、安価に伝熱性を向上させることができる。また、第1伝熱膜63aが基準電位となるグランドと電気的に接続されるとすれば、第1伝熱膜63aがシールドとして機能し、TCXO3の電気特性が向上することも期待される。
また、本実施形態では、伝熱体63は、第2実装面24bに設けられ、ヒータ21に対向する第2伝熱膜63bを含む。
従って、単に絶縁基体24を貫通する導体(金属)を設けるような場合に比較して、伝熱体63の体積の増加を抑えつつ、広範囲に亘ってヒータ21から伝熱体63に熱を伝えることができる。その結果、安価に伝熱性を向上させることができる。また、第2伝熱膜63bも、第1伝熱膜63aと同様に、基準電位となるグランドと電気的に接続されることにより、TCXO3の電気特性を向上させるシールドとして機能することが期待される。
また、本実施形態では、TCXO3と第1実装面24aとの間には第1空間S1が形成されている。実装基体17には、ヒータ21及び第1空間S1に重なる領域に、実装基体17を第2実装面24b側から第1実装面24a側へ貫通して第1空間S1に通じる中空の貫通孔61が形成されている。伝熱体63は、貫通孔61の内周面に設けられた内周伝熱膜63cを含む。
従って、第1の観点から説明した、第1空間S1の気体をヒータ21によって加熱することによる効果を得るとともに、当該効果を得るための貫通孔61を、伝熱体63を第2実装面24bから第1実装面24aに亘って設けるために利用できる。その結果、全体として簡便な製造方法乃至は構成によって効果的にヒータ21の熱をTCXO3に伝えることができる。
また、本実施形態では、TCXO3と第1実装面24aとの間には第1空間S1が形成されている。伝熱体63は、第1空間S1と重なる領域においてのみ第1実装面24a側に露出している。
従って、例えば、伝熱体63と、TCXO3を実装するためのデバイス用実装パッド27との短絡が生じるおそれが低減される。また、TCXO3の基板部15cは、第2枠部15e内の導体、デバイスパッド25及びバンプ26によって熱的に実装基体17に接続されている外周部に対して、第1空間S1を介して実装基体17と対向している中央部においてヒータ21の熱が伝わりにくい。そのような第1空間S1に集中的に伝熱体63を露出させることにより、バランスよくヒータ21の熱が基板部15cに伝えられることが期待される。
また、本実施形態では、第1の観点においても述べたように、第1空間S1の少なくとも一部がH型の素子搭載部材7の第2凹部15bによって構成されており、上述した伝熱体63によって、第2凹部15b側から第1凹部15aを昇温しにくいというH型のデメリットを低減することができる。
また、本実施形態では、伝熱体63は、第2実装面24bに設けられ、バンプ29を介してヒータ21と接合されたヒータ用実装パッド30に接続されている。
従って、伝熱体63は、ヒータ21に熱的に接続されることになり、ヒータ21の熱を好適にTCXO3側へ伝えることができる。しかも、伝熱体63は、ヒータ21を実装するためのヒータ用実装パッド30及びバンプ29によってヒータ21に熱的に接続されることから、全体としてOCXO1の構成が簡素化される。
また、第3の観点では、本実施形態のOCXO1は、第1実装面24a及びその背面の第2実装面24bを有する実装基体17と、第1実装面24aに実装されたTCXO3と、第2実装面24bに実装されたヒータ21と、これらを収容するケース19と、ケース19の外部に露出する複数の外部端子23と、を有している。実装基体17は、複数の外部端子23のいずれかに接続された第2接続端子65B(基準電位用接続端子)と、第2接続端子65Bから延びるデバイス用配線71と、デバイス用配線71に接続され、TCXO3が実装された第2デバイス用実装パッド27Bと、を有している。第2実装面24bの平面視において、ヒータ21の中心は、実装基体17の中心よりも第2接続端子65B側に位置している。
基準電位用の第2接続端子65B、デバイス用配線71及び第2デバイス用実装パッド27Bは、外部端子23とTCXO3とを熱的に接続していることから、TCXO3の熱を外部端子23へ逃がしてしまいやすい。しかし、ヒータ21の中心が実装基体17の中心よりも第2接続端子65B側になるようにヒータ21が設けられ、ヒータ21によって第2接続端子65B及び第2外部端子23Bが昇温されることにより、TCXO3から第2接続端子65Bへの熱の流れが低減される。その結果、ヒータ21によってTCXO3の温度を迅速に一定の温度にすることができる。すなわち、OCXO1の特性が安定するまでの起動時間を短くすることができる。
また、本実施形態では、実装基体17は、第2実装面24bのヒータ21に重なる領域に設けられ、第2接続端子65Bに接続され、ヒータ21が有するヒータパッド28に対して、導電性のバンプ29による接合がなされていない伝熱配線67を有している。
従って、ヒータ21から伝熱配線67を介して第2接続端子65Bに熱を伝えることができ、第2接続端子65Bを迅速に昇温することができる。その結果、TCXO3から第2接続端子65Bへの熱の流れが低減される。
また、本実施形態では、実装基体17は、第1実装面24aのヒータ21に重なる領域に設けられ、第2デバイス用実装パッド27Bを介してデバイス用配線71と接続され、TCXO3が有するデバイスパッド25に導電性のバンプ26による接合がなされていないダミーパッド69と、を有している。
従って、ダミーパッド69が実装基体17を介してヒータ21により昇温され、その熱が第2デバイス用実装パッド27Bに伝達されることにより、TCXO3から第2デバイス用実装パッド27Bを介した第2接続端子65Bへの熱の流れが低減される。なお、ダミーパッド69は、ヒータ21に重なっていれば、TCXO3に重なっていなくてもよい。ただし、TCXO3に重なっていれば、第1実装面24aの面積を節約できる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
OCXOの構造は、適宜に変更されてよい。例えば、実装基体のヒータ側に実装基体とスペーサを介して対向する回路基板が設けられ、圧電デバイス(TCXO)、実装基体及び前記の回路基板の実装基体側の面を覆うケースが設けられ、前記の回路基板の実装基体とは反対側の面がケース外に露出されてもよい。この回路基板のケース外に露出する面に、パッド状の外部端子が設けられてもよい。別の観点では、外部端子に接続される実装基体の基準電位用接続端子(実施形態では第2接続端子65B)は、直接に外部端子に電気的及び熱的に接続されるのではなく、前記の回路基板の配線及び端子を介して電気的及び熱的に接続されていてもよい。
圧電デバイスは、発振器に限定されず、例えば、SAWフィルタ等のフィルタであってもよい。なお、圧電デバイスがSAWフィルタの場合、圧電素子は、IDT電極が設けられた圧電基板である。また、圧電デバイスは、温度補償機能を有さないものであってもよい。
圧電デバイスは、いわゆるH型の素子搭載部材を有するものに限定されない。例えば、圧電デバイスは、一つの凹部のみを有する素子搭載部材(箱状の素子搭載部材)に圧電素子が収容されるものであってもよいし、平板状の素子搭載部材に圧電素子が実装されたものであってもよいし、圧電基板の電極が設けられた面を樹脂封止したもの(素子搭載部材が設けられないもの)であってもよい。
発振器は、実施形態に例示した以外の信号を入出力するものであってもよい。例えば、発振器は、制御電圧が入力されないもの(予め定められた一定の周波数の発振信号を出力するもの)であってもよいし、イネーブル・ディセーブル信号が入力されるものであってもよいし、周波数が互いに異なる又は同一の2つの発振信号を出力するものであってもよい。
振動素子は、圧電体の両主面に1対の電極が設けられるものに限定されず、SAW型の振動素子のように圧電体の一主面に1対の電極が設けられるものであってもよい。圧電体のカットの角度は適宜に設定されてよい。圧電体は、水晶に限定されず、例えば、セラミックであってもよい。
第2実装面とヒータとの間には第2空間が形成されていなくてもよい。例えば、実施形態において、ヒータと第2実装面との間にはアンダーフィルが充填されていてもよい。また、例えば、ヒータは、直接的に又は接着剤を介して間接的に第2実装面に密着され、第2実装面とは反対側の面に形成されたヒータパッドと実装基体のヒータ用実装パッドとがボンディングワイヤによって接続されるものであってもよい。
実装基体に設けられた第1空間に通じる貫通孔(実施形態では貫通孔61)は、複数でなくてもよい。例えば、貫通孔は、1つのみでもよいし、気体の流入用と流出用との2つのみでもよい。複数の貫通孔が設けられる場合、その配置位置は適宜に設定されてよい。例えば、実施形態において、第1空間S1の4隅及び中央だけでなく、短辺及び/又は長辺に沿って多数の貫通孔が形成されてもよい。貫通孔の形状も円形に限定されず、楕円形や長方形であってもよい。
伝熱体の材料は、導電材料でなくてもよいし、金属でなくてもよい。ただし、一般には、導電材料乃至は金属は熱伝導率が高く、伝熱体の材料として好適である。また、伝熱体の材料が導電材料であれば、伝熱体を配線乃至はパッドとともに形成することも可能であり、都合がよい。
伝熱体の形状及び配置は適宜に設定されてよい。例えば、伝熱体は、第1伝熱膜及び第2伝熱膜を接続する部分が、圧電デバイス又はヒータに重ならない領域において絶縁基体を貫通するものであってもよい。また、例えば、伝熱体は、絶縁基体を貫通する部分が、貫通孔の内面に設けられた膜状ではなく、貫通孔に充填された柱状とされてもよい。また、伝熱体は、圧電デバイス及びヒータに重なる領域において絶縁基体を貫通する柱状に形成され、第1伝熱膜及び第2伝熱膜を有さず、柱の上面及び下面を第1実装面及び第2実装側に露出させるものであってもよい。
伝熱体は、圧電デバイスに対して電気的に非接続であれば、圧電デバイスに熱的に接続されてもよい。例えば、伝熱体は、圧電デバイスに設けられ、圧電デバイスのいずれの電子素子にも電気的に接続されていないダミーパッドにバンプを介して接続されてもよい。
伝熱体は、実施形態では、ヒータに対して電気的及び熱的に接続されたが、ヒータに対して電気的に非接続とされつつ熱的に接続されてもよいし、ヒータに対して電気的及び熱的に非接続とされてもよい。実施形態では、伝熱体は、ヒータに駆動電圧を供給するためのヒータ用実装パッドに接続されたが、ヒータに基準電位であるグランドを電気的に接続するためのヒータ用実装パッドに接続されてもよい。伝熱体は、基準電位となるグランドと接続されず、電気的に浮遊状態とされてもよい。
第1の観点の作用効果を得る観点からは、伝熱体は設けられなくてもよいし、ヒータは基準電位用接続端子寄りに設けられなくてもよい。第2の観点の作用効果を得る観点からは、第1空間及び貫通孔は設けられなくてもよいし、ヒータは基準電位用接続端子寄りに設けられなくてもよい。第3の観点の作用効果を得る観点からは、第1空間、貫通孔及び伝熱体は設けられなくてもよい。また、第1〜第3の観点の作用効果に対応した種々の構成は、適宜に組み合わされてもよい。