JP2016051992A - 恒温槽付圧電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒータによる温度制御に資するための検出温度を好適に取得可能な恒温槽付圧電デバイスを提供する。【解決手段】OCXO1は、第1実装面24a及びその背面の第2実装面24bを有する実装基体17と、第1実装面24aに実装されたTCXO3と、第2実装面24bに実装されたヒータ21と、ヒータ21を制御する温度制御回路51と、これらを収容するケース19と、を有している。TCXO3は、第1温度センサ47と、第1温度センサ47の検出温度に基づいて、温度変化による振動素子9の周波数特性の変化を補償する温度補償回路35と、複数のデバイス端子25と、を有している。複数のデバイス端子25は、第1温度センサ47の検出温度の情報を含む温度信号を出力する第5デバイス端子25Eを含む。温度制御回路51は、第5デバイス端子25Eからの温度信号に基づいてヒータ21を制御する。【選択図】図5

Description

本発明は、恒温槽付圧電デバイスに関する。
恒温槽を有する圧電デバイスが知られている。例えば、特許文献1は、実装基板と、実装基板の一方の主面に実装された温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)と、実装基板の他方の主面に実装されたヒータと、これらを収容するケースとを有した恒温槽付水晶発振器(OCXO:Oven Controlled Crystal Oscillator)を開示している。なお、ヒータ及びケースによって恒温槽が構成されている。特許文献1では、実装基板の、ヒータが実装された主面に温度センサが設けられており、当該温度センサの検出温度に基づいてヒータの発熱量が制御される。
特開2013−211752号公報
特許文献1では、実装基板に対してTCXO側ではなく、ヒータ側に温度センサが設けられている。従って、例えば、温度センサの検出温度は、ヒータの影響を強く受け、TCXOの温度(より具体的には水晶振動素子周囲の雰囲気の温度)からずれてしまうおそれがある。その結果、ヒータによるTCXOの温度制御が好適になされず、所望の周波数特性が得られないおそれがある。
従って、ヒータによる温度制御に資するための検出温度を好適に取得可能な恒温槽付圧電デバイスが提供されることが望まれる。
本発明の一態様に係る恒温槽付圧電デバイスは、第1実装面及びその背面の第2実装面を有する実装基体と、前記第1実装面に実装された温度補償型圧電デバイスと、前記第2実装面に実装されたヒータと、前記ヒータを制御する温度制御回路と、前記実装基体、前記温度補償型圧電デバイス、前記ヒータ及び前記温度制御回路を収容するケースと、を有し、前記温度補償型圧電デバイスは、圧電素子と、第1温度センサと、前記第1温度センサの検出温度に基づいて、温度変化による前記圧電素子の周波数特性の変化を補償する温度補償回路と、前記圧電素子、前記第1温度センサ及び前記温度補償回路を収容するパッケージと、前記パッケージの外部に露出する複数のデバイス端子と、を有し、前記複数のデバイス端子は、前記第1温度センサの検出温度の情報を含む温度信号を出力する温度信号用デバイス端子を含み、前記温度制御回路は、前記温度信号用デバイス端子からの温度信号に基づいて前記ヒータを制御する。
好適には、前記恒温槽付圧電デバイスは、前記第2実装面に実装された第2温度センサを更に有し、前記温度制御回路は、前記第2温度センサの検出温度の情報を含む温度信号に基づいて前記ヒータを制御し、前記第2温度センサは、前記実装基体の絶縁基体よりも熱伝導率が低い断熱材により前記ヒータと隔てられるように前記断熱材により前記ヒータと接着されている。
好適には、前記温度補償型圧電デバイスと前記第1実装面との間には第1空間が形成されており、前記ヒータと前記第2実装面との間には第2空間が形成されており、前記実装基体には、前記第1空間と前記第2空間とを連通する貫通孔が形成されており、前記断熱材は、前記第2空間の周囲において前記ヒータ及び前記第2実装面に密着して前記第2空間を密閉している。
好適には、前記恒温槽付圧電デバイスは、前記ケースの外部に露出する複数の外部端子を更に有し、前記実装基体は、前記複数の外部端子のいずれかに接続された基準電位用接続端子と、前記基準電位用接続端子から延びるデバイス用配線と、前記デバイス用配線に接続され、前記温度補償型圧電デバイスが実装されたデバイス用パッドと、を有し、前記第2実装面の平面視において、前記基準電位用接続端子は、前記実装基体の中心よりも所定方向の一方側に位置し、前記ヒータの中心は、前記実装基体の中心よりも前記所定方向の前記一方側に位置し、前記第2温度センサは、前記ヒータに対して前記所定方向の他方側に位置している。
本発明の一態様に係る恒温槽付圧電デバイスは、第1実装面及びその背面の第2実装面を有する実装基体と、前記第1実装面に実装された温度補償型圧電デバイスと、前記第2実装面に実装されたヒータと、前記第2実装面に実装された温度センサと、前記温度センサの検出温度に基づいて前記ヒータを制御する温度制御回路と、前記実装基体、前記温度補償型圧電デバイス、前記ヒータ、前記温度センサ及び前記温度制御回路を収容するケースと、を有し、前記温度センサは、前記実装基体の絶縁基体よりも熱伝導率が低い断熱材により前記ヒータと隔てられるように前記断熱材により前記ヒータと接着されている。
上記の構成によれば、圧電デバイスの温度を迅速に一定の温度にできる。
本発明の第1の実施形態に係るOCXOの概略構成を、一部を破断して示す斜視図。 図1のII−II線における断面図。 図2の一部拡大図。 図1のOCXOの実装基体の上面図及び下面図。 図1のOCXOの信号処理系の概略構成を示すブロック図。 本発明の第2の実施形態に係るOCXOの信号処理系の概略構成を示すブロック図。 本発明の第3の実施形態に係るOCXOの信号処理系の概略構成を示すブロック図。
以下、本発明の複数の実施形態に係るOCXOについて、図面を参照して説明する。第2の実施形態以降において、既に説明した実施形態の構成と同一又は類似する構成については、既に説明した実施形態の構成に付した符号と同一の符号を付すことがあり、また、説明を省略することがある。
以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。OCXOは、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともにz方向の正側を上方として、上面、下面などの用語を用いるものとする。
同一又は類似する構成については、「第1外部端子23A」、「第2外部端子23B」のように、名称の頭に番号を付すとともに符号の末尾に大文字のアルファベットを付すことがある。また、この場合において、単に「外部端子23」のように、番号及びアルファベットを省略し、区別しないことがある。
配線やパッド等の導電体について、電気的乃至は熱的の説明無しに単に接続という場合、基本的には、対象物同士が接触したり、対象物同士が一体的に形成されたり、対象物同士がバンプ等を介して接合されたりするような接続を指し、電気的な接続及び熱的な接続を伴うものとする。熱的な接続は、例えば、2つの対象物が直接に接触乃至は一体的に形成されている状態、及び、2つの対象物の間に、後述する絶縁基体24の材料及びケース19内の気体(例えば空気)よりも熱伝導率が高い材料からなる1又は複数の部材が介在して熱の経路が構成されている状態をいうものとする。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るOCXO1の概略構成を、一部を破断して示す斜視図である。また、図2は、図1のII−II線における断面図である。
OCXO1は、例えば、TCXO3と、TCXO3の周囲の雰囲気を所定の温度に維持するとともにTCXO3と外部機器との電気的接続を仲介するための恒温槽5とを有している。
TCXO3は、例えば、素子搭載部材7と、素子搭載部材7に搭載された振動素子9(図2)及び発振IC11(図2)と、振動素子9を封止するための蓋体13とを有している。
素子搭載部材7は、例えば、絶縁部材15と、絶縁部材15の表面又は内部に設けられた各種の配線及びパッドとを有している。
絶縁部材15(素子搭載部材7)は、図2に示すように、上方に開口し、振動素子9を収容する第1凹部15aと、下方に開口し、発振IC11を収容する第2凹部15bとを有している。別の観点では、絶縁部材15は、基板部15cと、基板部15cの一方の主面(第1搭載面15ca)上に位置する第1枠部15dと、基板部15cの他方の主面(第2搭載面15cb)上に位置する第2枠部15eとを有している。
絶縁部材15は、例えば、アルミナ等のセラミックからなる層状部材を複数枚重ねて形成されている。図2の例では、絶縁部材15は、基板部15cを構成する2枚の層状部材、第1枠部15dを構成する層状部材、及び、第2枠部15eを構成する層状部材の4枚が重ねられて形成されている。
素子搭載部材7の配線及びパッドは、例えば、絶縁部材15を構成する層状部材を上下方向に貫通するビア導体、及び、層状部材に重ねられた層状導体によって構成されている。これら導体は、例えば、Cu等の金属によって構成されており、絶縁部材15よりも熱伝導率が高い。
振動素子9は、例えば、平板状の圧電素板10(図2)と、圧電素板10の両主面に設けられた1対の励振電極32(図5参照)とを備えている。圧電素板10は、例えば、水晶のような石英材料よりなり、結晶軸に対し所定の角度で切断され、平面視で長方形状とされている。圧電素板10は、1対の励振電極32に電圧が印加されることにより、所定の周波数で厚みすべり振動を生じる。振動素子9は、例えば、励振電極32から延びる不図示の引出電極が第1搭載面15ca上の不図示のパッドにバンプによって接合されることによって素子搭載部材7に実装されている。
発振IC11は、例えば、第2搭載面15cbに設けられた不図示のパッドに対してバンプによって接合されることにより、第2搭載面15cbに実装されている。発振IC11は、素子搭載部材7に設けられた配線及びパッドを介して、恒温槽5(より詳細には後述する実装基体17)に電気的に接続されるとともに、振動素子9に電気的に接続されている。発振IC11は、例えば、第1温度センサ47を含んで構成されている。第1温度センサ47は、例えば、サーミスタにより構成されている。
蓋体13は、第1枠部15dの上面に接合され、第1凹部15aを封止する。蓋体13は、金属等の導電材料により構成されてもよいし、絶縁材料により構成されてもよいし、絶縁層と導電層とを積層した複合材料により構成されてもよい。例えば、蓋体13は、金属板から構成されており、この金属板は、シーム溶接等により第1枠部15dに接合されている。蓋体13は、例えば、絶縁部材15の表面又は内部に設けられた配線によって、後述する第2デバイス端子25B(図5参照)と電気的に接続されている。
恒温槽5は、例えば、TCXO3が実装される実装基体17と、TCXO3を収容するケース19と、ケース19内の雰囲気を加熱するためのヒータ21(図2)と、ヒータ21を制御するための制御IC50と、OCXO1を外部機器に実装するための複数(本実施形態では4個)の外部端子23(第1外部端子23A〜第4外部端子23D)とを有している。なお、実装基体17には、TCXO3及びヒータ21以外に、各種の電子部品(例えば電源用IC等)が実装されてもよい。
実装基体17は、例えば、プリント配線基板により構成されており、絶縁基体24と、絶縁基体24に設けられた各種の導体とを有している。絶縁基体24(実装基体17)は、第1実装面24aと、その背面の第2実装面24bとを有している。第1実装面24aにはTCXO3が実装され、第2実装面24bにはヒータ21が実装されている。すなわち、TCXO3とヒータ21との間には実装基体17が介在している。絶縁基体24は、例えば、ガラスエポキシ材よりなる。
ケース19は、例えば、金属材料よりなり、TCXO3、実装基体17、ヒータ21及び制御IC50を収容している。ケース19は、特に図示しないが、例えば、ケース19の下面を構成する部材と、ケース19の上面及び外周面を構成する部材とが固定されて構成されている。両部材は気密に接合されている(ケース19の内部は密閉されている)ことが好ましい。
ヒータ21は、例えば、実装基体17の第2実装面24bにおいて、TCXO3と重なる位置に実装されている。ヒータ21は、例えば、所定のパターンに延びる導電体(抵抗体)を絶縁材料により封止して構成されており、実装基体17を介して印加された電圧に応じた熱を生じる。
制御IC50は、例えば、実装基体17の第2実装面24bにおいて、TCXO3と重ならない位置に実装されている。制御IC50は、例えば、第2温度センサ49を含んで構成されている。第2温度センサ49は、例えば、サーミスタにより構成されている。
複数の外部端子23は、例えば、ピン状の端子であり、一端側が、実装基体17に形成された孔に挿通され、半田等により実装基体17に固定されるとともに電気的に接続されている。複数の外部端子23の他端側は、例えば、ケース19の下面から延び出ている。なお、複数の外部端子23は、ケース19に対して固定され、実装基体17とケース19の下面との間隔を確保しつつ、実装基体17とケース19とを固定することに寄与してもよい。
図3は、図2の一部拡大図である。図3では、TCXO3及びヒータ21の実装基体17に対する実装に係る部分、及び、実装基体17の構成等を図2よりも詳細に図示している。
素子搭載部材7は、例えば、第2枠部15eの下面に設けられた複数(本実施形態では4つ)のデバイス端子25(第1デバイス端子25A〜第4デバイス端子25D。図5も参照)を有している。デバイス端子25は、素子搭載部材7の配線を介して発振IC11と電気的に接続されている。複数のデバイス端子25の第2枠部15eの下面内における配置位置、平面形状及び面積は適宜に設定されてよい。例えば、複数のデバイス端子25は、第2枠部15eの4隅、並びに、長辺及び/又は短辺の中途に設けられている。
TCXO3は、第2枠部15eの下面を実装基体17の第1実装面24aに対向させて配置される。そして、複数のデバイス端子25は、第1実装面24aに設けられた複数のデバイス用パッド27(第1デバイス用パッド27A〜第4デバイス用パッド27D。図4(a)も参照)に対して複数のバンプ26によって接合される。これにより、TCXO3は、実装基体17に固定されるとともに電気的に接続される。バンプ26は、例えば、半田(鉛フリー半田を含む)又は導電性接着材によって構成されている。
素子搭載部材7に第2凹部15bが形成されていることにより、また、バンプ26が素子搭載部材7と実装基体17との間に介在していることによって、TCXO3と実装基体17との間には第1空間S1が構成されている。なお、第1空間S1は、複数のバンプ26の間の隙間を介して素子搭載部材7の外部と通じている。ただし、樹脂が素子搭載部材7の周囲乃至は複数のバンプ26の間に配置されることなどによって、第1空間S1は密閉されていてもよい。
ヒータ21は、例えば、第2実装面24bに対向する面に複数(本実施形態では2つ)のヒータ端子28を有している。ヒータ端子28は、例えば、電力供給を受けるためのものであり、ヒータ21の長手方向の両側に設けられている。複数のヒータ端子28は、第2実装面24bに設けられた複数のヒータ用パッド30(第1ヒータ用パッド30A及び第2ヒータ用パッド30B)に対して複数のバンプ29によって接合される。これにより、ヒータ21は、実装基体17に固定されるとともに電気的に接続される。バンプ29は、例えば、半田(鉛フリー半田を含む)又は導電性接着材によって構成されている。
ヒータ21は、更に、断熱材31によっても実装基体17に対して固定されている。断熱材31は、例えば、熱伝導率が比較的低い樹脂により構成されており、絶縁基体24よりも熱伝導率が低い。なお、一般に、導体(金属)は、絶縁体よりも熱伝導率が高いから、断熱材31は、実装基体17(絶縁基体24及び導体)全体に比較しても、熱伝導率が低い。
断熱材31は、例えば、シリコン樹脂(0.15〜0.17W/mK)、又は、シリコン樹脂を主成分とする接着剤(熱伝導率は例えば0.2W/mK以下)により構成されている。なお、絶縁基体24は、例えば、上述のようにガラスエポキシ材から構成されており、構成比や方向にもよるが、その熱伝導率は、0.38〜1.0W/mKである。ちなみに、接着剤は、樹脂系のものであっても、熱伝導率が比較的高いフィラーが混入されることによって、熱伝導率が高くされることが可能であり、1.0W/mK以上の樹脂系接着剤も多種存在する。
断熱材31は、例えば、ヒータ21を覆うように設けられている。すなわち、断熱材31は、ヒータ21の側面(例えば4側面又は2側面)、及び、ヒータ21の実装基体17とは反対側の面に密着するとともに、第2実装面24bのヒータ21の周囲の領域に密着している。なお、断熱材31は、ヒータ21に対して、ヒータ21の側面のみに密着してもよい。また、断熱材31は設けられなくてもよい。
ヒータ21と第2実装面24bとはバンプ29の厚みで離間しており、また、両者の間には、外周側を除いて断熱材31が流れ込んでいない。従って、両者の間には第2空間S2が構成されている。第2空間S2は、例えば、断熱材31がヒータ21の外周を囲むように設けられることによって密閉されている。ただし、第2空間S2は、接着剤がヒータ21の4側面のうち2側面のみを覆うように設けられることなどにより、ヒータ21の外側の空間と通じていてもよい。
制御IC50は、例えば、第2実装面24bに対向する面に複数(本実施形態では4つ)のIC端子73を有している。4つのIC端子73は、例えば、実装基体17から基準電位の供給を受けるためのもの、実装基体17から駆動電圧(基準電位とは異なる電位)の供給を受けるためのもの、TCXO3の検出した温度の情報を含む温度信号を受けるためのもの、ヒータ21に駆動信号(基準電位とは異なる電位)を供給するためのものである。これら4つのIC端子73の配置は適宜に設定されてよい。
複数のIC端子73は、第2実装面24bに設けられた複数のIC用パッド75(第1IC用パッド75A〜第4IC用パッド75D、図4(b)も参照)に対して複数のバンプ77によって接合される。これにより、制御IC50は、実装基体17に固定されるとともに電気的に接続される。バンプ77は、例えば、半田(鉛フリー半田を含む)又は導電性接着材によって構成されている。
制御IC50は、断熱材31によりヒータ21と隔てられるように断熱材31によりヒータ21と接着されている。具体的には、例えば、ヒータ21及び制御IC50は、側面を互いに対向させるように実装基体17に実装されており、断熱材31は、その互いに対向する側面間に位置してこれら側面に密着している。制御IC50とヒータ21との間に介在する断熱材31の厚み(y方向)は、ヒータ21、実装基体17及びTCXO3等の大きさ乃至は熱伝導率等に応じて適宜に設定されてよい。
実装基体17には、第1空間S1及び第2空間S2に対流を生じさせることによってヒータ21の熱をTCXO3に好適に伝達できるように、TCXO3及びヒータ21に重なる領域に、第1空間S1と第2空間S2とを連通する複数の貫通孔61が形成されている。複数の貫通孔61の数、配置、形状及び大きさは適宜に設定されてよい。なお、実装基体17に、当該実装基体17の導電層同士を接続するためのスルーホールが設けられる場合、貫通孔61は、このスルーホールと同一の形状及び大きさであれば、スルーホールと同様に形成できて都合がよい。
また、実装基体17は、ヒータ21の熱を第1空間S1に好適に伝達できるように、絶縁基体24を貫通して第1実装面24a及び第2実装面24bに露出する伝熱体63を有している。伝熱体63は、例えば、第1実装面24aに設けられ、TCXO3に対向する第1伝熱膜63aと、第2実装面24bに設けられ、ヒータ21に対向する第2伝熱膜63bと、貫通孔61の内周面に設けられ、第1伝熱膜63aと第2伝熱膜63bとを接続する内周伝熱膜63cと、を含んでいる。
第2伝熱膜63bは、例えば、2つのヒータ用パッド30のうち一方と接続されている(ヒータ用パッド30を含んでいると捉えられてもよい。)。従って、伝熱体63は、ヒータ用パッド30及びバンプ29を介してヒータ21(ヒータ端子28)と熱的に接続されている。伝熱体63は、例えば、Cu等の金属により構成されており、絶縁基体24よりも伝熱率が高い。伝熱体63は、TCXO3に対して電気的に非接続とされている。
図4(a)は、第1実装面24aの平面図であり、図4(b)は、第2実装面24bの平面図である。ただし、図4(b)は、第1実装面24a側から第2実装面24bを透視した図となっている。すなわち、図4(a)の紙面上下左右と、図4(b)の紙面上下左右とは互いに対応している(座標系xyz参照)。
また、図4(a)では、TCXO3を2点鎖線で示し、図4(b)では、ヒータ21及び制御IC50を2点鎖線で示している。
実装基体17には、複数の外部端子23に接続される複数の接続端子65(第1接続端子65A〜第4接続端子65D)が設けられている。複数の接続端子65は、例えば、実装基体17の外周側に、より具体的には4隅に設けられている。複数の接続端子65は、例えば、複数の外部端子23が挿入される複数の孔の内周面、及び、その周囲(第1実装面24a及び第2実装面24b)に金属膜が設けられることによって形成されている。
複数の接続端子65において、その位置と役割との関係は適宜に設定されてよい。本実施形態では、第1接続端子65Aは、TCXO3の生成する発振信号の周波数を制御するための制御電圧Vconが入力される端子であり、第2接続端子65Bは、基準電位となるグランドと接続される端子であり、第3接続端子65Cは、TCXO3の生成した発振信号Voutを出力する端子であり、第4接続端子65Dは、TCXO3及び恒温槽5を駆動するための電源電圧Vccが入力される端子であるものとする。
複数(5つ)のデバイス用パッド27は、TCXO3のデバイス端子25の位置に対応する位置(TCXO3の配置領域の4隅等)に設けられている。また、複数のデバイス用パッド27は、例えば、TCXO3の中心が第1実装面24aの中心に位置するように配置されている。
なお、中心は、例えば、平面形状の重心である。後述するヒータ21等の中心も同様である。
第1デバイス用パッド27A〜第4デバイス用パッド27Dは、例えば、実装基体17に設けられた配線を介して、第1接続端子65A〜第4接続端子65Dに電気的に接続されている。なお、図4では、第1デバイス用パッド27A〜第4デバイス用パッド27Dの配置位置と、第1接続端子65A〜第4接続端子65Dの配置位置とは互いに対応しているが、必ずしも対応していなくてもよい。
また、第5デバイス用パッド27Eは、例えば、TCXO3の検出した温度の情報を含む温度信号を制御IC50に出力するためのものであり、実装基体17に設けられた配線を介して、第3IC用パッド75Cに接続されている。
複数(2つ)のヒータ用パッド30は、ヒータ端子28がヒータ21の長手方向の両側に設けられていることに対応して、ヒータ21の配置領域の長手方向の両側に設けられている。また、複数のヒータ用パッド30は、例えば、ヒータ21の中心が第2実装面24bの中心よりも基準電位であるグランドと電気的に接続される第2接続端子65B側に位置するように配置されている。
第1ヒータ用パッド30Aは、例えば、実装基体17に設けられた配線を介して、第1IC用パッド75Aに接続されている。第2ヒータ用パッド30Bは、例えば、実装基体17に設けられた配線を介して、基準電位であるグランドと電気的に接続される第2接続端子65Bに電気的に接続されている。
複数(4つ)のIC用パッド75は、制御IC50の複数のIC端子73の位置に対応する位置(制御IC50の配置領域の縁部等)に設けられている。上述のように、複数のヒータ用パッド30は、ヒータ21の中心が実装基体17の中心よりも第2接続端子65B側に位置するように配置されているところ、複数のIC用パッド75は、例えば、制御IC50がヒータ21に対してヒータ21のずれの方向とは反対側に位置するように設けられている。別の観点では、第2接続端子65Bは、実装基体17の中心よりも所定方向の一方側(y方向負側)に位置し、ヒータ21の中心は、実装基体17の中心よりも前記所定方向の前記一方側(y方向負側)に位置し、制御IC50(第2温度センサ49)は、ヒータ21に対して前記所定方向の他方側(y方向正側)に位置している。
第1IC用パッド75A及び第3IC用パッド75Cは、上述のように、第1ヒータ用パッド30A及び第5デバイス用パッド27Eに接続されている。第2IC用パッド75B及び第4IC用パッド75Dは、例えば、実装基体17に設けられた配線を介して、基準電位であるグランドと電気的に接続される第2接続端子65B、及び、電源電圧が付与される第4接続端子65Dに接続されている。
第1伝熱膜63aは、例えば、複数のデバイス用パッド27とバンプ26等によって短絡が生じないように、且つ、できるだけTCXO3との重なりが大きくなるように形成されている。例えば、第1伝熱膜63aは、第2凹部15bの平面形状と同様の形状(例えば矩形)とされるとともに、第2凹部15bの平面形状よりも若干小さくされている。
第2伝熱膜63bは、例えば、第2実装面24b上の第2伝熱膜63bとは電位が異なる配線と短絡が生じないように、且つ、できるだけヒータ21との重なりが大きくなるように形成されている。例えば、第2伝熱膜63bは、ヒータ21と同等の幅(x方向)を有し、ヒータ21の2/3以上の面積を有するように形成されている。また、第2伝熱膜63bは、例えば、平面透視において、第1伝熱膜63aが収まるような大きさ及び形状に形成されている。
複数の貫通孔61は、例えば、第1空間S1及びヒータ21が互いに重なる領域(本実施形態では、ヒータ21は第1空間S1よりも広いので、第1空間S1の領域と同一)の中央側に位置する第1貫通孔61Aと、第1空間S1及びヒータ21が互いに重なる領域の外周側に位置し、第1貫通孔61Aを囲む複数(4つ)の第2貫通孔61Bと、を含んでいる。複数の第2貫通孔61Bは、例えば、矩形の第1空間S1の4隅に位置している。
なお、第1空間S1及びヒータ21が互いに重なる領域の中央側は、例えば、前記領域の外周縁部よりも前記領域の中心に近い範囲(中心側の半分の範囲)をいい、外周側は、前記中心よりも前記外周縁部に近い範囲(外周縁部側の半分の範囲)をいう。より好適には、中央側は、前記中心と前記外周縁部との中間位置よりも前記中心に近い範囲(中心側の1/4の範囲)位置であり、外周側は、前記中間位置よりも前記外周縁部に近い範囲(外周縁部側の1/4の範囲)位置である。
実装基体17は、基準電位となるグランドと電気的に接続される第2接続端子65Bにヒータ21の熱を伝え易くするために、第2実装面24bに伝熱配線67(図4(b))を有している。伝熱配線67は、第2接続端子65Bに接続されるとともに、平面透視においてヒータ21に重なっている。ただし、伝熱配線67は、ヒータ21に対して電気的に接続されていない。又は、伝熱配線67は、ヒータ21(ヒータ用パッド30)に対して抵抗、キャパシタ又はインダクタ等の電子素子を介してヒータ21に電気的に接続されており、直接的に接続されていない。なお、伝熱配線67は、ヒータ21に電気的に接続されていない場合、ヒータ21以外の電子素子に電気的に接続されていてもよいし、接続されていなくてもよい。伝熱配線67は、第2接続端子65Bからヒータ21に至るまで一体的に延びていることが望ましいが、その中途に熱の伝達をさほど妨げない電子素子が配置されていてもよい。伝熱配線67は、例えば、ヒータ21を横切るように2つのヒータ用パッド30の間において延びている。
また、実装基体17は、基準電位となるグランドと電気的に接続される第2デバイス用パッド27Bにヒータ21の熱を伝え易くするために、第1実装面24aにダミーパッド69(図4(a))を有している。ダミーパッド69は、例えば、配線の一部(例えば先端)が拡幅することにより形成されており、第2接続端子65Bと第2デバイス用パッド27Bとを接続するデバイス用配線71に対して、第2デバイス用パッド27Bを介して接続されている。ダミーパッド69は、TCXO3と電気的に接続されていない。例えば、ダミーパッド69上には、バンプ26が設けられず、ダミーパッド69は、TCXO3と接合されない。又は、ダミーパッド69は、発振IC11及び振動素子9等のTCXO3のいずれの電子素子にも電気的に接続されていないダミーのデバイス端子25とバンプ26によって接合されており、TCXO3と熱的には接続されているものの電気的には接続されていない。
図5は、OCXO1の信号処理系の概略構成を示すブロック図である。
OCXO1は、既述のように、TCXO3と、恒温槽5とを有しており、両者は、複数のデバイス端子25と複数のデバイス用パッド27とがバンプ26によって接合されることにより電気的に接続されている。また、恒温槽5の複数の外部端子23を介して、TCXO3の複数のデバイス端子25は、種々の信号が入力され、又は、種々の信号を出力する。
TCXO3は、上述のように、振動素子9と、振動素子9と電気的に接続される発振IC11とを有している。発振IC11は、例えば、振動素子9に電圧を印加して発振信号を生成する発振回路33と、既述の第1温度センサ47と、第1温度センサ47の検出した温度に基づいて温度変化による振動素子9の周波数特性の変化を補償する温度補償回路35と、温度補償回路35の保持する温度補償に係るデータの内容を書き換えるための不図示の書換え回路とを有している。これら回路の構成は、公知の構成と同様でよい。
例えば、発振回路33は、特に図示しないが、入力側及び出力側が振動素子9に電気的に接続されるインバータ、インバータの入力側及び出力側に電気的に接続される帰還抵抗、インバータの入力側とグランド部との間に配置される可変容量素子、及び、インバータの出力側とグランド部との間に配置される可変容量素子を含んで構成されている。
また、例えば、温度補償回路35は、振動素子9とグランド部との間に配置される可変容量素子39と、第1温度センサ47及び可変容量素子39に電気的に接続された補償信号発生回路41と、補償信号発生回路41に電気的に接続されたROM43及びRAM45とを有している。
なお、温度補償回路35の可変容量素子39には、制御電圧Vconに従って発振信号の周波数を変化させるために発振回路33に含まれる可変容量素子が兼用されてもよい。また、ROM43及びRAM45は、発振回路33が利用する情報を保持するROM及びRAMと兼用されるものであってもよい。
補償信号発生回路41は、ROM43又はRAM45に記憶されている情報に基づいて、第1温度センサ47の検出する温度に応じた電圧を可変容量素子39に印加する。これにより、温度に応じて振動素子9の負荷容量が変化し、発振信号の周波数は温度補償がなされる。
恒温槽5は、既述のヒータ21及び制御IC50を有している。制御IC50は、既述の第2温度センサ49に加えて、ヒータ21を制御する温度制御回路51を有している。
温度制御回路51には、第1温度センサ47の検出した温度の情報を含む温度信号が第5デバイス端子25E及び第5デバイス用パッド27Eを介して入力されるとともに、第2温度センサ49の検出した温度の情報を含む温度信号が入力される。温度制御回路51は、この2つの温度信号に基づいてヒータ21のフィードバック制御を行う。
例えば、温度制御回路51は、第1温度センサ47の検出温度に基づくヒータ21の制御、及び、第2温度センサ49の検出温度に基づくヒータ21の制御を選択的に実行してよい。より具体的には、例えば、OCXO1が駆動を開始した初期においては、温度制御回路51は、第1温度センサ47の検出温度が所定の目標温度になるように、第1温度センサ47の検出温度と目標温度との偏差に応じた制御量(電圧)でヒータ21を制御する。その後、第1温度センサ47の検出温度が目標温度又は目標温度よりも低く設定された所定の切換温度に到達すると、温度制御回路51は、第2温度センサ49の検出温度が目標温度になるように、第2温度センサ49の検出温度と目標温度との偏差に応じた制御量でヒータ21を制御する。
ヒータ21の熱の伝達経路の構成にもよるが、第2温度センサ49は、第1温度センサ47よりもヒータ21の熱の影響を受けやすい。従って、上記のような制御を行うと、例えば、第1温度センサ47の検出温度に基づく温度制御によって、速やかにTCXO3の温度が目標温度に近づけられ、その一方で、TCXO3の温度が目標温度に近づいた後は、時間遅れが少ない第2温度センサ49の検出温度に基づく温度制御によって温度の発振が低減されることが期待される。
また、例えば、温度制御回路51は、第1温度センサ47及び第2温度センサ49の一方の検出温度が目標温度になるようにヒータ21を制御するともに、他方の検出温度に基づいて一方の検出温度又は目標温度を補正してもよい。具体的には、例えば、第2温度センサ49の検出温度が目標温度になるように、第2温度センサ49の検出温度と目標温度との偏差に応じた制御量でヒータ21を制御する。第2温度センサ49の検出温度が目標温度又は目標温度よりも低く設定された所定の補正開始温度に到達するなど、ある程度、第2温度センサ49の検出温度が目標温度に収束したと判定されると、第1温度センサ47の検出温度と第2温度センサ49の検出温度との差の平均を所定期間に亘って求める。その後は、その差の平均を第2温度センサ49の検出温度又は目標温度に加算又は減算して補正し、補正後の検出温度又は補正後の目標温度に基づいてフィードバック制御を行う。
このような制御によって、例えば、時間遅れが少ない第2温度センサ49の検出温度に基づく温度制御によって温度の発振が低減され、その一方で、TCXO3の実際の温度と検出温度とのずれが低減されることが期待される。
また、例えば、上述の2つの制御の具体例を組み合わせてもよい。すなわち、初期に第1温度センサ47の検出温度に基づく制御を行い、次に、第2温度センサ49の検出温度に基づく制御を行い、その後、検出温度がある程度安定したら、第1温度センサ47の検出温度に基づいて、第2温度センサ49の検出温度又は目標温度を補正してもよい。
温度制御回路51の制御は、フィードバック制御であるが、その具体的な制御については、比例制御、PD制御、PID制御、ファジー制御などの各種の制御が適用されてよい。
図5では、恒温槽5から露出する複数の外部端子23と、TCXO3の複数のデバイス端子25とは、電子素子を介在させずに、実装基体17の配線によって接続されている。ただし、適宜な電子素子が介在していてもよい。例えば、増幅器又はインピーダンス整合を図るための素子が介在していてもよい。ただし、基準電位となるグランドと電気的に接続される第2外部端子23B(第2接続端子65B)と、第2デバイス端子25Bとは、電子素子を介在させずに接続されていることが望ましい。
以上のとおり、本実施形態では、OCXO1は、第1実装面24a及びその背面の第2実装面24bを有する実装基体17と、第1実装面24aに実装されたTCXO3と、第2実装面24bに実装されたヒータ21と、ヒータ21を制御する温度制御回路51と、これらを収容するケース19と、を有している。TCXO3は、振動素子9と、第1温度センサ47と、第1温度センサ47の検出温度に基づいて、温度変化による振動素子9の周波数特性の変化を補償する温度補償回路35と、これらを収容するパッケージ(素子搭載部材7及び蓋体13)と、パッケージの外部に露出する複数のデバイス端子25と、を有している。複数のデバイス端子25は、第1温度センサ47の検出温度の情報を含む温度信号を出力する第5デバイス端子25Eを含む。温度制御回路51は、第5デバイス端子25Eからの温度信号に基づいてヒータ21を制御する。
従って、例えば、温度制御回路51は、第2実装面24bに設けられた第2温度センサ49に比較して、TCXO3(振動素子9の周囲の雰囲気)の温度に近い、第1温度センサ47の検出温度に基づいてヒータ21を制御することができる。その結果、TCXO3の温度を所望の温度に維持しやすく、ひいては、温度変化による振動素子9の周波数特性の変化によって、発振信号Voutの周波数が所望の周波数からずれることが抑制される。さらに、第1温度センサ47は、振動素子9の周波数特性の温度補償のために設けられているものであるから、新たに温度センサを設ける必要はなく、コスト削減が図られる。
また、本実施形態では、OCXO1は、第2実装面24bに実装された第2温度センサ49を更に有している。温度制御回路51は、第2温度センサ49の検出温度の情報を含む温度信号に基づいてヒータ21を制御する。第2温度センサ49は、実装基体17の絶縁基体24よりも熱伝導率が低い断熱材31によりヒータ21と隔てられるように断熱材31によりヒータ21と接着されている。
従って、例えば、断熱材31により、ヒータ21が第2温度センサ49の検出温度に及ぼす影響が緩和される。また、例えば、第2温度センサ49は、TCXO3と同様に、実装基体17を介してヒータ21の熱が伝達される。その結果、例えば、第2温度センサ49の検出温度と、TCXO3(振動素子9の周囲の雰囲気)の温度とのずれが低減されることが期待される。また、例えば、ヒータ21の外周(さらにはヒータ21の実装基体17とは反対側の面)を断熱材31によって覆うことによって、ヒータ21の熱がTCXO3への方向とは異なる方向へ発散されることを低減し、効率的にTCXO3を昇温させることができる。また、例えば、断熱材31は、ヒータ21及び第2温度センサ49の実装基体17に対する固定を強化可能である。すなわち、断熱材31は、ヒータ21が第2温度センサ49に及ぼす影響の緩和に加えて、種々の利用が可能である。
また、本実施形態では、TCXO3と第1実装面24aとの間には第1空間S1が形成されている。ヒータ21と第2実装面24bとの間には第2空間S2が形成されている。実装基体17には、第1空間S1と第2空間S2とを連通する貫通孔61が形成されている。断熱材31は、第2空間S2の周囲においてヒータ21及び第2実装面24bに接着して第2空間S2を密閉している。
従って、例えば、断熱材31は、第2空間S2からの熱の放出を抑制できる。その結果、第1空間S1、第2空間S2及び貫通孔61における対流によってヒータ21の熱をTCXO3に効率的に伝達することができる。すなわち、断熱材31は、ヒータ21が第2温度センサ49に及ぼす影響の緩和と、ヒータ21からTCXO3への好適な熱の伝達とに寄与する。
また、本実施形態では、OCXO1は、ケース19の外部に露出する複数の外部端子23を更に有している。実装基体17は、複数の外部端子23のいずれかに接続された基準電位用の第2接続端子65Bと、第2接続端子65Bから延びるデバイス用配線71と、デバイス用配線71に接続され、TCXO3が実装された第2デバイス用パッド27Bと、を有している。第2実装面24bの平面視において、第2接続端子65Bは、実装基体17の中心よりも所定方向の一方側(y方向負側)に位置し、ヒータ21の中心は、実装基体17の中心よりも前記所定方向の前記一方側(y方向負側)に位置している。従って、ヒータ21の中心が実装基体17の中心よりも第2接続端子65B側になるように、ヒータ21が設けられている。また、制御IC50(第2温度センサ49)は、ヒータ21に対して前記所定方向の他方側(y方向正側)に位置している。
基準電位用の第2接続端子65B、デバイス用配線71及び第2デバイス用パッド27Bは、外部端子23とTCXO3とを熱的に接続していることから、TCXO3の熱を外部端子23へ逃がしてしまいやすい。しかし、ヒータ21の中心が実装基体17の中心よりも第2接続端子65B側になるようにヒータ21が設けられ、ヒータ21によって第2接続端子65B及び第2外部端子23Bが昇温されることにより、第2接続端子65Bの温度がTCXO3の温度より高くなり、TCXO3から第2接続端子65Bへの熱の流れが低減される。一方、第2温度センサ49は、ヒータ21の中心が実装基体17の中心からずれることによって実装基体17の中心に近づく。その結果、実装基体17の平均的な温度乃至は実装基体17の中心に実装されているTCXO3の温度に近い温度を検出しやすくなる。しかも、断熱材31によってヒータ21の影響は低減されている。従って、全体として、昇温及び温度検出が好適になされる。なお、制御IC50は、ヒータ21が第2接続端子65B側へずれたことにより、その反対側の温度が低下することを抑制することに寄与し得る。
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係るOCXO201の信号処理系の概略構成を示すブロック図である。
OCXO201は、第1の実施形態のOCXO1に対して、第2温度センサ49を省略した点のみが相違する。温度制御回路51は、第1温度センサ47の検出温度が所定の目標温度になるようにヒータ21のフィードバック制御を行う。この実施形態は、第1の実施形態に比較して、第2温度センサ49を設ける必要がないことから、コスト削減が期待される。
(第3の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係るOCXO301の信号処理系の概略構成を示すブロック図である。
OCXO301は、第1の実施形態のOCXO1に対して、第1温度センサ47の温度信号を温度制御回路51に入力しない点のみが相違する。温度制御回路51は、第2温度センサ49の検出温度が所定の目標温度になるようにヒータ21のフィードバック制御を行う。この実施形態は、第1の実施形態に比較して、第1温度センサ47の温度信号を出力可能にTCXO3を構成する必要がないことから、コスト削減が期待される。
なお、以上の実施形態において、OCXO1、201及び301は、恒温槽付圧電デバイスの一例であり、TCXO3は温度補償型圧電デバイスの一例であり、振動素子9は圧電素子の一例であり、素子搭載部材7及び蓋体13の組み合わせはパッケージの一例であり、第5デバイス端子25Eは温度信号用デバイス端子の一例であり、第2接続端子65Bは基準電位用接続端子の一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
恒温槽付圧電デバイス(実施形態ではOCXO)の構造は、適宜に変更されてよい。例えば、ヒータの実装基体とは反対側に、実装基体とスペーサを介して固定される回路基板が設けられ、温度補償型圧電デバイス(実施形態ではTCXO)、実装基体、ヒータ及び前記回路基板のヒータ側の面を覆うケースが設けられ、前記回路基板のヒータとは反対側の面がケース外に露出されてもよい。この回路基板のケース外に露出する面に、パッド状の外部端子が設けられてもよい。別の観点では、外部端子に接続される実装基体の基準電位用接続端子(実施形態では第2接続端子65B)は、直接に外部端子に電気的及び熱的に接続されるのではなく、前記の回路基板の配線及び端子を介して電気的及び熱的に接続されていてもよい。
温度補償型圧電デバイスは、発振器に限定されず、例えば、SAWフィルタ等のフィルタであってもよい。なお、圧電デバイスがSAWフィルタの場合、圧電素子は、IDT電極が設けられた圧電基板である。
温度補償型圧電デバイスは、いわゆるH型の素子搭載部材を有するものに限定されない。例えば、温度補償型圧電デバイスは、一つの凹部のみを有する素子搭載部材(箱状の素子搭載部材)に圧電素子が収容されるものであってもよいし、平板状の素子搭載部材に圧電素子が実装されたものであってもよいし、圧電基板の電極が設けられた面を樹脂封止したもの(素子搭載部材が設けられないもの)であってもよい。
温度補償型圧電発振器は、実施形態に例示した以外の信号を入出力するものであってもよい。例えば、発振器は、制御電圧が入力されないもの(予め定められた一定の周波数の発振信号を出力するもの)であってもよいし、イネーブル・ディセーブル信号が入力されるものであってもよいし、周波数が互いに異なる又は同一の2つの発振信号を出力するものであってもよい。
振動素子は、平板状のものに限定されず、例えば、音叉型のものであってもよい。また、平板状の振動素子は、圧電体の両主面に1対の電極が設けられるものに限定されず、例えば、SAW型の振動素子のように圧電体の一主面に1対の電極が設けられるものであってもよい。圧電体のカットの角度は適宜に設定されてよい。圧電体は、水晶に限定されず、例えば、セラミックであってもよい。
第1空間、第2空間、これらを連通する貫通孔、電気的に温度補償型圧電デバイスに接続されない伝熱体(63)、断熱材等は設けられなくてもよいし、ヒータは、その中心が実装基体の中心に一致するように設けられてもよい。例えば、ヒータと第2実装面との間には熱伝導率が高いアンダーフィルが充填されてもよい。また、例えば、ヒータは、直接的に又は接着剤を介して間接的に第2実装面に密着され、第2実装面とは反対側の面に形成されたヒータパッドと実装基体のヒータ用パッドとがボンディングワイヤによって接続されるものであってもよい。
実装基体に設けられた第1空間に通じる貫通孔(実施形態では貫通孔61)は、複数でなくてもよい。例えば、貫通孔は、1つのみでもよいし、気体の流入用と流出用との2つのみでもよい。複数の貫通孔が設けられる場合、その配置位置は適宜に設定されてよい。貫通孔の形状も円形に限定されず、楕円形や長方形であってもよい。
圧電デバイスに対して電気的に非接続な伝熱体(63)の形状及び配置は適宜に設定されてよい。例えば、伝熱体は、第1伝熱膜及び第2伝熱膜を接続する部分が、圧電デバイス又はヒータに重ならない領域において絶縁基体を貫通するものであってもよい。また、例えば、伝熱体は、絶縁基体を貫通する部分が、貫通孔の内面に設けられた膜状ではなく、貫通孔に充填された柱状とされてもよい。また、伝熱体は、圧電デバイス及びヒータに重なる領域において絶縁基体を貫通する柱状に形成され、第1伝熱膜及び第2伝熱膜を有さず、柱の上面及び下面を第1実装面及び第2実装側に露出させるものであってもよい。
第1温度センサは、発振ICとは別個に設けられてもよい。同様に、第2温度センサは、制御ICとは別個に設けられてもよい。また、温度センサは、サーミスタに限定されず、例えば、熱電対であってもよい。
1…恒温槽付水晶発振器(OCXO、恒温槽付圧電デバイス)、3…温度補償型水晶発振器(TCXO、圧電デバイス)、7…素子搭載部材(パッケージ)、9…振動素子(圧電素子)、17…実装基体、19…ケース、21…ヒータ、24…絶縁基体、24a…第1実装面、24b…第2実装面、25…デバイス端子、25E…第5デバイス端子(温度信号用デバイス端子)、35…温度補償回路、47…第1温度センサ、51…温度制御回路。

Claims (5)

  1. 第1実装面及びその背面の第2実装面を有する実装基体と、
    前記第1実装面に実装された温度補償型圧電デバイスと、
    前記第2実装面に実装されたヒータと、
    前記ヒータを制御する温度制御回路と、
    前記実装基体、前記温度補償型圧電デバイス、前記ヒータ及び前記温度制御回路を収容するケースと、
    を有し、
    前記温度補償型圧電デバイスは、
    圧電素子と、
    第1温度センサと、
    前記第1温度センサの検出温度に基づいて、温度変化による前記圧電素子の周波数特性の変化を補償する温度補償回路と、
    前記圧電素子、前記第1温度センサ及び前記温度補償回路を収容するパッケージと、
    前記パッケージの外部に露出する複数のデバイス端子と、を有し、
    前記複数のデバイス端子は、前記第1温度センサの検出温度の情報を含む温度信号を出力する温度信号用デバイス端子を含み、
    前記温度制御回路は、前記温度信号用デバイス端子からの温度信号に基づいて前記ヒータを制御する
    恒温槽付圧電デバイス。
  2. 前記第2実装面に実装された第2温度センサを更に有し、
    前記温度制御回路は、前記第2温度センサの検出温度の情報を含む温度信号に基づいて前記ヒータを制御し、
    前記第2温度センサは、前記実装基体の絶縁基体よりも熱伝導率が低い断熱材により前記ヒータと隔てられるように前記断熱材により前記ヒータと接着されている
    請求項1に記載の恒温槽付圧電デバイス。
  3. 前記温度補償型圧電デバイスと前記第1実装面との間には第1空間が形成されており、
    前記ヒータと前記第2実装面との間には第2空間が形成されており、
    前記実装基体には、前記第1空間と前記第2空間とを連通する貫通孔が形成されており、
    前記断熱材は、前記第2空間の周囲において前記ヒータ及び前記第2実装面に密着して前記第2空間を密閉している
    請求項2に記載の恒温槽付圧電デバイス。
  4. 前記ケースの外部に露出する複数の外部端子を更に有し、
    前記実装基体は、
    前記複数の外部端子のいずれかに接続された基準電位用接続端子と、
    前記基準電位用接続端子から延びるデバイス用配線と、
    前記デバイス用配線に接続され、前記温度補償型圧電デバイスが実装されたデバイス用パッドと、を有し、
    前記第2実装面の平面視において、
    前記基準電位用接続端子は、前記実装基体の中心よりも所定方向の一方側に位置し、
    前記ヒータの中心は、前記実装基体の中心よりも前記所定方向の前記一方側に位置し、
    前記第2温度センサは、前記ヒータに対して前記所定方向の他方側に位置している
    請求項2又は3に記載の恒温槽付圧電デバイス。
  5. 第1実装面及びその背面の第2実装面を有する実装基体と、
    前記第1実装面に実装された温度補償型圧電デバイスと、
    前記第2実装面に実装されたヒータと、
    前記第2実装面に実装された温度センサと、
    前記温度センサの検出温度に基づいて前記ヒータを制御する温度制御回路と、
    前記実装基体、前記温度補償型圧電デバイス、前記ヒータ、前記温度センサ及び前記温度制御回路を収容するケースと、
    を有し、
    前記温度センサは、前記実装基体の絶縁基体よりも熱伝導率が低い断熱材により前記ヒータと隔てられるように前記断熱材により前記ヒータと接着されている
    恒温槽付圧電デバイス。
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