JP6425676B2 - 表示装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、薄膜トランジスタ基板を備える表示装置の製造方法に関する。
薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下「TFT」と呼称する)をスイッチング素子として用いたTFTアクティブマトリックス基板(以下「TFT基板」と呼称する)は、例えば液晶を利用した表示装置(「液晶表示装置(Liquid Crystal Display):以下「LCD」と呼称する)等の電気光学装置に利用される。
TFT等の半導体装置は、低消費電力及び薄型であるという特徴がある。したがって、このような半導体装置の特徴を活かすことにより、CRT(Cathode Ray Tube)に置き換わってフラットパネルディスプレイへの応用がなされている。
フラットパネルディスプレイ用のLCDでは、一般にTFT基板と対向基板との間に液晶層が挟持されており、TFT基板上にはTFTがアレイ状に配列形成されている。このようなTFT基板及び対向基板の外側(液晶層と逆側)にはそれぞれ偏光板が設けられ、さらに一方の基板側にはバックライトが設けられている。このような構造によってLCDでは良好なカラー表示が得られる。
LCD用TFT基板の構造の代表的なものが、例えば特許文献1の図1に開示されている。この特許文献1には、ボトムゲートのバックチャネル型TFTを有し、TFTと電気的に接続された画素電極が最上層に形成された構造が開示されている。このような構造は、5回のフォトリソグラフィープロセス(写真製版工程)を用いて製造される。
また、4回の写真製版工程でTFT基板を作製する方法が知られている(以下、4枚マスクプロセス)。この方法では、遮光部と透光部に加え、半透光部(グレートーン部もしくはハーフトーン部と呼称される)を備えるフォトマスク(グレートーンマスクもしくはハーフトーンマスクと呼称される)を用いる。このような方法によれば、写真製版回数を削減することが可能となる。
この4枚マスクプロセスで作製したTFT基板の構造及び製造方法の代表例が、例えば特許文献2に開示されている。4枚マスクプロセスの場合、1回目の金属膜のエッチング後、半透光部で形成したフォトレジストをアッシング工程により除去する。この除去と同時に、その他のフォトレジストを減膜することにより、フォトレジストの端部を後退させる(フォトレジスト幅を縮小させる)。その後、2回目の金属膜のエッチングでフォトレジストが後退した部位の金属膜を取り除き、半導体膜を一定膜厚残して、オーミックコンタクト層と半導体膜とをエッチングする(ハーフエッチング)。そのため、金属電極及び金属配線端部に対して、一定膜厚の半導体膜が、一定幅で突出した状態となる。
このような半導体膜の突き出しは、開口率の低下とウェーブノイズと呼称される表示不良とを生じることが知られている。これに対し、半導体膜の突き出しを低減するための構造及び製造方法が、例えば、特許文献3及び特許文献4に開示されている。
特開平10−268353号公報 特開2001−324725号公報 特開2008−015523号公報 特開2010−161197号公報
特許文献3及び特許文献4のどちらの技術でも、金属配線等に対する半導体膜の突き出し量を低減することができる。しかしながら、これらの技術では、金属配線の端部と、オーミックコンタクト層の端部と、一定量エッチングされた半導体膜の端部とが一致することになり、膜厚方向に突出する高い凸部を生じる。この凸部は金属配線の上層に配線を形成する場合に、配線の切断(段切れ)を発生させるという問題がある。一方、このような切断の発生を抑制するために、金属配線の厚さを薄くすると、金属配線の抵抗が上昇してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、上層の配線などの切断を抑制可能な技術を提供することを目的とする。
本発明に係る表示装置の製造方法は、基板上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極が形成された前記基板上に、ゲート絶縁膜、半導体膜、オーミックコンタクト層、導電膜及びフォトレジストをこの順で積層する工程と、透光部、半透光部及び遮光部を有するフォトマスクを用いて、前記フォトレジストをパターニングすることにより、半透光部のレジスト部及び遮光部のレジスト部を含む第1のフォトレジストパターンを形成する工程と、前記第1のフォトレジストパターンを用いて、前記導電膜を選択的にウェットエッチングすることにより、第1の導電膜パターンを形成する工程と、現像液を用いて、前記第1のフォトレジストパターンをパターニングすることにより、前記半透光部のレジスト部が除去された第2のフォトレジストパターンを形成する工程と、前記第2のフォトレジストパターンと、前記第1の導電膜パターンとを用いて、前記オーミックコンタクト層及び前記半導体膜を選択的にエッチングする工程と、前記第2のフォトレジストパターンを用いて、前記第1の導電膜パターンを選択的にエッチングすることにより、前記オーミックコンタクト層の端部を、前記導電膜の端部より外側に配置させる工程と、前記第2のフォトレジストパターンを用いて、前記オーミックコンタクト層及び前記半導体膜を選択的にエッチングすることにより、前記半導体膜の端部の少なくとも一部を、前記オーミックコンタクト層の端部より外側に配置させる工程と、前記第2のフォトレジストパターンを除去する工程とを備える。
本発明によれば、オーミックコンタクト層の端部は、導電膜の端部より外側に配置され、半導体膜の端部の少なくとも一部は、オーミックコンタクト層の端部より外側に配置されている。これにより、上層の配線などの切断を抑制することができる。
実施の形態1に係るTFT基板の全体構成を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る画素の構成を示す平面図である。 実施の形態1に係る画素の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係るTFT基板における突出量及び段差と、ウェーブノイズ及び段切れの発生との関係を示す図である。 実施の形態1に係るTFT基板における突出量及び段差を示す断面図である。 実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態2に係る画素の構成を示す平面図である。 実施の形態2に係る画素の構成を示す断面図である。 実施の形態2に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態2に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態2に係る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。
<実施の形態1>
本発明の実施の形態1に係る表示装置が備えるTFT基板(薄膜トランジスタ基板)は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)が用いられたアクティブマトリックス基板であるものとして説明する。なお、TFT基板を備える表示装置には、例えば、液晶表示装置(LCD)等の平面型表示装置(フラットパネルディスプレイ)が用いられる。
<TFT基板の全体構成>
まず、図1を用いてTFT基板の全体構成について説明する。図1は、本実施の形態1に係るTFT基板の全体構成を模式的に示す平面図であり、LCD用のTFT基板の例を示している。
図1に示すTFT基板200は、TFTである画素TFT201がマトリックス状に配列されたTFTアレイ基板であり、その平面視の領域は、表示領域202と、表示領域202を囲むように設けられた額縁領域203とに大きく分けられる。
表示領域202には、複数のゲート配線(走査信号線)101、複数の補助容量配線103及び複数のソース配線(表示信号線)104が配設されている。複数のゲート配線101のそれぞれは互いに平行に配設され、複数のソース配線104のそれぞれは互いに平行に配設され、複数のゲート配線101と直交して交差している。図1では、ゲート配線101が横方向(X方向)に延在するように配設され、ソース配線104が縦方向(Y方向)に延在するように配設されている。
そして、隣接する2本のゲート配線101及び隣接する2本のソース配線104に囲まれた領域が画素204として規定さている。このため、TFT基板200では、画素204がマトリックス状に配列される。
図1では、一部の画素204の構成を拡大して示しており、この画素204内には、少なくとも1つの画素TFT201が配設されている。つまり、複数の画素に対応して複数の画素TFT201が配設されている。画素TFT201は、ソース配線104とゲート配線101との交差点近傍に配置され、画素TFT201のゲート電極がゲート配線101に接続され、画素TFT201のソース電極がソース配線104に接続され、画素TFT201のドレイン電極が画素電極8に接続されている。また、複数のゲート配線101のそれぞれと平行に設けられた補助容量配線103(後述する図2の補助容量電極9)と、画素電極8とが、補助容量209を形成している。
ゲート配線101と補助容量配線103とは、交互に配設され、補助容量配線103とソース配線104とは、互いに直交して交差するように配設されている。
TFT基板200の額縁領域203には、走査信号駆動回路205と表示信号駆動回路206とが設けられている。ゲート配線101は、表示領域202から走査信号駆動回路205が設けられた側の額縁領域203まで延在しており、ゲート配線101は、TFT基板200の端部で、走査信号駆動回路205に接続されている。ソース配線104も同様に、表示領域202から表示信号駆動回路206が設けられた側の額縁領域203まで延在しており、ソース配線104は、TFT基板200の端部で、表示信号駆動回路206に接続されている。
また、走査信号駆動回路205の近傍には、外部と接続するための接続基板207が配設され、表示信号駆動回路206の近傍には、外部と接続するための接続基板208が配設されている。なお、接続基板207及び208は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)などの配線基板である。
接続基板207及び208のそれぞれを介して、走査信号駆動回路205及び表示信号駆動回路206に外部からの各種信号が供給される。走査信号駆動回路205は、外部からの制御信号に基づいて、ゲート信号(走査信号)をゲート配線101に供給する。このゲート信号によって、ゲート配線101が順次選択される。表示信号駆動回路206は、外部からの制御信号や、表示データに基づいて表示信号をソース配線104に供給する。これにより、表示データに応じた表示電圧を各画素204に供給することができる。
なお、走査信号駆動回路205及び表示信号駆動回路206は、TFT基板200上に配置されなくてもよく、例えば、TCP(Tape Carrier Package)でこれら駆動回路を構成することにより、TFT基板200とは別の部分に配置してもよい。
また、後に平面図(図2)を用いて説明するが、補助容量配線103の補助容量電極9は、画素電極8と絶縁された状態で、画素電極8と平面視にて部分的に重複(重畳)するように構成されている。このため、画素電極8を一方の電極とし、補助容量電極9の一部を他方の電極とする補助容量209が形成されている。全ての補助容量配線103は表示領域202外で接続配線を経由して、ソース配線104と同様に構成される信号配線106と電気的に結束されている。そして、全ての補助容量配線103は、例えば表示信号駆動回路206から共通電位が供給される。
画素TFT201は、画素電極8に表示電圧を供給するためのスイッチング素子として機能し、ゲート配線101から入力されるゲート信号によって画素TFT201のONとOFFが制御される。そして、ゲート配線101に所定の電圧が印加され、画素TFT201がONすると、ソース配線104から後述するチャネル領域を介してドレイン電極に電流が流れるようになる。これにより、ソース配線104から、画素TFT201のドレイン電極に接続された画素電極8に表示電圧が印加され、画素電極8と対向電極(図示せず)との間に、表示電圧に応じた電界が生じる。画素電極8と対向電極との間、または、これらの近傍には、液晶層(液晶)が配設されており、この構成によって補助容量209と並列に液晶容量(図示せず)が形成される。なお、対向電極は、TN(Twisted-Nematic)方式の液晶表示装置では、図示しない対向基板(TFT基板200と対向する基板)側に配設され、In-Plane-Switching方式及びFFS(Fringe-Field-Switching)方式の液晶表示装置では、TFT基板200側に配設される。
これらの液晶容量と補助容量209とによって、画素電極8に印加された表示電圧が一定期間保持される。
なお、TFT基板200の表面には、配向膜(図示せず)が形成されている。また、前述の対向基板(TFT基板200と対向する基板)は、例えばカラーフィルタ基板であり、視認側に配置される。対向基板には、カラーフィルタ、ブラックマトリックス(BM)、配向膜等が形成され、TN方式などでは、対向電極も形成される。
TFT基板200と対向基板とは、一定の間隙(セルギャップ)を介して貼り合わされる。そして、この間隙に液晶が注入され封止される。すなわち、TFT基板200と対向基板との間に液晶層が挟持される。さらに、TFT基板200及び対向基板の外側(液晶層と逆側)の面には、偏光板、位相差板等が設けられる。以上のように構成された液晶表示パネルの視認側とは反対側には、図示しないバックライトユニット等が配設される。TFT基板200が視認側とは反対側に配置され、対向基板が視認側に配置されるため、バックライトユニットは、TFT基板200に対して視認側とは反対側に配置される。
<液晶表示装置の動作>
画素電極8と対向電極との間の電界によって、液晶が駆動される。すなわち、基板間の液晶の配向方向が変化する。これにより、液晶層を通過する光の偏光状態が変化する。偏光板を通過して直線偏光となった光は液晶層によって、偏光状態が変化する。
具体的には、バックライトユニットからの光は、TFT基板200側の偏光板によって直線偏光になる。そして、この直線偏光が液晶層を通過することによって、偏光状態が変化する。そして、液晶層の偏光状態によって、対向基板側の偏光板を通過する光量が変化する。
すなわち、液晶の配向方向によって、バックライトユニットから液晶表示パネルを透過する透過光のうち、視認側の偏光板を通過する光の光量が変化する。上述したように、液晶の配向方向は、印加される表示電圧によって変化することから、表示電圧を制御することによって、視認側の偏光板を通過する光量を変化させることができる。すなわち、画素ごとに表示電圧を変えることによって、液晶表示装置に所望の画像を表示することができる。
<TFT基板の画素の構成>
次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態1に係るTFT基板が、TN方式及び透過型のLCD用TFT基板に適用されているものとして説明する。なお、以下においては画素の構成について主に説明する。図2は、図1に示した画素204の平面構成を示す平面図であり、図3は、図2におけるA−A線での断面構成(表示領域部の断面構成)、B−B線での断面構成(非表示領域部の断面構成)を示す断面図である。なお、図2では、ゲート配線101及びゲート電極2を、他の配線及び他の電極と区別するために二点鎖線で図示されている。
図2に示すように、ゲート配線101及び補助容量配線103が、互いに平行にX方向に延在するように配設されている。また、ソース配線104が、Y方向に延在するように配設され、平面視おいてゲート配線101及び補助容量配線103と交差している。なお、ゲート配線101の一部は、ゲート電極2を構成し、補助容量配線103の一部は、補助容量電極9を構成し、ソース配線104の一部は、ソース電極5を構成している。
隣接する2本のゲート配線101及び隣接する2本のソース配線104に囲まれた画素領域において画素電極8が設けられており、画素電極8はドレイン電極6と電気的に接続されて一体となっている。
画素領域41(図2の符号41で規定される矩形の領域)において、補助容量配線103は、X方向の配線からY方向に分岐した2つの分岐配線(補助容量電極9)を有している。分岐配線(補助容量電極9)は、画素領域のうち2つのソース配線104側の2つの端縁部に該当する部分に設けられ、補助容量配線103と分岐配線との平面視形状が、コの字状(square U-shape)となるように配設されている。そして、補助容量配線103のうち、画素電極8が重畳されている領域の部分(分岐配線)が補助容量電極9となる。
非表示領域42(図2の画素領域41以外の領域)においては、補助容量配線103及び信号配線106が、接続配線105及びコンタクトホール13,14を介して電気的に接続されている。
また、非表示領域42において、ゲート配線101の端部にはゲート配線コンタクトホール31を介してゲート端子パッド34が電気的に接続され、ソース配線104の端部にはソース配線コンタクトホール33を介してソース端子パッド36が電気的に接続され、信号配線106の端部には補助容量配線コンタクトホール32を介して補助容量端子パッド35が電気的に接続されている。また、ゲート配線101、ソース配線104及び信号配線106は、それぞれゲート端子パッド34、ソース端子パッド36及び補助容量端子パッド35を介して外部と電気的に接続することができる。
図3に示すようにTFT基板は、例えば、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1と、基板1上に配設された画素TFT201と、様々な配線及び電極とを備えている。
基板1上には同じ導電膜が選択的に配設されて、ゲート電極2、ゲート配線101及び補助容量配線103などの配線及び電極を構成している。これらの導電膜は、例えばCr、Al、Ta、Ti、Mo、W、Ni、Cu、Au若しくはAgの単層膜、これらの何れかを主成分とする合金膜、上記単層膜の積層膜、または、上記単層膜と上記合金膜との積層膜によって構成される。
絶縁膜11は、ゲート電極2、ゲート配線101及び補助容量配線103などを覆うように配設されている。なお、絶縁膜11は、画素TFT201の部分ではゲート絶縁膜として機能するので、以下では「ゲート絶縁膜11」と呼称する。ゲート絶縁膜11は、例えば、窒化シリコン、酸化シリコンを積層した絶縁膜によって構成される。
画素TFT201が配設された領域(図3のA−A断面の中央から左側)では、半導体膜3が、ゲート絶縁膜11を介してゲート電極2上に配設されている。ここでは、半導体膜3は、平面視でゲート配線101と重なるようゲート絶縁膜11の上に形成され、半導体膜3の少なくとも一部は、ゲート配線101よりも外側にはみ出さずに、全体がゲート配線101の内側に入るように構成されている。この半導体膜3と重複する領域のゲート配線101が、ゲート電極2となる。半導体膜3は、例えば、アモルファスシリコンによって構成される。
なお、ゲート電極2上の半導体膜3の上部には、凹部が設けられており、半導体膜3のうち凹部の底部をなす部分(薄い部分)において、チャネル領域20が形成される。
オーミックコンタクト層4は、半導体膜3上にそれと直接的に接するように配設されている。オーミックコンタクト層4は、例えば、n型にドーピングされたアモルファスシリコンによって構成される。
ここで、画素TFT201が配設された領域、及び、それ以外の領域において、オーミックコンタクト層4は、半導体膜3よりも外側にははみ出さず、半導体膜3の内側に入るように構成されている。換言すれば、半導体膜3の端部の少なくとも一部は、オーミックコンタクト層4の端部より外側へ突出して配置されるように構成されている。本実施の形態1では、半導体膜3の上記凹部をなす端部以外の端部は、オーミックコンタクト層4の端部より外側に配置されている。図3の例では、半導体膜3の上部の端部は、オーミックコンタクト層4の下部の端部に揃えられており、半導体膜3の下部の端部が、オーミックコンタクト層4の端部より外側に配置されている。半導体膜3がオーミックコンタクト層4から突出している部分の幅、つまりオーミックコンタクト層4の端部と、それよりも外側に配置された半導体膜3の端部との間の距離は、0.3μm以上0.5μm以下となるように構成されている。
なお、前述の凹部は、オーミックコンタクト層4を貫通し、半導体膜3の内部に達している。
導電膜であるソース電極5及びドレイン電極6が、画素TFT201のオーミックコンタクト層4上に配設され、オーミックコンタクト層4を介して半導体膜3と電気的に接続されている。ソース電極5及びドレイン電極6は、前述の凹部を挟んでおり、離間して配設されている。そして、半導体膜3のうち、ソース電極5とドレイン電極6との間の凹部の底面をなす部分にチャネル領域20が形成される構成となっている。このため、画素TFT201は、バックチャネルエッチ型の画素TFTということができる。なお、オーミックコンタクト層4が形成されていない半導体膜3の膜厚は、オーミックコンタクト層4が形成されている半導体膜3の膜厚よりも薄く形成されている。
ここで、ソース電極5及びドレイン電極6は、オーミックコンタクト層4よりも外側にははみ出さず、オーミックコンタクト層4の内側に入るように構成されている。換言すれば、オーミックコンタクト層4の端部は、ソース電極5の端部、または、ドレイン電極6の端部より外側へ突出して配置されるように構成されている。オーミックコンタクト層4がソース電極5またはドレイン電極6から突出している部分の幅、つまりソース電極5またはドレイン電極6の端部と、それよりも外側に配置されたオーミックコンタクト層4の端部との間の距離は、0.1μm以上0.3μm以下となるように構成されている。
また本実施の形態1では、ソース電極5及びドレイン電極6のそれぞれの凹部側の側面と底面とがなす角度は、ソース電極5及びドレイン電極6のそれぞれの凹部側以外の側面と底面とがなす角度よりも小さくなるように構成されている。
表示領域部のうち、画素TFT201が配設されていない領域(図3のA−A断面の中央から右側)では、導電膜であるソース配線104及び信号配線106が、オーミックコンタクト層4上に配設され、オーミックコンタクト層4を介して半導体膜3と電気的に接続されている。
ここで、ソース配線104及び信号配線106は、オーミックコンタクト層4よりも外側にははみ出さず、オーミックコンタクト層4の内側に入るように構成されている。換言すれば、オーミックコンタクト層4の端部は、ソース配線104の端部、または、信号配線106の端部より外側へ突出して配置されるように構成されている。この突出する幅は、前述と同様に、0.1μm以上0.3μm以下となるように構成されている。
なお、ソース電極5、ドレイン電極6、ソース配線104、及び、信号配線106(以下「ソース電極5及びソース配線104等」と呼称することもある)は、例えばCr、Al、Ta、Ti、Mo、W、Ni、Cu、Au若しくはAgの単層膜、これらの何れかを主成分とする合金膜、上記単層膜の積層膜、または、上記単層膜と上記合金膜との積層膜によって構成される。
保護絶縁膜12は、ソース電極5及びソース配線104等、半導体膜3、並びに、オーミックコンタクト層4を覆うように配設されている。保護絶縁膜12は、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン等の絶縁膜、またはこれらを積層した絶縁膜によって構成される。
画素電極8は、保護絶縁膜12上に配設されており、保護絶縁膜12を貫通するドレイン電極コンタクトホール15を介してドレイン電極6と電気的に接続するように構成さている。画素電極8は、例えば、In−Sn−O、In−Zn−O、Zn−O、In−Zn−Sn−O、Zn−Sn−O、In−Al−Sn−O、In−Si−Sn−O、または、In−Al−Zn−Sn−Oなどの透光性の金属酸化物を含む材料によって構成される。
次に、非表示領域部(図3のB−B断面)に配設された、接続配線105、補助容量配線103、及び、信号配線106の構成について説明する。以下では、非表示領域部のうち、表示領域部の説明と異なる部位のみ説明し、共通する部分の説明は省略する。
非表示領域部においては、ソース配線104と同様に構成される信号配線106上に、保護絶縁膜12を貫通する信号配線コンタクトホール14が設けられ、補助容量配線103上に、ゲート絶縁膜11と保護絶縁膜12を貫通する補助容量配線コンタクトホール13が設けられている。画素電極8と同じ材料及び層からなる接続配線105は、信号配線コンタクトホール14と補助容量配線コンタクトホール13とを覆うように配置されており、信号配線106と補助容量配線103とを電気的に接続している。
接続配線105は、保護絶縁膜12で覆われた信号配線106、オーミックコンタクト層4及び半導体膜3の上方と、保護絶縁膜12とゲート絶縁膜11とで覆われた補助容量配線103の上方とを覆っている。
非表示領域においても、前述の表示領域部と同様に、半導体膜3の端部がオーミックコンタクト層4の端部より外側に0.3〜0.5μmで突出し、オーミックコンタクト層4の端部が信号配線106の端部より外側に0.1〜0.3μm突出するように構成している。
<構成のまとめ>
図4は、図5に示す断面構造において、半導体膜3及びオーミックコンタクト層4に関する段差d1,d2及び突出量(幅)e1,e2、並びに、信号配線106の導電膜の段差d3の変化に対する、ウェーブノイズ及び段切れの発生の変化を示している。
なお、図5に示すように、段差d2は、前述の凹部の深さである。段差d1は、半導体膜3の薄い部分の厚さであり、半導体膜3の厚さとオーミックコンタクト層4の厚さとの合計から、段差d2を差し引いた値と等しい。このため、半導体膜3の厚さと、オーミックコンタクト層4の厚さとの合計は、段差d1と段差d2との合計と等しいが、半導体膜3の厚さが段差d1と等しいとは限らず、オーミックコンタクト層4の厚さが段差d2と等しいとは限らない。
また、図5に示すように、段差d3は導電膜の厚さである。
サンプルNo.1〜28において、半導体膜3にはアモルファスシリコンを、オーミックコンタクト層4にはリンがドーピングされたn型アモルファスシリコンを、導電膜にはAl膜とMo膜との積層膜を用いた。
ウェーブノイズの有無は、サンプル構造のLCDにおけるウェーブノイズの程度を示しており、5枚マスクプロセスで作成したTFTのLCDを基準として、基準と同等以下(許容可能)のものを「なし」、基準よりも程度が悪く許容できないものを「あり」としている。
段切れの発生有無は、図5に示す構造において、上層である接続配線105の欠損欠陥の有無を電気的に測定した結果であり、抵抗の変化が少ない、または、変化がないものを「なし」、抵抗の著しい増加、または、オープンが確認できたものを「あり」としている。
総合評価は、ウェーブノイズの有無が「なし」、及び段切れの有無が「なし」である構造を「○」、どちらかが「あり」である構造を「×」とした。また、ウェーブノイズの有無が「なし」、及び段切れの有無が「なし」で、かつ、LCDの開口率及び信号配線の低抵抗化を得られる構造を「◎」とした。
まず、サンプルNo.1〜5の結果が示すように、接続配線105の段切れは、段差d1〜d3の合計が450nmよりも大きい場合に発生している。よって、段差d1〜d3の合計は450nm以下であることが好ましいことが分かる。
次に、サンプルNo.6〜14として、半導体膜3の突出量e1を「0」にしつつ、オーミックコンタクト層4の突出量e2が異なるように構成した。その結果が示すように、半導体膜3が突出していないため、ウェーブノイズの発生はない。また、オーミックコンタクト層4の突出量e2が、0〜0.07以下の場合(各膜の端部がほぼ揃っている場合)には段切れが発生したので、総合判定は「×」である。一方、オーミックコンタクト層4の突出量e2が、0.12μm以上の場合には段切れが発生しなかった。ただし、オーミックコンタクト層4の突出量e2が大きくなると、LCDの開口率が低下するため、総合判定は「○」とした。
続いて、サンプルNo.15〜20として、オーミックコンタクト層4の突出量e2を「0」にしつつ、半導体膜3の突出量e1が異なるように構成した。半導体膜3の突出量e1が、0.52μm以上の場合には、ウェーブノイズが見られたので、総合判定は「×」である。一方、半導体膜3の突出量e1が、0.52μmより小さい場合には、ウェーブノイズが見られなかった。また、オーミックコンタクト層4の突出量e2が「0」の場合、つまり、オーミックコンタクト層4の端部と導電膜の端部とが揃う場合でも、段差d2と段差d3との合計が400nmである場合には段切れ発生しなかった。しかし、図4には示されていないが、段差d2を100nmにした状態で、導電膜の膜厚(段差d3)を基準の300nmより厚くすると段切れが生じ、信号配線の低抵抗化が得られないため、総合判定は「○」とした。
続いて、サンプルNo.21〜26として、本実施の形態1に係るTFT基板を作成した。ここでは一例として、半導体膜3の厚さを150nmとし、オーミックコンタクト層4の厚さを30nmとし、段差d1を80nmとし、段差d2を100nmとした。また、半導体膜3の突出量e1を0.3〜0.5μmとして、オーミックコンタクト層4の突出量e2を0.1〜0.3μmとした。その結果が示すように、接続配線の段切れ、及び、ウェーブノイズはいずれも発生せず、良好な結果が得られている。また、導電膜の膜厚(段差d3)を基準の300nmより厚く形成した場合においても段切れを生じることなく、導電膜の低抵抗化が可能となっている。さらに、半導体膜3及びオーミックコンタクト層4の突出量e1,e2を可能な限り小さく構成しているので、LCDの開口率低下を抑制することができる。以上のことから、総合判定は「◎」とした。
ただし、サンプルNo.27,28の結果が示すように、導電膜の膜厚(段差d3)を500nmとした場合には、導電膜の段差d3部で段切れが生じた。
以上のことをまとめると、本実施の形態1のTFT基板において、ソース電極5及びソース配線104等の導電膜の断面構造は、オーミックコンタクト層4の端部が、導電膜の端部より外側に配置され、半導体膜3の端部が、オーミックコンタクト層4の端部より外側に配置された階段形状を有している。このような構成によれば、上層として形成される配線及び電極の段切れを低減することができる。
また、信号配線106及びソース配線104の膜厚を増加させて、配線抵抗を低減させた場合であっても、上層として形成される配線及び電極の段切れを低減することができる。
また本実施の形態1では、オーミックコンタクト層4の端部と、それよりも外側に配置された半導体膜3の端部との間の距離は0.3μm以上0.5μm以下で構成しているため、ウェーブノイズの発生を抑制することができ、良好な表示を得ることができる。また、導電膜の端部と、それよりも外側に配置されたオーミックコンタクト層4の端部との間の距離は0.1μm以上0.3μm以下で構成されている。このため、導電膜の端部と、それよりも外側に配置された半導体膜3の端部との間の距離は、以上の距離を合算した0.4μm以上0.8μm以下となる。この距離は、比較的短いので、画素開口率の低下を抑制することができる。ただし、この距離は、一例であって、半導体膜3、オーミックコンタクト層4、及び、ソース電極5及びソース配線104等の材質によって、適宜変更されてもよい。
また本実施の形態1のように、導電膜に、ソース電極5及びソース配線104等を適用することにより、これらの上層膜(保護絶縁膜12、接続配線105)の段切れを抑制することができる。また、ソース電極5及びソース配線104等を低抵抗化することができる。
また本実施の形態1では、ソース電極5及びドレイン電極6のそれぞれの凹部側の側面と底面とがなす角度は、ソース電極5及びドレイン電極6のそれぞれの凹部側以外の側面と底面とがなす角度よりも小さい。これにより、チャネル領域20の上層膜である保護絶縁膜12の被覆性を高めることができるので、信頼性の高い画素TFT201、TFT基板200ひいては液晶表示装置を得ることができる。
<製造方法>
本実施の形態1に係る液晶表示装置の製造方法について、製造工程を順に示す断面図である図6〜図15を用いて説明する。図6〜図15は、図3に示す断面図と同様の断面図であり、図3は最終工程を示す断面図に相当する。なお、図7〜図13は、図3に示すA−A断面の構成から部分的に抽出された構成要素を、模式的に示している。
まず、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1上全面に、例えばCr、Al、Ta、Ti、Mo、W、Ni、Cu、Au若しくはAgの単層膜、これらの何れかを主成分とする合金膜、上記単層膜の積層膜、または、上記単層膜と上記合金膜との積層膜を、例えば、スパッタ法、蒸着法などを用いて形成する。本実施の形態1では、スパッタ法でAl合金膜を200nmの厚さに形成した。
その後、Al合金膜上にレジスト材(フォトレジスト)を塗布して、塗布したレジスト材をフォトマスクを用いて露光し、レジスト材を感光させる。次に、感光させたレジスト材を現像して、レジスト材をパターニングすることでレジストパターンを得る。以後、これらのレジストパターンを形成する一連の工程を写真製版(フォトリソグラフィー)と呼称する。
その後、このレジストパターンを保護膜としてAl合金膜をエッチングし、フォトレジストパターンを除去することで、図6に示すようにゲート電極2(ゲート配線を含む)、補助容量配線103(補助容量電極を含む)がパターニングされる。以後、このようなレジストパターンを用いたパターニング工程を微細加工技術と呼称する。
次に、ゲート電極2及び補助容量配線103を覆うように、基板1の上面全体にゲート絶縁膜11を形成する。例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、常圧CVD法、減圧CVD法などを用いて、ゲート絶縁膜11として、例えば窒化シリコン、酸化シリコンまたはこれらの積層膜を形成する。
なお、ゲート絶縁膜11は、ピンホール等の膜欠陥発生による短絡を防止するため、複数回に分けて形成することが好ましい。本実施の形態1では、プラズマCVD法を用いて窒化シリコン膜を200nmの厚さで形成し、その上に酸化シリコン膜を200nmの厚さで形成したので、ピンホール等の膜欠陥の発生を抑制することが可能となる。
次の工程以降は、図7〜図13を用いて説明する。なお、前述の通り、図7〜図13は、図3に示すA−A断面の構成から部分的に抽出された構成要素を、模式的に示しており、図7〜図13では、ゲート電極2、補助容量配線103、及び、基板1が図示されていない。
まず図7に示すように、ゲート絶縁膜11の上面全体に、半導体膜3及びオーミックコンタクト層4を順に形成する。例えば、プラズマCVD法、常圧CVD法、減圧CVD法などを用いて、150nmの厚さの半導体膜3と、30nmの厚さのオーミックコンタクト層4を形成する。これにより、半導体膜3が、基板1上方に配設される。
続いて、オーミックコンタクト層4の上面全体に、ソース電極5及びソース配線104等となる導電膜25を、例えば、スパッタ法、蒸着法などを用いて形成する。導電膜25は、例えば、Cr、Al、Ta、Ti、Mo、W、Ni、Cu、Au若しくはAgの単層膜、これらの何れかを主成分とする合金膜、上記単層膜の積層膜、または、上記単層膜と上記合金膜との積層膜によって構成される。本実施の形態1では、スパッタ法で50nmの厚さのMo合金膜を成膜した後、300nmの厚さのAl合金膜を形成した。
その後、写真製版及び微細加工技術によりパターニングする。ここで、レジスト材をパターニング(露光)する際のマスク材には、透光部、半透光部及び遮光部を有するフォトマスク(例えば、グレートーンマスク、ハーフトーンマスク)を用いる。
具体的には画素TFT201のチャネル領域20となる部位に、半透光部が配置され、ソース電極5及びソース配線104等となる部位に、遮光部が配置されたフォトマスクを用いる。この結果、図7に示すように、露光の光が当たっていないことにより現像液にほとんど溶解しない遮光部のレジスト部22と、露光の光が多少当たったことにより現像液に対する溶解が遅い半透光部のレジスト部23と、を有する第1のレジストパターン(第1のフォトレジストパターン)21が形成される。
次に、図8に示すように、第1のレジストパターン21をレジスト材(保護膜)として用いて、導電膜25を選択的にエッチングすることにより、第1の導電膜パターン26を形成する。エッチングにはウェットエッチングを用い、例えば、Al系、Mo系、Ag系及びCu系の電極材料に対するエッチング薬液として公知であるリン酸を含む薬液、例えばリン酸(Phosphoric acid)と硝酸(Acetic acid)と酢酸(Nitric acid)の混酸(以下「PAN」と呼称する)を使用する。エッチングにはウェットエッチングとドライエッチングとがあるが、ウェットエッチングが好適である。なぜなら、ドライエッチングは、プラズマ発光により第1のレジストパターン21を感光してしまうとともに、レジストを後退させてしまうからである。また、ウェットエッチングは等方性のエッチング特性を示し、エッチングされた膜などの端面(断面)を容易にテーパー形状にすることができるからである。
続いて、現像液処理を行うことにより、第1のレジストパターン21をパターニングする。現像液には、例えば、前述の写真製版工程で感光させたレジストを溶解させた現像液が用いられる。これにより、図9に示すように、第1のレジストパターン21のうち、半透光部のレジスト部23が完全に除去され、遮光部のレジスト部22が後退された、第2のレジストパターン(第2のフォトレジストパターン)24が形成される。
ここでの現像液の処理時間は、第1のレジストパターン21の半透光部のレジスト部23の除去が可能な限りにおいて任意に決定することができる。また、遮光部のレジスト部22の現像液による後退量に合わせて任意に決定することができる。
その後、図10に示すように、第2のレジストパターン24と第1の導電膜パターン26とをレジスト材として用いて、オーミックコンタクト層4及び半導体膜3を選択的にエッチングする。ここでのエッチングにはドライエッチングを用いた。具体的にはCFとOの混合ガスを用いてエッチングを行った。
図11に示すように、第2のレジストパターン24をレジスト材として用いて、第1の導電膜パターン26を選択的にエッチングすることにより、ソース電極5及びソース配線104等を形成する。これにより、ソース電極5及びソース配線104等の端面は第2のレジストパターン24の端面よりも内側になるように形成される。つまり、オーミックコンタクト層4の端部が、導電膜(ソース電極5及びソース配線104等)の端部より外側に配置される。なお、第1の導電膜パターン26のうち、図11のエッチングが2回目のエッチングとなる部分の側面と底面とがなす角度は、比較的大きくなっている(垂直に近くなる)。一方、第1の導電膜パターン26のうち、図11のエッチングが1回目のエッチングとなる部分(半透光部のレジスト部23が設けられていた部分であり、チャネル領域20に対応する部分)の側面と底面とがなす角度は、比較的小さくなっており、その部分はテーパー形状を有するようになる。
図11のエッチングには、ウェットエッチングを用い、例えば、Al系、Mo系、Ag系及びCu系の電極材料に対しするエッチング薬液として公知であるPANを使用する。エッチングにはウェットエッチングとドライエッチングとがあるが、ウェットエッチングが好適である。ドライエッチングはレジストも後退させてしまうため、レジスト材から導電膜(ソース電極5及びソース配線104等)が後退した構造、換言すれば導電膜からレジスト材が突出した構造でなくなってしまうからである。
図12に示すように、第2のレジストパターン24をレジスト材として用いて、オーミックコンタクト層4及び半導体膜3を選択的にエッチングする。これにより、半導体膜3の端部の少なくとも一部が、オーミックコンタクト層4の端部より外側に配置され、オーミックコンタクト層4から半導体膜3が突出する。また、ソース電極5とドレイン電極6との間に、オーミックコンタクト層4を貫通し、半導体膜3の内部に達する凹部が形成され、半導体膜3のチャネル領域20の部分が残る。
図12のエッチングにはドライエッチングを用いた。本実施の形態1では、CFとOの混合ガスを用いて、オーミックコンタクト層4と半導体膜3との膜厚が合計100nmエッチングされる時間だけエッチングした。換言すれば、半導体膜3が80nm残るようにエッチングを行った。
そして、図13に示すように、レジスト剥離処理により、第2のレジストパターン24を除去する。
ここで、半導体膜3の突出量e1は、現像処理(図8と図9との間)による遮光部のレジスト部22の後退量と、導電膜25のエッチング(図7と図8との間)とにより決定される。突出量e1の制御は、遮光部のレジスト部22の後退量により行われるため、レジストの材質、ポストベーク温度、現像処理の時間等で制御可能である。また、突出量e1の制御は、ウェットエッチングによる導電膜25のサイドエッチング量により行われるため、エッチング液の組成、温度、時間等で制御可能である。
オーミックコンタクト層4の突出量e2は、第1の導電膜パターン26のエッチング(図10と図11との間)により決定される。突出量e2の制御は、ウェットエッチングによる第1の導電膜パターン26のサイドエッチング量により行われるため、エッチング液の組成、温度、時間等で制御可能である。また、導電膜とレジスト材との密着力でも制御できる。このため、突出量e2を少なくするために、第1の導電膜パターン26のウェットエッチング前にベーク処理を行ってもよい。
以上の説明のように、半導体膜3の突出量e1、オーミックコンタクト層4の突出量e2は、それぞれ独立して任意に制御及び調整が可能である。
以上の図7〜図13の工程を行うことにより、図14に示すような構造が得られる。図14の構造では、ソース電極5及びソース配線104等の導電膜からオーミックコンタクト層4が外側に突出し、オーミックコンタクト層4から半導体膜3が外側に突出している。また、図14の構造では、ソース電極5とドレイン電極6との間の下に、半導体膜3のチャネル領域20の部分が設けられている。
次に、基板1上面全体に、保護絶縁膜12となる絶縁膜として、例えば、CVD法などを用いて、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、または、これらの積層膜を形成する。本実施の形態1では、保護絶縁膜12として、プラズマCVD法を用いて窒化シリコン膜を300nmの厚さで形成した。
続いて、図15に示すように、当該窒化シリコン膜を写真製版及び微細加工技術によりパターニングすることで、ドレイン電極6上のドレイン電極コンタクトホール15、信号配線106上の信号配線コンタクトホール14、補助容量配線103上の補助容量配線コンタクトホール13を形成する。また、各端子上に各端子のコンタクトホールを同時に形成する。
次に、基板1上面全体に、画素電極8、接続配線105、及び、各端子パッドとなる透明導電膜を形成する。本実施の形態1では、スパッタ法を用いてIn−Zn−Sn−Oを80nmの厚さで形成した。透明導電膜としてはITO膜以外に、IZO膜などを用いることができる。
その後、透明導電膜を写真製版及び微細加工技術によりパターニングすることで、画素電極8、接続配線105、及び、各端子パッド34,35,36が形成され、図3に示す、本実施の形態1に係る液晶表示装置のTFT基板200が完成する。
このようにして完成したTFT基板200の上に、その後のセル工程において配向膜を形成する。また、別途作製された対向基板の上に配向膜を同様に形成する。そして、この配向膜に対して、液晶との接触面に一方向にミクロな傷をつける配向処理(ラビング処理)を施す。次に、シール材を用いてTFT基板200と対向基板とを一定の間隙を保って貼り合せた後、真空注入法等を用いて、液晶注入口からその隙間に液晶を注入する。そして、液晶注入口を封止することで液晶セル(液晶パネル)を得る。その後、液晶セルの両面に偏光板を貼り付けて、駆動回路を接続し、バックライトユニットを取り付けることで、液晶表示装置が完成する。
<製造工程のまとめ>
以上説明した本実施の形態1に係るTFT基板200の製造方法によれば、ソース電極5、ドレイン電極6、ソース配線104及び信号配線106の導電膜から、オーミックコンタクト層4が外側に突出し、オーミックコンタクト層4から半導体膜3が外側に突出し、ソース電極5とドレイン電極6と間の下には半導体膜3の一部を残したTFT基板200を、簡便に製造することができる。
また、本実施の形態1に係るTFT基板の製造方法によれば、半導体膜3の突出量e1を、現像処理による遮光部のレジスト部22の後退量と導電膜25のエッチングとにより制御することができるため、安定して、再現性良く形成することができる。
また、オーミックコンタクト層4の突出量e2は、第1の導電膜パターン26のエッチングウェットエッチングによるサイドエッチング量により制御することができるため、安定して、再現性良く形成することができる。
また、本実施の形態1に係るTFT基板の製造方法によれば、導電膜25(第1の導電膜パターン26)は、ウェットエッチングが2回行われた端面と、ウェットエッチングが1回行われた端面とを有することになる。このうち、1回のエッチングを行った端面(画素TFT201のチャネル領域20近傍の端面)には、テーパー形状を形成することができる。これにより、チャネル領域20の上層膜である保護絶縁膜12の被覆性を高めることができ、信頼性の高い画素TFT201、TFT基板200ひいては液晶表示装置を得ることができる。一方、2回のエッチングを行った端面(画素TFT201のチャネル領域20近傍の端面以外の端面)、例えば、ソース配線104及び信号配線106の端面には、実質的にテーパー形状が形成されないので、開口率を向上することができる。
なお、以上では、ソース電極5及びソース配線104等を構成する導電膜を、Al合金とMo合金との積層膜を用い、PANで一括エッチングを行った例について説明した。しかしこれに限ったものではなく、エッチングレートの異なる導電膜の積層構造やエッチング液を用いて導電膜自体を階段形状に形成してもよい。このような構成によれば、半導体膜、オーミックコンタクト層に加えて導電膜の段差が増えることから、接続配線の段切れを抑制することができ、導電膜の膜厚を厚くして低抵抗化することができる。しかし、導電膜に形成する階段部の突出を大きくすると導電膜の幅が低減して、低抵抗化の効果が小さくなる可能性は多少ある。
また、ウェットエッチング液を調整することにより、チャネル領域20近傍の端面以外の端面においても、導電膜の側面と底面とがなす角度を小さくしてもよい。しかし、この角度を小さくすると導電膜の断面積が低減して、低抵抗化の効果が小さくなる可能性は多少ある。
また、以上では、半導体膜3を150nmの膜厚で、オーミックコンタクト層4を30nmの膜厚で構成した例で説明したが、これらの膜厚は、画素TFT201の特性を考慮して適時変更可能である。
加えて、以上では、半導体膜3にアモルファスシリコンを用いた例について説明したが、例えば半導体膜3にIn−Ga−Zn−Oなどの酸化物半導体を用いてもよい。その場合、オーミックコンタクト層4が不要となり、前述の凹部を形成するための半導体膜エッチングも不要となる。しかも、段差切れの発生も少なく、導電膜からの半導体膜の突出量を低減でき、光による半導体膜3の劣化を抑制することができる。
<実施の形態2>
以上説明した実施の形態1に係るTFT基板は、TN方式及び透過型のLCD用のTFT基板に適用されていた。これに対し、本発明の実施の形態2に係るTFT基板は、FFS方式及び透過型のLCD用のTFT基板に適用されているものとして説明する。なお、本実施の形態2に係るTFT基板の全体構成は、実施の形態1に係るTFT基板の全体構成(図1)と同じであることから、その説明を省略する。
FFS方式の液晶表示装置は、電極間絶縁膜を厚さ方向において挟む二種類の電極を有しており、上層側に配置される電極にはスリット開口部が設けられている。そして、スリット開口部を有する上層側の電極と、下層側の電極との間に電圧を与え、それによって発生するフリンジ電界によって、液晶層の偏光制御を行う。
スリット開口部を有する上層側の電極に表示電圧を印加し、下層側の電極に補助容量電圧を印加する場合は、上層側の電極を画素電極と呼称し、下層側の電極を共通電極と呼称する。逆に、スリット開口部を有する上層側の電極に補助容量電圧を印加し、下層側の電極に表示電圧を印加する場合は、上層側の電極を共通電極と呼称し、下層側の電極を画素電極と呼称する。共通電極は、補助容量電極を兼ねており、画素電極と共通電極との重畳領域で補助容量209(図1)が形成される。
本実施の形態2では、スリット開口部を有する上層側の電極を共通電極とし、下層側の電極を画素電極とした場合について説明する。
<TFT基板の画素の構成>
図16及び図17を参照して、本実施の形態2のTFT基板、より具体的にはFFS方式のLCD用のTFT基板の構成について説明する。なお、以下においては画素の構成について主に説明する。図16は、図1に示した画素204の平面構成を示す平面図であり、図17は、図16におけるC−C線での断面構成(表示領域部の断面構成)、D−D線での断面構成(非表示領域部の断面構成)を示す断面図である。なお、図16では、ゲート配線101及びゲート電極2を、他の配線及び他の電極と区別するために二点鎖線で図示されている。
図16に示すように、ゲート配線101及び補助容量配線103が、互いに平行にX方向に延在するように配設されている。また、ソース配線104が、Y方向に延在するように配設され、平面視おいてゲート配線101及び補助容量配線103と交差している。なお、ゲート配線101の一部は、ゲート電極2を構成し、補助容量配線103は、共通電極17に接続され、ソース配線104の一部は、ソース電極5を構成している。
隣接する2本のゲート配線101及び隣接する2本のソース配線104に囲まれた画素領域において画素電極8が設けられており、画素電極8はドレイン電極6と電気的に接続されている。
画素領域41(図16の符号41で規定される矩形の領域)において、補助容量配線103は、補助容量配線コンタクトホール13を介して、最上層の共通電極17に電気的に接続されている。
共通電極17は、表示領域全体を覆うように設けられ、画素電極8に対向する領域に、複数のスリット開口部OPが設けられている。スリット開口部OPは、Y方向が長手方向となってソース配線104に平行するように配列されているが、スリット開口部OPの平面視形状及び配列はこれに限定されるものではない。なお、補助容量配線103と共通電極17とを電気的に接続する領域では画素電極8は設けられていない。
非表示領域42(図16の画素領域41以外の領域)においては、接続配線105が、平面視において、信号配線106及び補助容量配線103に交差するように配設されている。この接続配線105は、補助容量配線103の端部と補助容量配線コンタクトホール13を介して電気的に接続され、信号配線106と信号配線コンタクトホール14を介して電気的に接続されている。
また、非表示領域42において、ゲート配線101の端部にはゲート配線コンタクトホール31を介してゲート端子パッド34が電気的に接続されている。また、ソース配線104の端部にはソース配線コンタクトホール33を介してソース端子パッド36が電気的に接続されている。
図17に示すようにTFT基板200は、例えば、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1上に形成される。基本的にはソース電極5、ドレイン電極6及び画素電極8より下側の構成の断面構成は、図3を用いて説明した実施の形態1と同じであるので、以下においてはこれらより上側の構成について説明する。
図17に示すように、半導体膜3上のチャネル保護膜である保護絶縁膜12、ソース電極5、及び、ドレイン電極6、及び、画素電極8を覆うように電極間絶縁膜16が設けられている。
電極間絶縁膜16は、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン等の絶縁膜、またはこれらの積層膜で構成されており、ソース電極5、ドレイン電極6、及び、画素電極8を形成した基板1上面全体を覆うように形成されている。この電極間絶縁膜16には、補助容量配線コンタクトホール13、及び、信号配線コンタクトホール14が形成されている。
補助容量配線コンタクトホール13及び信号配線コンタクトホール14は、ゲート端子パッド34、補助容量端子パッド35、ソース端子パッド36、並びに、補助容量配線103の端部及び接続配線105と交差する接続配線105の位置に、電極間絶縁膜16及びゲート絶縁膜11などを貫通するように設けられる。
そして、表示領域の電極間絶縁膜16上面全体を覆うように、ITO(InSnO)膜、IZO(InZnO)膜等の透明導電膜を形成し、それをパターニングすることによって共通電極17が配設される。なお、画素TFT201の上方には共通電極17は設けられない。
非表示領域においては共通電極17と同じ透明導電膜を補助容量配線コンタクトホール13、信号配線コンタクトホール14に埋め込んで、当該透明導電膜をパターニングすることにより、ゲート端子パッド34、補助容量端子パッド35、ソース端子パッド36及び接続配線(ブリッジ配線)105が形成される。なお、以上に説明した構成において、接続配線(ブリッジ配線)105と電極間絶縁膜16との上下の位置関係は逆であってもよい。
<構成のまとめ>
さて、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、ソース電極5及びソース配線104等の導電膜の断面構造は、オーミックコンタクト層4の端部が、導電膜の端部より外側に配置され、半導体膜3の端部が、オーミックコンタクト層4の端部より外側に配置された階段形状を有している。このような構成によれば、実施の形態1と同様に、上層として形成される配線及び電極の段切れを低減することができる。
また、信号配線106及びソース配線104の膜厚を増加させて、配線抵抗を低減させた場合であっても、上層として形成される配線及び電極の段切れを低減することができる。
また本実施の形態2でも実施の形態1と同様に、オーミックコンタクト層4の端部と、それよりも外側に配置された半導体膜3の端部との間の距離は0.3μm以上0.5μm以下で構成している。これにより、ウェーブノイズの発生を抑制することができ、良好な表示を得ることができる。また、導電膜の端部と、それよりも外側に配置されたオーミックコンタクト層4の端部との間の距離は0.1μm以上0.3μm以下で構成されている。このため、導電膜の端部と、それよりも外側に配置された半導体膜3の端部との間の距離は、以上の距離を合算した0.4μm以上0.8μm以下となる。この距離は、比較的短いので、画素開口率の低下を抑制することができる。ただし、この距離は、一例であって、半導体膜3、オーミックコンタクト層4、及び、ソース電極5及びソース配線104等の材質によって、適宜変更されてもよい。
また本実施の形態2でも実施の形態1と同様に、ソース電極5及びドレイン電極6のそれぞれの凹部側の側面と底面とがなす角度は、ソース電極5及びドレイン電極6のそれぞれの凹部側以外の側面と底面とがなす角度よりも小さい。これにより、チャネル領域20の上層膜である保護絶縁膜12の被覆性を高めることができるので、信頼性の高い画素TFT201、TFT基板200ひいては液晶表示装置を得ることができる。
<製造方法>
次に、本実施の形態2の液晶表示装置の製造方法について、製造工程を順に示す断面図である図18〜図20を用いて説明する。なお、図18〜図20は、図17に示す断面図に対応する断面図であり、図17は最終工程を示す断面図に相当する。なお、ソース電極5(ソース配線104含)、ドレイン電極6を形成するまでの工程は、実施の形態1で図6〜図15を用いて説明した工程と同様であるので説明は省略する。
基板1上面全体に、保護絶縁膜12となる絶縁膜として、例えば、プラズマCVD法、常圧CVD法、減圧CVD法などを用いて、窒化シリコン膜または酸化シリコン膜を形成する。本実施の形態2では、プラズマCVD法で窒化シリコン膜を200nmの厚さで形成した。
その後、図18に示すように、当該窒化シリコン膜を写真製版及び微細加工技術によりパターニングすることで、ドレイン電極6上のドレイン電極コンタクトホール15を形成する。
次に、ドレイン電極コンタクトホール15が形成された基板1上面全体を覆うように、画素電極8となる導電膜を、例えば、スパッタ法、蒸着法など用いて形成する。本実施の形態2では、スパッタ法を用いてIn−Zn−Sn−O膜を80nmの厚さで形成した。その後、図19に示すように、透明導電膜を写真製版及び微細加工技術によりパターニングすることで、画素電極8を形成する。
その後、基板1上面全体に、電極間絶縁膜16となる絶縁膜として、例えば、CVD法などを用いて、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、または、これらの積層膜を形成する。本実施の形態2では、プラズマCVD法を用いて窒化シリコン膜を300nmの厚さで形成した。
続いて、当該窒化シリコン膜を写真製版及び微細加工技術によりパターニングすることで、図20に示すように、補助容量配線コンタクトホール13、信号配線コンタクトホール14、各コンタクトホール31、32、33を形成する。
それから、基板1上面全体に共通電極17となる透明導電膜として、例えば、スパッタ法などを用いて、ITO膜またはIZO膜を形成する。本実施の形態2では、スパッタ法を用いてIZO膜を80nmの厚さで形成した。
その後、当該IZO膜を写真製版及び微細加工技術によりパターニングすることで、共通電極17が形成される。また、非表示領域の補助容量配線103と信号配線106とを接続する接続配線105も形成される。また、非表示領域の各コンタクトホール31、32、33を覆うように各端子パッド34,35,36も形成される。以上により、図17に示す、本実施の形態2に係る液晶表示装置のTFT基板200が完成する。
このようにして完成したTFT基板200の上に、その後のセル工程において配向膜を形成する。また、別途作製された対向基板の上に配向膜を同様に形成する。そして、この配向膜に対して、液晶との接触面に一方向にミクロな傷をつける配向処理(ラビング処理)を施す。次に、シール材を用いてTFT基板200と対向基板とを一定の間隙を保って貼り合せた後、真空注入法等を用いて、液晶注入口からその隙間に液晶を注入する。そして、液晶注入口を封止することで液晶セル(液晶パネル)を得る。その後、液晶セルの両面に偏光板を貼り付けて、駆動回路を接続し、バックライトユニットを取り付けることで、液晶表示装置が完成する。
<製造工程のまとめ>
以上説明した本実施の形態2に係るTFT基板200の製造方法によれば、ソース電極5、ドレイン電極6、ソース配線104及び信号配線106の導電膜から、オーミックコンタクト層4が外側に突出し、オーミックコンタクト層4から半導体膜3が外側に突出し、ソース電極5とドレイン電極6十間の下には半導体膜3の一部を残したTFT基板200(FFSモードの液晶表示装置)を、簡便に製造することができる。
また、本実施の形態2に係るTFT基板の製造方法によれば、半導体膜3の突出量e1を、現像処理による遮光部のレジスト部22の後退量と導電膜25のエッチングとにより制御することができるため、安定して、再現性良く形成することができる。
また、オーミックコンタクト層4の突出量e2は、第1の導電膜パターン26のエッチングウェットエッチングによるサイドエッチング量により制御することができるため、安定して、再現性良く形成することができる。
また、本実施の形態2に係るTFT基板の製造方法によれば、導電膜25(第1の導電膜パターン26)は、ウェットエッチングが2回行われた端面と、ウェットエッチングが1回行われた端面とを有することになる。このうち、1回のエッチングを行った端面(画素TFT201のチャネル領域20近傍の端面)には、テーパー形状を形成することができる。これにより、チャネル領域20の上層膜である保護絶縁膜12の被覆性を高めることができ、信頼性の高い画素TFT201、TFT基板200ひいては液晶表示装置を得ることができる。一方、2回のエッチングを行った端面(画素TFT201のチャネル領域20近傍の端面以外の端面)、例えば、ソース配線104及び信号配線106の端面には、実質的にテーパー形状が形成されないので、開口率を向上することができる。
なお、以上では、ソース電極5及びソース配線104等を構成する導電膜を、Al合金とMo合金との積層膜を用い、PANで一括エッチングを行った例について説明した。しかしこれに限ったものではなく、エッチングレートの異なる導電膜の積層構造やエッチング液を用いて導電膜自体を階段形状に形成してもよい。このような構成によれば、半導体膜、オーミックコンタクト層に加えて導電膜の段差が増えることから、接続配線の段切れを抑制することができ、導電膜の膜厚を厚くして低抵抗化することができる。しかし、導電膜に形成する階段部の突出を大きくすると導電膜の幅が低減して、低抵抗化の効果が小さくなる可能性は多少ある。
また、ウェットエッチング液を調整することにより、チャネル領域20近傍の端面以外の端面においても、導電膜の側面と底面とがなす角度を小さくしてもよい。しかし、この角度を小さくすると導電膜の断面積が低減して、低抵抗化の効果が小さくなる可能性は多少ある。
また、以上では、半導体膜3を150nmの膜厚で、オーミックコンタクト層4を30nmの膜厚で構成した例で説明したが、これらの膜厚は、画素TFT201の特性を考慮して適時変更可能である。
加えて、以上では、半導体膜3にアモルファスシリコンを用いた例について説明したが、例えば半導体膜3にIn−Ga−Zn−Oなどの酸化物半導体を用いてもよい。その場合、オーミックコンタクト層4が不要となり、前述の凹部を形成するための半導体膜エッチングも不要となる。しかも、段差切れの発生も少なく、導電膜からの半導体膜の突出量を低減でき、光による半導体膜3の劣化を抑制することができる。
なお、以上では、スリット開口部を有する電極を共通電極とした例について説明したが、スリット開口部を有する電極を画素電極としてもよい。その場合は、ドレイン電極6がスリット開口部を有する電極に接続されるように構成すればよい。この構成においても画素開口率が向上するという効果は同じである。
<他の適用例>
以上説明した実施の形態1〜2のTFT基板は、透過型の液晶表示装置に適用されるものとして説明を行ったが、TFTをアクティブスイッチ素子に用いる表示装置(表示機器)、例えば、有機EL(Electro Luminescence)表示装置、電子ペーパーなどに適用することも可能である。特に開口率が求められるボトムエミッション型の有機EL表示装置に適用することにより、明るく鮮明な表示が可能となる。
また、実施の形態1に係るTFT基板は、TN方式の液晶表示装置に適用され、実施の形態2に係るTFT基板は、FFS方式の液晶表示装置に適用されるものとして説明を行ったが、その他の表示方式の液晶表示装置にも適用することが可能である。例えば、VA(vertical alignment)方式、In-Plane-Switching方式などの液晶表示装置への適用が可能であり、何れの方式に適用する場合でも画素開口率が向上する効果を得ることができる。
また、本実施の形態のTFT基板上に図示しない有機樹脂膜を用いて平坦化を行った後、当該有機樹脂膜上に画素電極等の構造を設けてもよい。このような構成によれば、さらなる画素開口率が向上する効果を得ることができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態及び各変形例を自由に組み合わせたり、各実施の形態及び各変形例を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 基板、2 ゲート電極、3 半導体膜、4 オーミックコンタクト層、5 ソース電極、6 ドレイン電極、11 ゲート絶縁膜、21 第1のレジストパターン、22 遮光部のレジスト部、23 半透光部のレジスト部、24 第2のレジストパターン、25 導電膜、26 第1の導電膜パターン、104 ソース配線、106 信号配線、200 TFT基板、201 画素TFT、204 画素。

Claims (4)

  1. 基板上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極が形成された前記基板上に、ゲート絶縁膜、半導体膜、オーミックコンタクト層、導電膜及びフォトレジストをこの順で積層する工程と、
    透光部、半透光部及び遮光部を有するフォトマスクを用いて、前記フォトレジストをパターニングすることにより、半透光部のレジスト部及び遮光部のレジスト部を含む第1のフォトレジストパターンを形成する工程と、
    前記第1のフォトレジストパターンを用いて、前記導電膜を選択的にウェットエッチングすることにより、第1の導電膜パターンを形成する工程と、
    現像液を用いて、前記第1のフォトレジストパターンをパターニングすることにより、前記半透光部のレジスト部が除去された第2のフォトレジストパターンを形成する工程と、
    前記第2のフォトレジストパターンと、前記第1の導電膜パターンとを用いて、前記オーミックコンタクト層及び前記半導体膜を選択的にエッチングする工程と、
    前記第2のフォトレジストパターンを用いて、前記第1の導電膜パターンを選択的にエッチングすることにより、前記オーミックコンタクト層の端部を、前記導電膜の端部より外側に配置させる工程と、
    前記第2のフォトレジストパターンを用いて、前記オーミックコンタクト層及び前記半導体膜を選択的にエッチングすることにより、前記半導体膜の端部の少なくとも一部を、前記オーミックコンタクト層の端部より外側に配置させる工程と、
    前記第2のフォトレジストパターンを除去する工程と
    を備える、表示装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の表示装置の製造方法であって、
    前記オーミックコンタクト層を貫通し、前記半導体膜の内部に達する凹部が設けられ、
    前記導電膜は、前記凹部を挟むソース電極及びドレイン電極を含み、
    前記半導体膜の前記凹部をなす端部以外の端部は、前記オーミックコンタクト層の端部より外側に配置された、表示装置の製造方法
  3. 請求項1または請求項2に記載の表示装置の製造方法であって、
    前記導電膜の前記端部と、前記導電膜の前記端部よりも外側に配置された前記オーミックコンタクト層の前記端部との間の距離は0.1μm以上0.3μm以下であり、
    前記オーミックコンタクト層の前記端部と、前記オーミックコンタクト層の前記端部よりも外側に配置された前記半導体膜の前記端部との間の距離は0.3μm以上0.5μm以下である、表示装置の製造方法
  4. 請求項2に記載の表示装置の製造方法であって、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極のそれぞれの前記凹部側の側面と底面とがなす角度は、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のそれぞれの前記凹部側以外の側面と底面とがなす角度よりも小さい、表示装置の製造方法
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