以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる処理液供給装置を備えた基板処理システム1の構成の概略を示す説明図である。図2及び図3は、各々基板処理システム1の内部構成の概略を模式的に示す、正面図と背面図である。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
基板処理システム1は、図1に示すように複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション10と、ウェハWに所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接する露光装置12との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション13とを一体に接続した構成を有している。
カセットステーション10には、カセット載置台20が設けられている。カセット載置台20には、基板処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置するカセット載置板21が複数設けられている。
カセットステーション10には、図1に示すようにX方向に延びる搬送路22上を移動自在なウェハ搬送装置23が設けられている。ウェハ搬送装置23は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板21上のカセットCと、後述する処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
処理ステーション11には、各種装置を備えた複数例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。例えば処理ステーション11の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション11の背面側(図1のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション11のカセットステーション10側(図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション11のインターフェイスステーション13側(図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
例えば第1のブロックG1には、図2に示すように複数の液処理装置、例えばウェハWを現像処理する現像処理装置30、ウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜(以下「下部反射防止膜」という)を形成する下部反射防止膜形成装置31、ウェハWにレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布装置32、ウェハWのレジスト膜の上層に反射防止膜(以下「上部反射防止膜」という)を形成する上部反射防止膜形成装置33が下からこの順に配置されている。
例えば現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33は、それぞれ水平方向に3つ並べて配置されている。なお、これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33の数や配置は、任意に選択できる。
これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33といった液処理装置では、例えばウェハW上に所定の処理液を塗布するスピンコーティングが行われる。スピンコーティングでは、例えば塗布ノズルからウェハW上に処理液を吐出すると共に、ウェハWを回転させて、処理液をウェハWの表面に拡散させる。なお、これら液処理装置の構成については後述する。
例えば第2のブロックG2には、図3に示すようにウェハWの加熱や冷却といった熱処理を行う熱処理装置40や、レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョン装置41、ウェハWの外周部を露光する周辺露光装置42が上下方向と水平方向に並べて設けられている。これら熱処理装置40、アドヒージョン装置41、周辺露光装置42の数や配置についても、任意に選択できる。
例えば第3のブロックG3には、複数の受け渡し装置50、51、52、53、54、55、56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置60、61、62が下から順に設けられている。
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有する、ウェハ搬送装置70が複数配置されている。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定の装置にウェハWを搬送できる。
また、ウェハ搬送領域Dには、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
シャトル搬送装置80は、例えば図3のY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置52と第4のブロックG4の受け渡し装置62との間でウェハWを搬送できる。
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置100が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置100は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
インターフェイスステーション13には、ウェハ搬送装置110と受け渡し装置111が設けられている。ウェハ搬送装置110は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置110は、例えば搬送アームにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置、受け渡し装置111及び露光装置12との間でウェハWを搬送できる。
次に、上述した液処理装置の構成について説明する。なお、本実施の形態では、液処理装置の一例として、レジスト塗布装置32の構成について説明する。レジスト塗布装置32は、図4に示すように内部を密閉可能な処理容器130を有している。処理容器130の側面には、ウェハWの搬入出口(図示せず)が形成されている。
処理容器130内には、ウェハWを保持して回転させる基板保持部としてのスピンチャック140が設けられている。スピンチャック140は、例えばモータなどのチャック駆動部141により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動部141には、例えばシリンダなどの昇降駆動機構が設けられており、スピンチャック140は昇降自在になっている。
スピンチャック140の周囲には、ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ142が設けられている。カップ142の下面には、回収した液体を排出する排出管143と、カップ142内の雰囲気を排気する排気管144が接続されている。
また、処理容器130内には、レジスト液を供給するレジスト液供給ノズル150と、処理液としてのシンナーを供給するシンナー供給ノズル151が設けられている。レジスト液供給ノズル150及びシンナー供給ノズル151は、それぞれアーム152及びアーム153により支持されている。各アーム152、153は、図示しない駆動機構により図4のY方向に沿って移動自在となっている。これにより、レジスト液供給ノズル150は、カップ142の外方に設置された待機部160とウェハWの上方との間を移動自在となっている。同様に、シンナー供給ノズル151も、カップ142の外方に設置された待機部161とウェハWの上方との間を移動自在となっている。
各アーム152、153は、駆動機構(図示せず)によって昇降自在であり、レジスト液供給ノズル150及びシンナー供給ノズル151の高さを調節できる。
レジスト液供給ノズル150には、当該レジスト液供給ノズル150にレジスト液を供給するレジスト液供給装置170が接続されている。また、シンナー供給ノズル151には、当該シンナー供給ノズル151にシンナーを供給する、処理液供給装置としてのシンナー供給装置171が接続されている。
次に、このシンナー供給装置171の構成について説明する。図5は、シンナー供給装置171の構成の概略を示す配管系統図である、
シンナー供給装置171は、処理液供給管としてのシンナー供給管200を介して、シンナー供給ノズル151に処理液としてのシンナーを供給するポンプP1、P2と、シンナー供給管200におけるポンプP1、P2の下流側であってシンナー供給ノズル151の上流側、即ちポンプP1、P2とシンナー供給ノズル151の間に設けられ、シンナー中に混入する異物や気泡を除去するフィルタ201を有している。なお、以下では、シンナー供給管200のポンプP1、P2側を上流側、シンナー供給ノズル151側を下流側という場合がある。
ポンプP1、P2は、シンナー供給ノズル151に対してシンナーを圧送すると共に、後述するシンナー供給源263から供給されるシンナーを一時的に貯留する容器としても機能するものであり、容積が可変な貯留室210と、貯留室210と隣接し、その内部に例えば窒素ガス等を給排気することで貯留室210の容積を変化させる圧力室211を備えている。なお、このポンプP1、P2、及びフィルタ201の構成の詳細については後述する。
シンナー供給管200は、フィルタ201の上流側で分岐して、各ポンプP1、P2の貯留室210に接続されている。シンナー供給管200の分岐点の上流側には、切替弁220、221が設けられている。この切替弁220、221を開閉することで、シンナー供給管200と貯留室210との接続状態を操作することができる。
各ポンプP1、P2の圧力室211には、給排気管222がそれぞれ接続されている。給排気管222には、圧力室211に加圧用のガスとして例えば窒素を供給する給気管223と、圧力室211内を排気する排気管224がそれぞれ接続されている。
各ポンプP1、P2の圧力室211に接続された給排気管222は、例えば圧力室211側とは反対側の端部が合流しており、この合流した給排気管222に対して1の排気管224が接続されている。排気管224の給排気管222側と反対側の端部には、エアエゼクタ225が接続されている。エアエゼクタ225には、当該エアエゼクタ225を駆動する駆動空気源226が駆動空気管227を介して接続されている。
駆動空気管227には、当該駆動空気管227を流れる駆動空気の流量を調節するレギュレータ228a、228bが並列に設けられている。各レギュレータ228a、228bの下流側には、切替弁229a、229bが設けられている。レギュレータ228a、228bは、それぞれ異なる流量に設定されており、切替弁229a、229bを開閉操作することで、エアエゼクタ225に供給する駆動空気の流量を調整できる。これにより、エアエゼクタ225で発生させる真空圧を調整できる。また、給排気管222における排気管224との合流点よりもポンプP1側には切替弁230が、ポンプP2側には切替弁231がそれぞれ設けられており、この切替弁230、231を開閉操作することで、ポンプP1またはポンプP2のいずれの圧力室211を排気するかを選択できる。
給気管223は、給排気管222における切替弁230とポンプP1の間、及び、切替弁231とP2との間に、それぞれ2箇所ずつ接続されている。即ち、本実施の形態では図5に示すように、合計で4つの給気管223が設けられている。そして、切替弁230とポンプP1の間に接続されている給気管223と、切替弁231とポンプP2の間に接続されている給気管223は、給排気管222側と反対側の端部がそれぞれ合流しており、この合流した各給気管223に対して、加圧用のガスを供給するガス供給管232がそれぞれ接続されている。
各ガス供給管232には、当該ガス供給管232を流れる加圧用ガスの流量を調整するレギュレータ233、234がそれぞれ設けられている。各レギュレータ233、234は、それぞれ異なる流量に設定されている。各ガス供給管232は、レギュレータ233、234よりも上流側で合流しており、合流後のガス供給管232には、当該ガス供給管232に対して加圧用ガスを供給するガス供給源235が接続されている。また、各給気管223におけるガス供給管232との接続点よりも給排気管222側には、切替弁240、241、242、243がそれぞれ設けられている。したがって、各切替弁240、241、242、243を操作することにより、給気管223を介して各給排気管222に供給する加圧用ガスの 流量を調整できる。
シンナー供給管200におけるフィルタ201とシンナー供給ノズル151の間には、フィルタ201を通過するシンナーの流量を測定する流量測定機構250が設けられている。流量測定機構250とシンナー供給ノズル151との間からは、循環配管251が分岐して設けられている。循環配管251のシンナー供給管200側と反対側の端部は、分岐してポンプP1の貯留室210及びポンプP2の貯留室210にそれぞれ接続されている。循環配管251の分岐点よりもポンプP1側には切替弁252が、ポンプP2側には切替弁253がそれぞれ設けられている。また、シンナー供給管200における循環配管251との分岐点の下流側には供給切替弁260が、循環配管251におけるシンナー供給管200におけるとの分岐点の下流側であって切替弁252、253の上流側には、循環切替弁261がそれぞれ設けられている。したがって、供給切替弁260を閉状態に、循環切替弁261を開状態にした上で、例えばポンプP1側の切替弁252を閉状態に、ポンプP2側の切替弁253を開状態にしてポンプP1からシンナーを吐出すると、当該シンナーをポンプP2の貯留室210に循環させることができる。
また、循環配管251における循環切替弁261と切替弁252、253の間には、補充配管262が接続されている。補充配管262における循環配管251と反対側の端部には、各ポンプP1、P2に対してシンナーを供給するシンナー供給源263が接続されている。したがって、シンナー供給源263から補充配管262及び循環配管251を介して各ポンプP1、P2にシンナーを供給することができる。補充配管262には、シンナー供給源263からのシンナーの供給を制御する補充弁264が設けられている。
例えば、循環配管251と補充配管262との合流点と、循環切替弁261の間からは、当該循環配管251内のシンナーを系外に排出する排液管265が分岐して設けられている。排液管265には排液弁266が設けられている。また、排液管265と循環配管251との合流点よりもポンプP1、P2側には、排液切替弁267が設けられている。そのため、排液切替弁267を閉状態とし、排液弁266を開状態とすることで、循環配管251内のシンナーを系外に排出することができる。また、循環配管251と排液管265との分岐点と、循環切替弁261との間には、シンナーの逆流を防止するための逆止弁268が設けられている。
次に、ポンプP1、P2の構成について説明する。なお、ポンプP1、P2の構成は本実施の形態において同一であるので、以下ではポンプP1について説明し、ポンプP2については説明を省略する。
ポンプP1は、図6に示されるように、有底で上部が開口した略円筒形状の筐体300と、筐体300の上端部に配置された蓋体301と、筐体300内に配置され、蓋体301の下面と、支持板302を介して気密に接するベローズ303と、ベローズ303の下端部に気密に接続されたピストン板304を有している。
ベローズ303は、筐体300の高さ方向に沿って伸縮するように配置されている。ピストン板304は、筐体300の側壁300aの内側面と当接する略円盤形状を有しており、蓋体301及び筐体300の底板300bと平行に配置されている。また、ピストン板304は、側壁300aの内側面との間を気密に保った状態で、側壁300aの延伸する方向(図6の上下方向)に沿って摺動自在となっている。この蓋体301、ベローズ303及びピストン板304に囲まれた空間により貯留室210が形成されている。同様に、ピストン板304、側壁300a及び底板300bに囲まれた空間により、圧力室211が形成されている。
蓋体301には、当該蓋体301を貫通して排出口310と、脱気機構としての脱気ノズル311と、排液口312が形成されている。排出口310には、シンナー供給管200が、脱気ノズル311には循環配管251が接続されている。筐体300の底板300bには、当該底板300bを貫通して接続口313が形成されている。接続口313には、給排気管222が接続されている。したがって、給排気管222を介して、圧力室211に対してガス供給源235から加圧用ガスを供給することで、例えば図7に示すように、圧力室211内を加圧して、ピストン板304を蓋体301の方向に押し上げることができる。これにより貯留室210の容積が減少し、貯留室210内の流体、本実施の形態ではシンナーを、排出口310から圧送することができる。反対に、エアエゼクタ225により、給排気管222を介して圧力室211内を排気することで、ピストン板304を底板300bの方向に引き込むことができる。これにより、貯留室210の容積を増大させて、換言すれば、貯留室210内を負圧にして、脱気ノズル311を介して貯留室210内にシンナーを引き込むことができる。
また、蓋体301の排液口312には、貯留室210内のシンナーを系外に排出する排出管314が接続されている。排出管314には、図5に示すように排出弁315が設けられている。したがって、例えば切替弁220及び切替弁252を閉状態とし、排出弁315を開状態として圧力室211内を加圧することで、貯留室210内のシンナーを系外に排出することができる。
脱気ノズル311は、貯留室210側の流路面積が循環配管251側の流路面積よりも小さくなるように構成されている。したがって、例えばシンナー供給源263からシンナーが供給され、脱気ノズル311の循環配管251側から貯留室210側に向けてシンナーが流れると、貯留室210側に向けて当該シンナーの流速が増大する。これにより、脱気ノズル311内でシンナーの静圧が低下し、シンナーに溶存した気体が脱気される。これにより、貯留室210内には、脱気ノズル311により脱気処理された処理液である脱気シンナーと、当該脱気シンナーから分離された気体とが導入される。なお、脱気ノズル311の配置は本実施の形態の内容に限定されるものではなく、貯留室210内に脱気処理されたシンナーを供給することができれば、蓋体301とは別に設けられていてもよい。具体的には、例えば循環配管251における、補充配管262との合流点よりもポンプP1側に別個独立して設けられていてもよい。
ピストン板304の外周部には、マグネット320が内蔵されている。また、筐体300の側壁300aの外方には、マグネット320と対向するように、マグネット320の磁界を検出するセンサ321、322が、図6の上から下方向にこの順に設けられている。センサ321は、例えばベローズ303が限度まで縮んだ際のピストン板304の位置(上死点)と対応する高さに設けられている。したがって、センサ321によりポンプP1からシンナーを吐出できなくなったことを検知できる。換言すれば、ポンプP1内(貯留室210)が空になったことを検知できる。センサ322は、ピストン板304の概ね下死点に対応する高さに設けられており、貯留室210内の容積が概ね最大まで増大したことを検知できる。換言すれば、ポンプP1内(貯留室210)にシンナーが充填されたことを検知できる。
次に、フィルタ201の構成について説明する。フィルタ201は、図8に示されるように、有底で上部が開口した略円筒形状の筐体330と、筐体330内に設けられ、異物や気泡を濾過、補足するフィルタエレメント331と、フィルタエレメント331を収容するフィルタ収容部材332と、フィルタ収容部材332を保持する保持部材333と、を有している。筐体330の上部には、ポンプP1、P2から供給されるシンナーを筐体330の内部に導入する導入口330aと、フィルタエレメント331により濾過されたシンナーを筐体330の外部に排出する排出口330bと、フィルタエレメント331で濾過されていないシンナーをそのまま筐体330の外部に排出する排液口330cが形成されている。
フィルタエレメント331は、略円筒形状を有しており、例えばナイロンやポリエチレンなどにより構成されている。フィルタ収容部材332は、フィルタエレメント331の内側面及び外面を覆うように構成されている。フィルタ収容部材332におけるフィルタエレメント331の内側面と外側面に対応する箇所には、複数の貫通孔332aが形成されている。
保持部材333は、フィルタ収容部材332を保持した状態において、フィルタ収容部材332の貫通孔332aの少なくとも一部が閉塞されないように構成されている。また、保持部材333は、フィルタエレメント331が筐体330と概ね同軸となる位置に配置されている。
また、保持部材333の外面やフィルタ収容部材332と筐体330との間には、所定の隙間が形成されており、導入口330aから導入されたシンナーを流通させる流通路334として機能する。
導入口330a及び排出口330bにはシンナー供給管200が接続されており、導入口330aから導入され、フィルタエレメント331を通過したシンナーは、排出口330bから排出される。また、排液口330cには、図5に示すように、ベント管340が接続されており、例えば供給切替弁260と循環切替弁261を閉状態とし、ポンプP1またはポンプP2からシンナーを圧送することで、筐体330内のシンナーや気体を排液口330cからベント管340に排出できる。ベント管340にはベント弁341が設けられている。
なお、他の液処理装置である現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、上部反射防止膜形成装置33の構成は、ノズルの形状、本数や、ノズルから供給される液が異なる点以外は、上述したレジスト塗布装置32の構成と同様であるので説明を省略する。
以上の基板処理システム1には、図1に示すように制御部500が設けられている。制御部500は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理システム1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、基板処理システム1における後述の基板処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体から制御部500にインストールされたものであってもよい。
なお、シンナー供給装置171に設けられた各弁は、特記なき限り電磁弁や空気作動弁といった、遠隔操作により自動で開閉可能なものが用いられている。そして、これらの各弁やセンサ321、322等は全て制御部500に電気的に接続されており、制御部500で状態監視及び操作が適宜行われる。
本実施の形態にかかる基板処理システム1以上のように構成されている。次に、この基板処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。
先ず、複数のウェハWを収納したカセットCが、基板処理システム1のカセットステーション10に搬入され、ウェハ搬送装置23によりカセットC内の各ウェハWが順次処理ステーション11の受け渡し装置53に搬送される。
次にウェハWは、第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され温度調節処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって例えば第1のブロックG1の下部反射防止膜形成装置31に搬送され、ウェハW上に下部反射防止膜が形成される。その後ウェハWは、第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、加熱処理され、温度調節される。
次にウェハWはアドヒージョン装置41に搬送され、アドヒージョン処理される。その後ウェハWは、第1のブロックG1のレジスト塗布装置32に搬送され、ウェハW上にレジスト膜が形成される。
ここで、レジスト塗布装置32におけるレジスト塗布処理について詳述する。レジストの塗布処理にあたっては、予め、脱気シンナーを生成する。脱気シンナーの生成にあたっては、例えば図9に示すように、切替弁220、221、253、排液切替弁267、排出弁315を閉状態にすると共に、補充弁264及び切替弁252を開状態として、シンナー供給源263から例えばポンプP1内にシンナーを供給する。これにより、脱気ノズル311によりシンナーが脱気処理され、脱気処理液としての脱気シンナーが生成される(脱気処理液生成工程)と共に、脱気シンナーがポンプP1の貯留室210内に貯留される(処理液貯留工程)。また、シンナー供給源263からシンナーを供給する際には、切替弁230を開状態、切替弁231を閉状態とし、例えばレギュレータ228aの系統を用いてエアエゼクタ225を駆動させることで圧力室211を負圧にして、ピストン板304を押し下げる。なお、図9及び以降の図14においては、閉状態を黒塗りで、シンナーや気体といった流体が流通している管を太線で示すことで、その他の弁の開閉状態については説明を省略する。
なお、ポンプP1の貯留室210内にシンナーが残留している場合は、脱気処理液生成工程を行う前に、例えば図10に示すように、ポンプP1の系統の排出弁315を開状態として、例えばレギュレータ233の系統を用いてガス供給源235から加圧用ガスを供給し、ポンプP1の圧力室211内を加圧することで、貯留室210内のシンナーを排出管314から排出する(処理液排出工程)ようにしてもよい。
次に、図11に示すように、エアエゼクタ225を停止すると共に、補充弁264及び切替弁252を閉状態に切り替えた後、切替弁220を開状態にする。そして、例えばレギュレータ233の系統を用いてガス供給源235から加圧用ガスを供給し、ポンプP1の圧力室211内を加圧する。この際、供給切替弁260及び循環切替弁261を閉状態、フィルタ201に設けられたベント弁341を開状態とし、ポンプP1から貯留室210内のシンナーをシンナー供給管200に圧送する。これにより、貯留室210内のシンナーと共に、脱気ノズル311によりシンナーから分離された気体がベント管340から排出され、シンナー供給管200のフィルタ201の上流側が脱気シンナーにより満たされる。なお、この際、フィルタ201に供給される脱気シンナーの流量が概ね60mL/min程度となるように、レギュレータ233が設定されている。
次いで、60mL/minでの脱気シンナーの供給を所定時間行った後は、ポンプP1の圧力室211への加圧用ガスの供給をレギュレータ234の系統から行い、例えばフィルタ201に供給する脱気シンナーの流量を概ね75mL/min程度に増加させる。フィルタ201内のフィルタエレメント331に比較的大きな流量の脱気シンナーを当初から供給すると、脱気シンナーがフィルタエレメント331の全体に浸透せずに、フィルタエレメント331内に大小の気泡が存在したままとなってしまう可能性があるが、このように、先ず小流量で脱気シンナーを供給することで、フィルタエレメント331に脱気シンナーが徐々に浸透し、フィルタ201の外部に効率的に気泡を排出することができる。
次いで、図12に示すように、ベント弁341を閉状態とし、循環切替弁261及び排液弁266を開状態としてポンプP1から脱気シンナーを圧送することで、排液弁266から脱気シンナーを排出する。これにより、循環配管251内が、フィルタ201を通過した脱気シンナーにより清掃され、清浄な状態となる。
次いで、図13に示すように、排液弁266を閉状態、排液切替弁267及びポンプP2の切替弁253を開状態とする。それと共に、レギュレータ228bの系統を用いてエアエゼクタ225を駆動させることで圧力室211を負圧にする。なお、レギュレータ228bの系統を流れる駆動空気の流量は、レギュレータ228aの系統を流れる駆動空気の流量よりも大きい。即ち、圧力室211内の圧力は、レギュレータ228aの系統を用いた場合よりも低くなる。このエアエゼクタ225の駆動により、ポンプP2のピストン板304が下方に引き込まれ、ポンプP2の貯留室210内が、ポンプP1の貯留室210に対して負圧となる。これにより、シンナー供給管200及び循環配管251内が負圧(大気圧よりも低い圧力)となった状態で、ポンプP1内の脱気シンナーがフィルタ201を経由してポンプP2内に引き込まれる(フィルタ通液工程)。これにより、例えばフィルタ201内も負圧となるため、ポンプP1による脱気シンナーの供給時に完全に除去できなかったフィルタ201内の気泡の体積が膨張し、フィルタ201内から排出されやすくなる。なお、エアエゼクタ225の駆動によりポンプP2の圧力室211を負圧にするだけではポンプP1のピストン板304を持ち上げられない場合は、適宜ポンプP1の圧力室211内に加圧用ガスを供給して貯留室210の容積を減少させることで、ピストン板304の持ち上げを補助するようにしてもよい。かかる場合、ポンプP1の貯留室210内の圧力が、ポンプP2の貯留室210内の圧力よりも高くならないように、換言すれば、シンナー供給管200や循環配管251内が大気圧よりも低い負圧の状態に維持されるように、ポンプP1の圧力室211への加圧用ガスの供給は、例えばレギュレータ233の系統により行われる。
その後、シンナー供給管200及び循環配管251内を負圧の状態で維持したまま、ポンプP2によるフィルタ201への通液を停止して、その状態を一定時間保持する(負圧維持工程)。これにより、フィルタ201内での気泡の膨張がさらに促進され、フィルタ201からの気泡の排出が容易となる。また、気泡が脱気シンナーに溶解して、フィルタ201内からの気泡の除去も促進される。なお、負圧を維持しつつ、フィルタ201への通液を停止するためには、例えばポンプP1の下流側の切替弁220を開状態から閉状態へ操作することで実現される。
一定時間、負圧を維持した後は、再び切替弁220を開状態とし、ポンプP1の貯留室210からポンプP2の貯留室210に脱気シンナーを引き込む。即ち、フィルタ通液工程を再度行う。これにより、フィルタ201に新たに脱気シンナーが供給されるので、負圧維持工程において、例えばフィルタ201内の脱気シンナーに対して気泡が飽和状態まで溶存した状態となっていたとしても、新たに供給された脱気シンナーにより再度気泡の除去を行うことができる。そして、再度負圧維持工程を行い、さらなる気泡の除去を行う。そして、このフィルタ通液工程と負圧維持工程を所定回数行うことで、フィルタ201内の気泡が、ほぼ完全に除去される。
その後、例えば脱気シンナーが所定量ポンプP2の貯留室210に貯留されると、図14に示したように、循環切替弁261が閉状態、供給切替弁260が開状態に切り替えられる。それと共に、エアエゼクタ225の駆動を停止すると共に、レギュレータ234の系統を用いてポンプP2の圧力室211に加圧用ガスを供給する。これにより、ポンプP2内の脱気シンナーがシンナー供給ノズル151からウェハW上に供給されて、ウェハWがプリウェットされる。次いで、ウェハW上にレジスト液供給ノズル150からレジスト液が供給されて、ウェハW上にレジスト膜が形成される。
ウェハWにレジスト膜が形成されると、次にウェハWは、第1のブロックG1の上部反射防止膜形成装置33に搬送され、ウェハW上に上部反射防止膜が形成される。その後、ウェハWは第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、加熱処理が行われる。その後、ウェハWは、周辺露光装置42に搬送され、周辺露光処理される。
次にウェハWは、ウェハ搬送装置100によって受け渡し装置52に搬送され、シャトル搬送装置80によって第4のブロックG4の受け渡し装置62に搬送される。その後、ウェハWは、インターフェイスステーション13のウェハ搬送装置110によって露光装置12に搬送され、所定のパターンで露光処理される。
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、露光後ベーク処理される。これにより、レジスト膜の露光部において発生した酸によりレジストを脱保護反応させる。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって現像処理装置30に搬送され、現像処理が行われる。
現像処理の終了後、ウェハWは熱処理装置40に搬送され、ポストベーク処理される。次いで、ウェハWは、熱処理装置40により温度調整される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70、ウェハ搬送装置23を介して所定のカセット載置板21のカセットCに搬送され、一連のフォトリソグラフィー工程が完了する。
以上の実施の形態によれば、フィルタ201の下流側のポンプP2の貯留室210をポンプP1の貯留室210内の圧力に対して負圧にすることで、フィルタ201にポンプP1内の脱気シンナーを通液するので、フィルタ201内での気泡の分離及び体積の膨張を促進させることができる。そして、フィルタ201に対して脱気シンナーを通液するので、この脱気シンナーに、分離及び体積膨張した気泡が溶け込みフィルタ201から気泡が除去される。また、フィルタ201の下流側を負圧にした状態を所定の時間維持することにより、気泡の除去がさらに促進される。したがって、微小気泡をフィルタ201から除去することにより、フィルタ201の性能低下を抑制することができる。
また、負圧によるフィルタ201への通液(フィルタ通液工程)と、負圧の維持(フィルタ通液工程)を繰り返し行うことにより、フィルタ201内の気泡をより確実に除去することができる。
さらには、フィルタ201から効率的に気泡を除去することで、例えばフィルタ201のメンテナンスによりフィルタエレメント331を交換した場合の後等に、速やかにシンナー供給装置171が使用可能になると共に、フィルタ201の復旧に用いる薬液の使用量も低減できる。
なお、本発明者らによれば、本発明のように、脱気シンナーを負圧によりフィルタ201に通液し、フィルタ通液工程とフィルタ通液工程を繰り返し行うことで、フィルタに対して加圧して通液する場合と比較して、シンナー内の気泡を概ね90%低減できることが確認されている。
以上の実施の形態では、ポンプP1からポンプP2へ向かって脱気シンナーを流通させる場合を例に説明したが、脱気シンナーの流通方向は本実施の形態の内容に限定されるものではなく、ポンプP2からポンプP1へ向けて脱気シンナーを流通させるようにしてもよい。かかる場合、上記の実施の形態とは、各切替弁等の操作を、ポンプP1とポンプP2で逆転させればよい。
また、以上の実施の形態では、フィルタ通液工程とフィルタ通液工程を繰り返し行った後に、ポンプP2からシンナー供給ノズル151に対して脱気シンナーを供給したが、フィルタ通液工程とフィルタ通液工程を更に繰り返す場合は、ポンプP2の貯留室210に脱気シンナーが所定量貯留された後、より具体的には、例えばセンサ321によりポンプP1の貯留室210内の脱気シンナーが空になったことが検出された後、ポンプP1の圧力室211をエアエゼクタ225により排気すると共に、ポンプP2の圧力室をレギュレータ233の系統を用いて加圧することで、ポンプP2からポンプP1に向かう脱気シンナーの流れを形成してもよい。このように循環配管251を用いてポンプP1とポンプP2との間で自在に脱気シンナーを循環させることができるので、必要に応じて、所望の回数だけフィルタ通液工程とフィルタ通液工程を繰り返すことができる。
なお、以上の実施の形態では、2台のポンプP1、P2を用いた場合を例に説明したが、ポンプは必ずしも2台設ける必要はなく、例えば正圧と負圧に自在に切替可能な2つ以上の独立した機構を有するポンプであれば、1台のポンプのみ設けるようにしてもよい。
ところで、発明者らがさらに実験したところ、前記した負圧維持工程のみでは、配管の長さ等により、所期の減圧度、たとえば−45kPa程度にするまでに相当程度、たとえば約90秒の時間を要することがあった。周知のように、半導体デバイスの製造は、スループットの短縮は極めて関心のある事柄である。そこで効率よく減圧して、より短時間で所定の負圧を達成するために、下記のようなプロセスを提案する。
図15は、かかる場合の各種弁、シンナーの液流を示している。すなわち、排液弁266を閉状態、排液切替弁267及びポンプP2の切替弁253を開状態とする。これによって、ポンプP2の系において、シンナー供給管200、循環配管251、貯留室210を結ぶ管路が形成される。一方、ポンプP1系については、切替弁220を開状態とし、切替弁252、排出弁315を閉状態とすることで、シンナー供給管200とポンプP1の貯留室210を結ぶ管路が形成される。
そしてガス供給源235系については、各切替弁240、241、242、243をいずれも閉状態とする。一方、エアエゼクタ225系統については、切替弁230、231を開状態、切替弁229aを閉状態、切替弁229bを開状態とする。
この状態でエアエゼクタ225を駆動させる。これによって、ポンプP1、P2の各ピストン板304がいずれも下方に引き込まれ、ポンプP1、P2の各圧力室211はいずれも等しい負圧となり、ポンプP1、P2の各貯留室210も同一の負圧となる。したがって、シンナー供給管200及び循環配管251内も負圧になるが、フィルタ201を圧力抵抗とみれば、フィルタ201を境にして、シンナー供給管200内のシンナーは、上流側についてはポンプP1の貯留室210側に、下流側についてはポンプP2の貯留室210側に流れようとする。しかしながら、上記したようにポンプP1、P2の各貯留室210がいずれも同一の負圧になっているから、シンナー供給管200及び循環配管251内のシンナーは流動しない。
このようなフィルタ201の上流側、下流側の双方から減圧して負圧にすることで、シンナー供給管200及び循環配管251内のシンナーはいわば双方向からの脱気が行われることになる(双方向脱気工程)。したがって、脱気自体も促進される。この場合、双方向から負圧にしているので、前記した負圧維持工程、すなわち、シンナー供給管200及び循環配管251内を負圧の状態で維持したままポンプP2によるフィルタ201への通液を停止して、その状態を一定時間保持する場合よりも、所定の負圧にするまでの時間が短くなる。
図16は、かかる点について実際に実験をした結果を示しており、図16のグラフは、前記した負圧維持工程を実施した場合と、双方向脱気工程を実施した場合の、フィルタ201の上流側と下流側の配管内の圧力のそれぞれの経時変化を示しており、同グラフ中、aは80kPaでの負圧維持工程を実施した場合のフィルタ201の上流側、bは80kPaでの負圧維持工程を実施した場合のフィルタ201の下流側、cは80kPaでの負圧維持工程を20秒実施した後に80kPaの双方向脱気工程を実施した場合のフィルタ201の上流側、dは80kPaでの負圧維持工程を20秒実施した後に80kPaで双方向脱気工程を実施した場合のフィルタ201の下流側の圧力変化を示している。
この結果からわかるように、負圧維持工程を実施した場合には、−45kPaに達するまで約45秒要していたが、双方向脱気工程を実施した場合には、開始から0.5秒で−80kPaを実現できた。したがって、負圧維持工程のみの場合よりも、はるかに短時間で、しかもより高い減圧度を実現できることが判った。これによって、シンナー供給管200及び循環配管251内のシンナー中の気泡を短時間でしかもより多くの気泡を顕在化することができる。
実際のプロセスとしては、既述のフィルタ通液工程によってフィルタ201の気泡を除去する必要があるから、前記した双方向脱気工程とフィルタ通液工程とを組み合わせて行うことがよい。かかる場合、プロセスの手順としては、いずれを先に実施してもよいが、最初にフィルタ201にシンナーを通流させてから、すなわちフィルタ通液工程を先に実施してから、双方向脱気工程を実施するのがよい。
もちろん前記した負圧維持工程も併せて実施してもよいが、負圧維持工程に代えて、双方向脱気工程を実施してもよい。またフィルタ通液工程と双方向脱気工程とを繰り返して実施してもよい。これによってさらに多くの気泡の除去が可能になる。
なお双方向脱気工程を実施する場合、ポンプP1、P2の各貯留室210がいずれも同一の負圧とすることが、シンナーが流動せず最も好ましいが、ポンプP1の貯留室210にシンナーが流れ込んでしまうと、後の排出が面倒であるから、同一の負圧とすることが困難な場合や、時間を要する場合には、P1の貯留室210にシンナーが流れ込むリスクを考慮すると、ポンプP2の貯留室210側の負圧を多少高い(減圧度が大きい)状態としてもよい。
かかる事情を考慮すると、ポンプP1、P2の各貯留室210を等しく負圧にするためには、前記したフィルタ通液工程を先に実施して、一旦ポンプP2の貯留室210側のみを負圧状態とし、その後にポンプP1系の切替弁230を徐々に開状態としていくことが実際的であり、また前記したフィルタ201に事前にシンナーを通流しておくという観点からしても、好ましいものである。
なおそのようにして、フィルタ通液工程と双方向脱気工程を実施して、所期の気泡除去を達成した後は、図17に示したように、排出弁315を開状態として、ポンプP2の貯留室210に溜まった気泡が混在したシンナーを系外に排出すればよい。
以上の実施の形態では、処理液がシンナーである場合を例に説明したが、処理液にどのような液を用いるかは本実施の形態の内容に限定されるものではなく、処理液として例えばレジスト液や現像液を用いてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。