JP6424829B2 - 遠心バレル機用のバレル槽、その製造方法、及び遠心バレル研磨機 - Google Patents

遠心バレル機用のバレル槽、その製造方法、及び遠心バレル研磨機 Download PDF

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Description

本発明は、遠心バレル研磨機のバレル槽、その製造方法、及び遠心バレル研磨機に関する。
被加工物のバリ取り、面粗度調整、丸み付け、光沢仕上げ、等のバレル研磨を行うバレル研磨機として、遠心バレル研磨機が知られている。遠心バレル研磨機は、マス(バレル槽に装入する物全てを指す。乾式で研磨する場合は被加工物及び研磨メディア、湿式で研磨する場合は被加工物と研磨メディアと水と必要に応じて装入するコンパウンド、である)を装入した複数のバレル槽を遊星運動(自公転)させてバレル槽の内部でマスを流動化させることで、被加工物の研磨を行う装置である。
バレル槽は、例えば特許文献1に示すように、金属の筐体と、該筐体の内部にライニング材として固定されるポリウレタン樹脂と、で構成されるのが一般的である。
特開2004−042664号公報
遠心バレル研磨機による研磨を行う際は、遠心バレル研磨機より取り外されたバレル槽にマスを装入後、作業者が手動で遠心バレル研磨機にセットする。研磨終了後もまた、作業者が手動でバレル槽を遠心バレル研磨機より取り外す。従来の構成のバレル槽は金属製の筐体を用いているので重量が重い。そのため、作業者への負担が大きい。
また、更なる問題点として、ライニング材の固定方法がある。従来の構成のバレル槽においてライニング材を固定する方法は、(1)バレル槽の形状に成型したものを接着する、(2)板状のライニング材を接着する、(3)溶融したライニング材をバレル槽の内壁に吹き付けた後、固化する、の方法があるが、いずれの固定方法も下記の問題がある。
(1)の場合は、成形型が必要である。そのため、ライニング材の厚みを変更する等の設計変更を行う際には新たに成形型を製作しなくてはならない。成形型は高額であるので、容易に設計変更を行うことが出来ない。
(2)の場合は、ライニング材の継ぎ目が生じる。被加工物の形状によってはこの継ぎ目に被加工物が入り込むので、全ての被加工物を均等に研磨することができない(この研磨状態を、以降「研磨ムラ」と記す)。また、鋭角または鈍角である角部が存在するので、研磨ムラが生じる原因となるばかりか研磨によって被加工物にチッピングやクラック等のダメージが発生する。
(3)の場合は、ライニング材の厚みを均一に施工することが困難である。ライニング材の厚みが均一でない場合、研磨ムラが生じる。また、厚みの薄いところは損耗が激しいので、ライニング材の交換が早まる。
従来の構成のバレル槽は、上記のような問題があるので、これらの問題点を克服した新しいバレル槽の出現が求められている。
上記課題を鑑み、本発明は、本体及び蓋を含んで構成され、内部にマスが装入される研磨空間が形成された遠心バレル研磨機用のバレル槽であって、前記本体または蓋の少なくともいずれかの全体は耐摩耗性能が付与されたゴム(以降、「耐摩耗性ゴム」と記す)で構成されていることを特徴とする。ここで、耐摩耗性ゴムとは、JIS(Japanese Industrial Standards) K6264−2(2005)で規定されるアクロン摩耗試験において測定値が350mm以下の範囲を有するゴムをいう。金属の筐体を用いないので、従来のバレル槽よりも軽い。よって、作業者の負担が小さくなる。また、バレル槽の重量が軽いことで、遠心バレル研磨機を駆動するモータの出力を小さくすることができる。本体は蓋に比べ大きな部材であるので、本体の全体のみを耐摩耗性ゴムで構成することでも十分に軽量化できるが、本体及び蓋のそれぞれの全体を耐摩耗性ゴムで構成すると、より軽量化できる。なお、本体または蓋の少なくともいずれかの全体とは、本体又は蓋のうち、バレル槽の本体又は蓋としての機能を発揮するための部分を意味している。すなわち、本発明の一側面に係るバレル槽は、実質的に本体又は蓋の全体が耐摩耗性能が付与されたゴムで構成されていれば足り、例えば本体と蓋とを固定するための部品、バレル槽を遠心バレル機に固定するための部品、バレル槽の摩耗限界を知らせる部材等の付加的な部分は耐摩耗性ゴム以外の材料で構成されてもよい。
また、マスが装入される前記研磨空間は多角柱形状であり、全ての角部が曲面である構成としてもよい。鈍角や直角の部分がないので、研磨ムラが生じることがない。
また、研磨空間の横断面の面積は、高さ方向の任意の位置において一定であってもよい。これにより、被加工物の形状に影響されずに、被加工物の仕上がり程度を均一にすることができる。
また、前記本体及び前記蓋の接合面において、前記本体または前記蓋のいずれかに前記研磨空間の密閉性を向上させるための凸部が設けられており、且つ該凸部の外周には変形規制部材が固定されている構成としてもよい。凸部が対面の形状に合わせて変形するので、バレル槽内部の空間の密封性が向上する。また、凸部がバレル槽の外周方向に必要以上に変形すると密封性が悪化する原因となる。前記変形規制部材を更に設けることによって凸部の外周方向の変形を防ぐことができる。
また、前記樹脂の摩耗量を知らせるためのサインシートが前記本体または前記蓋に埋設されている構成としてもよい。バレル研磨によりマスが接触する内壁面は摩耗する。摩耗が進むと加工能力が低下するので、加工程度を管理できなくなる。その為、加工能力に影響が出る前にバレル槽を交換する必要がある。バレル槽に埋設されたサインシートにより交換するタイミングを知ることができるので、加工程度の管理が容易となる。
前記サインシートはナイロンで構成されている布としてもよい。バレル槽の交換するタイミングを知らせる効果の他に、強度を向上させる効果を更に得ることができる。また、バレル研磨の途中でサインシートが表面に露出しても、被加工物の性状に影響をおよぼすことがない。
また、遠心バレル研磨機用バレル槽における本体または蓋の製造方法は、前記本体又は前記蓋において前記研磨空間を形成する凹部と同形状の部材を含む成形冶具を準備する工程と、前記部材に生ゴムを被覆する工程と、被覆した生ゴムを硬化して成形体を得る工程と、前記成形体の外形状を調整する工程と、研削後の成形体より前記成形冶具を取り外す工程と、を含んでもよい。生ゴムを前記部材に巻き付けることで成形できるので、前述のような成形型を必要としない。また、前記部材の形状がバレル槽の内壁面となるので、多角柱状部材の角面を所定の曲率となるように加工しておくことで、バレル槽の内壁面の角部を曲面とすることができる。
また、遠心バレル研磨機用バレル槽における本体または蓋の製造方法は、前記本体又は前記蓋において前記研磨空間を形成する凹部と同形状の部材を含む成形冶具を準備する工程と、前記部材に所定の厚さの生ゴムを被覆する工程と、被覆した生ゴムの少なくとも側周面に前記サインシートを固定した後、さらに生ゴムを被覆する工程と、被覆した生ゴムを硬化して成形体を得る工程と、前記成形体の外形状を調整する工程と、研削後の成形体より前記成形冶具を取り外す工程と、を含んでもよい。サインシートを埋設する位置を容易に設定することができる。
本発明の一側面では、上記バレル槽を複数搭載した遠心バレル研磨機が提供される。この遠心バレル研磨機は、公転軸を中心に回転可能に構成された円盤形状のタレットと、タレットに個別の自転軸を介して設けられる複数のバレル槽ケースであり、その内部に収容したバレル槽を自転軸を中心に個別に回転可能に構成された、該複数のバレル槽ケースと、タレットの公転軸を水平面に対して傾斜させて配置するとともに、複数のバレル槽ケースの自転軸の各々を公転軸に対して平行に配置する、基台部と、公転軸を中心にタレットを回転させる駆動機構と、タレットの回転に従動して、自転軸を中心に複数のバレル槽を個別に回転させる従動機構と、を備える。一側面の遠心バレル研磨機によれば、バレル槽を傾斜した状態で被加工物を研磨するので、チッピングやクラックといった研磨による被加工物のダメージを軽減することができる。
また、基台部は、水平面に対して30度以上70度以下の角度で傾斜する第1の傾斜面を有する第1の基台と、第1の傾斜面に対して垂直な第2傾斜面を有し、公転軸が該第2の傾斜面に対して垂直に配置されるように第2の傾斜面において公転軸を支持する第2の基台と、を有してもよい。
本発明により、従来のバレル槽より軽量で、かつ被加工物の研磨ムラ、及び、研磨時の被加工物に対するダメージを抑制する遠心バレル研磨機用のバレル槽及びこのバレル槽を搭載した遠心バレル研磨機を提供することができる。
なお、本発明のバレル槽は、乾式・湿式のいずれのバレル研磨においても使用することができる。
一実施形態のバレル槽を説明するための模式図である。図1(A)は本体及び蓋を正面方向から見た一部断面図であり、図1(B)は本体の平面図(図1(A)におけるA−A矢視)である。 一実施形態のバレル槽の製造方法を示すフローチャートである。 一実施形態のバレル槽をセットした遠心バレル研磨機の構成を説明するための模式図である。図3(A)は遠心バレル研磨機の構成を示す模式図であり、図3(B)は図3(A)におけるB−C−D−E矢視を示す模式図である。 一実施形態のバレル槽をバレル槽ケースに固定する方法を説明するための模式図である。図4(A)は正面方向から見たバレル槽ケースの一部断面図であり、図4(B)は図4(A)におけるF−F斜視を示す模式図である。 バレル槽をバレル槽ケースに固定する別の方法を説明するための模式図である。 遠心バレル研磨機の別の形態を説明するための模式図である。
一実施形態のバレル槽について、図1〜6を参照して説明する。本発明は以下の実施形態に限定されず、必要に応じてその一部を変更することができる。なお、以下の説明において、上下左右方向は特に断りのない限り図における方向を指す。なお、図3〜図6では、便宜上バレル槽01のスナップ錠C及びハンドル取付冶具Hを省略して図示している。
(バレル槽の構造)
図1(A)は、一実施形態に係るバレル槽を概略的に示す部分断面図であり、図1(B)は一実施形態に係るバレル槽の本体の平面図である。一実施形態のバレル槽は、筒状の側面と底面とを含む本体部と蓋部とを含み、本体部及び蓋部によって研磨空間を画成する遠心バレル研磨機用のバレル槽である。本体部(本体10)の全体、又は、蓋部(蓋20)の全体は、樹脂の一形態である耐摩耗性能が付与されたゴムから構成されている。以下、図1(A)、(B)に示すバレル槽01について詳細に説明する。
バレル槽01は、図1(A)に示すように、上端が開口した円筒形状の本体10と、下端が開口した円筒形状の蓋20と、を含んで構成されている。本体10は、側部SW及び底部BWを有している。側部SWは、本体10の外側空間に面する側部外側面13と、側部外側面13より内側に位置する面である側部内側面15とを含んでいる。底部BWは、側部SWの下端に接続されており、本体10の外側空間に面する底部外側面14と、底部外側面14より内側に位置する面である底部内側面16とを含んでいる。そして、本体10には側部内側面15及び底部内側面16により囲まれた空間である凹部11が形成されている。
同様に、蓋20は、蓋20の外側空間に面する側部外側面23及び側部外側面23より内側に位置する面である側部内側面25を含む側部SPと、側部SPの上端に接続されており、蓋20の外側空間に面する天部外側面24及び天部外側面24より内側に位置する天部内側面26を含む天部TPと、を有している。そして、蓋20には側部内側面25及び天部内側面26により囲まれた空間である凹部21が形成されている。
バレル研磨を行う際は本体10の上端面12と蓋20の下端面22とが密着され、円筒形の容器となる。バレル槽01の内部には、本体10の凹部11及び蓋20の凹部21により、連続された空間であり、密封された空間である研磨空間Sが形成される。即ち、研磨空間Sにおける側面は側部内側面15及び側部内側面25により形成される面であり、底面は底部内側面16であり、天面は天部内側面26である。
研磨空間Sは、バレル研磨を行う際にマスが装入される空間である。研磨空間Sの平面形状(図1(A)における横断面)が多角形であることで、マスが流動化しやすくなるので研磨能力が向上する。マスが流動化できれば研磨空間Sの形状は特に限定されないが、本実施形態では図1(B)に示すように八角柱形状とした。
研磨空間Sの全ての角部(横断面である八角形の角部、前記八角形に直交する面である側面と該側面に直交する面である底面及び天面とで形成される角部)は全て曲面となっている。即ち、研磨空間Sに面する内壁は、横断面が多角形状をなしており、内壁において多角形の各頂点をなす角部、側部SWと底部BWとで形成される角部、及び、側部SWと蓋20とで形成される角部が所定の曲率を有している。なお、これらの角部の曲率は互いに異なるものであってもよい。角部が曲面となっていない場合、バレル研磨を行う際に角部に被加工物が入り込んで滞留して、研磨ムラが生じたり、バレル研磨の際に被加工物にチッピングやクラック等のダメージが発生したりすることがある。一方、角部を曲面にすることにより研磨ムラを抑制することが可能となる。この曲面の曲率半径はR10mm〜50mmより選択することができる。Rが小さ過ぎると被加工物の滞留による研磨ムラが生じ、Rが大き過ぎるとマスの流動状態が研磨空間の地点毎に異なるので研磨ムラが生じる。また、蓋20にも研磨空間Sの側面の一部が形成されている構成とすると、研磨空間Sの全ての角部を曲面とすることができる。
本体10及び蓋20は、いずれも樹脂により構成されている。ここで、樹脂とは、ゴムといった高分子材料を含む概念である。樹脂は、バレル研磨機に固定する際に外形状が必要以上に変形しないこと、バレル研磨時に内壁面が必要以上に変形しないこと、内壁面が必要以上に硬すぎないこと、内壁面の耐摩耗性が強いこと、の要件を満たせばその材質は特に限定されない。本実施形態ではJIS6253−3(2012)に規定されるデシロメータ(タイプA)にて測定される硬度がA30〜A90であり、かつ耐摩耗性が付与されたゴム(耐摩耗性ゴム)を使用した。硬度が低すぎるとマスがバレル槽01の内壁面に衝突する際に衝撃力が必要以上に吸収されるので、研磨効率が悪くなったり研磨ムラの原因となったりする。硬度が高すぎると、前述の衝撃力によりバレル槽01の摩耗が早くなる。耐摩耗性ゴムは、NR(天然ゴム)、BR(ブタジエンゴム)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)等があるが、バレル槽01に要求される硬度や耐摩耗性や耐薬品性等を考慮して適宜選択できる。
しかし、耐摩耗性ゴムを使用してもバレル研磨により内壁面が摩耗するのは避けられない。摩耗が進行すると研磨空間Sの形状が変わるので、仕上がり程度が変わる。よって、仕上がり程度に影響が出る前に新しいバレル槽01に交換する必要がある。その為、側部外側面13と側部内側面15との間、並びに、底部外側面14と底部内側面16との間には、バレル槽の交換時期である摩耗限界を知らせるためのサインシート17が設けられている。サインシート17は、本体10の内壁面より所定の距離tを離した位置に埋設されている。所定の距離tは本体の材質や研磨空間の形状等に合わせて設定される。本実施形態の所定の距離tは3〜10mmの間より選択した。なお、図1(A)に示す例では、側部SW及び底部BWの双方にサインシート17を埋設しているが、側部SWまたは底部BWのいずれか一方のみに埋設してもよい。また、サインシート17は蓋20の側部SPまたは天部TPに埋設されていてもよい。
サインシート17は、内壁面から所定の距離t離した位置に埋設することさえできればよく、例えば金網、ナイロンや綿等の布、フィルム等から選択することができる。サインシート17の出現は、マスの交換時に確認できる。即ち、研磨中には確認できないため、研磨中にサインシート17が出現した場合はサインシート17が内壁面に露出した状態でバレル研磨が行われる。サインシート17の強度が低く、また本体の材質との密着力が低い場合、バレル研磨によりサインシート17の一部がマスに混入し、これがコンタミとなる。また、硬度が高すぎるとバレル研磨の際にサインシート17によって被加工物が受傷する。本実施形態のサインシート17は、ナイロンで構成された布を選択した。
一実施形態では、研磨空間Sの密封性(密閉性)を向上させるために、本体10の上端面(空間の接合面)12には上方に向けて突出する凸部18が形成されている。凸部18は本体10と同じ材質から構成されており、適度な弾力を有している。かかる凸部18によれば、蓋20を本体10に圧接させた際に蓋20の下端面22の形状に合わせて凸部18が変形するので、本体10と蓋20とが密着性が向上する。なお、凸部18は、蓋20の下端面22に形成されていてもよい。この場合、凸部18は、蓋20の下端面22から下方に向けて突出するように形成される。
凸部18は側部内側面15に沿うように設けられており、外縁は円形を形成している。そして、凸部18の外周には変形規制部材19が接着されている。凸部18が外周方向に必要以上に変形すると、本体10と蓋20との境界で段差が生じる。この段差は研磨ムラの原因となる。変形規制部材19を設けることで、外周方向への必要以上の変形を防ぐことができる。変形規制部材は、凸部の外周方向への変形を抑制できるだけの強度を有していればよく、その材料は、金属、プラスチック、セラミックス、等から選択することができる。本実施形態では金属製の円環形状の板を用いた。
また、この変形規制部材19には、本体10の側周面上部を外包できる円筒形状の冶具取付部材19aが下に向かって垂設されている。冶具取付部材19aの長さは、後述のスナップ錠Cやハンドル取付冶具H等が取り付けられる長さであればよい。
本体10における側部SWの外径は、底部に向けて連続的に縮小している。後述のように、バレル研磨時にバレル槽01がバレル槽ケースに対してその位置がずれることがなく、またバレル槽01の脱着が容易となる。本実施形態では、底部BWに垂直な方向に対する側部SWの傾斜角度を1〜5°の範囲より選択した。
蓋20の上面には、押圧受部材29が接着されている。押圧受部材29は、後述のように蓋20を本体10に押圧する際に蓋20の上部(即ち、天部外側面24)が変形するのを防ぎ、かつ押圧する力を蓋20の下端面22(即ち、本体10との接合面)に均一に付加することができる。
また、押圧受部材29は後述のスナップ錠Cを取り付けることもできる。
また、本体10又は蓋20には、本体10に対する蓋20の位置を決定するための位置決め具が設けられる。即ち、当該位置決め具は、本体10と蓋20との相対位置を固定する手段である。位置決め具によって、研磨空間Sの形状を八角柱形状とすることができる。位置決め具は本体10に対する蓋20の位置を決定することができればその構造は特に限定されない。例えば、本体10の上端面12または蓋20の下端面22にピン又は凸部を立設し、他方にそのピン又は凸部が嵌合できる穴又は凹部を設けた構造としてもよいし、その他公知の構成としてもよい。本実施形態では位置決め具として、本体10の上端面12に沿って複数のピンPを固定し、蓋20の下端面22にピンPが嵌合される穴hを設けている。
また、本体10及び蓋20には、バレル槽01を遠心バレル研磨機にセットする際に本体10及び蓋20を密着させておくための固定具が固定されている。バレル槽01を遠心バレル研磨機にセットする際に、マスがバレル槽01より洩出することがない程度に研磨空間を密封することができればその構造は特に限定されない。例えば、スナップ錠のような部材を用いてもよいし、ゴムベルト等で本体10と蓋20とを結びつけてもよいし、その他公知の構成としてもよい。本実施形態では、固定具としてスナップ錠Cを等間隔に4箇所固定した。
(バレル槽の製造方法)
次に、図2を参照して、一実施形態のバレル槽の製造方法について説明する。図2は、一実施形態のバレル槽の製造方法を示すフローチャートである。まず、本体10の製造方法について説明する。
工程S1:成形冶具を準備する工程
工程S1では、成形治具が準備される。工程S1において準備される成形治具の外形は、多角柱形状をなしており、凹部11と略同一形状、即ち研磨空間Sの境界と略同一形状を有している。工程S1では、まず板材の曲げ加工及び溶接、または柱状部材からの切削加工により成形治具の概形を形成する。次いで、成形治具の角部を研磨空間Sの角部に求められる曲率と同形状に切削加工する。そして、成形治具の外周面(側周面及び端面)を所定の表面粗さとなるように研削し、凹部11と同形状の部材を得る。この部材により凹部11が形成されるので、この部材の表面に凹凸があると研磨空間に凹凸が形成され、研磨ムラの原因となる。本実施形態では、横断面が八角形である八角柱形状の輪郭を有する筒状体である多角柱状部材を準備した。
成形冶具は、前述の部材のみで構成しても良いが、本実施形態では端面(例えば八角柱形状の場合は八角形状の下面又は上面)の中心に回転軸を固定し、成形冶具とする。回転軸は両端面に固定してもよいし、後工程で成形体が被覆された成形冶具を安定して回転することができれば、一端面にのみに固定してもよい。
工程S2;生ゴムを被覆する工程
工程S2では、成形治具の外周面に生ゴムが被覆される。工程S2では、原料ゴム及び配合剤(補強剤、充填剤、軟化剤、加硫材、等)を混練し、これを圧延することで生ゴムを得る。これを、前記多角柱状部材に所定の厚さとなるように被覆する。この厚さは、側部SWの側部内側面15からサインシートまでの距離(即ち前述の所定の距離t)と同一にし得る。
次いで、サインシート17を生ゴムの外面(側面側、底面側)に貼着する。サインシート17は生ゴムの粘着力のみで貼着してもよいし、樹脂との密着性を向上させるために接着剤で接着してもよい。
その後、本体の径及び高さより若干大きくなるように生ゴムをさらに被覆する。
工程S3;成形体を得る工程
工程S3では、被覆した生ゴムを硬化させることにより成形体が得られる。成形体は、生ゴムを本体10の硬度となるように硬化して得られる。本実施形態では、生ゴムを被覆した成形冶具を加硫炉に装入し、所定の温度で加熱することで、化学反応(加硫)により生ゴムを硬化している。
工程S4;外形状を調整する工程
工程S4では、工程S3において得られた成形体の外形状が調整される。工程S4では、成形体の側周面の形状が本体10の側部外側面13の形状となるように調整する。この調整は外周研削装置を使用し得る。外周研削装置は、回転モータと、該回転モータに連結された把持手段と、研削手段と、を備える。成形冶具の回転軸を把持手段により把持した後、回転モータを作動させると、成形冶具及び成形体が回転軸を軸心として回転する。その状態で研削手段を成形体の側周面に接触させると共に、研削手段を成形体の側周面に対して平行移動することで、該側周面が研削される。この時、成形体の外径が本体10の外径となるように研削手段を成形体に押し付けることで、成形体の側周面は本体10の側部外側面13の形状に調整される。後述のように、側部外側面13の外周面を底部BWに垂直な方向に対して所定の角度で傾斜させたい場合は、この工程で当該傾斜を形成することができる。
次に、成型体の上端面及び下端面の形状がそれぞれ本体10の上端面12及び底部BWになるように調整する。この調整は側周面の調整と同様に、回転軸を軸心に回転する成形体の両端面に研削手段を押し当てて行うことができる。
研削手段は成形体を研削できればよく、回転砥石、回転ブラシ、切削刃、等から適宜選択することができる。本実施形態では回転砥石を用いた。
工程S5;成型冶具を取り外す工程
次いで、工程S5では、成型体が成形治具から取り外される。成形体より成形冶具を取りはずした後、成型体と同じ材料で別途制作した凸部18を成形体の上端面12に接着して本体10を得る。
工程S6;仕上げ工程
次いで、工程S6では、仕上げが行われる。工程S6では、上端面12に変形規制部材19を接着する。本実施形態では、変形規制部材19に冶具取付部材19aが固定されているので、変形規制部材19及び冶具取付部材19aのそれぞれに接着剤を塗布して本体10に接着することで変形規制部材19を更に強固に本体10に接着することができる。
そして、ピンP、ハンドル固定冶具H及びスナップ錠Cの一方をそれぞれ取り付ける。
次いで、蓋20の製造方法について説明する。蓋20は、本体10と同様の工程にて製造してもよいし、成形型を使用して作製されても良い。
前者の製造方法について説明する。まず前述の工程S1〜5と同様の工程によって蓋20を得る。蓋20の製造方法は、前述の工程S1〜5と略同一であるので詳細な説明は省略するが、蓋20の製造方法においては、工程S1において凹部21に対応する形状の成形治具が用意される。
次いで、工程6の「仕上げ工程」にて、この蓋20にまずピンPが嵌合される穴hを開口した後、天部外側面24に押圧受部材29を接着し、該押圧受部材29にスナップ錠Cの他方を取り付ける。
次に、後者の製造方法について説明する。平板の表面に凹部21と同形状の凸形状が形成された上型と、外形を形成する凹形状が形成された下型と、を製作する。
次いで、生ゴムで前記下型の表面を被覆した後、上型を載置し、下型に押圧する。これにより、下型と上型とにより形成された空間には生ゴムが充填されている。また、上型を下型に押圧する際に加熱することで、化学反応(加硫)により生ゴムが硬化する。
生ゴムが硬化した後、上型の押圧を解除し、硬化した生ゴムを取り出すことで、蓋20を得る。そして、天部外側面24に押圧受部材29を接着し、該押圧受部材29にスナップ錠Cの他方を取り付ける。
なお、ピンPが嵌合される穴hは、蓋20を得た後に開口してもよいし、穴hを形成するための凸形状を設けた下型を用いて成形してもよい。
本実施形態では、成形型を用いて蓋20を製造した。蓋20は本体10よりも小型のため、成形型を用いても製造コストの上昇が少ない。
本実施形態のバレル槽の製造方法では、本体10、蓋20の何れの製造においても、生ゴムを成形治具または成形型から取り外すために成形治具及び成形型に抜き勾配を設ける必要がない。即ち、バレル槽01の内部の空間(研磨空間S)の横断面の面積を、高さ方向(側部内側面15の延在方向)の任意の位置において一定にすることができる。研磨空間Sの横断面の面積が底部内側面16に向かうにつれて縮小または拡大している場合には、被加工物が底部内側面16近傍に滞留しやすくなる。その結果、被加工物毎に仕上がり程度が異なる現象が生じる恐れがある。この現象は、小型の被加工(例えば、一辺または直径が2mm以下)を研磨する際に特に顕著に表れる。
(バレル研磨方法)
次に、本実施形態のバレル槽の使用方法について説明する。以下の説明では、SiCとAlとの混合物で構成されるセラミックス(寸法;0.5×0.5×1.0mm)を乾式でバレル研磨を行う場合を例に説明する。
まず、本体10の凹部11に、マスである被加工物及び研磨メディア(新東工業株式会社製;M1−F6T)をそれぞれ所定量装入する。そして、ピンPが穴hに嵌合するように本体10に蓋20を載置する。そして、スナップ錠Cにより研磨空間を密封する。
次いで、バレル槽01を遠心バレル研磨機30にセットする。本実施形態のバレル槽01は円筒形状であるので、遠心バレル研磨機30にセットする際のハンドリングがしづらい。その為、本実施形態では、バレル槽01を持ち上げるためのハンドル(図示せず)を着脱自在に取り付けるためのハンドル固定冶具Hが、冶具取付部材19aに等間隔に2箇所固定されている。
遠心バレル研磨機30は、いわゆる縦型のタイプを使用した。具体的には、図3(A)、(B)に示すように、複数のバレル槽ケース31(本実施形態では4つ)、地面に対して平行に配置されるタレット32(公転円盤)、駆動機構33、及び従動機構34を含んでいる。複数のバレル槽ケース31は、底面中心に自転軸31hを備えており、バレル槽01を着脱自在に固定する。タレット32は、円盤形状を有しており、自転軸31hが挿嵌可能な穴が等間隔に設けられている。タレット32には、バレル槽ケース31が回転可能に固定されている。また、タレット32の平面中央には公転軸32aが挿嵌できる穴が設けられており、地面に対して垂直方向に固定された公転軸32aに回転可能に固定されている。駆動機構33は、モータ33aとタレットの外周に設けられた駆動プーリ33bとモータ33aの回転軸に固定されたモータプーリ33cと、駆動プーリ33b及びモータプーリ33cに架け渡された駆動ベルト33dとを含む。駆動機構33は、モータ33aの作動によりタレット32を公転軸32aを中心に回転させる。従動機構34は、4つの自転軸31hにそれぞれ固定された自転プーリ34a〜34dと、公転軸32aに固定された2つの従動プーリ34e、34fと、隣り合う2つの自転プーリと1つの従動プーリとにそれぞれ架け渡された従動ベルト34g、34hと、を含む。図3(B)においては、自転プーリ34a、34dと従動プーリ34eとに従動ベルト34gが架け渡され、自転プーリ34b、34cと従動プーリ34fとに従動ベルト34hが架け渡されている。また、従動ベルト34g、34hの遊びを低減するために、弛み防止プーリ34i、34jが従動ベルト34g、34hの外周面に接触するように設けられている。モータ33aを作動させると公転軸32a回りにタレット32が回転する。タレット32に回転によって自転プーリ34a〜34dがタレット32と反対方向に回転するので、バレル槽ケース31はその自転軸31hを軸心に回転する。即ち、従動機構34は、タレット32の回転に従動して、自転軸31hを中心に複数のバレル槽01を個別に回転させる。
バレル槽ケース31は、図4に示すように、バレル槽01を保持するトレイと、バレル槽固定部と、バレル槽固定部を固定する一対のガイド部材31cと、を含む。トレイは下面中央に自転軸31hが固定された底板31aと、該底板31aの上面に垂設された保持部材31bと、を備える。本実施形態では4本のシャフトを保持部材31bとして用いた。隣り合うシャフト同士を結んで形成される仮想領域にバレル槽01が収容される。それぞれのシャフトは、バレル槽の本体10の側部外側面13にそれぞれ接触しているので、バレル研磨中にバレル槽01の位置が図4(A)の左右方向にずれることがない。即ち、保持部材31bは、バレル槽ケース31内に収容されるバレル槽01を外側から囲うように配置されており、バレル槽ケース31に対するバレル槽01の移動を規制する。
なお、バレル槽01の側部外側面13を傾斜させた場合は、保持部材31bの内側(バレル槽01の側部外側面13と接触する側)の形状を、その傾斜角度と略同一となるような形状としてもよいし、保持部材31bとして先述のシャフトを用いた場合は、このシャフトをバレル槽01の側部外側面13の傾斜角度と略同一の角度で傾斜するように底板31aに固定してもよい。この傾斜によりバレル槽01を容易に着脱できる。また、この傾斜により遠心バレル研磨機30の作動によりバレル槽01が自転軸31hを中心に回転、或いは、公転軸32aを中心とした旋回をしても、バレル槽ケース31に対する位置がずれることがない。
バレル槽固定部は、中央にネジ穴が貫通して設けられた板状の支持部材31dと、該ネジ穴に螺嵌されたネジ部材31eと、該ネジ部材31eの上端に設けられた、該ネジ部材31eを回転させるための押圧ハンドル31fと、該ネジ部材31eの下端に設けられた、蓋20を本体10に向けて押圧するための押圧部材31gと、を含む。
ガイド部材31cは、上部に前記支持部材31dが遊嵌される穴が開口されている。この穴は、バレル槽01を着脱するときにバレル槽固定部を水平方向に移動可能に案内できる。
ハンドルをハンドル固定冶具Hに取り付けた後、バレル槽01をバレル槽ケース31内に装入し、その後押圧部材31gが押圧受部材29の中心の上方に位置するように支持部材31dを水平移動する。そして、押圧ハンドル31fを回転させることで、押圧部材31gが下降する。押圧部材31gは底面が平面になっており、この底面が蓋20の天部外側面24(本実施形態では押圧受部材29)に接触した後、さらに押圧ハンドル31fを回転させることで、蓋20が本体10に押圧されて研磨空間が完全に密封されると同時に、バレル槽01がバレル槽ケース31に固定される。
4つのバレル槽01をバレル槽ケース31にそれぞれ固定した後、バレル槽01に固定したハンドルを取り外す。その後、遠心バレル研磨機を作動させると、駆動機構によりタレット32が回転することで、バレル槽01がタレット32の回転により旋回運動(公転)する。また、タレット32の回転に従動してバレル槽ケース31が自転軸31hを軸心として回転することにより、バレル槽01も自転軸31hを軸心として回転(自転)する。バレル槽01内のマスは、この自公転により流動化されて被加工物が研磨される。
遠心バレル研磨機30を所定時間作動させた後、その作動を停止させる。バレル槽01の自公転が完全に止まったら、先述のバレル槽01を遠心バレル研磨機30にセットする手順と逆の手順にてバレル槽01を遠心バレル研磨機30より取り外す。そして、スナップ錠を解除して蓋20を取り外した後、マスを本体10から取り出す。その後、被加工物と研磨メディア及びバレル研磨により生じた微粉末とに分別することで、バレル研磨が完了する。
新たな被加工物のバレル研磨を続けて行う場合は、サインシート17が内壁面の表面に露出していないことを確認した後にマスを装入し、同様の手順にてバレル研磨を行う。
(変更例)
少量の被加工物をバレル研磨する場合は、バレル槽の高さを低くし、これを数段積み重ねてバレル槽ケース31に固定してバレル研磨を行ってもよい。この場合、最下段のバレル槽が必要以上に変形する場合は変形を防ぐために金属製の外枠をバレル槽の側周に設けても良い。
バレル槽01をバレル槽ケース31に固定する方法は上述の方法に限られない。例えば図5に示すように、編心棒31jが両端面の中心より外側に固定された円筒状のカム31iを用いてもよい。編心棒31jはガイド部材31cに回動自在に嵌合されており、カム31iに固定されたレバー31kを図中の矢印の方向に操作することでカム31iを編心棒31jを軸心に回動させる。蓋20の上面(または押圧受部材29)にはショルダが形成されており、カム31iの編心量でカム31iをショルダに押しつける。これにより、バレル槽01がバレル槽ケース31に固定される。
上記実施形態では、遠心バレル研磨機30が自転軸31h及び公転軸32aが地面に対して垂直方向となるように配置されているが、一実施形態では、遠心バレル研磨機30は自転軸を地面に対して所定の角度(例えば30°〜70°、または40°〜50°)だけ傾けて配置されてもよい。このような形態は、例えば公転軸32aを所定の角度で傾けて配置し、これにタレット32を回転可能に固定することで実現することができる。
この形態の遠心バレル研磨機の一例を、図6を用いて説明する。なお、以下では、遠心バレル研磨機30との相違点を中心に説明する。図6に示す遠心バレル研磨機40は、公転軸32aを中心に回転可能に構成された円盤形状のタレット32を備えている。複数のバレル槽ケース31は、自転軸31hを介してタレット32に設けられている。複数のバレル槽ケース31は、その内部に収容したバレル槽01を自転軸31hを中心に個別に回転可能に構成されている。
遠心バレル研磨機40は、第1の基台42及び第2の基台41を有している。第1の基台42は、水平面に対して傾斜した傾斜面42a(第1の傾斜面)を有している。一実施形態では、傾斜面42aは、水平面に対して30度以上70度以下の角度で傾斜するように配置されている。
第2の基台41は、水平面に対して傾斜した(第2の傾斜面)傾斜面41aを有している。第2の基台41は、その傾斜面41aが第1の基台42の傾斜面42aに垂直になるように第1の基台42に支持されている。第2の基台41の傾斜面41aには、当該傾斜面41aに対して垂直に配置された公転軸32aが支持されている。即ち、公転軸32aは傾斜面42aに対して平行に配置され、例えば水平面に対して30度以上70度以下の角度で傾斜した状態で固定される。これにより、タレット32は水平面に対して傾斜した状態で公転軸32aに軸支される。また、複数のバレル槽ケース31の自転軸31hの各々は、公転軸32aに対して平行な状態で配置される。第1の基台42及び第2の基台41は、公転軸32aを水平面に対して傾斜させて配置するとともに、複数の自転軸31hの各々を公転軸32aに対して平行に配置する基台部として機能する。
このような構成により、遠心バレル研磨機40では、上記実施形態と同様にモータ33aを作動させることでタレット32及びバレル槽ケース31が回転する。これにより、バレル槽01は傾斜した状態で遊星運動を行う。その結果、被加工物のチッピングやクラックといった研磨によるダメージが低減できる。特に、被加工物として硬脆性の材料を研磨する場合にこの効果は顕著である。
本実施形態のバレル槽は、被加工物の種類や形状によらず用いることができる。例えば、被加工物が積層セラミックスコンデンサやインダクタ等の部品の場合、一辺が800〜1,600μm程度の物ばかりでなく、一辺が100〜200μm程度の非常に小さいサイズの物でも良好に研磨することができる。当然、それよりも大きさサイズの被加工物(たとえば10〜30mm程度)でも良好に研磨することができる。
01…バレル槽、10…本体、11…凹部、12…上端面(接合面)、13…側部外側面(本体)、14…底部外側面(本体)、15…側部内側面(本体)、16…底部内側面(本体)、17…サインシート、18…凸部、19…変形規制部材、19a…冶具取付部材、20…蓋、21…凹部、22…下端面(接合面)、23…側部外側面(蓋)、24…天部外側面(蓋)、25…側部内側面(蓋)、26…天部内側面(蓋)、29…押圧受部材、30,40…遠心バレル研磨機、31…バレル槽ケース、31a…底板、31b…保持部材、31c…ガイド部材、31d…支持部材、31e…ネジ部材、31f…押圧ハンドル、31g…押圧部材、31h…自転軸、31i…カム、31j…編心棒、31k…レバー、32…タレット(回転円盤)、32a…公転軸、33…駆動機構、33a…モータ、33b…駆動プーリ、33c…モータプーリ、33d…駆動ベルト、34…従動機構、34a,34b,34c,34d…自転プーリ、34e,34f…従動プーリ、34g,34h…従動ベルト、34i,34j…弛み防止プーリ、41…第2の基台、42…第1の基台、C…スナップ錠、H…ハンドル取付冶具、h…穴、P…ピン。

Claims (9)

  1. 本体及び蓋を含んで構成され、内部にマスが装入される研磨空間が形成された遠心バレル研磨機用のバレル槽であって、前記本体または蓋の少なくともいずれかの全体は耐摩耗性能が付与されたゴムで構成されており、
    前記バレル槽は、
    前記本体及び前記蓋のうちの一方に設けられた凸部であり、前記本体と前記蓋とが圧接された際に、前記研磨空間の密閉性が向上するように前記本体及び前記蓋のうちの他方の形状に合わせて変形する、該凸部と、
    該凸部の外側に固定され、前記凸部の外周方向への変形を防ぐ変形規制部材と、
    を備え、
    前記本体は、側部及び底部を含み、前記側部の外径は前記底部に向かうにつれて連続的に小さくなっており、
    前記研磨空間の横断面の面積は、高さ方向の任意の位置において一定である、バレル槽。
  2. 前記研磨空間は多角柱形状であり、全ての角部が曲面である、請求項1に記載のバレル槽。
  3. 前記ゴムの摩耗量を知らせるためのサインシートが前記本体または前記蓋に埋設されている、請求項1又は2に記載のバレル槽。
  4. 前記サインシートはナイロンで構成される布である、請求項に記載のバレル槽。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のバレル槽における本体または蓋の製造方法であって、
    前記本体または前記蓋において前記研磨空間を形成する凹部と同形状の部材を含む成形冶具を準備する工程と、
    前記部材に生ゴムを被覆する工程と、
    被覆した生ゴムを硬化して成形体を得る工程と、
    前記成形体の外面を研削し、該成形体の外形状を調整する工程と、
    調整後の成形体より前記成形冶具を取り外す工程と、を含む、製造方法。
  6. 請求項又はに記載のバレル槽における本体または蓋の製造方法であって、
    前記本体または前記蓋において前記研磨空間を形成する凹部と同形状の部材を含む成形冶具を準備する工程と、
    前記部材に所定の厚さの生ゴムを被覆する工程と、
    被覆した生ゴムの少なくとも側周面に前記サインシートを固定した後、さらに生ゴムを被覆する工程と、
    被覆した生ゴムを硬化して成形体を得る工程と、
    前記成形体の外面を研削し、該成形体の外形状を調整する工程と、
    調整後の成形体より前記成形冶具を取り外す工程と、を含む、製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のバレル槽を複数搭載した遠心バレル研磨機であって、
    公転軸を中心に回転可能に構成された円盤形状のタレットと、
    前記タレットに個別の自転軸を介して設けられる複数のバレル槽ケースであり、その内部に収容した前記バレル槽を前記自転軸を中心に個別に回転可能に構成された、該複数のバレル槽ケースと、
    前記タレットの公転軸を水平面に対して傾斜させて配置するとともに、前記複数のバレル槽ケースの前記自転軸の各々を前記公転軸に対して平行に配置する、基台部と、
    前記公転軸を中心に前記タレットを回転させる駆動機構と、
    前記タレットの回転に従動して、前記自転軸を中心に複数の前記バレル槽を個別に回転させる従動機構と、を備える遠心バレル研磨機。
  8. 前記基台部は、
    水平面に対して30度以上70度以下の角度で傾斜する第1の傾斜面を有する第1の基台と、
    前記第1の傾斜面に対して垂直な第2の傾斜面を有し、前記公転軸が該第2の傾斜面に対して垂直に配置されるように前記第2の傾斜面において前記公転軸を支持する第2の基台と、を有する、請求項に記載の遠心バレル研磨機。
  9. 前記側部の外壁面は、前記底部に垂直な軸線に対して1°以上5°以下の傾斜角度を有している、請求項1〜の何れか一項に記載のバレル槽。
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