JP2003311752A - 樹脂成形品のバリ除去装置 - Google Patents

樹脂成形品のバリ除去装置

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JP2003311752A
JP2003311752A JP2002126385A JP2002126385A JP2003311752A JP 2003311752 A JP2003311752 A JP 2003311752A JP 2002126385 A JP2002126385 A JP 2002126385A JP 2002126385 A JP2002126385 A JP 2002126385A JP 2003311752 A JP2003311752 A JP 2003311752A
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blade
molded product
resin molded
burr
deburring
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Application number
JP2002126385A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Ishigaki
雅敏 石垣
Tomoji Yamada
智司 山田
Katsumi Yamada
勝己 山田
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Nihon Plast Co Ltd
Original Assignee
Nihon Plast Co Ltd
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Publication date
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一本のバリ除去刃を清掃研磨せずに、連続し
て樹脂成形品のバリ除去を実施した場合には、約20個
良品としてバリ取りができるが、それ以外のものはバリ
除去刃の切れ味が低下し、切り残しなどの不良品にな
る。 【解決手段】 樹脂成形品14に形成されたバリ14d
を除去する樹脂成形品のバリ除去装置であって、樹脂成
形品14とバリ14dの境界に沿ってバリ除去刃11を
相対的に移動させるバリ除去ユニット2と、バリ除去刃
11を研磨する研磨ユニット30とを備え、研磨ユニッ
ト30が600〜3000メッシュの砥石31を有し
て、樹脂成形品14のバリ除去工程とバリ除去刃11の
研磨工程とを交互に行うようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂成形品に発生し
たバリを自動的に除去する樹脂成形品のバリ除去装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来金型を使用して樹脂を成形する場
合、成形型の型合せ部に微小な隙間があると、成形後に
樹脂成形品にバリが発生することがある。
【0003】特に射出反応成形などにおける、液状の混
合液を金型内に注入して金型内で固化させる成形方法に
あっては、混合液の粘性が極めて低いために、金型の合
わせ部の微小な隙間に液が侵入しやすく、そこにバリが
発生することがある。
【0004】また、低粘性の混合液を金型内に適切に充
填するためには、製品部分に残留気泡を残さないように
する必要があり、そのために、金型内部の空気を液状樹
脂で完全に置換すべく、金型内部の空気を混合液の一部
とともに合わせ部や、オーバーフロー溜まりヘバリとし
て流出させることもある。
【0005】このために、樹脂成形品の成形後、樹脂成
形品よりバリを除去する工程が必要になるが、従来で
は、樹脂成形品に発生したバリを手作業で除去してお
り、手作業によるバリ除去作業は手間がかかるため、量
産される樹脂成形品の場合、生産性が悪い上、樹脂成形
品のコストが高くなるなどの問題があった。
【0006】かかる問題を解消するために、例えば、特
開昭62−288602号公報で、ステアリングホイー
ルの外周リングを樹脂成形した際に発生したバリを除去
する樹脂成形品のバリ取り装置が開示されている。
【0007】上記の開示されたバリ取り装置は、加熱装
置により加熱したバリ取り刃を、加圧装置によりステア
リングホイールの外周リングに押し当てた状態で、バリ
取り刃を水平及び上下方向ヘスライドさせながら、ステ
アリングホイールを所定の速度で回転させることによ
り、外周リングに発生したバリを除去するように構成さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のバリ取り装置(特開昭62−288602号公報の開
示技術)では、V字形をした特殊な形状のバリ取り刃を
使用しているために、バリ取り中にバリ取り刃の芯に対
しバリの位置がずれるとバリが除去できなくなって、バ
リの一部が残ってしまうと共に、特殊形状のバリ取り刃
は高価なため、ランニングコストが上る。
【0009】また、特開2001−18238号公報な
どで、ロボットを使用して樹脂成形品に発生したバリを
除去するバリ取り方法や、レーザビームを使用して樹脂
成形品のバリを除去する方法が提案されている。
【0010】しかし、特開2001−18238号公報
に開示されたバリ取り方法では、樹脂成形品のバリをロ
ボットで剥ぎ取るようにしているために、強度を有し、
且つまとまった量のバリを除去するのには有効である
が、ステアリングホイールなどの樹脂成形品に発生する
薄皮状のバリについては、確実に除去できない。
【0011】また、レーザビームを使用してバリを焼き
切る方法では、切断面に焼け焦げ跡が残るために、樹脂
成形品の品質を低下させる上、ステアリングホイールの
ように、成形部を握って使用するものでは、バリの除去
面に違和感が生じるため、適用できない。
【0012】特に、バリ除去刃には、バリ除去する毎に
樹脂成形品を覆っている離型剤などの削り滓が付着する
ので、バリ除去刃の切れ味が低下する。ひいては、バリ
除去刃の寿命を短くすることとなる。一本のバリ除去刃
を清掃研磨せずに、連続して樹脂成形品のバリ除去を実
施した場合には、最初の十数個は良品としてバリ取りが
できるが、それ以降のものはバリ除去刃の切れ味が低下
し、バリが切り残されて不良品になるという問題点があ
った。
【0013】そこで、バリ除去刃の切れ味が低下した時
点で、バリ除去装置の運転を一時中止して、バリ除去刃
の交換を行うと、装置の稼働率が低下し、又交換作業の
ために人手を要し、樹脂成形品のバリ除去作業全体の効
率が低下するので、改善が求められている。
【0014】本発明はかかる従来の問題点を解消するた
めになされたもので、バリ除去刃の切れ味を長く維持
し、バリ除去刃の寿命を長くすることによって、バリ除
去刃の交換サイクルを伸ばして、樹脂成形品に発生した
バリを自動的且つ能率よく、しかもローコストで除去で
きる樹脂成形品のバリ除去装置を提供することを目的と
するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る樹脂成形品のバリ除去装置は、樹脂
成形品に形成されたバリを除去する樹脂成形品のバリ除
去装置であって、樹脂成形品とバリの境界に沿ってバリ
除去刃を樹脂成形品に対して相対的に移動させるバリ除
去ユニットと、バリ除去刃を研磨する研磨ユニットとを
備えたものである。
【0016】かかる構成により、バリ除去刃を研磨ユニ
ットより研磨することができるために、バリ除去刃の切
れ味が維持できるので、バリの切り残しがなく、品質の
高い樹脂成形品のバリ除去が可能になる。また、バリ除
去刃の切れ味が長期に亘って維持されるので、バリ除去
刃の交換サイクルを伸ばして交換回数を減らすことがで
きる。従って、バリ除去刃の交換のために、バリ除去装
置を停止することがないので、生産性が向上する。そし
て、樹脂成形品のバリ除去後に、この樹脂成形品を取り
出し、別の樹脂成形品をセットするが、この樹脂成形品
のセットの時間を利用して、バリ除去刃を研磨するの
で、樹脂成形品のバリ除去作業全体の効率を向上でき
る。
【0017】また、本発明に係る成形品のバリ除去装置
は、上記した本発明に係る樹脂成形品のバリ除去装置に
おいて、樹脂成形品のバリ除去工程とバリ除去刃の研磨
工程とを交互に行うようにしたものである。
【0018】かかる構成により、樹脂成形品のバリ除去
工程とバリ除去刃の研磨工程とを交互に行うことができ
るために、さらに一層の生産性が向上するようになる。
【0019】また、本発明に係る成形品のバリ除去装置
は、上記した本発明に係る樹脂成形品のバリ除去装置に
おいて、研磨ユニットが、バリ除去刃を研磨するため
の、600〜3000メッシュの砥石を備えている。
【0020】かかる構成により、研磨ユニットが600
〜3000メッシュの砥石を備えていて、この砥石を使
用することによって、バリ除去刃の研磨において、仕上
げ磨きの必要がない。また、刃こぼれの心配も無く、バ
リ除去刃の寿命が長くなる。そして、研磨時間(研磨回
数)が少なくなるので、砥石の寿命も長くなり、製造コ
ストを低減できる。砥石が600メッシュよりも小さい
場合、バリ除去刃の研磨が粗くなり、仕上げ磨きの必要
が生じ、生産性が悪くなる。また、刃のこぼれが生じや
すく、品質の高いバリ除去が難しくなる。砥石が300
0メッシュよりも大きいと、研磨時間がかかり過ぎてし
まい生産性が悪くなる。
【0021】また、本発明に係る成形品のバリ除去装置
は、上記した本発明に係る樹脂成形品のバリ除去装置に
おいて、研磨ユニットがグラインダー装置である。
【0022】かかる構成により、バリ除去刃をグライン
ダー装置より研磨することができるために、バリ除去刃
の切れ味が維持できるので、バリの切り残しがなく、品
質の高い樹脂成形品のバリ除去が可能となる。
【0023】このグラインダー装置は、グラインダーの
回転数とこのグラインダーへの除去刃の押圧時間とによ
って、容易に除去刃の研磨量を調整することができる。
そのため、樹脂成形品のバリの材質に応じて、バリ除去
刃の研磨量の調整が簡単に行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して詳述する。
【0025】図1は本発明の実施の形態になる樹脂成形
品のバリ除去装置を示す一部切欠した平面図、図2は同
樹脂成形品のバリ除去装置を示す縦断面図、図3は同樹
脂成形品のバリ除去装置に設けられたバリ除去ユニット
の拡大側面図、図4は同樹脂成形品のバリ除去装置にお
いてバリ除去刃の研磨状態の説明図、図5は図4のU方
向からの矢視図である。
【0026】バリ除去装置の本体1は、バリ除去手段2
と、成形品支持手段3と、研磨ユニット30とよりな
り、成形品14が出入り可能になされた防塵仕様の作業
室4内に設置されている。
【0027】バリ除去手段2は、例えば6軸型のロボッ
トより構成されていて、基台2aに回動自在に支承され
た第1アーム2bの上端に第2アーム2cの基端部が回
動自在に支承されており、第2アーム2cの先端部に、
ハンドに相当するバリ除去ユニット5が取付けられてい
る。
【0028】バリ除去ユニット5は、図3に示すように
ガイド手段6と、流体圧シリンダ7aよりなる押圧手段
7とを有している。
【0029】ガイド手段6は、バリ除去ユニット5の基
板5a上に水平に設置されたLMガイドよりなるガイド
レール6aと、ガイドレール6aに摺動自在に支承され
たスライド部材6bとを有していて、スライド部材6b
上に支持部材5bが立設されており、支持部材5bの上
部には、水平方向に設けられたガイド杆6cの一端が固
着されていて、ガイド杆6cの他端側は、基板5aに固
着された支柱5cが備えるガイド筒6dに摺動自在に支
承されている。
【0030】ガイド杆6cの下方には、これと平行する
ように流体圧シリンダ7aが設置されている。この流体
圧シリンダ7aは、例えば低摩擦のエアシリンダより構
成されていて、支柱5cに水平に固定されたシリンダ部
7bよりピストン杆7cが突出されており、ピストン杆
7cの先端部は継手7dを介して支持部材5bに接続さ
れていて、流体圧シリンダ7aによりガイドレール6a
に沿って、スライド部材6b及び支持部材5bを成形品
支持手段3の接離方向へ直線的に移動できるようになっ
ている。
【0031】また、支持部材5bの成形品支持手段3と
対向する面には、振動発生手段(図示せず)を有する振
動ユニット8が設けられている。
【0032】この振動ユニット8は、振動周期が例えば
50Hzの電磁式バイプレータ(図示せず)により構成
されていて、後述するバリ除去刃11に、図6に示すよ
うに、バリ除去刃11の進行方向と平行または交差する
方向に振動Fを付与できるようになっている。
【0033】そして、振動ユニット8の加振部(図示せ
ず)の先端には、先端部が鋭利となったブレード状のバ
リ除去刃11が着脱自在に取付けられているようになっ
ている。
【0034】バリ除去刃11は、図6乃至図8に示すよ
うに、両刃(刃先角度θ1、θ2は共に10度)のもの
を用いている。即ち、バリ除去刃11は、その一方の刃
部11Aは刃面部イ、ハを有していて、その刃先角度は
10度であり、また、他方の刃部11Bは刃面部ロ、ニ
を有していて、その刃先角度は10度である。なお、図
7においてA、B、Cは辺長である。
【0035】樹脂成形品14を支持する成形品支持手段
3は、図2に示すように旋回が自在なNCロータリテー
ブルより構成されていて、作業室4内に、水平方向(前
後方向)に移動可能に設置されており、成形品支持手段
3が有する旋回自在な支持部材3aには受け台3bが取
付けられている。
【0036】受け台3bの中心部にはチャック(図示せ
ず)が設けられていて、バリ14dを除去する樹脂成形
品14の中心部が把持できるようになっている。
【0037】研磨ユニット30は、図5に示すように、
砥石31と、この砥石31を水平に且つ図5において左
右方向に往復動させる研磨機用アクチュエータ32とで
構成してある。
【0038】即ち、研磨機用アクチュエータ32は、固
定側ロッド33に可動シリンダ部34を移動可能に組み
付けて構成してあり、この研磨機用アクチュエータ32
は、その固定側ロッド33の両端部を作業室4の内壁部
4aに支持ブラケット35、36を介して固定すること
で作業室4に取付けてある。
【0039】そして、可動シリンダ部34には砥石保持
部材37が固定されている。この砥石保持部材37は、
その保持部材本体37Aの両端部に砥石固定部37Bを
備えており、保持部材本体37Aに砥石31を沿わせ
て、この砥石31の両端部を砥石固定部37Bで固定
(締着)することで砥石31が砥石保持部材37に保持
されている。
【0040】砥石31はダイヤモンドを使用し、600
〜3000メッシュのものが使用されるが、本発明の実
施の態様では1200メッシュのものを用いている。砥
石31が600メッシュよりも小さい場合、バリ除去刃
11の研磨が粗くなり、仕上げ磨きの必要が生じ、生産
性が悪くなる。また、刃こぼれが生じ易く、品質の高い
バリ除去が難しくなる。砥石31が3000メッシュよ
りも大きいと、研磨時間がかかり過ぎてしまい生産性が
悪くなる。
【0041】また、砥石31の表面には、研磨時にバリ
除去刃11の発熱防止と、バリ除去刃11から研磨屑や
バリ除去時の削り滓を洗い流すために、研磨時に水が流
れるようにしてある。
【0042】樹脂成形品14は図10の(1)に示すよ
うに、例えばT字状のスポーク14aを有するステアリ
ングホイールSであって、リング状のリム部14b全体
と、スポーク14aの一部が例えばポリウレタン樹脂よ
りなる被覆層14cにより被覆されており、被覆層14
cを成形した際に、被覆層14cの外周や内周にバリ1
4dが発生している。
【0043】また、ステアリングホイールSは、スポー
ク14a及びリム部14bなどに寸法誤差があったり、
被覆層14cを成形した際、被覆層14cがリム部14
bの円周方向に収縮し、もしくは操作性を向上するため
リム部14bは予め真円ではないリング状に形成されて
いる。
【0044】このために、樹脂成形品14を受け台3b
に精度よく固定しても、樹脂成形品14を旋回させた場
合、バリ14dが発生したパーティングライン14eは
上下、左右に微少なずれが生じて、バリ除去刃11を仮
に樹脂成形品14の最初のバリ除去位置に精度よく位置
決めしても、成形品支持手段3により樹脂成形品14を
旋回させると、バリ除去刃11がパーティングライン1
4eよりずれてしまうため、パーティングライン14e
にバリ14dの一部が残ったり、バリ除去刃11が被覆
層14cを深く切り過ぎて不良品の原因となる。
【0045】そこで本発明の実施の形態では、図9に示
す制御系により、バリ除去手段2及び成形品支持手段3
を制御することにより、樹脂成形品14のバリ14dを
自動的に除去している。
【0046】それでは前記構成よりなるバリ除去装置に
より樹脂成形品14のバリ14dを自動的に除去する方
法を、制御系による制御動作を交えて説明する。
【0047】樹脂成形品14のバリ除去に当っては、図
2の左端側において樹脂成形品14を成形品支持手段3
の受け台3b上にリム部14bが水平になるように載置
し、樹脂成形品14の中心部をチャックにより把持す
る。
【0048】次に、この状態から受け台3bを図2に示
す位置まで移動させたら、制御系の制御手段(シーケン
サ)16によりバリ除去手段2を制御して、第2アーム
2cの先端に取付けられたバリ除去ユニット5を樹脂成
形品14の近傍まで移動させ、バリ除去ユニット5に取
付けられたバリ除去刃11を樹脂成形品14のバリ除去
位置に位置決めする。
【0049】すなわち、図11の(1)に示す樹脂成形
品14のポイントP1からバリ取りを開始する場合は、
ポイントP1にバリ除去刃11を位置決めする。
【0050】そして、この状態で制御手段16により押
圧手段7に接続された圧力制御弁17を制御して、圧力
調整弁18により調圧された所定圧力のエアを押圧手段
7の流体圧シリンダ7aへ供給し、押圧手段7により支
持部材5bを樹脂成形品14側へ移動させて、バリ除去
刃11を被覆層14cのポイントP1に当接させる。
【0051】次に、バリ除去刃11を上下に振動させ、
同時に制御手段16により成形品支持手段3を制御し
て、樹脂成形品14を右方向へ約1.1回転(約400
度回転)させる。
【0052】これによってポイントP1から1周した後
のポイントP2までのパ一ティングライン14eに発生
したバリ14dがバリ除去刃11により除去されると共
に、その間にバリ除去工程中被覆層14cよりバリ除去
刃11が離れようとすると、流体圧シリンダ7aの圧力
により押圧手段7は被覆層14c側へ移動され、その結
果流体圧シリンダ7aの圧力が低下する。
【0053】そこで流体圧シリンダ7a内の圧力は、図
9に示すように圧力センサ21により検出されて制御手
段16へ常時送られているために、流体圧シリンダ7a
内の圧力が低下すると制御手段16は圧力制御弁17を
制御して、流体圧シリンダ7a内の圧力が所定圧になる
まで、流体圧シリンダ7aにエアを供給する。
【0054】これによってバリ除去刃11は常に一定し
た圧力で被覆層14cに当接されて、被覆層14cより
バリ除去刃11が離間することがないために、樹脂成形
品14に寸法バラツキがあったり、被覆層14cが円周
方向に収縮し、もしくはリム部14bが真円でない場合
でも、バリ14dの一部が残ることがない上、バリ除去
面が一定となるため、良好な仕上り面が得られるように
なる。
【0055】また、被覆層14cがバリ除去刃11に向
かって強く押し当ると、流体圧シリンダ7a内の圧力が
上昇するが、このとき制御手段16は圧力制御弁17を
制御して流体圧シリンダ7a内の圧力が所定圧となるよ
う補正するために、バリ除去刃11は被覆層14cに食
い込むことなく、これによって前記と同様に良好な仕上
り面が得られるようになる。
【0056】以上のようにして被覆層14cの外周面に
発生したバリ14dを除去したら、次に被覆層14cの
内周面に発生したバリ14dの除去を行う。
【0057】被覆層14c内周に発生したバリ14dの
除去に当っては、まず制御手段16によりバリ除去手段
2及び成形品支持手段3を制御して、バリ除去刃11を
図11の(2)に示す被覆層14cのポイントP3にバ
リ除去刃11が当接するよう位置決めする。
【0058】そして、この状態で振動発生手段によりバ
リ除去刃11に上下方向の振動Fを加えながら、成形品
支持手段3により樹脂成形品14を右回転させて、ポイ
ントP4までのバリ14dを除去する。
【0059】その後、ポイントP4からポイントP5ま
では、成形品支持手段3の回転を停止させた状態で、制
御手段16によりバリ除去手段2を制御して、バリ除去
刃11を樹脂成形品14のパーティングライン14eに
沿ってポイントP4からポイントP5まで移動させ、バ
リ除去刃11でバリ14dを除去する(リム部14bか
らスポーク14aにかけては、径の小さい円弧状となっ
ており、この部分のバリ14dを除去する場合、外部軸
を停止させ、6軸ロボットにて切削加工を単独で行
う)。
【0060】これによって複雑な形状の樹脂成形品14
であっても、バリ14dを残すことなく除去することが
できる。
【0061】ポイントP4からポイントP5までのバリ
14dを除去したら、制御手段16によりバリ除去手段
2を制御して、バリ除去刃11をポイントP7へ移動さ
せて、成形品支持手段3により樹脂成形品14を右回転
させて、ポイントP8までのバリ14dを除去する。
【0062】ポイントP8までのバリ14dを除去した
ら、制御手段16によりバリ除去手段2を制御して、ポ
イントP4からポイントP5までと同様に、ポイントP
8からポイントP9までのバリ14dを除去する。
【0063】その後、同様な動作を繰返してポイントP
llからポイントP12、ポイント12からポイント1
3までのバリ14dを除去したら、バリ除去刃11を旋
回手段10により逆向きに方向を変えながら、同時にバ
リ除去手段2によりバリ除去刃11をポイントP4へ移
動させて、この状態で今度は成形品支持手段3により樹
脂成形品14を左回転させて、図11の(2)に示すよ
うにポイントP4からポイントP3までバリ除去の済ん
だ被覆層14cに沿って、バリ除去面の再仕上げをしな
がら相対的な移動を行う。
【0064】以下、樹脂成形品14を右回転させてバリ
14dを除去したときと同様な動作で、残りの個所、す
なわちポイントP3からポイントP6までと、ポイント
P12からポイントPllまで、ポイントPllからポ
イントP14までと、ポイントP8からポイントP7を
経て最後にポイントP7からポイントP10までの間に
切り残したバリ14dの除去を行った後、バリ除去手段
2によりバリ除去刃11を樹脂成形品14と離間した位
置である原点位置へと復帰させて、樹脂成形品14のバ
リ除去工程を完了する。
【0065】以上のようにして樹脂成形品14の被覆部
14cに発生したバリ14dを自動的に除去するが、被
覆層14cの内周面は、樹脂成形品14を右回転させた
ときと、左回転させたときの2回バリ除去作業が繰返さ
れ、かつ継ぎ目ない加工が施されることから、より滑ら
かなバリ除去面が得られるようになる。
【0066】樹脂成形品14に発生するバリ14dに
は、金型の位置によって生じるバリの肉厚に違いがあ
る。原料注入部(ゲート)では肉厚が1.5〜2.0m
mとなり、オーバーフロー部では肉厚が1.0〜1.2
mmとなり、その他の場所では肉厚が0.2〜0.4m
mの一般バリとなる。
【0067】実際のバリ取りにおいても、薄肉の一般バ
リ、ゲート部やオーバーフロー部のバリのように、肉厚
の変化した一連のバリとして存在する。特に、図12の
ように、左から右へ向けてバリ除去を進めていくと、厚
肉であるゲート部のバリ14fの重み(自重)で、薄肉
バリがちぎれてしまいバリ残りが生じることがある。そ
のために、このバリ残りを人の手でカットしなくてはな
らない。
【0068】そこで、図13のように、ゲート部のバリ
14fやオーバーフロー部のバリを下側から支持するバ
リ受け台3dを、成形品支持手段3の受け台3bに隣接
して設けることにより、肉厚部の自重による千切れを防
ぎ、バリ残りを確実に防止できる。
【0069】また、樹脂成形品14をバリ除去装置への
取付けは、樹脂成形品14を成形品支持手段3の受け台
3b上にリム部14bが水平となるように載置し,樹脂
成形品14の中心部をチャックにより把持するものであ
る。この場合、樹脂成形品14がステアリングホイール
Sのように、芯金やボス部の溶接歪みの影響で、リム部
14bが成形品支持手段3の受け台3b上に水平に載置
できないときには、安定したバリ仕上げができないこと
がある。
【0070】そこで、安定したバリ仕上げを実施するた
めに、溶接歪みによる面ブレや芯ブレを補正できるよう
に、樹脂成形品14の中心部(ボス部)をチャックした
後に、このチャックを下方向ヘ移動させ、リム部14b
が受け台3b上に水平になるよう載置固定する。これに
より、リム部14bでの位置決めが確実にできるので、
溶接歪みによる面ブレや芯ブレを補正でき、安定したバ
リ仕上げができる。
【0071】一方以上の制御において、バリ除去刃11
を被覆面14cに当接される押圧手段7を構成する流体
圧シリンダ7aの制御は、0.5〜1.5kgf/cm2
の比較的低いエア圧で行っており、流体圧シリンダ7
aに低摩擦シリンダを使用することにより、被覆層14
cにバリ除去刃11が追従する際の応答性を向上させて
いる。
【0072】また、成形品支持手段3が専ら単純な回転
動作を行い、バリ除去手段2が比較的複雑な動作を行う
が、以上説明した通りバリ除去手段2に設けられたバリ
除去刃11の正味の移動範囲は、樹脂成形品14の大き
さのほんの数分のーにしか相当しない極狭い範囲に過ぎ
ない。
【0073】すなわち、一度原点から樹脂成形品14に
当たる位置までバリ除去刃11を移動させると、ほんの
狭い範囲を移動するだけでバリ14dの除去が完了する
ことから、バリ除去手段2の制御が格段に容易になる
上、動作ポイント間を移動するのに要する時間のロスも
極めて小さくできる。
【0074】以上のようにして樹脂成形品14の被覆部
14cに発生したバリ14dを自動的に除去するが、被
覆層14cの内周面は、樹脂成形品14を右回転させた
ときと、左回転させたときの2回バリ除去作業が繰返さ
れ、かつ継ぎ目ない加工が施されることから、より滑ら
かなバリ除去面が得られるようになる。
【0075】次に、バリ除去刃11の研磨方法を説明す
る。
【0076】バリ除去刃11の2個の刃部11A、11
Bを用いてバリ除去した場合には、まず、図4に示すよ
うに刃部11Aの一方の刃面部イを砥石31に押し付け
る。この時、図5に示すように一方の刃面部イの砥石3
1への押付角度αは10度であり、一方の刃面部イの砥
石31への押付力は0.8Kgである。
【0077】そして、研磨機用アクチュエータ32の移
動シリンダ部32を作動して砥石31を刃面部イの付根
側から刃先側へと一度動かし研磨する。
【0078】次に、他方の刃部11Bの一方の刃面部ニ
が砥石31に押し付けられるように角度を調整して、こ
の一方の刃面部ニを砥石31に押し付ける。この時も、
一方の刃面部ニの砥石31への押付角度αは10度であ
り、刃面部ニの砥石31への押付力は0.8Kgであ
る。
【0079】そして、研磨機用アクチュエータ32の移
動シリンダ部32を作動して砥石31を刃面部イの付根
側から刃先側へと一度動かし研磨する。
【0080】この2回の移動シリンダ部32の移動(ス
ライド)により、移動シリンダ部32及び砥石31は元
の位置に戻る。なお、砥石31の移動量は100mmに
設定してあり、この移動量は、必要に応じて適宜設定す
ることができる。
【0081】次に、バリ除去刃11の向きを変え、同様
に砥石31で、一方の刃部11Aの他方の刃面部ハ及び
他方の刃部11Bの他方の刃面部ロを、その付け根側か
ら刃先側へと研磨する。
【0082】上記したように本発明の実施の形態では、
バリ除去刃11を研磨ユニット30より研磨することが
できるために、バリ除去刃11の切れ味が維持できるの
で、バリの切り残しがなく、品質の高い樹脂成形品14
のバリ除去が可能となる。また、バリ除去刃11の切れ
味が長期に亘って維持されるので、バリ除去刃11の交
換回数を減らすことができる。従って、バリ除去刃11
の交換のために、バリ除去装置を停止することがないの
で、生産性が向上する。
【0083】また、樹脂成形品14のバリ除去工程とバ
リ除去刃11の研磨工程とを交互に行うことができるた
めに、さらに一層の生産性が向上する。
【0084】また、研磨ユニット30が600〜300
0メッシュの砥石31を備えていて、この砥石31を使
用することによって、バリ除去刃11の研磨において、
仕上げ磨きの必要がない。また、刃こぼれの心配も無
く、バリ除去刃11の寿命が長くなる。そして、研磨時
間(研磨回数)が少なくなるので、砥石31の寿命も長
くなり、製造コストを低減できる。
【0085】研磨ユニット30としては、砥石11に変
えて、図14及び図15に示すグラインダー装置40を
用いてもよい。このグラインダー装置40は、高速回転
(100rpm〜200rpm)するグラインダー4
1、41−1を2基備えていて、それぞれ回転方向が異
なり、2基のグラインダー41、41−1には、それぞ
れ2000メッシュのダイヤモンドを使用し、ドーナツ
形状のグラインダー用砥石42が取り付けられている。
【0086】このグラインダー装置40は、グラインダ
ーの回転数とこのグラインダーへの除去刃11の押圧時
間とによって、容易に除去刃11の研磨量を調整するこ
とができる。そのため、樹脂成形品のバリの材質に応じ
て、バリ除去刃11の研磨量の調整が簡単に行うことが
できる。
【0087】バリ除去刃11の2個の刃部11A、11
Bを用いてバリ除去した場合には、まず、刃部11Aの
一方の刃面部イをグラインダー用砥石42に押し付け
る。この時、一方の刃面部イのグラインダー用砥石42
への押付角度αは、グラインダー用砥石42の接線に対
して10度であり、一方の刃面部イのグラインダー用砥
石42への押付力は0.8Kgである。そして、刃面部
イの付根側から刃先側へ回転する一方のグラインダー4
1を用いて1秒間研磨する。
【0088】次に、他方の刃部11Bの一方の刃面部ニ
をグラインダー用砥石42に押し付ける。この時、一方
の刃面部ニのグラインダー用砥石42への押付角度α
は、グラインダー用砥石42の接線に対して10度であ
り、一方の刃面部ニのグラインダー用砥石42への押付
力は0.8Kgである。そして、一方の刃面部ニの付根
側から刃先側へ回転する一方のグラインダー41を用い
て1秒間研磨する。必要に応じて、研磨時間を適宜設定
することができる。
【0089】また、バリ除去刃11の一方の刃部11A
の他方の刃面部ハ及び他方の刃部11Bの他方の刃面部
ロは、上記したバリ除去刃11の一方の刃部11Aの一
方の刃面部イ及び他方の刃部11Bの一方の刃面部ニと
同様の作業により他方のグラインダー41−1により研
磨する。
【0090】この実施の形態では、グラインダーを2基
備えたものを採用しているが、グラインダー1を1基と
し、正逆回転させることにより、1基のグラインダーで
除去刃11の4つの刃面部を研磨してもよい。グライン
ダーを1基とすることにより、更にグラインダー装置を
小型にすることができる。
【0091】また、研磨ユニット30としては、砥石1
1に変えて、図16に示すべルトサンダー50を用いて
もよい。
【0092】このべルトサンダー50は、作業室4の内
壁部4aに支持ブラケット51を介して固定することで
作業室4に取付けてある。そして、ベルトサンダー50
は、2本の回転プーリ52、53に天然皮革、合成皮革
等の革製の無端状のベルト54を掛け渡し、回転プーリ
52を回転駆動することでベルト54を回転させる構成
である。そして、ベルトサンダー50はロボット制御に
より作動する構成である。このベルトサンダー50は、
ベルト54の回転数とこのベルト54への除去刃11の
押圧時間とによって、容易に除去刃11の研磨力を調整
することができる。そのため、樹脂成形品のバリの材質
に応じて、除去刃11の研磨量の調整が簡単に行うこと
ができる。
【0093】また、このベルトサンダー50を用いるこ
とにより、除去刃11の研磨時に火花が生じないので、
作業安全性に優れている。また、ベルト54上に、コン
パウンド(例えば、5μmの酸化アルミナ)を塗布したも
のを用いてもよい。
【0094】樹脂成形品14のバリ除去後に、べルトサ
ンダー50のベルト54は回転を開始し、6軸ロボット
の先端に設けたバリ除去刃11がべルト54側まで移動
する。
【0095】バリ除去刃11の2個の刃部11A、11
Bを用いてバリ除去した場合には、まず、刃部11Aの
一方の刃面部イをべルトサンダー50のベルト54に押
し付ける。この時、一方の刃面部イのベルト54への押
付角度αは、ベルト54に対して10度であり、一方の
刃面部イのベルト54への押付力は0.8Kgである。
そして、刃面部イの付根側から刃先側へ回転するベルト
54を用いて1秒間研磨する。
【0096】次に、他方の刃部11Bの一方の刃面部ニ
をべルトサンダー50のベルト54に押し付ける。この
時、一方の刃面部ニのベルト54の押付角度は、ベルト
54に対して10度であり、一方の刃面部ニのベルト5
4への押付力は0.8Kgである。そして、一方の刃面
部ニの付根側から刃先側へ回転するベルト54を用いて
1秒間研磨する。必要に応じて、研磨時間を適宜設定す
ることができる。
【0097】次に、バリ除去刃11の向きを変え、同様
にべルト54で、一方の刃部11Aの他方の刃面部ハ及
び他方の刃部11Bの他方の刃面部ロを、その付け根側
から刃先側へと研磨する。
【0098】さらにバリ除去刃11に振動を加えること
により、バリ14dの除去効率が上るため、上記した実
施の形態では、振動発生手段により振動を加えており、
振動の振幅はlmm程度から0.001mm程度、周波
数は10Hzから100KHz程度の範囲が実施に利用
可能であり、実施の形態では50Hzを採用している
が、この値に限定されるものではなく、また高い周波数
を利用する場合は、超音波振動発生手段を使用してバリ
除去刃11に振動を加えるようにしてもよい。
【0099】次の表1は、バリ除去刃11の先端形状
(刃先角度θ1、θ2が共に10度ではない先端形状)
(図7参照)と、バリ除去刃11に加える振動の周波数
及び振幅の関係を示したもので、周波数が50Hzの振
動発生手段には、上記した実施の形態で使用した電磁式
バイプレータを、675Hzの振動発生手段には、エア
式バイブレータを、そして22000Hzの振動発生手
段には超音波発振器を使用した場合を示している。
【0100】
【表1】 この表1から明らかなように、刃先の角度(θ1)、刃
先の移動速度(V)(mm/sec)と振動周波数の関
係から、刃を全く振動させなければ、刃先固有の角度
(θ1)がそのままバリ除去に作用することになるのに
比べて、振動を加えることによって、実質的な角度(θ
2)の鋭利さが増し、これによっていわゆる切れ味がよ
くなるために、バリ14dの除去跡が滑らかになる上、
バリ除去刃11に振動が加わることによって、1枚で加
工できる樹脂成形品14の数を大幅に増すことができ
る。
【0101】例えば、振動を加える以外は同一条件で樹
脂成形品14のバリ除去を行った場合、振動を加えない
と2個目以降はバリ除去跡が途中から不整となって不良
品となったが、22,000Hzの振動を加えると、2
0個までバリ除去跡に不整が発生しなかった。
【0102】このように1枚のバリ除去刃11で処理で
きる樹脂成形品14の数が大幅に増加することから、バ
リ除去刃11の消費量を削減できると共に、バリ除去刃
11の交換は、装置を停止して手作業で行うことから、
バリ除去刃11に振動を加えてバリの除去を行うことに
より、装置の稼働率が向上する上、作業者のいわゆる装
置持ち台数を増やすことができることから、自動化によ
る生産性の向上が図れると共に、バリ除去刃11の交換
回数を少なくできることによって、バリ除去刃11の自
動交換を考慮する必要がなくなるため、装置のコスト削
減も図れるようになる。
【0103】なお、上記した本発明の実施の形態では、
被覆部12cがバリ除去刃11を押す力を流体シリンダ
7aの内圧変化として捕らえて、これを安定化させると
いう、いわゆるパッシブ制御方式を採用したが、予め標
準値としての内圧変化パターンをプログラムし、樹脂成
形品14の動きに対応してエアを送るか排気する、いわ
ゆるアクティブ制御を組み合わせてもよく、この場合
は、必要とされる値より小さ目に設定し、不足を差分と
して検出して一定圧を得るようにすればよい。
【0104】また、樹脂成形品14であるステアリング
ホイールSのリム部14bは真円ではなく、周方向に直
径が微妙に変えてあり、その傾向は人間工学に基づい手
設計がなされるものであって、製品固有のものである。
【0105】従って回転方向の特定位置でバリ除去ポイ
ントが特定の傾向(パターン)を持っていることから、
これを基礎に押圧手段7の制御を行うことにより、フリ
クション等の影響を相殺し、あるいは完全にキャンセル
することができるようになる。
【0106】さらに、学習機能を付加すれば、樹脂成形
品14の形状のバラツキを統計的に処理し、標準値をリ
アルタイムで補正することもできることから、アクティ
プ制御を組み合わせることにより、生産数量の増加に伴
って加工精度を改善できるという二次的な効果も得られ
るようになる。
【0107】上記した本発明の実施の形態1、2、3
は、いずれもバリ除去刃11が固定され、研磨ユニット
30が移動(前後動もしくは回転する)するものであ
る。バリ除去刃11が動き(前後動し)、研磨ユニット
30が固定するものであってもよい。更には、バリ除去
刃11と研磨ユニット30が相対的に動くものであつて
よい。
【0108】上記した本発明の実施の形態1、2、3に
おいて、いずれもバリ除去刃11を両刃のものを用いた
が、片刃のバリ除去刃11を使用してもよい。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る樹脂
成形品のバリ除去装置によれば、バリ除去刃を研磨ユニ
ットより研磨することができるために、バリ除去刃の切
れ味が維持できるので、バリの切り残しがなく、品質の
高い樹脂成形品のバリ除去が可能となる。また、バリ除
去刃の交換サイクルを伸ばして切れ味が長期に亘って維
持されるのでバリ除去刃の交換回数を減らすことができ
る。従って、バリ除去刃の交換のためにバリ除去装置を
停止することがないので生産性が向上する。そして、樹
脂成形品のバリ除去後に、この樹脂成形品を取り出し、
別の樹脂成形品をセットするが、この樹脂成形品のセッ
トの時間を利用して、バリ除去刃を研磨するので、樹脂
成形品のバリ除去作業全体の効率を向上できる。
【0110】また、本発明に係る樹脂成形品のバリ除去
装置によれば、樹脂成形品のバリ除去工程とバリ除去刃
の研磨工程とを交互に行うことができるために、さらに
一層の生産性が向上するようになる。
【0111】また、本発明に係る樹脂成形品のバリ除去
装置によれば、研磨ユニットが600〜3000メッシ
ュの砥石を備えていて、この砥石を使用することによっ
て、バリ除去刃の研磨において、仕上げ磨きの必要がな
い。また、刃こぼれの心配も無く、バリ除去刃の寿命が
長くなる。そして、研磨時間(研磨回数)が少なくなる
ので、砥石の寿命も長くなり、製造コストを低減でき
る。
【0112】また、本発明に係る成形品のバリ除去装置
によれば、バリ除去刃をグラインダー装置より研磨する
ことができるために、バリ除去刃の切れ味が維持できる
ので、バリの切り残しがなく、品質の高い樹脂成形品の
バリ除去が可能となる。
【0113】このグラインダー装置は、グラインダーの
回転数とこのグラインダーへの除去刃の押圧時間とによ
って、容易に除去刃の研磨量を調整することができる。
そのため、樹脂成形品のバリの材質に応じて、バリ除去
刃の研磨量の調整が簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になる樹脂成形品のバリ除
去装置を示す一部切欠した平面図である。
【図2】同樹脂成形品のバリ除去装置を示す縦断面図で
ある。
【図3】同樹脂成形品のバリ除去装置に設けられたバリ
除去ユニットの拡大側面図である。
【図4】同樹脂成形品のバリ除去装置においてバリ除去
刃の研磨状態の説明図である。
【図5】図4のU方向からの矢視図である。
【図6】同樹脂成形品のバリ除去装置に使用するバリ除
去刃の拡大図である。
【図7】図6のX部の拡大図である。
【図8】図6のY−Y線に沿う断面図である。
【図9】同樹脂成形品のバリ除去装置を制御する制御系
の回路図である。
【図10】(1)は同樹脂成形品のバリ除去装置により
バリを除去する成形品の平面図である。(2)は(1)
のW−W位置を断面した斜視図である。
【図11】(1)及び(2)は同樹脂成形品のバリ除去
装置の作用説明図である。
【図12】同樹脂成形品のバリ除去装置の作用説明図で
ある。
【図13】バリ受け台の説明図である。
【図14】同樹脂成形品のバリ除去装置における研磨ユ
ニットとしてのグラインダー装置の正面図である。
【図15】図14のZ方向からの矢視図である。
【図16】同樹脂成形品のバリ除去装置における研磨ユ
ニットとしてのベルトサンダーの平面図である。
【符号の説明】
1 本体 2 バリ除去手段 3 成形品支持手段 4 作業室 5 バリ除去ユニット 8 振動発生手段 11 バリ除去刃 11A 一方の刃部 11B 他方の刃部 14 樹脂成形品 14d バリ 30 研磨ユニット 31 砥石 32 研磨機用アクチュエータ 33 固定側ロッド 34 可動シリンダ部 40 グラインダー装置 41 グラインダー 41−1 グラインダー 42 グラインダー用砥石 50 ベルトサンダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 勝己 静岡県富士市青島町218番地 日本プラス ト株式会社内 Fターム(参考) 3C049 AA03 AA09 AA16 AA19 CA03 CB05 4F201 AM12 BA06 BC02 BS05 BS10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成形品に形成されたバリを除去する
    樹脂成形品のバリ除去装置であって、 前記樹脂成形品と前記バリの境界に沿ってバリ除去刃を
    前記樹脂成形品に対して相対的に移動させるバリ除去ユ
    ニットと、前記バリ除去刃を研磨する研磨ユニットとを
    備えたことを特徴とする樹脂成形品のバリ除去装置。
  2. 【請求項2】 前記樹脂成形品のバリ除去工程と前記バ
    リ除去刃の研磨工程とを交互に行うようにしたことを特
    徴とする請求項1に記載の樹脂成形品のバリ除去装置。
  3. 【請求項3】 前記研磨ユニットが、前記バリ除去刃を
    研磨するための、600〜3000メッシュの砥石を備
    えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の樹脂成形品のバリ除去装置。
  4. 【請求項4】 前記研磨ユニットがグラインダー装置で
    ある請求項1又は請求項2に記載の樹脂成形品のバリ除
    去装置。
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