JPH10193262A - センターレス研削盤用砥石車のドレッシング方法、および同装置、並びに、センターレス研削盤 - Google Patents

センターレス研削盤用砥石車のドレッシング方法、および同装置、並びに、センターレス研削盤

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JPH10193262A
JPH10193262A JP9002196A JP219697A JPH10193262A JP H10193262 A JPH10193262 A JP H10193262A JP 9002196 A JP9002196 A JP 9002196A JP 219697 A JP219697 A JP 219697A JP H10193262 A JPH10193262 A JP H10193262A
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JP
Japan
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grinding wheel
dressing
truing
grinding
resin
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JP9002196A
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English (en)
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Norifumi Takeuchi
徳文 竹内
Fumio Takase
文雄 高瀬
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Micron Machinery Co Ltd
Original Assignee
Micron Machinery Co Ltd
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Publication date
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  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レジンボンド超砥粒砥石で構成されたセンタ
レス研削用の研削砥石車4を、センターレス研削盤(図
示せず・研削砥石車4を中心軸Y周りに回転させる構造
である)に装着した侭でドレッシングする技術を提供す
る。 【解決手段】 (A)図のように、ツルーイング兼ドレ
ッシングユニット5にロータリツルア6を装着して、矢
印a,b,c,dのように片方向トラバース形式で、ア
ップカット方向にツルーイングし、(B)図のように
「研削砥石車と同粒度もしくはそれよりも微細な粒度」
のロータリドレッサ7と交換して、(C)図のように矢
印a,eのごとく往復トラバース形式で、ダウンカット
方向にドレッシングする。前記粒度のロータリドレッサ
7によってのみ良好なドレッシングが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センターレス研削
盤に用いられる砥石車を所望の形状に成形するツルーイ
ング、および、成形された砥石車の外周面付近のボンド
材を除去して砥粒を微視的に突出させるドレッシングに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6はセンターレスグラインダ(無心研
削盤)の基本的な構造・機能を説明するために示した模
式的な正面図である。円柱面状外周面を有する非加工物
1は、ブレード2の上に載置され、該ブレード2と調整
砥石3とによって支承される。この支承は、ブレード2
の頂面と調整砥石3の外周面とによって為され、被加工
物1の中心軸を検出して位置決めすることは行なわれな
い。上記の調整砥石3は、図示しない駆動装置により矢
印R1方向に回転しており、これと接触している被加工
物1は矢印Lのごとく回転せしめられる。研削砥石4
は、上記矢印L方向に回転している被加工物1の周速よ
りも大きい周速で矢印R2方向に回転駆動されつつ、該
被加工物1に摺触して、これを真円柱面に研削する。図
示の角αはブレード2の頂面角、同じく寸法Hは心高、
同じく角βは研削砥石に対する心高角、同じく角γは調
整砥石に対する心高角であって、角(β+γ)は心高角
と呼ばれる。
【0003】図6に示したセンターレス研削(無心研
削)の基本構成は、円柱面状の外周面を研削するための
ものであって、高精度の造円機能を発揮して高性能の研
削を行なうことができる。しかし、被加工物が円錐状の
被加工部を有している場合も、該被加工物をブレード2
と調整砥石3とによって支承するとともに、調整砥石か
らの摩擦伝動によって被加工物を回転させながら、研削
砥石4の回転中心軸を傾けて、もしくは研削砥石を円錐
状に成形して、被加工部を円錐面状に研削仕上げするこ
とができる。前記の研削砥石4および調整砥石3は回転
砥石であって、ホイールとも呼ばれる。本発明において
は原則として研削砥石車4,調整砥石車3と呼ぶが、紛
らわしくない場合には研削砥石4,調整砥石3と略称す
る。
【0004】研削砥石車の外周形状は真円柱面を基本と
するが、前述のごとく被加工物の目的形状に応じて円錐
面,段付面などに形成しなければならない場合も有り、
また、研削作業の結果として研削砥石車が偏摩耗するこ
ともあるので、研削砥石車の外周形状を所望の形状に整
えるためのツルーイングを必要とする。このツルーイン
グは従来一般に、研削砥石車よりも小形の回転砥石を回
転させながら該研削砥石車の外周面に接触させ、該研削
砥石車の回転軸とほぼ平行に(必ずしも厳密に平行とは
限らない)移動(トラバース)させて行なわれる。この
ツルーイングは、研削砥石車を形成している砥粒、およ
び、該砥粒を接着結合しているボンド材の表層を削り落
とす形で行なわれる。以上に述べたツルーイングに続い
て、研削砥石の研削性能を向上させるためのドレッシン
グが行なわれる。ツルーイングを終えた状態の研削砥石
の外周面を拡大して視察すると、ボンド材の表面に砥粒
が露出しているが、該砥粒が突出しておらず、ボンド材
の中に砥粒が埋め込まれて全体として比較的滑らかな表
面を形成している。このような状態では研削性能が良く
ないので、砥粒を残してボンド材の表層を削り取るドレ
ッシングが行なわれる。これにより、研削砥石の外周面
のボンド材から砥粒が微視的に突出した状態となる。上
記のようにドレッシングしても、研削砥石車によって研
削作業を行なうに伴って砥粒が損耗したり脱落したりし
て研削性能が落ちるので、前述したドレッシング操作を
繰り返さなければならない。また、研削条件によっては
研削砥石車の表面に異物が付着して薄層を形成し、いわ
ゆる目詰まりを生じて研削性能が低下する場合がある。
このような場合も、ドレッシングによって研削性能を復
活させる。何回かドレッシング操作を繰り返しているう
ちに、研削砥石車の外周面は、微視的な砥粒の突出より
も大きいオーダーで形状が変化(減耗)するので、前述
したツルーイングを行なって修復する。そして、ツルー
イングの後はドレッシングによって研削砥石車の研削性
能を向上させておかねばならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】センターレス研削に用
いられる研削砥石は一般に砥粒をボンド材で接着結合し
て成形したものである。従って、砥粒の種類、およびボ
ンド材の種類によって大別される。被研削物が硬い場合
は砥粒も硬質であることを要し、超砥粒と呼ばれる特別
に硬度の高い砥粒(例えばダイヤモンド,CBN(立方
晶窒化ボロン)など)が用いられる。これらの超砥粒を
接着結合するボンド材には、樹脂系のレジンボンドと、
ガラス系のビトリファイドボンドとが有る例えばセラミ
ックの円柱や円筒をセンターレス研削しよとすると、超
砥粒の研削砥石車(通称・超砥粒ホイール)を用いなけ
ればならないが、この場合、レジンボンドの超砥粒砥石
車を用いるかビトリファイドボンドの超砥粒砥石車を用
いるかについて一長一短が有って、表面あらさを良くす
るにはレジンボンドが有利であるが、レジンボンド超砥
粒研削砥石は以下に説明するようにドレッシングが容易
でなく、その結果として高精度の研削が困難である。
【0006】ツルーイングおよびドレッシングを高能率
で行なうには、超砥粒研削砥石車をセンターレス研削盤
に装着して回転させながら、ロータリーツルアを接触さ
せて該超砥粒研削砥石車の外周面を所望の形状に整える
ツルーイングを行ない、同様に、機上で回転させながら
ロータリドレッサを接触させて、外周面付近のボンド材
を除去して砥粒を微視的に突出させるドレッシングを行
なうことが望ましいのであるが、レジンボンド超砥粒の
研削砥石車を研削盤上で回転させながらロータリドレッ
サを接触させても、望ましい表面状態が得られない(比
喩的に言うならば、砥石の切れ味が良くならない)。こ
のため、表面あらさを若干犠牲に出来る場合はビトリフ
ァイドボンド超砥粒研削砥石車が用いられる。表面あら
さの良いことを求められる場合はレジンボンド超砥粒研
削砥石車を用いてセンターレス研削を行ない、該レジン
ボンド超砥粒研削砥石を研削盤から取り外し、手作業で
WA(ホワイトアランダム)スティックなどを用いてド
レッシングした後、再び研削機にセットするが、このよ
うに超砥粒研削砥石を取外し・取付けを行なうと振れ精
度が低下するので超精密研削は期待できない。ツルーイ
ングを機上で行ない、ドレッシングを機外で行なう各種
の技術も開発されているが、いずれにせよ超砥粒研削砥
石を研削盤から取外し、取付けするので振れ精度の低下
は避け難い。
【0007】ツルーイングを機上で行なっても機外で行
なっても、ドレッシングを機外で手作業で行なうことに
より、多大の時間と労力とを費やす上に、硬度の技能を
必要とする。ドレッシング作業を自動化して時間,労力
を節減するとともに、格別の熟練を必要とせずにドレッ
シング出来るように、WAスティックを超砥粒研削砥石
の全幅に亙って均一に押し当てながらオシレーションを
加える技術も研究されて実用の域に達しているが砥石車
の真直性の面で精密なドレッシングは難しい。その上、
上記のスティックオッシレーション方式ではドレス条件
の設定に関する自由度が小さいため、最適なドレス条件
が得られ難い。本発明は上述の事情に鑑みて為されたも
のであって、レジンボンド超砥粒砥石車を研削盤に装着
した状態で良好なドレッシング効果が得られる方法、お
よび、上記の発明方法を実施するに好適なドレッシング
装置、並びにセンターレス研削盤を提供することを目的
とする。機上ドレッシング操作が可能となることによっ
て、ドレッシング作業の能率が向上することを期待する
ことができる。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的な原理を略述すると、ドレ
ッシングの対象部材であるレジンボンド超砥粒砥石車の
砥粒粒度に合わせて、ほぼ同粒度もしくはそれよりも微
細な粒度の砥石によってロータリードレッサを構成し
て、このロータリドレッサを超砥粒砥石車の厚さ方向に
移動(トラバース)させて、前記レジンボンド超砥粒研
削砥石車をドレッシングする。
【0009】上記のドレッシングを行なう場合、研削砥
石車の砥粒と同等もしくはそれ以下の砥粒より成るロー
タリドレッサを用いることによって、従来技術では予測
し得なかった「研削砥石車の砥粒を脱落させることなく
ボンド材の表層を取り除いて、研削砥石車の砥粒を微視
的に突出させる」という優れた効果を奏し得たものであ
る。以上に説明した原理に基づいて請求項1の発明方法
は、センターレス研削盤に装着されるレジンボンドのダ
イヤモンド研削砥石車もしくはレジンボンドのCBN研
削砥石車をドレッシングする方法において、研削砥石車
を研削盤に装着して回転させつつある状態で、前記ダイ
ヤモンドもしくはCBN研削砥石車と同程度の粒度ない
しそれよりも微細な粒度のロータリドレッサを研削砥石
車の外周面に接触せしめつつ、該研削砥石車の厚さ方向
に移動させて、研削砥石車の外周面付近のボンド材を除
去して砥粒を微視的に突出させることを特徴とする。以
上に説明した請求項1の発明方法によると、ダイヤモン
ドもしくはCBNをレジンボンド材で接着・結合された
レジンボンド超砥粒研削砥石車に対して、該超砥粒研削
砥石車と同粒度のロータリドレッサを接触させることに
より「研削砥石車を構成している超砥粒の粒子」を該研
削砥石車から脱落せしめることなく、レジンボンド材の
表層を除去することができる。前記超砥粒砥石車よりも
微細な粒度のロータリドレッサを接触せしめると、上述
の場合と同様に、研削砥石車の超砥粒粒子を脱落せしめ
ることなくレジンボンド材の表層除去が可能であり、ド
レッシングの作業効率は同粒度の場合よりも低下するが
寸法精度は同粒度の場合よりも良くなる。請求項2の発
明方法は前記請求項1の発明方法の構成要件に加えて、
センターレス研削盤に装着されるレジンボンド超砥粒研
削砥石車をドレッシングする方法において、研削盤に装
着されて回転している研削砥石車に対して、ツルアを接
近させ,接触させて、研削砥石車の外周面を所望の形状
に整えるツルーイングを行ない、上記のツルーイング
と、次回のツルーイングとの間に1回もしくは複数回、
ドレッサを研削砥石車に接近させ,接触させて、研削砥
石車外周面付近のボンド材を除去して砥粒を微視的に突
出させるドレッシングを行なうことにより、研削砥石車
を研削機から脱却することなくツルーイングとドレッシ
ングとを自動的ないし半自動的に遂行することを特徴と
する。以上に説明した請求項2の発明方法によると、ツ
ルーイングに引き続いて、もしくはツルーイングとツル
ーイングとの間に複数回くり返して請求項1に係るドレ
ッシング方法を行なうことにより、センターレス研削作
業を工業的規模で施行する場合に不可欠なツルーイング
作業との関係において、請求項1に係る発明を有効に実
施して実用的効果を奏することができる。すなわち、新
品のレジンボンド超砥粒研削砥石車の使用を開始する
際、および、使用による損耗が寸法精度に影響をおよぼ
す虞れを生じたとき(詳しくは、虞れを生じるに先立っ
て)ドレッシングとは異なる作業であるツルーイングを
行なわねばならないが、ツルーイングを行なった後、研
削作業を開始するまでに請求項1に係るドレッシング作
業を実施することによって研削性能を発揮せしめること
ができ、さらに、ツルーイング直後の他にも、超砥粒研
削砥石外周面の超砥粒が脱落したり、超砥粒研削砥石外
周面に異物が付着して薄層をなす目詰まりを生じたりし
て研削性能が劣化したときは、前記請求項1に係るドレ
ッシング方法を実施することによって研削性能を復活さ
せることができ、これらの研削性能の発揮および研削性
能の復活を、研削砥石車を着脱することなく、従って該
研削砥石車の心出し状態を狂わせることなく、しかも、
格別の熟練を必要とせずに迅速に達成することができ
る。
【0010】請求項3の発明方法は前記請求項2の発明
の構成要件に加えて、前記のツルーイングはダイヤモン
ドツルアを用いて行ない、前記のドレッシングは、ホワ
イトアランダム砥粒もしくは炭化珪素砥粒を、レジンボ
ンド材もしくはビトリファイドボンド材によって成形し
たロータリドレッサを用いて行なうことを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明方法によると、作業能率
と材料コストと仕上げ精度とのバランスにおいて、最も
経済的に優れたツルーイング・ドレッシングを行なうこ
とができる。すなわち、ツルーイングは相手部材である
超砥粒研削砥石のマクロ的な輪郭を形成するように、そ
の表面を削り取る作業であるから、ダイヤモンド砥粒を
用いることが最適であって、安価な一般砥粒のロータリ
ドレッサを用いると作業能率が低い上にロータリドレッ
サの損耗が激しく却って不経済である。
【0011】そして、ドレッシングはツルーイングと異
なり、研削砥石車の砥粒を脱落せしめることなくボンド
材の表層を除去するのであるから、高価なダイヤモンド
などを使用する必要は無く、炭化珪素もしくはホワイト
アランダムを用いることが最も最適であって、炭化珪素
砥粒もしくはホワイトアランダム砥粒の粒度を研削砥石
車の超砥粒の粒度に比して同等もしくはそれよりも微細
ならしめることによって、レジンボンド超砥粒研削砥石
車ドレッシング作業の能率・低コスト・精度の3者をバ
ランスさせて最も経済的なツルーイング・ドレッシング
作業を可能ならしめる。
【0012】請求項4の発明方法は前記請求項2もしく
は請求項3の発明方法の構成要件に加えて、前記のツル
ーイングをアップカットトラバース方式で行なうととも
に、ドレッシングをダウンカットトラバース方式で行な
うことを特徴とする。以上に説明した請求項4の発明方
法によると、ツルーイングとの関連において本発明に係
るドレッシングを行なって、レジンボンド超砥粒研削砥
石車の形状を高精度で整え、かつ、高度の研削性能(い
わゆる研削の切れ味)が得られる。しかも作業能率が高
くて仕損じが無い。すなわち、回転しつつあるレジンボ
ンド超砥粒砥石車に対してロータリツルアを接触させて
その外周形状を整える場合にアップカットトラバース方
式をとることによって高能率,高精度で加工できること
は、本発明者らによって得られた経験的事実である。ま
た、レジンボンド超砥粒研削砥石車を回転させながら、
該レジンボンド超砥粒研削砥石車と同粒度もしくはそれ
よりも微粒のロータリドレッサを接触させてドレッシン
グする場合、ダウンカットトラバース方式によれば高能
率で、しかも適正な表面状態(レジン基地から超砥粒が
微視的に突出)が得られることは、本発明者らによって
得られた実験的事実である。すなわち、本請求項4の構
成要件を請求項2もしくは請求項3の構成要件に加えて
ツルーイング・ドレッシングを連繋せしめることによっ
て、さらに好適なドレッシング結果が得られる。
【0013】請求項5の発明方法は前記請求項2ないし
請求項4の何れか発明方法の構成要件に加えて、ツルー
イングに際しては、必要にして充分な流量の研削液を注
加して施工し、ドレッシングに際しては、発生した遊離
砥粒を洗い流さない程度に研削液の流量を絞り、主とし
てドレッサから発生した遊離砥粒を少量の研削液と混合
せしめてペースト状にし、このペースト状の遊離砥粒に
よって研削砥石車の外周面に薄層を形成することを特徴
とする。以上に説明した請求項5の発明方法によると、
レジンボンド超砥粒研削砥石車が幅広の形状であって
も、その全幅にわたって均一に、良好な表面状態が得ら
れる。すなわち、ツルーイングに際して、クーラントと
呼ばれる研削液の、必要,充分な流量を供給して注加す
ることは当然であって公知の技術であるが、本発明に係
るドレッシングにおいては、その流量を極度に(例えば
滴下せしめる程度に)絞らねばならない。このように流
量が絞られると、注加された液による冷却効果はほとん
ど無くなるので、これをクーラントと呼ばず研削液と呼
ぶことになる。ドレッシング操作は遊離砥粒によって、
研削砥石車の超砥粒粒子を脱落させないようにボンド基
地の表層を除去するものであって、本発明者らの研究に
よれば、遊離砥粒を少量の研削液で練り合わせてペース
ト状とし、研削砥石車の表面に薄いペースト層を形成す
ることが重要である。本請求項5の発明方法は上述の知
見に基づいて研削液流量を制御することにより、より良
好なドレッシング効果を得ることができる。
【0014】請求項6の発明方法は前記請求項4もしく
は請求項5の発明方法の構成要件に加えて、前記のツル
ーイングを片方向トラバース方式で行ない、前記のドレ
ッシングを往復トラバース方式で行なうことを特徴とす
る。以上に説明した請求項6の発明方法によると、レジ
ンボンド超砥粒研削砥石車の高精度のツルーイングと高
能率のドレッシングとを、ツルーイング・ドレッシング
一貫作業として遂行することができる。すなわち、ツル
ーイングを両方向トラバース方式で行なうと、ロータリ
ツルアの摩耗の影響を受けて研削砥石車のツルーイング
仕上げ形状が中凸傾向を示すが、本請求項6を適用して
片方向トラバースツルーイング方式で行なうことによっ
て上記の中凸傾向を防止することができる。さらに、ド
レッシング作業は遊離砥粒を含んだペーストを研削砥石
車の外周面へ塗り付けるようにして薄層を形成しなけれ
ばならないので、往復トラバース方式が適している。こ
のドレッシング作業は、研削砥石車の外形を修正するも
のではないから、往復トラバース方式を用いても該研削
砥石車の外周面を中凸ならしめる虞れは無い。
【0015】請求項7の発明装置の構成は、センターレ
ス研削盤に装着されるレジンボンドのダイヤモンド研削
砥石車、もしくは同じくCBN研削砥石車をドレッシン
グする装置において、上記研削砥石車と同程度の粒度な
いしそれよりも微細な粒度のロータリドレッサが、その
回転軸をほぼ水平ならしめて回転自在に支持されるとと
もに、該ロータリドレッサを回転駆動する手段を具備し
ていることを特徴とする。以上に説明した請求項7の発
明装置によると、レジンボンド超砥粒研削砥石車と同程
度、もしくはそれよりも微細な粒度のロータリドレッサ
が備えられるとともに、該ロータリドレッサを回転駆動
する手段が設けられているので、前記レジンボンド超砥
粒研削砥石車を形成している超砥粒の粒子を砥石車から
脱落させることなく、ボンド基材の表層を除去して、上
記超砥粒の粒子を微視的に突出せしめることができる。
このような表面状態は、研削砥石が研削性能を完全に発
揮せしめ得る状態(いわゆる切れ味の良い状態)であっ
て、ドレッシング作業の目的とする処である。従来技術
においては、センターレス研削盤に装着された状態のレ
ジンボンド超砥粒研削砥石車は、これを脱却することな
くドレッシングすることが出来ず、センターレス研削盤
から取り外して手作業でドレッシングせざるを得なかっ
たので、上記研削砥石車の取外し、再取付に多大の時間
と労力とを要し、かつ、再取付・心出しに高度の熟練を
要する上に、研削砥石車脱着に因る心狂いを生じる虞れ
が有る上に、手作業が多いため人為的ミスの絶無を期す
ることが困難であった。これに比して本請求項7のドレ
ッシング装置は、研削砥石車がレジンボンド超砥粒であ
っても研削機に装着した状態でドレッシングを行なうこ
とが出来るので、取外し・再取付けの時間・労力を費さ
ない上に、研削砥石車の取外し・再取付けに伴う心狂い
を生じる虞れが無い。すなわち、機上でドレッシングを
終えた状態から、そのままセンターレス研削工程に進行
できるので、その間に研削砥石の取付状態が変わる虞れ
が無い。
【0016】請求項8の発明装置の構成は前記請求項7
の発明の構成要件に加えて、レジンボンド超砥粒研削砥
石車と同程度の粒度ないしそれよりも微細な粒度のロー
タリドレッサ砥石車と、ロータリツルア砥石車とが交換
可能な構造のツルーイング・ドレッシング共用ユニット
を具備していることを特徴とする。以上に説明した請求
項8の発明装置によると、共用ユニットにロータリツル
ア砥石車を装着してレジンボンド超砥粒研削砥石車をツ
ルーイングし、上記ロータリツルア砥石車をロータリド
レッシング砥石車と交換して、前記レジンボンド超砥粒
研削砥石車に対して半自動的に、ツルーイング・ドレッ
シング一貫作業を機上で行なうことができる。
【0017】請求項9の発明装置の構成は前記請求項7
の発明の構成要件に加えて、レジンボンド超砥粒研削砥
石車と同程度の粒度ないしそれよりも微細な粒度のロー
タリドレッサ砥石車を装着されたドレッシングユニット
と、ロータリツルア砥石車を装着されたツルーイングユ
ニットとを具備していることを特徴とする。以上に説明
した請求項9の発明装置によると、レジンボンド超砥粒
研削砥石車に対してツルーイングユニットによりツルー
イングを施した後、該ツルーイングユニットを退避させ
て、ドレッシングユニットにより該超砥粒研削砥石車に
対してドレッシングを施すことができるので、ツルーイ
ング・ドレッシング一貫作業を自動的に機上で行なうこ
とができる。
【0018】請求項10の発明装置の構成は前記請求項
8もしくは請求項9の発明の構成要件に加えて、前記の
ツルアはダイヤモンドツルアであり、かつ、前記のドレ
ッサは、レジンボンドホワイトアランダムもしくはレジ
ンボンド炭化珪素、又は、ビトリファイドボンドホワイ
トアランダムもしくはビトリファイドボンド炭化珪素で
あることを特徴とする。以上に説明した請求項10の発
明によると、レジンボンド超砥粒研削砥石車のツルーイ
ングおよびドレッシングを、精度と能率と経済性とをバ
ランスさせて好適な作業条件で行なうことができる。す
なわち、ツルーイング作業は研削砥石車の外周面の形状
を整えるものであるから、超砥粒研削砥石車をツルーイ
ングするにはダイヤモンドツルアであることを要し、ダ
イヤモンド以外のツルアは価格は安いがツルーイング作
業能率が悪く、その上ツルアの損耗が激しいので却って
不経済である。また、ドレッシング作業は研削砥石の外
周面のマクロな形状を変えずに、かつ砥粒を脱落させな
いでボンド材のみを除去するものであるから、相手部材
である超砥粒研削砥石の超砥粒に比して硬度の低いホワ
イトアランダムもしくは炭化珪素ドレッサを用いること
が好適である。これらのホワイトアランダム砥粒もしく
は炭化珪素砥粒の一部は遊離砥粒になって研削砥石車の
外周面に分散してドレッシング作用を果たす。この場合
の遊離砥粒の粒度が超砥粒研削砥石車の砥粒粒度と同程
度もしくはそれ以下であると、超砥粒を離脱せしめるこ
となくレジン基材を取り除くことができる。
【0019】請求項11の発明装置の構成は前記請求項
10の発明の構成に加えて、前記のツルーイングユニッ
トが、研削機に装着されて回転している研削砥石車に対
してアップカットトラバース作動する構造であり、か
つ、前記のドレッシングユニットが、研削機に装着され
て回転している研削砥石車に対してダウンカットトラバ
ース作動する構造であることを特徴とする。以上に説明
した請求項11の発明によると、レジンボンド超砥粒研
削砥石車に対してダイヤモンドツルアによってツルーイ
ングする際、作業者が意識的に操作しなくてもダイヤモ
ンド回転砥石がアップカットトラバース形に接触して、
該レジンボンド超砥粒研削砥石車の外周面が高能率で高
精度にツルーイング仕上げされ、作業者の知識不足や手
違いでダウンカット操作してしまう虞れが無い。また、
レジンボンド超砥粒研削砥石車に対してロータリドレッ
シング砥石車を接触させてドレッシングする際、作業者
が意識的に操作しなくても該ロータリドレッシング砥石
車がダウンカット方向に回転してダウンカットトラバー
ス方式のドレッシングが行なわれて良好な表面状態を得
ることができ、作業者の教育不足や不注意でアップカッ
ト方向にドレッシングしてしまう虞れが無い。以上のよ
うにして、格別の知識や注意力を必要とせず、最も適正
な回転方向でツルーイング・ドレッシングが行なわれ、
人為的なミスによって不適正な操作が行なわれる虞れが
無い。
【0020】請求項12の発明装置の構成は前記請求項
9の発明の構成要件に加えて、前記のツルーイングユニ
ットとドレッシングユニットとはそれぞれ研削液注加手
段を備えており、もしくは共通の研削液注加手段を備え
ていて、ツルーイングユニットの作動中は、ツルーイン
グに必要にして充分な研削液流量となり、ドレッシング
ユニットの作動中は、遊離砥粒を洗い流すことなく、該
遊離砥粒と混合してペースト状となる程度に流量が絞ら
れるような流量自動制御手段を具備していることを特徴
とする。以上に説明した請求項12の発明によると、作
業者が研削液(クーラント)の流量調節に関する高度の
知識を有していなかったり、研削液流量調節について格
別に注意を払わなかったりしても、ドレッシングに際し
ては自動的に流量が絞られる。このため、ロータリドレ
ッシング砥石車から遊離した砥粒は少量の研削液と混合
してペースト状となり、研削砥石車の外周面に薄層を形
成する。このような状態は、レジンボンド超砥粒研削砥
石車の超砥粒粒子を脱落せしめることなくボンド基材の
表層を取り除くために最も好適な状態である。本請求項
12の発明によると、研削液の流量調節に関して最も望
ましい状態を自動的に現出せしめて良好なドレッシング
を行ない得るようにすることができる。
【0021】請求項13の発明装置の構成は前記請求項
9ないし請求項12の発明の構成に加えて、前記のツル
ーイングユニットは片方向ツルーイング作動をする構造
であり、かつ、前記のドレッシングユニットは往復ドレ
ッシング作動をする構造であることを特徴とする。以上
に説明した請求項13の発明によると、作業者がツルー
イングの作動原理やドレッシングの作動原理に精通して
いなくても、自動的に最も望ましいロータリ砥石回転方
向が選択される。すなわち、ツルーイング作業時には片
方向ツルーイング作動するので、ロータリツルアの摩耗
によって研削砥石車外周面が中凸になる虞れが無い。ま
たドレッシング作業時には往復ドレッシング作動するの
で、ロータリドレッシング砥石から発生した遊離砥粒が
研削液と混合して形成されたペースト状物質が研削砥石
車外周面に薄層となって付着し、超砥粒粒子を脱落せし
めずにレジン基地の表層を削り取る作用を果たす。本請
求項13の発明によると、トラバースの様式(片方向か
往復か)に関して最も望ましい状態を自動的に現出せし
めて良好なドレッシングを行ない得るようにすることが
できる。
【0022】請求項14の発明に係るセンターレス研削
盤は、(イ)レジンボンド超砥粒砥石車と、(ロ)上記
砥石車と同粒度もしくはそれよりも微細な粒度のホワイ
トアランダムロータリドレッサ、または、前記砥石車と
同粒度もしくはそれよりも微細な粒度の炭化珪素ロータ
リドレッサとが装着されていることを特徴とする。以上
に説明した請求項14の発明によると、レジンボンド超
砥粒砥石車をドレッシングする場合、該レジンボンド超
砥粒砥石車をセンターレス研削盤から脱却することなく
機上で回転させながら、ロータリドレッサを用いて機上
でドレッシングすることができる。この場合、ロータリ
ドレッサの粒度がレジンボンド超砥粒砥石車の粒度と同
等,もしくはそれ以下であることを必要条件として、レ
ジンボンド超砥粒砥石車の超砥粒を脱落せしめることな
くレジンボンド材の表層を取り除いて、超砥粒の粒子を
微視的に突出させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る研削砥石車
のドレッシング方法を実施するために構成した本発明に
係るドレッシング装置を示す模式的な平面図であって、
(A)はツルーイング工程を、(B)は段取り替え工程
を、(C)はドレッシング工程を、それぞれ描いてあ
る。4はレジンボンド超砥粒研削砥石車であって、上記
の超砥粒はダイヤモンドであっても良く、CBN(立方
晶窒化ボロン)であっても良い。上記のレジンボンド超
砥粒研削砥石車4はセンターレス研削盤(図示省略)に
装着され、中心軸Yの回りに回転駆動されるようになっ
ている。図示の5は、ツルーイング兼ドレッシングユニ
ットであって、水平な直交2軸X−Y方向に駆動される
移動ベース5aに搭載されたモータ5bにより、プーリ
・ベルト機構5cを介して回転砥石軸5dが正,逆転可
能に回転駆動されるようになっている。本発明において
ユニットとは、ほぼ水平面内で移動するベース部材の上
に、ドレッサもしくはツルアを装着する回転軸と、その
駆動機構とを搭載した機器をいう。
【0024】(図1(A)参照)前記回転砥石軸5d
に、ダイヤモンド砥粒よりなるロータリツルア砥石車
(以下、紛らわしくない場合はロータリツルアと略称す
る)6を装着する。上記ロータリツルア6と交換して回
転砥石軸5dに装着し得るロータリドレッサ砥石車(紛
らわしくない場合はロータリドレッサと略称)7が準備
されている。上記ロータリドレッサ7は、砥粒としてG
C(炭化珪素)もしくはWA(ホワイトアランダム)を
用いたものであり、ボンド材として樹脂系材料であるレ
ジンもしくはアルミナ系のビトリファイドを用いたもの
である。そして、上記砥粒の粒度は前記研削砥石車4と
同程度もしくはそれよりも微細な粒度とする。
【0025】本実施形態においては、回転砥石軸5dを
Y軸方向に揃え、モータ5bによってロータリツルア6
を回転させながら、移動ベース5aをY軸と平行に矢印
a方向に移動させ、トラバースツルーイングする。研削
砥石車4の外周面を矢印a方向にツルーイングすると、
矢印bのように該研削砥石車4から離間し、矢印c,矢
印dのように原位置に復元して、必要に応じてこの動作
を繰り返す。すなわち、片方向トラバース方式でツルー
イングを行なう。いま仮に、往復ツルーイングを行なっ
たとすると、ロータリツルア6の摩耗による減寸の影響
を受けて、研削砥石車4が中凸形になるが、片方向ツル
ーイングすることによって中凸傾向が防止される。図1
(A)に関する以上の説明は、研削砥石車4を直円柱状
に仕上げる場合である。研削砥石車の仕上げ形状は必ず
しも直円柱状ではないが、異形の研削砥石車をツルーイ
ングする場合は適宜の公知技術を適用して所望の形状に
ツルーイングすれば良い。従って本発明を実施する場
合、移動ベース5aおよびロータリツルア6のトラバー
ス方向は、必ずしもY方向ではないが、要するに研削砥
石車の厚さ方向に移動させる。本発明においては砥石の
厚さ方向とは、ほぼ回転軸方向の意である。
【0026】図1(A)について述べたツルーイングに
おけるロータリツルア6の回転方向はアップカット方向
とする。本実施形態におけるツルーイングの方式は、ア
ップカット片方向トラバース方式である。図2は、本発
明の実施形態における砥石車の回転方向を説明するため
に示した模式的な側面図であって、(A)はツルーイン
グにおけるアップカット方向の回転状態を描いてあり、
(B)はドレッシングにおけるダウンカット方向の回転
状態を描いてある。図1(A)に示したツルーイング工
程は、図2(A)に示したアップカット方式で施工され
る。これにより、高能率で、正確な形状に、研削砥石車
4がツルーイング仕上げされる。ツルーイングを終える
と、図1(B)に表したように、回転砥石軸5dからロ
ータリツルア6を取外し、ロータリドレッサ7を取り付
ける。これにより、ツルーイングユニットとして使用し
ていた符号5の構成部分が、ドレッシングユニットとし
て使用し得る状態になる。(図1(C)参照)ロータリ
ドレッサ7を装着したツルーイング兼ドレッシングユニ
ット5の回転軸5dをダウンカット方向に回転させなが
ら、移動ベース5aを矢印a,eのごとく往復駆動し
て、往復トラバースドレッシングを行なう。上記のダウ
ンカット方向は図2(B)に示すごとくである。往復ト
ラバースさせることにより、ロータリドレッサから遊離
した砥粒が研削砥石車4の外周面に均一に分散され、均
一で良好な外周面状態が形成(ドレッシング)される。
この場合、研削液(クーラント)によって遊離砥粒を洗
い流すことなく少量の研削液と遊離砥粒とが混合してペ
ースト状となる程度に研削液流量を絞る。
【0027】上記の研削液流量の調節は手動で行なって
も良いが、ドレッシング時には流量が絞られるように自
動制御手段を設ければ便利である。
【0028】図1(A)〜(C)に表されている一連の
工程において、研削砥石車4はセンターレス研削盤(図
示省略)に取り付けられたままで取外し・再取付が行な
われない。従って、該センターレス研削盤に対するレジ
ンボンド超砥粒研削砥石車(研削砥石車4)の心出し状
態が変化しない。
【0029】本実施形態の効果を考察するための思考実
験として、回転軸Yに対する研削砥石車4の取付状態に
微量の心狂いが有った場合について考えてみると、図1
(A)のツルーイング工程前の状態では研削砥石車4の
外周面が回転軸Yに対して微量に偏心している。図1
(B)の、ツルーイングを終えた状態では、機上ツルー
イングの結果として、研削砥石車4の外周面は回転軸Y
と同心に削正されている。図1(C)のドレッシング
は、同心に削正された状態を崩さずに行なわれ、ドレッ
シングを終了した状態のままで、センタレス研削が行な
われる。このようにして、研削砥石車4の取外し・取付
けに伴う心狂いの影響を受けること無く、ツルーイング
・ドレッシングが行なわれる。以上のようにして、レジ
ンボンド超砥粒(ダイヤモンド砥粒,CBN砥粒)研削
砥石車の外周面(センターレス加工をする面)に、超砥
粒の粒子を微視的に突出せしめて、ボンド基材の表層を
取り除き、良好な研削性能を発揮せしめ得るようにな
る。
【0030】図3は、前掲の図1に示された実施形態と
異なる実施形態に係るドレッシング装置を表した模式的
な平面図であって、(A)はツルーイングユニットによ
るツルーイング作動の状態を描き、(B)はドレッシン
グユニットによるドレッシング作動の状態を描いてあ
る。本実施形態におけるツルーイングユニット8は、前
記実施形態(図1)におけるツルーイング兼ドレッシン
グユニット5と類似の構成部分であって、移動ベース8
a上に、モータ8bが搭載され、プーリ・ベルト手段8
cを介して回転砥石軸8dを回転駆動できるようになっ
ている。上記移動ベース8aは、水平な直交2軸X,Y
方向に平行移動できる構造である。本実施形態のモータ
8bは、前記回転砥石軸8dに装着されたロータリツル
ア6をアップカット方向に回転させるように回転する。
そして、移動ベース8aの移動によって前記ロータリツ
ルア6は研削砥石車4に対して、矢印a,b,c,dの
ようにアップカット片方向ツルーイング作動をする。上
記ロータリツルア6の作動のみに着目すると、本図3
(A)における作動は前記実施形態(図1(A))にお
ける作動と同様である。本図3(A)の実施形態におい
ては、前記ツルーイングユニット8を左右対称に変形し
たドレッシングユニット9が設けられている。ただしこ
のドレッシングユニット9は、回転砥石軸9dに装着さ
れたロータリドレッサ7を、研削砥石車4に対してダウ
ンカット方向に回転させるようになっており、移動ベー
ス9aは図3(B)に示す矢印f,矢印gのように往復
動するように駆動される構造になっている。これによ
り、ロータリドレッサ7は研削砥石車4に対してダウン
カット往復トラバースドレッシングを行なう。本実施形
態の(B)図に示したロータリドレッサ7の作動と、前
記実施形態の図1(C)に示したロータリドレッサ7の
作動とは同様である。
【0031】本実施形態(図3)におけるロータリツル
ア6の作動が前記実施形態(図1)の作動と同様であ
り、本実施形態におけるロータリドレッサ7の作動が前
記実施形態のロータリドレッサ7の作動と同様であるか
ら、本実施形態におけるツルーイング・ドレッシング効
果は原則的に前記実施形態のツルーイング・ドレッシン
グ効果と同様ないしは類似である。前記実施形態(図
1)はツルーイング兼ドレッシングユニット5を設けた
構造であるから製造コストが安価で、センターレス研削
盤全体が小形,軽量に構成され、ツルーイング・ドレッ
シング一貫作業を、迅速,容易に半自動的に遂行するこ
とができる。本実施形態(図3)は、ツルーイングユニ
ット8とドレッシングユニット9とが設けられているの
で、ロータリツルア6とロータリドレッサ7との交換作
業を必要とせずに、ツルーイング・ドレッシング一貫作
業を自動的に遂行することができる。
【0032】図4は、前掲の図1に示したようにツルー
イング兼ドレッシングユニットを備えた実施形態のドレ
ッシング装置を有するセンターレス研削盤の1例を示す
部分破断側面図である。図4に示した研削砥石車4は、
原理図として先に示した図6の研削砥石車4に対応する
構成部材であり、調整砥石車3も同様に図6の調整砥石
3に対応する構成部材である。ただし、本実施形態(図
4)の研削砥石車4は、レジンボンド超砥粒(ダイヤモ
ンド砥粒もしくはCBN砥粒)である。図4に示したツ
ルーイング・ドレッシングユニット5は、原理的な模式
図である図1に示したツルーイング・ドレッシングユニ
ット5に対応する構成部分であって、モータ5b、およ
びプーリ・ベルト5cも、それぞれ図1に示したものに
対応する構造部分である。上記ツルーイング・ドレッシ
ングユニット5に対して、ロータリツルア6とロータリ
ドレッサ7とを交換装着できるようになっている。この
ツルーイング・ドレッシングユニットのさらに詳細な構
造については、図5を参照して後に説明する。上記モー
タ5bは、ツルーイング時にはロータリツルア6をアッ
プカット方向に回転させ、ドレッシング時にはロータリ
ドレッサ7をダウンカット方向に回転させるよう、正,
逆転操作可能な構造になっている。
【0033】ツルーイング・ドレッシングユニット5を
搭載した台座部分(原理的模式図である図1において移
動ベース5aとして表した部分)は、トラバースガイド
10によって紙面と垂直に(すなわち研削砥石車4の厚
さ方向に)往復駆動されるように案内されている。駆動
機構は図5を参照して後述する。
【0034】図5は、前掲の図4に描かれたツルーイン
グ兼ドレッシングユニット部分を示し、(A)は研削砥
石車に対応せしめて描いた平面図、(B)は研削砥石車
に接触している状態の側面図である。図5(A)に示し
たトラバースモータ15は、当該ツルーイング兼ドレッ
シングユニットをY軸方向に往復駆動する。トラバース
方向の案内面はジャバラ形カバー16で保護されてい
る。
【0035】図5(A)および同図(B)に示した切込
みモータ14は、上記ツルーイング兼ドレッシングユニ
ットをX軸方向に往復駆動する。
【0036】図4に示した実施形態の側面図について、
単に輪郭線のみを見るときは、従来技術におけるツルア
を備えたセンターレス研削盤の側面図と類似している。
【0037】このセンターレス研削盤にレジンボンド超
砥粒(ダイヤモンド砥粒もしくはCBN砥粒)研削砥石
車と、上記研削砥石車と同程度もしくはそれよりも微細
な粒度のホワイトアランダムロータリドレッサ砥石車ま
たは炭化珪素ロータリドレッサ砥石車を装着したセンタ
ーレス研削盤を構成すると、本発明に係るドレッシング
方法を実施するに好適である。
【0038】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成・作用を明らかならしめたように、請求項1の発明方
法によると、ダイヤモンドもしくはCBNをレジンボン
ド材で接着・結合されたレジンボンド超砥粒研削砥石車
に対して、該超砥粒研削砥石車と同粒度のロータリドレ
ッサを接触させることにより「研削砥石車を構成してい
る超砥粒の粒子」を該研削砥石車から脱落せしめること
なく、レジンボンド材の表層を除去することができる。
前記超砥粒砥石車よりも微細な粒度のロータリドレッサ
を接触せしめると、上述の場合と同様に、研削砥石車の
超砥粒粒子を脱落せしめることなくレジンボンド材の表
層除去が可能であり、ドレッシングの作業効率は同粒度
の場合よりも低下するが寸法精度は同粒度の場合よりも
良くなる。超砥粒研削砥石車を機上でドレッシングする
ことにより、能率向上および精度向上(取付,取外しに
伴う心狂いの防止)効果が得られる。
【0039】請求項2の発明方法によると、ツルーイン
グに引き続いて、もしくはツルーイングとツルーイング
との間に複数回くり返して請求項1に係るドレッシング
方法を行なうことにより、センタレス研削作業を工業的
規模で施行する場合に不可欠なツルーイング作業との関
係において、請求項1に係る発明を有効に実施して実用
的効果を奏することができる。すなわち、新品のレジン
ボンド超砥粒研削砥石車の使用を開始する際、および、
使用による損耗が寸法精度に影響をおよぼす虞れを生じ
たとき(詳しくは、虞れを生じるに先立って)ドレッシ
ングとは異なる作業であるツルーイングを行なわねばな
らないが、ツルーイングを行なった後、研削作業を開始
するまでに請求項1に係るドレッシング作業を実施する
ことによって研削性能を発揮せしめることができ、さら
に、ツルーイング直後の他にも、超砥粒研削砥石外周面
の超砥粒が脱落したり、超砥粒研削砥石外周面に異物が
付着して薄層をなす目詰まりを生じたりして研削性能が
劣化したときは、前記請求項1に係るドレッシング方法
を実施することによって研削性能を復活させることがで
き、これらの研削性能の発揮および研削性能の復活を、
研削砥石車を着脱することなく、従って該研削砥石車の
心出し状態を狂わせることなく、しかも、格別の熟練を
必要とせずに迅速に達成することができる。
【0040】請求項3の発明方法によると、作業能率と
材料コストと仕上げ精度とのバランスにおいて、最も経
済的に優れたツルーイング・ドレッシングを行なうこと
ができる。すなわち、ツルーイングは相手部材である超
砥粒研削砥石のマクロ的な輪郭を形成するように、その
表面を削り取る作業であるから、ダイヤモンド砥粒を用
いることが最適であって、安価な一般砥粒のロータリド
レッサを用いると作業能率が低い上にロータリドレッサ
の損耗が激しく却って不経済である。
【0041】そして、ドレッシングはツルーイングと異
なり、研削砥石車の砥粒を脱落せしめることなくボンド
材の表層を除去するのであるから、高価なダイヤモンド
などを使用する必要は無く、炭化珪素もしくはホワイト
アランダムを用いることが最も最適であって、炭化珪素
砥粒もしくはホワイトアランダム砥粒の粒度を研削砥石
車の超砥粒の粒度に比して同等もしくはそれよりも微細
ならしめることによって、レジンボンド超砥粒研削砥石
車ドレッシング作業の能率・低コスト・精度の3者をバ
ランスさせて最も経済的なツルーイング・ドレッシング
作業を可能ならしめる。
【0042】請求項4の発明方法によると、ツルーイン
グとの関連において本発明に係るドレッシングを行なっ
て、レジンボンド超砥粒研削砥石車の形状を高精度で整
え、かつ、高度の研削性能(いわゆる研削の切れ味)が
得られる。しかも作業能率が高くて仕損じが無い。すな
わち、回転しつつあるレジンボンド超砥粒砥石車に対し
てロータリツルアを接触させてその外周形状を整える場
合にアップカットトラバース方式をとることによって高
能率,高精度で加工できることは、本発明者らによって
得られた経験的事実である。また、レジンボンド超砥粒
研削砥石車を回転させながら、該レジンボンド超砥粒研
削砥石車と同粒度もしくはそれよりも微粒のロータリド
レッサを接触させてドレッシングする場合、ダウンカッ
トトラバース方式によれば高能率で、しかも適正な表面
状態(レジン基地から超砥粒が微視的に突出)が得られ
ることは、本発明者らによって得られた実験的事実であ
る。すなわち、本請求項4の構成要件を請求項2もしく
は請求項3の構成要件に加えてツルーイング・ドレッシ
ングを連繋せしめることによって、さらに好適なドレッ
シング結果が得られる。
【0043】請求項5の発明方法によると、レジンボン
ド超砥粒研削砥石車が幅広の形状であっても、その全幅
にわたって均一に、良好な表面状態が得られる。すなわ
ち、ツルーイングに際して、クーラントと呼ばれる研削
液の、必要,充分な流量を供給して注加することは当然
であって公知の技術であるが、本発明に係るドレッシン
グにおいては、その流量を極度に(例えば滴下せしめる
程度に)絞らねばならない。このように流量が絞られる
と、注加された液による冷却効果はほとんど無くなるの
で、これをクーラントと呼ばず研削液と呼ぶことにな
る。ドレッシング操作は遊離砥粒によって、研削砥石車
の超砥粒粒子を脱落させないようにボンド基地の表層を
除去するものであって、本発明者らの研究によれば、遊
離砥粒を少量の研削液で練り合わせてペースト状とし、
研削砥石車の表面に薄いペースト層を形成することが重
要である。本請求項5の発明方法は上述の知見に基づい
て研削液流量を制御することにより、より良好なドレッ
シング効果を得ることができる。
【0044】請求項6の発明方法によると、レジンボン
ド超砥粒研削砥石車の高精度のツルーイングと高能率の
ドレッシングとを、ツルーイング・ドレッシング一貫作
業として遂行することができる。すなわち、ツルーイン
グを両方向トラバース方式で行なうと、ロータリツルア
の摩耗の影響を受けて研削砥石車のツルーイング仕上げ
形状が中凸傾向を示すが、本請求項6を適用して片方向
トラバースツルーイング方式で行なうことによって上記
の中凸傾向を防止することができる。さらに、ドレッシ
ング作業は遊離砥粒を含んだペーストを研削砥石車の外
周面へ塗り付けるようにして薄層を形成しなければなら
ないので、往復トラバース方式が適している。このドレ
ッシング作業は、研削砥石車の外形を修正するものでは
ないから、往復トラバース方式を用いても該研削砥石車
の外周面を中凸ならしめる虞れは無い。
【0045】請求項7の発明装置によると、レジンボン
ド超砥粒研削砥石車と同程度、もしくはそれよりも微細
な粒度のロータリドレッサが備えられるとともに、該ロ
ータリドレッサを回転駆動する手段が設けられているの
で、前記レジンボンド超砥粒研削砥石車を形成している
超砥粒の粒子を砥石車から脱落させることなく、ボンド
基材の表層を除去して、上記超砥粒の粒子を微視的に突
出せしめることができる。このような表面状態は、研削
砥石が研削性能を完全に発揮せしめ得る状態(いわゆる
切れ味の良い状態)であって、ドレッシング作業の目的
とする処である。従来技術においては、センターレス研
削盤に装着された状態のレジンボンド超砥粒研削砥石車
は、これを脱却することなくドレッシングすることが出
来ず、センターレス研削盤から取り外して手作業でドレ
ッシングせざるを得なかったので、上記研削砥石車の取
外し、再取付に多大の時間と労力とを要し、かつ、再取
付・心出しに高度の熟練を要する上に、研削砥石車脱着
に因る心狂いを生じる虞れが有る上に、手作業が多いた
め人為的ミスの絶無を期することが困難であった。これ
に比して本請求項7のドレッシング装置は、研削砥石車
がレジンボンド超砥粒であっても研削盤に装着した状態
でドレッシングを行なうことが出来るので、取外し・再
取付けの時間・労力を費さない上に、研削砥石車の取外
し・再取付けに伴う心狂いを生じる虞れが無い。すなわ
ち、機上でドレッシングを終えた状態から、そのままセ
ンタレス研削工程に進行できるので、その間に研削砥石
の取付状態が変わる虞れが無い。
【0046】請求項8の発明装置によると、共用ユニッ
トにロータリツルア砥石車を装着してレジンボンド超砥
粒研削砥石車をツルーイングし、上記ロータリツルア砥
石車をロータリドレッシング砥石車と交換して、前記レ
ジンボンド超砥粒研削砥石車に対して半自動的に、ツル
ーイング・ドレッシング一貫作業を機上で行なうことが
できる。
【0047】請求項9の発明装置によると、レジンボン
ド超砥粒研削砥石車に対してツルーイングユニットによ
りツルーイングを施した後、該ツルーイングユニットを
退避させて、ドレッシングユニットにより該超砥粒研削
砥石車に対してドレッシングを施すことができるので、
ツルーイング・ドレッシング一貫作業を自動的に機上で
行なうことができる。
【0048】請求項10の発明によると、レジンボンド
超砥粒研削砥石車のツルーイングおよびドレッシング
を、精度と能率と経済性とをバランスさせて好適な作業
条件で行なうことができる。すなわち、ツルーイング作
業は研削砥石車の外周面の形状を整えるものであるか
ら、超砥粒研削砥石車をツルーイングするにはダイヤモ
ンドツルアであることを要し、ダイヤモンド以外のツル
アは価格は安いがツルーイング作業能率が悪く、その上
ツルアの損耗が激しいので却って不経済である。また、
ドレッシング作業は研削砥石の外周面のマクロな形状を
変えずに、かつ砥粒を脱落させないでボンド材のみを除
去するものであるから、相手部材である超砥粒研削砥石
の超砥粒に比して硬度の低いホワイトアランダムもしく
は炭化珪素ドレッサを用いることが好適である。これら
のホワイトアランダム砥粒もしくは炭化珪素砥粒の一部
は遊離砥粒になって研削砥石車の外周面に分散してドレ
ッシング作用を果たす。この場合の遊離砥粒の粒度が超
砥粒研削砥石車の砥粒粒度と同程度もしくはそれ以下で
あると、超砥粒を離脱せしめることなくレジン基材を取
り除くことができる。
【0049】請求項11の発明によると、レジンボンド
超砥粒研削砥石車に対してダイヤモンドツルアによって
ツルーイングする際、作業者が意識的に操作しなくても
ダイヤモンド回転砥石がアップカットトラバース形に接
触して、該レジンボンド超砥粒研削砥石車の外周面が高
能率で高精度にツルーイング仕上げされ、作業者の知識
不足や手違いでダウンカット操作してしまう虞れが無
い。また、レジンボンド超砥粒研削砥石車に対してロー
タリドレッシング砥石車を接触させてドレッシングする
際、作業者が意識的に操作しなくても該ロータリドレッ
シング砥石車がダウンカット方向に回転してダウンカッ
トトラバース方式のドレッシングが行なわれて良好な表
面状態を得ることができ、作業者の教育不足や不注意で
アップカット方向にドレッシングしてしまう虞れが無
い。以上のようにして、格別の知識や注意力を必要とせ
ず、最も適正な回転方向でツルーイング・ドレッシング
が行なわれ、人為的なミスによって不適正な操作が行な
われる虞れが無い。
【0050】請求項12の発明によると、作業者が研削
液(クーラント)の流量調節に関する高度の知識を有し
ていなかったり、研削液流量調節について格別に注意を
払わなかったりしても、ドレッシングに際しては自動的
に流量が絞られる。このため、ロータリドレッシング砥
石車から遊離した砥粒は少量の研削液と混合してペース
ト状となり、研削砥石車の外周面に薄層を形成する。こ
のような状態は、レジンボンド超砥粒研削砥石車の超砥
粒粒子を脱落せしめることなくボンド基材の表層を取り
除くために最も好適な状態である。本請求項12の発明
によると、研削液の流量調節に関して最も望ましい状態
を自動的に現出せしめて良好なドレッシングを行ない得
るようにすることができる。
【0051】請求項13の発明によると、作業者がツル
ーイングの作動原理やドレッシングの作動原理に精通し
ていなくても、自動的に最も望ましいロータリ砥石回転
方向が選択される。すなわち、ツルーイング作業時には
片方向ツルーイング作動するので、ロータリツルアの摩
耗によって研削砥石車外周面が中凸になる虞れが無い。
またドレッシング作業時には往復ドレッシング作動する
ので、ロータリドレッシング砥石から発生した遊離砥粒
が研削液と混合して形成されたペースト状物質が研削砥
石車外周面に薄層となって付着し、超砥粒粒子を脱落せ
しめずにレジン基地の表層を削り取る作用を果たす。本
請求項13の発明によると、トラバースの様式(片方向
か往復か)に関して最も望ましい状態を自動的に現出せ
しめて良好なドレッシングを行ない得るようにすること
ができる。
【0052】請求項14の発明によると、レジンボンド
超砥粒砥石車をドレッシングする場合、該レジンボンド
超砥粒砥石車をセンターレス研削盤から脱却することな
く機上で回転させながら、ロータリドレッサを用いて機
上でドレッシングすることができる。この場合、ロータ
リドレッサの粒度がレジンボンド超砥粒砥石車の粒度と
同等,もしくはそれ以下であることを必要条件として、
レジンボンド超砥粒砥石車の超砥粒を脱落せしめること
なくレジンボンド材の表層を取り除いて、超砥粒の粒子
を微視的に突出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る研削砥石車のドレッシング方法を
実施するために構成した本発明に係るドレッシング装置
を示す模式的な平面図であって、(A)はツルーイング
工程を、(B)は段取り替え工程を、(C)はドレッシ
ング工程を、それぞれ描いてある。
【図2】本発明の実施形態における砥石車の回転方向を
説明するために示した模式的な側面図であって、(A)
はツルーイングにおけるアップカット方向の回転状態を
描いてあり、(B)はドレッシングにおけるダウンカッ
ト方向の回転状態を描いてある。
【図3】前掲の図1に示された実施形態と異なる実施形
態に係るドレッシング装置を表した模式的な平面図であ
って、(A)はツルーイングユニットによるツルーイン
グ作動の状態を描き、(B)はドレッシングユニットに
よるドレッシング作動の状態を描いてある。
【図4】前掲の図1に示したようにツルーイング兼ドレ
ッシングユニットを備えた実施形態のドレッシング装置
を有するセンターレス研削盤の1例を示す部分破断側面
図である。
【図5】前掲の図4に描かれたツルーイング兼ドレッシ
ングユニット部分を示し、(A)は研削砥石車に対応せ
しめて描いた平面図、(B)は研削砥石車に接触してい
る状態の側面図である。
【図6】センターレスグラインダ(無心研削盤)の基本
的な構造・機能を説明するために示した模式的な正面図
である。
【符号の説明】
1…被加工物、2…ブレード、3…調整砥石、4…研削
砥石、5…ツルーイングユニット、5a…移動ベース、
5b…モータ、5c…プーリ・ベルト、5d…回転砥石
軸、6…ロータリツルア、8…ツルーイングユニット、
8a…移動ベース、8b…モータ、8c…プーリ・モー
タ、8d…回転砥石軸、9…ドレッシングユニット、9
a…移動ベース、9b…モータ、9c…プーリ・モー
タ、9d…回転砥石軸、10…トラバースガイド、11
…旋回盤、12…調整砥石ツルア、13…切込みスライ
ドベース、14…切込みモータ、15…トラバースモー
タ、16…ジャバラ形カバー、a…ロータリ砥石車のト
ラバース作動方向、b…ロータリツルアの離間方向、c
…ロータリツルアのアイドリング帰還方向、d…ロータ
リツルアの接近復元方向、e…ロータリドレッサのアイ
ドリング帰還方向、L…被加工物の回転方向、R1…調
整砥石の回転方向、R2…研削砥石の回転方向、H…心
高、α…ブレードの頂角、β…研削砥石に対する心高
角、γ…調整砥石に対する心高角、X…ほぼ水平な座標
軸、Y…砥石車の回転中心である水平軸。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センターレス研削盤に装着されるレジン
    ボンドのダイヤモンド研削砥石車もしくはレジンボンド
    のCBN研削砥石車をドレッシングする方法において、 研削砥石車を研削盤に装着して回転させつつある状態
    で、 前記ダイヤモンドもしくはCBN研削砥石車と同程度の
    粒度ないしそれよりも微細な粒度のロータリドレッサを
    研削砥石車の外周面に接触せしめつつ、該研削砥石車の
    厚さ方向に移動させて、研削砥石車の外周面付近のボン
    ド材を除去して砥粒を微視的に突出させることを特徴と
    する、センターレス研削盤用砥石車のドレッシング方
    法。
  2. 【請求項2】 センターレス研削盤に装着されるレジン
    ボンド超砥粒研削砥石車をドレッシングする方法におい
    て、 研削盤に装着されて回転している研削砥石車に対して、
    ツルアを接近させ,接触させて、研削砥石車の外周面を
    所望の形状に整えるツルーイングを行ない、 上記のツルーイングと、次回のツルーイングとの間に1
    回もしくは複数回、ドレッサを研削砥石車に接近させ,
    接触させて、研削砥石車外周面付近のボンド材を除去し
    て砥粒を微視的に突出させるドレッシングを行なうこと
    により、研削砥石車を研削機から脱却することなくツル
    ーイングとドレッシングとを自動的ないし半自動的に遂
    行することを特徴とする、請求項1に記載したセンター
    レス研削盤用砥石車のドレッシング方法。
  3. 【請求項3】 前記のツルーイングはダイヤモンドツル
    アを用いて行ない、 前記のドレッシングは、ホワイトアランダム砥粒もしく
    は炭化珪素砥粒を、レジンボンド材もしくはビトリファ
    イドボンド材によって成形したロータリドレッサを用い
    て行なうことを特徴とする、請求項2に記載したセンタ
    ーレス研削盤用砥石車のドレッシング方法。
  4. 【請求項4】 前記のツルーイングをアップカットトラ
    バース方式で行なうとともに、ドレッシングをダウンカ
    ットトラバース方式で行なうことを特徴とする、請求項
    2もしくは請求項3に記載したセンターレス研削盤用砥
    石車のドレッシング方法。
  5. 【請求項5】 ツルーイングに際しては、必要にして充
    分な流量の研削液を注加して施工し、 ドレッシングに際しては、発生した遊離砥粒を洗い流さ
    ない程度に研削液の流量を絞り、 主としてドレッサから発生した遊離砥粒を少量の研削液
    と混合せしめてペースト状にし、このペースト状の遊離
    砥粒によって研削砥石車の外周面に薄層を形成すること
    を特徴とする、請求項2ないし請求項4の何れかに記載
    したセンターレス研削盤用砥石車のドレッシング方法。
  6. 【請求項6】 前記のツルーイングを片方向トラバース
    方式で行ない、 前記のドレッシングを往復トラバース方式で行なうこと
    を特徴とする、請求項4もしくは請求項5に記載したセ
    ンターレス研削盤用砥石車のドレッシング方法。
  7. 【請求項7】 センターレス研削盤に装着されるレジン
    ボンドのダイヤモンド研削砥石車、もしくは同じくCB
    N研削砥石車をドレッシングする装置において、 上記研削砥石車と同程度の粒度ないしそれよりも微細な
    粒度のロータリドレッサが、その回転軸をほぼ水平なら
    しめて回転自在に支持されるとともに、該ロータリドレ
    ッサを回転駆動する手段を具備していることを特徴とす
    る、センターレス研削盤用砥石車のドレッシング装置。
  8. 【請求項8】 レジンボンド超砥粒研削砥石車と同程度
    の粒度ないしそれよりも微細な粒度のロータリドレッサ
    砥石車と、ロータリツルア砥石車とが交換可能な構造の
    ツルーイング・ドレッシング共用ユニットを具備してい
    ることを特徴とする、請求項7に記載したセンターレス
    研削盤用砥石車のドレッシング装置。
  9. 【請求項9】 レジンボンド超砥粒研削砥石車と同程度
    の粒度ないしそれよりも微細な粒度のロータリドレッサ
    砥石車を装着されたドレッシングユニットと、ロータリ
    ツルア砥石車を装着されたツルーイングユニットとを具
    備していることを特徴とする請求項7に記載したセンタ
    ーレス研削盤用砥石車のドレッシング装置。
  10. 【請求項10】 前記のツルアはダイヤモンドツルアで
    あり、 かつ、前記のドレッサは、レジンボンドホワイトアラン
    ダムもしくはレジンボンド炭化珪素、又は、ビトリファ
    イドボンドホワイトアランダムもしくはビトリファイド
    ボンド炭化珪素であることを特徴とする、請求項8もし
    くは請求項9に記載したセンターレス研削盤用砥石車の
    ドレッシング装置。
  11. 【請求項11】 前記のツルーイングユニットが、研削
    機に装着されて回転している研削砥石車に対してアップ
    カットトラバース作動する構造であり、 かつ、前記のドレッシングユニットが、研削機に装着さ
    れて回転している研削砥石車に対してダウンカットトラ
    バース作動する構造であることを特徴とする、請求項1
    0に記載したセンターレス研削盤用砥石車のドレッシン
    グ装置。
  12. 【請求項12】 前記のツルーイングユニットとドレッ
    シングユニットとはそれぞれ研削液注加手段を備えてお
    り、もしくは共通の研削液注加手段を備えていて、 ツルーイングユニットの作動中は、ツルーイングに必要
    にして充分な研削液流量となり、 ドレッシングユニットの作動中は、遊離砥粒を洗い流す
    ことなく、該遊離砥粒と混合してペースト状となる程度
    に流量が絞られるような流量自動制御手段を具備してい
    ることを特徴とする、請求項8もしくは請求項9に記載
    したセンターレス研削盤用砥石車のドレッシング装置。
  13. 【請求項13】 前記のツルーイングユニットは片方向
    ツルーイング作動をする構造であり、かつ、前記のドレ
    ッシングユニットは往復ドレッシング作動をする構造で
    あることを特徴とする、請求項9ないし請求項12の何
    れかに記載したセンターレス研削盤用砥石車のドレッシ
    ング装置。
  14. 【請求項14】 (イ)レジンボンド超砥粒砥石車と、
    (ロ)上記砥石車と同粒度もしくはそれよりも微細な粒
    度のホワイトアランダムロータリドレッサ、または、前
    記砥石車と同粒度もしくはそれよりも微細な粒度の炭化
    珪素ロータリドレッサとが装着されていることを特徴と
    するセンターレス研削盤。
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