JP6424776B2 - 反応炉洗浄装置及び反応炉洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シーメンス法によって多結晶シリコンを製造する際に用いられる多結晶シリコン反応炉の内壁面を洗浄する反応炉洗浄装置及び反応炉洗浄方法に関する。
半導体材料となる高純度の多結晶シリコンの製造方法として、シーメンス法が知られている。このシーメンス法は、クロロシランと水素との混合ガスからなる原料ガスが、加熱したシリコン芯棒に接触し、その表面上で熱分解又は水素還元反応することにより、多結晶シリコンが析出する製造方法である。
そして、この製造方法を実施する多結晶シリコン反応炉では、シリコン芯棒の加熱に伴う熱の影響により反応炉自体も高温に曝されるため、金属材料によるシリコン芯棒への不純物の汚染を避ける目的で反応炉を冷却することが行われる。このため、冷却された反応炉の内壁面に、熱分解又は水素還元反応時に副生する高沸点成分が付着し、凝縮してクロロシランポリマーが生成される。このクロロシランポリマーが反応炉の内壁に付着してくると、反応炉の内壁面の反射率が低下することから、加熱されたシリコンロッドからの輻射熱が反射されず、電力使用効率が低下する。
また、反応炉内壁にクロロシランポリマーが付着した状態で反応炉を開放すると、空気中の水分と加水分解反応を生じて塩化水素や水素ガス等を発生することが知られており、反応炉開放前には加水分解処理等が行われている。ところが、反応炉内壁に付着している加水分解後の生成物(以下、付着物という)が完全に加水分解されていないと、反応炉開放時、又は反応炉開放後、専用の洗浄場に移動するまでの間に塩化水素等の発生により反応炉周辺あるいは、反応炉を移動する周辺の環境を汚染することになる。また、反応炉洗浄において付着物が完全に除去されていないと、電力使用効率が低下し、また、付着物を介して反応炉内で析出するシリコンの汚染を生じさせることにもなる。このため、高純度の多結晶シリコンの製造においては、反応後のクロロシランポリマーの処理を円滑に進めることや反応炉開放後の反応炉周辺の汚染の低減を図ることに加えて、反応炉内壁の付着物を確実に除去することが必要となる。
そこで、例えば特許文献1〜3に開示されているように、多結晶シリコンの反応炉を専用の洗浄装置上に載置し、反応炉をほぼ密封した状態として、反応炉の内壁面に洗浄水を噴射することにより、付着物の加水分解を促進して除去することが行われている。
特開2009‐196882号公報 特開2012‐20917号公報 国際公開第2011/158404号
前述した特許文献2には、洗浄水の噴射部であるノズルの口径やノズル先端から反応炉の内壁面までの距離、洗浄水の噴射圧などを所定の範囲内に設定することで、反応炉内壁の所望の領域を重点的に洗浄することが開示されている。
しかし、多結晶シリコンの反応では、反応温度や反応時に炉内に供給する原料ガスの成分(例えば、クロロシランや還元ガスの割合)、反応時間などによっても反応状態が変化するため、反応炉内壁に付着するクロロシランポリマーの生成状況も反応毎(反応バッチ)で一定ではない。また、クロロシランポリマーは、反応炉の冷却されている壁面に凝縮により生成、付着するため、壁面温度によっても付着程度は異なる。
一般に、特許文献1又は特許文献2に記載されている反応炉(ベルジャ)のような構成の場合、反応時の冷却は冷却媒体を下部側から上部側へ流す流路を形成する場合が多く、このような構成における反応炉内壁へのクロロシランポリマーの付着は、冷却媒体温度が相対的に低い下部側に多く付着する傾向がある。また、ベルジャの内壁面においては、クロロシランポリマーの性状によっては、内壁面を流下する場合もあり、内壁面上部側よりも内壁面下部側に堆積しやすい。さらに、これらの堆積中には塊状のものが生成される場合もある。このため、各反応条件に対応する最適な洗浄水の噴射条件の範囲を設定して洗浄を行うことは、煩雑さが伴う。
また、特に特許文献1又は特許文献2に記載されるようなベルジャ型の反応炉では、ベルジャをプレート上に載置した状態で反応を行うため、反応時に反応ガス等がベルジャとプレートとの間から漏洩しないように、パッキン等を介在させる必要がある。パッキン等を介在させると、プレートからベルジャが僅かに浮いたような状態となるが、このベルジャ内壁の下部にもクロロシランポリマーは付着することが多い。ところが、特許文献1や特許文献2で開示されている方法においても、ベルジャ内壁の下部に付着した付着物を確実に除去することが難しい。
また、特許文献3には、高純度の多結晶シリコンを製造するに際しては、反応で使用されたベルジャーを洗浄した後の乾燥時間が長くなると、次の反応で使用されるシリコンの品質が低下しやすいことが開示されている。これは、洗浄後のチャンバ内壁は清浄度は高くなるが、その後の処理時間が長くなると環境からの汚染が影響を与えることによるものと推察される。このような観点より、チャンバ洗浄後の処理は、極力乾燥環境も含めて短時間で処理することが望ましい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、多結晶シリコン反応炉の内壁面の付着物を効率的に洗浄及び除去処理できるとともに、短時間で一連の処理を行うことができ、安全で作業性に優れた反応炉洗浄装置及び反応炉洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明は、多結晶シリコンを生成する反応炉の二重構造をなすベルジャの内壁面を洗浄する反応炉洗浄装置であって、水平状態に設置されて略円盤形状の受け皿を有するとともに、該受け皿の外周部に前記ベルジャの下端開口縁部が載置されるフランジ部を有する受け台と、前記ベルジャの内壁面に洗浄水を高圧噴射するノズル装置と、前記ベルジャの前記下端開口縁部を載置可能であって、周方向に間隔をおいて複数設けられる載置部を有する保持部とを備え、前記保持部は、前記載置部が前記フランジ部の上方位置と該フランジ部より外側位置との間で進退可能に保持されている。
この反応炉洗浄装置において、ベルジャの内壁面を洗浄する際には、ベルジャの下側の開口縁部を受け台のフランジ部上に設置して、受け台の受け皿によりベルジャの内部空間を閉鎖した状態とする。そして、ノズル装置が洗浄水を高圧噴射することで、ベルジャの内壁面に洗浄水を直接的に噴きかける。この際、洗浄水を使用することで、ベルジャの内壁面に付着した付着物の加水分解を促進して、化学的に不活性なシリカの状態として除去することができる。さらに、洗浄水による洗浄中には、上述したように、ベルジャと受け台との間は閉鎖され、ベルジャの内部空間は密閉状態となっている。このため、洗浄中に塩化水素等の腐食性ガスが発生するが、その腐食性ガスは洗浄水に吸収されて系外に排出される。したがって、塩化水素が外部雰囲気に流出・拡散し、反応炉周辺の金属類等を腐食させることがなく、高品質な多結晶シリコンを製造可能な作業環境を維持できる。
また、本反応炉洗浄装置においては、ベルジャの内壁面の洗浄の後に、受け台のフランジ部とベルジャの下端開口縁部との間に載置部を挿入し、載置部によってベルジャを一定の高さに安定した状態で保持することで、フランジ部と下端開口縁部との間に一定の間隔を設けてベルジャの内部空間を開放することができる。そして、このように受け台とベルジャとの間を一定の間隔を開けて保持した状態とすることで、ベルジャの内側(内部)に作業者が入り、洗浄工程後のベルジャ内壁面の洗浄状態を目視確認することができる。また、作業者により、ベルジャ内壁面のシリカ等の付着状況や腐食状況等の点検作業や、洗浄工程で除去できなかった僅かに残る付着物の除去処理を直接行うことができる。したがって、ベルジャ内の付着物を確実に除去することができ、次の反応においても高品質の多結晶シリコン製品を製造できる。
また、本反応炉洗浄装置では、受け台のフランジ部の上方位置でベルジャの下端開口縁部を載置部に載置し、すなわち受け台のフランジ部とベルジャの下端開口縁部との間に保持部の載置部を介入させることにより、受け台とベルジャとの間に一定の間隔を開けて保持するので、ベルジャを洗浄工程後に別の設置場所に移動する必要がなく、受け台の上でベルジャの内壁面の洗浄状態の点検やベルジャ下端開口縁部の付着物の除去や点検が行えることから、これらの付着物の除去処理や点検の一連の処理を短時間で容易に行うことができる。このように、大型のベルジャを大きく移動させることがなく、別途の設置場所を確保する必要もないことから、短時間で確認作業と付着物の除去作業とを行える。さらに、ベルジャを吊り上げて保持した状態で点検や除去処理を行う場合と比べて、ベルジャが揺れることなく安定した状態で作業ができ、ベルジャが落下する危険性が回避され、安全に作業を進めることができる。また、このように受け台とベルジャとの間に載置部を挿入した状態において、ベルジャは受け台の上方に保持されていることから、除去された付着物が受け台(受け皿)上に収集され、付着物を洗浄水とともに容易に系外に排出できる。
このように、本反応炉洗浄装置では、受け台上に反応炉のベルジャを配置して密閉状態で行う洗浄工程と、その洗浄後にベルジャを開放状態で行う作業者によるベルジャ内壁面の点検、付着物の除去等の工程とを短時間に円滑に行うことができ、付着物の処理を確実にかつ安全に行うことができる。
本発明の反応炉洗浄装置において、前記受け台は、前記フランジ部の上面が、前記受け皿の上面よりも高い位置に設けられ、該フランジ部で囲まれた貯留槽が設けられるとよい。
前述のように、反応終了後のベルジャの内壁面には、ポリマーが生成され付着物として付着していることより、洗浄水による洗浄の際に付着物を受け皿上に落下させてそのまま系外に排出する場合、付着物の加水分解が不十分であると、排水溝が閉塞したり、塩化水素や水素が発生する等して危険である。そこで、受け台のフランジ部の上面を高くして、洗浄水を溜めるための貯留槽を設けておくことで、ベルジャ内壁面に付着している塊状ポリマーを貯留された洗浄水中に浸漬させ、加水分解を十分に進めることができる。また、貯留槽に貯留する洗浄水の温度を高くすることで、さらに安全に加水分解処理を進めることができ、付着物の処理の危険性を低減することができる。
本発明の反応炉洗浄装置において、前記受け皿に、洗浄水を系外へ排出する排液口が設けられており、該排液口を開閉する開閉バルブが設けられ、前記受け皿の上面は、前記排液口に向かって下り勾配の緩やかな傾斜面を有する形状とされるとよい。 受け皿の上面を緩やかな傾斜面を有する形状とすることで、ノズル装置によるベルジャ内壁の洗浄時において、洗浄水とともに流れ落ちてくる付着物が受け皿の外周部(隅部)に停滞・堆積しにくくなり、付着物を連続的に排液口に流すことができる。したがって、円滑に付着物の処理ができるとともに、受け皿の外周部に堆積した付着物が一度に大量に流れて排液口に流れることによる閉塞も防止できる。
本発明の反応炉洗浄装置において、前記フランジ部の上面の外周部が、該上面の内周部よりも高く形成され、前記フランジ部の上面の内周部に前記下端開口縁部が配置可能に設けられるとよい。
ベルジャの下端開口縁部をフランジ部の上面に載置した際に、付着物等がベルジャの下端開口縁部に付着していると、ベルジャ内壁の洗浄時に、洗浄水が下端開口縁部とフランジ部の上面との間から外部に漏洩し、受け台周辺から床部上に流れ出るおそれがある。このため、フランジ部の上面の外周部をベルジャの下端開口縁部が配置される内周部よりも高く形成しておくことで、外部への洗浄水の漏洩を防止できる。
本発明の反応炉洗浄装置において、前記載置部は、上下方向に昇降移動可能に設けられているとよい。
ベルジャの下端開口縁部には、付着物が付着している場合があるため、付着物が付着した状態で載置部上にベルジャを載置した場合、ベルジャが水平位置に対して傾く可能性があり、このように傾いた状態で載置すると不安定な置き方となり危険である。そこで、載置部を上下方向に昇降移動可能な構成とすることで、ベルジャの下端開口縁部に付着物が付着している場合でも、載置部の上下位置を調整できるようにし、安定した状態で載置、点検・除去処理ができる。
本発明の反応炉洗浄装置において、前記保持部には、前記載置部の下端部に、前記フランジ部の上面に配置可能な当接部が設けられており、前記当接部は、上下方向に昇降移動可能に設けられているとよい。
保持部を、載置部と当接部とを有する物理的なスペーサ部材により間隔を開けて保持する構成とした場合、載置部を外側位置から受け台のフランジ部の上方位置に移動する際に、フランジ部の上面と当接部とが接触又は当接して、フランジ部の上面に破損を生じたり、当接部が破損する等が生じたりするおそれがある。この場合、ベルジャを安定して保持できなくなる。そこで、本発明の反応炉洗浄装置では、当接部を上下方向に昇降可能に設けており、当接部を上方向に上昇移動させることで、フランジ部と当接部とを接触等させることなくフランジ部の上方位置に円滑に移動でき、一方で、このように当接部をフランジ部の上方位置に移動した後に当接部を下方向に下降移動させることで、当接部をフランジ部の上面に接触させることができる。
本発明の反応炉洗浄装置において、前記フランジ部の上面の外縁部外側に、該上面よりも高く突出するガード部材が取り付けられているとよい。
ベルジャの内壁面の洗浄時において、ベルジャの内壁面の下端部への付着物の堆積が多い場合、ベルジャ下端開口縁部にもクロロシランポリマーが付着することがあるが、この部分のクロロシランポリマーは、ノズル装置による従来の洗浄では除去が困難である。そこで、加水分解が十分に終了した後に、ベルジャをフランジ部の上面から僅かに浮かせた状態とし、洗浄水をベルジャの下端開口縁部に吹き付けることで、付着物の除去が容易になる。このため、ベルジャの下端開口縁部をフランジ部の上面から僅かに浮かせた状態で洗浄すると、ベルジャの下端開口縁部とフランジ部の上面との間の僅かな隙間から洗浄水が外部に飛散するおそれがある。洗浄に供した水には付着物も含まれているため酸性となっており、反応炉洗浄装置又はその周辺の環境を汚染することにも繋がる。そこで、フランジ部の外縁部外側にガード部材を取り付けることで、ベルジャの下端開口縁部とフランジ部の上面との間の僅かな隙間から洗浄水が外部に飛散することを防ぐことができる。
本発明の反応炉洗浄装置において、前記保持部は、前記載置部を前記フランジ部の上方位置と該フランジ部より外側位置との間で該保持部の支軸回りに回転移動可能に設けられており、前記支軸と前記載置部との間の長さが調整可能に設けられているとよい。
多結晶シリコン製造用のベルジャは、その生産量の規模によって大きさ(外径)が異なるが、支軸と載置部との間の長さを可変とし、調整可能な構造とすることで、異なるサイズのベルジャの洗浄にも同一の保持部を利用できる。また、ベルジャを受け台上に載置する際の位置調整も可能となり、より安全にベルジャを保持できる。
本発明の反応炉洗浄装置において、前記貯留槽の上方に足場が設けられ、前記足場に複数の貫通孔が設けられているとよい。
洗浄水による洗浄後に、ベルジャと受け台との間に保持部の載置部を配置し、ベルジャの内壁面に残った付着物を作業者が除去を行う際に、貯留槽の上方に足場を設けているので、貯留槽に水を溜めた状態で、足場上で作業者が付着物の除去作業をすることができる。この場合、作業者が除去した付着物は、足場に設けられた貫通孔を介して貯留槽に落下するので、水中に落下した付着物は連続的に排液口から排出させることができる。このため、排液口を閉塞することがなく、円滑に作業を進めることができ、付着物の処理も安定して行える。
なお、足場は、貯留槽の上方の全面を覆う必要はなく、少なくともフランジ部の内側において周方向に設けておけばよい。
本発明の多結晶シリコン製造設備は、多結晶シリコンを生成する反応炉と、前記反応炉洗浄装置とを備え、前記反応炉のベルジャが載置されるプレートと前記反応炉洗浄装置の前記受け台と隣接する位置に設置され、前記プレート上と前記受け台上との間で前記ベルジャを直線状に搬送可能な搬送機器が設けられている。
多結晶シリコン製造後、すなわち反応終了後のベルジャは、その内壁面の洗浄を行うために反応炉の基台であるプレート上から反応炉洗浄装置の受け台上に移動される。この際、反応炉のプレート上には多結晶シリコンロッドが複数立設されており、これらの多結晶シリコンロッドの上方までベルジャを持ち上げて移動させる必要がある。また、比較的大型の反応炉はベルジャの重量が大きく、ベルジャの搬送には、フォークリフトやクレーン等の搬送機器を使用する必要がある。そして、このベルジャの移動の際に、ベルジャの内壁面に付着したクロロシランポリマーの加水分解処理が行われていない場合、又はベルジャを基台上から移動される前のクロロシランポリマーの加水分解処理が十分に行われていないと、移動中に空気中の水分と反応して塩化水素等が発生してベルジャ自体の腐食が生じたり、反応炉周辺の金属類が腐食する原因となる。その結果、反応炉や雰囲気の金属汚染が原因で高純度の多結晶シリコンの製造が困難となる。また、ベルジャの洗浄・乾燥後は、反応炉洗浄装置の受け台上から反応炉のプレート上にベルジャを移動させる必要があるが、洗浄後のベルジャが反応炉周辺の環境汚染を受けるおそれがあることから、ベルジャの移動は極力短い経路とすることが望ましい。そこで、チャンバを受け台上とプレート上との間で直線状に移動可能とし、このように受け台をプレート周辺に近接配置させておくことで、ベルジャをプレート上と受け台上との間で短時間に移動できる。
本発明の反応炉洗浄方法は、多結晶シリコンを生成する反応炉の二重構造をなすベルジャの内壁面を、前記反応炉洗浄装置を用いて洗浄する反応炉洗浄方法であって、
前記フランジ部の上面に前記ベルジャの前記下端開口縁部を載置した状態とし、前記ベルジャの内壁面に洗浄水を高圧噴射する洗浄工程と、
前記洗浄工程後に、前記載置部に前記ベルジャの前記下端開口縁部を載置した状態とし、前記ベルジャの内壁面に残る付着物の除去処理及び該内壁面の点検を行う点検除去工程とを有する。
本発明によれば、受け台上に多結晶シリコンの反応炉のベルジャを配置して密閉状態で行う洗浄工程と、その洗浄後にベルジャを開放状態で行う作業者による点検、除去処理等の点検除去工程とを安全、円滑に行うことができ、さらにベルジャの搬送を短時間で行うことにより、ベルジャの汚染及び反応炉周辺環境の汚染を極力低減することができる。
本発明の実施形態の反応炉洗浄装置の概略構成図であり、受け台上にベルジャを設置した閉塞状態を示す。 図1に示す反応炉洗浄装置において、保持部により受け台とベルジャとの間に一定の間隔を設けた開放状態を示す。 図1に示す反応炉洗浄装置の受け台の平面図である。 図1に示す反応炉洗浄装置の要部図であり、フランジ部の外周縁部にガード部材を取付けた状態を示す。 多結晶シリコン製造設備を説明する概略図である。 図1に示す反応炉洗浄装置において、足場を設置した状態を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る反応炉洗浄装置及び反応炉洗浄方法並びに多結晶シリコンの製造設備の実施形態について説明する。
図5は、本発明の実施形態である多結晶シリコン製造設備1を説明する概略図である。図5に示すように、多結晶シリコン製造設備1は、多結晶シリコンを生成する反応炉200と、反応炉200のベルジャ70の洗浄を行う反応炉洗浄装置100とを備える。
この多結晶シリコン製造設備1では、多結晶シリコン製造後に、すなわち反応終了後にベルジャ70は、その内壁面72の洗浄を行うために反応炉200の基台であるプレート201上から反応炉洗浄装置100の受け台10上に移動され、洗浄される。そして、ベルジャ70は、反応炉洗浄装置100で洗浄された後、再度、反応炉200のプレート201上に載置され、次の反応が行われる。このように、多結晶シリコン製造設備1においては、ベルジャ70を反応炉200のプレート201上と反応炉洗浄装置100の受け台10上との間で移動させることにより、反応と洗浄とを繰り返し行えるようになっている。
図示は省略するが、反応炉200のプレート201上には多結晶シリコンロッドが複数立設されており、ベルジャ70を反応炉200のプレート201上から反応炉洗浄装置100の受け台10上に移動する際には、これらの多結晶シリコンロッドの上方までベルジャ70を持ち上げて移動させる必要がある。また、比較的大型の反応炉200はベルジャ70の重量が大きくなる。このため、多結晶シリコン製造設備1には、ベルジャ70を、図5に矢印E〜Gで示すように、プレート201又は受け台10から持ち上げて、プレート201上と受け台10上との間で搬送可能なフォークリフトやクレーン等の搬送機器300が設けられている。このように、反応炉200のベルジャ70が載置されるプレート201と、反応炉洗浄装置100のベルジャ70が載置される受け台10とは異なる位置に並んで設置されている。また、搬送機器300は、ベルジャ70をプレート201上と受け台10上との間で、矢印Fで示すように直線状に搬送可能に構成されており、チャンバ70をプレート201上と受け台10上との間で短時間に移動できるようになっている。
図1は、本発明の実施形態である反応炉洗浄装置100の概略構成図である。図1に示すように、反応炉洗浄装置100は、反応炉のベルジャ70を載置するための受け台10と、ベルジャ70の内壁面72に洗浄水を高圧噴射するノズル装置50と、ベルジャ70の下端開口縁部71を載置可能であって、周方向に間隔をおいて複数設けられる載置部61を有する保持部60とを備える。また、ノズル装置50は、図1に示すように、シャフト51に取り付けられ、シャフト51を介して駆動される。なお、シャフト51は、固定ナット52と駆動機構53とにより、鉛直軸回りに回転自在とされるとともに、鉛直方向に移動可能に構成される。
受け台10は、略円盤形状の受け皿11を有するとともに、その受け皿11の外周部に洗浄対象となる反応炉の釣鐘状をなすベルジャ70の下端開口縁部71が載置されるフランジ部12とを有している。受け皿11は、床部90上に適宜立設された複数の支柱19によって外周部下面が支持され、水平状態に設置されている。また、図3に示すように、平面視における受け皿11の中央部には、鉛直方向に貫通する連通孔18が設けられており、さらに受け皿11の半径方向の途中位置に排液口17が設けられている。そして、受け皿11の上面11aは、排液口17に向かって下り勾配となるように傾斜しており、排液口17に接続された排液管16を介して洗浄水が系外に排出される。なお、排液管16の途中位置に開閉バルブ31が設けられており、この開閉バルブ31を開くことにより排液口17を開放でき、開閉バルブ31を閉じることにより排液口17を閉鎖できるようになっている。
また、フランジ部12の上面13は、フランジ部12よりも内側部分の受け皿11の上面11aよりも高い位置に設けられ、受け台10の内側部分にフランジ部12で囲まれた貯留槽14が設けられている。また、貯留槽14を形成するフランジ部12の内周面12aは、フランジ部12の上面13から受け皿11の上面11aにかけて漸次縮径する曲面状に形成されている。また、フランジ部12の上面13の外周部13bは、その上面13の内周部13aよりも高く形成されており、外周部13aの内側の内周部13aにベルジャ70の下端開口縁部71が載置可能に設けられている。なお、図示は省略するが、フランジ部12の上面13の内周部13aには、ベルジャ70の下側の下端開口縁部71に当接するパッキンが取り付けられており、このパッキンを介してフランジ部12の上面13の内周部13aとベルジャ70の下端開口縁部71とが重ね合される。そして、フランジ部12に間隔をあけて複数(本実施形態においては12箇所)設けられた止め部15により、例えばボルト止め等によって、ベルジャ70が受け台10上に強固に固定される。
さらに、図1に示すように、ベルジャ70は、内壁73aと外壁73bとの二重構造とされ、内部が中空状態となっている。そして、ベルジャ70には、支柱19の周囲に円環状に設けられたスチーム配管21が接続され、このスチーム配管21からスチーム供給路22を介してベルジャ70の二重構造の内部にスチームが供給される。
また、ノズル装置50は、シャフト51の上部に取り付けられ、このシャフト51に設けられた洗浄水供給路54から洗浄水の供給を受けて、三次元方向に回転しながら洗浄水を高圧で噴射する。
シャフト51は、床部90の下方から上方に向けて床部90を貫通し、さらに上述の受け台10の連通孔18を貫通するように鉛直軸Oに沿って延び、かつ鉛直軸O回りに回転可能となるように設けられている。また、シャフト51の内部には、鉛直軸Oに沿って洗浄水供給路54が穿設されており、シャフト51の最下部に設置されたロータリージョイント55を介して、図示しない洗浄水供給源に接続された洗浄水供給管56から洗浄水供給路54に、ベルジャ70の内壁面72を洗浄するための洗浄水が供給される構成である。この洗浄水としては、純水又は超純水が使用される。
駆動機構53は、例えば、モータや減速機等から構成される動力源57と、プーリ58と、動力源57の回転をプーリ58に伝達する伝達ベルト59とから構成されている。そして、プーリ58とシャフト51とが嵌合し、プーリ58の回転がシャフト51に伝達されるようになっている。そして、シャフト51は、プーリ58の回転に伴い、鉛直方向に移動可能とされる。
固定ナット52は、受け台10の下部に設けられた固定台25上に、受け台10の連通孔18を貫通して固定された円筒形状を有する部材であって、その内部に、鉛直軸Oに沿って延びる雌ねじが形成されている。また、シャフト51の外周部には、送りねじが形成されており、固定ナット52の雌ねじにシャフト51の送りねじが螺合している。このため、駆動機構53によって矢印T方向に回転するシャフト51は、この固定ナット52の雌ねじに送りねじが案内されるようにして、回転に伴い上方に移動する。一方、シャフト51が矢印T方向と逆側に向けて回転された際には、回転に伴い下方に移動する。また、固定ナット52の外周には、固定ナット52とシャフト51を包囲して連通孔18密封するようにして鉛直方向に延びる蛇腹カバー26が設けられており、この蛇腹カバー26が、シャフト51の上下移動に伴ってシャフト51を常時包囲しながら伸縮する。そして、シャフト51は固定ナット52に案内されて上方又は下方に移動可能とされ、シャフト51の移動に伴って、シャフト51に取り付けられたノズル装置50も、鉛直軸O回りの回転を伴いながら、上方又は下方に移動する。
保持部60は、載置部61を、フランジ部12の上方位置(図2に示す位置)と、フランジ部12より外側位置(図1に示す位置)との間で進退可能に保持する。本実施形態の反応炉洗浄装置100では、載置部61は4箇所設けられ、それぞれの載置部61が個々の保持部60の支軸65とアーム部64A,64Bによって支持されている。また、各保持部60には、載置部61の下端部に、フランジ部12の上面13(外周部13b)に配置される当接部62が設けられており、保持部60は、これら載置部61と当接部62とを有する物理的なスペーサ部材を有する構成とされる。そして、これら載置部61と当接部62とを、フランジ部12の上面13とベルジャ70の下端開口縁部71との間に介入させることにより、フランジ部12の上面13とベルジャ70の下端開口縁部71との間に一定の間隔を開けて保持できるようになっている。
保持部60は、具体的には、図1及び図2に示すように、各載置部61及び当接部62をフランジ部12の上方位置と外側位置との間で支軸65回りに回転移動可能に設けられている。当接部62は、ハンドル63を掴んで当接部62を鉛直軸回りに回転させることにより、上下方向(鉛直方向)に昇降移動可能に構成される。また、支軸65と載置部61及び当接部62との間が2本のアーム部64A,64Bで接続されている。そして、これらアーム部64A,64Bは、その延在方向にスライド部67A,67Bにより伸縮自在に設けられており、支軸65と載置部61との間の長さが調整可能に設けられている。また、各保持部60は、受け台10の周方向に等間隔に配置される。なお、各保持部60によりベルジャ70の荷重を均等に負担させるため、各載置部61を周方向に等間隔で配置することが望ましい。
また、保持部60には、載置部61の配置を固定するためのストッパ66が設けられており、載置部61をフランジ部12の上方位置に配置した際に、ストッパ66により載置部61が動くことがないようにその位置を固定しておくことで、ベルジャ70の下端開口縁部71を載置部61の上面61aに載置した状態を確実に保持でき、ベルジャ70が載置部61から落下する危険を回避し、安全に作業を進めることができる。
次に、このように構成される反応炉洗浄装置100を用いて、反応炉のベルジャ70の内壁面72を洗浄する反応炉洗浄方法について説明する。
反応炉洗浄方法は、受け台10のフランジ部12の上面13にベルジャ70の下端開口縁部71を載置した状態とし、ベルジャ70の内壁面72に洗浄水を高圧噴射する洗浄工程と、洗浄工程後に、保持部60の載置部61の上面61aにベルジャ70の下端開口縁部71を載置した状態とし、ベルジャ70の内壁面72の洗浄状態を点検し、内壁面72に付着物が残留していた場合に付着物の除去を行う点検除去工程とからなる。
まず、洗浄工程を開始する前に、ベルジャ70を反応炉200のプレート201上から反応炉洗浄装置100の受け台10上に移動する。この際、ベルジャ70の下側の下端開口縁部71を受け台10のフランジ部12上に設置して密閉した状態とする。具体的には、受け台10の外周部に設けられたフランジ部12の上面13の内周部13aに、パッキン等を介してベルジャ70の下端開口端部71を載置する。そして、このフランジ部13に設けられた止め部15をボルト止めすることにより、ベルジャ70を受け台10上に強固に固定し、ベルジャ70と受け台10との間を密閉する。
(洗浄工程)
次いで、ノズル装置50によって、ベルジャ70の内壁面72に洗浄水を高圧噴射し、洗浄水を連続的に噴きかけることにより、内壁面72に付着した付着物を除去する(洗浄工程)。この際、ノズル装置50は、洗浄水を噴射しながら、シャフト51の移動に伴い上下移動及び回転移動する。これにより、ベルジャ70の内壁面72の上部から下部にわたって三次元的に様々な方向に洗浄水を高圧噴射することができ、ベルジャ70の内壁面72全域に満遍なく洗浄水を噴きかけて、ベルジャ70の内壁面72に付着した付着物を効率的に除去することができる。
なお、ベルジャ70の下端開口縁部71に付着物が付着していると、内壁面72に洗浄水を噴射した際に、洗浄水が下端開口縁部71とフランジ部12の上面13との間から外部に漏洩し、受け台10周辺から床部90上に流れ出ることが懸念されるが、反応炉洗浄装置100においては、ベルジャ70の下端開口縁部71が載置されるフランジ部12の上面13の内周部13aよりも外周部13bを高く形成しているので、外周部13bによって洗浄水等が外部に漏洩することを防止できる。
また、ベルジャ70の内壁面72の下端部への付着物の堆積が多い場合には、図4に示すように、ベルジャ70の下端開口縁部71をフランジ部12の上面13から僅かに浮かせた状態で、洗浄水をベルジャ70の下端開口縁部71に噴射することとしてもよい。この場合、ベルジャ70の下端開口縁部71とフランジ部12の上面13との隙間を塞ぐように、フランジ部12の上面13の外縁部外側に、上面13よりも高く突出するガード部材80を取り付けることとしてもよい。ベルジャ70の下端開口縁部71をフランジ部12の上面13から浮かせた状態で洗浄を行うと、ベルジャ70の下端開口縁部71とフランジ部12の上面13との僅かな隙間から洗浄水が外部に飛散するおそれがある。洗浄に供した水には付着物も含まれているため酸性となっており、反応炉洗浄装置100又はその周辺の環境を汚染することにも繋がる。そこで、ガード部材80を取り付けることで、下端開口縁部71とフランジ部12の上面13との間の僅かな隙間から洗浄水が外部に飛散することを防ぐことができる。なお、ベルジャ70の下端開口縁部71をフランジ部12の上面13から僅かに浮かせた状態において、ガード部材80の上端位置は、ベルジャ70の下端開口縁部71よりも高い位置となるように設定される。
また、受け皿11の上面11aは、排液口17に向かって下り勾配に傾斜しているため、ベルジャ70の内壁面72に噴射された洗浄水は、排液口17に導かれて、円滑に系外へと排出される。この際、受け台10の内側部分に、深さを持った貯留槽14を設けているので、開閉バルブ31を閉じて排液口17を閉鎖しておくことで、洗浄水を溜めておくこともできる。これにより、塊状のような付着物であっても、貯留槽14の中で洗浄水に浸漬状態とすることで確実に加水分解処理を行うことができ、安全性を確保した処理ができる。
また、上述したように、フランジ部12の内周面12aは、フランジ部12の上面13から受け皿11の上面11aにかけて漸次縮径する曲面状に形成されており、さらに受け台10の受け皿11の上面が、フランジ部12から排液口17に向かって下り勾配の緩やか傾斜面を有する形状とされていることから、ベルジャ70の内壁面72のノズル装置50による洗浄時において、内壁面72から貯留槽14内に流下あるいは落下する付着物が、フランジ部12の内周面12aにより案内されて受け皿11の上面11aに流れ落ち、その上面11aの緩やかな傾斜に導かれて洗浄水とともに排液口17に連続的に流れる。このため、洗浄水とともに流れ落ちてくる付着物を受け皿11の外周部(隅部)、すなわち受け皿11とフランジ部12との角部等に停滞・堆積しにくくできる。また、受け皿11の外周部に堆積した付着物が一度に大量に流れて排液口17に流れ込むようなことがなく、排液口17の閉塞を防止でき、連続した処理を行うことができる。
このように、洗浄工程では、洗浄水を使用することにより、ベルジャ70の内壁面72に付着した付着物の加水分解を促進して、化学的に不活性なシリカの状態として除去することができる。さらに、貯留槽14に洗浄水を溜めておくことで、加水分解処理が不十分な塊状ポリマーが内壁面72から落下した場合でも、受け台10に設けられた貯留槽14内の洗浄水中に浸漬させることで、加水分解処理を十分に進めることができる。また、貯留槽14に貯留する洗浄水の温度を高くすることで、さらに安全に加水分解処理を進めることができ、付着物の処理の危険性を低減することができる。
また、反応炉の開放前に、予めベルジャ70の内壁面72に付着している付着物の加水分解処理を行った場合でも、その処理が不十分であると、反応炉洗浄装置100における洗浄(洗浄工程)中に、塩化水素等の腐食性ガスが発生する場合があるが、ベルジャ70と受け台10との間は密閉され、ベルジャ70の内部空間は排液口17を除いてほぼ密閉状態となっている。このため、腐食性ガスは洗浄水に吸収され、排液口17から排液管16を経由して系外に排出される。したがって、塩化水素等の腐食性ガスが流出・拡散し、反応炉周辺の外部環境を汚染することや金属類等を腐食することがなく、高品質な多結晶シリコンを製造可能な作業環境を維持できる。
(点検除去工程)
洗浄工程後、ベルジャ70と受け台10とを固定しているボルトを取り外し、ベルジャ70を鉛直方向上方に移動させることにより、受け台10からベルジャ70を切り離して、ベルジャ70の内部空間を開放する。そして、受け台10のフランジ部12とベルジャ70の下端開口縁部71との間に載置部61及び当接部62を移動させ、ストッパ66で載置部61の位置を固定する。
なお、載置部61をフランジ部12の上方位置に移動させる前に、ハンドル63を回転させて当接部62を上方向に上昇移動させた状態とする。これにより、フランジ部12と当接部62とを接触等させることなく、載置部61及び当接部62をフランジ部12の上方位置に円滑に移動できる。そして、当接部62をフランジ部12の上方位置に移動した後で、ハンドル63を回転させて当接部62を下方向に下降移動させることにより、当接部62とフランジ部12の上面13とを接触させる。
そして、ベルジャ70の下端開口縁部71を載置部61上に設置して、受け台10とベルジャ70との間に一定の間隔を設けて保持する。この際、ベルジャ70の下端開口縁部71には、付着物が付着している場合があり、付着物が付着した状態で載置部61上にベルジャ70を載置すると、ベルジャ70が水平位置に対して傾く可能性がある。このように傾いた状態では、ベルジャ70が不安定な置き方となり危険である。そこで、ベルジャ70を載置部61に設置した後、4箇所ある各載置部61の上下位置を調整し、ベルジャ70の傾きを矯正して各載置部61上に安定した状態に載置した後に、点検除去処理を行う。なお、ベルジャ70は、搬送機器300により昇降移動が行われる。
このように、受け台10のフランジ部12とベルジャ70の下端開口縁部71との間に載置部61を挿入し、載置部61によってベルジャ70を一定の高さに安定した状態で保持することで、フランジ部12と下端開口縁部71との間に一定の間隔を設けて、ベルジャ70の内部空間を開放することができる。
そして、このように受け台10とベルジャ70との間に一定の間隔を開けて保持した状態とすることで、ベルジャ70の内側(内部)に作業者が容易に出入りでき、洗浄工程後のベルジャ70の内壁面72の洗浄状態を目視確認することができる。また、作業者により、ベルジャ70の内壁面72のシリカ等の付着状況や腐食状況等の点検作業や、洗浄工程で除去できなかった僅かに残る付着物(残留物)の除去処理を直接行うことができる。なお、ベルジャ70の内壁面72の点検作業前には、水素検知器等でベルジャ70の内部の残留ガス濃度の確認を行い、残留ガス濃度の確認を行った後に、点検作業を行うことが望ましい。
なお、ベルジャ70の下端開口縁部71を載置部61上に載置した状態では、下端開口縁部71が載置部61と接触する面は、点検や付着物除去処理等ができないが、搬送機器300により僅かに上昇させてベルジャ70をその中心軸を中心に回転させ、回転前と異なる配置において載置部61上にベルジャ70の下端開口縁部71を載置することで、回転前に隠れていた下端開口縁部71の一部を露出させることができる。したがって、ベルジャ70の下端開口縁部71の全面の点検と付着物等の除去処理とを確実に行うことができる。
また、洗浄後のチャンバ70は、二重構造に形成された内壁73aと外壁73bとの間にスチーム配管21によりスチームが導入され、内壁面72の乾燥処理が行われた後、搬送機器300により直ちに(短時間で)反応炉200のプレート201上に移動させられ、プレート201とベルジャ70との間が密閉され、外部環境からの汚染が低減される。
このように、本実施形態の反応炉洗浄装置100及び多結晶シリコン製造設備1を用いることにより、受け台10上に多結晶シリコンの反応炉200のベルジャ70を配置して密閉状態で行う洗浄工程と、その洗浄工程後にベルジャ70を開放状態で行う作業者による点検、除去処理等の点検除去工程とを安全、円滑に行うことができる。さらに、ベルジャ70の搬送を短時間で行うことができるので、ベルジャ70の汚染及び反応炉200周辺環境の汚染を極力低減することができる。したがって、ベルジャ70の内壁面72及び下端開口縁部71の付着物を確実に除去することができ、ベルジャ70の洗浄・乾燥後の次の反応(バッチ)においても高品質の多結晶シリコン製品を製造できる。
また、反応炉洗浄装置100では、ベルジャ70を受け台10に対して鉛直方向に移動させ、受け台10のフランジ部12の上方位置でベルジャ70の下端開口縁部71を載置部61に設置し、すなわちフランジ部12と下端開口縁部71との間に載置部61を介入させることにより一定の間隔を保持するので、大型のベルジャ70を洗浄工程後に別の設置場所に移動する必要がなく、受け台10の上にベルジャ70の内壁面72の点検や、下端開口縁部71の付着物の除去、点検等が行えることから、これらの付着物の点検や除去処理の一連の処理を短時間で容易に行うことができる。このように、大型のベルジャ70を大きく移動させることがなく、別途の設置場所を確保する必要もないことから、短時間で確認作業と付着物の除去作業とを行える。さらに、ベルジャ70を吊り上げて保持した状態で点検や除去処理を行う場合と比べて、ベルジャ70が揺れることなく安定した状態で作業ができ、ベルジャ70が落下する危険性が回避され、安全に作業を進めることができる。また、このように受け台10とベルジャ70との間に載置部61を挿入した状態において、ベルジャ70は受け台10の上方に保持されていることから、洗浄水による付着物の除去処理後において、すなわち洗浄工程後において、付着物の残渣を作業者が除去した際にも、付着物を受け皿11上に収集され、付着物を洗浄水とともに排液口17から容易に排出できる。
このように、本実施形態の反応炉洗浄装置100では、受け台10上に反応炉のベルジャ70を配置して密閉状態で行う洗浄工程と、その洗浄後にベルジャ70を開放状態で行う作業者による内壁面72の点検、付着物の除去等の点検除去工程とを短時間に円滑に行うことができ、付着物の処理を確実にかつ安全に行うことができる。
また、反応炉洗浄装置100には、図6に示すように、貯留槽14の上方に足場41を設けることもできる。足場41は、貯留槽14の上方の全面を覆う必要はなく、少なくともフランジ部12の内側において周方向に設けておけばよい。
このように足場41を設けることで、貯留槽14に水を投入した状態においても、作業者は濡れることなく、足場41上で作業を行うことができる。また、足場41に複数の貫通孔42を設けておくことで、作業者が除去した付着物を、貫通孔42を介して貯留槽14内の水の中に落下させ、連続的に排液口17に流すことができる。このため、落下した付着物が一度に排液口17に流されることがなく、排液口17の閉塞を防止できる。したがって、作業者は円滑に作業を進めることができ、付着物の処理も短時間で安定して行える。
なお、反応炉洗浄装置100においては、支軸65と載置部61及び当接部62との間を接続する2本のアーム部64A,64Bを、その延在方向にスライド部67A,67Bにより伸縮自在に設けていたが、このように、保持部60を支軸65と載置部61との間の長さを調整可能な構造に設けることで、フランジ部12の上面13の周方向の幅長の範囲内で、異なるサイズのベルジャ70の洗浄にも同一の保持部60を利用できる。また、ベルジャ70を受け台10上に載置する際の位置調整も可能となり、より安全にベルジャ70を保持できる。
以上、本発明の実施の形態である反応炉洗浄装置100について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
10 受け台
11 受け皿
11a 上面
12 フランジ部
13 上面
14 貯留槽
15 止め部
17 排液口
18 連通孔
19 支柱
21 スチーム配管
22 スチーム供給路
25 固定台
26 蛇腹カバー
31 開閉バルブ
41 足場
42 貫通孔
50 ノズル装置
51 シャフト
52 固定ナット
53 駆動機構
54 洗浄水供給路
55 ロータリージョイント
56 洗浄水供給管
57 動力源
58 プーリ
59 伝達ベルト
60 保持部
61 載置部
62 当接部
65 支軸
66 ストッパ
70 ベルジャ
71 下端開口縁部
72 内壁面
73a 外壁
73b 内壁
90 床部
100 反応炉洗浄装置

Claims (5)

  1. 多結晶シリコンを生成する反応炉の二重構造をなすベルジャの内壁面を洗浄する反応炉洗浄装置であって、
    水平状態に設置されて略円盤形状の受け皿を有するとともに、該受け皿の外周部に前記ベルジャの下端開口縁部が載置されるフランジ部を有する受け台と、
    前記ベルジャの内壁面に洗浄水を高圧噴射するノズル装置と、
    前記ベルジャの前記下端開口縁部を載置可能であって、周方向に間隔をおいて複数設けられる載置部を有する保持部とを備え、
    前記保持部は、前記載置部が前記フランジ部の上方位置と該フランジ部より外側位置との間で進退可能に保持されていることを特徴とする反応炉洗浄装置。
  2. 前記受け台は、前記フランジ部の上面が、前記受け皿の上面よりも高い位置に設けられ、該フランジ部で囲まれた貯留槽が設けられることを特徴とする請求項1に記載の反応炉洗浄装置。
  3. 前記フランジ部の上面の外縁部外側に、該上面よりも高く突出するガード部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の反応炉洗浄装置。
  4. 前記保持部は、前記載置部を前記フランジ部の上方位置と該フランジ部より外側位置との間で該保持部の支軸回りに回転移動可能に設けられており、前記支軸と前記載置部との間の長さが調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の反応炉洗浄装置。
  5. 多結晶シリコンを生成する反応炉の二重構造をなすベルジャの内壁面を、請求項1から4のいずれか一項に記載の前記反応炉洗浄装置を用いて洗浄する反応炉洗浄方法であって、
    前記フランジ部の上面に前記ベルジャの前記下端開口縁部を載置した状態とし、前記ベルジャの内壁面に洗浄水を高圧噴射する洗浄工程と、
    前記洗浄工程後に、前記載置部に前記ベルジャの前記下端開口縁部を載置した状態とし、前記ベルジャの内壁面に残る付着物の除去処理及び該内壁面の点検を行う点検除去工程とを有することを特徴とする反応炉洗浄方法。
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