JP6424561B2 - 自立安定性に優れたパウチ - Google Patents
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Description
このようなパウチにおいては、内容物が満中状態の場合には、2枚の表裏フィルム同士が離間すると共に底部フィルムが開き、パウチが立体状態を維持することから、安定した自立性が確保されているとしても、内容物が減少すると平面状態に復元しようとして、自立性を維持することが困難であった。
例えば、パウチの自立性を確保するために、サイドシール部とボトムシール部が重なる部分に、底部の開き形状を調整するポイントシール部が形成されたものが提案されている(特許文献1)。
また、上記特許文献2及び3に記載されたようなパウチの両端部に折り返し部が形成されたパウチにおいては、折り返し部の存在により、パウチの側端部に剛性が付与されることから、表裏フィルムの折れや座屈等は有効に防止できるとしても、やはり底部フィルムが開いた状態を維持することは容易ではなく、特にパウチをつかんだ時にパウチの底部フィルムが閉じやすいという問題があった。
従って、本発明の目的は、底部フィルムが開いた状態を安定して保持可能であり、自立安定性に優れたパウチを提供することである。
1.前記固定部は、折り返し部よりも内側、且つボトムシール部の下方のボトムシール部同士を接着した接着部により形成されていこと、
2.前記固定部は、パウチ下方に行くに従って、パウチの幅を狭めるように斜めに折り曲げた折り返し部により形成されていること、
3.前記折り返し部のボトムシール部の上端に位置する箇所に、折り返し部の端縁から内方に向かって延びるスリット又は切り欠きが形成されていること、
4.前記スリットが、折り返し部に複数個平行に形成されていること、5.前記ボトムシール部の下方、且つ前記固定部よりもパウチ内方に、スリット又は切欠きが形成されていること、
が好適である。
すなわち、パウチの底部にボトムシール同士を接着した接着部、或いは、折り返し部がパウチ下方に行くに従って、パウチの幅を狭めるように斜めに折り曲げた折り返し部等によって固定部が形成されることで、ボトムシール部の下部における表裏フィルムの外方への張り出し角度を、ボトムシール部の上端よりも上方における表裏フィルムの外方への張り出し角度よりも大きくすることができ、底部フィルムの開きを維持することができる。
尚、2つ折りにされた底部フィルム3の両端部には、切り欠き7a,7bが形成されており、この切り欠き7a,7bの部分で表裏フィルム2a,2bが接着されることにより、ボトムシール部5a,5bがその部分で一体化されている。
そして、このパウチ1のサイドシール部4a,4bに沿った折り曲げ線9a,9bで、サイドシール部4a、4bを折り曲げることにより、折り返し部10a,10bを形成することにより本発明のパウチ11が得られる(図1(B)参照)。
この図2から明らかなように、内容物が充填された状態では、表裏フィルム2a,2bはそれぞれ外方に張り出した(膨らんだ)状態になり、底部フィルム3が内容物の重みで広がる。そして、ボトムシール部5a,5bの上端5cよりも上方の部分に比して、ボトムシール部5a,5bが存在する部分においては外方への張り出し量が大きく、しかもボトムシール部の下端(すなわち、パウチの下端)に接着部8a,8bからなる固定部が形成されていることから、図2(B)に示すように、パウチの下端における表裏フィルムの張り出し角度θ2は、パウチ上方の張り出し角度θ1よりも大きく、接着部8a,8bが変曲点となって、表裏フィルム2a,2bの張り出した状態を維持することができ、底部フィルム3が元の平面状態に復元することを有効に防止することが可能になる。
このパウチ21のサイドシール部4a,4b及び4a’,4b’に沿った折り曲げ線9a,9b及び9a’,9b’で、サイドシール部4a,4bを折り曲げ、折り返し部10a,10b及び10a’,10b’を形成することにより本発明のパウチ24が得られる(図3(B)参照)。
このパウチ24においては、ボトムシール部5が存在する部分に形成された折り返し部10a’、10b’が、パウチ下方に行くに従って、パウチの幅を狭めるように斜めに折り曲げられていることにより、図1に示したパウチの下端の接着部8a,8bが形成されている場合と同様に、折り返し部10a’、10b’からなる固定部が形成され、パウチの下端における表裏フィルムの張り出し角度が、ボトムシール部5の上端5cよりも上方の表裏フィルムの張り出し角度よりも大きくなり、底部フィルム3の開きが元の平面状態に復元することを有効に防止することが可能になる。
尚、他の一例のパウチとして、パウチ21を用いて説明したが、図1(A)に示すパウチ1を、パウチ下方に行くに従って、パウチの幅を狭めるように斜めに折り曲げて折り返し部10a’,10b’を形成してもよい。
また、パウチを自立させることができる底フィルム3の開きを確保できれば、固定部は、ボトムシール部5の下部のどこに形成しても良いが、図3(A)に示すボトムシール部5上端の接線と近似した折り曲げ線9a’,9b’よりサイトシール部4側に折り返し部10a’、10b’または、接着部8a,8bにて形成することが好ましい。
このスリット26,26・・・が開くことにより、パウチ側端部下端27,27がパウチ内側の斜め下方に可動し、表裏フィルムが接着部8a,8bからなる固定部を変曲点としてより大きく外方に張り出すことが可能になり、底部フィルム3が元の平面状態に復元することを有効に防止することが可能になる。尚、この態様において、スリット26は一つでもよいが、複数設けることにより、スリットが蛇腹状に広がり、パウチ側部下端の可動域が大きくなり、表裏フィルムの張り出し角度を大きくすることができる。
また図4(B)は、図4(A)に示したパウチにおいて、複数個のスリットの代わりに切り欠き28a,28bを設けると共に、接着部8a,8bよりも内側にも切り欠き29a,29bを設けた例である。
この切り欠き28a,28b及び29a,29bが形成されていることにより、図に示すように、切り欠き28aと切り欠き29aを結んだラインL1、切り欠き28bと切り欠き29bを結んだラインL2が形成され、内容物を充填すると、このラインに沿って表裏フィルムが立体的に張り出して、大きく湾曲させることが可能になり、底部フィルム3が元の平面状態に復元することを有効に防止することが可能になる。
そして、この場合、少なくとも切り欠き28a,28bが設けられていれば良いが、前述した底部フィルム3の平面状態への復元を有効に防止するため、切り欠き29a,29bも設けることが好ましい。
この円弧状のスリット30a,30bが形成されていることにより、表裏フィルムがスリット30a、30bの部分で、接着部8a、8bに対してほぼ直角の張り出し角度で外方へ張り出すことが可能になり、ボトムシール部5が位置する箇所の表裏フィルムを大きく湾曲させることが可能になり、底部フィルム3が元の平面状態に復元することを有効に防止することができる。
また図5(B)は、図5(A)において、接着部(固定部)をそれぞれ8a1,8a2及び8b1,8b2の2個ずつ外側から中心に向かって斜め下方に位置するように配列し、この接着部8a1,8a2及び接着部8b1,8b2の上方に、接着部8a1,8a2及び8b1,8b2の並びに沿った斜め方向スリット30a,30bが形成されている。
この例においては、前述した図4(B)の例と同様に、スリット30a,30bに沿って表裏フィルムが立体的に張り出すため、ボトムシール部5が存在する箇所において、表裏フィルムを大きな張り出し角度で湾曲させることが可能になり、底部フィルム3が元の平面状態に復元することを有効に防止することが可能になる。
例えば、図に示す具体例においては、折り返し部は、パウチの高さ方向のほぼ全域で形成されており、これにより、パウチに剛性が付与され、パウチの折れや座屈等が有効に防止されるので好適であるが、少なくともボトムシール部の位置に形成されていれば、パウチの側部下端が内側に入り込むように作用して、ボトムシール部に位置する表裏フィルムの張り出しを補助できる。また、ボトムシール部が存在する箇所のみ1重の折り返し部とし、ボトムシール部上端よりも上方を多重の折り返し部としてもよい。
また、折り返し部は、折り曲げ線に沿って折り曲げた後、更に折り曲げて成る多重の折り返し部であってもよい、これにより、サイドシール部の端縁がパウチの外側に位置しないと共に、パウチの剛性が増すため、自立安定性が向上する。
更に、図4に示した例においては、折り返し部を形成した後にスリットを形成することもできるが、折り返し部を形成する前に、図6に示すように、折り曲げ線の両側に千鳥状にスリットを設けておくことにより、折り返し部に容易にスリットを形成でき、千鳥状のため、スリットの開きが固定されやすくなる。その結果、パウチ側端部下端をパウチ内側の斜め下方に移動させ、安定して表裏フィルムが張り出すことができる。
更にまた、図5に示した例においては、接着部の形状及び個数は、図に示した例に限定されず、円形のみならず、ライン状やミシン目状等種々の形状を採用できる。
ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン樹脂等のオレフィン系樹脂、アイオノマー樹脂、比較的低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポリアミド樹脂、ポリエステル乃至コポリエステル樹脂等を挙げることができる。
積層フィルムとしては、ヒートシール性熱可塑性樹脂から成るフィルムをパウチの内層とし、種々の熱可塑性樹脂、アルミニウム箔等の金属箔、或いは紙やセロハン等を外層或いは中間層として使用することができる。またパウチにガスバリア性を付与する場合には、エチレンビニルアルコール共重合体、ナイロン又は環状オレフィンコポリマー等のガスバリア性樹脂から成る層、アルミニウムや酸化珪素などの金属酸化物蒸着膜を有する樹脂層、粘土鉱物を含有する樹脂層、アルミニウム等の金属箔を含む従来公知の積層フィルムを使用できる。
本発明においては、アルミニウム箔等の金属箔を有する積層フィルムを好適に使用でき、これにより、表裏フィルムの剛性が向上し、内容物が減少した後においても表裏フィルムの張り出した状態が維持されやすい。また図4に示した態様においても、スリットの開きや形成されたラインLが戻りにくいという点でも有利である。
Claims (6)
- 2枚の表裏フィルム及び2つ折りにした底部フィルムの3枚のフィルムにより構成されており、前記表裏フィルム及び前記底部フィルムが、サイドシール部及びボトムシール部でシールされて成るパウチにおいて、
少なくともボトムシール部が存在する位置に、前記サイドシール部を折り曲げた折り返し部が形成されていると共に、前記ボトムシール部下部に、前記サイドシール部よりも内方において、表裏のボトムシール部を固定し、前記表裏フィルムの張出角度の変曲点となる固定部が更に形成されていることを特徴とするパウチ。 - 前記固定部は、折り返し部よりも内側、且つボトムシール部の下方に、ボトムシール部同士を接着した接着部により形成されている請求項1記載のパウチ。
- 前記固定部は、パウチ下方に行くに従って、パウチの幅を狭めるように斜めに折り曲げた折り返し部により形成されている請求項1記載のパウチ。
- 前記折り返し部のボトムシール部の上端に位置する箇所に、折り返し部の端縁から内方に向かって延びるスリット又は切り欠きが形成されている請求項1〜3の何れかに記載のパウチ。
- 前記スリットが、折り返し部に複数個平行に形成されている請求項4記載のパウチ。
- 前記ボトムシール部の下方、且つ前記固定部よりもパウチ内方に、スリット又は切欠きが形成されている請求項1〜5の何れかに記載のパウチ。
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