JP6424097B2 - ノズル検査装置、ノズル検査方法および部品搬送装置 - Google Patents

ノズル検査装置、ノズル検査方法および部品搬送装置 Download PDF

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Description

この発明は、いわゆるバフィング機能を有する吸着ノズルを検査するノズル検査技術および当該ノズル検査技術が適用される部品搬送装置に関するものである。
表面実装機や部品試験機では、例えば特許文献1に記載されているように、バフィング機能を有する吸着ノズルを用いて部品を搬送する部品搬送装置が設けられている。当該吸着ノズルでは、先端部で部品を吸着する軸状のノズル本体がホルダ部材に対して軸方向に出退自在に保持されている。また、ホルダ部材内にスプリングなどの付勢部材が設けられ、ノズル本体の先端部をホルダ部材から軸方向に突出させるように付勢し、吸着ノズルにバフィング機能を与えている。このため、軸方向の位置決めのばらつきや、部品自体の外形のばらつき、プリント基板のそり、部品供給部におけるテープリールの浮きなどの様々な要因からなる軸方向のばらつきを吸収する。その結果、電子部品やこれが装着されるプリント基板に対して物理的なストレスが加わるのを効果的に抑制することができる。
吸着ノズルにおいて最も懸念される問題はバフィング機能の低下である。例えばホルダ部材を部品に向けて下降移動させると、ノズル本体の先端部がホルダ部材から突出した状態で部品に向かって移動し、ノズル本体の先端部が部品に当接し、さらにホルダ部材を下降移動させると、ホルダ部材に対しノズル本体がホルダ部材に没入する。しかしながら、バフィング機能が低下すると、当該没入が円滑に行われずに正常時の力(付勢部材による付勢力)よりも大きな力が部品に印加されることがある。また、ホルダ部材を部品から離れる方向(ノズル本体の突出側と反対の方向)に戻したとしても、ノズル本体が元の突出状態に復帰しなくなるというような事態も発生することがある。この場合には、ホルダ部材を下降移動させてノズル本体の先端部を部品に当接させるに際し、様々な要因からなる軸方向のばらつきを吸収できず、正常時の力よりも大きな力が部品に印加されたり、ノズル本体の先端部が部品に当接せず、吸着不良が発生することがある。すなわち、これらの場合、部品の搬送を正確に行えなくなるおそれがある。
そこで、特許文献1に記載の装置では、ホルダ部材に対するノズル部材の先端部の位置を検出するためのカメラが設けられている。そして、カメラにより撮像されたノズル先端部の画像に基づき吸着ノズルのバフィング状態が正常であるか否かを調べて、正常範囲内になければバフィング状態が異常であると判定している。
特開2006−114534号公報
上記したように特許文献1に記載の装置では、ノズル本体の先端部の画像を撮像するためにカメラなどの撮像手段を設ける必要がある。また、当該画像に対して種々の画像処理を加えて吸着ノズルのバフィング状態を判定する必要がある。そのため、カメラを設けるために装置構成上の制約が発生したり、カメラや画像処理回路などの追加が装置コストの増大を招く主要因のひとつとなっている。
また、吸着ノズルの異常は、上記したようにノズル本体が元の突出状態に復帰しなくなるという重度なもの以外にも、ノズル本体の没入や復帰の円滑性が損なわれて部品に印加される荷重が徐々に増大する軽度なものもある。つまり、突発的に重度の異常が発生する場合以外に、部品搬送を繰り返している間に軽度の異常が発生し、やがて重度の異常に至る場合もある。このような軽度な異常を特許文献1に記載の装置により検査することは不可能であった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、簡易な構成で吸着ノズルのバフィング状態の異常を広範囲にわたって検査することができるノズル検査技術および当該ノズル検査技術を用いて部品を良好に搬送することができる部品搬送装置を提供することを目的とする。
この発明の第1態様ないし第3態様は、先端部で部品を吸着する軸状のノズル本体と、ノズル本体の先端部を軸方向に出退自在に保持するホルダ部材と、ノズル本体を付勢してノズル本体の先端部をホルダ部材から軸方向に突出限界まで突出可能とする付勢部材とを有し、軸方向へのホルダ部材の移動によりノズル本体の先端部が部品に当接して吸着する、吸着ノズルを検査するノズル検査装置である。
これらのうち第1態様は、軸方向へのホルダ部材の移動に伴って変化する物理量をホルダ部材の移動に関連付けて検出する検出部と、検出部で検出される物理量から、ホルダ部材の移動に伴うホルダ部材に対するノズル本体の出退状態を判定する判定部と、軸方向へのホルダ部材の移動によりノズル本体の先端部が当接する被当接部材とを備え、検出部は、軸方向へのホルダ部材の移動によりノズル本体の先端部が被当接部材に当接するときに、被当接部材がノズル本体から受ける荷重を物理量として検出する荷重検出部であり、突出限界まで突出した完全突出状態でノズル本体の先端部が被当接部材に接触するときの軸方向におけるホルダ部材の位置を第1位置とし、ホルダ部材を第1位置よりもノズル本体の突出側に移動させたときの軸方向におけるホルダ部材の位置を第2位置としたとき、判定部は、ホルダ部材が第2位置に位置した状態から第1位置に向けて移動した直後に荷重検出部により検出される荷重値がゼロであるときにはホルダ部材に対するノズル本体の出退異常が発生したと判定することを特徴としている。
また、第2態様は、軸方向へのホルダ部材の移動に伴って変化する物理量をホルダ部材の移動に関連付けて検出する検出部と、検出部で検出される物理量から、ホルダ部材の移動に伴うホルダ部材に対するノズル本体の出退状態を判定する判定部と、軸方向においてノズル本体の突出側で固定配置されて軸方向へのホルダ部材の移動によりノズル本体の先端部が当接するときにノズル本体の先端部を塞ぐ被当接部材とを備え、検出部は、ノズル本体の先端部での圧力を物理量として検出する圧力検出部であり、判定部は、ホルダ部材が被当接部材に向かって移動している間に圧力検出部により検出される圧力値が部品の保持に要する吸着レベルに達するタイミングまたはタイミングでの軸方向におけるホルダ部材の位置に基づいてホルダ部材に対するノズル本体の出退状態の異常を判定することを特徴としている。
さらに、第3態様は、軸方向へのホルダ部材の移動に伴って変化する物理量をホルダ部材の移動に関連付けて検出する検出部と、検出部で検出される物理量から、ホルダ部材の移動に伴うホルダ部材に対するノズル本体の出退状態を判定する判定部とを備え、検出部は、ノズル本体の先端部での圧力を物理量として検出する圧力検出部であり、判定部は、ホルダ部材が部品に向かって移動している間に圧力検出部により検出される圧力値が部品の保持に要する吸着レベルに達するタイミングまたはタイミングでの軸方向におけるホルダ部材の位置に基づいてホルダ部材に対するノズル本体の出退状態の異常を判定する
ことを特徴としている。
また、この発明の第4態様ないし第6態様は、先端部で部品を吸着する軸状のノズル本体と、ノズル本体を軸方向に出退自在に保持するホルダ部材と、ノズル本体の先端部をホルダ部材から軸方向に突出させるように付勢する付勢部材とを有し、軸方向へのホルダ部材の移動によりノズル本体の先端部が部品に当接して吸着する、吸着ノズルを検査するノズル検査方法である。
これらのうち第4態様は、ホルダ部材を軸方向に移動させる第1工程と、ホルダ部材の移動中に、ホルダ部材の移動に伴って変化する物理量を検出する第2工程と、検出された物理量から、ホルダ部材の移動に伴うホルダ部材に対するノズル本体の出退状態を判定する第3工程とを備え、第2工程は、軸方向へのホルダ部材の移動によりノズル本体の先端部が被当接部材に当接するときに、被当接部材がノズル本体から受ける荷重を物理量として検出する工程を含み、第3工程は、突出限界まで突出した完全突出状態でノズル本体の先端部が被当接部材に接触するときの軸方向におけるホルダ部材の位置を第1位置とし、ホルダ部材を第1位置よりもノズル本体の突出側に移動させたときの軸方向におけるホルダ部材の位置を第2位置としたとき、ホルダ部材が第2位置に位置した状態から第1位置に向けて移動した直後に荷重検出部により検出される荷重値がゼロであるときにはホルダ部材に対するノズル本体の出退異常が発生したと判定する工程を含むことを特徴としている。
また、第5態様は、ホルダ部材を軸方向に移動させる第1工程と、ホルダ部材の移動中に、ホルダ部材の移動に伴って変化する物理量を検出する第2工程と、検出された物理量から、ホルダ部材の移動に伴うホルダ部材に対するノズル本体の出退状態を判定する第3工程と、軸方向へのホルダ部材の移動によりノズル本体の先端部が当接するときにノズル本体の先端部を塞ぐように、軸方向においてノズル本体の突出側で被当接部材を固定配置する第4工程とを備え、第2工程は、ノズル本体の先端部での圧力を物理量として検出する工程を含み、第3工程は、ホルダ部材が被当接部材に向かって移動している間に圧力検出部により検出される圧力値が部品の保持に要する吸着レベルに達するタイミングまたはタイミングでの軸方向におけるホルダ部材の位置に基づいてホルダ部材に対するノズル本体の出退状態の異常を判定する工程を含むことを特徴としている。
さらに、第6態様は、ホルダ部材を軸方向に移動させる第1工程と、ホルダ部材の移動中に、ホルダ部材の移動に伴って変化する物理量を検出する第2工程と、検出された物理量から、ホルダ部材の移動に伴うホルダ部材に対するノズル本体の出退状態を判定する第3工程とを備え、第2工程は、ノズル本体の先端部での圧力を物理量として検出する工程を含み、第3工程は、ホルダ部材が部品に向かって移動している間に圧力検出部により検出される圧力値が部品の保持に要する吸着レベルに達するタイミングまたはタイミングでの軸方向におけるホルダ部材の位置に基づいてホルダ部材に対するノズル本体の出退状態の異常を判定する工程を含むことを特徴としている。
さらに、この発明の第3態様は、先端部で部品を吸着する軸状のノズル本体と、ノズル本体の先端部を軸方向に出退自在に保持するホルダ部材と、ノズル本体を付勢してノズル本体の先端部をホルダ部材から軸方向に突出限界まで突出可能とする付勢部材とを有し、軸方向へのホルダ部材の移動によりノズル本体の先端部が部品に当接して吸着する、吸着ノズルをヘッドユニットに設け、ノズル本体の先端部で部品を吸着しながらヘッドユニットを移動させて部品を搬送する部品搬送装置であって、上記ノズル検査装置を備えることを特徴としている。
以上のように、本発明によれば、軸方向へのホルダ部材の移動に伴って変化する物理量がホルダ部材の移動に関連付けて検出され、当該物理量からノズル本体の出退状態、つまり吸着ノズルのバフィング状態が判定される。したがって、簡易な構成で吸着ノズルのバフィング状態の異常を広範囲にわたって検査することができる
本発明にかかるノズル検査装置の第1実施形態を装備した表面実装機の一例を示す平面図である。 図1に示す表面実装機の正面図である。 吸着ノズルの構成を示す図である。 図1の表面実装機の電気的構成を示すブロック図である。 吸着ノズルが正常状態であるときの吸着ノズルの昇降動作とロードセルに印加される荷重の変化の一例を示す図である。 吸着ノズルが軽度の異常状態であるときの吸着ノズルの昇降動作とロードセルに印加される荷重の変化の一例を示す図である。 吸着ノズルが重度の異常状態であるときの吸着ノズルの昇降動作とロードセルに印加される荷重の変化の一例を示す図である。 本発明にかかるノズル検査方法の第1実施形態を示すフローチャートである。 吸着ノズルが重度の異常状態であるときの吸着ノズルの昇降動作とロードセルに印加される荷重の変化の他の例を示す図である。 吸着ノズルの昇降動作とノズル先端圧力の変化の一例を示す図である。 本発明にかかるノズル検査方法の第2実施形態の検査原理を説明するための模式図である。 本発明にかかるノズル検査方法の第2実施形態を示すフローチャートである。 本発明にかかるノズル検査装置の第3実施形態を装備する表面実装機での部品吸着処理を示すフローチャートである。 Z軸モーターを駆動するモーター駆動部の構成を示す図である。
<第1実施形態>
図1は本発明にかかるノズル検査装置の第1実施形態を装備した表面実装機の一例を示す平面図である。また、図2は図1に示す表面実装機の正面図である。この表面実装機100は、図1および図2に示すように、基台1と、基台1上に配置されX方向に基板110を搬送する基板搬送機構部2と、部品をそれぞれ供給する2つの部品供給部4a、4bと、部品供給部4a、4bから部品を搬送して基板110に実装するヘッドユニット5とを備えている。
基板搬送機構部2は、基板110の搬送方向(X方向)に延びる一対のコンベア2aを有している。一対のコンベア2aは、X1方向側から基板110を受け入れて所定の実装作業位置に搬送するとともに、実装作業後に、作業済みの基板110をX2方向側に搬出するように構成されている。
部品供給部4a、4bは、基板搬送機構部2の前方側(Y2方向側)において互いにX方向に離間して配置されている。これらの部品供給部4a、4bでは、複数の部品供給ユニットが設けられている。本実施形態では、部品供給ユニットの一例として、IC、トランジスタおよびコンデンサ等のチップ部品を収納したテープフィーダー41が用いられており、各部品供給部4a、4bにおいて複数のテープフィーダー41が基板搬送機構部2に沿ってX方向に配列されている。そして、部品供給部4a、4bにおいて各テープフィーダー41は、間欠的にテープを繰り出しながらチップ部品を基板搬送機構部2近傍の所定の部品供給位置41aに供給するように構成されている。
ヘッドユニット5は、後述する吸着ノズル20を介して部品供給部4a、4bから供給される部品を吸着し、基板110の上方位置に搬送して基板110に実装する機能を有している。ヘッドユニット5は、基板110の搬送方向(X方向)および前後方向(Y方向)に移動可能に構成されている。具体的には、ヘッドユニット5は、X方向に延びるユニット支持部材6によりX方向に移動可能に支持されている。また、ヘッドユニット5は、X軸モーター7aによりボールねじ軸7bが回動されることによってX方向に移動される。ユニット支持部材6は、Y方向に延びる一対の固定レール1bを介して、一対の高架フレーム1aによりY方向に移動可能に支持されている。ユニット支持部材6は、Y軸モーター8aによりボールねじ軸8bが回動されることによってY方向に移動される。
また、ヘッドユニット5は、複数本の実装ヘッド51を備えている。各実装ヘッド51の先端部には、部品吸着用の吸着ノズル20が取り付けられている。また、各実装ヘッド51は、Z軸モーター5a(図4)によりそれぞれ個別に昇降(Z方向の移動)可能であるとともに、R軸モーター5b(図4)により吸着ノズル20の中心を通る鉛直軸線を回動中心としてR方向にそれぞれ個別あるいは連動して回動可能に構成されている。本実施形態では、実装ヘッド51は、6個設けられており、3個ずつ前後の2列で配列されており、吸着ノズル20も実装ヘッド51と同様に3個ずつ前後の2列で配列されている。すなわち、6個の吸着ノズル20は、図1に示すように、3個ずつY方向にずれた状態で配置されている。また、前列の3個の吸着ノズル20はX方向に沿って配置されて前側ノズル列21を形成するとともに、後列の3個の吸着ノズル20は前側の吸着ノズル20に対して中心間距離で離間距離を隔てた状態でX方向に沿って配置されて後側ノズル列22を形成している。このように本実施形態では、2つのノズル列21、22を互いにX方向にずらしながらY方向に配列し、前後の吸着ノズル20を千鳥状に配置している。
図3は吸着ノズルの構成を示す図である。吸着ノズル20は、軸状のノズル本体201と、ノズル本体201を軸方向(Z方向)に出退自在に保持する筒状のホルダ部材202と、ホルダ部材202に対してノズル本体201を軸方向の先端側(Z2方向)に付勢するバネ部材203とを有している。なお、吸着ノズル20が実装ヘッド51(図3においてはハッチング線による断面表示)に装着された状態で、吸着ノズル20の軸方向と上下方向(Z方向)とが一致するので、以下の説明では、軸方向を上下方向(Z方向)として説明する。
ノズル本体201は工具鋼などの金属材料で構成されており、中央部にフランジ部201aを有するとともに、当該フランジ部201aからZ1方向に軸状に延びる後端部201bおよびZ2方向に軸状に延びる先端部201cを有している。ホルダ部材202はステンレス鋼などの金属材料で構成されている。そして、ノズル本体201がホルダ部材202の先端側(Z2方向側)でホルダ部材202に対して軸方向(Z方向)に出退自在に設けられている。ただし、ノズル本体201のフランジ部201aの両主面のうちZ2方向側の面が、ホルダ部材202の先端部において軸方向と直交する方向に設けられたストッパーピン(図示省略)と軸方向に係合することによって、ノズル本体201はホルダ部材202内に保持(抜け止め)されている。一方、フランジ部201aのZ1方向側の面は、ノズル本体201の後端部201bに装着されたバネ部材203の下端部が当接するバネ支持部として機能する。
バネ部材203は圧縮コイルバネであり、上記したようにノズル本体201の後端部201bに装着された状態でホルダ部材202の下面202aから挿入され、バネ部材203の上端部がホルダ部材202の中央部に形成されたバネ受部202d(図5参照)で係止される。このため、バネ部材203はノズル本体201をZ2方向に付勢し、図3に示すように、ノズル本体201の先端部201cをホルダ部材202の下面202aからZ2方向に最大、突出限界Lmaxだけ突出させる。この時バネ部材203の弾発力は、ノズル本体201のフランジ部201a、バネ部材203とともにノズル本体201が下方からホルダ部材202内に収納された状態で、ホルダ部材202の先端部に取り付けられる抜け止めピンを介してホルダ部材202で支持される。なお、本明細書では、突出限界Lmaxだけノズル本体201の先端部201cがホルダ部材202から突出した状態を「完全突出状態」と称する。
また、ノズル本体201の先端部201cが部品などと接触する際には、ノズル本体201がバネ部材203を圧縮させながら、ホルダ部材202側に後退可能となっている。このような構成を採用することで、吸着ノズル20は部品などに接触する際に生じる衝撃を緩和する緩衝機能、いわゆるバフィング機能を有している。
ノズル本体201の内部には、図3の右側図面に示すように、空気通路201dが形成されている。空気通路201dは、ノズル本体201において先端部201cの先端に設けられる吸引口201eから後端部201bの後端まで連通している。そして、ホルダ部材202の上端部202bで軸方向Zに延設される貫通孔202cおよび空気通路201dを介して吸引口201eに負圧が供給されることにより、ノズル本体201の先端部201cに負圧が与えられて部品を吸着することが可能となっている。なお、ノズル本体201の先端部201cでの負圧を制御するために、図示を省略するが、当該負圧を検出するための圧力検出部が設けられている。
図1および図2に戻って表面実装機100の構成説明を続ける。表面実装機100には、図1に示すように、ヘッドユニット5により吸着された部品を撮像する部品撮像ユニット9が設けられている。部品撮像ユニット9は、ヘッドユニット5により部品供給部4a、4bから取り出されて各吸着ノズル20に保持された部品の保持状態を認識する機能を有している。この部品撮像ユニット9は、基台1上に設けられており、本実施形態では平面視で部品供給部4a、4bの間において、各テープフィーダー41のX方向に1列に並ぶ部品供給位置41aと同じY方向位置に配置されている。そして、部品撮像ユニット9はヘッドユニット5の吸着ノズル20により吸着された部品をその下方から撮像する。
また、ヘッドユニット5のX2方向側には、基板撮像ユニット10が固定されており、ヘッドユニット5がX軸方向およびY軸方向に移動することで任意の位置で基板110を上方から撮像可能となっている。そして、基板撮像ユニット10は、実装作業位置上にある基板110に付された複数のフィデューシャルマークを撮像して基板位置、基板方向を画像認識する。
さらに、本実施形態では、ロードセル25が基台1上に固定配置されている。このロードセル25は、図2に示すように、上下方向(軸方向)Zにおいてヘッドユニット5よりも低い位置に設けられており、その上面にノズル本体201の先端部201cが当接するときにノズル本体201から受ける荷重を検出する荷重検出部として機能する。なお、吸着ノズル20側から見ると、当該荷重は、ノズル本体201の先端部201cがロードセル25に当接することで先端部201cに与える負荷でもあり、ロードセル25は、吸着ノズル20を検査する際にノズル本体201の先端部201cが当接する被当接部材となり、ノズル本体201から受ける荷重と同じ大きさの反力をノズル本体201へ作用させる。
図4は図1の表面実装機の電気的構成を示すブロック図である。この表面実装機100は、吸着ノズル20を検査するとともに基板データを用いて装置各部を制御して部品実装を効率的に行うコントローラ120を有している。このコントローラ120には、CPU(= Central Processing Unit)やRAM(=Random Access
Memory)等を有するコンピューターにより構成される演算処理部121と、ハードディスクドライブなどの記憶部122と、モーター制御部123と、画像処理部124とが設けられている。
演算処理部121は、予め記憶部122に記憶されている自動実装プログラムやノズル検査プログラムを適宜読み出し、RAM(図示省略)に展開し、自動実装処理やノズル検査処理を行う。このうちノズル検査処理は、一日の運転開始前、基板110の入替え時、表面実装機100の稼働時間が一定時間に達した時などの所定タイミング毎に実行される。ノズル検査処理では、吸着ノズル20のノズル本体201がロードセル25に当接したときにロードセル25で検出される荷重値に基づいてホルダ部材202に対するノズル本体201の出退状態、つまり吸着ノズル20のバフィング状態が演算処理部121により判定され、吸着ノズル20のバフィング状態に異常が発生していないか否かが検査される。当該ノズル検査によって、吸着ノズル20におけるバフィング機能の低下を正確に把握することができる。このように、演算処理部121は本発明の「判定部」として機能する。
また、自動実装処理は基板データにしたがって装置各部を制御し、部品供給部4a、4bから供給される部品の吸着、当該部品の撮像、当該部品の基板110への実装、およびこれらのためのヘッドユニット5の複数回の移動よりなる単位シーケンスを繰り返して行う処理である。こうして、複数の部品が全部基板110に実装される。
モーター制御部123には、X軸モーター7a、Y軸モーター8a、Z軸モーター5aおよびR軸モーター5bが電気的に接続されており、各モーターを駆動制御する。また、これらのモーター7a、8a、5a、5bにはモーターの回転状況に応じたパルス信号を出力するエンコーダ(図示省略)がそれぞれ付設されている。各エンコーダから出力されるパルス信号はコントローラ120に取り込まれる構成となっており、これらの信号を受けた演算処理部121が各軸モーター7a、8a、5a、5bの回転量に関する情報を取得し、モーター制御部123と共に各軸モーター7a、8a、5a、5bを制御する。
画像処理部124には部品撮像ユニット9および基板撮像ユニット10が電気的に接続されており、これら各ユニット9、10から出力される撮像信号がそれぞれ画像処理部124に取り込まれる。そして、画像処理部124では、取り込まれた撮像信号に基づいて、部品画像の解析ならびに基板画像の解析がそれぞれ行われる。
なお、図4中の符号130は、演算処理部121によるノズル検査に関連する各種情報などを表示したり、ユーザがコントローラ120に対して各種データや指令などの情報を入力するための表示/操作ユニットである。
上記のように構成された表面実装機100では、バフィング機能を利用してヘッドユニット5による部品搬送を行っているが、空気中の塵や基板110上のクリーム半田などを吸い込んだり、継続的な使用による摩耗等により、バフィング機能が低下することがある。この場合、既述のように部品の搬送を正確に行えなくなるおそれがある。そこで、本実施形態では、ロードセル25と、コントローラ120とで構成されるノズル検査装置によって各吸着ノズル20におけるバフィング機能の低下を検査している(ノズル検査処理)。ここでは、ノズル検査処理を詳述する前に、バフィング機能が正常に作用している場合(正常状態:図5)、バフィング機能は作用しているものの機能低下が認められる場合(軽度の異常状態:図6)およびバフィング機能が作用しなくなる場合(重度の異常状態:図7)について、それぞれ説明する。
図5は吸着ノズルが正常状態であるときの吸着ノズルの昇降動作とロードセルに印加される荷重の変化の一例を示す図である。同図の横軸は時刻を示している。また、同図の左側縦軸はロードセル25で検出される荷重値を示している。さらに、右側縦軸は、軸方向Zにおける吸着ノズル20の高さ位置を示しており、本明細書では実装ヘッド51の先端部に取り付けられたホルダ部材202の下面202aの軸方向Zにおける高さ位置を吸着ノズル20の高さ位置として用いている。なお、これらの点については、後で説明する図6および図7においても同様である。
部品供給部4a、4bから供給される部品を吸着ノズル20によって吸着する部品吸着動作時に実行されるバフィング動作をロードセル25上で再現するために、図5中の1点鎖線で示すように吸着ノズル20を軸方向Zに移動させる。また、その移動に伴うロードセル25の出力(荷重値)を検出して図5のグラフにプロットした(なお、この点については後で説明する異常状態(図6、図7)においても同様である)。それによって得られた結果が図5中の太実線である。まずロードセル25の上方位置に、複数の実装ヘッド51の内検査対象の吸着ノズル20が装着された実装ヘッド51を位置決めし、その後でZ軸モーター5aにより実装ヘッド51を下降させると、当該実装ヘッド51に装着された吸着ノズル20も一緒に下降する。ここでは、吸着ノズル20は正常状態であるため、ノズル本体201の先端部201cはホルダ部材202の下面202aからZ2方向に突出限界Lmaxだけ突出した状態、つまり完全突出状態でロードセル25に向かって下降する。そして、タイミングT1でノズル本体201の先端部201cがロードセル25の上面(荷重検出面)に接触する。したがって、タイミングT1に達するまでの間、バフィング機能は発揮されておらず、ロードセル25により検出される荷重値もゼロのままである。なお、本明細書では、軸方向Zにおけるホルダ部材202の下面202aの位置によって吸着ノズル20の高さ位置を特定することとし、上記タイミングT1での吸着ノズル20の高さ位置を「バフィングゼロ高さH0」と称する。
Z軸モーター5aのさらなる駆動によって吸着ノズル20がバフィングゼロ高さH0からZ2方向に下降する、つまりホルダ部材202がZ2方向に下降し、ノズル本体201の先端部201cがバネ部材203を介してロードセル25の上面に押し付ける。このため、ロードセル25により検出される荷重値はホルダ部材202の下降に伴って上昇する。しかしながら、吸着ノズル20が有するバフィング機能によって荷重値の上昇は比較的緩やかなものとなっている。すなわち、Z2方向へのホルダ部材202の下降に伴ってバネ部材203が収縮してロードセル25に作用する荷重を低減させる。吸着ノズル20が正常である場合には、ノズル本体201、ホルダ部材202およびバネ部材203の間での摩擦は無視できる程度であるため、ロードセル25に作用する荷重は実質的にはバネ部材203の収縮によって発生する付勢力のみである。そして、ロードセル25からノズル本体201へ作用する反力は、バネ部材203の収縮によって発生する付勢力に拮抗する。このため、図5中の太実線で示すように、吸着ノズル20の下降に伴ってロードセル25により検出される荷重値はバネ定数と吸着ノズル20の下降速度に対応した傾きで比例的に増大する。
Z軸モーター5aの駆動によって、吸着ノズル20をバフィングゼロ高さH0から所定距離ΔHだけ下降させる(タイミングT2)。こうして吸着ノズル20を下降高さHLに位置決めしたときの荷重値はバネ定数と距離ΔHとで決まる値WNとなる。なお、距離ΔHは部品吸着や部品実装を行うときのバフィング量と同じ距離に設定されている。なお、この距離ΔHは、図5に示すように、バネ部材203がそれ以上圧縮できない圧縮限界となる時(ホルダ部材202が下降限界高さHlimまで下降した時に相当)のバフィングゼロ高さH0からの下降距離である限界距離ΔHlimよりは小さな値としている。
タイミングT2後においては、Z軸モーター5aを逆回転させて吸着ノズル20を下降高さHLからZ1方向に上昇させる。すると、吸着ノズル20がバフィングゼロ高さH0に戻るまでの間、つまりタイミングT2からタイミングT3の間、バネ部材203は伸張していき図5中の太実線で示すように、吸着ノズル20の上昇に伴ってロードセル25により検出される荷重値はバネ定数と吸着ノズル20の上昇速度に対応した傾きで比例的に減少し、タイミングT3以降ではゼロとなる。
よって、図5から明らかなように、吸着ノズル20が正常状態であるときには、部品に印加される荷重値は最大でも荷重値(バネ部材203からの付勢力)WNであり、しかもバネ部材203のバネ定数および距離ΔH(=H0−HL)を適切に設定することで荷重値WNを調整することが可能となっている。
図6は吸着ノズルが軽度の異常状態であるときの吸着ノズルの昇降動作とロードセルに印加される荷重の変化の一例を示す図である。なお、同図(後で説明する図7および図9)における破線は正常状態での荷重変化を示している。
ロードセル25の上方位置に実装ヘッド51を位置決めし、その後でZ軸モーター5aにより実装ヘッド51とともに吸着ノズル20を下降する。ここでは、吸着ノズル20のバフィング状態は異常であるものの軽度であるため、完全突出状態でロードセル25に向かって下降し、タイミングT1でノズル本体201の先端部201cがロードセル25の上面(荷重検出面)に接触する。このタイミングT1に達するまでの間、正常状態の場合と同様に、ロードセル25により検出される荷重値もゼロのままである。
しかしながら、空気中の塵や基板110上のクリーム半田などを吸い込んだり、継続的な使用による摩耗等により、バフィング機能が若干低下しているため、ホルダ部材202の下降に伴うバネ部材203の収縮が円滑に行われず、例えば図6の太実線で示すように、ロードセル25により検出される荷重値はステップ状に上昇する。しかも、ノズル本体201、ホルダ部材202およびバネ部材203の間での摩擦は無視できない程度にまで高まっている。すなわち、ホルダ部材202を下降させるに要する力は、バネ部材203を収縮させることにより発生する付勢力に加え摩擦力に打ち勝つ荷重となり、これが荷重検出器としてのロードセル25により検知される。ロードセル25からは、荷重すなわちホルダ部材202を下降させるに要する力と同じ大きさで方向が逆となる反力が、ノズル本体201に作用する。その結果、当該摩擦の影響が加わることでロードセル25に作用する荷重は正常状態の場合よりも高く、タイミングT2で最大荷重値WL(>WN)となってしまう。
また、タイミングT2後においては、Z軸モーター5aを逆回転させて吸着ノズル20を下降高さHLからZ1方向に上昇させる。すると、バフィング状態は軽度の異常であるために、吸着ノズル20がバフィングゼロ高さH0に戻った時点でバネ部材203の付勢力によって完全突出状態に戻るものの、ホルダ部材202の上昇に伴うバネ部材203の伸張が円滑に行われない。したがって、例えば図6の太実線で示すように、ロードセル25により検出される荷重値はステップ状に減少する。
よって、図6から明らかなように、吸着ノズル20が軽度の異常状態であるときには、部品に印加される荷重値が荷重値WLとなり、正常状態より高い荷重が部品に印加されてしまう。しかも、吸着ノズル20の昇降中に若干の荷重変動が認められることから、当該吸着ノズル20に対するメンテナンスを早期に行うのが望ましい。
なお、タイミングT1とタイミングT2の間(すなわち、吸着ノズルの下降高さ位置H1がバフィングゼロ高さH0と下降高さHLの間)でロードセル25により検出される荷重値が、バネ部材203を収縮させることにより発生する付勢力(図6においてロードセル荷重値0で且つタイミングT1のポイントと、ロードセル荷重値WNで且つタイミングT2のポイントを結ぶ破線表示の直線で示される)を超える場合は、タイミングT2でロードセル荷重値WNを超えなくても異常状態と言える。さらに、以上の吸着ノズル20についてホルダ部材202を上昇させて、バフィングゼロ高さH0とするタイミングT3のポイントで例えロードセル荷重値0となるとしても、軽度の異常状態と言え、同様当該吸着ノズル20に対するメンテナンスを早期に行うのが望ましい。
図7は吸着ノズルが重度の異常状態であるときの吸着ノズルの昇降動作とロードセルに印加される荷重の変化の一例を示す図である。ロードセル25の上方位置に実装ヘッド51を位置決めし、その後でZ軸モーター5aにより実装ヘッド51とともに吸着ノズル20を下降する。ここでは、吸着ノズル20は重度の異常状態であるものの、軽度の異常状態の場合と同様に、完全突出状態でロードセル25に向かって下降し、タイミングT1でノズル本体201の先端部201cがロードセル25の上面(荷重検出面)に接触する。このタイミングT1に達するまでの間、正常状態の場合と同様に、ロードセル25により検出される荷重値もゼロのままである。
しかしながら、バフィング機能が軽度の場合よりもさらに低下し、ノズル本体201、ホルダ部材202およびバネ部材203の間での摩擦は非常に大きくなっている。そのため、ホルダ部材202の下降によってバネ部材203の圧縮が強制的に行われ、上記摩擦によって圧縮状態が維持される。その結果、例えば図7の太実線で示すように、ロードセル25により検出される荷重値は急激に上昇し、吸着ノズル20が下降高さHLに到達したタイミングT2で最大荷重値WS(>WL>WN)となってしまう。しかも、上記したように摩擦力が大きいため、タイミングT2では、ノズル本体201の先端部201cは、ホルダ部材202からの突出長さが完全突出状態の突出限界Lmaxから距離ΔHだけ短い収納された状態(以下「不完全突出状態」という)のまま、ノズル本体201がホルダ部材202に固着されてしまう。
そのため、タイミングT2後において、Z軸モーター5aを逆回転させたとしても、ノズル本体201をホルダ部材202に固着させたまま吸着ノズル20は下降高さHLからZ1方向に上昇される。したがって、例えば図7の太実線で示すように、タイミングT2から微小時間ΔT1だけ経過するだけでロードセル25により検出される荷重値は急激にゼロとなる。
よって、図7から明らかなように、吸着ノズル20が重度の異常状態であるときには、部品に印加される荷重値が荷重値WSとなり、非常に高い荷重が部品に印加されてしまう。しかも、吸着ノズル20による部品吸着後にノズル本体201が完全突出状態に戻らないため、部品の高さ位置が設計データからずれてしまう。その結果、部品実装を良好に行うことが難しくなる。これらのことから、重度の異常状態を検出したときには、当該吸着ノズル20による部品実装作業を行わず、早期のノズル交換が望ましい。
上記したようにロードセル25による荷重検出によって吸着ノズル20のバフィング機能の低下を検査することができ、その検査結果に基づき部品実装作業を行う前に吸着ノズル20のバフィング不良を未然に検査することができる。その結果、部品実装作業の効率化を図ることができる。そこで、本実施形態では、一日の運転開始前などのタイミングで予め記憶部122に記憶されているノズル検査プログラムを読み出し、当該ノズル検査プログラムにしたがってコントローラ120が装置各部を制御することでノズル検査処理を行う。以下、図8を参照しつつ本発明にかかるノズル検査方法の第1実施形態について詳述する。
図8は本発明にかかるノズル検査方法の第1実施形態を示すフローチャートである。ノズル検査となっている吸着ノズル(以下「検査対象ノズル」という)20を装着した実装ヘッド51がロードセル25の上方位置に位置するようにヘッドユニット5は移動される(ステップS101)。これに続いて、Z軸モーター5aによる当該実装ヘッド51の下降が開始され、これによって検査対象ノズルの下降も開始される(ステップS102)。そして、検査対象ノズル20が下降高さHLに到達する(ステップS103で「YES」と判定される)と、Z軸モーター5aによる当該実装ヘッド51の下降を停止するとともに、検査対象ノズル20のノズル本体201の先端部201cがロードセル25に与える荷重、つまり部品に作用する荷重の値(ロードセル荷重値)W1がロードセル25により検出される(ステップS104)。
次のステップS105では、Z軸モーター5aが逆回転して実装ヘッド51の上昇が開始され、これによって検査対象ノズル20の上昇も開始される。その後、検査対象ノズル20が元の高さ位置に戻るが、上昇開始から一定時間(例えば図7中のΔT1)経過した時点でロードセル25により検出されるロードセル荷重値W2が検出される。そして、荷重変化量ΔW(=W1−W2)が算出される(ステップS106)。そして、ロードセル荷重値W1および荷重変化量ΔWに基づいて検査対象ノズル20が正常状態、軽度の異常状態および重度の異常状態のうちのいずれの状態であるかがコントローラ120の演算処理部121により判定される(ステップS107〜S111)。すなわち、演算処理部121は、タイミングT2(図5〜図7参照)でのロードセル荷重値W1が正常状態での最大荷重値WNよりも大きいか否かを判定する(ステップS107)。ここで、「NO」である場合(例えば図5の場合)には検査対象ノズル20が正常状態であると判定し、その旨を表示/操作ユニット130の表示部(図示省略)に表示して作業者に報知する(ステップS108)。
一方、ステップS107で「YES」と判定した場合には、演算処理部121はさらに荷重変化量ΔWがしきい値よりも大きいか否かを判定する(ステップS109)。ここで、「NO」である場合(例えば図6の場合)には検査対象ノズル20のバフィング状態は異常ではあるのだが、軽度であると判定し、当該検査対象ノズル20が軽度の異常状態である旨ならびに当該検査対象ノズル20のメンテナンスを行うことを推奨する旨を表示/操作ユニット130の表示部に表示して作業者に報知する(ステップS110)。逆に、ステップS109で「YES」と判定した場合(例えば図7の場合)には検査対象ノズル20のバフィング状態は重度の異常であると判定し、検査対象ノズル20が重度の異常状態であり、当該検査対象ノズル20を用いた部品実装を禁止する旨ならびに当該検査対象ノズル20の交換を推奨する旨を表示/操作ユニット130の表示部に表示して作業者に報知する(ステップS111)。
こうして検査対象ノズル20の検査が完了すると、全ての実装ヘッド51について吸着ノズル20の検査が完了していない間(ステップS112で「NO」と判定されている間)においては、未検査の吸着ノズル20を検査対象ノズルとして上記一連の工程(ステップS101〜S111)を繰り返して実行する。
以上のように、本実施形態によれば、ノズル本体201の先端部201cから受ける荷重を検出するロードセル25を設け、当該ロードセル25で検出されるロードセル荷重値のみから吸着ノズル20のバフィング状態を正確に把握して吸着ノズル20の検査を行っている。このため、特許文献1に記載の装置よりも簡易な構成で吸着ノズルの異常状態を検査することができる。しかも、本実施形態では、特許文献1に記載の装置では検出することが難しかった軽度の異常状態についても検査することができ、吸着ノズルの異常を広範囲にわたって検査することが可能となっている。
なお、上記第1実施形態では、ロードセル25に向かって下降する検査対象ノズル20が完全突出状態であるという前提で吸着ノズル20の検査を行っているが、検査対象ノズル20が不完全突出状態となっている場合、例えば図9に示すような荷重変化を示す。
図9は吸着ノズルが重度の異常状態であるときの吸着ノズルの昇降動作とロードセルに印加される荷重の変化の他の例を示す図である。ロードセル25の上方位置に実装ヘッド51を位置決めし、その後でZ軸モーター5aにより実装ヘッド51とともに吸着ノズル20を下降する。ここでは、吸着ノズル20は不完全突出状態のままロードセル25に向かって下降し、タイミングT1ではノズル本体201の先端部201cはロードセル25の上面(荷重検出面)に接触せず、その後のタイミングT4でロードセル25の上面に接触する。このタイミングT4に達するまでの間、ロードセル25により検出される荷重値もゼロのままである。なお、その後においては図7と同様の挙動を示す。したがって、ロードセル25により検出される荷重値が上昇し始めるタイミングを検出し、これが、タイミングT1(完全突出状態で吸着ノズル20が下降してロードセル25と接触するタイミング)と一致するのか、それより遅れるのかを判定することで吸着ノズル20の異常を検出してもよい。このような検出動作を単独で実行してノズル検査を行ってもよいし、第1実施形態と組み合わせてもよい。
<第2実施形態>
ところで、上記実施形態では、ホルダ部材202の移動に伴って変化するロードセル荷重値を本発明の「物理量」としてホルダ部材202の移動に関連付けてロードセル25によって検出し、それに基づいて吸着ノズル20の検査を行っているが、次に説明するようにノズル本体201の先端部201cでの圧力(以下「ノズル先端圧力」という)を本発明の「物理量」として検出し、圧力値に基づいてノズル検査を行ってもよい。以下、図10ないし図12を参照しつつ本発明の第2実施形態にかかるノズル検査装置を表面実装機100に適用した場合について説明する。なお、当該表面実装機は、ロードセル25が設けられていない点を除き、基本的に上記した表面実装機100と同一であるが、第2実施形態では、圧力検出部(図10、図11中の符号26)が本発明の「検出部」として機能し、当該圧力検出部を用いてノズル本体201の先端部201cのホルダ部材202からの突出長さに関連する圧力を検出するために基台1の一部の上面が、凹凸がなく滑らかで硬く水平とされており、吸着ノズル20を検査する際にノズル本体201の先端部201cが当接する被当接部材となっており、圧力検出用の補助部位(図10、図11中の符号27)として機能する。ここでも、第2実施形態におけるノズル検査処理を詳述する前に、図10および図11を参照しつつノズル検査処理の検査原理について説明する。
図10は吸着ノズルの昇降動作とノズル先端圧力の変化の一例を示す図である。同図の横軸は時刻を示している。また、同図の左側縦軸は圧力検出部で検出されるノズル先端圧力の値を示している。さらに、右側縦軸は、軸方向Zにおける吸着ノズル20の高さ位置を示している。
部品供給部4a、4bから供給される部品を吸着ノズル20によって吸着する部品吸着動作時に実行されるバフィング動作を補助部位27上で再現するために、図10中の1点鎖線で示すように吸着ノズル20を軸方向Zに移動させる。また、その移動に伴う圧力検出部26の出力(ノズル先端圧力)を検出して図10の(a)欄中のグラフにプロットした。それによって得られた結果が図10中の太実線である。まず圧力検出用の補助部位27の上方位置に実装ヘッド51を位置決めし、その後でZ軸モーター5aにより実装ヘッド51を下降させると、当該実装ヘッド51に装着された吸着ノズル20も一緒に下降する。ここで、図10の(b)欄に示すように、吸着ノズル20が完全突出状態となっている場合には、図10の(a)欄中の破線で示すように、吸着ノズル20がバフィングゼロ高さH0に近づくと、ノズル本体201の先端部201cと補助部位27との間隔が小さくなっていくことでノズル先端圧力は変化し始め、バフィングゼロ高さH0に達すると、部品吸着に必要な負圧値(以下「吸着レベル」という)となる(タイミングT5)。そして、Z軸モーター5aのさらなる駆動によって吸着ノズル20がバフィングゼロ高さH0よりもZ2方向に下降していく間にノズル先端圧力は吸着レベルよりもさらに低下し、より大きな負圧が補助部位27に作用する。
一方、図10の(c)欄に示すように、吸着ノズル20が不完全突出状態となっている場合には、図10の(a)欄中の実線で示すように、ノズル先端圧力の変化は遅れ、タイミングT5よりも遅いタイミングT6でノズル先端圧力は吸着レベルに達する。このように、吸着ノズル20が完全突出状態か不完全突出状態かによって、ノズル先端圧力が吸着レベルに到達するタイミングが時間ΔT2だけ遅れる。また、ノズル先端圧力が吸着レベルに到達するときの吸着ノズル20の高さも、吸着ノズル20が完全突出状態か不完全突出状態かによって、異なっている。
よって、図10から明らかなように、吸着ノズル20を下降させながらノズル先端圧力を検出し、当該検出値が吸着レベルに達したタイミングあるいは吸着レベルに達した時点での吸着ノズル20の軸方向Zにおける高さ位置H1を取得し、それらのうちの少なくとも一方に基づいて吸着ノズル20を検査することが可能となっている。
上記した検査は吸着ノズル20を下降高さHLに移動させるまでの間に行われるものであるが、下降高さHLから元に戻すまでの間に吸着ノズル20を検査することも可能である。その検査原理について図11を参照しつつ説明する。
図11は本発明にかかるノズル検査方法の第2実施形態の検査原理を説明するための模式図であり、同図の(a)欄に吸着ノズル20のバフィング状態が正常である場合を示す一方で、同図の(b)欄に吸着ノズル20のバフィング状態が異常である場合を示している。バフィング状態が正常である場合には吸着ノズル20がバフィングゼロ高さH0まで下降すると、バフィング状態が異常である場合には吸着ノズル20が下降高さHLまで下降すると、いずれの場合も、ノズル本体201の先端部201cは補助部位27と接触し、ノズル先端圧力は吸着レベルに達する。これにより、ノズル本体201は補助部位27にしっかりと密着する。
次に、吸着ノズル20を下降高さHLから上昇させると、吸着ノズル20のバフィング状態が正常である場合には、同図の(a)欄に示すように、ノズル本体201が補助部位27に密着保持されて軸方向Zの高さ位置を変化させず、バネ部材203が伸張しながらホルダ部材202のみがZ1方向に上昇する。一方、吸着ノズル20のバフィング機能が異常である場合には、同図の(b)欄に示すように、ノズル本体201がホルダ部材202に固着し、その固着力がノズル先端圧力(負圧)による吸引力より強くなっているため、ノズル本体201は補助部位27から引き剥がされてホルダ部材202と一体的に上昇する。
よって、吸着ノズル20を下降高さHLに下降させた後でバフィングゼロ高さH0まで上昇させながら、その移動中のノズル先端圧力を検出し、その検出結果に基づいて吸着ノズル20を検査することが可能となっている。
図12は本発明にかかるノズル検査方法の第2実施形態を示すフローチャートである。この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、一日の運転開始前などのタイミングで予め記憶部122に記憶されているノズル検査プログラムを読み出し、当該ノズル検査プログラムにしたがってコントローラ120が装置各部を制御することでノズル検査処理を行う。まず、検査対象ノズル20を装着した実装ヘッド51が補助部位27の上方位置に位置するようにヘッドユニット5は移動される(ステップS201)。これに続いて、図示を省略する負圧供給源から配管28(図10参照)を介して検査対象ノズル20に負圧が供給されてノズル本体201の先端部201cによる吸引が開始される(ステップS202)とともに、圧力検出部26によるノズル先端圧力の検出が開始される。そして、Z軸モーター5aにより当該実装ヘッド51が下降され、検査対象ノズル20がバフィングゼロ高さH0に位置決めされる(ステップS203)。
次のステップS204では、圧力検出部26により検出されるノズル先端圧力が吸着レベルに到達しているか否かが判定される。ここで、吸着レベルに到達していないと判定される間、ステップS205およびS206が実行される。このステップS205では検査対象ノズル20が下降高さHLまで下降してきたか否かが判定される。ここで、当該ステップS204、S205でそれぞれ「NO」および「YES」と判定されるということは、検査対象ノズル20が下降高さHLに到達してもなお、ノズル本体201の先端部201cが補助部位27に到達しておらず、先端部201cが大幅にホルダ部材202に没入している状態であることを意味している。このような検査対象ノズル20により部品吸着は不可能であるため、この実施形態では検査対象ノズル20は重度の異常状態であると判定し、当該検査対象ノズル20を用いた部品実装を禁止する旨ならびに当該検査対象ノズル20の交換を推奨する旨を表示/操作ユニット130の表示部に表示して作業者に報知する(ステップS207)。一方、当該ステップS204、S205でともに「NO」と判定される間、つまり実装ヘッド51を微小量だけZ2方向に下降させ(ステップS206)、ステップS204に戻る。
ステップS204でノズル先端圧力が吸着レベルに到達したと判定されると、その時点での検査対象ノズル20の高さ位置、つまり吸着開始高さH2が取得され(ステップS208)、バフィングゼロ高さH0と一致するか否かの判定が行われる(ステップS209)。ここで、一致しないということは、例えば図10の(c)欄に示すように不完全突出状態で検査対象ノズル20が下降してきたことを意味しているため、ステップS207に進んで当該検査対象ノズル20の検査を完了する。一方、ステップS209で「YES」と判定されたときには、例えば図10の(b)欄に示すように完全突出状態で検査対象ノズル20が下降してきたことを意味しているため、さらにステップS210に進んで検査を続ける。
このステップS210では、図11に示すように、実装ヘッド51を強制的に下降させて検査対象ノズル20を下降高さHLまで下降させた後、直ちに実装ヘッド51を強制的に上昇させて検査対象ノズル20をバフィングゼロ高さH0まで戻す。そして、圧力検出部26により検出されるノズル先端圧力が変化する否かの判定が行われる(ステップS211)。そして、ノズル先端圧力の変化が認められる場合(ステップS211で「YES」の場合)、例えば図11の(b)欄に示すようにノズル本体201がホルダ部材202に固着して検査対象ノズル20のバフィング機能が損なわれていると判断し、ステップS207に進んで当該検査対象ノズル20の検査を完了する。一方、ノズル先端圧力の変化が認められない場合(ステップS211で「NO」の場合)、例えば図11の(a)欄に示すように検査対象ノズル20のバフィング機能が有効に作用しており、検査対象ノズル20が正常状態であると判定し、その旨を表示/操作ユニット130の表示部(図示省略)に表示して作業者に報知する(ステップS212)。
こうして実装ヘッド51に装着された検査対象ノズル20の検査が完了すると、全ての実装ヘッド51について吸着ノズル20の検査が完了していない間(ステップS213で「NO」と判定されている間)においては、未検査の吸着ノズル20を検査対象ノズルとして上記一連の工程(ステップS201〜S212)を繰り返して実行する。
以上のように、第2実施形態によれば、圧力検出部26によってノズル先端圧力を本発明の「物理量」として検出し、当該ノズル先端圧力のみから吸着ノズル20のバフィング状態を正確に把握して吸着ノズル20の検査を行っている。しかも、圧力検出部26は、表面実装機100が本来的に装備している構成要素である。したがって、特許文献1に記載の装置、さらには第1実施形態よりも簡易な構成で吸着ノズルの異常を検査することができる。
また、第2実施形態では、圧力検出部26および補助部位27を用いたノズル先端圧力の検出によって吸着ノズル20のバフィング機能の低下を検査することができ、その検査結果に基づき部品実装作業を行う前に吸着ノズル20のバフィング不良を未然に検査することができる。その結果、部品実装作業の効率化を図ることができる。
また、第2実施形態では、吸着ノズル20が下降高さHLに到達する前における吸着ノズル20の異常と、下降高さHLまで下降した吸着ノズル20が上昇するときの吸着ノズル20の異常とを検査することができる。もちろん、第1実施形態と同様に下降高さHLまで下降した吸着ノズル20が上昇するときの吸着ノズル20の異常のみを検査するように構成することも可能である。逆に、吸着ノズル20が下降高さHLに到達する前における吸着ノズル20の異常のみを検査するように構成することも可能である。
なお、上記第2実施形態では、ノズル先端圧力が吸着レベルに達した時点での吸着ノズル20のノズル高さに基づいてバフィング機能の低下を判定しているが、吸着レベルに達したタイミングに関連する時間情報に基づいて上記判定を行ってもよい。例えばステップS203で吸着ノズル20をバフィングゼロ高さH0に位置決めしてから、ステップS204で「YES」と判定されるまでの経過時間を上記時間情報として用いることができる。 なおさらに、上記第2実施形態では、基台1の一部を、吸着ノズル20を検査する際にノズル本体201の先端部201cが当接する被当接部材とし、圧力検出用の補助部位27としているが、上記第1実施形態でのロードセル25を用いても良い。
<第3実施形態>
バフィング機能の低下は部品実装動作を繰り返している間にまず軽度の異常が発生し、その頻度が徐々に高まって、最終的に重度の異常に至ることが多い。したがって、異常を検出したとしても、直ちに部品実装動作を停止するのではなく、異常の発生頻度が一定以上となった段階で当該吸着ノズル20による部品実装動作を中止してもよい(第3実施形態)。
図13は本発明にかかるノズル検査装置の第3実施形態を装備する表面実装機での部品吸着処理を示すフローチャートである。なお、第3実施形態にかかるノズル検査装置を装備する表面実装機は基本的に第2実施形態にかかるノズル検査装置を装備する表面実装機と同一である。
表面実装機100は、予め記憶部122に記憶されている自動実装プログラムを読み出し、当該自動実装プログラムにしたがってコントローラ120が装置各部を制御することで、部品吸着処理、部品搬送処理、部品搭載処理などからなる部品実装動作を繰り返して行う。このコントローラ120の演算処理部121では、実装ヘッド51毎に、実装ヘッド51に装着された吸着ノズル20の異常が検出された回数を示す異常カウントkおよび当該吸着ノズル20で吸着して部品実装動作に寄与した回数を示す部品吸着カウントmが設定されている。そして、実装ヘッド51毎に図13に示す部品吸着処理が実行されるが、以下においては一の実装ヘッド51に対応して行われる部品吸着処理に絞って説明する。
この部品吸着処理では、新規な吸着ノズル20やメンテナンスされた吸着ノズル20が実装ヘッド51に装着されると、異常カウントkおよび部品吸着カウントmがゼロにリセットされる(ステップS301)。そして、異常発生頻度が予め設定されたしきい値を超えない限り、自動実装プログラムにしたがって部品吸着とノズル検査とを並行して行う(ステップS302〜S312)。すなわち、実装ヘッド51が部品供給部4a、4bから供給される部品の上方位置に位置するようにヘッドユニット5は移動される(ステップS302)。これに続いて、図示を省略する負圧供給源から吸着ノズル20に負圧が供給されてノズル本体201の先端部201cによる吸引が開始される(ステップS303)とともに、圧力検出部26によるノズル先端圧力の検出が開始される。そして、Z軸モーター5aにより当該実装ヘッド51が下降され、吸着ノズル20が部品に向かって移動する(ステップS304)。やがてノズル本体201の先端部201cが部品の上面に接触し、部品を吸着する(ステップS305)。このタイミングで部品吸着カウントmが「1」だけインクリメントされる。
また、部品吸着と並行して、圧力検出部26により検出されるノズル先端圧力がモニターされ、吸着レベルに到達した時点での吸着ノズル20の高さ位置H2が取得され(ステップS306)る。部品の上面でノズル本体201の先端部201cの負圧開口が塞がれ、圧力検出部26により検出されるノズル先端圧力が吸着レベルに到達する。しかしながら、この時点での吸着ノズル20の高さ位置H2は、部品が負圧により浮き上がって吸着される場合は、バフィングゼロ高さH0より上方位置となり、部品が負圧により浮き上がることなく吸着される場合でも、圧力検出部26の応答遅れによりバフィングゼロ高さH0より下方位置となる場合がある。部品吸着時の異常は、ノズル先端圧力が吸着レベルに到達する吸着ノズル20の高さ位置H2で判断される。検査対象ノズル20が完全突出状態でない場合は、ノズル先端圧力が吸着レベルに到達する吸着ノズル20の高さ位置H2は、バフィングゼロ高さH0より下方位置となる。この高さ位置H2が、ノズル本体201が不完全突出状態ながら、突出量が完全突出状態に近い許容突出量となる許容不完全突出状態の場合の、ノズル本体201の先端部201cに浮き上がっていない状態の部品に当接する高さ位置H3より下方であれば異常と判断される(ステップS307)。
このステップS307で「NO」と判定されたときには、例えば図10の(b)欄に示すように完全突出状態、あるいは許容不完全突出状態で吸着ノズル20が下降してきたことを意味しているため、吸着ノズル20を下降高さH4(ボトミングによりバネ受部202dが破損する恐れのある高さ位置より上方位置で、H3よりは下方位置)まで下降させ、吸着ノズル20のバフィング機能を利用しながら部品を確実に吸着保持した(ステップS308)後で、吸着ノズル20で部品を吸着保持したままZ軸モーター5aにより当該実装ヘッド51が所定高さ位置まで上昇され、実装ヘッド51が部品実装位置の上方に位置するようにX軸モーター7aおよびY軸モーター8aによりヘッドユニット5が移動される(ステップS309)。こうして一の部品吸着を完了し、次の部品吸着に備える。
一方、ステップS307で「YES」と判定されたときには、例えば図10の(a)欄に示すように許容できない不完全突出状態で吸着ノズル20が下降してきたことを意味しているため、吸着ノズル20が異常状態であると判定し、異常カウントkを「1」だけインクリメントする(ステップS310)。そして、当該異常カウントkと部品吸着カウントmとに基づいて異常発生頻度が算出され(ステップS311)、さらにしきい値と比較される(ステップS312)。ここで、異常発生頻度がしきい値以下である場合(ステップS312で「NO」)、異常発生の初期段階であり、発生した異常も軽度なものであると推測される。そこで、本実施形態では、ステップS308に進んで異常が検出されなかった場合(ステップS307で「YES」)と同様にして一の部品吸着を完了し、次の部品吸着に備える。
なお、テープフィーダー41の部品供給位置41aに部品がない状態でステップS302からステップS307を順次実施して行くと、ステップS307でYESとなってしまう。しかし、これは吸着ノズル20の異常ではないので、ステップS308からステップS309の途中で行う吸着ノズルへの部品吸着位置認識のための部品撮像により、部品が吸着されていないと判断される場合には、ステップS310で1加算された部品吸着カウント値mと、ステップS310で1加算された異常カウント値kとをもとの値に戻す演算が行われる。そして、ステップS309を実施することなくステップS302へ移動する。
ステップS312で異常発生頻度がしきい値を超えていると判定される、つまり異常が頻繁に発生している場合には、当該吸着ノズル20に重度の異常が発生していると推測されるため、当該吸着ノズル20による部品吸着が中止される(当該吸着ノズル20に吸着されている部品は廃棄される)とともに、当該吸着ノズル20の交換を推奨する旨を表示/操作ユニット130の表示部に表示して作業者に報知する(ステップS313)。なお、当該吸着ノズル20の代わりに、他の吸着ノズル20によって当該部品を吸着するように構成してもよい。
なお、実際の部品実装処理においては、実装ヘッド51を部品実装位置の上方に移動する(ステップS309)のは、ヘッドユニット5の全ての実装ヘッド51に部品が吸着された後であり、ヘッドユニット5の全ての吸着ノズル20の部品を実装した後、次の実装ターン(全ての吸着ノズル20における部品吸着=部品吸着処理と、基板上方へのヘッドユニット5の移動=部品搬送処理と、全ての吸着ノズル20における吸着部品の順次実装=部品搭載処理と、その後の部品供給部4a、4bへのヘッドユニット5の移動=ヘッドユニット復帰移動処理とからなる)として、ステップS302〜S312がヘッドユニット5の各実装ヘッド51に対して順次実施される。そして、基板110への全実装ターンによる全実装対象部品の実装が終了した場合は、基板110が搬出され次の基板110が搬入されて各実装ターンごとに、ステップS302以下の各ステップが各実装ヘッド51に対して順次実施される。基板110の実装予定枚数に到達すれば、基板110が搬出された後、表面実装機100の運転が終了する。一方、ステップS313により表面実装機100が停止した場合(エンド)、ノズル交換を実施し再運転スイッチを押せば、ステップS301に戻り、交換を終えた吸着ノズル20によるステップS302〜S312の部品吸着処理が再開される。
以上のように、第3実施形態によれば、第2実施形態と同様に、圧力検出部26によって、ノズル本体201の先端部201cで部品を吸着(すなわち先端部201cは部品に当接)する前後において、ノズル先端圧力を本発明の「物理量」として検出し、当該ノズル先端圧力のみから吸着ノズル20のバフィング状態を正確に把握して吸着ノズル20の検査を行っているため、簡易な構成で吸着ノズルの異常を検査することができる。しかも、部品実装動作を行いながら吸着ノズル20の検査を行うことができ、表面実装機100の稼働効率を高めることができる。もちろん、吸着ノズル20が重度の異常状態となったときには、当該吸着ノズル20による部品吸着を確実に回避することができる。なお、部品は、吸着ノズル20を検査する際にノズル本体201の先端部201cが当接する被当接部材となる。
<第4実施形態>
ところで、Z軸モーター5aを駆動制御するために、モーター制御部123は例えば図14に示すモーター駆動部1230を有している。モーター駆動部1230は、演算処理部121から与えられる位置指令信号に基づいてZ軸モーター5aを駆動する機能を有している。モーター駆動部1230では、位置制御部1231が位置指令信号とZ軸モーター5aに付設されたエンコーダ5eから出力される位置検出信号との差に基づいて速度指令信号を出力する。速度制御部1232は、上記位置検出信号を微分器1233で微分することで算出されるZ軸モーター5aの駆動速度と速度指令信号との差に基づいて電流指令信号を出力する。この電流指令信号は電流制御部1234に出力される。この電流制御部1234は電流指令信号に基づいて駆動指令信号を電流センサ1235を介してZ軸モーター5aに出力する。
より詳しくは、電流センサ1235は電流制御部1234から出力された駆動指令信号を検出して駆動指令信号の電流値を示す電流検出信号を電流制御部1234の入力側にフィードバックする。そして、電流制御部1234は電流検出信号と電流指令信号との差に基づいて駆動指令信号を出力する。そして、駆動指令信号を受けたZ軸モーター5aは、この駆動指令信号に応じたトルクを出力する。したがって、Z軸モーター5aの駆動により吸着ノズル20をZ方向に移動させてノズル本体201の先端部201cを部品や補助部位27に当接させるときに部品や補助部位27がノズル本体201から受ける荷重をZ軸モーター5aに与える電流に関連する信号(以下「電流関連信号」という)に基づいて検出することができる。つまり、モーター駆動部1230が本発明の「荷重検出部」として機能する。そして、部品や補助部位27が、吸着ノズル20を検査する際にノズル本体201の先端部201cが当接する被当接部材となり、ノズル本体201から受ける荷重と同じ大きさの反力をノズル本体201へ作用させる。
よって、図14に示すように電流指令信号を上記電流関連信号としてモーター駆動部1230から演算処理部121に与え、演算処理部121が電流指令信号(「荷重値」に相当)に基づいて吸着ノズル20のバフィング機能の低下を検査するように構成してもよい。例えばロードセル25の代わりに補助部位27に吸着ノズル20を下降させ、電流指令信号により第1実施形態中の「ロードセル荷重値W1、W2」や「荷重変化量ΔW」に相当する荷重値を算出し、それらに基づいて吸着ノズル20の異常状態を検出するように構成してもよい。もちろん、電流関連信号としては、電流指令信号以外に電流検出信号などを用いてもよい。
なお、第4実施形態では、吸着ノズル20のバフィング機能の低下を、補助部位27に吸着ノズル20を下降させて検査しているが、第3実施形態と同様に、部品に吸着ノズル20を下降させて検査してもよい。
<その他>
上記したように、第1実施形態ないし第4実施形態のいずれにおいてもコントローラ120の演算処理部121が本発明の「判定部」として機能している。そして、第1実施形態では、ロードセル25が本発明の「荷重検出部」および「検出部」の一例に相当し、これとコントローラ120との組み合わせで本発明の「ノズル検査装置」が構成されている。また、第2実施形態および第3実施形態では、圧力検出部26が本発明の「検出部」の一例に相当し、これとコントローラ120との組み合わせで本発明の「ノズル検査装置」が構成されている。さらに、第4実施形態では、モーター駆動部1230が本発明の「荷重検出部」の一例に相当し、これとコントローラ120との組み合わせで本発明の「ノズル検査装置」が構成されている。
また、第1実施形態ないし第4実施形態では、バネ部材203が本発明の「付勢部材」の一例に相当している。これらの実施形態では、Z2方向側が本発明の「ノズル本体の突出側」の一例に相当し、ヘッドユニット5およびコントローラ120の組み合わせによって部品を搬送しており、本発明の「部品搬送装置」の一例に相当している。そして、第1実施形態および第4実施形態では、バフィングゼロ高さH0および下降高さH1がそれぞれ本発明の「第1位置」および「第2位置」の一例に相当し、第2実施形態および第3実施形態では下降高さH2および下降高さH3がそれぞれ本発明の「第3位置」および「第4位置」の一例に相当している。また、Z2方向側が本発明の「ノズル本体の突出側」に相当している。また、第1実施形態ではロードセル25が、第2実施形態おでは補助部位27が、第3実施形態では部品が、そして第4実施形態では、部品や補助部位27が、それぞれ本発明の「被当接部材」の一例に相当している。さらに、ヘッドユニット5およびコントローラ120の組み合わせが部品を搬送する本発明の「部品搬送装置」として機能する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記した第1実施形態ないし第4実施形態では、ノズル検査装置が表面実装機100の部品搬送装置に適用されているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、バフィング機能を有する吸着ノズルを用いて部品を搬送する部品搬送装置全般に適用可能である。例えば部品供給部において供給される部品を試験手段に搬送して各種試験を行う部品試験機(図示省略)に装備される部品搬送装置に対して本発明を適用してもよい。さらに、本発明の適用対象として部品搬送装置を有する表面実装機100や部品試験機に適用可能である。
また、上記した第1実施形態ないし第4実施形態では、ホルダ部材202に対するノズル本体201の出退異常、つまりバフィング状態の異常の種類として「軽度の異常状態」と「重度の異常状態」とを設け、下降高さH1(第2位置)からの吸着ノズル20の上昇時における荷重値の変化に基づいて出退異常の種類を特定しているが、下降高さH1(第2位置)に到達する前の荷重値の変化や下降高さH1(第2位置)に到達する時点(タイミングT2)での荷重値に基づいてバフィング状態の異常の種類を求めてもよい。
また、上記第1実施形態では、荷重変化量ΔW(=W1−W2)を本発明の「荷重値の変化」として算出しているが、荷重変化量の代わりに荷重変化率を求めてもよい。
この発明は、いわゆるバフィング機能を有する吸着ノズルを検査するノズル検査装置およびノズル検査方法、ならびに当該ノズル検査装置を装備する部品搬送装置全般、さらには部品搬送装置を装備する表面実装機や前記の部品試験機に適用可能である。
1…基台
5…ヘッドユニット
20…吸着ノズル、検査対象ノズル
25…ロードセル(荷重検出部、検出部)
26…圧力検出部(検出部)
27…補助部位(被当接部材)
100…表面実装機
110…基板
121…演算処理部
201…ノズル本体
202…ホルダ部材
203…バネ部材
1230…モーター駆動部(荷重検出部)
201c…(ノズル本体の)先端部
5a…Z軸モーター
HL…下降高さ
Lmax…突出限界
Z…軸方向

Claims (12)

  1. 先端部で部品を吸着する軸状のノズル本体と、前記ノズル本体の前記先端部を軸方向に出退自在に保持するホルダ部材と、前記ノズル本体を付勢して前記ノズル本体の前記先端部を前記ホルダ部材から前記軸方向に突出限界まで突出可能とする付勢部材とを有し、前記軸方向への前記ホルダ部材の移動により前記ノズル本体の前記先端部が前記部品に当接して吸着する、吸着ノズルを検査するノズル検査装置であって、
    前記軸方向への前記ホルダ部材の移動に伴って変化する物理量を前記ホルダ部材の移動に関連付けて検出する検出部と、
    前記検出部で検出される前記物理量から、前記ホルダ部材の移動に伴う前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退状態を判定する判定部と
    前記軸方向への前記ホルダ部材の移動により前記ノズル本体の前記先端部が当接する被当接部材とを備え、
    前記検出部は、前記軸方向への前記ホルダ部材の移動により前記ノズル本体の前記先端部が前記被当接部材に当接するときに、前記被当接部材が前記ノズル本体から受ける荷重を前記物理量として検出する荷重検出部であり、
    前記突出限界まで突出した完全突出状態で前記ノズル本体の前記先端部が前記被当接部材に接触するときの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置を第1位置とし、前記ホルダ部材を前記第1位置よりも前記ノズル本体の突出側に移動させたときの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置を第2位置としたとき、
    前記判定部は、前記ホルダ部材が前記第2位置に位置した状態から前記第1位置に向けて移動した直後に前記荷重検出部により検出される荷重値がゼロであるときには前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退異常が発生したと判定する
    ことを特徴とするノズル検査装置。
  2. 請求項に記載のノズル検査装置であって、
    前記被当接部材が荷重を検知するロードセルからなるノズル検査装置。
  3. 請求項に記載のノズル検査装置であって、
    前記ホルダ部材はモーターによる駆動によって前記軸方向に移動し、
    前記検出部は、前記モーターに与える電流に関連する信号に基づいて前記被当接部材が前記ノズル本体から受ける荷重を前記物理量として検出する荷重検出部であるノズル検査装置。
  4. 先端部で部品を吸着する軸状のノズル本体と、前記ノズル本体の前記先端部を軸方向に出退自在に保持するホルダ部材と、前記ノズル本体を付勢して前記ノズル本体の前記先端部を前記ホルダ部材から前記軸方向に突出限界まで突出可能とする付勢部材とを有し、前記軸方向への前記ホルダ部材の移動により前記ノズル本体の前記先端部が前記部品に当接して吸着する、吸着ノズルを検査するノズル検査装置であって、
    前記軸方向への前記ホルダ部材の移動に伴って変化する物理量を前記ホルダ部材の移動に関連付けて検出する検出部と、
    前記検出部で検出される前記物理量から、前記ホルダ部材の移動に伴う前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退状態を判定する判定部と
    前記軸方向において前記ノズル本体の突出側で固定配置されて前記軸方向への前記ホルダ部材の移動により前記ノズル本体の前記先端部が当接するときに前記ノズル本体の前記先端部を塞ぐ被当接部材とを備え、
    前記検出部は、前記ノズル本体の前記先端部での圧力を前記物理量として検出する圧力検出部であり、
    前記判定部は、前記ホルダ部材が前記被当接部材に向かって移動している間に前記圧力検出部により検出される圧力値が前記部品の保持に要する吸着レベルに達するタイミングまたは前記タイミングでの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置に基づいて前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退状態の異常を判定する
    ことを特徴とするノズル検査装置。
  5. 請求項に記載のノズル検査装置であって、
    前記突出限界まで突出した完全突出状態で前記圧力検出部により検出される圧力値が前記吸着レベルに達するときの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置を第3位置とし、前記ホルダ部材を前記第3位置よりも前記ノズル本体の突出側に移動させたときの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置を第4位置としたとき、
    前記判定部は、前記タイミングでの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置が前記第3位置よりも前記第4位置側であるとき、あるいは前記ホルダ部材が前記第4位置に移動したときでも前記圧力検出部により検出される圧力値が前記吸着レベルに達しないときには前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退異常が発生したと判定するノズル検査装
  6. 請求項に記載のノズル検査装置であって、
    前記ホルダ部材は前記第3位置から前記第4位置を経由して前記第3位置に戻り、
    前記判定部は、前記ホルダ部材が前記第4位置から前記第3位置に戻る間における、前記圧力検出部により検出される圧力値の変化に基づいて前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退状態の異常を判定するノズル検査装置。
  7. 先端部で部品を吸着する軸状のノズル本体と、前記ノズル本体の前記先端部を軸方向に出退自在に保持するホルダ部材と、前記ノズル本体を付勢して前記ノズル本体の前記先端部を前記ホルダ部材から前記軸方向に突出限界まで突出可能とする付勢部材とを有し、前記軸方向への前記ホルダ部材の移動により前記ノズル本体の前記先端部が前記部品に当接して吸着する、吸着ノズルを検査するノズル検査装置であって、
    前記軸方向への前記ホルダ部材の移動に伴って変化する物理量を前記ホルダ部材の移動に関連付けて検出する検出部と、
    前記検出部で検出される前記物理量から、前記ホルダ部材の移動に伴う前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退状態を判定する判定部とを備え
    前記検出部は、前記ノズル本体の前記先端部での圧力を前記物理量として検出する圧力検出部であり、
    前記判定部は、前記ホルダ部材が前記部品に向かって移動している間に前記圧力検出部により検出される圧力値が前記部品の保持に要する吸着レベルに達するタイミングまたは前記タイミングでの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置に基づいて前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退状態の異常を判定する
    ことを特徴とするノズル検査装置。
  8. 請求項に記載のノズル検査装置であって、
    前記突出限界まで突出した完全突出状態で前記圧力検出部により検出される圧力値が前記吸着レベルに達するときの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置を第3位置とし、前記ホルダ部材を前記第3位置よりも前記ノズル本体の突出側に移動させたときの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置を第4位置としたとき、
    前記判定部は、前記タイミングでの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置が前記第3位置よりも前記第4位置側であるとき、あるいは前記ホルダ部材が前記第4位置に移動したときでも前記圧力検出部により検出される圧力値が前記吸着レベルに達しないときには前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退異常が発生したと判定するノズル検査装置。
  9. 先端部で部品を吸着する軸状のノズル本体と、前記ノズル本体を軸方向に出退自在に保持するホルダ部材と、前記ノズル本体の前記先端部を前記ホルダ部材から前記軸方向に突出させるように付勢する付勢部材とを有し、前記軸方向への前記ホルダ部材の移動により前記ノズル本体の前記先端部が前記部品に当接して吸着する、吸着ノズルを検査するノズル検査方法であって、
    前記ホルダ部材を前記軸方向に移動させる第1工程と、
    前記ホルダ部材の移動中に、前記ホルダ部材の移動に伴って変化する物理量を検出する第2工程と、
    検出された前記物理量から、前記ホルダ部材の移動に伴う前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退状態を判定する第3工程とを備え
    前記第2工程は、前記軸方向への前記ホルダ部材の移動により前記ノズル本体の前記先端部が被当接部材に当接するときに、前記被当接部材が前記ノズル本体から受ける荷重を前記物理量として検出する工程を含み、
    前記第3工程は、前記突出限界まで突出した完全突出状態で前記ノズル本体の前記先端部が前記被当接部材に接触するときの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置を第1位置とし、前記ホルダ部材を前記第1位置よりも前記ノズル本体の突出側に移動させたときの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置を第2位置としたとき、前記ホルダ部材が前記第2位置に位置した状態から前記第1位置に向けて移動した直後に前記荷重検出部により検出される荷重値がゼロであるときには前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退異常が発生したと判定する工程を含む
    ことを特徴とするノズル検査方法。
  10. 先端部で部品を吸着する軸状のノズル本体と、前記ノズル本体を軸方向に出退自在に保持するホルダ部材と、前記ノズル本体の前記先端部を前記ホルダ部材から前記軸方向に突出させるように付勢する付勢部材とを有し、前記軸方向への前記ホルダ部材の移動により前記ノズル本体の前記先端部が前記部品に当接して吸着する、吸着ノズルを検査するノズル検査方法であって、
    前記ホルダ部材を前記軸方向に移動させる第1工程と、
    前記ホルダ部材の移動中に、前記ホルダ部材の移動に伴って変化する物理量を検出する第2工程と、
    検出された前記物理量から、前記ホルダ部材の移動に伴う前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退状態を判定する第3工程と
    前記軸方向への前記ホルダ部材の移動により前記ノズル本体の前記先端部が当接するときに前記ノズル本体の前記先端部を塞ぐように、前記軸方向において前記ノズル本体の突出側で被当接部材を固定配置する第4工程とを備え、
    前記第2工程は、前記ノズル本体の前記先端部での圧力を前記物理量として検出する工程を含み、
    前記第3工程は、前記ホルダ部材が前記被当接部材に向かって移動している間に前記圧力検出部により検出される圧力値が前記部品の保持に要する吸着レベルに達するタイミングまたは前記タイミングでの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置に基づいて前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退状態の異常を判定する工程を含む
    ことを特徴とするノズル検査方法。
  11. 先端部で部品を吸着する軸状のノズル本体と、前記ノズル本体を軸方向に出退自在に保持するホルダ部材と、前記ノズル本体の前記先端部を前記ホルダ部材から前記軸方向に突出させるように付勢する付勢部材とを有し、前記軸方向への前記ホルダ部材の移動により前記ノズル本体の前記先端部が前記部品に当接して吸着する、吸着ノズルを検査するノズル検査方法であって、
    前記ホルダ部材を前記軸方向に移動させる第1工程と、
    前記ホルダ部材の移動中に、前記ホルダ部材の移動に伴って変化する物理量を検出する第2工程と、
    検出された前記物理量から、前記ホルダ部材の移動に伴う前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退状態を判定する第3工程とを備え
    前記第2工程は、前記ノズル本体の前記先端部での圧力を前記物理量として検出する工程を含み、
    前記第3工程は、前記ホルダ部材が前記部品に向かって移動している間に前記圧力検出部により検出される圧力値が前記部品の保持に要する吸着レベルに達するタイミングまたは前記タイミングでの前記軸方向における前記ホルダ部材の位置に基づいて前記ホルダ部材に対する前記ノズル本体の出退状態の異常を判定する工程を含む
    ことを特徴とするノズル検査方法。
  12. 先端部で部品を吸着する軸状のノズル本体と、前記ノズル本体の前記先端部を軸方向に出退自在に保持するホルダ部材と、前記ノズル本体を付勢して前記ノズル本体の前記先端部を前記ホルダ部材から前記軸方向に突出限界まで突出可能とする付勢部材とを有し、前記軸方向への前記ホルダ部材の移動により前記ノズル本体の前記先端部が前記部品に当接して吸着する、吸着ノズルをヘッドユニットに設け、前記ノズル本体の前記先端部で部品を吸着しながら前記ヘッドユニットを移動させて前記部品を搬送する部品搬送装置であって、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載のノズル検査装置を備えることを特徴とする部品搬送装置。
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