図1において、請求項1の較正方法により較正可能な第1実施形態の質量分析計1が示される。
図1において、質量分析計の主部品のみが、このような質量分析計を較正する新たな方法のより良い理解のために示される。
質量分析計の2つの主部品は、質量分析計により分析されるべきイオンが、調査されるべき試料から生成されるイオン源2と、イオンを検出する検出手段3である。検出されるイオンは、イオン源2で直接的に生成されたイオンの少なくとも一部であり得る。検出されるイオンは、イオン源2で生成されたイオンから追加のプロセスにより生成され得る。このような二次イオン及び/又は高次のイオン(1よりも多いプロセスステップにより作成される)を作成する、当業者にとって公知の全てのプロセスが、これらの追加のプロセスに使用可能である。ちょうど例えば、衝突、断片化、捕捉及び解離のプロセスが述べられることになる。もちろん、検出手段3が、イオン源2で直接的に生成された類似イオン、及び追加のプロセスにより生成されたイオンを検出することがまた可能である。
さらに第1実施形態の質量分析計は、主部品として2つの質量分析器、第1の質量分析器4及び第2の質量分析器5を備える。第1の質量分析器4は、四重極、第1の四重極4である。この質量分析計1において、イオンは、イオン源2から放出され、両質量分析器4、5を通過する検出手段3への軌道7上を移動することができ、イオンは、まず第1の四重極4を通過しその後第2の質量分析器5を通過する。
質量分析計1の検出手段3は、第2の質量分析器5から離隔される検出器3である。
第2の質量分析器5は、第2の四重極であってもよい。この第2の四重極は、非選択的透過モードにおいてもまた作動されてもよい。第2の質量分析器5は、飛行時間型質量分析器またはイオントラップであってもよい。これらのイオントラップは、オービトラップまたはイオンサイクロトロン共鳴セルであってもよい。別の実施形態において、第2の質量分析器5は、扇形磁場型及び/又は扇形電場型分析器であってもよい。
第1の四重極4は、RF電圧及びDC電圧が第1の四重極の電極に両電圧を供給する電源6により印加される、フィルタ窓幅wを有する質量フィルタ窓で質量を選択する質量選択モードで予備選択用質量分析器として使用可能である。供給されるRF電圧の振幅は、選択された質量m及びフィルタ窓幅wの第1の関数RF(m,w)であり、供給されるDC電圧は、選択された質量m及びフィルタ窓幅wの第2の関数DC(m,w)である。選択された質量mは、第1の四重極4が、質量選択モードで予備選択用質量分析器として作動される場合、質量フィルタ窓の中央における質量である。
特定の質量範囲、質量フィルタ窓内の質量を有するイオンのみが、第1の四重極4を通過することができる。第1の四重極4のフィルタ窓幅wは、第1の四重極を通過することのできる特定の質量範囲のイオンの幅である。つまり、第1の四重極が予備選択用質量分析器として作動される場合、イオン源により生成されたイオンは、第1の四重極4により、予備選択され、質量フィルタ窓内の質量を有するイオンのみが、第1の四重極を通過しその後第2の質量分析器に到達可能である。
四重極の電極に高周波電磁場を印加するRF電圧の周波数は、作動中の四重極に対し固定され、1MHz〜15MHzの範囲、好ましくは、2MHz〜6MHzの範囲、特に、3MHz〜5MHzの範囲である。
第1実施形態の質量分析計は、通常、より多くの部品、特に、例えば、イオンビームの軌道を画定しイオンビームを収束するためのイオン光学素子を備える。これらの部品は、当業者にとって公知であり、本発明の例示を簡素化するために詳細には記載しない。
図2において、本発明の質量分析計を較正する方法のタイミングがフローチャートにより例示される。
第1の時間t1において第2の質量分析器の較正(ステップi)、21)が行われる必要がある。
この第1のステップ21において第2の質量分析器5が、較正される必要がある。第2の質量分析器5は、少なくとも質量分析モードで較正される必要がある。このモードにおいて、第2の質量分析器5は、特定の質量のイオンが検出手段によって別個に検出可能なように、質量選択的である。第2の質量分析器5のこの分解能モードにおいて、分析器は、検出されたイオンの質量を分別するために高分解能を有する。第2の質量分析器5の較正は、現時点の技術水準である較正方法によって実施される。第2の質量分析器5の較正中に、第1の四重極4は、好ましくは、イオン源からの全てのイオンが第2の質量分析器に到達可能なように、透過モードで、すなわち質量非選択的モードで作動される。第1の四重極4の透過モードにおいて、透過される質量mtransの関数RFtrans(mtrans)により与えられる振幅を有するRF電圧のみが、第1の四重極に印加されてもよい。
第1の時間t1より後の第2の時間t2において、第1の四重極は、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓で質量を選択する質量選択モードで較正される(ステップii)、22)。この第1の四重極の較正の間、第2の質量分析器は、質量分析モードで作動される。
この第2のステップ22において第1の四重極4が、質量選択モードで較正される。この較正は、質量選択モードの質量フィルタ窓の特定のフィルタ窓幅wcalに対して実施される必要がある。つまり較正された第1の四重極4は、質量選択モードにおいて、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓内の質量を有するイオンを選択することになる。
第1の四重極4は、2u〜30uのフィルタ窓幅wcalを有するように、好ましくは、5u〜20uのフィルタ窓幅wcalを有するように、特に好ましくは、8u〜15uのフィルタ窓幅wcalを有するように質量選択モードで較正されてもよい。
本発明によると、第2の質量分析器5の較正は、第1の四重極4が質量選択モードで較正される前に実行されている。つまり第2の質量分析器5は、第1の時間t1において較正される必要があり、第1の時間t1より後の第2の時間t2において、第1の四重極4が、質量選択モードで較正される必要がある。そして両質量分析器4、5の較正は、直接的に順々に実行可能なので、第1の時間t1と第2の時間t2との間の時間差は、数秒、数分または数時間のように非常に短くてもよい。一方で、第2の質量分析器5の較正は、質量分析計の設定時のみに実施することができ、第1の四重極4の較正は、その後、例えば、質量分析計が最終利用者において設置されるときに実施されてもよい。さらに、第1の四重極4の較正は、時間毎に繰り返されてもよい。第2の質量分析器5の事前の新たな較正は、必要とされないであろう。
本発明の方法による質量分析計の第1の四重極のこの較正の本質的なステップは、図3に示されるフローチャートにより大まかに例示される。これらの本質的なステップに追加のステップを含む較正の任意の方法もまた、本発明により包含される。この本発明の大まかな説明によれば、本発明の方法の構造に関する全体像を与えるために本方法の本質的なステップの基本機能が説明されるのみであろう。
第1の四重極4の較正が開始される前に、較正用の較正パラメータ40の設定がなければならない。この設定は、1回設定であり得る。この1回設定は、質量分析計の制御ユニットに固定格納され、及び/又は質量分析計の設定時に設定される。1回設定は、例えば、機器の使用の開始後にまた設定可能であり、質量分析計が使用されるべき測定要求に適合され得る。較正パラメータ40の設定はまた、本発明のいくつかの実施形態において、例えば、質量分析計の使用または質量分析計のパラメータの変更に応じて、時間毎に繰り返されてもよい。
第1の四重極の較正の第1のステップ(ステップiia)、41)において、数個の質量mcalであって、質量選択モードで第1の四重極によって選択されることになる質量mcalに対し、質量mcalが、目的とされたフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓の中央で四重極によって選択されるように、第1の四重極の電極に印加される必要があるRF電圧の振幅及びDC電圧が、決定される。
第1の四重極の較正の次のステップ(ステップiib)、42)において、電圧関数が、前述のステップ(ステップiia)、41における較正質量用に決定されたRF電圧の振幅の値及びDC電圧に適合される。電圧関数は、電源6により第1の四重極4の電極に印加されるRF電圧及びDC電圧を表現する。これらは、較正されることになるフィルタ窓幅wcalに割り当てられ、選択された質量mの関数である。
第1の四重極4の較正の次のステップ(ステップiic)、43)において、上のステップ(ステップiib)、42)で適合された関数の適合が、確認される。
第1の四重極4の較正の次のステップ(ステップiid、44)において、適合された関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)の確認が、評価される。
第1の四重極4の較正の次のステップ(ステップiie、45)において、較正の繰り返しに関する決定が定義される。この決定は、適合された関数の確認(ステップiic)、43)、及びこの確認の評価(ステップiid、44)により用意される。較正を繰り返す決定である場合(yes)、較正ステップiia)〜iie)(41、42、43、44、45)は、矢印50により示され繰り返される。較正を繰り返す決定ではない場合(no)、フィルタ窓幅wcalを有するフィルタ窓で質量を選択する質量選択モードにおける第1の四重極4の較正は、終了される。この場合、第1の四重極4が、フィルタ窓幅wcalを有するフィルタ窓で質量を選択する質量選択モードで作動されるときに、適合された電圧関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)が、使用される。
図1に示される第1実施形態の質量分析計を較正するために使用される、請求項に挙げられた方法の実施形態は、第1の四重極の較正のステップ(ステップii、22)を詳細に示すフローチャートにより詳細に例示される。本方法の多くの詳細を示すフローチャートの良好な明瞭さのために、フローチャートは、別個の図4、5及び6に示される3つのパート(パート1、2及び3)に分かれる。本方法の異なるステップが、フローチャートの箱の間の矢印に続いて順に実行されるべきであることが明らかである。それに関わらず、異なるステップを表すフローチャートの箱に平行に走る矢印により示される数個のステップの繰り返しは、各図の最上部から開始し図の最下部に実行され、1つの図のステップを実行した後、続く図のステップが、続く図の最上部から最下部に再び実行される。図4のステップが実行される後、図5のステップが実行され、図5のステップが実行される後、図6のステップが実行される。より詳細には、例えば、図4の最下部のステップ(ステップiib)が実行され、図5の最上部のステップ(ステップiic)が実行される。これはまた、矢印の頭がステップiic)の箱を指す図5におけるステップiic)の箱の上の矢印70により示される。
第1の四重極4の開始前に、較正用の較正パラメータ60の設定がある。
質量選択モードにおける第1の四重極4の較正の開始時に、第1の関数RF(m,wcal)の初期関数RFini(m,wcal)及び第2の関数DC(m,wcal)の初期関数DCini(m,wcal)が使用される。これらの初期関数は、較正パラメータ60の設定中に設定される。
質量選択モードで第1の四重極によって選択されることになる数個の質量mcalに対する第1の四重極の較正の第1のステップ(ステップiia)、61)において、質量mcalが、目的とされたフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓の中央で四重極によって選択されるように、第1の四重極の電極に印加される必要があるRF電圧の振幅及びDC電圧が、決定される。
この決定は、数個の選択された質量mcalの各々について、個別的に順々に実行される。これらの数個の選択された質量mcalは、RF電圧及びDC電圧の振幅の適切な値の基準点を定義するための較正質量である。これらの数個の選択された質量mcalは、較正パラメータ60の設定中にパラメータ集合において定義される。つまりn個の較正質量は、数個の選択された質量において定義される。したがって、定義された較正質量は、結果として質量m1、m2、m3、...、mnを含有する較正質量mcalの集合Mcalをもたらす。
数個の選択された質量mcalの各々に対し、対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値、及びDC電圧DCdet(mcal)の値が決定される。対応するRF電圧及びDC電圧が第1の四重極の電極に印加される場合、質量は、第1の四重極よって、中央において選択された質量mcal及びフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓内で選択される。そして較正質量mcalの集合Mcalの各質量mj(j=1,2,3,...,n)に対し、対応するRF電圧RFdet(mj)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mj)の値が決定される。
その決定は、数個の選択された質量mcalの各々について順々に個別的に実行され、図4において矢印71により示される。ステップiia)61の前に質量指示値jは、j=0に設定される。この指示値は、RF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の決定前にj=j+1により増大される。つまり、まず決定は、質量m1(j=1)について実行される。質量指示値jが、矢印71により示される繰り返し毎に増大されるので、RF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の第2の決定の間、決定は、質量m2(j=2)について実行される。この決定は、質量mn(j=n)までのように繰り返される。j=nの場合、RF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の決定の繰り返しがもはや存在せず、較正の次のステップ(ステップiib、62)が、実行される。つまり数個の選択された質量mcalの全て、つまり質量m1、m2、m3、...、mnを含有する較正質量mcalの集合Mcalについて、RF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の決定が実行される。
対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値が個別的に決定された(ステップiia)、61)、数個の選択された質量mcalは、4〜18個の選択された質量mcal、好ましくは、8〜15個の選択された質量mcal、特に好ましくは、9〜12個の選択された質量mcalである。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、第2の質量分析器5が、選択された質量mcalをフィルタリングする。この決定の間、第2の四重極5は、0.6u〜0.9uの間のフィルタ窓幅w2を有する質量フィルタ窓において質量mを選択することにより、好ましくは、0.65u〜0.85uの間のフィルタ窓幅w2を有する質量フィルタ窓において質量mを選択することにより、選択された質量mcalをフィルタリングするように設定されている。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、第1の四重極4は、選択された質量mcalを含む質量範囲ρmassにわたって走査され、質量範囲ρmassの質量mについて、第1の関数RF(m,wcal)及び第2の関数DC(m,wcal)に従って第1の四重極の電極にRF振幅及びDC電圧を印加する。質量範囲ρmassにわたっての第1の四重極4の走査後に、質量範囲ρmassのどの質量msetについて、RF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数に設定されている場合、検出手段3が選択された質量mcalを検出している第1の四重極4におけるRF電圧及びDC電圧を印加するかが評価されてもよい。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、選択された質量mcalが第2の分析器5により透過されず、検出手段3により検出されない場合、第1の四重極4のフィルタ窓幅wが増大される。好ましくは、第1の四重極のフィルタ窓幅wが、少なくとも倍化される。
さらに選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、選択された質量mcalが第2の分析器5により検出されない場合、第1の四重極4のフィルタ窓幅wが拡大された後に、選択された質量mcalが第2の分析器5により検出されるまで第1の四重極4の電極に印加されるDC電圧が段階的に縮小される。
特に、第1の四重極の電極に印加されるDC電圧が段階的に減少され、DC電圧を規定する第2の関数DC(m,w)において、選択された質量が第2の分析器5及び検出手段3により検出されるまで定数オフセット値DCoffsetが段階的に下げられてもよい。
これらの準備により選択された質量mcalが第2の分析器5及び検出手段3により検出された場合、選択された質量mcalが第2の分析器5により分析され、検出手段3により検出され、選択された質量mcalのピーク幅wが第1の最大ピーク幅wmaxより大きい場合、第1の四重極4のフィルタ窓幅wが較正されるべき質量選択モードのフィルタ窓幅wmin未満になるまで、第2の関数DC(m,w)の定数オフセット値DCoffsetが段階的に増大される。
質量範囲ρmassのどの質量msetにおいて検出手段3が選択された質量mcalを検出しているかの評価後に、質量mcalの全ピークが検出されたかどうかが決定される。これは、質量範囲ρmassの両境界で実在する質量信号が検出されない、つまり検出手段3により検出された信号ノイズ信号のみがある場合のみ与えられる。質量範囲の境界の一方のみで実在する質量信号が検出されない場合、質量mcalのピークが、シフトされる必要がある。これは、RF電圧及びDC電圧を第1の四重極4で印加するために、オフセット値RFoffset及びDCoffsetをRF(m,w)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,w)の第2の関数に加算することによりなされる。他方の境界で実在する質量信号が検出される場合、質量mcalのピークは、質量範囲ρmassよりも広く、第1の四重極4でDC電圧を印加するために正のオフセット値DCoffsetをDC電圧DC(m,w)の第2の関数に加算する、または第1の四重極4でRF電圧を印加するために負のオフセット値RFoffsetをRF電圧RF(m,w)の第1の関数に加算することにより、まずより狭められる。
質量mcalの全ピークが検出される場合、選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)が、評価され得る。選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)の評価は、検出手段3が選択された質量mcalを検出している質量msetの中央の質量mset_cと選択された質量mcalとの間の差を計算することにより行われる。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅及びDC電圧DCdet(mcal)の個別的な定義(ステップiia)、61)が、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値及び/又は第2の関数DC(mcal,wcal)の値を選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)に基づいて変化させることによりなされる。選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値のこの個別的な定義は、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値及び/又は第2の関数DC(mcal,wcal)の値に、RF電圧の振幅に対応する係数RFfactorp_shift及び/又はDC電圧の振幅に対応する係数DCfactorp_shiftで乗算された選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)の値を加算することによりなされてもよい。
特に、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値の個別的な定義が、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値に、第1の関数RF(m,wcal)の線形因子RFlinearで乗算された選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)の値を加算することによりなされてもよい。
第1の関数RF(m,wcal)の線形因子RFlinearは、異なる関数と加算された関数の1つとの和における関数RF(m,wcal)が線形関数である場合に質量mが乗算される、因子である。
特に、選択された質量mcalの対応するDC電圧DCdet(mcal)の個別的な定義が、選択された質量mcalに対応する第2の関数DC(mcal,wcal)の値に、第2の関数DC(m,wcal)の線形因子DClinearで乗算され第1の関数RF(m,wcal)の線形因子RFlinearで除算された選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)の値を加算することによりなされてもよい。
第2の関数DC(m,wcal)の線形因子DClinearは、異なる関数と加算された関数の1つとの和における関数DC(m,wcal)が線形関数である場合に質量mが乗算される、因子である。
質量範囲ρmassのどの質量msetにおいて検出手段が選択された質量mcalを検出しているかの評価後に、選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)が評価される。好ましくは、選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)の評価が、第1の四重極4でRF電圧及びDC電圧を印加するようにRF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数で設定された質量msetの質量範囲ρmassdetect(mcal)を評価することにより行われ、検出手段が、選択された質量mcalを検出し、質量範囲ρmassdetect(mcal)と第1の四重極が較正されたフィルタ窓幅wcalとの間の差Δw(mcal)を計算する。
本発明の一実施形態において、質量範囲ρmassdetect(mcal)の評価が、第1の四重極4でRF電圧及びDC電圧を印加するようにRF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数で設定された質量msetを評価することにより行われ、検出手段3が、最小検出値よりも高い信号を検出する。
本発明の別の実施形態において、質量範囲ρmassdetect(mcal)の評価が、第1の四重極でRF電圧及びDC電圧を印加するようにRF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数で設定された質量msetを評価することにより行われ、検出手段3が、検出手段により検出される最高信号のある割合よりも高い信号を検出する。好ましくは、質量範囲ρmassdetect(mcal)の評価が、第1の四重極でRF電圧及びDC電圧を印加するようにRF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数で設定された質量msetを評価することにより行われ、検出手段3が、検出手段により検出される最高信号の20パーセントよりも高い、特に、検出手段により検出される最高信号の10パーセントよりも高い信号を検出する。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、選択された質量mcalのRF電圧RFdet(mcal)の振幅及びDC電圧DCdet(mcal)の個別的な定義(ステップiia)、61)が、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal、wcal)の値及び/又は第2の関数DC(mcal、wcal)の値を選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)に基づいて変化させることによりなされる。
特に、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定が、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値及び/又は第2の関数DC(mcal,wcal)の値に、RF電圧Δw−factorRF及び/又はDC電圧Δw−factorDCで乗算された選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)の値を加算することによりなされる。
特に、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値の個別的な決定が、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値に、第2の関数DC(m,wcal)の線形因子DClinearで乗算され第1の関数RF(m,wcal)の線形因子RFlinearで除算された選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)の値を加算することによりなされる。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定(ステップiia)、61)は、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値及び/又は第2の関数DC(mcal,wcal)の値にオフセットを加算することによりなされてもよい。
図4に示される第1の四重極の較正の次のステップ(ステップiib)、62)において、関数が、前述されたステップで較正質量用に決定された基準点に適合される。選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)は、数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合され、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)は、数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合される。選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)は、較正質量mcalの集合Mcalの各質量mj(j=1,2,3,...,n)のRF電圧RFdet(mj)の振幅の値に適合される。選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)は、較正質量mcalの集合Mcalの各質量mj(j=1,2,3,...,n)のDC電圧DCdet(mj)の値に適合される。
一般に、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の決定された値に適合する、及び選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の決定された値に適合するための種々の手法がある。
本発明の一実施形態において、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させるとき(ステップiib))、関数RFfit(m,wcal)は、定数RFoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和である。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるとき(ステップiib)、62)、関数DCfit(m,wcal)が、定数値DCoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和である。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させるとき(ステップiib))、関数RFfit(m,wcal)が、選択された質量mの線形関数を含む関数の和である。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させるとき(ステップiib))、関数RFfit(m,wcal)が、選択された質量mの2次関数を含む関数の和である。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させるとき(ステップiib))、関数RFfit(m,wcal)が、選択された質量mの指数関数を含む関数の和である。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させるとき(ステップiib))、関数RFfit(m,wcal)が、指数が選択された質量mの線形関数である指数関数を含む関数の和である。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させるとき(ステップiib)、62)、関数RFfit(m,wcal)が、指数が選択された質量mの異なる線形関数である少なくとも2つの指数関数を含む関数の和である。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させるとき(ステップiib)、62)、関数RFfit(m,wcal)が、指数が選択された質量mの異なる線形関数であるただ2つの指数関数を含む関数の和である。これらの2つの指数関数のみが、関数RFfit(m,wcal)において加算される。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるとき(ステップiib)、62)、関数DCfit(m,wcal)が、選択された質量mの線形関数を含む関数の和である。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるとき(ステップiib)、62)、関数DCfit(m,wcal)が、選択された質量mの2次関数を含む関数の和である。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるとき(ステップiib)、62)、関数DCfit(m,wcal)が、選択された質量mの指数関数を含む関数の和である。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるとき(ステップiib)、62)、関数DCfit(m,wcal)が、指数が選択された質量mの線形関数である指数関数を含む関数の和である。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるとき(ステップiib)、62)、関数DCfit(m,wcal)が、指数が選択された質量mの異なる線形関数である少なくとも2つの指数関数を含む関数の和である。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるとき(ステップiib)、62)、関数DCfit(m,wcal)が、指数が選択された質量mの異なる線形関数であるただ2つの指数関数を含む関数の和である。
本発明の好ましい実施形態において、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させ、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるとき(ステップiib)、62)、関数RFfit(m,wcal)が、定数値RFoffsetfitと、選択された質量mの線形関数と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和であり、関数DCfit(m,wcal)が、定数値DCoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和である。
本発明の別の好ましい実施形態において、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させ、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるとき(ステップiib))、関数RFfit(m,wcal)が、定数値RFoffsetfitと、選択された質量mの線形関数と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和であり、関数DCfit(m,wcal)が、定数値DCoffsetfitと、選択された質量mの線形関数と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和である。
本発明の別の好ましい実施形態において、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させ、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるとき(ステップiib)、62)、関数RFfit(m,wcal)が、定数値RFoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和であり、関数DCfit(m,wcal)が、定数値DCoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和である。
本発明の別の特に好ましい実施形態において、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させ、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるとき(ステップiib)、62)、第1のステップにおいて、定数値RFoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和が関数RFfit(m,wcal)に適合され、定数値DCoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和が関数DCfit(m,wcal)に適合され、第2のステップにおいて、第1のステップで適合された定数値RFoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和に定数値と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和を加算することにより関数RFfit(m,wcal)が適合され、第1のステップで適合された定数値RFoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和に定数と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和を加算することにより関数DCFfit(m,wcal)が適合される。
本発明の別の実施形態において、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させること、及び選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させること(ステップiib)、62)が、多項式フィット、3次スプラインフィット、または非線形最小二乗フィットの方法によりなされる。
図5に示される第1の四重極(ステップiic)、63)の較正の次のステップにおいて、上のステップ(ステップiib)、62)で適合された関数の適合が、確認される。この確認は、数個の選択された質量mcheckの少なくともいくつかについて行われる。これらの質量mcheckは、前述のステップiia)61でRF電圧及びDC電圧が決定された数個の選択された質量mcalに属する。確認が行われる数個の選択された質量mcheckについて、較正パラメータ60の設定の間に設定される。
一実施形態において、前述のステップiia)でRF電圧及びDC電圧が決定された全ての質量mcalについて行われる。他の実施形態において、確認は、前述のステップiia)61でRF電圧及びDC電圧が決定された質量mcalのいくつかについて行われる。つまり確認が行われる質量mcheckの集合Mcheckは、較正質量mcalの集合Mcalまたは較正質量mcalの集合Mcalの部分集合である。
k個の質量mcheckに対して確認が実施される場合、質量mcheckの集合Mcheckは、
つまり質量mcheckの集合Mcheckの各質量mcheck_i(i=1,2,3,...,k)に対して確認が実施される。
確認が実施される質量mcheckは、質量mcheckに割り当てられた選択された質量mcheckを含む質量範囲ρmass_m_checkにわたって、第1の四重極の質量選択モードの質量フィルタ窓のフィルタ窓幅wcalより大きいフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極4を走査する間に、質量分析モードで動作する第2の分析器5を介して検出手段3で検出される。選択された質量mcheckの各々への質量範囲ρmass_m_checkの割り当ては、較正パラメータ60の設定の間に行われる。
第1の四重極4の電極に印加されるRF電圧の振幅は、関数RFfit(m,wcal)により与えられ、第1の四重極の電極に印加されるDC電圧は、関数DCfit(m,wcal)により与えられる。
そして質量mcheckの集合Mcheckの各質量mcheck_i(i=1,2,3,...,k)は、選択された質量mcheck_iに割り当てられた質量範囲ρmass_m_check_iにわたって、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極4を走査する間に、質量分析モードで動作する第2の分析器5を介して検出手段3で順々に検出される。この質量範囲ρmass_m_check_iは、選択された質量mcheck_iを含み、第1の四重極4の質量選択モードの質量フィルタ窓のフィルタ窓幅wcalよりも大きい。第1の四重極4を走査している間に、第1の四重極の電極に印加されるRF電圧の振幅が、関数RFfit(m,wcal)によって与えられ、第1の四重極の電極に印加されるDC電圧が、関数DCfit(m,wcal)によって与えられる。
その質量mcheckの集合Mcheckの各質量mcheck_i(i=1,2,3,...,k)が、選択された質量mcheck_iに割り当てられた質量範囲ρmass_m_check_iにわたって、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極4を走査する間に、質量分析モードで動作する第2の分析器5を介して検出手段3で順々に個別的に検出されることが、図5において矢印72により示される。ステップiic)63の前に質量指示値iは、i=0に設定される。この指示値は、質量mcheckの検出前にi=i+1により増大される。つまり、まず質量mcheck_iの検出は、質量mcheck_i(i=1)について実行される。質量指示値iが、矢印72により示される繰り返し毎に増大されるので、質量mcheck_iの第2の検出の間、検出は、mcheck_2(i=2)について実行される。この検出は、質量mcheck_k(i=k)までのように繰り返される。i=kの場合、質量mcheck_iの検出の繰り返しがもはや存在せず、較正の次のステップ(ステップiid、64)が、実行される。つまり質量mcheckの全て、つまり質量
を含有する質量mcheckの集合Mcheckについて、選択された質量mcheck_iに割り当てられた質量範囲ρmass_m_check_iにわたって、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極4を走査する間に、質量分析モードで動作する第2の分析器5を介した検出手段3における検出が、実行される。
本発明の一実施形態では、選択された質量mcheckに割り当てられた質量範囲ρmass_m_checkにわたって、選択された質量mcheckを含み第1の四重極4の質量選択モードの質量フィルタ窓のフィルタ窓幅wcalより大きいフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極4を走査する間、数個の選択された質量mcheckの少なくとも一部が、質量分析モードで動作する第2の分析器5を介して検出手段3で検出されるとき、第1の四重極4の電極に印加されるRF電圧の振幅が、関数RFfit(m)により与えられ、第1の四重極の電極に印加されるDC電圧が、関数DCfit(m)により与えられ(ステップiic)、63)、対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値が個別的に決定された数個の選択された質量mcalの全てが、第1の四重極4により走査され、検出手段において検出される。それゆえ、この実施形態では、対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値がステップiia)、61で決定されたのと同じ質量mcalが、ステップiic)、63でチェックされる。それゆえ、この実施形態では、チェックが行われる質量mcheckの集合Mcheckは、較正質量mcalの集合Mcalである。
他の実施形態では、非較正質量mcalが、ステップiic)63で質量mcheckとしてチェックされる。一部の実施形態では、較正質量mcalの3分の2以下、好ましくは較正質量mcalの半分以下、特に較正質量mcalの3分の1以下が、ステップiic)63で質量mcheckとしてチェックされる。
一部の実施形態では、ステップiic)63でチェックされる質量mcheckの数は、2〜15、好ましい4〜12、特に好ましい6〜10である。
図5に示される第1の四重極4の較正の次のステップでは(ステップiid、64)、適合された関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)のチェックが評価される。関数RFfit(m,wcal)により与えられる振幅を有するRF電圧及び関数DCfit(m,wcal)により与えられるDC電圧を印加するとき、これらの検出された選択された質量mcheckの各々について、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する第1の四重極4の質量選択モードのピーク位置のシフトΔm(mcheck)及び/又はフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)が評価される。フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極4が、選択された質量mcheckに割り当てられた質量範囲ρmass_m_checkにわたって、検出された選択された質量mcheckの予想質量ピークから走査され、この検出された選択された質量mcheckが第1の四重極4の質量フィルタ窓の中央にあり、フィルタ質量窓がフィルタ窓幅wcalを有するとき、ピーク位置のシフトΔm(m)及び/又はフィルタ窓幅の偏差Δw(m)というパラメータにより、検出された選択された質量mcheckの質量ピークの偏差がどれほど大きいかが検出手段3において決定される。第1の四重極4により質量範囲ρmass_m_checkを走査する間、第1の四重極4のフィルタ質量窓は、第2の分析器5の質量分析モードにより、検出手段3上にマッピングされる。これは、第1の四重極4の質量フィルタ窓の、質量アナルシングモードで動作する第2の分析器5の質量フィルタ窓による畳み込みであってもよい。質量分析モードで動作する第2の質量分析器5の質量フィルタ窓のフィルタ窓幅w2は、ほぼ1u、好ましくはきっかり1uである(現時点の技術水準による質量分析器に典型的な許容差を有する)。
関数RFfit(m,wcal)により与えられる振幅を有するRF電圧及び関数DCfit(m,wcal)により与えられるDC電圧を印加するとき、質量mcheckの集合Mcheckの各質量mcheck_i(i=1,2,3,...,k)について、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する第1の四重極4の質量選択モードのピーク位置のシフトΔm(mcheck_i)及び/又はフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck_i)が評価される。
適合された関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)のチェックの評価の開始時に、選択された質量mcheckがないか質量範囲ρmass_m_checkにわたって第1の四重極4を走査した(ステップiic、63)後、RFfit(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DCfit(m,wcal)の第2の関数で設定されている場合、質量範囲ρmass_m_checkのどの質量mset_m_checkに、検出手段3が選択された質量mcheckを検出している第1の四重極4におけるRF電圧及びDC電圧を印加するのかが評価される。
この評価の結果に応じて、検出された選択された質量mcheckのピーク位置のシフトΔm(mcheck)の評価(ステップiid))が、検出手段が選択された質量mcheckを検出している走査された質量mset_m_checkの中央の質量mset_m_check_cと選択された質量mcheckとの間の差を計算することにより行われる。
本発明の方法の実行中に計算される全ての差(Δm(...),Δw(...))におけるように、差Δm(mcheck)は、正の値及び負の値を有してもよく、ベストな場合にはゼロであってもよい。正の値か負の値かに応じて、走査された質量の中央の質量mset_m_check_cは、予測値mcheckと比べてより高い値またはより低い値にシフトされ得る。
質量mset_m_checkの前述の評価の結果に応じて、検出された選択された質量mcheckのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)の評価(ステップiid))は、検出手段が選択された質量mcheckを検出している質量範囲ρmass_m_checkの質量mset_m_checkからフィルタ窓幅wcheck(mcheck)を評価すること、及びフィルタ窓幅wcheck(mcheck)とそれに関して第1の四重極が較正されなければならないフィルタ窓幅wcalとの間の差を計算することにより行われる。
Δw(mcheck)が正の値を有する場合、第1の四重極の走査中に質量mcheckについて検出されたピークは広すぎ、負の値は狭くなる。
本発明の一部の実施形態では、質量mset_m_checkのフィルタ窓幅wcheck(mcheck)は、どの質量mset_m_checkで検出手段がしきい値より高い信号を検出しているのかを、質量範囲ρmass_m_checkにわたって第1の四重極を走査する間に決定することにより決定される。そのとき、フィルタ窓幅wcheck(mcheck)は、これらの信号が検出される質量範囲である。
本発明の他の実施形態では、質量mset_m_checkのフィルタ窓幅wcheck(mcheck)は、走査中に検出手段により検出される最も高い信号のうちのある割合より高い信号をどの質量mset_m_checkで検出手段が検出しているのかを、質量範囲ρmass_m_checkにわたって第1の四重極を走査する間に決定することにより決定される。好ましいこの割合は20%であり、特に好ましいこの割合は10%である。
図6に示される第1の四重極4の較正の次のステップ(ステップiie)、65)では、較正の繰り返しについての決定が定義されなければならない。検出された選択された質量mcheckのピーク位置のシフトΔm(mcheck)及び/又はフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)の評価値が較正の品質条件を満たさない場合、または別の繰り返し条件が充足される場合、較正ステップiia)〜iie)を繰り返すことが決定される。このような品質条件により、較正関数としての関数RFfit(m,wcal)により与えられる振幅を有するRF電圧及び較正関数としての関数DCfit(m,wcal)により与えられるDC電圧が第1の四重極4の電極に印加されるとき、ピーク位置のシフトΔm(mcheck)がしきい値Δmmaxを超過せず、かつ/またはフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)がしきい値Δwmaxを超過しないことを確実化することができる。これらのしきい値Δmmax及びΔwmaxは、全ての検出された選択された質量mcheckについて同じであってもよい。別の実施形態では、異なる検出された選択された質量mcheck_iのために異なるしきい値Δmmax_i及びΔwmax_iが存在してもよい。本発明の他の実施形態では、クオルティティ条件は、特定の数の検出された選択された質量mcheckについてのみ、Δm(mcheck)がしきい値Δmmaxを超過せず、かつ/またはフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)がしきい値Δwmaxを超過しないというものであってもよい。またこの実施形態では、異なる検出された選択された質量mcheck_iのために異なるしきい値Δmmax_i及びΔwmax_iが存在してもよい。
したがって、質量mcheckの集合Mcheckの質量mcheck_i(i=1,2,3,...,k)のピーク位置のシフトΔm(mcheck)及び/又はフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)の評価値が較正の品質条件を満たさない場合、または別の繰り返し条件が充足される場合、較正ステップiia)〜iie)を繰り返すことが決定される。
較正ステップiia)〜iie)の繰り返しの間、ステップiia)において、第1の四重極の質量選択モードで、関数RFfit(m,wcal)が第1の関数RF(m,w)として、DCfit(m,wcal)が第2の関数DC(m,w)として使用される。
本発明のある実施形態では、較正ステップiia)〜iie)の繰り返しの間に、選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)の値がそれによって乗算され、次いでステップiia)61の間に選択された質量mcalの第2の関数DC(mcal,wcal)の値に加算されて、選択された質量mcalのDC電圧DC(mcal,wcal)を個別的に決定する係数Δw−factorDCが変更される。較正ステップiia)〜iie)の繰り返しの間の係数Δw−factorDCの変更は、選択された質量mcalのDC電圧DC(mcal,wcal)の決定が収束していることを示すものであることが好ましい。
本発明の別の好ましい実施形態では、選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)が先行する較正ステップと比較して変化していないことが、較正ステップiia)〜iie)の繰り返しの間に観察された場合にのみ、較正ステップiia)〜iie)の繰り返しの間に、係数Δw−factorDCが、選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)が収束するように変更される。
本発明のある実施形態では、較正ステップiia)〜iie)の繰り返しが停止されるように充足されるべき繰り返し条件の品質条件は、検出された選択された質量mcheckの質量選択モードのピーク位置のシフトΔm(mcheck)の全ての評価値がクリティカルなしきい値Δmmax未満であり、測定された選択された質量mの質量選択モードのフィルタ窓幅の全ての偏差Δw(mcheck)が、第2のクリティカルなしきい値Δwmax未満であることである。
本発明のある実施形態では、品質条件が充足されない場合、較正ステップiia)〜iie)が繰り返され、ステップiia)61において第1の四重極の質量選択モードで関数RFfit(m,wcal)を第1の関数RF(m,w)として、DCfit(m,wcal)を第2の関数DC(m,w)として使用し、検出された選択された質量mcheckのうち、質量選択モードのピーク位置のシフトΔm(mcheck)の評価値がクリティカルなしきい値Δmmax未満ではないか、または質量選択モードのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)が第2のクリティカルなしきい値Δwmax未満ではないものについてのみ、対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及び対応するDC電圧DCdet(mcal)の値を個別的に決定する。
較正の全ての品質条件が充足されどの繰り返し条件も充足されなくなるまで、または較正ステップiia)〜iie)がN回実行されるまで、この決定に従って較正ステップiia)〜iie)の繰り返しが実行される。
その後に較正が終了される較正運転の数を定義する数Nは、較正パラメータの設定60中に設定される。
本発明のある実施形態では、較正ステップiia)〜iie)の繰り返しが停止されるように充足されるべき繰り返し条件は、較正ステップiia)〜iie)が1回繰り返されていることである。この場合、較正は較正の1回の繰り返し後に停止されるため、N=2である。そのときに較正の品質条件が全て充足されているわけではない場合、較正は成功ではない。
本発明の他の実施形態では、較正ステップiia)〜iie)の繰り返しが停止されるように充足されるべき繰り返し条件は、較正ステップiia)〜iie)が2、3、5、7、または10回繰り返されていることである。
較正の全ての品質条件が充足され、どの繰り返し条件も充足されない場合、ステップiia)〜iie)による較正は終了され、較正関数としての関数RFfit(m,wcal)により与えられる振幅を有するRF電圧及び較正関数としての関数DCfit(m,wcal)により与えられるDC電圧が、その後、本発明による方法で較正された質量分析計による測定の間に、第1の四重極4の電極に印加される。それゆえ、最後のステップiib)で適合された関数関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)が、第1の四重極を予備選択用質量分析器としてフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで作動させ得る好適な較正関数として定義される。
一方、較正ステップiia)〜iie)がN回実行され、その後、較正の品質条件が全て充足されているわけではないか、または繰り返し条件が充足されている場合、較正は、成功ではなかったため、停止される。この場合、質量分析計1を較正するための本発明の方法は、RF電圧RFini(m,wcal)の振幅及びDC電圧DCini(m,wcal)の異なる初期関数、第1の四重極4の電極に印加される対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値を個別的に決定するための数個の選択された質量Mcalの新たな集合、適合された関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)のチェックが実行される質量の新たな集合Mcheck、例えば修正された適合関数もしくは別の適合アルゴリズムを使用した新たな適合手順、新たな品質条件もしくは繰り返し条件、または較正ステップのより大きな繰り返し可能回数N等の、較正パラメータの異なる設定を有する状態で再度開始され得る。
本発明の一実施形態では、較正ステップiia)〜iie)がN回実行された後に較正の品質条件が全て充足されているわけではない場合、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させるように、かつ選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるように、較正ステップiib)で使用される少なくとも1種類の関数を変更した後で、または較正の品質条件の少なくとも1つを変更した後で、第1の四重極4の較正が繰り返される。この実施形態では、数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値または数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合される関数の種類を変更することにより較正関数を見出すことを目的として、較正のN回の繰り返し後に、較正が再度開始される。
本発明の別の実施形態では、較正ステップiia)〜iie)がN回実行された後に較正の品質条件が全て充足されているわけではない場合、質量選択モードにおける第1の四重極の較正の始めに第1の関数RF(m,w)の初期関数RFini(m,wcal)と第2の関数DC(m,w)の初期関数DCini(m,wcal)との少なくとも1つの関数を変更した後に、第1の四重極4の較正が繰り返される。この実施形態では、少なくとも変更された初期関数RFini(m,wcal)またはDCini(m,wcal)と共に較正を再度開始することにより較正関数を見出すことを目的として、較正のN回の繰り返し後に、較正が再度開始される。
本発明の方法のある実施形態では、質量選択モードにおいて第1の四重極を較正するステップii)が、2u〜30uの範囲内、好ましい5u〜20uの範囲内、特に好ましい8u〜15uの範囲内のフィルタ窓幅wcalの異なる値について数回繰り返される。
数個の選択された質量mcalについて対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値が個別的に決定される(ステップiia、61))前に、2つの選択された質量mcoarseについて対応するRF電圧RFdet(mcoarse)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcoarse)の値が個別的に決定される好ましい。特に、数個の選択された質量mcalについて対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値が個別的に決定される前に対応するRF電圧RFdet(mcoarse)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcoarse)の値が個別的に決定される2つの選択された質量mcoarseは、分子16O40Ar及び40Ar40Arの質量である。
2つの選択された質量mcoarseについて対応するRF電圧RFdet(mcoarse)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcoarse)の値が個別的に決定された後に、選択された質量mの関数RFcoarse(m,wcal)が、初期関数RFini(m,wcal)の線形因子RFlinear及び定数オフセット値RFoffsetを変更することにより、2つの選択された質量mcoarseに対応するRF電圧RFdet(mcoarse)の振幅の値に適合され、かつ選択された質量mの関数DCcoarse(m,wcal)が、初期関数DCini(m,wcal)の線形因子DClinear及び定数オフセット値DCoffsetを変更することにより、2つの選択された質量mcoarseに対応するDC電圧DCdet(mcoarse)の値に適合される。
図7に、本発明の方法により較正することができる質量分析計101の第2の実施形態を示す。
図7に、公知のICP質量分析計101の概略図を示す。このICP質量分析計101は、イオン源としてのICPトーチ102、サンプラーコーン107、スキマーコーン108、イオン光学系109、第1の四重極である第1の(Q1)四重極質量フィルタ104、反応セル(Q2)110、差動ポンプ開口部111、第2の質量分析器としての第2の(Q3)質量フィルタ、及び検出手段としてのイオン検出器105を備える。Q3質量フィルタ4105は、質量分析器または質量分析器の一部と見なされ得る。この設計では、イオンは、ICPトーチ102内で生成され、サンプラー107及びスキマー108を介して真空中に導入され、(屈曲)イオン光学系109を通じて透過され、Q1四重極質量フィルタ104により選択される。Q1質量フィルタ104は、Q2反応セル110及びQ3質量フィルタ105と比較して相対的に短く、そのように概略的に描かれていることが分かるであろう。その上、Q1質量フィルタ104の真空条件は、後続ステージの真空条件ほど厳しくない。ここで、イオン光学系109及びQ1質量フィルタ104は、実質的に同じ圧力で作動される。選択された質量範囲のイオンは、四重極反応セル110内に入り、反応生成物が、イオン光学系及び差動ポンプ開口部111を通じて分析四重極質量フィルタQ3 105内へと方向付けられ、高ダイナミックレンジ検出器103、例えばSEMにより検出される。Q3質量フィルタ105は、高度に選択的であり(とりわけQ1質量フィルタ104と比較して)、典型的に1amu以下の帯域幅を有する。
このICP質量分析計101の動作に関しては、同時係属中の英国特許出願第1516508.7号が参照され、同出願は、この参照に基づいて、全体が本明細書に組み込まれるものとする。
質量分析計101のこの第2の実施形態に関して、質量分析計101を較正するために使用することができる本発明の方法の2つの実施形態が、これより記載される。
質量分析計を較正するための本発明の方法の両実施形態のタイミングは、すでに図2の流れ図により図示されている。
第1の時間t1において、第2の質量分析器105の較正(ステップi)、21)が行われなければならない。
この第1のステップ21において、第2の質量分析器105が較正されなければならない。第2の質量分析器105は、質量分析モードにおいて少なくとも較正されなければならない。このモードでは、第2の質量分析器105は、特定の質量のイオンがイオン検出器103により別々に検出されるように質量選択的である。第2の質量分析器105のこの解像度モードでは、分析器は、検出されたイオンの質量を分離するために高解像度を有する。第2の質量分析器105の較正は、現時点の技術水準である較正方法により行われる。第2の質量分析器105の較正中、第1の四重極104は、イオン源からの全てのイオンが第2の質量分析器に到達することができるように、透過モードで、すなわち質量非選択モードで作動される。第1の四重極104の透過モードでは、透過される質量mtransの関数RFtrans(mtrans)により与えられる振幅を有するRF電圧のみが、第1の四重極に印加され得る。第2の質量分析器105の較正中(ステップi)、21)、反応セル110の四重極は、透過モードで作動される。反応セル110の四重極の透過モードでは、透過される質量mtransの関数RFRC,trans(mtrans)により与えられる振幅を有するRF電圧のみが、反応セル110の四重極に印加される。
第1の時間t1より後の第2の時間t2に、第1の四重極104は、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードにおいて較正される(ステップii)、22)。第1の四重極104のこの較正の間、第2の質量分析器105は、質量分析モードで作動される。
この第2のステップ22では、第1の四重極104は、質量選択モードで較正される。この較正は、質量選択モードの質量フィルタ窓の特定のフィルタ窓幅wcalについて行われなければならない。それゆえ、較正された第1の四重極104は、質量選択モードでフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓内の質量を有するイオンを選択することになる。
第1の四重極104は、質量選択モードにおいて、8u〜15uのフィルタ窓幅wcalを有するように、好ましくは9u〜12uのフィルタ窓幅wcalを有するように、特に好ましくは9.5u〜11uのフィルタ窓幅wcalを有するように、較正することができる。質量分析計101の実施形態を較正する本発明の方法の第2の実施形態では、較正は、フィルタ幅窓wcal=10uについて記載されている。
本発明によれば、第2の質量分析器105の較正は、第1の四重極104が質量選択モードで較正される前に実行している。それゆえ、第2の質量分析器105は、第1の時間t1に較正されなければならず、第1の時間t1より後の第2の時間t2に第1の四重極104が質量選択モードで較正されなければならない。それゆえ、両質量分析器104、105の較正は、直接的に順々に実行することができるので、第1の時間t1と第2の時間t2との間の時間差は、数秒、数分または数時間のように非常に短くてもよい。他方、第2の質量分析器105の較正は、質量分析計の設定時のみにすることができ、第1の四重極104の較正は、その後、例えば、質量分析計が最終利用者において設置されるときに実施されてもよい。なお、第1の四重極104の較正は、時間毎に繰り返されてもよい。第2の質量分析器105の事前の新たな較正は、必要ではないことがある。
図7に示される質量分析計の第1の実施形態を較正するために使用される請求対象の方法の第1の実施形態は、第1の四重極の較正ステップを詳細に示す流れ図により詳細に図示されている(ステップii、22)。本方法の多くの詳細を示す流れ図をより明確にするため、別々の図8、9、及び10に示される3つの部分(部分1、2、及び3)に分割された下図。本方法の異なるステップが、他の1つが流れ図のボックス間の矢印に従って続くように実行されることは明確である。それゆえ、フローショートのボックスに平行して走る上向きに示された矢印により示される数個のステップの繰り返しにかかわらず、異なるステップは、各図の頂部から該図の底部へと実行され、ある図のステップを実行した後、次の図のステップがやはり該次の図の頂部から底部へと実行される。図8のステップが実行された後に図9のステップが実行され、図9のステップが実行された後に、図10のステップが実行される。より詳細には、例えば、図8の底部のステップが実行され(ステップiib)、図9の頂部のステップ(ステップiic)が実行される。これはまた、図9において、彼の矢尻によりステップiic)のボックスを指し示す、ステップiic)のボックスの上方の矢印170により示されている。
第1の四重極104の較正が開始される前に、較正のための較正パラメータ160の設定がある。
質量選択モードにおける第1の四重極104の較正の開始時に、初期関数RFini(m,wcal)が第1の関数RF(m,wcal)の代わりに使用され、初期関数DCini(m,wcal)が第2の関数DC(m,wcal)の代わりに使用される。これらの初期関数は、較正パラメータの設定160中に設定される。
第1の四重極の較正の第1のステップ(ステップiia)、161)では、質量選択モードにおいて第1の四重極により選択されるであろう数個の質量mcalについて、意図するフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓の中央において質量mcalが第1の四重極により選択されるように、第1の四重極104の電極に印加されなければならないRF電圧の振幅及びDC電圧が決定される。
この決定は、数個の選択された質量mcalの各々について、順々に個別的に実行される。これらの数個の選択された質量mcalは、RF電圧の振幅及びDC電圧の好適値の基準点を定義するための較正質量である。これらの数個の選択された質量mcalは、較正パラメータの設定160中にパラメータセット内で定義される。それゆえ、いくつかのn個の較正質量が、数個の選択された質量として定義される。したがって、定義された較正質量から、質量m1、m2、m3、...、mnを含む較正質量mcalの集合Mcalが得られる。
数個の選択された質量mcalの各々について、対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値が決定される。対応するRF電圧及びDC電圧が第1の四重極の電極に印加された場合、中央において選択された質量mcal及びフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓で、質量が第1の四重極104により選択される。それゆえ、較正質量mcalの集合Mcalの各質量mj(j=1,2,3,...,n)について、対応するRF電圧RFdet(mj)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mj)の値が決定される。
この決定は、数個の選択された質量mcalの各々について順々に個別的に実行され、図8中に矢印171により示されている。ステップiia)161の前に、質量インジケータjが、j=0に設定される。このインジケータは、RF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の決定の前にj=j+1により増加される。それゆえ、最初は、決定は、質量m1(j=1)について実行される。質量インジケータjは、矢印171により示されるあらゆる繰り返しにおいて増加され、これにより、RF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の第2の決定の間に質量m2(j=2)について決定が実行される。この決定は、そのようにして、質量mn(j=n)まで繰り返される。j=nの場合、RF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の決定の繰り返しはもはや行われず、較正の次のステップ(ステップiib、62)が実行される。それゆえ、数個の選択された質量mcalの全て、質量m1、m2、m3、...、mnを含む較正質量mcalの集合Mcalについて、RF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の決定が実行される。
対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値が個別的に決定される(ステップiia)、61)数個の選択された質量mcalは、4〜18個の選択された質量mcal、好ましい8〜15個の選択された質量mcal、及び特に好ましい9〜12個の選択された質量mcalである。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、第2の質量分析器105は、選択された質量mcalをフィルタリングしている。この決定の間、第2の四重極105は、0.6u〜0.9uのフィルタ窓幅w2を有する質量フィルタ窓において質量mを選択することにより、及び好ましい0.65u〜0.85uのフィルタ窓幅w2を有する質量フィルタ窓において質量mを選択することにより、選択された質量mcalをフィルタリングするように設定されている。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、第1の四重極104は、選択された質量mcalを含む質量範囲ρmassにわたって走査され、質量範囲ρmassの質量mの第1の関数RF(m,wcal)及び第2の関数DC(m,wcal)に従ってRF振幅及びDC電圧を第1の四重極の電極に印加する。RF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数において設定されているとき、質量範囲ρmassにわたって第1の四重極104を走査した後、質量範囲ρmassのどの質量msetに、イオン検出器103が選択された質量mcalを検出している第1の四重極104におけるRF電圧及びDC電圧を印加するかが評価されてもよい。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、選択された質量mcalが第2の分析器105により透過されず、イオン検出器3により検出されないとき、第1の四重極104のフィルタ窓幅wは、増大される。第1の四重極104のフィルタ窓幅wは、少なくとも倍化されることが好ましい。
さらに、選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、選択された質量mcalが第2の分析器105により検出されないとき、第1の四重極104のフィルタ窓幅wが延伸された後、第1の四重極104の電極に印加されるDC電圧は、選択された質量mcalが第2の分析器105により検出されるまで段階的に減少される。
特に、DC電圧を定義している第2の関数DC(m,w)では、定数オフセット値DCoffsetが、選択された質量mcalが第2の分析器105及び検出手段103により検出されるまで段階的に下げられるため、第1の四重極104の電極に印加されるDC電圧は、段階的に減少される。
これらの対策により、選択された質量mcalが第2の分析器105及びイオン検出器103により検出される場合、第2の関数DC(m,w)の定数オフセット値DCoffsetは、第1の四重極4のフィルタ窓幅wが較正されるべき質量選択モードのフィルタ窓幅wmin未満になるまで段階的に増大され、選択された質量mcalは、第2の分析器105により分析され、イオン検出器103により検出され、選択された質量mcalのピーク幅wは、第1の最大ピーク幅wmaxより大きい。
質量範囲ρmassのどの質量msetにおいてイオン検出器103が選択された質量mcalを検出しているのかの評価の後、質量mcalのピーク全体が検出されているかどうかが決定される。これは、質量範囲ρmassの両境界において実体的ではない質量信号のみ、つまりイオン検出器103により検出される信号雑音信号のみが検出される場合にのみ与えられる。質量範囲の一方の境界においてのみ実体的ではない質量信号が検出される場合、質量mcalのピークは、シフトされなければならない。これは、オフセット値RFoffset及びDCoffsetをRF(m,w)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,w)の第2の関数に加算して、RF電圧及びDC電圧を第1の四重極104で印加することによりなされる。厄介な境界において実体的な質量信号が検出される場合、質量mcalのピークは、質量範囲ρmassより広く、正のオフセット値DCoffsetをDC電圧DC(m,w)の第2の関数に加算し、このDC電圧を第1の四重極104で印加することにより最初により狭くなる。
質量mcalのピーク全体が検出される場合、選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)が評価され得る。選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)の評価は、イオン検出器103が選択された質量mcalを検出している質量msetの中央の質量mset_cと選択された質量mcalとの間の差を計算することにより行われる。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅及びDC電圧DCdet(mcal)の個別的な定義(ステップiia)、161)は、選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)に応じて、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値及び/又は第2の関数DC(mcal,wcal)の値を変更することによりなされる。選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値のこの個別的な定義は、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値及び/又は第2の関数DC(mcal,wcal)の値に、RF電圧RFfactorp_shiftの振幅及び/又はDC電圧DCfactorp_shiftに対応する係数で乗算された選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)の値を加算することによりなされ得る。
特に、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値の個別的な定義は、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値に、第1の関数RF(m,wcal)の線形因子RFlinearで乗算された選択された質量mcalピーク位置のシフトΔm(mcal)の値を加算することによりなされ得る。
第1の関数RF(m,wcal)の線形因子RFlinearは、異なる関数の和において関数RF(m,wcal)が線形関数であり、合計される関数のうちの1つが線形関数である場合に、質量mと乗算される係数である。
特に、選択された質量mcalの対応するDC電圧DCdet(mcal)の個別的な定義は、選択された質量mcalに対応する第2の関数DC(mcal,wcal)の値に、第2の関数DC(m,wcal)の線形因子DClinearにより乗算され、第1の関数RF(m,wcal)の線形因子RFlinearにより除算された選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)の値を加算することによりなされ得る。
第2の関数DC(m,wcal)の線形因子DClinearは、異なる関数の和において関数DC(m,wcal)が線形関数であり、合計される関数のうちの1つが線形関数である場合に、質量mと乗算される係数である。
選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)は、質量範囲ρmassのどの質量msetにおいて検出手段が選択された質量mcalを検出しているのかの評価後に評価される。選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)の評価は、RF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数において設定された質量msetの質量範囲ρmassdetect(mcal)を評価して、検出手段が選択された質量mcalを検出している第1の四重極104でRF電圧及びDC電圧を印加し、質量範囲ρmassdetect(mcal)と第1の四重極がそれに関して較正されるべきフィルタ窓幅wcalとの間の差Δw(mcal)を計算することにより行われることが好ましい。
質量範囲ρmassdetect(mcal)の評価は、RF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数において設定された質量msetを評価して、検出手段により検出される最も高い信号のうちのある割合より高い信号をイオン検出器103が検出している第1の四重極でRF電圧及びDC電圧を印加することにより行われる。好ましい質量範囲ρmassdetect(mcal)の評価は、RF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数で設定された質量msetを評価して、検出手段3により検出される最も高い信号のうちの20%より高い信号、特に検出手段により検出される最も高い信号のうちの10%より高い信号を検出手段が検出している第1の四重極104でRF電圧及びDC電圧を印加することにより行われる。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅及びDC電圧DCdet(mcal)の個別的な定義(ステップiia)、161)は、選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)に応じて、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値及び第2の関数DC(mcal,wcal)の値を変更することによりなされる。
特に、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定は、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値及び/又は第2の関数DC(mcal,wcal)の値に、RF電圧Δw−factorRF及び/又はDC電圧Δw−factorDCに対応する係数で乗算された選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)の値を加算することによりなされる。
特に、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値の個別的な決定は、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値に、第2の関数DC(m,wcal)の線形因子DClinearで乗算され、第1の関数RF(m,wcal)の線形因子RFlinearにより除算された選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)の値を加算することによりなされる。
2つの選択された質量mcoarseの場合好ましいように、対応するRF電圧RFdet(mcoarse)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcoarse)の値は、数個の選択された質量mcalについて対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値が個別的に決定される(ステップiia、161))前に、個別的に決定される。特に、数個の選択された質量mcalについて対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値が個別的に決定される前に、対応するRF電圧RFdet(mcoarse)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcoarse)の値が個別的に決定される2つの選択された質量mcoarseは、分子16O40Ar及び40Ar40Arの質量である。
2つの選択された質量mcoarseについて、対応するRF電圧RFdet(mcoarse)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcoarse)の値が個別的に決定された後、選択された質量mの関数RFcoarse(m,wcal)が、初期関数RFini(m,wcal)の線形因子RFlinear及び定数オフセット値RFoffsetを変更することにより、2つの選択された質量mcoarseに対応するRF電圧RFdet(mcoarse)の振幅の値に適合され、選択された質量mの関数DCcoarse(m,wcal)が、初期関数DCini(m,wcal)の線形因子DClinear及び定数オフセット値DCoffsetを変更することにより、2つの選択された質量mcoarseに対応するDC電圧DCdet(mcoarse)の値に適合される。
図8に示される第1の四重極の較正の次のステップ(ステップiib)、162)では、関数は、前述のステップで較正質量について決定された基準点に適合される。選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)は、数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合され、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)は、数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合される。選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)は、較正質量mcalの集合Mcalの各質量mj(j=1,2,3,...,n)のRF電圧RFdet(mj)の振幅の値に適合される。選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)は、較正質量mcalの集合Mcalの各質量mj(j=1,2,3,...,n)のDC電圧DCdet(mj)の値に適合される。
一般に、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の決定された値に、及び選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の決定された値に適合させる様々なアプローチが存在する。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させる(ステップiib)、162)1つのアプローチでは、関数RFfit(m,wcal)は、定数RFoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和である。
選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、162)別のアプローチでは、関数DCfit(m,wcal)は、定数値DCoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和である。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させる(ステップiib)、162)別のアプローチでは、関数RFfit(m,wcal)は、選択された質量mの線形関数を含む関数の和である。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させる(ステップiib)、162)別のアプローチでは、関数RFfit(m,wcal)は、選択された質量mの2次関数を含む関数の和である。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させる(ステップiib)、162)別のアプローチでは、関数RFfit(m,wcal)は、選択された質量mの指数関数を含む関数の和である。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させる(ステップiib))別のアプローチでは、関数RFfit(m,wcal)は、指数が選択された質量mの線形関数である指数関数を含む関数の和である。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させる(ステップiib)、162)別のアプローチでは、関数RFfit(m,wcal)は、指数が選択された質量mの異なる線形関数である少なくとも2つの指数関数を含む関数の和である。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させる(ステップiib)、162)別のアプローチでは、関数RFfit(m,wcal)は、指数が選択された質量mの異なる線形関数であるただ2つの指数関数を含む関数の和である。これら2つの指数関数のみが、関数RFfit(m,wcal)内で合計される。
選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、162)別のアプローチでは、関数DCfit(m,wcal)は、選択された質量mの線形関数を含む関数の和である。
選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、162)別のアプローチでは、関数DCfit(m,wcal)は、選択された質量mの2次関数を含む関数の和である。
選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、162)別のアプローチでは、関数DCfit(m,wcal)は、選択された質量mの指数関数を含む関数の和である。
選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、162)別のアプローチでは、関数DCfit(m,wcal)は、指数が選択された質量mの線形関数である指数関数を含む関数の和である。
選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、62)別のアプローチでは、関数DCfit(m,wcal)は、指数が選択された質量mの異なる線形関数である少なくとも2つの指数関数を含む関数の和である。
選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、162)別のアプローチでは、関数DCfit(m,wcal)は、指数が選択された質量mの異なる線形関数であるただ2つの指数関数を含む関数の和である。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させ、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、162)好ましいアプローチでは、関数RFfit(m,wcal)は、定数値RFoffsetfitと、選択された質量mの線形関数と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和であり、関数DCfit(m,wcal)は、定数値DCoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和である。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させ、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、162)別のアプローチでは、関数RFfit(m,wcal)は、定数値RFoffsetfitと、選択された質量mの線形関数と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和であり、関数DCfit(m,wcal)は、定数値DCoffsetfitと、選択された質量mの線形関数と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和である。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させ、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、162)別の好ましいアプローチでは、関数RFfit(m,wcal)は、定数値RFoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和であり、関数DCfit(m,wcal)は、定数値DCoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和である。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させ、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、162)別の特に好ましいアプローチでは、第1のステップにおいて、定数値RFoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和が、関数RFfit(m,wcal)に適合され、定数値DCoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和が、関数DCfit(m,wcal)に適合され、第2のステップにおいて、関数RFfit(m,wcal)が、第1のステップで適合された定数値RFoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和に、定数値と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和を加算することにより適合され、関数DCFfit(m,wcal)が、第1のステップで適合された定数値DCoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和に、定数と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和を加算することにより適合される。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させること、及び選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させること(ステップiib)、162)は、多項式フィット、3次スプラインフィット、または非線形最小二乗フィットの方法によりなされ得る。
図9に示される第1の四重極の較正の次のステップ(ステップiic)、163)では、上記ステップ(ステップiib)、162)で適合された関数のフィットがチェックされる。このチェックは、数個の選択された質量mcheckの少なくとも一部について行われる。これらの質量mcheckは、上記ステップiia)161でRF電圧及びDC電圧が決定された数個の質量mcalに属する。数個の選択された質量mcheckののいずれについてチェックが行われるかは、較正パラメータ160の設定時に設定される。
チェックは、上記ステップiia)161でRF電圧及びDC電圧が決定された質量mcalの一部について行われる。それゆえ、チェックが行われる質量mcheckの集合Mcheckは、較正質量mcalの集合Mcalの下位集合である。
k個の質量mcheckについてチェックが行われる場合、質量mcheckの集合Mcheckは、下記の通りである。
それゆえ、質量mcheckの集合Mcheckの各質量mcheck_i(i=1,2,3,...,k)について、チェックが行われる。
チェックが行われる質量mcheckは、選択された質量mcheckに割り当てられた質量範囲ρmass_m_checkにわたって、選択された質量mcheckを含み第1の四重極の質量選択モードの質量フィルタ窓のフィルタ窓幅wcalより大きいフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極104を走査する間、質量分析モードで動作する第2の分析器105を介してイオン検出器3において検出される。選択された質量mcheckの各々に対する質量範囲ρmass_m_checkの割り当ては、較正パラメータの設定160中に行われる。
第1の四重極104の電極に印加されるRF電圧の振幅は、関数RFfit(m,wcal)により与えられ、第1の四重極の電極に印加されるDC電圧は、関数DCfit(m,wcal)により与えられる。
それゆえ、質量mcheckの集合Mcheckの各質量mcheck_i(i=1,2,3,...,k)は、選択された質量mcheck_iに割り当てられた質量範囲ρmass_m_check_iにわたって、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極104を走査する間、質量分析モードで動作する第2の分析器105を介してイオン検出器3において順々に検出される。この質量範囲ρmass_m_check_iは、選択された質量mcheck_iを含み、第1の四重極104の質量選択モードの質量フィルタ窓のフィルタ窓幅wcalより大きい。第1の四重極104の走査中、第1の四重極の電極に印加されるRF電圧の振幅は、関数RFfit(m,wcal)により与えられ、第1の四重極104の電極に印加されるDC電圧は、関数DCfit(m,wcal)により与えられる。
選択された質量mcheck_iに割り当てられた質量範囲ρmass_m_check_iにわたって、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極104を走査する間、質量mcheckの集合Mcheckの各質量mcheck_i(i=1,2,3,...,k)が、質量分析モードで動作する第2の分析器105を介してイオン検出器103において順々に個別的に検出されることが、図9において矢印172により示されている。ステップiic)163の前に、質量インジケータiがi=0に設定される。このインジケータは、質量mcheck_iの検出前にi=i+1により増加される。それゆえ、最初は、質量mcheck_iの検出は、質量mcheck_1(i=1)について実行される。質量インジケータiは、矢印172により示される繰り返し毎に増加され、そのため、質量mcheck_iの第2の検出中、検出は、質量mcheck_2(i=2)について実行される。この検出は、そのようにして、質量mcheck_k(i=k)まで繰り返される。i=kの場合、質量mcheck_iの検出はもはや繰り返されず、較正の次のステップ(ステップiid、164)が実行される。それゆえ、全ての質量mcheckについて、質量mcheckの集合Mcheckは、下記の質量を含み、
選択された質量mcheck_iに割り当てられた質量範囲ρmass_m_check_iにわたって、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極104を走査する間、検出が、質量分析モードで動作する第2の分析器105を介してイオン検出器3において実行される。
数個の選択された質量mcalの一部、質量mcheckは、選択された質量mcheckに割り当てられた質量範囲ρmass_m_checkにわたって、選択された質量mcheckを含み第1の四重極104の質量選択モードの質量フィルタ窓のフィルタ窓幅wcalより大きいフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極104を走査する間、質量分析モードで動作する第2の分析器105を介してイオン検出器103において検出され、第1の四重極104の電極に印加されるRF電圧の振幅は、関数RFfit(m)により与えられ、第1の四重極の電極に印加されるDC電圧は、関数DCfit(m)により与えられる。
それゆえ、較正質量mcalは、ステップiic)163では質量mcheckとしてチェックされない。較正質量mcalの3分の2以下、好ましくは較正質量mcalの半分以下、及び特に較正質量mcalの3分の1以下が、ステップiic)163で質量mcheckとしてチェックされ得る。
ステップiic)63でチェックされる質量mcheckの数は、2〜15、好ましい4〜12、及び特に好ましい6〜10であり得る。
図9に示される第1の四重極104の較正の次のステップ(ステップiid、164)では、適合された関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)のチェックが評価される。関数RFfit(m,wcal)により与えられる振幅を有するRF電圧及び関数DCfit(m,wcal)により与えられるDC電圧を印加するとき、これらの検出された選択された質量mcheckの各々について、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する第1の四重極104の質量選択モードのピーク位置のシフトΔm(mcheck)及びフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)が評価される。フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極104が、選択された質量mcheckに割り当てられた質量範囲ρmass_m_checkにわたって、検出された選択された質量mcheckの予想質量ピークから走査され、この検出された選択された質量mcheckが第1の四重極104の質量フィルタ窓の中央にあり、フィルタ質量窓がフィルタ窓幅wcalを有するとき、ピーク位置のシフトΔm(m)及び/又はフィルタ窓幅の偏差Δw(m)というパラメータにより、検出された選択された質量mcheckの質量ピークの偏差がどれほど大きいかがイオン検出器103において決定される。第1の四重極104により質量範囲ρmass_m_checkを走査する間、第1の四重極104のフィルタ質量窓は、第2の分析器105の質量分析モードにより、イオン検出器103上にマッピングされる。これは、第1の四重極104の質量フィルタ窓の、質量アナルシングモードで動作する第2の分析器105の質量フィルタ窓による畳み込みであってもよい。質量分析モードで動作する第2の質量分析器105の質量フィルタ窓のフィルタ窓幅w2は、ほぼ1u、好ましくはきっかり1uである(現時点の技術水準による質量分析器に典型的な許容差を有する)。
関数RFfit(m,wcal)により与えられる振幅を有するRF電圧及び関数DCfit(m,wcal)により与えられるDC電圧を印加するとき、質量mcheckの集合Mcheckの各質量mcheck_i(i=1,2,3,...,k)について、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する第1の四重極104の質量選択モードのピーク位置のシフトΔm(mcheck_i)及びフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck_i)が評価される。
適合された関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)のチェックの評価の開始時に、選択された質量mcheckがないか質量範囲ρmass_m_checkにわたって第1の四重極104を走査した(ステップiic、163)後、RFfit(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DCfit(m,wcal)の第2の関数で設定されている場合、質量範囲ρmass_m_checkのどの質量mset_m_checkに、イオン検出器103が選択された質量mcheckを検出している第1の四重極104におけるRF電圧及びDC電圧を印加するのかが評価される。
この評価の結果に応じて、検出された選択された質量mcheckのピーク位置のシフトΔm(mcheck)の評価(ステップiid))が、検出手段が選択された質量mcheckを検出している走査された質量mset_m_checkの中央の質量mset_m_check_cと選択された質量mcheckとの間の差を計算することにより行われる。
本発明の方法の実行中に計算される全ての差(Δm(...),Δw(...))におけるように、差Δm(mcheck)は、正の値及び負の値を有してもよく、ベストな場合にはゼロであってもよい。正の値か負の値かに応じて、走査された質量の中央の質量mset_m_check_cは、予測値mcheckと比べてより高い値またはより低い値にシフトされ得る。
質量mset_m_checkの前述の評価の結果に応じて、検出された選択された質量mcheckのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)の評価(ステップiid))は、検出手段が選択された質量mcheckを検出している質量範囲ρmass_m_checkの質量mset_m_checkからフィルタ窓幅wcheck(mcheck)を評価すること、及びフィルタ窓幅wcheck(mcheck)とそれに関して第1の四重極が較正されなければならないフィルタ窓幅wcalとの間の差を計算することにより行われる。
Δw(mcheck)が正の値を有する場合、第1の四重極104の走査中に質量mcheckについて検出されたピークは広すぎ、負の値は狭くなる。
質量mset_m_checkのフィルタ窓幅wcheck(mcheck)は、走査中に検出手段により検出される最も高い信号のうちのある割合より高い信号を、どの質量mset_m_checkで検出手段が検出しているのかを、質量範囲ρmass_m_checkにわたって第1の四重極を走査する間に決定することにより決定される。好ましいこの割合は20%であり、特にパーフェラブルこの割合は10%である。
図10に示される第1の四重極104の較正の次のステップ(ステップiie)、165)では、較正の繰り返しについての決定が定義されなければならない。検出された選択された質量mcheckのピーク位置のシフトΔm(mcheck)及びフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)の評価値が較正の品質条件を満たさない場合、または別の繰り返し条件が充足される場合、較正ステップiia)〜iie)を繰り返すことが決定される。このような品質条件により、較正関数としての関数RFfit(m,wcal)により与えられる振幅を有するRF電圧及び較正関数としての関数DCfit(m,wcal)により与えられるDC電圧が第1の四重極104の電極に印加されるとき、ピーク位置のシフトΔm(mcheck)がしきい値Δmmaxを超過せず、かつ/またはフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)がしきい値Δwmaxを超過しないことが確実化される。これらのしきい値Δmmax及びΔwmaxは、全ての検出された選択された質量mcheckについて同じであってもよい。また、異なる検出された選択された質量mcheck_iについて、異なるしきい値Δmmax_i及びΔwmax_iがあってもよい。
したがって、質量mcheckの集合Mcheckの質量mcheck_i(i=1,2,3,...,k)のピーク位置のシフトΔm(mcheck)及びフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)の評価値が較正の品質条件を満たさない場合、較正ステップiia)〜iie)を繰り返すことが決定される。
較正ステップiia)〜iie)の繰り返しの間、ステップiia)において、第1の四重極104の質量選択モードで、関数RFfit(m,wcal)が第1の関数RF(m,w)として、DCfit(m,wcal)が第2の関数DC(m,w)として使用される。
較正ステップiia)〜iie)の繰り返しが停止されるように充足されるべき較正の品質条件は、検出された選択された質量mcheckの質量選択モードのピーク位置のシフトΔm(mcheck)の全ての評価値がクリティカルなしきい値Δmmax未満であり、測定された選択された質量mの質量選択モードのフィルタ窓幅の全ての偏差Δw(mcheck)が第2のクリティカルなしきい値Δwmax未満であることである。
較正の全ての品質条件が充足されるまで、または較正ステップiia)〜iie)がN回(Nrep=N)実行されるまで、この決定に従って較正ステップiia)〜iie)の繰り返しが実行される。その後に較正が終了される較正運転の数を定義する数Nは、較正パラメータの設定160中に設定される。
較正ステップiia)〜iie)の繰り返しが停止されるように充足されるべき繰り返し条件は、較正ステップiia)〜iie)が2回、3回、5回、7回、または10回もしくは20回繰り返されたことであってもよい。
較正の全ての品質条件が充足されている場合、ステップiia)〜iie)による較正は終了され、較正関数としての関数RFfit(m,wcal)により与えられる振幅を有するRF電圧及び較正関数としての関数DCfit(m,wcal)により与えられるDC電圧が、その後、本発明による方法で較正された質量分析計による測定の間に、第1の四重極104の電極に印加される。それゆえ、最後のステップiib)で適合された関数関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)が、第1の四重極104を予備選択用質量分析器としてフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで作動させ得る好適な較正関数として定義される。
一方、較正ステップiia)〜iie)がN回実行され、その後、較正の品質条件が全て充足されているわけではない場合、較正は、成功ではなかったため、停止される。この場合、質量分析計101を較正するための本発明の方法は、RF電圧RFini(m,wcal)の振幅及びDC電圧DCini(m,wcal)の異なる初期関数、第1の四重極104の電極に印加される対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値を個別的に決定するための数個の選択された質量Mcalの新たな集合、適合された関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)のチェックが実行される質量の新たな集合Mcheck、例えば修正された適合関数もしくは別の適合アルゴリズムを使用した新たな適合手順、新たな品質条件、または較正ステップのより大きな繰り返し可能回数N等の、較正パラメータの異なる設定を有する状態で再度開始され得る。
較正ステップiia)〜iie)がN回実行された後に較正の品質条件が全て充足されているわけではない場合、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させるように、かつ選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるように、較正ステップiib)162で使用される少なくとも1種類の関数を変更した後で、または較正の品質条件の少なくとも1つを変更した後で、第1の四重極104の較正が繰り返され得る。
数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値または数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合される関数の種類を変更することにより較正関数を見出すことを目的として、較正のN回の繰り返し後に、較正が再度開始され得る。
較正ステップiia)〜iie)がN回実行された後に較正の品質条件が全て充足されているわけではない場合、質量選択モードにおける第1の四重極の較正の開始時に第1の関数RF(m,w)の初期関数RFini(m,wcal)及び第2の関数DC(m,w)の初期関数DCini(m,wcal)の少なくとも1つの関数を変更した後で、第1の四重極104の較正が繰り返され得る。この実施形態では、少なくとも変更された初期関数RFini(m,wcal)またはDCini(m,wcal)と共に較正を再度開始することにより較正関数を見出すことを目的として、較正のN回の繰り返し後に、較正が再度開始される。
本発明の方法による質量選択モードの第1の四重極4の較正のステップii)は、2u〜30uの範囲内、好ましい5u〜20uの範囲内、及び特に好ましい8u〜15uの範囲内の異なる値のフィルタ窓幅wcalについて数回繰り返され得る。
図7に示される質量分析計の第1の実施形態を較正するために使用される請求対象の方法の第2の実施形態は、第1の四重極の較正ステップを詳細に示す流れ図により詳細に図示されている(ステップii、22)。本方法の多くの詳細を示す流れ図をより明確にするため、別々の図11、12、及び13に示される3つの部分(部分1、2、及び3)に分割された下図。本方法の異なるステップが、他の1つが流れ図のボックス間の矢印に従って続くように実行されることは明確である。それゆえ、フローショートのボックスに平行して走る上向きに示された矢印により示される数個のステップの繰り返しにかかわらず、異なるステップは、各図の頂部から該図の底部へと実行され、ある図のステップを実行した後、次の図のステップがやはり該次の図の頂部から底部へと実行される。図11のステップが実行された後に図12のステップが実行され、図12のステップが実行された後に、図13のステップが実行される。より詳細には、例えば、図11の底部のステップが実行され(ステップiib)、図12の頂部のステップ(ステップiic)が実行される。これはまた、図12において、彼の矢尻によりステップiic)のボックスを指し示す、ステップiic)のボックスの上方の矢印270により示されている。
第1の四重極104の較正が開始される前に、較正のための較正パラメータ260の設定がある。この設定中、それに関して第1の四重極104の質量選択モードが較正される質量フィルタ窓のフィルタ窓幅wcalが設定される。本発明の方法のこの第2の実施形態では、フィルタ窓幅wcalは10uの値(wcal=10u)に設定される。
質量選択モードにおける第1の四重極104の較正の開始時に、初期関数RFini(m,wcal)が第1の関数RF(m,wcal)の代わりに使用され、初期関数DCini(m,wcal)が第2の関数DC(m,wcal)の代わりに使用される。これらの初期関数は、較正パラメータの設定260中に設定される。
第1の四重極の較正の第1のステップ(ステップiia)、261)では、質量選択モードにおいて第1の四重極104により選択されるであろう8個の質量mcalについて、意図するフィルタ窓幅wcal=10uを有する質量フィルタ窓の中央において質量mcalが第1の四重極104により選択されるように、第1の四重極104の電極に印加されなければならないRF電圧の振幅及びDC電圧が決定される。
この決定は、数個の選択された質量mcalの各々について、順々に個別的に実行される。これらの数個の選択された質量mcalは、RF電圧の振幅及びDC電圧の好適値の基準点を定義するための較正質量である。これらの数個の選択された質量mcalは、較正パラメータの設定60中にパラメータセット内で定義される。それゆえ、いくつかの8個の較正質量が、数個の選択された質量として定義される。したがって、定義された較正質量から、質量m1、m2、m3、...、m8を含む較正質量mcalの集合Mcalが得られる。
8個の選択された質量mcalの各々について、対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値が決定される。対応するRF電圧及びDC電圧が第1の四重極の電極に印加された場合、中央において選択された質量mcal及びフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓で、質量が第1の四重極104により選択される。それゆえ、較正質量mcalの集合Mcalの各質量mj(j=1,2,3,...,8)について、対応するRF電圧RFdet(mj)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mj)の値が決定される。
この決定は、数個の選択された質量mcalの各々について順々に個別的に実行され、図11中に矢印271により示されている。ステップiia)、261の前に、質量インジケータjがj=0に設定される。このインジケータは、RF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の決定の前にj=j+1により増加される。それゆえ、最初は、決定は、質量m1(j=1)について実行される。質量インジケータjは、矢印271により示されるあらゆる繰り返しにおいて増加され、これにより、RF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の第2の決定の間に質量m2(j=2)について決定が実行される。この決定は、そのようにして、質量m8(j=8)まで繰り返される。j=8の場合、RF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の決定の繰り返しはもはや行われず、較正の次のステップ(ステップiib、262)が実行される。それゆえ、数個の選択された質量mcalの全て、質量m1、m2、m3、...、m8を含む較正質量mcalの集合Mcalについて、RF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の決定が実行される。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、第2の質量分析器105は、選択された質量mcalをフィルタリングしている。この決定の間、第2の四重極105は、0.75uのフィルタ窓幅w2を有する質量フィルタ窓において質量mを選択することにより、選択された質量mcalをフィルタリングするように設定されている。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、第1の四重極104は、選択された質量mcalを含む質量範囲ρmassにわたって走査され、質量範囲ρmassの質量mの第1の関数RF(m,wcal)及び第2の関数DC(m,wcal)に従ってRF振幅及びDC電圧を第1の四重極の電極に印加する。RF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数において設定されているとき、質量範囲ρmassにわたって第1の四重極104を走査した後、質量範囲ρmassのどの質量msetに、イオン検出器103が選択された質量mcalを検出している第1の四重極104におけるRF電圧及びDC電圧を印加するかが評価されてもよい。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、選択された質量mcalが第2の分析器105により透過されず、イオン検出器3により検出されないとき、第1の四重極104のフィルタ窓幅wは、増大される。第1の四重極104のフィルタ窓幅wは、倍化される。
さらに、選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、選択された質量mcalが第2の分析器105により検出されないとき、第1の四重極104のフィルタ窓幅wが延伸された後、第1の四重極104の電極に印加されるDC電圧は、選択された質量mcalが第2の分析器105により検出されるまで段階的に減少される。
特に、DC電圧を定義している第2の関数DC(m,w)では、定数オフセット値DCoffsetが、選択された質量mcalが第2の分析器105及び検出手段103により検出されるまで段階的に下げられるため、第1の四重極104の電極に印加されるDC電圧は、段階的に減少される。
これらの対策により、選択された質量mcalが第2の分析器105及びイオン検出器103により検出される場合、第2の関数DC(m,w)の定数オフセット値DCoffsetは、第1の四重極104のフィルタ窓幅wが較正されるべき質量選択モードのフィルタ窓幅wmin未満になるまで段階的に増大され、選択された質量mcalは、第2の分析器105により分析され、イオン検出器103により検出され、選択された質量mcalのピーク幅wは、第1の最大ピーク幅wmaxより大きい。
質量範囲ρmassのどの質量msetにおいてイオン検出器103が選択された質量mcalを検出しているのかの評価の後、質量mcalのピーク全体が検出されているかどうかが決定される。これは、質量範囲ρmassの両境界において実体的ではない質量信号のみ、つまりイオン検出器103により検出される信号雑音信号のみが検出される場合にのみ与えられる。質量範囲の一方の境界においてのみ実体的ではない質量信号が検出される場合、質量mcalのピークは、シフトされなければならない。これは、オフセット値RFoffset及びDCoffsetをRF(m,w)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,w)の第2の関数に加算して、RF電圧及びDC電圧を第1の四重極104で印加することによりなされる。厄介な境界において実体的な質量信号が検出される場合、質量mcalのピークは、質量範囲ρmassより広く、正のオフセット値DCoffsetをDC電圧DC(m,w)の第2の関数に加算し、このDC電圧を第1の四重極104で印加することにより最初により狭くなる。
質量mcalのピーク全体が検出される場合、選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)が評価され得る。選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)の評価は、イオン検出器103が選択された質量mcalを検出している質量msetの中央の質量mset_cと選択された質量mcalとの間の差を計算することにより行われる。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅及びDC電圧DCdet(mcal)の個別的な定義(ステップiia)、261)は、選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)に応じて、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値及び/又は第2の関数DC(mcal,wcal)の値を変更することによりなされる。選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値のこの個別的な定義は、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値及び/又は第2の関数DC(mcal,wcal)の値に、RF電圧RFfactorp_shiftの振幅及び/又はDC電圧DCfactorp_shiftに対応する係数で乗算された選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)の値を加算することによりなされ得る。
特に、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値の個別的な定義は、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値に、第1の関数RF(m,wcal)の線形因子RFlinearで乗算された選択された質量mcalピーク位置のシフトΔm(mcal)の値を加算することによりなされ得る。
第1の関数RF(m,wcal)の線形因子RFlinearは、異なる関数の和において関数RF(m,wcal)が線形関数であり、合計される関数のうちの1つが線形関数である場合に、質量mと乗算される係数である。
特に、選択された質量mcalの対応するDC電圧DCdet(mcal)の個別的な定義は、選択された質量mcalに対応する第2の関数DC(mcal,wcal)の値に、第2の関数DC(m,wcal)の線形因子DClinearにより乗算され、第1の関数RF(m,wcal)の線形因子RFlinearにより除算された選択された質量mcalのピーク位置のシフトΔm(mcal)の値を加算することによりなされ得る。
第2の関数DC(m,wcal)の線形因子DClinearは、異なる関数の和において関数DC(m,wcal)が線形関数であり、合計される関数のうちの1つが線形関数である場合に、質量mと乗算される係数である。
選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)は、質量範囲ρmassのどの質量msetにおいて検出手段が選択された質量mcalを検出しているのかの評価後に評価される。選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)の評価は、RF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数において設定された質量msetの質量範囲ρmassdetect(mcal)を評価して、検出手段が選択された質量mcalを検出している第1の四重極104でRF電圧及びDC電圧を印加し、質量範囲ρmassdetect(mcal)と第1の四重極がそれに関して較正されるべきフィルタ窓幅wcalとの間の差Δw(mcal)を計算することにより行われる。
質量範囲ρmassdetect(mcal)の評価は、RF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数において設定された質量msetを評価して、検出手段により検出される最も高い信号のうちのある割合より高い信号をイオン検出器103が検出している第1の四重極でRF電圧及びDC電圧を印加することにより行われる。質量範囲ρmassdetect(mcal)の評価は、RF(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DC(m,wcal)の第2の関数において設定された質量msetを評価して、検出手段により検出される最も高い信号のうちの20パーセントより高い信号を検出手段が検出している第1の四重極104でRF電圧及びDC電圧を印加することにより行われる。
選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定の間、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅及びDC電圧DCdet(mcal)の個別的な定義(ステップiia)、261)は、選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)に応じて、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値及び第2の関数DC(mcal,wcal)の値を変更することによりなされる。
特に、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値の個別的な決定は、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値及び/又は第2の関数DC(mcal,wcal)の値に、RF電圧Δw−factorRF及び/又はDC電圧Δw−factorDCに対応する係数で乗算された選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)の値を加算することによりなされる。
特に、選択された質量mcalの対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値の個別的な決定は、選択された質量mcalに対応する第1の関数RF(mcal,wcal)の値に、第2の関数DC(m,wcal)の線形因子DClinearで乗算され、第1の関数RF(m,wcal)の線形因子RFlinearにより除算された選択された質量mcalのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcal)の値を加算することによりなされる。
2つの選択された質量mcoarseの場合好ましいように、対応するRF電圧RFdet(mcoarse)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcoarse)の値は、8個の選択された質量mcalについて対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値が個別的に決定される(ステップiia、261))前に、個別的に決定される。特に、数個の選択された質量mcalについて対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値が個別的に決定される前に、対応するRF電圧RFdet(mcoarse)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcoarse)の値が個別的に決定される2つの選択された質量mcoarseは、分子16O40Ar及び40Ar40Arの質量である。
2つの選択された質量mcoarseについて、対応するRF電圧RFdet(mcoarse)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcoarse)の値が個別的に決定された後、選択された質量mの関数RFcoarse(m,wcal)が、初期関数RFini(m,wcal)の線形因子RFlinear及び定数オフセット値RFoffsetを変更することにより、2つの選択された質量mcoarseに対応するRF電圧RFdet(mcoarse)の振幅の値に適合され、選択された質量mの関数DCcoarse(m,wcal)が、初期関数DCini(m,wcal)の線形因子DClinear及び定数オフセット値DCoffsetを変更することにより、2つの選択された質量mcoarseに対応するDC電圧DCdet(mcoarse)の値に適合される。
図11に示される第1の四重極の較正の次のステップ(ステップiib)、262)では、関数は、前述のステップで較正質量について決定された基準点に適合される。選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)は、数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合され、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)は、数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合される。選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)は、較正質量mcalの集合Mcalの各質量mj(j=1,2,3,...,8)のRF電圧RFdet(mj)の振幅の値に適合される。選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)は、較正質量mcalの集合Mcalの各質量mj(j=1,2,3,...,8)のDC電圧DCdet(mj)の値に適合される。
一般に、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の決定された値に、及び選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の決定された値に適合させる様々なアプローチが存在する。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させ、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、262)使用されるアプローチでは、関数RFfit(m,wcal)は、定数値RFoffsetfitと、選択された質量mの線形関数と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和であり、関数DCfit(m,wcal)は、定数値DCoffsetfitと、選択された質量mの線形関数と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和である。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させ、選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させる(ステップiib)、262)好ましくは使用されるアプローチでは、第1のステップにおいて、定数値RFoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和が、関数RFfit(m,wcal)に適合され、定数値DCoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和が、関数DCfit(m,wcal)に適合され、第2のステップにおいて、関数RFfit(m,wcal)が、第1のステップにおいて適合された定数値RFoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和に、定数値と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和を加算することにより適合され、関数DCFfit(m,wcal)が、第1のステップで適合された定数値DCoffsetfitと選択された質量mの線形関数との和に、定数と、選択された質量mの2次関数と、指数が選択された質量mの異なる線形関数である2つの指数関数との和を加算することにより適合される。
選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させること、及び選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させること(ステップiib)、262)は、多項式フィット、3次スプラインフィット、または非線形最小二乗フィットの方法によりなされ得る。
図12に示される第1の四重極の較正の次のステップ(ステップiic)、263)では、上記ステップ(ステップiib)、262)で適合された関数の適合がチェックされる。このチェックは、数個の選択された質量mcheckのうちの少なくとも一部について行われる。これらの質量mcheckは、上記のステップiia)161においてRF電圧及びDC電圧が決定された8個の質量mcalに属する。8個の選択された質量mcheckののうちのいずれについてチェックが行われるかは、較正パラメータの設定160中に設定される。
このチェックは、上記のステップiia)、261においてRF電圧及びDC電圧が決定された質量mcalのうちの一部について行われる。それゆえ、チェックが行われる質量mcheckの集合Mcheckは、較正質量mcalの集合Mcalの下位集合である。
6個の質量mcheckについてチェックが行われる場合、質量mcheckの集合Mcheckは、以下の通りである。
それゆえ、質量mcheckの集合Mcheckの各質量mcheck_i(i=1,2,3,...,6)について、チェックが行われる。
チェックが行われる質量mcheckは、選択された質量mcheckに割り当てられた質量範囲ρmass_m_checkにわたって、選択された質量mcheckを含み第1の四重極の質量選択モードの質量フィルタ窓のフィルタ窓幅wcalより大きいフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極104を走査する間、質量分析モードで動作する第2の分析器105を介してイオン検出器103において検出される。選択された質量mcheckの各々に対する質量範囲ρmass_m_checkの割り当ては、較正パラメータの設定260中に行われる。
第1の四重極104の電極に印加されるRF電圧の振幅は、関数RFfit(m,wcal)により与えられ、第1の四重極の電極に印加されるDC電圧は、関数DCfit(m,wcal)により与えられる。
それゆえ、質量mcheckの集合Mcheckの各質量mcheck_i(i=1,2,3,...,6)は、選択された質量mcheck_iに割り当てられた質量範囲ρmass_m_check_iにわたって、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極104を走査する間、質量分析モードで動作する第2の分析器105を介してイオン検出器3において順々に検出される。この質量範囲ρmass_m_check_iは、選択された質量mcheck_iを含み、第1の四重極104の質量選択モードの質量フィルタ窓のフィルタ窓幅wcalより大きい。第1の四重極104の走査中、第1の四重極の電極に印加されるRF電圧の振幅は、関数RFfit(m,wcal)により与えられ、第1の四重極104の電極に印加されるDC電圧は、関数DCfit(m,wcal)により与えられる。
選択された質量mcheck_iに割り当てられた質量範囲ρmass_m_check_iにわたって、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極104を走査する間、質量mcheckの集合Mcheckの各質量mcheck_i(i=1,2,3,...,6)が、質量分析モードで動作する第2の分析器105を介してイオン検出器103において順々に個別的に検出されることが、図9において矢印272により示されている。ステップiic)263の前に、質量インジケータiがi=0に設定される。このインジケータは、質量mcheck_iの検出前にi=i+1により増加される。それゆえ、最初は、質量mcheck_iの検出は、質量mcheck_1(i=1)について実行される。質量インジケータiは、矢印272により示される繰り返し毎に増加され、そのため、質量mcheck_iの第2の検出中、検出は、質量mcheck_2(i=2)について実行される。この検出は、そのようにして、質量mcheck_6(i=6)まで繰り返される。i=6の場合、質量mcheck_iの検出はもはや繰り返されず、較正の次のステップ(ステップiid)、264)が実行される。それゆえ、全ての質量mcheckについて、質量を含む質量mcheckの集合Mcheck
選択された質量mcheck_iに割り当てられた質量範囲ρmass_m_check_iにわたって、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極104を走査する間、検出が、質量分析モードで動作する第2の分析器105を介してイオン検出器3において実行される。
数個の選択された質量mcalの一部、質量mcheckは、選択された質量mcheckに割り当てられた質量範囲ρmass_m_checkにわたって、選択された質量mcheckを含み第1の四重極104の質量選択モードの質量フィルタ窓のフィルタ窓幅wcalより大きいフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極104を走査する間、質量分析モードで動作する第2の分析器105を介してイオン検出器103において検出され、第1の四重極104の電極に印加されるRF電圧の振幅は、関数RFfit(m)により与えられ、第1の四重極の電極に印加されるDC電圧は、関数DCfit(m)により与えられる。
それゆえ、全ての較正質量mcalがステップiic)263で質量mcheckとしてチェックされるわけではない。
図12に示される第1の四重極104の較正の次のステップ(ステップiid)、264)では、適合された関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)のチェックが評価される。関数RFfit(m,wcal)により与えられる振幅を有するRF電圧及び関数DCfit(m,wcal)により与えられるDC電圧を印加するとき、これらの検出された6個の選択された質量mcheckの各々について、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する第1の四重極104の質量選択モードのピーク位置のシフトΔm(mcheck)及びフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)が評価される。フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで予備選択用分析器として動作する第1の四重極104が、選択された質量mcheckに割り当てられた質量範囲ρmass_m_checkにわたって、検出された選択された質量mcheckの予想質量ピークから走査され、この検出された選択された質量mcheckが第1の四重極104の質量フィルタ窓の中央にあり、フィルタ質量窓がフィルタ窓幅wcalを有するとき、ピーク位置のシフトΔm(m)及び/又はフィルタ窓幅の偏差Δw(m)というパラメータにより、検出された選択された質量mcheckの質量ピークの偏差がどれほど大きいかがイオン検出器103において決定される。第1の四重極104により質量範囲ρmass_m_checkを走査する間、第1の四重極104のフィルタ質量窓は、第2の分析器105の質量分析モードにより、イオン検出器103上にマッピングされる。これは、第1の四重極104の質量フィルタ窓の、質量アナルシングモードで動作する第2の分析器105の質量フィルタ窓による畳み込みであってもよい。質量分析モードで動作する第2の質量分析器105の質量フィルタ窓のフィルタ窓幅w2は、0.75uである。
関数RFfit(m,wcal)により与えられる振幅を有するRF電圧及び関数DCfit(m,wcal)により与えられるDC電圧を印加するとき、質量mcheckの集合Mcheckの各質量mcheck_i(i=1,2,3,...,6)について、フィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する第1の四重極104の質量選択モードのピーク位置のシフトΔm(mcheck_i)及びフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck_i)が評価される。
適合された関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)のチェックの評価の開始時に、選択された質量mcheckがないか質量範囲ρmass_m_checkにわたって第1の四重極104を走査した(ステップiic、263)後、RFfit(m,wcal)の振幅の第1の関数及びDC電圧DCfit(m,wcal)の第2の関数で設定されている場合、質量範囲ρmass_m_checkのどの質量mset_m_checkに、イオン検出器103が選択された質量mcheckを検出している第1の四重極104におけるRF電圧及びDC電圧を印加するのかが評価される。
この評価の結果に応じて、検出された選択された質量mcheckのピーク位置のシフトΔm(mcheck)の評価(ステップiid))が、検出手段が選択された質量mcheckを検出している走査された質量mset_m_checkの中央の質量mset_m_check_cと選択された質量mcheckとの間の差を計算することにより行われる。
本発明の方法の実行中に計算される全ての差(Δm(...),Δw(...))におけるように、差Δm(mcheck)は、正の値及び負の値を有してもよく、ベストな場合にはゼロであってもよい。正の値か負の値かに応じて、走査された質量の中央の質量mset_m_check_cは、予測値mcheckと比べてより高い値またはより低い値にシフトされ得る。
質量mset_m_checkの前述の評価の結果に応じて、検出された選択された質量mcheckのフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)の評価(ステップiid)、264)は、検出手段が選択された質量mcheckを検出している質量範囲ρmass_m_checkの質量mset_m_checkからフィルタ窓幅wcheck(mcheck)を評価すること、及びフィルタ窓幅wcheck(mcheck)とそれに関して第1の四重極が較正されなければならないフィルタ窓幅wcalとの間の差を計算することにより行われる。
Δw(mcheck)が正の値を有する場合、第1の四重極104の走査中に質量mcheckについて検出されたピークは広すぎ、負の値は狭くなる。
質量mset_m_checkのフィルタ窓幅wcheck(mcheck)は、走査中に検出手段により検出される最も高い信号のうちのある割合より高い信号をどの質量mset_m_checkで検出手段が検出しているのかを、質量範囲ρmass_m_checkにわたって第1の四重極を走査する間に決定することにより決定される。
図13に示される第1の四重極104の較正の次のステップ(ステップiie)、265)では、較正の繰り返しについての決定が定義されなければならない。検出された6個の質量mcheckのピーク位置のシフトΔm(mcheck)及びフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)の評価値が較正の品質条件を満たさない場合、または別の繰り返し条件が充足される場合、較正ステップiia)〜iie)を繰り返すことが決定される。このような品質条件により、較正関数としての関数RFfit(m,wcal)により与えられる振幅を有するRF電圧及び較正関数としての関数DCfit(m,wcal)により与えられるDC電圧が第1の四重極104の電極に印加されるとき、ピーク位置のシフトΔm(mcheck)がしきい値Δmmaxを超過せず、フィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)がしきい値Δwmaxを超過しないことが確実化される。これらのしきい値Δmmax及びΔwmaxは、検出された6個の質量mcheck全てについて同じである。それらは、値Δmmax=0.2u及びΔwmax=0.4uを有する。
したがって、質量mcheckの集合Mcheckの質量mcheck_i(i=1,2,3,...,6)のピーク位置のシフトΔm(mcheck)及びフィルタ窓幅の偏差Δw(mcheck)の評価値が較正の品質条件を満たさない場合、較正ステップiia)〜iie)を繰り返すことが決定される。
較正ステップiia)〜iie)の繰り返しの間、ステップiia)において、第1の四重極104の質量選択モードで、関数RFfit(m,wcal)が第1の関数RF(m,w)として、DCfit(m,wcal)が第2の関数DC(m,w)として使用される。
較正ステップiia)〜iie)の繰り返しが停止されるように充足されるべき較正の品質条件は、検出された選択された質量mcheckの質量選択モードのピーク位置のシフトΔm(mcheck)の全ての評価値がクリティカルなしきい値Δmmax未満であり、測定された選択された質量mの質量選択モードのフィルタ窓幅の全ての偏差Δw(mcheck)が第2のクリティカルなしきい値Δwmax未満であることである。
較正ステップiia)〜iie)の繰り返しは、較正の全ての品質条件が充足される較正ステップiia)〜iie)が10回(Nrep=10)実行されるまで、決定に従って実行される。その後で較正が終了される較正運転の数を定義する数Nは、較正パラメータの設定260中にN=10に設定される。
較正の全ての品質条件が充足されている場合、ステップiia)〜iie)による較正は終了され、較正関数としての関数RFfit(m,wcal)により与えられる振幅を有するRF電圧及び較正関数としての関数DCfit(m,wcal)により与えられるDC電圧が、その後、本発明による方法で較正された質量分析計による測定の間に、第1の四重極104の電極に印加される。それゆえ、最後のステップiib)262で適合された関数関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)が、第1の四重極104を予備選択用質量分析器としてフィルタ窓幅wcalを有する質量フィルタ窓において質量を選択する質量選択モードで作動させ得る好適な較正関数として定義される。
一方、較正ステップiia)〜iie)が6回実行され、その後、較正の品質条件が全て充足されているわけではない場合、較正は、成功ではなかったため、停止される。この場合、質量分析計101を較正するための本発明の方法は、RF電圧RFini(m,wcal)の振幅及びDC電圧DCini(m,wcal)の異なる初期関数、第1の四重極104の電極に印加される対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値及びDC電圧DCdet(mcal)の値を個別的に決定するための数個の選択された質量Mcalの新たな集合、適合された関数RFfit(m,wcal)及びDCfit(m,wcal)のチェックが実行される質量の新たな集合Mcheck、例えば修正された適合関数もしくは別の適合アルゴリズムを使用した新たな適合手順、新たな品質条件、または較正ステップのより大きな繰り返し可能回数N等の、較正パラメータの異なる設定を有する状態で再度開始され得る。
較正ステップiia)〜iie)がN回実行された後に較正の品質条件が全て充足されているわけではない場合、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させるように、かつ選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるように、較正ステップiib)262で使用される少なくとも1種類の関数を変更した後で、または較正の品質条件の少なくとも1つを変更した後で、第1の四重極104の較正が繰り返され得る。較正ステップiia)〜iie)が6回実行された後に較正の品質条件が全て充足されているわけではない場合、選択された質量mの関数RFfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値に適合させるように、かつ選択された質量mの関数DCfit(m,wcal)を数個の選択された質量mcalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合させるように、較正ステップiib)262で使用される少なくとも1種類の関数を変更した後で、または較正の品質条件の少なくとも1つを変更した後で、第1の四重極4の較正が繰り返され得る。
数個の選択された質量mcalに対応するRF電圧RFdet(mcal)の振幅の値または数個の選択された質量mcffalに対応するDC電圧DCdet(mcal)の値に適合される関数の種類を変更することにより較正関数を見出すことを目的として、較正の6回の繰り返し後に、較正が再度開始され得る。
較正ステップiia)〜iie)が6回実行された後に較正の品質条件が全て充足されているわけではない場合、質量選択モードにおける第1の四重極の較正の開始時に第1の関数RF(m,w)の初期関数RFini(m,wcal)及び第2の関数DC(m,w)の初期関数DCini(m,wcal)の少なくとも1つの関数を変更した後で、第1の四重極104の較正が繰り返され得る。この実施形態では、少なくとも変更された初期関数RFini(m,wcal)またはDCini(m,wcal)と共に較正を再度開始することにより較正関数を見出すことを目的として、較正の6回の繰り返し後に、較正が再度開始される。
本発明の方法による質量選択モードの第1の四重極4の較正のステップii)22は、2u〜30uの範囲内、好ましい5u〜20uの範囲内、及び特に好ましい8u〜15uの範囲内の異なる値のフィルタ窓幅wcalについて数回繰り返され得る。