JP6423833B2 - 抗菌性金属ナノ粒子の組成物および方法 - Google Patents

抗菌性金属ナノ粒子の組成物および方法 Download PDF

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    • A61P31/12Antivirals

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2011年5月24日に出願された米国仮特許出願第61/519,523
号、および2011年12月31日に出願された米国仮特許出願第61/582,322
号の優先権を主張し、かかる両出願はその全体を参照することにより本明細書に組み込ま
れる。
[発明の分野]
本発明は、無機銅塩ナノ粒子からなる抗菌性組成物、その生成、銅系ナノ粒子と金属お
よびその他金属塩ナノ粒子との合成、前記組成物の表面および生成方法ならびに使用方法
への適用に関するものである。
様々な金属および金属塩の抗菌効果は、何世紀にも渡って知られているものである。ヒ
ポクラテスは銀に治癒力および抗病性があると記し、フェニキア人は水、ワインまたは酢
を、銀のボトルに入れて腐敗を防いだ。20世紀の初頭には、牛乳の新鮮さを保つために
、牛乳瓶に銀貨が入れられていた。このような殺菌作用により、銀は、調理器具における
価値また宝飾品としての価値を高めていった。その理論は存在するものの、銀の殺菌作用
の正確な過程はまだ完全に明らかになっていない。殺菌作用の一つに「微量作用」という
ものがある。これは、ある微生物への効果を定性的に説明するものであるが、抗ウィルス
作用を説明することはできない。銀は、その広範囲の抗菌作用から、局所ジェルに利用さ
れ、包帯に浸透されている。
この微量作用は、他の金属、特に金、銀、銅、亜鉛およびビスマスで実証されている。
銅は、そのような金属の一つで、フジツボやイガイから船底を保護するための生物静止性
の表面として、長い間利用されている。初めは銅のみが使われていたが、低コストと耐久
性の高さから、その後は真鍮や他の合金に取って代わられている。銅の表面は、生物静止
性であるため、細菌が繁殖することはない。銅は、抗菌性が高くバイオファウリングを防
ぐことから、養殖業界では銅合金が網の重要な素材となっており、また海洋環境において
は高い構造特性と耐食性を有している。銅の有機化合物は、船殻のファウリング防止に有
効であり、銅合金の接触面は、院内感染を低減させるための抗菌性表面として、最近研究
が行われている。
銀の抗菌性は、そのイオン化形であるAgの化学的特性に由来しており、その効果を
説明するメカニズムがいくつか提案されている。例えば、銀イオンは、硫黄、窒素、酸素
を含んでいる酵素等、細菌が呼吸のために使う物質と強力な分子結合を形成する。Ag
イオンは、これらの生体分子と錯体を形成すると不活性化されるため、必要な活動が阻害
され、最終的に細菌は死に至る。銀イオンは、細菌DNAとも錯体を形成することができ
るが、微生物の生殖能力が損なわれる。一方、銅(opper)イオンのメカニズムは
十分に解明されていない。銅という金属が持つ役割に関して、数多くの科学的調査が行わ
れている。一重項酸素、水酸化ラジカル等の活性酸素種の増産、酵素および補因子の反応
点への銅金属の共有結合、脂質二重層膜輸送タンパク質への干渉、銀イオンに対して提示
されているものに似た微生物の一部と銅イオンとの相互作用等の銅の抗菌作用は、複合的
なメカニズムによる可能性が結論付けられている。
銀、銀化合物および銀塩が、抗菌剤として利用するという点で、圧倒的に好まれている
ことは明らかである。しかし、ハロゲン化銀、ヨウ化銀、臭化銀および塩化銀という形で
の銀は、感光性を有することがよく知られており、何年にもわたり写真撮影で利用されて
きた。船殻等の船舶に関連する物の保護に利用される場合を除き、通常抗菌剤として銅が
使われることはない。
ナノ粒子という形を含め、微粒子という形で微量金属種を提供することにより、溶液内
での粒子の沈殿といった問題は回避されるが、所与の小粒径の溶解度、または特定の水溶
液が所与の一組のナノ金属粒子に接触することで生じる自由イオンの濃度を推定する際に
、凝集作用という遍在的な問題に加え、複雑な問題を招くこととなる。ナノ粒子という形
で微量金属種を使用することによって、さらなる見解がもたらされる。本文献におけるい
くつかの報告によれば、このような粒子は、ある(通常不特定の)状況下では病原体の外
膜によって吸収され、その病原体内へ輸送される可能性があるということである。多くの
場合において、この見解が前記金属種の抗菌効果に有利に働くことが期待されている。
具体的にどのような状況において、微量物質の特定のナノ粒子によるこのような浸透が
行われるのかは、現時点では明らかになっておらず、またどのような条件(粒径および化
学的性質を含んでいる)によってこのような浸透が促進または抑制されるのかということ
ももちろんわかっていない。必要なのは、微量金属化合物の対象を微生物および他の病原
体とすることのできる、よりよい広範囲の抗菌性組成物である。
本特許に関連する発明者は、ある種の銅塩粒子が、様々な微生物、ウィルス、カビ、菌
類に対し、同様の銀基抗菌性粒子よりもはるかに大きな効能を有するという驚くべき発見
をした。特に、ハロゲン化銅、ヨウ化銅(「CuI」)を含んでいる銅塩は、本特許内の
教示に従って形成される際、広範囲にわたる即効性のある抗菌剤として、驚くほど有効で
あることが明らかになっている。
本発明の第一の実施形態は、少なくとも一つの無機銅塩を持つ粒子を有する抗菌作用を
持つ組成物を対象とするものである。少なくとも一つの機能化剤がその粒子に接し、その
機能化剤は、担体内の粒子を安定化させて抗菌的に有効な量のイオンが微生物環境へ放出
されるようにする。一実施形態において、担体は機能化剤がその中で溶解する液体である
。別の実施形態では、担体は液体で、機能化剤がその中で溶解するが安定化されている。
機能化剤には粒子を複合化させる作用があり、それによって液体内の粒子が安定化される
。ある実施形態では液体担体は水性で、他の実施形態では液体担体は油性である。液体担
体の実施形態において、粒子は液体担体によって溶液中で懸濁している。他の実施形態で
は、担体は、溶融ブレンド樹脂等の固体である。別の実施形態では、無機銅塩は、銅のハ
ロゲン化塩を備えている。他の実施形態において、ハロゲン化物は、ヨウ化物、臭化物お
よび塩化物からなる群より選択される。特に、好適な実施形態では、無機銅塩は、ヨウ化
銅(CuI)である。このような粒子の平均粒子径は、約1000nmから約4nmほど
の範囲であることが好ましい。別の実施形態では、平均粒子径が約300nm、100n
m、30nm未満、もしくはさらに低く約10nm未満である。他の実施形態では、ハロ
ゲン化銅の水への溶解度が1リットル当たり100mg未満、またはさらに低く1リット
ル当たり15mg未満である。
他の実施形態は、CuI、CuBrおよびCuClからなり、その平均粒子径が約10
00nmまたはそれ未満からなる群より選択されて、少なくとも一つの無機銅塩を持つ粒
子を有する抗菌作用を持つ組成物を対象とするもので、少なくとも一つの機能化剤が前記
粒子に接し、前記機能化剤は、約100:1から約0.5:1の重量比で存在するもので
ある。
本発明の実施形態は機能化剤を含んでいる。前記機能化剤には、アミノ酸、チオール、
ポリマー、特に親水性ポリマー、疎水性ポリマー乳剤、界面活性剤、またはリガンド特異
的な結合剤が含まれている。前記アミノ酸剤の好適な実施形態としては、アスパラギン酸
、ロイシンおよびレジンが、前記チオール剤の好適な実施形態としては、アミノチオール
、チオグリセロール、チオグリシン、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオクト酸およびチオシ
ランがある。前記親水性ポリマーの好適な実施形態としては、ポリビニルピロリドン、ポ
リエチレングリコール、前記ポリマーを形成するモノマーの少なくとも一つを有する共重
合体およびそれらの混合体がある。その他の好ましいポリマーとしては、ポリウレタン、
アクリルポリマー、およびエポキシ樹脂があり、表面修飾中に乳剤および液剤として使用
される際は、特に、シリコーンおよびフルオロシリコーンが好まれる。本発明の好適な実
施形態では、CuI、CuBr、CuCl等のハロゲン化銅が利用される。本発明の他の
実施形態は、銀粒子またはハロゲン化銀粒子の少なくとも一方を追加で有する組成物を含
んでいる。銀またはハロゲン化銀粒子は、アミノ酸、チオール、親水性ポリマーまたはリ
ガンド特異的な薬剤からなる群より選定されたメンバーによって機能化される。ハロゲン
化銀の他の実施形態には、ヨウ化物、臭化物または塩化物から選ばれたハロゲン化物があ
る。
ここで説明される本発明の他の実施形態は、CuI粉末を取得し、そのCuI粉末を極
性非水溶媒で溶解し、前記CuIを極性非水溶媒内で安定化させるに十分な量の機能化剤
を加え、機能化剤によって複合化されたCuI粒子粉末が形成されるよう、前記の安定化
したCuI粒子を乾燥させられるまで溶媒を除去し、機能化剤によって複合化されたCu
I粒子粉末を約1〜約6pHの水溶液に分散させて水中で安定化するCuI粒子を形成し
、任意選択で、水を除去できるまで安定化されたCuI粒子を乾燥させるというステップ
を含んでいるプロセスに従って生まれる、抗菌作用を持つ組成物である。もう一つの任意
のステップとして、任意の乾燥ステップの前に分散のpHを中和させるというものがある
本発明の他の実施形態において、金属化合物粒子は、研削、特に湿式研削によっても形
成されることができる。湿式研削は液体(水性または非水性)内で行われ、その培地はさ
らに任意の表面修飾剤を有する。
本発明の他の実施形態は、微生物の増殖抑制に効果的な量のCuI含有抗菌性組成物が
表面にコーティングされた製品表面での微生物の増殖を抑制する方法を対象とする。
本発明の他の実施形態は、平均径が約100nm未満の無機銅塩を少なくとも一つ持つ
粒子を有する効果的な量の組成物と微生物の環境とを接触させるというステップを用いた
、微生物の増殖を抑制する方法で、少なくとも一つの機能化剤がその粒子に接し、その機
能化剤は、溶液内の粒子を安定化させて抗菌的に有効な量のイオンが微生物環境へ放出さ
れるようにする。
本発明の他の実施形態は、少なくとも一つのハロゲン化銅とハロゲン化第二金属からな
るハロゲン化合金粒子を有する抗菌作用を持つ組成物を対象とするものである。少なくと
も一つの機能化剤はそのハロゲン化合金粒子に接し、その機能化剤は、懸濁液内の粒子を
安定化させて抗菌的に有効な量のイオンが微生物環境へ放出されるように構成されている
本発明の他の実施形態は、無機銅塩粒子と少なくとも一つの第二無機金属化合物の粒子
との混合粒子を有する抗菌作用を持つ組成物を対象とするもので、少なくとも一つの機能
化剤が前記の混合粒子に接し、前記の機能化剤は、担体内の前記混合粒子を安定化させて
抗菌的に有効な量のイオンが微生物環境へ放出されるようにする。このような粒子の粒子
径は、約300nm未満が好ましい。
本発明の他の実施形態は、安定化したヨウ化銅粒子を形成し、その安定化したヨウ化銅
粒子を懸濁化剤に分散させ、一定量の分散したヨウ化銅粒子を製造前駆体に加え、少なく
とも製造前駆体の一部を使って製品を形成することによって、ヨウ化銅粒子がその製品全
体に分散されるようにするというステップを含んでいるプロセスに従って生まれる、抗菌
作用を持つ組成物を対象とする。このような粒子の粒子径は、300nm未満が好ましい
。製品は、抗菌効果を実現するために別の製品に施されたコーティングである場合もある
本発明の他の実施形態は、少なくとも二つの抗菌活性成分からなる、抗菌作用を持つ組
成物を対象とするもので、前記成分のうち最初の成分は、平均粒子径が300nm未満の
機能化されたハロゲン化銅ナノ粒子を有する。この組成物は、少なくとも一つまたはそれ
以上の、抗菌作用を持つ異なる金属または無機金属化合物ナノ粒子も持つことができる。
さらに、この組成物の金属および無機金属化合物は、セレン、ビスマス、銀、亜鉛、銅、
金およびその化合物からなる群より選定された金属を有することもできる。
本発明の他の実施形態は、ハロゲン化銅およびハロゲン化銀からなる群より選択された
金属ハロゲン化物、金属ハロゲン化物が注入される多孔質担体粒子、抗菌的に有効な量の
イオンが微生物環境へ放出されるよう金属ハロゲン化物を支える担体粒子を有する、抗菌
作用を持つ組成物を対象とするものである。
本発明の他の実施形態において、ハロゲン化銅を含んでいる多孔質担体粒子またはハロ
ゲン化銅およびハロゲン化銀は、望ましい抗菌作用を備えるコーティングまたは固形物と
して使用されるマトリクス材に組み込まれる。
本発明の他の実施形態において、本抗菌性組成物は、ハロゲン化銅ナノ粒子を有する機
能化された粒子か、ハロゲン化銅またはハロゲン化銅およびハロゲン化銀ナノ粒子を含ん
でいる多孔質担体粒子だが、エンドユーザが被塗装物の抗菌作用を得るために塗ることが
できるポリマー入りコーティング剤と組み合わせることができる。
本発明の他の実施形態は、ヨウ化銅、臭化銅、塩化銅からなる群より選択されたハロゲ
ン化銅、そのハロゲン化銅が注入される多孔質担体粒子、抗菌的に有効な量のイオンが微
生物環境へ放出されるよう前記のハロゲン化銅を支える担体粒子を有する、抗菌作用を持
つ組成物を対象とするものである。
本発明の他の実施形態は、一つまたはそれ以上の抗細菌材料および/または鎮痛薬を有
し、さらには少なくとも一つの金属ハロゲン化物粒子も有する抗菌性組成物を対象とする
もので、前記の粒子は平均粒子径が約1000nm未満であることが好ましい。ハロゲン
化銅およびハロゲン化銀からなる群から少なくとも一つの無機金属ハロゲン化物が選択さ
れ、ヨウ化物、臭化物ならびに塩化物からなる群からはハロゲン化合物が選択される。金
属ハロゲン化物はヨウ化銅であることが好ましい。
本発明の機能性ナノ粒子を様々に組み合わせて処理した際のセレウス菌(Bacillus cereus)芽胞の成長および/または抑制を示すバーチャートである。 セレウス菌芽胞の成長に対するCuIの効果を示すバーチャートである。 開示の通り様々な素材に組み込まれた本発明の機能性粒子を利用して得られた、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の対時間殺菌率(対数減少値)のプロットである。サンプルは、最初の状態と、通常の家庭用洗剤で3回および10回洗浄した後の状態で検査された。「Sample 0X」は1度も洗浄されていないことを示し、「Sample 3X」は3回洗浄されたことを示し、「Sample 10X」は10回洗浄されたことを示す。コーティングされていない生地をコントロールとした。 Pseudomonas aeruginosaのOD600と、本発明および機能性粒子でコーティングされた固形物の様々な金属粒子への反応を5時間にわたり測定したバーチャートである。 ヨウ化銅粒子およびAg−CuIの混合金属ハロゲン化物ならびにコントロールによる、P.aeruginosaの成長および/または抑制に対する光学濃度(OD,Y軸)のプロットである。 ヨウ化銅粒子およびAg−CuIの混合金属ハロゲン化物ならびにコントロールによる、S.aureusの成長および/または抑制に対する光学濃度(OD,Y軸)のプロットである。
1.導入部
本発明は、微量金属およびその化合物の組成物ならびに粒子、このような組成物ならび
に粒子とその他の既知の抗菌剤との組み合わせ、機能化された表面を持つ粒子、このよう
な粒子の固形物表面への塗布、ポリマー体、セラミック体または金属体へ塗布されるコー
ティング溶液へこのような粒子を取り込み、それによってこのようなコーティング体、な
らびに粒子を有する表面を備え抗菌作用が望まれる物体に染み込ませること、望ましい抗
菌特性を有する機能化された粒子を持つ固形物、ならびに抗菌作用の強化を目的とした、
この機能化された抗菌性粒子と既知の抗菌剤との組み合わせに広く関わっている。
本特許に関連する発明者は、ある種の銅塩粒子が、様々な細菌、ウィルス、カビ、菌類
に対し、既知の銀のみがベースとなっている抗菌性粒子よりもはるかに大きな効能を有す
るという驚くべき発見をした。特に、ハロゲン化銅、ヨウ化銅(「CuI」)は、本特許
内の教示に従って形成される際、広範囲にわたる即効性のある抗菌剤として驚くほど有効
であることが明らかになっている。そのため、本発明の第一の実施形態は、少なくとも一
つの無機銅塩を持つ粒子を有する抗菌作用を持つ組成物を対象とするもので、その粒子の
平均粒子径は約1000nm未満であることが好ましく、少なくとも一つの機能化剤がそ
の粒子に接し、その機能化剤は、担体内の粒子を安定化させて抗菌的に有効な量のイオン
が微生物環境へ放出されるようにする。後述されるとおり、機能化剤はいくつかの機能を
有する。一つは、担体内(液体中)の粒子を安定化させ、粒子が塊にならずに均一に分散
されるようにすることである。また、抗菌的に有効な量のイオンを微生物環境へ放出する
手助けをすることもある。本発明のいくつかの実施形態は、無機銅塩を含んでいる。臭化
銅、塩化銅等のハロゲン化銅は他の実施形態を有するが、ヨウ化銅が最も研究されている
実施形態である。ハロゲン化銅(I)粒子は水に溶けにくいため、何らかの形で分散され
ない限り水の中で塊(「凝集」)になりやすい。一つの実施形態において、粒子は、溶液
中でより安定し、微生物ならびに他の病原菌にとってより魅力的になり、また塗料、樹脂
および成形可能なプラスチック製品等の他のコーティング製剤に抗菌剤として加えられる
際に相溶性がより高くなるよう、その表面化学を修飾することによって「機能化」される
。機能化剤には、ポリマー、特に親水性および疎水性ポリマー、モノマー、界面活性剤、
アミノ酸、チオール、グリコール、エステル、炭水化物ならびに微生物に特異的なリガン
ドが含まれる。機能化剤の実施形態は、ポリウレタンおよび、ポリビニルピロリドン(P
VP)ならびにポリエチレングリコール(PEG)等の水溶性ポリマーを含んでいる。こ
れらはCuIナノ粒子を安定化させ、塗料内での溶解を促進し、また外側の微生物表面へ
の付着を助けることで銅イオンを対陰極に接近させる。機能化剤には、微粒子表面を修飾
するために乳剤および溶液として使われる疎水性ポリマーも含まれる。金属ハロゲン化物
の性質および機能化剤の品質という両要因は、抗菌性組成物の全体的な有効性にとって重
要である。
2.定義された用語
「アミノ酸」という用語は、人間の健康に不可欠なものとして知られる20種の自然に
存在する任意のアミノ酸だけではなく、任意の非標準アミノ酸も含んでいる。アミノ酸は
通常、R基がどの有機置換基にもなりうるHNCHRCOOHと定義される。他のアミ
ノ酸も機能化剤としての有用性を有していることもあるが、本発明の好適な実施形態は、
担体内での粒子の安定化において有用性を示しているアスパラギン酸、ロイシン、リシン
を含めたサブセットを含んでいる。
「溶媒内の金属塩の安定化に十分な量の機能化剤」という用語は、溶液(モノマー組成
物を含んでいる液状組成物の場合)またはより粘性の高い培地(軟膏、クリーム、ポリマ
ー等)から金属塩が分離して沈殿することのないよう、水性または非水性環境において金
属塩を懸濁状態にすることができる、本特許で述べられている任意の適当なポリマーの重
量対重量ベースでの量を指す。
一つの実施形態における「微生物の成長の抑制に十分な量」という用語は、分析で試さ
れるような微生物の成長への効果によって決定される。この成長抑制量は、金属塩の種類
、的確な機能化剤、機能化剤内の塩濃度、塩粒子径、塩の水溶解度、pH値、細菌、菌類
、芽胞、他の病原体等の属種によって変化する。一つの従来方法に、最初の個体群の50
%の成長を阻止することが求められる、薬剤の最小発育阻止濃度(すなわちMIC50
がある。関連用語である「微生物の殺菌に十分な最少量」も、実験的に決定される。一つ
の従来方法は、50%殺菌する最小殺菌濃度すなわちMBC50である。抗菌効果は、微
生物個体群の減少を時間関数として測定することによって評価でき、または、抗菌剤にさ
らされた微生物個体群とそのような曝露を受けていないものの光学濃度の変化を測定する
ことによっても評価できる。
「両親媒性」という用語は、親水性部分および疎水性部分の両方を有することで二つの
異なる相を溶媒和できる水溶性ポリマーを対象とする。両親媒性ポリマーの例としては、
これらに限定されないがブロック共重合体が挙げられる。このブロック共重合体は、親水
性ポリマーのリストから少なくとも一つのブロックが選定されているもの、また疎水性ポ
リマーのリストから少なくとも一つのブロックが選定されているかもしれないものを含ん
でいる。他の例として、PVP−ブロック−ポリプロピレンオキシド−ブロック、ポリエ
チレンオキシド−ブロック−ポリプロピレンオキシド−ブロック−ポリエチレンオキシド
−ブロック、ポリエチレンオキシド−ブロック−ポリプロピレンオキシド−ブロックがあ
る。
モノマーは、粒子表面に付着することができ、またこのような修飾された粒子が取り込
まれるマトリクスに反応または結合することもできる物質を含んでいる。「マトリクス材
」とは、このモノマーが反応または錯体形成等の物理的結合によって結合することになる
ポリマーである。モノマーのいくつかの例としては、ポリオール類、シラン、金属アルコ
キシド、アクリルポリオール、メタクリル酸ポリオール、グリシジルエステル、アクリル
およびメタクリルが挙げられる。
「XX」がナノメートルの数として変化する「平均径約XX未満」という用語は、動的
光散乱または顕微鏡検査等の任意の従来方法によって測定されるような、直径平均が約X
Xナノメートル未満の粒子の抽出サンプルの平均粒子径として本特許で定義される。計算
上、不定形粒子はお約の直径を持つ、すなわちほぼ球状であると仮定する。粒子は球形で
ないことがよくある。このため、この仮定は、純粋に平均粒子径を割り出すためだけに使
われる。粒子径の測定方法は、動的光散乱、走査電子顕微鏡法または透過電子顕微鏡法を
含んでいる。本発明の実施形態は、平均粒子径が約1000nmから約4nmの範囲であ
ることを明示しており、平均粒子径が約1,000nm未満、約300nm未満、約10
0nm未満、約30nm未満、および約10nm未満であるものが含まれる。用途によっ
ては、一般的に、平均粒子径がより小さいものが好まれることがあるが、平均粒子径は、
粒子からイオンが放出される放出率特性と関係するため、粒子径と放出率とは相互依存的
である。本発明の実施形態は、例えば、いくつかは寸法がミクロンとなりうるシートまた
は棒等、他の形で作られることもある。この場合、このような物体の平均径は、約1,0
00nm、300nm、100nm、30nmならびに10nm未満という最小寸法に関
連して測定されることになる。繊維の場合、最小寸法は断面径となり、シートの場合は通
常厚さとなる。
「抗細菌効果(anti−bacterial effect)」という用語は、細菌
の殺滅、または成長および/または生殖の抑制または停止を意味している。
「抗真菌性効果(anti−fungal effect)」という用語は、カビおよ
び/または菌類の殺滅、または成長および/または生殖の抑制または停止を意味している
「抗菌効果(antimicrobial effect)」は、細菌、ウィルス、カ
ビ、菌類または胞子の生命維持もしくは持続的な成長に必要な通常の代謝過程の抑制また
は停止を意味しているものとして広く解釈される。「抗菌効果」は、個々または群として
の細菌、ウィルス、カビ、菌類または胞子の殺滅を含んでいる。
抗菌効果を有するとして本特許で述べられている任意の薬剤の「抗菌的に有効な量(a
ntimicrobially effective amount)」とは、細菌、ウィ
ルス、カビ、菌類、胞子、生物膜もしくはその他病原体の維持および成長を含んでいる通
常の細胞過程を十分に抑制できる薬剤濃度のことである。抗菌的に有効な量は、本特許に
おいて、微生物の成長または個体群の減少を測定する分析を利用して測定される。すなわ
ち、1log減少は90%の対コントロール減少に相当し、2log減少は99%減少に
相当していく、ということになる。
「抗胞子効果(anti−spore effect)」という用語は、胞子の殺滅、
または成長および/または生殖の抑制または停止を意味している。
「抗ウィルス効果(anti−viral effect)」という用語は、ウィルス
の殺滅、または成長および/または生殖の抑制または停止を意味している。
本特許で使用される「担体(carrier)」とは、機能化された無機金属塩粒子を
収容し塗布するための培地で、無機金属塩粒子が表面に組み込まれて金属塩のイオンが接
触可能になることで、表面に存在する、またはこれから存在するかも知れない微生物(m
icrobes)を殺菌または抑制する。担体は、液体、半流動体、または固体の場合が
あり、溶解および塗布過程の間に状態を変えることができる。例証上、水性液体等の液状
担体の場合、PVP等のポリマーで機能化された金属ハロゲン化物粒子を持つ乾燥粉末が
水に加えられ、粒子−PVP複合体は均一に分散するといったPVPの物理的および/ま
たは化学的特性が原因で、担体内で溶解または分散することもある。液状担体はその後、
塗布された表面から蒸発して粒子−PVPの均一な層を残し、その層からイオンが時間を
かけて表面に現れることもある。担体にポリマー乳剤等の添加剤が追加されうる際にも、
担体(液状)の蒸発時に、よく分散された機能性金属塩粒子を持つこのポリマーの薄い膜
が形成されるという同様の考えが適用される。一例として、アクリルおよびウレタンポリ
マー水性ポリマー乳剤の多くは、家具およびトリムニス、床材ならびに塗料等、様々なコ
ーティングに応用されている。これらは一般的に、疎水性ポリマーを水性培地内で分散さ
せる界面活性剤を有する。機能化された金属塩粒子がこれらに加えられることもあるが、
そうでなければ粒子が形成される際に乳剤の内容物がこれらを機能化できるように、乳剤
内で形成されるか縮小される。機能性物質、また抗菌性物質(金属塩)の形状やその他の
特性は、リーフィング性を付与することができる。すなわち、これらのコーティング内の
担体が乾ききると、表面張力によってこれらの粒子が表面まで上がってくるため、自然に
高濃度の抗菌性物質がこのようなコーティングの表面に上がってくることになる。油性塗
料またはエポキシ樹脂等の疎水性担体にも同様関連性がある。担体は、モノマーであった
り、あるいは任意選択で、除去可能な担体および機能性粒子との混合物に加えられている
モノマーが添加されていることもある。そして、処理中にモノマーが重合し(架橋の有無
に関わらず)、また担体が存在して内部に分散している機能性粒子を使い重合物を形成す
る場合、担体の蒸発が伴うこともある。機能性粒子を固形プラスチックに組み込む際等の
固形担体の場合、同様の乾燥粉末状の粒子−PVP複合体がプラスチックの粉末またはペ
レットに加えられ、そのプラスチックは融解状態となり、そこで全成分が混ざり合う(す
なわち溶解混合される)。粒子の表面機能化は、より均一の取れた粒子の分散(低凝集)
等、いくつかの望ましい特性のうち一つ以上を促進し、粒子のプラスチックへの接着度を
高めてプラスチックやそれから作られた製品の物理的特性を損なわないようにし、そして
イオンが金属塩から放出されて微生物が存在する可能性のある表面へ到達するための道筋
をつける。この場合、この担体またはプラスチックは蒸発しないが、液体から固体へ状態
が変化すると、最終生成物に不可欠なものとなる。固形プラスチック材の中には、多相(
二つ以上の相を持つこと)であることで特性を得ているものがある。例えば、異なる二つ
のポリマーのブレンドおよび合金、または固形のブロックおよびグラフトポリマーは、一
般的に複数の相を形成して独自の物理的かつ化学的特性を得ている。このような多相プラ
スチックが利用されると、機能性粒子の機能化は適合性が非常に高くなって、これらの相
のうちの一つとの調和性が高くなるか、これらの相の中間期エリアに粒子を選択的に配置
するよう仕立てられる。
「銅のハロゲン化塩」とは、任意のハロゲン化物と組み合わさった銅金属族の構成要素
で、元素周期表では通常、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素として定義される。これらのうち
、本発明の好適な実施形態は、一般的に、ヨウ素、臭素および塩素を含んでいる。銅のハ
ロゲン化塩には、例えばCu(I)ClおよびCu(II)Cl等、銅(I)および(
II)の両種が含まれている。
「乳剤」という用語は、液体内において非相溶性物質の粒子または液滴が界面活性剤に
よって安定化されている、流体懸濁液またはポリマーラテックス液を指す。
「微生物の環境(environs of a microbe)」という用語は、1)
微生物が実際に生息しているまたは生息できる任意の表面であり、その微生物がその後人
間と接触する可能性があるもの、または、2)エアロゾルの場合、現在または今後、表面
上または空中浮遊を問わず微生物を有する可能性のある任意の液滴、または、3)水系微
生物の場合、現在または今後微生物を運ぶことのできる任意の液体であることを指す。
「微生物の外部環境(external environment of a micro
be)」および「微生物の内部環境(internal environment of
a microbe)」という用語は、それぞれ、微生物のすぐ外側にある環境、すなわ
ち微生物が生息する液体、ゲル、または固体と、微生物の内部体積を指す。微生物の外部
環境は液体(通常は水性)であることが多いが、これは微生物が生きるため、また抗菌性
金属塩またはそれを構成するイオンが微生物に届くようにするためである。外部環境は液
体である必要はないが、抗菌剤を微生物の近くまで伝達していくつかある別の機構がどれ
でも取り上げられるようにしなければならない。
「機能化」という用語は、以下のうちの一つまたはそれ以上を達成するための粒子の表
面化学の修飾を意味している:1)他の物質、特に微生物種との相互作用の向上、2)コ
ーティングおよびバルク材構成要素との相互作用ならびに分布均一性の向上、3)懸濁液
内に分散している粒子の安定性の向上。「機能化剤」という用語は、第一の実施形態にお
いて、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリウレ
タンポリマー、アクリルポリマー、イオン性部位を持つポリマー等の様々なポリマー種を
含んでいる。機能化剤は、付加的な役割を果たすこともでき、溶液のpHを修飾して異な
る方法で粒子と結合することもでき、またはPVPの場合のように還元剤として機能する
こともできる。ポリマーは、親水性もしくは疎水性である。機能化は、アミノ酸(または
アミノ酸の組み合わせ)、ペプチドおよびポリペプチド等の小分子(非ポリマー)種を用
いて第二の実施形態でも行われる。第三の実施形態では、チオール(またはチオールの組
み合わせ)も有用性を実証している。その他の実施形態は、炭水化物、グリコール、エス
テル、シラン、界面活性剤、モノマーおよびその組み合わせを含んでいる。別の実施形態
において、機能化とは、特に微生物上の受容体または生物学的標的と結合するよう、リガ
ンドまたはリガンド群を粒子に追加することを指す。同様の機能化において上記の機能化
剤を組み合わせ、微生物の特定の属および種に対する的を絞ったアプローチを行うことも
できる。
「親水性ポリマー」という用語は、本特許で示される銅塩ナノ粒子との錯体形成を行う
親和力または能力を持つ水溶性ポリマーを指す。機能化剤組成物の例として、ポリウレタ
ンが挙げられるがこれに限定されない。ポリウレタンには、ポリエーテルウレタン、ポリ
エステルウレタンおよび両者の共重合体、ポリビニルピロリドンおよびその共重合体(酢
酸ビニルおよび/またはカプロラクタムを有するもの等)、ポリビニルアルコール、ポリ
エチレンオキシド、ポリエチレングリコールおよび両者の共重合体、ポリプロピレングリ
コールおよびその共重合体、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレンおよび両者の共重
合体、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)ク
ロライド、カルボキシメチルセルロース、セルロースおよびその誘導体、デキストランお
よびその他多糖類、デンプン、グアー、キサンタンおよびその他ゴムならびに増粘剤、コ
ラーゲン、ゼラチン、グリセリンホウ酸エステル、生体高分子を含んでいる。
「疎水性ポリマー」という用語は、本特許で示される銅塩ナノ粒子との錯体形成を行う
親和力または能力を持つ水溶性ポリマーを同様に指すが、疎水性質を有している。疎水性
ポリマーのいくつかの例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル、酢酸セルロース、ポリ(エチレンテレフタレート)、シリコーン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレタンウレア、スチレンブロック共重合体、ポリオキシメチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸塩、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリプ
ロピレンオキシド、ポリイソプレン、アクリロニトリルゴム、エポキシ樹脂、ポリエステ
ルエポキシ、およびその混合物またはその共重合体が挙げられるが、これらに限定されな
い。
「無機銅塩」という用語は、比較的水に溶けにくい無機銅化合物を含んでいる。無機銅
塩はイオン銅化合物で、陽イオンが他の無機物質の陰イオンとともにこの化合物を形成す
る。このような塩が水の近くに置かれると、通常これらの化合物は銅イオン(Cu
r Cu++)を放出する。水溶性の低い、すなわち100mg/リットル未満であり、
15mg/リットル未満の銅塩が望ましい。このような望ましい銅塩としては、ハロゲン
化銅、酸化第一銅およびチオシアン酸第一銅がある。
「極性非プロトン性溶媒」という用語は、約15よりも高い誘電率を持ち、不安定な陽
子は持たない液体を含んでいる。非限定例としては、アセトン、アセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドがある。
「極性非水溶媒」という用語は、約15よりも高い誘電率を持つ液体(水は除く)を含
んでいる。非限定例にはメタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール等のアルコ
ールおよびギ酸等の酸がある。
「銅カチオンの放出」という用語は、概して、機能化剤によって懸濁状態になっている
金属塩から微生物が現在置かれている環境に、銅カチオンを提供することを指す。この放
出機構は、本発明の管理する特徴ではない。一つの実施形態において、放出は、例えば銅
イオンがハロゲン化銅粒子から溶解することによって起こる。別の実施形態では、PVP
等の機能化剤によって放出が仲介される。PVPは、微生物に接触してその外部環境へカ
チオンを移動させるまで、銅カチオンの錯体形成を行う。機構はいくつであっても銅カチ
オンの放出要因となりうるし、本発明はどの機構にも限られることはない。また、潜在的
に抗菌効果があるのはハロゲン化銅粒子からの陰イオンの放出で、例えば三ヨウ化物アニ
オン(I )は既知の抗菌剤である。
「担体内で粒子の安定化(stabilizing said particle in
a carrier)」という用語は、液状担体内で分散され他の粒子と分かれている機
能化された粒子を維持し、凝集および/または懸濁液からの分離・沈殿を抑制することを
意味している。分散安定性は、「品質保持期間」すなわち分散されている元素が懸濁液か
ら大幅に分離・沈殿しない期間によって測定される。安定化された粒子は、同様の形状、
大きさの安定化されていない粒子に比べて、品質保持期間が長い。一般的に、粒子の表面
積に比例する濃度で使用されるよく似た物質で安定化された、よく似た溶媒に入ったよく
似た粒子の場合、より大きな粒子の品質保持期間は小さなものよりも短い。場合によって
は早くに分離する粒子がいくつか形成されるが、容量または重量で相当量(25%を越え
る)の粒子が分散された状態である限り、安定した分散ということになるという点に留意
すべきである。本発明の化合物および粒子の品質保持期間に関しては、少なくとも8時間
が好ましく、少なくとも30日がより好ましく、少なくとも180日がさらに好ましいと
いうことが本特許のもとでは期待されている。「分散」という用語は、懸濁に対する永続
性を暗示していないという点で、「懸濁」という用語と区別できる。
分散または液状懸濁液は中間生成物となるか、または抗菌性物質が使われる最終生成物
となることができる。例として、特定の領域において微生物の問題が疑われる表面の処理
を行うための液体噴射等に使われる、低粘性の液体が挙げられる。低粘性の液体が中間体
として使われ、抗菌処理のために塗料に加えられることもある。本発明の無機金属塩ナノ
粒子は、局所用クリーム等の粘性の高い液体懸濁液にも使うことができる。最終用途製品
ではより高い懸濁安定性が好まれ、中間製品では、中間体が使われる過程のために十分な
安定性が必要である。「分散」および「懸濁」という用語は、本明細書では交互に使われ
る。
「界面活性剤」という用語は、非イオン、陽イオン、陰イオン、または両性の界面活性
剤を意味し、具体例としてBrij、Tween、Triton X−100、ドデシル
硫酸ナトリウム(SDS)、塩化セチルトリメチルアンモニウムまたは臭化セチルトリメ
チルアンモニウム等があり、幅広い種類の界面活性剤が市販されている。界面活性剤が本
発明の粒子を安定化させる限り、本発明の趣旨および範囲内となる。
「チオール」という用語は、一般的に−SH置換基を持つ化学物質を意味している。本
発明の実施形態は、アミノチオール、チオグリセロール、チオグリシン、チオ乳酸、チオ
リンゴ酸、チオクト酸、チオシラン等のチオールを含んでいる。その他のチオールでも、
本発明において有用性があるものもある。本発明において有用なその他のチオールは、水
溶性で、金属ハロゲン化物を錯体形成して水性環境において懸濁させる能力を有するもの
である。
3.組成物
a.微量金属
本発明の一つの実施形態において、好まれる物質組成は少なくとも一つの金属ハロゲン
化物、および一つ以上の金属と少なくとも一つの金属ハロゲン化物との組み合わせである
。現在好まれている金属は、銅、亜鉛、銀およびこれらの合金、そして一つより多い元素
から同時に形成された混合ハロゲン化物を含んでいる、これらのハロゲン化物である。組
成物は、銀、銅および亜鉛のうち少なくとも一つを有する合金を含んでいることもある。
これら合金の例として、銀+銅、銅+錫(ブロンズ)、銅+亜鉛等の合金が挙げられる(
真ちゅうは、銅の重量濃度が通常40〜90%の銅および亜鉛の合金で、例えば、リン青
銅の場合のように元素が追加されることもある)。これらの合金は、過程または最終的な
用途や応用において、酸化または望ましくない表面反応に対して安定性のより高い粒子を
提供することができる。その他の例示的な金属ハロゲン化物として、ヨウ化ゲルマニウム
(II)、ヨウ化ゲルマニウム(IV)、ヨウ化スズ(II)、ヨウ化スズ(IV)、ヨ
ウ化白金(II)、ヨウ化白金(IV)、ヨウ化ビスマス(III)、ヨウ化金(I)、
ヨウ化金(III)、ヨウ化鉄(II)、ヨウ化コバルト(II)、ヨウ化ニッケル(I
I)、ヨウ化亜鉛(II)、ヨウ化インジウム(III)等も挙げられる。本発明の粒子
はコアシェル幾何形状に作り上げられ、コアは上述のような望ましい物質を有するコーテ
ィングの固体担体となりうる。例として、コア物質は、シリカ、チタニア、および炭素か
ら選択することができる。すなわち、コアは多孔質となりうる。好ましい機能性粒子およ
び粒子の組み合わせの中で特に興味深いものは、ハロゲン化銀およびハロゲン化銅である
b.銅塩
本発明の無機銅塩の実施形態には、従来の無機銅塩が含まれているが、水溶性に限定さ
れる。例証として、以下の無機銅化合物が挙げられるが、この限りではない。例えば、ヨ
ウ素酸銅(II)、ヨウ化銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、酸化銅(I)、酢酸
銅(I)、硫化銅(I)、チオシアン酸銅(I)等の無機銅化合物が挙げられる。
無機銅塩には様々な水溶特性がある。しかし、本発明の銅塩は、進行が遅く予測可能な
銅カチオンの放出特性が備わるように、低水溶性であること(常温で水1リットルあたり
1gの不水溶性塩)が好ましい。配合によっては、Cu(II)またはより可溶性の高い
塩を加えてCuイオンの一部がすぐに得られるようにすることが望ましい。試験を行った
中で、Cu(I)カチオンが様々な微生物に対して最も高い有効性を示した。常温におい
て、銅(I)塩の可溶性は、1リットルあたり約100g未満が好ましく、1リットルあ
たり約15g未満がより好ましい。
本発明において有用であろう銅(I)塩の他の実施形態は、銅の一部が、(混合ハロゲ
ン化物を形成している)他の金属である陽イオンに置換されるハロゲン化物を含んでいる
。すなわち、所与のハロゲン化物は他の陰イオンに置換されることがある。あるいは、こ
の置換は有機的なものでもよく、このような置換の例としてAgCuI、CHNCu
、RbCuCl10、RbCuCl、CsCu10、CsCuBr
、RbCu16Cl13、RbCuCl等がある。一般的にこれらの銅
塩はPCu(s+t)と表現できるが、これはPが有機または金属カチオン、Xが
ハロゲン化物、好ましくはCl、Br、Iのうちの一つまたは複数から選ばれたものであ
る場合である。
c.ハロゲン化銅
ヨウ化銅(CuI)は、大部分の「二元」(二つの元素のみを有する)金属ハロゲン化
物と同様の無機金属で、閃亜鉛鉱型の結晶格子構造を形成している。酢酸銅(II)とヨ
ウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムとの、水中での単純な置換反応から形成される。生
成物質であるCuIは水に溶けにくい(20℃で0.020mg/100mL)ため、溶
液内で沈殿する。ヨウ化銅粉末は、多くの販売業者から大量購入が可能であり、純度98
%以上のグレードが特に好まれる。
臭化銅(CuBr)もCuIと同じ結晶構造を持つ無機物質で、臭化物存在下において
亜硫酸塩を含んでいる銅塩を還元させることによって調合される。例えば、亜硫酸塩を含
んでいる臭化銅(II)の還元によって臭化銅(I)と臭化水素が生まれる。CuBrも
、水に溶けるのは極めてわずかである
塩化銅もCuBr、CuIと同じ結晶構造を共有し、溶解度は62mg/100mLで
ある。塩化水銀(II)と銅金属との反応によって作り出される。
フッ化銅(I)は、錯体形成によって安定化されないと速やかに不均化を起こしてフッ
化銅(II)変わるため、あまり有用なハロゲン化銅粒子源ではない。フッ化銅(II)
は水溶性であるため、Cu2+カチオン源ではなくCu2+カチオン源である。
d.混合金属ハロゲン化物
本発明の他の実施形態は、そのうちの少なくとも一つの元素が微量金属である金属塩の
組み合わせの結果として生まれた混合金属ハロゲン化物を対象とする。このような実施形
態は、銀−銅ハロゲン化物、銀−亜鉛ハロゲン化物、銅−亜鉛ハロゲン化物等を含んでい
る。好ましい実施形態は銀−銅ハロゲン化物を含んでいる。実施形態は、ヨウ素、臭素、
塩素等のハロゲンを含んでいることができる。特に好ましい実施形態はヨウ素である。
硝酸銀、硝酸銅、ヨウ化カリウム、また機能化剤としてポリビニルピロリドン(PVP
)を使用して銀−銅ヨウ化物(Ag1−xCuI)ナノ粒子を合成する一般的な手順が
続く。この方法によって固溶体が得られるはっきり分離したCuIとAgIの相ではなく
、一方の金属が他方の代わりに無作為に置換される:(1−x)AgNO+xCu(N
+KI→Ag1−xCuI。係数xは、銀対銅比率を変えるために変化させた
。PVP濃度はナノ粒子を安定化させることで知られているが、x=0.5(Ag.5
.5I)として変化させた。
銀−銅臭化物ナノ粒子も、銀−銅ヨウ化物と同じ手順に沿って合成されたが、KIの代
わりにKBrが使われている。銀−銅臭化物ナノ粒子も同様に、(1−y):(y)のモ
ル比でKIとKBrを組み合わせて作製された。Ag1−xCuI(x=0.25,0
.50,0.75)の抗菌作用は、P.aureginosaおよびS.aureusの
光学濃度を600nm、3時間後、25℃で測定することで決定された。その結果は、実
験セクションで論じられている図5および図6に示されている。
e.粒子の混合物
他の実施形態において、機能性粒子は、銀または銅等の金属の機能化された無機塩の混
合物または組み合わせを有する。機能性粒子は、他の微量金属のハロゲン化物を有し、場
合によっては銀金属および/またはハロゲン化銅の機能性粒子、銀金属または銅金属と組
み合わさる。もう一つの実施形態では、機能性粒子は、ハロゲン化物以外の銀および銅化
合物を有する。他の実施形態では、これらの組成物、より具体的にはハロゲン化銅、特に
ヨウ化銅を含んでいるものは、他の既知の抗菌剤または抗真菌剤と組み合わされる。また
、異なる粒子径・組成・溶解度の粒子を組み合わせることで、このような粒子が組み込ま
れている生成物の抗菌効果の供給率および寿命も制御される。例えば、粒子径が約300
nmの粒子を30nm未満のものと組み合わせたり、粒子径が300nmを越える粒子を
300nmより小さいものと組み合わせたりすることができる。抗菌効果を目的として銅
またはその他の化合物が使用される応用においては、これらを本発明の物質と組み合わせ
ることができる。亜鉛ピリチオン、酸化第一銅またはチオシアン酸銅が抗菌特性を目的に
使われる船舶用コーティングの場合、同一の組成物(酸化第一銅、チオシアン酸銅等)と
組み合わせることができるが、これらは粒子径が300nmより小さいものおよび/また
は本発明に記載されているような機能性ナノ粒子である。もう一つの具体例として、これ
らの物質は、本発明に記載されているような、ヨウ化銅と組み合わせることができる。
粒子の混合物の実施形態は、(a)無機銅塩粒子と少なくとも一つの第二無機金属化合
物または金属粒子との混合物と、(b)その粒子混合物に接する少なくとも一つの機能化
剤と、を有する抗菌作用を持つ組成物を対象とするもので、その機能化剤は、担体内の粒
子混合物を安定化させて、抗菌的に有効な量のイオンが微生物環境へ放出されるようにす
る。無機銅塩の他の実施形態は、銅のハロゲン化塩を含んでいる。本発明の別の実施形態
では、銀、金、銅、亜鉛、ビスマスおよびこれらの合金から選ばれる第二金属が含まれる
。本発明の他の実施形態は、ハロゲン化金属塩である第二無機金属化合物を含み、そのハ
ロゲン化物はヨウ素、臭素および塩素からなる群より選定される。本発明のまた別の実施
形態は先の組成物を含み、粒子の混合物の平均粒子径は約100nm未満、約30nm未
満または約10nm未満である。本発明の他の実施形態は、粒子の混合物の水溶度が約1
00ppm未満、または約15ppmである場合を含んでいる。本発明の実施形態は、ア
ミノ酸、チオール、親水性ポリマー、および標的特異性リガンドからなる群より選択され
た機能化剤も対象とする。本発明の別の実施形態は先の組成物を対象とし、第二無機金属
化合物は銀を含んでいる。本発明の他の実施形態は先の組成物を対象とし、機能化された
粒子混合物が銅および銀カチオンを微生物環境内へ放出する。本発明の実施形態は、機能
化された粒子混合物が、微生物の成長の抑制または殺菌に十分な量の銅および銀カチオン
をその中で放出する組成物を対象とする。本発明の他の実施形態は、無機銅塩と第二無機
金属化合物粒子が、CuI、CuBr、CuCl、AgI、AgBrおよびAgClから
なる群より選択される組成物を対象としている。
多くの応用にとってコストは重要な問題である。貴金属またはその金属塩を本発明の組
成物へ加えることにより、抗菌性物質の経済的魅力が下がる可能性がある。本発明のハロ
ゲン化銅は様々な微生物に対して高い有効性を示しており、また、同族のハロゲン化銀よ
りも価格が低いため、多くの応用ではハロゲン化銅を銀、金、白金または他の貴金属およ
びその金属塩と混ぜ合わせる必要はない。特殊な応用で必要となる場合、これら貴金属お
よびその金属塩は、非常に低い濃度で利用される。
f.機能化剤
本発明の実施形態は金属塩粒子の「機能化」である。微量金属およびその組成物または
塩の表面を機能化する際、いくつかの化学種が効果的に使われるが、これらは下記分類の
うちの一つまたは複数から選択されることができる。これらの機能化剤は、化学合成の間
、または粒子径の大きい粒子を削ってより細かくする物理的研磨の間の別を問わず、粒子
が形成される際に存在していることが望ましい。機能化される表面積の全体的な変化に比
例して粒子径が小さくなるにつれ、表面機能化剤の量は増加する。金属塩粒子および機能
性物質の任意の相対量比率が使われるが、一般的にはモル比(金属塩:機能化剤)で約1
:0.5から約1:100の範囲で表される。ポリマーの機能化剤の場合、モル濃度は反
復単位に基づいて算出される。
表面機能化によって、粒子の凝集阻止(特に液状生成物における懸濁液の安定性向上等
)、粒子が物体の様々な表面もしくは微生物にも付着することの実現、またマトリクス材
が合成物として他の物質に組み込まれている場合、粒子がマトリクス材へ付着する支援等
、多数の属性のうちの一つまたは複数が付与される。この機能化は、抗菌性粒子をこれら
のマトリクス内へ容易に分散させる助けにもなる(後に物体に成型される熱硬化性または
熱可塑性ポリマーとの混合等)。液体または固体(コーティングを含んでいる)内でよく
分散されている限り、より細かい粒子を利用する利点は、使用濃度が低い場合でも、粒子
間の距離が短いという点にある。これにより、このような抗菌性物質による製品の表面被
覆率が向上し、微生物と接触する表面積が増えるため有効性も増加する。表面の機能化は
、粒子径が数ナノメートルの粒子が微生物体内へ移動する際にも影響を与える。ナノ粒子
の微生物表面への移動を促進することができる機能化剤は、アミノ酸と、アミノ酸、ペプ
チド、ポリペプチドの組み合わせ等がある。これらの種を機能化剤として使用したところ
、微量金属を含んでいるナノ粒子の表面を機能化するためにあるアミノ酸実施形態が使わ
れると抗菌作用が強化されることが明らかになった。他の多くのアミノ酸にも有効性はあ
るが、本ナノ粒子向けアミノ酸機能化剤として特に好まれるアミノ酸として、アスパラギ
ン酸、ロイシン、リシンがある。潜在的に有用なものは、アミノ酸およびそのペプチド、
ジペプチド、トリペプチド、ポリペプチドの組み合わせである。機能化剤の他の実施形態
は、モノサッカリド、ジサッカリドおよび両者の誘導体、グリコールおよびアルコールエ
ステル(ルーブリゾール社(オハイオ州ウィクリフ)のSchercemolTMおよび
HydramolTMエステル等)等の炭水化物を含んでいる。
本発明の他の実施形態は、機能化向けに使われるポリマーを対象とする。機能化は通常
、これらのポリマーが溶液または乳剤の形で存在する液体培地で行われる。ポリビニルピ
ロリドンとその共重合体は、調整された粒子の表面科学を修飾して抗菌作用を付与するた
めの効果的な薬剤となりうる一つの実施形態である。ポリマー表面修飾剤の例として、ポ
リアクリル酸、アクリル(メタクリル酸を含んでいる)基を有する共重合体、ポリエチレ
ンおよびポリプロピレングリコール(ならびに両者の共重合体)、アルコール基を有する
ポリマー、ウレタン、エポキシ、炭水化物ポリマーが挙げられる。分子量は500,00
0ダルトン未満が好ましく、最も好ましいのは25,000ダルトン未満だが、上記の各
ポリマーの分子量は、通常約1,500から2,000,000ダルトンと幅広い。ポリ
マーの可溶性および溶液粘度は平均分子量と相関関係にあり、分子量が高いものは水溶性
が低く、その結果、溶液粘度が高くなる。
機能化剤のもう一つの実施形態には、アミノ酸またはポリビニルピロリドンに加えチオ
ール機能化剤も含まれる。抗菌性ナノ粒子の機能化に有用なチオール修飾剤は、アミノチ
オール、チオグリセロール、チオグリシン、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオクト酸、チオ
シランを含んでいる。チオール修飾剤の組み合わせも、本発明において使用される。粒子
の機能化によって、粒子を実際に応用させるために望まれる属性も追加される。これらの
属性とは、バルク材およびコーティング内等特定のマトリクスに対する粒子の溶着および
/または反応の促進、粒子および微生物間の相互作用をより引力のあるものにすることに
よる、あるいは特定の応用に対して両者を他の物質と結合または組み合わせることによる
抗菌特性の強化である。本抗菌性粒子と組み合わさることのできる他の物質の例は、特定
の微生物または微生物群をターゲットとする抗菌剤、照明下あるいは多湿状態で修飾され
た抗菌作用を提供する物質、または嫌気状態の場合、埋立地での安全な廃棄のため抗菌作
用が低下する物質を含んでいる。多様な高分子マトリクスとの相溶性を向上させる結合剤
およびモノマーの例として、有機シラン(エポキシマトリクスで使用するエポキシシラン
、ウレタンおよびナイロンマトリクスで使用するメルカプトシラン、反応性ポリエステル
およびアクリルポリマーで使用するアクリル、メタクリルおよびビニルシラン)がある。
その他のモノマーは、粒子表面に付着することができ、またこのような修飾された粒子が
取り込まれるマトリクスに反応または結合することもできる物質を含んでいる。のいくつ
かの例としては、ポリオール類、シラン、金属アルコキシド、アクリルポリオール、メタ
クリル酸ポリオール、グリシジルエステル、アクリルおよびメタクリルが挙げられる。
本発明の実施形態では、界面活性剤を活用して表面修飾を行う。界面活性剤という用語
は、非イオン、陽イオン、陰イオン、または両性の界面活性剤を意味し、具体例としてB
rij、Tween、Triton X−100、デシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩
化セチルトリメチルアンモニウムまたは臭化セチルトリメチルアンモニウム等が挙げられ
る(ウィスコンシン州ミルウォーキーのシグマアルドリッチ社からすべて入手可能)。
界面活性剤(乳化剤を含んでいる)を使ってポリマーおよび他の物質の乳剤(ラテック
スを含んでいる)を形成することもでき、このような乳剤は粒子表面を修飾するために使
われる。そのため、ポリマーは疎水性となる。例として、ポリウレタン乳剤、アクリル乳
剤、フルオロシリコーン乳剤、エポキシ乳剤等が挙げられる。
機能化剤のもう一つの実施形態は、リガンド特異的な結合剤である。具体例として、細
菌がFimH受容体を経由して膀胱の上皮細胞に結合する能力を抑制することによって女
性の尿路病原性大腸菌の感染を防ぐ際に、マンノシド化合物が効果的であることが実証さ
れている(Corinne K.Cusumano,et al.,Sci Trans
l Med 3,109ra115(2011)(DOI: 10.1126/scit
ranslmed.3003021 “Treatment and Preventi
on of Urinary Tract Infection with Orall
y Active FimH Inhibitors”)。マンノシド化合物は、Fim
H受容体を結合することによって大腸菌の上皮細胞への結合を阻害することが実証されて
いるため、特に大腸菌をターゲットとするために、このような化合物を使って本発明の粒
子表面を修飾することができる。一つの実施形態において、マンノシド化合物は、本発明
の金属塩ナノ粒子の機能化形成に含まれることがある。もう一つの実施形態において、マ
ンノシド化合物は、尿道カテーテルに使われているコーティング内に含まれ、特に粒子を
ターゲットとする無機銅塩化合物を、特異的なリガンドに基づくアプローチが望まれる大
腸菌または任意の数の他病原体へ局所的に放出することになる。異なる身体部位特有のそ
の他の病原性感染の例は多数あり、粒子および/または本発明の粒子が存在するマトリク
スを修飾するためには、それに適合する化学特性が望まれる。当業者は、様々なリガンド
標的の組み合わせを特定し、本発明の粒子に対するリガンド特異的な標的法であればどれ
でも設計できるようになる。
本発明の他の実施形態は、金属ハロゲン化物ナノ粒子が向かって行く微生物の外部構造
の固有な特性を利用する等の、親和性に基づく標的メカニズムを含んでいる。例えば、グ
ラム陽性菌のペプチドグリカン層は糖類およびペプチドのポリマーで、通常負の電荷を持
つ。PVPまたはPEG等の他のポリマーは、疎水性相互作用に基づいてペプチドグリカ
ンの表面に引き付けられ、そこに到達すると、ゆっくり溶解しながら、安定化された金属
ハロゲン化物粒子に付着しそれを送る。同様に、マンノース結合レクチン(MBL)およ
び/またはリポ多糖類結合タンパク質(LBP)も機能化剤として含まれる。MBLは微
生物表面の炭水化物の配置を認識し、LBPはグラム陰性菌の外膜の大部分を占めるリポ
多糖体と結合する。
g.多孔質粒子
本発明の他の実施形態は、金属ハロゲン化物とそれが注入される多孔質担体粒子、抗菌
的に有効な量のイオンが微生物環境へ放出されるよう金属ハロゲン化物を安定化させる担
体粒子を有する、抗菌作用を持つ組成物を対象とするものである。「多孔質粒子」、「多
孔質担体粒子」、「担体粒子」という用語は、本特許では交互に使われる。一つの実施形
態では、より大きな多孔質担体粒子の多孔性範囲内で抗菌性組成物を形成することができ
る。金属および金属化合物または金属塩、特に金属ハロゲン化物が、注入物質として好ま
れ、例えば、臭化銀あるいは特にヨウ化銅を細孔へ注入することができる。多孔質粒子は
、好ましくは相互に連結した細孔を持つべきである。担体粒子の上限は、100μmより
小さいことが好ましく、20μm未満であることがより好ましく、5μm未満であること
が最も好ましい。他の実施形態では、多孔質粒子の表面(細孔表面を含んでいる)が吸湿
性を持っていること(例えば、シラノールまたは他の水酸基が表面上に豊富にあることが
、吸湿性のある物質につながる)が好ましい。利用可能な担体粒子の種類で好ましいのは
、「細孔の広い(wide pore)」シリカである。担体粒子は、球状、不規則なも
の、角のあるもの、円筒状等どのような形でもよい。例えば、シリサイクル社(カナダ、
ケベック)のSILIASPHERETMシリカが使われている。シリカは、細孔径(平
均細孔径とも呼ばれる)が2〜100nmであり、4〜20nmであることが好ましい。
細孔内に抗菌性組成物を有する多孔質担体粒子は、バルク生成物、コーティング、クリー
ム、ゲル、溶液に組み込まれて抗菌特性を付与する。これらは充填剤としてポリマーに加
えられ、その後成型、押出によってバルク生成物の形となる。
ゼオライトは、アルミノケイ酸塩の結晶構造の一部として形成された、細孔径(または
平均チャネル径)が通常1nm未満の分子チャネルを持つため、これらの多孔物質には入
らない。ゼオライト内の細孔径は、一般的に単一イオンと非常に小さい分子のみ通ること
ができる大きさで、抗菌性物質の個別ナノ粒子の形成には適応できない。より大きな分子
(ポリマー等)と溶液は、本発明の多孔物質の細孔内へ入り込んで通り抜けることができ
、また細孔の形状および/または細孔径は不規則である。
本発明の過程の実施形態において、多孔質担体粒子への銀金属の注入は、通常、下記手
順で説明するように銀塩(中に溶けている表面修飾剤(使われている場合)を有する硝酸
銀等)を水に溶かした水溶液から始めることによって行われる。多孔質粒子がこの溶液に
加えられ、その溶液が細孔へ注入されることになる。それから多孔質担体粒子が除去され
、任意選択で乾燥させる。そしてこれらの粒子は、銀金属を細孔内、また多孔質担体粒子
の表面にも沈殿させる還元剤(例:0.25%w/wNaBH)の水溶液に加えられる
。もう一つの過程の実施形態では、金属ハロゲン化物が細孔内で形成される。そこで多孔
質担体粒子は銅塩または銀塩水溶液(もしくは前駆体溶液)で処理され、その後、必要と
されるハロゲン化物イオンの食塩水にさらされる。堆積物の表面機能化が求められる場合
、これらの食塩水は表面機能化剤を有することができる。もしくは、触媒または反応性溶
液による処理で望ましいハロゲン化物または金属に変化する前に、表面機能化剤溶液で順
に処理される。これらはその後、より多くの標的となる金属または(ヨウ化銅のような)
金属化合物を細孔内に沈殿させるために、もしくは第二化合物もしくは金属を細孔内に沈
殿させるために、一連の同様の処理をもう一度受けることもある(例えば、以前にCuI
を堆積させるために処理された細孔内にAgBrを堆積させる)。金属または金属化合物
の異なる組成物を有する異なる種類の多孔質粒子を混ぜ合わせることもできる。特に有用
性が高いのは、CuIを有する多孔質粒子と、Ag金属またはAgBrのようにかなりの
割合の粒子がCuIを含み、残りの部分が他の抗菌種を有する多孔質粒子である。
溶媒の選定は、無機金属化合物送達のための多孔質担体粒子の利用において基本的な役
割を果たす。この過程で重要なのは、溶液が容易に多孔質粒子の細孔内へ染み込むように
することであるため、細孔表面は、溶液形成に使われる溶媒と相溶性があることが必要と
なる。一つの実施形態において、細孔表面が親水性を持つ場合、水、エタノール、メタノ
ール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の誘電率の高い溶媒は、毛細管力によっ
て細孔内へ容易に入り込む。イオン放出率は、多孔質粒子の大きさ、形、細孔の幾何形状
(細孔径を含んでいる)を変化させることで調整できる。一般的に、粒子径が小さくなる
、粒子量は同じだが粒子が球状ではなく長円または不規則形である、細孔径が大きくなる
といった場合に、イオン放出率が上昇する。大きさが異なる粒子、また細孔径の異なる粒
子を混ぜ合わせて放出特性を調整し、最終生成物における短期間、長期的両方のイオン放
出に適合させることもできる。通常、粒子径は約0.5〜20ミクロンの間で変化し、細
孔径は2nm〜20nmの間で変化するが、4〜15nm間での変化がより好ましい。こ
れらの粒子は表面積も大きく、概して表面積が約20m/gよりも広い粒子が望ましく
、100m/gを越えるものが好ましい。
h.研削による粒子形成
本発明の化合物の粒子は、その他の周知の方法によって形成される。所望の微量粒子お
よびナノ粒子を形成するこのような方法の一つに、湿式培地ミルにおけるより大きな粒子
の研削がある。このような研削は、機能化剤およびみず等の適切な液状培地の存在下で行
われる。湿式培地ミルは、ペンシルバニア州エクストンのNETZSCH Fine P
article Technology,LLC.(Nanomill Zeta(登録
商標)等)、ペンシルバニア州フリートウッドのCustom Milling and
Consulting(Super Mill Plus等)、ニュージャージー州ク
リフトンのGlen Mills Inc(Dyno(登録商標)Mill等)等複数の
企業から入手可能である。通常これらのミルには粉砕室があり、そこで硬質セラミックま
たは金属製のビーズが粉末スラリーとともに激しく攪拌され、粉末がさらに細かく粉砕さ
れる。一般的にビーズの大きさは、粒子が粉砕される最も小さい平均径の約1000倍で
ある。大まかな手順としてはまず大き目のビーズが使われ、粒子が粉砕されるにつれ、よ
り細かいビーズが後の段階で使われる。例えば、約1〜10ミクロンの粒子を研削し始め
る際には0.3mmのビーズが使われ、その結果粒子の大きさは約100〜400nmと
なる。次の段階では直径0.1mmのビーズが使われて粒子は約30〜100nmの大き
さに研削され、その次には直径0.05mmのビーズで粒子は約15〜50nmの大きさ
になる。組み込み先の生成物に抗菌性を付与する粒子であればどの大きさのものでも使う
ことができるが、粒子径が約300nm未満のものが好ましい。研削された粒子を有する
液状培地は、直接生成物へ組み込まれる(コーティング製剤、クリーム内等)か、または
(ロータリーエバポレータ内で、もしくは噴霧乾燥等により)乾燥させて粒子と機能化剤
を粉末/フレーク等として取り出す。これらの粉末もしくはフレークの粒子径は、作業者
の起こりうる健康問題を最小限に抑えるため大きめ(数ミクロン〜数ミリメートル)であ
ることが望ましく、その後これらは他のポリマーとの溶解混合等の製剤に組み込まれ、成
形、押出、粉体塗装等により生成物が形成される。
i. 製造方法による製品
本特許に記載されている本発明の別の実施形態は、CuI粉末を取得し、そのCuI粉
末を極性非水溶媒で溶解し、前記CuIを極性非水溶媒内で安定化させるに十分な量の親
水性ポリマーを加え、ポリマーによって複合化されたCuI粒子粉末が形成されるよう、
前記の安定化したCuI粒子を乾燥させられるまで溶媒を除去し、ポリマーによって複合
化されたCuI粒子粉末を約1〜約6pHの水溶液に分散させて水中で安定化するCuI
粒子を形成し(whereby a polymer−complexed CuIpa
rticle)、任意選択で、水を除去できるまで前記の安定化されたCuI粒子を乾燥
させるというステップを含んでいるプロセスに従って生まれる、抗菌作用を持つ組成物で
ある。プロセスはシンプルで効率的かつ極めて定量的である。
CuI粉末の購入先の選定が最初のステップである。CuI粉末は一般的に、Wako
Chemicals、Sigma Aldrich、VWR Scientific等
多数存在するベンダーのどこからでも購入される。好ましいブランドおよび純度はSig
ma Aldrich社の少なくとも純度98%のCuIだが、どのグレードでも許容さ
れる。CuIの溶解が次のステップである。CuI粉末はアセトニトリル等の極性非水溶
媒で溶解したが、当業者は他の非水溶媒もこのために機能し、本発明の範囲に包含される
ことを実現させるだろう。CuIはアセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の非水液体
に溶ける。極性プロトン性溶媒を使わないことが好ましい。次のステップは、溶解したC
uI溶液にポリマーを加えることである。ポリマーの機能は、CuIと錯体形成を行い、
アセトニトリルが除去される際に沈殿しているCuI粒子が相対的に大きな結晶を形成し
ないようにすることである。好ましいポリマーはポリビニルピロリドンで、双極子を持つ
部分を有する。PVPは効果的に乳剤、懸濁液、分散系を安定化させる。このポリマーは
、個々のコロイド粒子表面上の薄い分子層に吸着されるが、これは粒子間の接触を防ぐこ
とで連続層を形成するという粒子の傾向を打開するためである。双極子を持つ部分を有す
る他のポリマーには、ポリエチレングリコール(PEG)、界面活性剤、高分子コロイド
等がある。ポリマーは、PVP、ポリアクリルアミドおよびPEG、酢酸ビニルおよびビ
ニルピロリドンの共重合体のように親水性であったり、いくつかのアクリル、メタクリル
、ポリエステルおよびポリウレタンのように疎水性であったりする。好まれる親水性ポリ
マーは、アクリル、ウレタン、ポリエステルおよびエポキシを含んでいる。金属ハロゲン
化物対ポリマーの比率は、約1:0.5〜1:100が好ましく、1:1〜1:80がよ
り好ましく、PVPの場合の比率は約1:1〜1:65であることが最も好ましい。
その次のステップは、安定化剤の存在下でのCuIナノ粒子の形成である。一つの実施
形態において、アセトニトリルはロータリーエバポレータを使って取り除かれ、それによ
りCuI粒子が溶液から分離して沈殿し、ナノ粒子として機能化剤へ錯化される。これは
常温で行われたり、乾燥過程を早めるために温度が上げられたりする。結果として形成さ
れる粉末は、永久的に保管される(「ステップ1粉末」)。
任意選択のステップには、機能化剤に対する粒子の比率を上げることが含まれている。
CuIナノ粒子と表面改質ポリマーを有する乾燥したステップ1粉末が水に溶けてナノ粒
子の懸濁液となる。この懸濁液内のCuI濃度は、粉末と水の比率を変えることにより調
整される。この段階での溶液のpH調節は、ポリマーとナノ粒子との結合をさらに促進す
ること、また形成される凝集体をどれでも壊すことに役立つ。pHの範囲は、約pH0.
5〜pH6であることが好ましい。特定のpH値は、表面機能化剤の種類、望ましい粒子
径、機能化剤に対する金属塩の投入量および後にそれが分散される培地によって変わる。
pHの調整に有用な酸には、酢酸等の有機酸、またはHCl、HSOそしてHNO
等の鉱酸が含まれる。溶液は、光学的透明度が安定するまで攪拌される。結果として形成
されるCuI粒子の一般的な粒子径は、約4nm〜約300nmの範囲である。透明な水
溶液の場合、CuI粒子径は約10nmよりも小さく、粒子径が大きくなるにつれ水溶液
は半透明から不透明に変わる。この溶液を乾燥させて粉末として保管し(「ステップ2粉
末」)、後に溶液内に分散させることもある。ステップ2粉末のCuI粒子径の平均は、
通常ステップ1粉末のCuI粒子径よりも小さい。
この粉末(ステップ1であれ2であれ)は、上述のPVP以外のポリマーから作られる
こともある。このような粉末は、ナイロン、ポリエステル、アセタール、繊維素エステル
、ポリカーボネート、フッ素化ポリマー、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(A
BS)ポリマー、ポリオレフィン等の熱可塑性物質と融解状態で2軸スクリュー押出機を
使って混ぜ合わせられる。このようなナノ粒子をナイロン、ポリカーボネート、ポリエス
テルマトリクス等に組み込ませる物質としてはPEGが好ましいが、これはエステル交換
によって、PEGがこれらの物質と反応し、ポリマーマトリクスと共有結合を形成するた
めである。2軸スクリュー押出機の高いせん断力も、凝集された粒子の分散を助ける。こ
れは2つのステップで行われることが好ましい。最初のステップでは、高濃度の抗菌性ポ
リマー物質が、相対的に高濃度、通常重量比で1〜10%の本発明の金属ハロゲン化物粒
子を使って作られる。これは一般的に、均一な混合を行う2軸スクリュー型装置によって
混ぜ合わせられ、「マスターバッチ」と呼ばれる。このマスターバッチはその後樹脂と混
ぜられて抗菌性物質の濃度が約5から25倍の間で低下し、そしてこれらの混合物を成型
、押出することでポリマー製品が作られるが、この最終製品の抗菌性物質の濃度は一般的
に2%未満、好ましくは1%未満である。マスターバッチは、射出成型機や押出機等、最
終製品を製造する加工設備で純樹脂と混ぜ合わせられる。
j.理論
本発明の新規組成物の驚くべき抗菌効果の由来に関して、特定の理論に縛られたくはな
いが、現在、本発明の組成物(またはそこから放出されるイオン)は標的病原体の表面に
引き付けられると考えられている。病原体表面に付着すると、活性微量種(一般的には金
属カチオン等のイオンだが、ヨウ素等のアニオンも含まれる)が粒子から病原体表面およ
び/または内部へ移される。いくつかの実施形態においては、機能性粒子と病原体との相
互作用が十分に強力で、粒子が病原体の外膜に埋め込まれる。これにより膜機能に有害な
効果が引き起こされるが、これはある輸送タンパク質がカチオンによって不活性化される
ことがあるためである。他の実施形態においては、特に粒子が非常に小さい(粒子径が1
0nm未満)場合、機能性粒子は病原体の外膜を横切って輸送され吸収される。このよう
な条件化で、微量種は粒子から病原体内部へ直接運び込まれて細胞小器官、RNA、DN
A等と結合し、それによって通常の細胞過程を妨げる。細菌の場合、これは細菌のペリプ
ラズムまたは細胞質における活性微量種の直接沈着となる。本発明の作動機構理論はこの
ようなもので、根本的な有効性を説明する多くの理論のひとつである。
4.組成物の使用
本発明の実施形態は、幅広い抗菌性用途において有用性がある。これらの用途の一部を
下記第1表に示す。抗菌性化合物としての直接の使用の他に、他の実施形態では、機能性
粒子が他の物質に組み込まれて新規のかつ有用な物質を得る方法が含まれている。
a.組み込みの手法
本発明の実施形態は、(a)平均粒子径が1000nm〜4nmの安定化されたヨウ化
銅ナノ粒子を形成する、(b)この安定化されたヨウ化銅ナノ粒子を懸濁培地内で分散さ
せる、(c)一定量の分散されたヨウ化銅ナノ粒子を前駆体へ加える、(d)その前駆体
の少なくとも一部から製品を形成し、それによって製品全体にヨウ化銅ナノ粒子を分散さ
せる、というステップを含んでいるプロセスに沿って形成される抗菌作用を有する組成物
を対象とする。この前駆体は、ポリマー物質を含んでいることもある。他の実施形態にお
いて、成型、押出をされた熱可塑性製品への本発明のナノ粒子の組み込みは、通常マスタ
ーバッチを初めて作成することによって実現され、抗菌性化合物(粒子としてまたは多孔
質マトリクスに注入されて)は、ポリマーマトリクス内に比較的高い濃度で存在する(金
属重量の1〜10%が好ましい)。このマスターバッチはその後ポリマー(樹脂)と混ぜ
られ、成型、押出をされた製品となる。これは一般的に、樹脂と相溶性のあるポリマーに
よって機能化される望ましい粒子を最初に形成することによって行われる。これらの機能
性粒子は、水または他の任意の使用溶媒を除去し、また通常ミルあるいは2軸押出機で望
ましい樹脂としっかり混ぜ合わせて高濃度の抗菌性化合物が得られるようにすることによ
って、乾燥状態で形成される。これが「マスターバッチ」と呼ばれている。このマスター
バッチは、一般的に、前記の2つを均質に混ぜ合わせることを専門とし、粉末またはペレ
ット状の製品を提供する企業によって生産される。これらのマスターバッチは、その後樹
脂の添加剤として、成型および/または押出作業によってこれらの製品を製造する加工業
者に使用される。このようなプラスチック加工作業は、射出成型、射出ブロー成型、RI
M成型、インフレーションフィルム成型、ブロー成型、回転成型、艶出し、溶解鋳造、熱
成型、回転成型およびマルチショット成型等を含んでいる。加工業者は通常、マスターバ
ッチ1に対し樹脂は10という割合で、上記で挙げられたようなマスターバッチの抗菌性
濃度からスタートし、約0.1〜1%(金属濃度ベース)の抗菌性濃度の最終製品を提供
することになる。ナノサイズの抗菌性物質を後工程(マスターバッチメーカーの施設等)
に組み込まれるようにする際には、もう一つの重要な側面検討すべきである。抗菌性物質
生産施設、または他の後工程加工業者の作業員の健康と安全を守るため、ナノ粒子の空中
飛散は最小限に抑えられるべきである。広く採用されている一つの方法に、乾燥粉末(ポ
リマーで機能化されたナノ粒子表面)の粒子径を、ナノ粒子自体よりも比較的大きくする
(数ミクロン対数ミリメートル)というものがある。そうすることで、後工程作業者が塗
料、樹脂、その他液状担体内でこれらの乾燥粉末を使用して物体にコーティングを行い機
能性ナノ粒子を組み込む際の、乾燥粉末の取り扱いと輸送が容易になる。
本発明の抗菌性組成物は、成型、押出をされたポリマー製品へ均質に加えられるか、成
形、押出作業を用いるコーティングまたはレイヤーとしてこれらの物体に加えられる。後
者の場合、共押出、インモールド装飾、インモールドコーティング、マルチショット成型
等の作業が、その結果として製品の表面を形成する樹脂/物質に抗菌性添加剤が存在する
場合のみ利用される。
本発明の機能性粒子およびナノ粒子も、モノマー組成物または形成前ポリマー溶液と組
み合わせることによって使われる。そこで平面および立体の物体、接着剤、コーティング
を生成するために、結果として生成される、機能性粒子を有する物質が使われることがあ
り、またそこで組成物が最終形に加工/設定された後、高分子化、クロスリンクまたは濃
縮される。機能性ナノ粒子を持つ溶液および水溶性ポリマー乳剤から、コーティングが沈
殿することもある。その場合、その製剤は一つまたは複数のフィルム生成ポリマーを有す
ることが好ましい。または、後にコーティングへ加工される粉体塗装製剤に粒子が使用さ
れることもある。
これらの粒子がコーティング、成型済み製品、その他立体製品に使用されると光を散乱
させることがあるが、これは粒子の濃度、粒子径、マトリクスに比例する屈折率によって
変化する。このため、製品の厚みの増加、また特に粒子径の増大、粒子濃度の増加、粒子
とマトリクスの屈折率(RI)の差異の拡大が進むと、透明性が損なわれる可能性、ヘイ
ズを引き起こす可能性がある(米国特許出願公開20100291374を参照)。製品
には二酸化チタン等他の乳白剤が含まれているため、多くの応用においてこれは問題には
ならない。他のケース、例えばコンタクトレンズ等視覚関連および眼科での使用の場合、
透明度が重要になるため、いくつかのパラメーターが制御されることを条件にこれらの物
質を任意選択で使用できる。通常、最も一般的なポリマーのマトリクスのRIは、1.4
から1.6である。シリコーンは1.4に近く、アクリルは1.5、ポリカーボネートは
1.6に近くなる。抗菌性添加剤として使われる場合の例としてのヨウ化銅のRIは、2
.35である。高い透明性を保つため(または低ヘイズ、ASTM D1003試験法で
測定されるような可視波長において通常2%未満)、CuIの粒子径は約120nm未満
、容積負荷は2%未満、製品の厚さは0.1mm未満であることが好ましい。CuBrと
CuClはCuIに比べて屈折率が低く、これらの数値はさらに緩和される(すなわち、
粒子径、容積負荷、製品の厚みが大きくても高い透明性が保たれる)。
このような抗菌性組成物から形成される製品の別の実施形態に、医薬品また消費者製品
の両用途で使われる局所用クリームがある。一例として、機能性ナノ粒子がLubriz
ol社のCarbopol(登録商標)ポリマーに添加または組み込まれ、感染症、真菌
、外傷、にきび、火傷等の治療用抗菌クリームとして使われるゲルおよびクリームが作ら
れることがある。治療効果が得られるものであればどのような濃度の機能性ナノ粒子でも
使うことができるが、最終製品内の金属濃度(ナノ粒子由来)は、10〜50,000p
pmが有用である。どの局所用クリームも、本特許で提示された任意の抗菌効果定量法で
試験をすることで正確な濃度が決定されるか、正確な濃度が当業者へ知らされる。
機能性ナノ粒子はワセリンにも組み込まれ、優れた耐水性を発揮する。界面活性剤およ
び相溶剤を追加して、疎水性のワセリンが塗布部分を保護する一方、親水性の可能性のあ
るその下の部分へ抗菌性物質を放出することもできる。本発明の機能性金属ハロゲン化物
粉末を併用した抗菌作用を持つクリームや軟膏の生成方法を、当調剤業者は知ることにな
るだろう。
本発明の抗菌性物質は、感染対策またはそれに関連する用途の抗菌クリームまたは製剤
等、他の製剤の添加剤として使われる。本発明の抗菌性物質は、火傷を受けた組織の修復
を助けながら感染症も防ぐ火傷用クリームに添加されることもある。もしくは、バシトラ
シン、ネオマイシン、ポリミキシン、スルファジアジン銀、硫化セレン、亜鉛ピリチオン
、パラモキシン(paramоxine)等の抗生物質や感染症軽減/予防、鎮痛剤に混
ぜられることもある。上記の組成物の多くは市販されており、本発明の抗菌性物質をこれ
らに添加して、最も効果的な濃度を作り出すこともできる。本特許における本発明の抗菌
性物質を添加する場合、その割合は最終製品の0.001〜5%(有効成分の金属濃度の
重量をベースとする)であることが好ましい。溶液(または懸濁液)が最終製品となる製
剤については、本発明の抗菌性物質は重量で1%を下回ることが望ましい。
表面に薄いコーティングが加わることで、物体全体に潜在的に高価な物質を注入せずと
も表面上に抗菌性質が得られる。本発明の抗菌性添加剤を有する粉体塗料は、金属、セラ
ミック、その他ポリマー(熱可塑性および熱硬化性樹脂)上で形成される。物質の粉体塗
装技術は十分に確立されている(“A Guide to High Performa
nce Powder Coating” by Bob Utec,Society
of Manufacturing Engineers,Dearborn,MI(2
002)を参照)。粉体塗料のマトリクスは、高い耐薬品性が求められる室内用エポキシ
、アクリル、ポリエステルであることが一般的で、これらの中には、優れた紫外線抵抗性
が必要とされる屋外用エポキシ・ポリエステル合成物がある。通常の粉体塗装作業では、
コーティングされる物体は流動床に懸濁されるか静電スプレーを受け、この物体を通り過
ぎる粒子を物体表面に付着させる(表面温度が高いため粒子が接触して溶ける、または静
電的引力で粒子が付着し、後に溶ける)。一般に、粉末は溶解、硬化してコーティングを
形成する。コーティング加工温度は、約80〜200℃の範囲であることが一般的である
。以前は主に金属がポリマー粉末でコーティングされていたが、最近では、熱硬化性樹脂
製の物体のコーティングにはポリウレタン粉末が、熱可塑性の物体のコーティングにはア
クリル粉末(被覆後に紫外線によって硬化するアクリルを含んでいる)が使用されるよう
になってきている。
本発明の抗菌性添加剤は、コーティングに使われる粉末樹脂に添加することができる。
これを行うにはいくつかの方法があり、その一つでは、ナノ粒子を有する溶液で樹脂粉末
が処理され、その後この混合物から溶媒が取り除かれる。これらの溶媒は、粉末の溶媒と
なる場合もならない場合もある。前者の場合、粉末は再度粉砕されることがあり、後者の
場合、抗菌性物質が粉末の周りに被膜を形成する。
もう一つの実施形態では、樹脂粉末と相溶性のある表面改質ポリマーを使った乾燥粉末
として、抗菌性粒子が形成される。抗菌性粒子を持つこの2つのいわゆる粉末と樹脂粉末
とが混ぜ合わせられ(乾式混合)、続いてその混合物が押出機内で溶融混合される。その
後、その押出品は粉砕されて、抗菌性物質を持つコーティング用樹脂粉末となる。
機能性金属ハロゲン化物粒子のもう一つの実施形態は、ポピドンヨード溶液および少な
くとも一種類の無機金属ハロゲン化物塩粒子を有する抗菌性組成物を対象とするもので、
この無機金属ハロゲン化物塩粒子の平均粒子径は約1000nm〜約4nmである。この
ポピドンヨード溶液の他の実施形態では、この少なくとも一種類の無機金属ハロゲン化物
塩粒子が、ハロゲン化銅およびハロゲン化銀を含んでいる群より選択され、さらに別の実
施形態は、ヨウ素、塩素、臭素を含んでいる群より選択されたハロゲン化合物を含んでい
る。本発明のポピドンヨード組成物は、動物および人間の感染部位の治療に使用されるこ
とがある。一例として、PVPおよびヨウ素の局所用水溶液(PVPの重量の約8〜12
%がヨウ素)は、外傷用消毒薬、また手術前の皮膚消毒薬として広く使われている。BE
TADINEOは市販のPVP・ヨウ素液である。ポピドンヨード(PVP−I)は安定
したポリビニルピロリドン(ポピドン、PVP)錯化合物で、元素状ヨウ素である。これ
には、乾燥ベースでの計算で9.0%から12.0%のヨウ素が含まれる。PVP−Iの
生成方法の一部は、US2706701(Beller et al.)、US2739
922(Shelanski)、US2900305(Siggia)およびUS440
2937(Denzinger et al.)に記載されており、これらすべてが参考
文献としてここに含まれている。10%水溶液が、局所消毒液として広く使われている。
本発明の金属および金属ハロゲン化物の機能性粒子をこのようなPVP・ヨウ素液に加え
、消毒能力を著しく高めた新たな消毒液を作ることができる。このようなPVP・ヨウ素
液に添加された金属ハロゲン化物粒子の組成物も、本発明の範囲内である。このような金
属ハロゲン化物で増強されたPVP−I液は、PVP粒子が約88〜99%、ヨウ素粒子
が2〜10%、金属ハロゲン化物粒子が0.005〜10%という重量対重量ベースの割
合で生成されることになる。この重量比率は、水とその他溶媒を除いたこれら3成分に比
例する。
本発明の組成物は、付加的な医薬成分のどの組み合わせも含んでいることができる。こ
のような医薬成分には、抗菌剤、抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤、抗血栓薬、麻酔薬
、抗炎症薬、鎮痛剤、抗癌剤、血管拡張薬、創傷治癒薬、血管形成剤、抗血管新生薬、免
疫強化薬、成長因子、その他生物因子が含まれるが、この限りではない。適切な抗菌剤に
は、クロルヘキシジンおよびクロルヘキシジン塩等のピグアニド化合物;トリクロサン;
ペニシリン;テトラサイクリン;ゲンタマイシン、TobramycinTM等のアミノ
グリコシド抗生物質;ポリミキシン;リファンピシン;バシトラシン;エリスロマイシン
;バンコマイシン;ネオマイシン;クロラムフェニコール;ミコナゾール;オキソリン酸
、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、エノキサシンおよびシプロフロキ
サシン等のキノロン類;サルファ剤;ノンオキシノール−9;フシジン酸;セファロスポ
リン;及びこのような成分および同様の成分の組み合わせが含まれるが、この限りではな
い。抗菌成分が添加されることにより、抗菌作用が強化される。これらの一部は、人間ま
たは動物の全身の治療に使われることもある(経口投与、注射等)。
本発明の他の実施形態は、本発明のナノ粒子組成物で機器表面に接触するという方法を
使い、抗菌性を有するとみなされる医療機器を含んでいる。医療機器は、カテーテル(静
脈、導尿、フォーリーまたは疼痛管理、あるいはこの変形形態)、ステント、腹部プラグ
、綿ガーゼ、繊維状の創傷包帯(アルギン酸塩製のシートおよびロープ、CMCまたはそ
の混合物、架橋または非架橋セルロース)、コラーゲンまたはたんぱく質マトリクス、止
血材、粘着フィルム、コンタクトレンズ、レンズケース、絆創膏、縫合糸、ヘルニアメッ
シュ、メッシュベースの創傷カバー、造瘻およびその他外傷用製品、乳房インプラント、
ヒドロゲル、クリーム、ローション、ゲル(水性または油性)、乳剤、リポソーム、軟膏
、接着剤、シリカまたはチタニアおよび全体がここに参考として含まれる米国特許第4,
906,466号に記載されているような無機多孔性担体、キトサンまたはキチン粉末、
金属ベースの整形外科用インプラント、金属ネジおよび金属板等を含んでいるが、この限
りではない。
本発明が意図するものには織物もあり、この中にはナイロン、アクリル、ウレタン、ポ
リエステル、ポリオレフィン、レーヨン、アセテート等の合成繊維をベースとしたもの、
天然繊維物質(絹、レーヨン、毛、綿、ジュート、麻または竹)、もしくはこれらの繊維
を任意で混ぜたもの等が含まれている。この繊維または糸には、機能化された金属塩ナノ
粒子製剤を浸透させるか、合成繊維の場合は機能性ナノ粒子が、これらの繊維の形成(押
出または回転)に使われる溶解した樹脂/樹脂溶液に組み込まれることもある。代替の実
施形態においては、織物が、本発明の抗菌性組成物でコーティングされて提供される。歯
科用および獣医用製品を含んでいる医療機器、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミド、
アクリレート、セラミック製の非医療機器、医療機器業界で使用され、本発明の液状組成
物を使って機能性ナノ粒子を浸透させたその他熱可塑性物質が本発明に含まれる。液状組
成物から調製される、ポリマー、セラミック、金属等異なる表面に使われる様々なコーテ
ィング組成物も、凝結後に機能性ナノ粒子を浸透させたコーティング組成物同様、本発明
に含まれる。水溶液から沈殿したこのコーティング組成物は、溶剤損失によって固められ
るか、または熱暴露、放射線暴露、あるいはコーティング製剤内での重合(架橋)剤の組
み込みによって硬化する。
本発明の抗菌医療機器および非医療機器は、異なる方法によって本発明の抗菌性のある
機能性金属塩組成物で機器を処理することで形成されている。本発明の開示された方法の
一つに、水性または非水性の担体液で再分散されるかもしれない組成物を乾燥粒子の形で
形成し、ナノ粒子が堆積するようになるまでの時間をかけてその組成物と機器表面を接触
させ、余分な前記組成物を洗い流して機器を乾燥させるというステップがある。開示され
た方法の変更形態は、まず物質の表面を乾燥または硬化させ、その次に表面を洗い流して
余剰分を除去することを伴う。接触方法は、機器を組成物に浸す、組成物を機器にスプレ
ーする、またはポリマー溶液と組成物を混合させたものをコーティングするというもので
ある。
他のケースでは、機能化された抗菌性ナノ粒子、または抗菌成分を有する多孔質粒子が
、エンドユーザによって抗菌性コーティングが形成されるポリマーベースのコーティング
液に組み込まれることがある。例えば本発明の組成物は、殺菌剤として船舶等の表面に塗
布される。もう一つの例として、本発明の組成物はポリウレタンコーティング液に組み込
まれ、エンドユーザによって家具または床材に塗布される。
別の態様において、本発明は、ボートの船体、養殖用ネット、または海洋環境と常に接
触している表面等にファウリングを防止するコーティングを塗布する方法と組成物を提供
する。淡水または海水に長期間浸かっている物質は、微生物や巨視的生物の成長によって
汚染されることが一般的である。これらの生物が蓄積すると見苦しくなり、また多くの場
合において機能を阻害する。徐々に成長していくという自然の過程は、表面のファウリン
グと言われることが多い。この成長を妨げるために表面に塗布される薬剤がいくつか存在
し、本発明の物質と組み合わさることもある。これらの薬剤は、当技術分野では防汚剤と
して知られている。これら薬剤の多くは非常に効果的だが有毒なものもあり、よく製品の
表面から広がって局所環境で蓄積する。一つの実施形態において、本発明は、無機銅塩を
少なくとも一つ持つ粒子を有し、船舶等の表面を処理する組成物を提供する。少なくとも
一つの機能化剤がその粒子に接し、その機能化剤は懸濁溶液内の粒子を安定化させて、繁
殖防止に十分な量のイオンが微生物環境へ放出されるようにする。
これらの例の多くで、本発明の物質は、この特定の応用で使われる他の周知の抗菌性物
質と組み合わせられることがある。
以下は、本特許で検討される本発明の実施形態の例証で、いかなる方法によっても添付
の特許請求が制限される形で適用されるべきではない。
使用化学物質リスト:
1. 硝酸銀>99%,Sigma−Aldrich(Milwaukee,WI)#
S6506,169.87g/mol
2. 臭化銅(I)>98%(Sigma Aldrich #61163)
3. 酢酸銅(II)一水和物≧98%,Sigma−Aldrich #21755
7,199.65g/mol
4. 水素化ホウ素ナトリウム≧98.0%,Sigma−Aldrich #452
882,37.83g/mol
5. 水酸化ナトリウム≧97.0%,Sigma−Aldrich #221465
,40g/mol
6. メルカプトコハク酸(チオリンゴ酸)≧99.0%,Sigma−Aldric
h #88460,150.15g/mol,HOOCCH(SH)CHCOOH
7. N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン(チオグリシン),Sigma−
Aldrich #M6635,163.19g/mol,CHCH(SH)CONH
CHCOOH
8. チオグリセロール95%,TCI America(Portland,OR)
#T0905,108.16g/mol,HSCHCH(OH)CHOH
9. リポ酸≧98.0%(チオクト酸),Sigma−Aldrich #6232
0,206.33g/mol
10. チオ乳酸95%,Sigma−Aldrich T31003,106.14
g/mol,CHCH(SH)COOH
11. (3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン95%(チオシラン),Si
gma−Aldrich #175617,196.34g/mol
12. 2−アミノエタンチオール>95%(アミノチオール),TCI Ameri
ca #77.15g/mol
13. アスパラギン酸≧99%,Sigma−Aldrich #A9006,13
3.10g/mol
14. ロイシン≧99%,Sigma−Aldrich #L7875,131.1
7g/mol,CH3)2CHCHCH(NH)CO
15. リシン>97%,TCI America #L0129,146.19
16. ポリビニルピロリドン Mw=1,300,000(PVP−1300K),
Sigma−Aldrich #437190
17. ポリビニルピロリドン Mw=10,000(PVP−10K),Sigma
−Aldrich #PVP10
18. ポリビニルピロリドン,Luvitec K17(BASF,Germany

19. 酢酸ビニル−ビニルピロリドン共重合体,Luvitec VA64(BAS
F,Germany)
20. ポリエチレングリコール(PEG,MW10,000)(Sigma−Ald
rich 309028)
21. 臭化水素酸48%,Sigma−Aldrich #268003,80.9
1g/mol
22. 塩酸36.5%,EMD Chemicals(Bridgetown,NJ
)#HX0603−75,36.46g/mol
23. ヨウ化ナトリウム≧99.0%,Sigma−Aldrich #S8379
,149.89g/mol
24. 臭化カリウム≧99%,Sigma−Aldrich #22,186−4,
119g/mol
25. 塩化ナトリウム≧99.5%,Fluka(Milwaukee,WI)#7
1379,58.44g/mol
26. 無水アセトニトリル99.8%(Sigma−Aldrich 271004

27. ヨウ化銅98%(粒子径2〜3μm),99.5%(粒子径1〜2μm)an
d 99.999%(粒子径1−2μm)(それぞれSigma Aldrich 20
5540;3140および215554)
28. AgIナノ粒子,25nm(重量で0.7%)PVPマトリクス内(Chem
pilots a/s,Denmark
29. 銅金属,Sigma Aldrich Cat.#326453
5.機能性金属塩ナノ粒子生成プロセス
機能性ナノ粒子の合成に使われるのが以下の方法である。下記の手順は、Proced
ure Set 1とProcedure Set 2の2つのセットに分けられる。最
初のセットは、様々な金属ハロゲン化物と銀金属のナノ粒子を生成する手順を含み、この
結果形成される抗菌性が表2から表9で検討される。
以下の前駆体溶液が、両セットの粒子合成に使われる:
溶液A: 4%AgNO3溶液: 0.945gの硝酸銀(Sigma−Aldrich
#S6506)が、14.055gの(脱イオン)水に溶解した。(この溶液は、理論
上、重量で4%の金属銀を含んでいる。)
溶液B: 0.7%NaBH4溶液: 0.07gの水素化ホウ素ナトリウム(Aldr
ich #452882)が9.93gの水に溶解した。この溶液は、常に使用直前に新
しく調製された。
溶液C: 10%アスパラギン酸溶液: 0.296gのNaOHペレット(7.4mm
ol)が8.6gの水に溶解し、0.988gのアスパラギン酸(7.4mmol)(S
igma #A9006)が添加された後、透明な液が得られるまで攪拌された。
溶液D: 10%チオグリシン溶液(TGN): 0.0245gのNaOHペレット(
0.613mmol)が0.875gの水に溶解し、0.1gのN−(2−メルカプトプ
ロピオニル)グリシン(0.613mmol)(チオグリシンSigma#M6635)
が添加された後、透明な液が得られるまで攪拌された。
溶液E: 10%チオリンゴ酸(TMAN)溶液: 0.134gのNaOHペレット(
3.35mmol)が2.12gの水に溶解し、0.25gのメルカプトコハク酸(3.
35mmol)(チオリンゴ酸,Aldrich#88460)が添加された後、透明な
液が得られるまで攪拌された。
溶液F: 10%チオクト酸溶液(TOA): 0.0193gのNaOHペレット(0
.483mmol)が0.88gの水に溶解し、0.1gのリポ酸(0.483mmol
)(チオクト酸,Sigma#M6635)が添加された後攪拌された。
溶液G: 銅溶液: 0.0213gのCuBrを0.048gのHBr48%に溶かし
た後16gの水で希釈し、最終的に透明な液になるまで攪拌。
溶液H: 10%PVP−1300Kまたは10K溶液: 1gのポリビニルピロリドン
(mol.wt.)=1,300,000または10,000が9gの水で溶解した。
[PROCEDURE SET 1(例1−20)機能性金属銀ナノ粒子の合成]
例1: Ag/SH=1/0.25およびAg/Aspartic=1/5でのチオリ
ンゴ酸とAg°粒子の合成および機能化
1gの溶液A(0.371mmol)が2.39gの水で希釈された。2.47gの溶
液C(1.855mmol)と3−5分後に0.139gの溶液E(0.0926mmo
l)が、攪拌されながら希釈された溶液へ滴下された。さらに5分攪拌された後、2gの
溶液B(0.37mmol)が攪拌されながら溶液へゆっくりと滴下された。金属銀の算
出を基にした銀の最終濃度は0.5%w/wであった。
例2a: Ag/SH=1/0.25およびAg/Aspartic=1/5でのチオ
グリシンとAg°粒子の合成および機能化
1gの溶液A(0.371mmol)が2.368gの水で希釈された。2.47gの
溶液C(1.855mmol)と3−5分後に0.151gの溶液D(0.0925mm
ol)が、攪拌されながら希釈された溶液へ滴下された。さらに5分攪拌された後、2g
の溶液B(0.37mmol)が攪拌されながら溶液へゆっくりと滴下された。金属銀の
算出を基にした銀の最終濃度は0.5%w/wであった。
例2b: Ag/SH=1/0.25およびAg/Aspartic=1/2でのチオ
グリシンとAg°粒子の合成および機能化
1gの溶液A(0.371mmol)が2.368gの水で希釈された。0.99gの溶
液Cと3−5分後に0.151gの溶液D(0.0925mmol)が、攪拌されながら
希釈された溶液へ滴下された。さらに5分攪拌された後、2gの溶液B(0.37mmo
l)が攪拌されながら溶液へゆっくりと滴下された。金属銀の算出を基にした銀の最終濃
度は0.5%w/wであった。
例3: PVPとAg°粒子の合成および機能化
0.1366gの硝酸銀が9.825gの水で溶解され、2.168gの水溶液H(P
VP MW10,000)が添加された。最後に、調製されたばかりの0.25%w/w
NaBH4液5.202gが硝酸銀溶液へゆっくりと滴下され、銀粒子が得られるまで一
晩攪拌された。金属銀の算出を基にした銀の最終濃度は0.5%w/wであった。
例4: PVP、チオグリシンとAg°粒子の合成および機能化
0.1366gの硝酸銀が8.25gの水で溶解され、2.168gの水溶液H(PV
P MW10,000)が添加された。最後に、調製されたばかりの0.25%w/wN
aBH4液5.202gが硝酸銀溶液へゆっくりと滴下され、銀粒子が得られるまで一晩
攪拌された。金属銀の算出を基にした銀の最終濃度は0.5%w/wであった。このよう
にして生成された銀ゾル3.5gが、2.4gの水と0.146gの溶液Dで希釈され、
この混合物は、PVPおよびチオグリシンの両方で改質された銀粒子が得られるまで2時
間攪拌された。
例5: PVPとAgBrナノ粒子の合成および機能化
0.2079gの硝酸銀が12.785gの水で溶解され、3.30gの水溶液Hが添
加された。最後に、5.20gの水に0.146gの臭化カリウムが入った溶液が攪拌さ
れながら滴下され、粒子が形成されるまで一晩引き続き攪拌された。金属銀の算出を基に
した銀の最終濃度は0.61%w/wであった。
例6: Ag/SH=1/0.25およびAg/Aspartic=1/2でのチオリ
ンゴ酸、アスパラギン酸とAgBrナノ粒子の合成および機能化
1gの溶液A(0.371mmol)が4.176gの水で希釈された。0.99gの
溶液C(0.744mmol)と3−5分後に0.139gの溶液E(0.0925mm
ol)が、攪拌されながら希釈された溶液へ滴下された。さらに5分攪拌された後、0.
047gのHBr48%(0.279mmol)(Aldrich#268003)を2
gの水で希釈した溶液が攪拌されながらゆっくりと滴下された。金属銀の算出を基にした
銀の最終濃度は0.5%w/wであった。
例7: Ag/SH=1/0.25およびAg/Aspartic=1/2でのチオリ
ンゴ酸、アスパラギン酸とAgClナノ粒子の合成および機能化
1gの溶液A(0.371mmol)が3.843gの水で希釈された。0.99gの
溶液C(0.744mmol)と3−5分後に0.139gの溶液E(0.0925mm
ol)が、攪拌されながら希釈された溶液へ滴下された。さらに5分攪拌された後、0.
028gのHCl36.5%(0.280mmol)(EMD Chem.#HX060
3−75)を2gの水で希釈した溶液が攪拌されながらゆっくりと滴下された。金属銀の
算出を基にした銀の最終濃度は0.5%w/wであった。
例8: Ag/SH=1/0.25でのチオグリシンとAglナノ粒子の合成および機
能化
1gの溶液A(0.371mmol)が4.804gの水で希釈された。0.151g
の溶液D(0.0925mmol)が攪拌されながら希釈された溶液へ滴下された。さら
に5分攪拌された後、0.042gのヨウ化ナトリウム(Sigma−Aldrich#
S8379)を2gの水で希釈した溶液が攪拌されながらゆっくりと滴下された。金属銀
の算出を基にした銀の最終濃度は0.5%w/wであった。
例9: Ag/SH=1/0.25およびAg/Aspartic=1/2でのチオグ
リシン、アスパラギン酸とAgBrナノ粒子の合成および機能化
1gの溶液A(0.371mmol)が3.826gの水で希釈された。0.99gの
溶液C(0.744mmol)と3−5分後に0.151gの溶液D(0.0925mm
ol)が、攪拌されながら希釈された溶液へ滴下された。さらに5分攪拌された後、0.
033gの臭化カリウム(0.277mmol)(Aldrich#22,186−4)
を2gの水で希釈した溶液が攪拌されながらゆっくりと滴下された。金属銀の算出を基に
した銀の最終濃度は0.5%w/w、粒子径は約25nmである。
例10: Ag/SH=1/0.5およびAg/Aspartic=1/2での5mo
l−%CuBr、チオグリシンとAgBrナノ粒子の合成および機能化
溶液Cの量が2.47g(1.855mol)であったこと以外は、例9と同様の手順
。この場合の粒子径は10〜15nmだった。
例11: Ag/SH=1/0.5およびAg/Aspartic=1/2での5mo
l−%CuBr、チオグリシンとAgIナノ粒子の合成および機能化
1gの溶液A(0.371mmol)が1.675gの水で希釈された。0.99gの
溶液C(0.744mmol)と3−5分後に0.151gの溶液D(0.0925mm
ol)が、攪拌されながら希釈された溶液へ滴下された。さらに5分攪拌された後、2.
010gの溶液G(HBrからの0.0356mmol臭化物)が攪拌されながらゆっく
りと滴下された。最後の段階では、2gの水で希釈された0.0225gのヨウ化ナトリ
ウム(0.15mmol)が添加された。金属銀の算出を基にした銀の最終濃度は0.5
%w/wであった。
例12: Ag/SH=1/0.10およびAg/PVP=1/2.5w/wでのチオ
グリセロールとAgBrまたはAgClナノ粒子の合成
AgBrナノ粒子の調製のため、1gの溶液A(0.371mmol)が3.88gの
水で希釈された。1gの溶液H(PVP−1300K)と2−3分後に0.080gの5
%w/wチオグリセロール水溶液(0.037mmol)(TCI America #
T0905)が、攪拌されながら希釈された溶液へ滴下された。2−3分後、2gの水で
希釈した0.0397gの臭化カリウム(0.334mmol)(Aldrich#22
,186−4AgCl用)溶液が攪拌されながらゆっくりと滴下された。金属銀の算出を
基にした銀の最終濃度は0.5%w/wであった。
AgClナノ粒子の調製のために同様の手順が取られたが、3.88gではなく3.9
0gの水が、0.0397gの臭化カリウムの代わりに0.0195gの塩化ナトリウム
(Fluka#71379)が使用された。
例13: Ag/SH=1/0.5およびAg/PVP=1/2.5w/wでのチオグ
リシンとAgBrまたはAgClナノ粒子の合成
a.臭化銀ナノ粒子の生成: 3.30gの溶液Aが12.056gの水で希釈された
。3.30g10%PVP−10K溶液、0.1426gの臭化カリウムが入った溶液、
5.2gの水がそれぞれゆっくりと滴下され、ナノ粒子懸濁液が一晩攪拌された。
b.表面改質: 0.204gの水と0.146g10%チオグリシン溶液が、上記の
合成ハロゲン化銀ナノ粒子3.5gへ滴下され、少なくとも6時間攪拌された。金属銀の
算出を基にした銀の最終濃度は0.5%w/wであった。
AgClナノ粒子の調製のために上記と同様の手順が取られたが、12.056gでは
なく12.128gの水が、0.1426gの臭化カリウムの代わりに0.0715gの
塩化ナトリウムが使用された。
例14: Ag/SH=1/0.5およびAg/PVP=1/2.5w/wでの5mo
l−%CuBrおよびチオグリシンとAgBrナノ粒子の合成
a.臭化銀ナノ粒子の生成: 3.30gの溶液A(1.224mmol)が10.5
85gの水で希釈された。3.30g10%PVP−10K溶液と6.815gの銅溶液
(HBrからの1.224mmol臭化物)は、0.0213gのCuBrを0.50g
HBr48%で溶解して16gの水で希釈し、最後に透明なナノ粒子懸濁液が得られるま
で攪拌されて生成され、このナノ粒子懸濁液は一晩攪拌された。
b.表面改質: 0.204gの水と0.146gの溶液Dが、上記の合成臭化銀ナノ
粒子懸濁液3.5gへ滴下され、少なくとも6時間攪拌された。金属銀の算出を基にした
銀の最終濃度は0.5%w/wであった。
例15: Ag/SH=1/0.5およびAg/PVP=1/2.5w/wでの5mo
l−%CuBrおよびチオグリシンとAgIナノ粒子の合成
a.ヨウ化銀ナノ粒子の生成: 1.65gの溶液A(0.612mmol)が4.4
52gの水で希釈された。1.65gの溶液H(PVP−10K)と1.674gの銅溶
液(HBrからの0.118mmol臭化物)は、0.0213gのCuBrを0.09
6gHBr48%で溶解して8gの水で希釈し、最後に透明なナノ粒子懸濁液が得られる
まで攪拌されて生成された。最後の段階では、2gの水で溶解された0.074gのヨウ
化ナトリウム(0.494mmol)が添加され、一晩攪拌された。
b.表面改質: 0.204gの水と0.146gの溶液Dが、上記の合成ヨウ化銀ナ
ノ粒子懸濁液3.5gへ滴下され、少なくとも6時間攪拌された。金属銀の算出を基にし
た銀の最終濃度は0.5%w/wであった。
例16: Ag/SH=1/0.5およびAg/PVP=1/2.5w/wでの5mo
l−%CuBr、チオグリシンとAglの合成;自由銀イオン過剰
a.ヨウ化銀ナノ粒子の生成: 1.65gの溶液A(0.612mmol)が4.4
52gの水で希釈された。1.65gの溶液H(PVP−10K)と1.674gの銅溶
液(HBrからの0.118mmol臭化物)がそれぞれゆっくりと滴下されたが、これ
らは0.096gHBr48%に0.0213gのCuBrを溶解して8gの水で希釈し
、透明なゾルができるまで攪拌されることで生成されたものである。最終段階で、2.0
5gの水に溶解した0.023gのヨウ化ナトリウム(0.151mmol)が添加され
、一晩攪拌された。ヨウ化ナトリウムに対する硝酸銀のモル比は、銀の56%が自由イオ
ンとして利用できるというものである。
b.表面改質: 0.204gの水と0.146gの溶液Dが、上記の合成硝酸銀ゾル
3.5gに滴下され、その後少なくとも6時間攪拌された。金属銀の算出を基にした銀の
最終濃度は0.5%w/wであった。
例17: Cu/PVP=1/3.3w/wでのPVPとCuIナノ粒子の合成
2.232gの溶液H(PVP−10K)が、6.227gの水に溶解した0.211
gの酢酸銅(II)一水和物(1.057mmol)溶液に、攪拌されながら添加された
。その後、5gの水に溶解した0.3168gのヨウ化ナトリウム(2.114mmol
)が銅溶液にゆっくりと滴下され、一晩攪拌された。翌日このCuI懸濁液は洗浄された
が、これはジエチルエーテルで2.5−3mlを7−10回抽出することによって、形成
されたヨウ素を除去するためである。残りのエーテルは真空下での蒸発によって溶液から
分離された後、過程で失われた重量を補うために水が添加された。金属銅の算出を基にし
た銅の最終濃度は0.48%w/wであった。反応: Cu2+→2I→CuI→C
uI(s)+I
例18: Cu++を過剰に持つCuI粒子
1.86gの溶液H(PVP−10K)が、6.448gの水に溶解した0.176g
の酢酸銅(II)一水和物(1.057mmol)溶液に、攪拌されながら添加された。
その後、3gの水に溶解した0.132gのヨウ化ナトリウム(2.114mmol)が
銅溶液にゆっくりと滴下され、一晩攪拌された。この過程の残りは例18にあるものと同
じで、懸濁液の銅の最終濃度は0.48%w/wであった。
例19: 5mol−%CuIとハロゲン化銀ナノ粒子の合成
0.236gの水とメソッド17で調製されたようなCuI0.114gが、例13に
ある手順で生成されたハロゲン化銀ナノ粒子溶液3.5gにそれぞれ攪拌されながら滴下
された。金属銀の算出を基にした銀の最終濃度は0.5%w/wであった。
例20: Ag/SH=0.5での5mol−%CuI、チオグリシンとハロゲン化銀
ナノ粒子の合成
0.09gの水、メソッド17のCuI0.114g、0.146gの溶液Dが、例1
3にある手順で生成されたハロゲン化銀ナノ粒子溶液3.5gにそれぞれ攪拌されながら
滴下された。金属銀の算出を基にした銀の最終濃度は0.5%w/wであった。
[PROCEDURE SET 2](例21−42b)
例21: ポリビニルピロリドンで機能化された銀ナノ粒子の合成
周辺の光が遮蔽された攪拌子付き反応フラスコへ、0.1366gの硝酸銀と6.7g
の脱イオン水(DI water)が添加され、攪拌されて透明溶液を得た。この溶液に
2.168gの40%w/wPVP(Aldrich,Mol wt 10k)が添加さ
れた。素早く攪拌されながら、水素化ホウ素ナトリウムの0.25%w/w溶液5.20
2gが滴下されると、非常に濃い灰色の溶液が得られた。最終分散系での銀の重量%は0
.61%w/wで、データを体積分率へ変換した後に動的光拡散で測定された粒子径は1
0〜40nmだった。
例22: ポリビニルピロリドンで機能化された臭化銀ナノ粒子の合成
周辺の光が遮蔽され、0℃の氷浴に置かれた攪拌子付き反応フラスコへ、0.2gの硝
酸銀と51gの脱イオン水(DI water)が添加され、完全な溶液にするため5分
攪拌された。これに3.34mlの10wt%PVP(Aldrich,Mol wt
10k)水溶液が添加され、10分攪拌された。氷浴に置かれた別の攪拌子付き反応槽へ
、0.157gの臭化カリウムと21.4gの脱イオン水が添加され、完全な溶液にする
ため10分攪拌された。この溶液は滴下漏斗へ移され、攪拌された硝酸銀/PVP溶液へ
0℃で滴下された(滴下速度0.436ml/分)。この過程の間、臭化銀溶液は周辺の
光から遮断されていた。この混合物は0℃で一晩攪拌され、半透明の淡褐色となった。最
終混合物における銀の重量%は0.17%で、平均粒子径は4nmだった(動的光拡散に
よる体積分率分布をベースとする)。
例23: PVPで機能化されたヨウ化銅ナノ粒子の合成
100mlの丸底フラスコへ、0.380gのヨウ化銅粉末(Aldrich,98%
)と60mlsの無水アセトニトリル51gが添加された。フラスコに栓をして10分間
超音波処理をし、黄色の透明な溶液を得た。この溶液に1.956gのPVP(Aldr
ich,Mol.wt.10K)が添加され、10分超音波処理されて淡い緑色の溶液が
形成された。この溶液はロータリーエバポレータに移され、30℃で約30分、その後温
度を60℃に上げて15分間真空下でアセトニトリルが除去された。これにより明るい緑
色の固体が得られた(粗い粒子のポリマー粉末で、粉砕してどんな大きさの粉末にもでき
るが、ナノサイズよりもはるかに大きいことが望ましい)。この固体は安定していて、水
で再分散させてナノ粒子を生成することもできる。このCuI/PVP固形物の入ったフ
ラスコに、攪拌子と100mlの脱イオン水が添加され、乳白色の不透明な混合物が形成
された。この混合物は周辺の光から遮断され、25℃で3日間攪拌された。これにより、
半透明で淡いピンク色の安定した分散系が生成された。この分散系における銅の重量%は
0.13%で、平均粒子径は4nmだった(動的光拡散による体積分率分布をベースとす
る)。
例24: pH調整剤とCuI−PEG分散系の合成
硝酸をpH調整剤として使い、水中で調製されたポリエチレングリコール(PEG)で
改質されたCuI表面分散系。攪拌子付き反応フラスコへ、4.5gのPEG(MW=1
0,000)、0.0476gのCuI(99.999%)、50mlのアセトニトリル
が添加された。この混合物は室温で約30分攪拌され、薄緑色の溶液を得た。反応フラス
コがロータリーエバポレータに置かれ、ペースト状になるまで25℃で溶媒が除去された
。その後温度を45℃に上げてアセトニトリルを完全に除去すると、黄色の粉末が得られ
た。この粉末は50mlのDI水で分散され、0.05ml(0.07g)の濃硝酸が添
加されて黄色がかった白色の混合物が生成された。暗闇で一晩攪拌されるとこの分散系は
透明になり、淡い黄色の分散系が得られた。
例25: Ag:Cu 1:10のモル比でのAgBr:CuI/PVP分散系の
合成
a.以下のような銅元素およびヨウ素元素の直接反応によって、ヨウ化銅分散系が調製
された: 8.75gのポリビニルピロリドンPVP(10,000MW,Sigma
Aldrich Cat.#PVP10)、50mlのDI水(18Mohm−cm)、
0.125gのCu金属(Sigma Aldrich Cat.#326453)が反
応フラスコへ添加された。この混合物は攪拌され、氷浴で0℃まで冷却された。
ヨウ素0.25g(≧99.8%Sigma Aldrich Cat.#20,77
7−2)とトルエン8ml(99.8%Sigma Aldrich Cat.#244
511)が反応槽に添加され、もう一つの溶液が調製された。
このヨウ素/トルエン混合物は、1ml/分の速度でゆっくりと0℃の銅分散系に添加
され、0℃で30分攪拌された後、さらに攪拌されながら室温まで温められた。この溶液
は、透明なトルエン相とCuI分散系の濃いオレンジ色の水相を得るため分液漏斗に移さ
れた。水相(CuI)はトルエン相から分離され、光の当たらない場所に保管された。
b.例27で調製された1.5gのAgBr分散系と上記のCuI水性分散系14.8
905gを混合して、モル比が1:10のAgとCuが調製された。これにより、透
明な黄色/茶色の分散系が得られた。
例26: Ag/PVP分散系の調製
コンデンサー付き丸底フラスコへ、50mlのDI水(18Mohm−cm)と20g
のPVP(10,000MW,Sigma Aldrich Cat.#PVP10)が
添加された。この混合物は室温で攪拌され、透明な黄色の溶液となった。この溶液に0.
04926gの硝酸銀(≧99.0%ACS試液Sigma Aldrich Cat.
#209139)が添加され、攪拌されながら7時間、70℃まで温められた。この間に
反応が起こり、425nmでのプラズモンピークの形成に伴ってPVP吸収が起こったが
、これはPVPによって銀金属に対する硝酸銀が減少したためである。Agナノ粒子の最
終分散系はオレンジ/茶色で透明だった。この分散系の希釈試料に関する動的光拡散では
、平均粒子径は7nmだった。
例27: AgBr/PVP分散系の合成
20gのPVP(10,000MW,Sigma Aldrich Cat.#PVP
10)を40mlのDI水(18Mohm−cm)に溶解させて、臭化銀分散系が調製さ
れた。攪拌しながらこの溶液に0.0492gの硝酸銀(≧99.0%ACS試液Sig
ma Aldrich Cat.#209139)が添加され、透明の黄色い溶液が生成
された。別の反応槽では、0.0357gの臭化カリウム(無水粉末99.95%Sig
ma Aldrich Cat.#451010)を10mlのDI水(18Mohm−
cm)に溶解させて、還元溶液が調製された。このKBr溶液がAgNO/PVP溶液
に滴下され、黄色/オレンジ色の透明なAgBr分散系が形成された。この分散系の希釈
試料に関する動的光拡散では、平均粒子径は4nmだった。
例28: CuI/PVP分散液の合成
50mlの無水アセトニトリル(99.8%Sigma Aldrich Cat.#
271004)の入った反応フラスコに10gのPVP(10,000MW,Sigma
Aldrich Cat.#PVP10)を入れ、攪拌し、淡黄色の溶液を得た。この
溶液に0.0476gのCuI(98.0%Sigma Aldrich Cat.#2
05540)を添加し、30分攪拌して淡緑色の溶液を得た。次に、30℃で減圧下で大
部分のアセトニトリルを除去し、粘着性のペーストを得た。その後、温度を60℃に上げ
、溶媒を完全に除去し、淡緑色の固体を得た。これに50mlのDI水(18Mohm−
cm)を添加し、攪拌し、透明で鮮烈な黄色の分散液を得た。分散液の希釈されたサンプ
ルに動的光散乱をすることによって平均粒径4nmのものを得た。
例29: Ag+AgBr分散液の合成。モル比Ag°:Ag=1:5
Ag°:Agの1:5のモル比を例26で調製したAg/PVP分散液2.0gと例
27で調製したAgBr/PVP分散液10.022gを配合することによって作成した
。その結果、透明な黄色・茶色の分散液を得た。配合する前に分散液の希釈試料へ動的光
散乱をすることによって平均粒径7nmのAgと4nmのAgBrを得た。
例30: Ag:CuI分散液の合成。モル比Ag°:Cu 1:10
Ag°:Cuの1:10のモル比を例26で調製したAg/PVP分散液1.5gと
例28で調製したCuI/PVP分散液14.8905gを配合することによって作成し
た。その結果、透明な黄色・茶色の分散液を得た。配合する前に分散液の希釈試料へ動的
光散乱をすることによって平均粒径7nmのAgと4nmのCuIを得た。
例31: AgBr:CuI分散液の合成。モル比Ag:Cu 1:10
Ag:Cuの1:10のモル比を例27で調製したAgBr/PVP分散液1.5
gと例28で調製したCuI/PVP分散液14.8905gを配合することによって作
成した。その結果、透明な黄色・茶色の分散液を得た。
例32: PVP−BASF−CuCl分散液の合成。
50mlの無水アセトニトリル(99.8%Sigma Aldrich Cat.#
271004)の入った反応フラスコに14gのPVP(BASF K17)を入れ、攪
拌し、澄明な液を得た。この溶液に0.0239gのCuCl(ACS試薬>99.0%
Sigma Aldrich Cat.#307483)を添加し、30分攪拌して淡緑
色の溶液を得た。次に、30℃で減圧下で大部分のアセトニトリルを除去し、粘着性のペ
ーストを得た。その後、温度を60℃に上げ、溶媒を完全に除去し、淡緑色の固体を得た
。これに50mlのDI水(18Mohm−cm)を添加し、攪拌し、透明で鮮烈な黄色
の分散液を得た。
例33: CuI/PVP−BASF+酢酸+HNOの合成
反応フラスコに4.05gのPVP(BASF K17)と50mlの無水アセトニト
リル(99.8%Sigma Aldrich Cat.#271004)を入れ、蓋を
し、常温で攪拌し、澄明な液を得た。この溶液に0.0476gのCul(99.999
%Sigma Aldrich Cat.#215554)を添加し、25℃で30分攪
拌して透明な淡緑色の溶液を得た。30℃で減圧下で大部分のアセトニトリルを除去し、
粘着性のペーストを得た。その後、温度を60℃に上げ、溶媒を完全に除去し、均質な黄
色の固体を得た。この固体に50mlのDI水(18Mohm−cm)を添加し、攪拌し
、濁った白い色の分散液を得た。これを暗いところで3日間静置し、分散液は濁ったまま
で、淡白色の沈殿物があった。これを攪拌しながら0.3mlの氷酢酸(ACS試薬≧9
9.7%Sigma Aldrich Cat.#320099)をすぐに添加し、分散
液がオレンジ/黄色に変わったが、まだ濁っていて、微量の沈殿があった。この混合液に
0.05mlの濃硝酸(ACS試薬≧90%Sigma Aldrich Cat.#2
58121)を添加すると、溶液が透明で淡緑色の溶液に変わった。
例34: CuI/VP−VA共重合体−BASF+HNO分散液の合成
50mlの無水アセトニトリル(99.8%Sigma Aldrich Cat.#
271004)の入った反応フラスコに6.75gのPV−VA(BASF Luvit
ec VA 64)を入れ、攪拌し、澄明な液を得た。この溶液に0.0476gのCu
l(99.999%Sigma Aldrich Cat.#215554)を添加し、
30分攪拌して緑・黄色の溶液を得た。30℃で減圧下で大部分のアセトニトリルを除去
し、粘着性のペーストを得た。その後、温度を60℃に上げ、溶媒を完全に除去し、均質
な黄色の固体を得た。この固体に50mlのDI水(18Mohm−cm)を添加し、攪
拌し、濁った淡黄色のスラリーを得た。攪拌しながら0.05gの濃硝酸(ACS試薬≧
90%Sigma Aldrich Cat.#258121)を添加すると、混合液が
透明で淡黄色に変わった。
例35: CuI/VP−VA共重合体−BASF+HNO+亜硫酸ナトリウム分散
液の合成
50mlの無水アセトニトリル(99.8%Sigma Aldrich Cat.#
271004)の入った反応フラスコに13.5gの共重合体PV−VA(BASF L
uvitec VA 64)を入れ、攪拌し、澄明な液を得た。この溶液に0.0952
gのCul(99.999%Sigma Aldrich Cat.#215554)を
添加し、30分攪拌して緑・黄色の溶液を得た。30℃で減圧下で大部分のアセトニトリ
ルを除去し、粘着性のペーストを得た。その後、温度を60℃に上げ、溶媒を完全に除去
し、均質な黄色の固体を得た。この固体に100mlのDI水(18Mohm−cm)を
添加し、攪拌し、濁った淡黄色のスラリーを得た。攪拌しながら0.05gの濃硝酸(A
CS試薬≧90%Sigma Aldrich Cat.#258121)を添加すると
、混合液が透明で淡黄色に変わった。これにCuIナノ分散液を添加し、共重合体の総重
量に基づいて濃度0.1wt%に相当する0.0135gの亜硫酸ナトリウム(>98%
Sigma Aldrich Cat.#S50505)を得た。しかし、これは、分散
液の外観に影響を与えなかった。
例36a: CuI/PVP−BASF+HNOの合成
かくはん子の付いた丸底フラスコに4.275gのPVP(BASF K17)と50
mlの無水アセトニトリル(99.8%Sigma Aldrich Cat.#271
004)を添加し、蓋をし、常温で静置し、澄明で無色の溶液を得た。この溶液に0.2
25gのCul(99.999%Sigma Aldrich Cat.#215554
)を添加し、25℃で30分攪拌して淡黄色の溶液を得た。30℃で減圧下で大部分のア
セトニトリルを除去し、粘着性のペーストを得た。その後、温度を60℃に上げ、溶媒を
完全に除去し、均質な黄色の固体を得た。この固体に50mlのDI水(18Mohm−
cm)を添加し、攪拌し、濁った淡黄色の分散液を得た。攪拌しながら0.07gの濃硝
酸(ACS試薬≧90%Sigma Aldrich Cat.#258121)を添加
すると、混合液が無色で沈殿のないやや濁ったものに変わった。分散液の希釈試料へ動的
光散乱が体積分率分析で2峰性の分布を示し、最高の粒径が263と471nmだった。
上述の手順に従いながら調製したもう一つの調合液に成分の比率を変えた。50mlの
アセトニトリルにPVP(BASF K17)の量は2.25gだった。これに0.04
76gのCuI(99.999%)を添加した。これを上述のように処理し、乾燥粉末を
60mlのDI水に再懸濁した。得られた溶液は乳状で淡黄色だった。攪拌した後、0.
05mlの硝酸を添加し、二日間にわたって攪拌した。溶液が透明な黄色となり、沈殿物
がなかった。この処理後溶液が安定した。粒径は4nmだった。
例36b: CuI/PVP粒子の合成:酸を使って粒径の管理
水分散液に硝酸の量を管理することによって異なる粒径のPVPで機能化されたヨウ化
銅を調整した。分散液を例36aの通り調製したが、唯一の違いは酸をCuI/PVP粉
末を分散した水分散液の形で添加したことである。酸の濃度を0−8.46mMの範囲内
で変え、動的光散乱で測定した対応粒径のばらつきが1070から5nmの範囲内だった
。pHを4と7pHの間で構成されたFisher Scientific pH計で測
定した。データを表1Aに纏めた。同表から粒径を管理するのに硝酸の効果が明らかであ
る。サンプルを酸で調製したが、ヨウ化銅を添加しなかった(サンプルS45,S47と
S49がそれぞれ0.846,4.227と8.46mMの硝酸を含んだが、ヨウ化銅を
含まなかった)。サンプルの酸性度は抗菌効果へ影響がないことを確認するためにこれら
のサンプルを試験した。ここでもう一つ注目に値することは、PVPのソースが違うと、
調製の方法によってその酸性度が異なり、粒径を管理するために違うレベルのpH調整を
必要とするかもしれない。その一例として、硝酸を使わなかったとき粒径は1070nm
で、例28で違うPVP(Aldrichから入手したPVP)を添加酸なしで使ったと
き、粒径は4から6nmだったことが挙げられる。
50mlの丸底フラスコに0.81gのPVP(Luvitec K17 from
BASF)と15mlのアセトニトリルを入れた。これを攪拌し、無色の溶液を得た。こ
のPVP溶液に0.0095gCuI(Aldrich,純度99.5%)を添加した。
これを攪拌して澄明で黄色の溶液にした。PVP/CuI溶液をロータリーエバポレータ
で乾燥して、黄色の固体を得た。この液体を7.5mlの脱イオン水に再懸濁し、攪拌し
て濁った白色の溶液を得た。再懸濁したPVP/CuI溶液に以下の表に示すように、異
なる濃度(酸強度)のさまざまな酸を7.5mlの体積で添加した。この溶液を光を避け
ながら攪拌した。攪拌した1日後溶液が表1B(「溶液の透明さ」の欄)から明らかなよ
うに、たいていの場合透明なものになった。これらの溶液のpHも測定した。pHはさま
ざまな要因、例えば溶液におけるPVPの種類と量、CuIの量、酸の種類と濃度等によ
る。澄明な液の平均粒径は10nmで、他の溶液に比べかなり高いことが予想される。こ
の溶液をリン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH7.4;Sigma−Aldrich,S
t.Louis,MO)における総銅含有量が59.07ppmになるように薄め、pH
を再び測定した。これは液体懸濁液において抗菌試験結果を数回生み出すのに利用された
典型的な銅の濃度だった。この試験は、これらのナノ粒子の抗菌性質がpHが一貫して6
と7.4(または緩衝液のpHまで)の範囲内にある懸濁液において測定されることを保
証するために実施された。ご参考までに、人間の肌のpHが約5.5,尿が6.0、そし
て血液が7.34から7.45である。塩酸、硝酸と硫酸を異なる強度で添加した後の結
果を表1Bに纏めた。この結果からわかるように、違う酸を異なる濃度で使うと、pHと
粒径を管理することができるが、これらを緩衝液に使った場合、6以上のpHとすること
ができる。
例37: Ag0.5Cu0.5Iナノ粒子の合成
この方法で「固溶体」すなわち、CuIとAgIの明白な液相はないが、一つの金属が
固体の結晶または非結晶格子構造にわたってランダムに別の金属に代用されるものを得た
。10gのPVP(10,000MW,Sigma Aldrich Cat.#PVP
10)を40mlのDI水(18Mohm−cm)に溶解し、0.0246g(0.14
5mmol)の硝酸銀(≧99.0%ACS試薬Sigma Aldrich Cat.
#209139)を添加した。この淡黄色の溶液に0.0350g(0.145mmol
)の硝酸銅三水和物(≧98%Sigma Aldrich Cat.#61197)を
添加し、暗黄色の溶液を得た。別の容器に0.0481g(0.29mmol)のヨウ化
カリウム(≧99.0%ACS試薬Sigma Aldrich Cat.#60400
)を10mlのDI水(18Mohm−cm)に溶解し、銀に滴下(0.34ml/分)
して硝酸銅PVP溶液を得た。その結果、ヨウ化銀・銅(Ag0.5Cu0.5I)の固
溶体の淡黄色の分散液を得た。分散液の希釈試料へ動的光散乱によって29nmの平均粒
径が確認された。
例38: Ag0.25Cu0.75Iナノ粒子の合成
ヨウ化銀・銅固体のナノ粒子分散液を例#37の通り調製したが、唯一の違いは、金属
イオンのモル濃度をAg0.25Cu0.75Iの式に従って調製したことである。分散
液の希釈試料へ動的光散乱によって10nmの平均粒径が確認された。
例39: Ag0.75Cu0.25Iナノ粒子の合成
ヨウ化銀・銅固体のナノ粒子分散液を例#37の通り調製したが、唯一の違いは、金属
イオンのモル濃度をAg0.25Cu0.75Iの式に従って調製した。分散液の希釈試
料へ動的光散乱によって8nmの平均粒径が確認された。
例40: 多孔質粒子へ金属と無機金属化合物の注入
この例は抗菌作用のある組成物の合成と抗菌試験について明らかにする。同組成物は、
ヨウ化銅、臭化銅および塩化銅からなる群より選定されるハロゲン化銅粒子とハロゲン化
銅粒子を注入された多孔質担体粒子によって構成され、微生物の環境に抗菌効果が発揮さ
れるのに有効なイオンの量が放出されるように、担体粒子がハロゲン化銅粒子を安定化さ
せるものである。
ハロゲン化銅・多孔質粒子の組成物は多孔質シリカ担体粒子にハロゲン化銅を注入する
利用された二つのプロセスの実施態様によって立証される。これらの方法は、反応沈殿お
よび/または溶媒の蒸発によって他の金属化合物(他の金属ハロゲン化物を含んでいる)
を含んでいるためにも使うことができる。担体粒子に注入される物質の量を増やすために
、金属ハロゲン化物の濃縮液(飽和溶液または飽和に近い溶液)を使うことができる。一
度細孔に溶液を注入すれば、金属化合物が粒子(細孔の表面を含んでいる)の表面に堆積
されるように多孔質粒子を除去し、乾燥させる。金属ハロゲン化物の濃度をさらに増やす
ために、すでに堆積されたものが可溶化しないために飽和溶液または飽和に近い溶液を使
ってこのプロセスを数回繰り返すことができる。Silicycle Inc.(カナダ
、ケベック市)社からのさまざまな種類の多孔質シリカ粒子を利用した。多孔質シリカ粒
子はIMPAQ(登録商標)角ばったシリカゲルB10007B親水性シリカで、その平
均粒径は10μm(細孔径が6nm、細孔容積が約0.8ml/g、表面積が>450m
/g)、0−20μmの粒径のシリカ(細孔径が6nm、細孔容積が500m/g)
;や0.5−3μmのシリカ(製品番号R10003B、細孔径6nm)等であった。
方法1
0.6gのCuI(Sigma Aldrich社製,純度98.5%)を常温で20
mlのアセトニトリルに溶解した(約0.68gのCuIが溶液を蒸発させたからである
)。この溶液に1gのシリカ粉末(0−20μm)を添加した。この溶液を常温で3時間
攪拌(この場合、時間を数秒から3時間以上に変えることができる)し、0.45μmナ
イロンフィルター(Micron Separations Inc社製、Westbo
ro,MA)を使ってろ過し、最後に70℃で乾燥させた。ヘラを使って材料を容易に細
かい粉末に砕くことができる。このシリカの民間試験所での誘導結合プラズマ(ICP)
による原子吸光分析で銅は重量でシリカの1.88%だったことが確認された。
例41: 多孔質粒子へ金属と無機金属化合物の注入
方法2
この方法においてCuIの溶媒は3.5M KIの水溶液だった。KI溶液は29gの
KIを40mlの脱イオン水に溶解・攪拌し、水を添加し、最終容積を50mlにするこ
とによって得られた。配合後KI溶液の容積は50mlと測定された。1.52gのCu
Iを添加し、常温で攪拌した。溶液がすぐに黄色になり、次の日にやや黒くなった。この
溶液を6ml取り、0.5gの多孔質シリカ担体粒子(0.5から3μm)を添加し、6
時間にわたって攪拌した。シリカ粒子をろ過した後、シリカの表面にくっ付いていたCu
Iを沈殿させるために水を添加した。このシリカの誘導結合プラズマ(ICP)AA装置
による分析で銅は重量でシリカの1.46%だったことが確認された。
例42a: 湿式研削によるポリウレタン/CuI分散液の調製
サンプルをNetzsch Premier Technologies LLC(E
xton PA)製モデル名Minicer(登録商標)の湿式粉砕機で研削した。粉砕
ビーズはYTZセラミックス(半径300μm)製だった。粉砕機の中もセラミックスが
内張りされていた。水媒体を使って粒径を細かいものに砕くのに純度99.9%のCuI
を使った。2種類の水媒体が使われた。一つは、Lamberti SpA,(Gall
arate,イタリア)社から入手した商標名ESACOTE(登録商標)の脂肪族ポリ
ウレタン71/N水分散液(固体35%)で、これは家具用水性ワニスと金属コーティン
グに使われる。そして、もう一つはPVP(Aldrich 分子量10,000)水溶
液だった。
ポリウレタン分散液は100mlごとに10gのヨウ化銅を添加することによって得た
。研削が進むに連れて粘度が増加し、分散液を7%n−エチルピロリドンと重量で93%
の水の混合液で希釈した。60mlの希釈液をプロセス全体を通して添加した。当初のサ
ンプルは50グラムのCuIと500グラムのPU分散液だった。ここで注目すべきこと
は、研削された粒子の表面はPU分散液(疎水性ポリウレタン、界面活性剤とその他の添
加剤からなる)によって機能化された。合計60グラムの7%1−エチル−2−ピロリド
ンを、粉砕プロセス全体を通して定期的に以下の通り添加した。75分経過後25グラム
、105分経過後10グラム、120分経過後15グラム、そして150分経過後10グ
ラムを添加した。粉砕機から約100mlの製品を75分と105分後(溶媒を添加する
前)採取し、残りを210分経過後取り出した。プロセスが終了した時点で、CuIを含
めて総固形分は35%、ポリマー含量は27.2%、そしてポリマーに対するCuIの比
率は28.6%だった。研削中最高の温度が38℃だった。研削が210分経過した時点
で粒径を測定した。装置における循環速度と攪拌速度は6で設定された。粒径の測定はH
ORIBAレーザー散乱粒径分布解析器(モデルLA−950A)で行った。平均粒径は
68nmで、標準偏差は7.4nmだった。研削された粒子を含んでいる分散液の安定性
を試験するために粒径を次の日に再び測定したら、平均粒径は70nmで、標準偏差は8
.2nmだったことが判明した。
例42b: 湿式研削によるPVP/CuI分散液の調製
PVP分散液の製剤は480グラム:CuI20グラム、PVP(Aldrich 1
0,000MW)60グラムと脱イオン水400グラムだった。研削パラメーターは42
aと同じで、上記と同様な条件下(例42a)でサンプルを研削が45分、120分と2
10分経過した時点で採取し、粒径(平均)は前述のHORIBAレーザー散乱粒径分布
解析器で測定したら、それぞれ920nm(2峰性分布で、ピークが170と1,500
nmだった)、220nmと120nmだった。
6.細菌、ウィルスと菌類に対する粒子分散液の抗菌の試験
a.微生物分析
機能化された粒子の抗菌効果を以下の標準法を利用して評価した。
微生物分離株の保存と調製:
試験用細菌を、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC,Mana
ssas,VA)またはアリゾナ大学(Tucson,Arizona)から入手: E
scherichia coli(ATCC #15597),Enterococcu
s faecalis(ATCC #19433),Pseudomonas aeru
ginosa(ATCC #27313),Staphylococcus aureu
s(ATCC #25923),Mycobacterium fortuitum(A
TCC #6841),Salmonella enterica serovar T
yphimurium(ATCC 23564),およびStreptococcus
mutans(ATCC #25175)-。銅に対する抵抗力のある株のEscher
ichia coli 77−30013−2をDr.Chris Rensingから
、そしてBacillus Cereusをアリゾナ大学、(Tucson,Arizo
na)のDr.Helen Jostから入手した。
これらの研究で使われた微生物分離株は、200rpmの軌道シェーカーの上でトリプ
シン寒天培地(TSA; Difco,Sparks,MD)を用いて37℃で、または
トリプシン液体培地(TSB)を用いて37℃で通常の方法で培養された。M.fort
uitumの場合、微生物の集合体の形成を抑止し最終濃度が0.1%(v/v)になる
ように培養液にTween80(ポリエチレングリコールソルビタンオレイン酸モノエス
テル;Sigma Aldrich,St.Louis,MO)を添加した。
ウィルスの保存と調製:
試験ウィルスをATCCまたはテキサス州ヒューストンにあるベイラー医科大学、から
入手: MS2大腸菌ファージ(ATCC#15597−B1)とポリオウィルス1(株
LSc−2ab)をテキサス州ヒューストンにあるから入手した。
MS2を以下の方法で保存した: 0.8%のバクト寒天(Difco,Sparks
,MD)を含有する約5mlの軟寒天のTSAの入った試験管をE.coliの一晩培養
(物)とMS2の約1x10プラーク形成単位(PFU)にて45℃で接種した。軟寒
天重層分散液をゆっくりボルテックスさせ、TSAプレートの全体にわたって均一に上か
ら注いで、凝固させた。37℃で24時間にわたって培養した後、6mlの無菌リン酸緩
衝生理食塩水(PBS;pH7.4;Sigma−Aldrich,St.Louis,
MO)を寒天重層に添加し、25℃で2時間静置した。培養後、細菌デブリをペレット化
するためにPBS分散液を採取し、遠心分離(10分間、9,820xg)した。MS2
を含んでいる残りの上清を1.5%牛肉エキスに浸水された0.22μm(Millex
;Millipore,Bedford,MA)の使用寸前まで4℃で無菌のチューブに
保管された膜を使って濾過した。MS2の滴定濃度を測定するために、前述の二重寒天重
層方法を使った。しかし、37℃で24時間培養した後、PFU/mlの数を確認するた
めに、MS2をプラーク形成によって列挙した。
ポリオウィルス1(菌株LSc−2ab)を以下のように保存した: ポリオウィルス
1を(全体容積の100mlに付き)5mlの子牛(の)血清(CS;HyClone
Laboratories,Logan,UT),3mlの1M HEPES緩衝液(M
ediatech Inc.,Manassas,VA),1.375ml of 7.
5%重炭酸ナトリウム(Fisher Scientific,Fair Lawn,N
J),1mlの10mg/mlカナマイシン(HyClone Laboratorie
s,Logan,UT),1mlの100X抗菌−抗真菌(HyClone Labor
atories,Logan,UT)と1mlの200mMグルタミン(Glutama
x;HyClone Laboratories,Logan,UT)を37℃で5%C
を含有する最小必須培地(MEM,Earleの塩類で改質;Irvine Sci
entific,Santa Ana,CA)を含んでいるBGM(Buffalogr
een monkey腎臓;米国環境保護庁のDan Dahlingから入手,Cin
cinnati,OH)細胞単層の入った細胞培養フラスコに保存した。
ウィルスをBGM細胞単層を接種することによって繁殖させた。細胞単層の≧90%が
破壊されたことが観察されたため、細胞栽培フラスコを−20℃で凍結した後3回連続を
解凍し、宿主細胞からウィルスを放出した。次に、懸濁培養を遠心分離(1000xg
for 10min)し、細胞デブリを除去した。その後、ポリエチレングリコール(P
EG;9%w/v)と塩化ナトリウム(5.8%w/v)で一晩中4℃で沈殿させた。(
Black et al.“Determination of Ct values
for chlorine resistant enteroviruses,” J
.Environ.Sci.Health A Tox.Hazard Subst.E
nviron.Eng.44: 336−339,2009).一晩中培養した後ウィル
ス分散液を遠心分離(9,820xg for 30min at 4℃)し、ウィルス
ペレットを10mlPBSに再溶解した。ウィルスの単分散を促進するためにVertr
el XF採取を1:1の比率で実施し、脂質(7,500xgで遠心分離を15間4℃
で実施)を除去した(Black et al.,2009)。ウィルスを含んでいる上
水層を、ピペットを用いて丁寧に除去し、滅菌された低温バイアルに一定分量(1ml)
を入れた(VWR,Radnor,PA)。Bidawid et al.,“A fe
line kidney cell line−based plaque assay
for feline calicivirus,a surrogate for
Norwalk virus.” J.Virol.Methods 107: 163
−167(2003)に説明されたポリオウィルス1のウィルス滴定を10層段階希釈プ
ラーク形成定量を使って行った。6−well組織栽培プレート(Corning In
c.,Corning,NY)におけるBGM細胞単層を0.025M TRIS緩衝食
塩水[3.68Lの超高純度HOにおける0.32L TBS−1(31.6g/L
Trizma base,81.8g/L NaCl,3.73g/L KCl,0.5
7g/L NaHPO−無水)]で2回洗った後、ウィルスを10倍連続希釈した0
.1mlで接種し、30分間37℃で培養した。この培養時間の後、(100mlに付き
)0.75%のBacto−agar(Becton,Dickenson and C
o.,Sparks,MD)MEMのソフトな溶液3ml、2%FBS(HyClone
Laboratories,Logan,UT)、3mlの1M HEPES緩衝液(
Mediatech Inc.,Manassas,VA)、1mlの7.5%重炭酸ナ
トリウム(Fisher Scientific,Fair Lawn,NJ)、1ml
の10mg/mlカナマイシン(HyClone Laboratories,Loga
n,UT)、1mlの100X抗菌−抗真菌(HyClone Laboratorie
s,Logan,UT)と1mlの200mMグルタミン(Glutamax; HyC
lone Laboratories,Logan,UT)を各wellに重層として添
加し、凝固させた。次に、プレートを37℃で2日間5%COに培養させた。培養後、
寒天重層を除去し、細胞単層を0.5%(w/v)クリスタル・バイオレット(Sigm
a−Aldrich,St.Louis,MO)に染料し、超純水に溶解し、95%エタ
ノールと1:1の比率で混合した。プラークを数え、感染性ウィルスを列挙した。
カビ(菌)の保存と調製:
試験用カビをアリゾナ大学(Tucson,Arizona)から入手: Penic
illiumおよびAspergillus niger isolatesをDr.C
harles Gerbaから入手した。
Penicillium and Aspergillus niger isola
tesをサブロー培地(Neogen Corporation,Lansing,MI
)斜面に25℃で保存した。子実体を含んでいる成熟した斜面培養を数回滅菌したPBS
10mlで洗浄して胞子を解放した。胞子分散液を15mL円錐形チューブに移し、胞子
を分散させるためにボルテックスした。
1)殺菌検定
一晩の分散液を遠心分離(9,820xg,15min,20℃,JA−14ロータ,
Beckman J2−21円心機; Beckman Coulter,Inc.,F
ullerton,CA)によって収穫し、100mlの無菌のPBSに再懸濁した。上
述の遠心分離プロセスをさらに2回実施し、最終収穫を10mlのPBSに再懸濁した。
微生物分散液をPBSに光学混濁度(BIOLOG濁度計、Hayward,CAを使っ
て測定)がMcFarland No.0.5基準同等になるように調製した。PBSの
入った無菌の50mlポリプロピレン円錐形チューブ(Becton Dickinso
n社,Franklin Lakes,NJ)を試験分散液に最終濃度が約1.0x10
CFU/mlになるように接種した。本発明の機能化された粒子を10ppm銀か59
ppm銅で評価した。次に、試験サンプルを実験中25℃で軌道シェーカー(300rp
m)に乗せた。事前に決めた間隔(例えば、1,3,5と24時間)100μlのサンプ
ルを採取し、Dey Engley中和培養液(D/E; Difco,Sparks,
MD)で1:10の比率で中和させた。微生物サンプルを連続的に無菌PBSにおいて希
釈し、spread plate method(Eaton et al.,“Spr
ead Plate Method,” in Standard Methods f
or the Examination of Water & Wastewater
,21st ed.,American Public Health Associa
tion,Washington,DC,pp.9−38 - 9−40.9215C.
2005)を使って37℃で24時間(E.coli,P.aeruginosa,S.
aureus,and E.faecalis)または48と72時間(M.fortu
itum and S.mutans)にわたって列挙した。
多孔質シリカ粒子の抗菌性質の評価:
CuIを含んでいる多孔質シリカ粒子とCuIを含まない多孔質シリカ粒子の実験を2
50ml Erlenmeyerフラスコに入った100mlの無菌のPBSに実施した
。微生物分散液を1.0x10CFU/mlの最終濃度に添加した。粉末シリカサンプ
ルを100mlのPBSに付き0.1g乾燥重量で試験した。微生物を含んでいるが、粒
子を添加しないコントロールも含んだ。粉末シリカサンプルを各フラスコに入れ、実験の
実施中攪拌プレート(VWR VMS−C7,VWR,Radnor,PA)を使って分
散した。事前に決めた間隔(例えば、15分,1,6と24時間)で1mlサンプルを採
取し、Dey Engley中和培養液(D/E; Difco,Sparks,MD)
に1:2の比率で中和させた。
2)ウィルス殺滅アッセイ
ポリオウィルス1実験を50mlの無菌ポリプロピレン円錐形チューブ(Becton
Dickinson and Company,Franklin Lakes,NJ
)に入った10mlの無菌PBSに実施した。MS2実験を250mlの滅菌性パイレッ
クス(登録商標)ビーカーに入った50mlの無菌のPBSにおいて実施した。純ウィル
スのを約1.0x10PFU/mlの最終試験濃度を達成するためにチューブ/ビーカ
ーに個別に添加した。本発明の機能化された粒子を10ppm銀か59ppm銅で評価し
た。次に、試験サンプルを実験中軌道シェーカー(300rpm)に乗せ、実験を25℃
で実施した。事前に決めた間隔(例えば、3,5,7と24時間)で100μlのサンプ
ルを採取し、Dey Engley中和培養液(D/E; Difco,Sparks,
MD)で1:10に比率で中和した。機能化された粒子の効果性を上述のウィルスの保存
と調製のところで説明した寒天重層法に基づいて決定した。
3)カビ殺滅アッセイ
PBSを含んでいる無菌の50mlのポリプロピレン円錐形チューブ(Becton
Dickinson and Company,Franklin Lakes,NJ)
を約1.0x10CFU/mlのカビ胞子分散液で接種した。本発明の機能化された粒
子を10ppm銀または59ppm銅で評価した。次に、試験サンプルを実験中軌道シェ
ーカー(300rpm)に乗せ、実験を25℃で実施した。事前に決めた間隔(例えば、
1,3,5と24時間)で100μlのサンプルを採取し、Dey Engley中和培
養液(D/E; Difco,Sparks,MD)で1:10に比率で中和した。カビ
のサンプルを無菌のPBSに連続的に希釈し、spread plate method
(Eaton et al.,“Spread Plate Method,” in
Standard Methods for the Examination of
Water & Wastewater,21st ed.,American Pub
lic Health Association,Washington,DC,pp.
9−38 - 9−40.9215C,2005)を使って25℃で48と72時間にわ
たって列挙した。
4)光学混濁度測定に基づく抗菌作用の決定
抗菌粒子を含んでいるものと含まない細菌懸濁液の菌発育を濁度測定を利用して把握し
た。濁った懸濁液が生物量の発育または増菌を示し、透明な懸濁液は生物量の発育または
増菌を示さなかった。菌が発育しないことは抗菌粒子の効果性と関連している。光学混濁
度をEppendorf Bio Photometer cuvette reade
r(Eppendorf North America,Inc,Enfield,CT
)またはBiotek Synergy 2 multiwell plate rea
der(Biotek Inc.,Winooski,VT)のような分光光度計を使っ
てモニターした。
5)細菌胞子の発芽に対する作用の把握
胞子の調製:1リットルの培養物をtrypticase soy前培養からの指数増
殖期の細胞で接種したtrypticase soy broth(TSB; Difc
o,Sparks,MD)の入ったErlenmeyerフラスコにおいて培養した。培
養物を回転式シェーカーの上で200rpmで37℃で培養した。胞子の発育は位相差顕
微鏡法に基づいて可視化した。培養物を72時間後に収穫した。収穫と洗浄はすべて25
℃で行った。胞子を遠心分離によって収穫し、1M KCLおよび0.5M NaClを
含んでいる溶液の4分の1の培養液量で再懸濁した。遠心分離を繰り返し、培養物を1m
lに付き1mgのリゾチームを含んでいる50mM Tris−HCL(pH7.2)の
10分の1の培養液量に再懸濁した。次に、細胞懸濁液を37℃で1時間培養した後、1
M NaCl、脱イオン水、0.05%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、50mM
Tris−HCl、pH7.2、10mM EDTAと3つの更なる脱イオン水での洗
浄ステップからなる代替の遠心分離と洗浄を実施した。胞子懸濁液に80℃で10分間熱
ショックを与え、使用まで4℃で保存した。(Nicholson,W.L.and P
.Setlow.1990.胞子形成、発芽と発育。pp.391−450.In Ha
rwood,CR and Cutting,SM(eds.)Molecular b
iological methods for Bacillus.John Wile
y & Sons,New York).
発芽検定。2mlのポリプロピレンチューブを常温で24時間に渡って約2pMまたは
59ppmのナノ粒子で処理されたB.cereusの胞子懸濁液で接種した。24時間
にわたる培養後、懸濁液を13,000xgで遠心分離することによってペレット化し、
上清を除去し、処分した。ペレットを200μlのTSBに再懸濁した。次に、チューブ
を24時間に渡って25℃と37℃で培養した。ナノ粒子の化学性質と24時間培養した
後B.cereus胞子の発芽特性を600nmの波長の光学的混濁度(Eppendo
rf Bio Photometer)で測定した(OD600)。
例43: 標的微生物に対する粒子懸濁液の抗菌効果について
上記の結果は表2から9に使われた試料のすべての変化を示していない。公式のナンバ
ーはこれらの表におけるとの関連付けを示すものに過ぎない。これらの表におけるすべて
のサンプルはPROCEDURE SET 1(例1〜20)に基づいて調製された。
説明のために、表2における式#E33は、粒子がPVPとTGNで表面改質された
ヨウ化銀と臭化銅を含んでいる異なる機能化された金属ハロゲン化物から構成される。こ
の式は例16のプロセスを利用して作成された。本製剤において銀がヨウ化物より5.6
ppm多いため、銀化学量論はヨウ化塩ナトリウムに比べ56%多かった。
別段の記載がない限り、微生物に対するすべての試験において10ppmの金属銀濃度
が得られるように溶液を希釈した。
この例は7つの病原性種に対するさまざまな二元の混合金属ハロゲン化物の組成物の試
験とその効果性を示す。標的微生物に対するさまざまな化学性質と表面改質で調製された
広範な粒子の抗菌効果の評価の結果を下記の微生物について表2から9に示した。: E
.coli(ATCC 15579)、表2; P.aeruginosa(ATCC
27313),表3; M.fortuitum(ATCC 6841),表4; S.
aureus(ATCC 25923)、表5; E.faecalis(ATCC 1
9433)、表6; 耐銅E.coli(77−30013−2)、表7; MS2 c
olliphage(ATCC 15597−B1)、表8; Poliovirus(
PV−1,LSc−2ab)、表9。
以下の表において使われた略号は下記の通りである:
アミノ酸重合調整剤のコラム: Leu=Leucine; Lys=Lysine;
Asp=Aspartic acid; PVP=Polyvinylpyrroli
done. Thiol Modifier Column: AT=Aminothi
ol; TGO=Thioglycerol; TGN=Thioglycine; T
LA=Thiolactic acid; TMA=Thiomalic acid;
TOA=Thiooctic acid; TS=Thiosilane.
式のナンバーの下付き文字[記号]: R#=“#”回同じサンプルで試験の繰り返し
すなわち、R1はこのサンプルの一回目の繰り返しである。“R”以外の文字はサンプル
が再調製されたことを表している。例えば、Aは最初のリメークで、Bは2回目のリメー
クである。
表2〜9のヘッダー(見出し)は以下の通りである: “Formula #”(式)
は内部のトラッキング・ナンバーで、“1℃onstituent(%weight)”
(成分%重量)は金属成分と最初の金属ハロゲン化物粒子における重量パーセントを指す
;“1 Halogen”(ハロゲン)は一次金属ハロゲン化物塩粒子におけるハロゲン
を指す;“2℃onstituent”((成分)は二次金属ハロゲン化物粒子における
金属成分を指す;“2° Halogen”(ハロゲン)は二次金属ハロゲン化物塩粒子
におけるハロゲンを指す;“AA Modifier(重合調整剤)(Ag:AA,in
mol)”は溶液における粒子(もしあれば)を安定化させるために使われたアミノ酸
やポリマー、そして胞子におけるその銀とアミノ酸/ポリマー比を指す;“Thiol
modifier(チオール重合調整剤)(Ag:SH)”は水における粒子を安定化さ
せるために使われたチオール重合調整剤、そして胞子における銀とチオールの比率を指す
;“Exposure time(暴露時間)”は本発明の組成物でコーティングされた
試料に微生物サンプルを暴露した時間(通常時間(hr)で示す)を指す;“Log10
”は対数尺度でコントロールに対し結果として生じる細菌数の減少を指す。
表2は、4ログ(lоg10)以上も減少する(すなわち、1万の微生物のうち1つの
微生物が生存すること)傾向のある機能化された粒子の選択的組み合わせに5時間暴露さ
れたE.coli微生物の数を示す。特に、式e E−33すなわち、PVPとTGN
で機能化されたAgIとCuBr粒子の組み合わせはE.coliの4.32log10
a相当の減少を示す。また、式H−02すなわち、PVPのみで機能化されたAgBr
/CuI粒子の組み合わせは最大(4.8log10以上)のE.coliの減少を示し
た。
表3はP.aeruginosaに対し機能化された金属ハロゲン化物の組み合わせの
一部の結果を示す。驚くことに、試験時間の5時間にわたって少なくとも5log10
減少を発揮する銀ハロゲン化物と銅ハロゲン化物粒子の組み合わせが29種類もある。P
.aeruginosaに対する結果から、機能化された金属銀ナノ粒子のみを使う場合
に比べ、機能化された銀ハロゲン化物と銅ハロゲン化物ナノ粒子の方がはるかに効果的で
あることが明らかである。機能化された金属銀ナノ粒子のみが0.93log10程度の
減少、機能化された臭化銀粒子が3.68log10程度の減少、そしてヨウ化銀粒子が
0.97log10(データを図示していない)しか示さなかった。式A−07(図示し
ていない)を除いて、塩化銀ナノ粒子がP.aeruginosaに対してあまり効果を
発揮しなかった。5log10以上の減少は29の結果に発揮されていることから、機能
化された銀ハロゲン化物ナノ粒子のみより機能化された銀ハロゲン化物粒子と機能化され
た銅ハロゲン化物粒子の組み合わせがより効果的であることが言える。また、ハロゲン化
物は二つのカチオンが異なる機能化された銅ハロゲン化物粒子と機能化された銀ハロゲン
化物粒子の組み合わせがより高い抗菌効果を示す。ここで注目に値することは、CuI−
PVPの二つの例、式G−01とI−1はそれぞれ5.35と5.30と言った銀ハロゲ
ン化物微粒子なしでlog10ほどの減少を記録した。
表4は、M.fortuitumに対して機能化された金属ハロゲン化物粒子の試験の
結果を示す。表4におけるM.fortuitumに対する結果から明らかなように、金
属ハロゲン化物粒子は著しい死菌効率を示し、5つの例の場合、48時間内に4log以
上の細菌密度の低下が見られた。(抗酸菌は通常細菌に比べ有糸分裂が遅いということが
知られているため、P.aeruginosaまたはE.coliに比べM.fortu
itumの暴露時間が長かった。)M.fortuitumに対するこれらの結果は、本
機能化された粒子がM.tuberculosisはもちろん、通常の抗生剤に耐性を持
つM.tuberculosisに対しても効果的であることを示唆する。なぜなら本抗
菌剤の抗菌作用の仕組みが通常の抗生剤のそれとかなり違うからである。特に、単独のC
uI粒子のみが組み合わせより劣っていて、ハロゲン化銀とハロゲン化銅粒子間の相乗効
果を示唆している。
表5は、S.aureusに対して機能化された金属ハロゲン化物粒子の試験の結果を
示す。グラム陽性菌に対して機能化された粒子の抗菌効果の調査は多くなかったが、S.
arueusに対する結果は励まされるもので、24時間以内に5log異常の細菌密度
の低下が確認できた。(式E−30,AgI/CuBr−PVP,>5.19log
0)
表6は、E.faecallisに対して機能化された金属ハロゲン化物粒子の試験の
結果を示す。これらの結果から明らかなように、本機能化された粒子がenteroco
cciに対しても効果的である。同表から分かるように、機能化された粒子の組み合わせ
は、特に、E−33(AgI/CuBr−PVP−TGN)とH−04(AgBr/
CuI−PVP−TGN)の場合、24時間以内に5log10以上の細菌密度の低下を
もたらした。特に、ヨウ化銅の例すなわち、G−01(CuI−PVP)はハロゲン化
銀とハロゲン化銅の組み合わせと同等またはそれを超える効果を示した。
表7は、銅に対し耐性を持つE.coliに対して機能化された金属ハロゲン化物粒子
の試験の結果を示す。本機能化された粒子の組み合わせを微生物に対して試験をしたら、
5時間以内に3logに近い細菌密度の低下を確認することができた。(表7を参照)。
特に、式E−33C(AgI/CuBr−PVP−TGN)の場合、約3logの99.
9%(log102.93)低下が確認された。
表8は、違う属、すなわち、bacteriophageに対して機能化された金属ハ
ロゲン化物粒子の試験の結果を示す。Bacteriophageは細菌を攻撃するウィ
ルスである。MS2coliphageに対する機能化された金属ハロゲン化物粒子の結
果を表8に示した。細胞培養を使って試験を行う必要のないウィルスに対する効果を確認
するために、本機能化された粒子をbacteriophageに対して試験した。表8
から明らかなように、本機能化された粒子の組み合わせはこのbacteriophag
eの細菌密度の低下に非常に効果的で、24時間以内に5logを超える低下を得ること
ができた。
表9に示された一部の結果のように、ポリオウィルスに関して試験が実施され、バクテ
リオファージに対して得られた結果ほどではなかったが、有望なものが得られた。24時
間以内に3つ以上の細菌密度が低下するという、機能性CuI銅粒子がポリオウィルスに
対して効果的であることが確認された。ポリオウィルスに対する試験のもう一つの有望な
結果は、今回のような細胞培養が観察されたことで、培養における細胞生死判別および生
殖作用に対して機能性粒子の悪影響がまったくなかった。
表2〜9のデータから明らかなように、金属ハロゲン化物を含めて本発明の実施形態か
らなる機能性粒子を利用して細菌密度に著しい低下が得られる。グラム陰性菌の中で大腸
菌に比べてP.aeruginosaが一般的に殺菌しにくいため、P.aerugin
osaに関して多くのデータが提示された。
例44: B.cereus芽胞に対し機能性ハロゲン化銀、変性ハロゲン化銀および
混合金属ハロゲンナノ粒子の効果性の確認
すべての前述した化学類が参照することにより本明細書に組み込まれる。
a)原液とゾルの生成:
1%アラニン溶液
アラニンの1%w/w水溶液が4.95gの水に0.05gのアラニンを溶解し、透明
な液が得られるまで攪拌して得られた。
Cu2+を余分に含んでいるCuI粒子の調合液(例18を参照)
CuI粒子の調合液(例17を参照)
AgBr粒子の調合液(例5を参照)
2.5%CuBrを添加したAgBr粒子の調合液
CuBr溶液: 0.0106gの臭化銅(I)を0.500g48%臭化水素酸に溶
解した後、16gの水で薄め、透明な液が得られるまで攪拌し続けた。
0.2079g硝酸銀を13.682gの水に溶解した後3.30g10%w/wPV
P(MW10,000)水溶液を加えた。最後に、上述の6.810gのCuBr−溶液
を攪拌しながら滴下した。金属銀の計算に基づいて得られた銀の濃度が0.55%w/w
で、Ag/Cu比率がmol/molで40/1(2.5%)だった。この手順によって
主に臭化銅も含んでいるAgBr粒子が得られる(AgBr粒子にCuBrまたは混合ハ
ロゲン化物を添加)。
2.5%CuBrを添加したAgI粒子の生成
CuBr溶液: 0.0106gの臭化銅(I)を0.048g48%臭化水素酸に溶
解した後、8gの水に溶解し、透明な液が得られるまで攪拌し続けた。
0.2079gの硝酸銀を12gの水に溶解した後、3.30g10%w/wPVP(
MW10,000)の水溶液を添加した。3.324gの上述のCuBr溶液を攪拌しな
がらこれにゆっくりと滴下した。
最後に、0.1628gのヨウ化ナトリウムの溶液がゆっくりと5gの水に滴下され、
粒子が形成されるように一晩中撹拌し続けた。金属銀の計算に基づいて得られた銀の濃度
が0.55%w/wで、Ag/Cu比率がmol/molで40/1(2.5%)だった
b)機能性粒子サンプルの生成:
以下の表10と11に示した順に完全に密閉されたビンに上述の通り生成した成分を攪
拌しながら配合することによってサンプルが調製された(「NP」はナノ粒子を表す)。
表10がアラニン(ALA)によって表面改質された調製を、そして表11がPVPによ
って改質された調製を表す。
L−アラニン(ALA)またはPVPで機能化された粒子に対する芽胞の発芽反応が、
24時間の静的潜伏期間後に測定された。結果は図1の通りで、“−Ala”接尾辞の付
いている粒子はL−アラニンによって機能化されたものである。
図1からわかるように、管理されたB.cereus芽胞サンプルが栄養条件下で光学
濃度の著しい増加(成長)傾向を示し、指定の機能化された金属ハロゲン化物粒子で処理
されたB.cereus芽胞が同じ栄養条件下で光学濃度の変化(成長)をほとんど示さ
なかった。また、これらの試験に使われた特定の機能化された粒子以外に機能化されたナ
ノ粒子を含めて本発明の機能化された粒子を芽胞の不活性化に使うこともできる。L−ア
ラニンがいくつかの試験に機能化剤として使われたが、他のアミノ酸やアミノ酸の組み合
わせを使うこともできる。
例45: CuI粒子の対芽胞成長抑制効果
図2は、B.cereus芽胞の成長に対するCuI/PVPの抑制効果を表すバーチ
ャートである。CuI/PVPの懸濁液が例28のように生成され、CuI/PVPと細
菌培養液からなる最終培地における銅濃度が59ppmだった。CuI/PVPがB.c
ereusの芽胞の成長を抑制するのに効果的であることが、この図から明らかである。
実際には、スタート時の胞子濃度に比べてそれを若干減少させることもできる。
例46〜52: 粒子懸濁液を使ったその他の抗菌効果
以下の微生物に対し抗菌試験が実施された。:
例46−Pseudomonas aeruginosa(ATCC 27313)(
表13)
例47−Staphylococcus aureus(ATCC 25923)(表
14)
例48−Streptococcus mutans(ATCC 25175)(表1
5)
例49−S.enterica Typhimurium(ATCC 23564)(
表16)
例50−Mycobacterium fortuitum(ATCC 6841)(
表17)
例51−Penicillium(表18)
例52−Aspergillus niger(表19)
表12は、抗菌に対する結果を示す表13−19に使われたサンプル、粒径および機能
化の一覧である。この表における粒径は別段の記載がない限り動的光散乱を利用して測定
された。一部の例では、粒径が光吸収または走査電子顕微鏡法(SEM)によって確認さ
れた。動的光散乱の基づく測定の場合、最終的に1センチの路長キュベットにおいて透明
な液が得られるように、ナノ粒子懸濁液の1−2滴が数mlの水(DI水)に薄められた
。粒子が大きい場合、測定直前に溶液をかき回した。サンプルの繰り返し性と再現性を確
保するために測定が何回も繰り返された。大部分の測定は173°の散乱角で後方散乱モ
ードを利用し、周囲温度でMalvern ZetasizerのナノZS光散乱解析器
(Malvern Inc,Westborough,MAから入手)を利用して実施さ
れた。装置の校正に既知サイズ(60nm)の商業用ポリスチレン球を使った。 いくつ
かの測定の場合、光ファイバープローブを利用し後方散乱モードでナノトラック粒子解析
器(Malvern Inc,Westborough,MAから入手)を使った。デー
タが体積割合モードに変換・報告された。
事例46: 多様な機能性ナノ粒子のP.aeruginosaに対する効果
表13は、金属ハロゲン化物のさまざまな種類やその組み合わせへの暴露および多様な
濃度、大きさや表面改質におけるP.aeruginosaの減少を表わすものである。
これらがすべてさまざまな規制に基づいて試験された(すなわち、金属ハロゲン化物粒子
または既知の抗菌性物質なしで試験された)。同様な条件下ですべてが均一に微生物の成
長をほとんど示さなかったか緩やかな成長しか示さなかったため、規制の結果をここで省
略する。実験はすべてペアで行われた。また、多くの場合、例えば表13のR1(24時
間経過後)が>4.57の対数減少を示す。同じ表において24時間経過後R2も>5.
34の対数減少を示す。しかし、これは前者より後者の結果の方が効果的であることを決
して現していない。これは一定の時間が経過した時点で微生物の数があまりにも少なかっ
たということを示すに過ぎない。従って、これらの表に使われている「>」というシンボ
ルマークは、その実験において最高の対数減少に達したことを意味している。言い換えれ
ば、表示時間の経過後生菌が発見されなかった。第二欄において「S」で始まるサンプル
ナンバーが表12のサンプルナンバーに対応する。表13から表19にかけて同じ結果番
号(欄1の「R」で始まるもの)が使われている場合、同じ調製とバッチが違う微生物に
対して試験されていることを表す。例えば、表13におけるR2の結果がP.aerug
inosaに対して得られ、表14においてS.aureusに対してR2の結果を得る
ために同じ懸濁液が使われた。
グラム陰性細菌であるP.aeruginosaに対する結果が表13の通りである。
表13における結果のR1とR6(CuIとAgBrの混合物)からわかるように、調整
法を変えながらCuIの粒度を182から4nmに減少させた場合、24時間経過後その
効果が同じで、最大の対数減少が達成される。しかし、小さい粒度は短期間において効果
が大きくて、短時間で対数減少が大きい。同表においてR9が短時間における効果を発揮
し、15分経過した時点で効果が驚くほど高い。R7のようにCuIのみを使った調剤の
場合も高い効果が見られる。上述の調剤において59ppmの銅濃度を含んでいる懸濁液
が使われた。興味深いことに、R5からわかるように、AgおよびAgBrがPVP表面
改質と組み合わせた(両方の銀濃度が10ppmで、合計銀濃度が20ppm)場合、そ
の共同的効果が10ppmを含んでいる濃度(R2とR3)より優れておらず、逆に59
ppm濃度のヨウ化銅の方がこれらよりはるかに上である(R4)。
R11のように銅濃度を12ppmに下げた場合、短時間での効果が減少するが、大き
いCuI粒子と高い銅濃度を利用するR1に比べて、24時間経過後同じレベルの効果が
達成できる。金属銀や臭化銀を銀としてヨウ化銅に添加しても(R11をR12またはR
13と比較;またはR7をR8やR9と比較)、効果性が改善されず、CuIが単独でか
なり効果的であることを表す。
また、P.aeruginosanoの場合、例えば、オールドリッチからのPVP、
BASFからのPVP、BASFからのVP−VA共重合体、ポリエチレン・グリコール
、そして表面解膠向け酸(結果のR26からR31を参照)等、CuIと違う表面改質が
使われ、これらの懸濁液が最大限に有効であることわかる。AgBrに対する結果のR1
5をR17とR18と比較すると、表面機能化の種類が影響を与え、PVPよりもチオグ
リシン/アスパラギン酸が効果的であることがわかる。さらに、AgBrをAg金属と比
較(R17またはR18をR21と比較)すると、臭化銀を銀として含有(チオグリシン
/アスパラギン酸修正)させた調剤の方が、微生物の濃度を減少させるのに効果的である
ことがわかる。同表における多くの結果からわかるように、P.aeruginosaに
対して金属ハロゲン化物または金属ハロゲン化物と金属を配合したり、違う表面改質の粒
子を使ったりして高い効果を発揮させることもできる。
結果のR32とR36が金属濃度60ppmのPVPまたはそれ自身で表面改質したさ
まざまな銀塩(AgBrとAgI)、金属銀と銅塩(CuClとCuI)のナノ粒子と比
較したものである。このデータから明らかなように、この微生物に対してCuIが最大の
効果を発揮し、他の物質は効果が低い。
結果のR37からR39が多孔質シリカの粒子の場合である。R37がCuIを一切含
まない粒度0.5から3μmの大きさのシリカ粒子の場合で、結果のR38が例40の方
法(方法1)に基づいてCuIを注入した0から20μmの大きさのシリカ粒子の場合で
ある。これらの粒子における銅金属の含有量が重量で1.9%だった。結果のR39が例
41の方法(方法2)に基づいてCuIを注入した0.5から3μmの大きさのシリカ粒
子の場合である。これらの粒子における銅金属の含有量が重量で1.5%だった。これら
のものが、CuIを含んでいるシリカ粒子とCuIを含まない粒子との懸濁液の抗菌効果
の確認のために試験された。サンプルR38およびR39における銅濃度が、それぞれ1
9および15ppmだった。予想通り、抗菌添加剤を含まないサンプル(結果のR37)
は、抗菌性質を発揮しなかった。他の二つが高い効果性を示した。
結果のR40とR47がそれぞれサンプルS43とS50の場合で、これらの実験はP
VPの種類に対する影響や酸の添加の機能性CuIの粒度に対する効果を評価するために
実施された。サンプルS43が例28の手順に従って作成され、オールドリッチPVPを
使っている。他のサンプルは例36bの手順に従い、BASF PVPを使っている。違
うソースからのPVPは利用されたプロセスに基づいて酸度が異なり、違うレベルのpH
調整を必要とする。結果のR42、R44およびR46は、CuIを一切含まないが、酸
を添加したサンプルの場合のものである。微生物を含んでいる緩衝液の試験の際、すべて
の溶液のpHが6以上だった。CuIを含んでいるすべてのサンプルが高い抗菌作用を示
し、CuIを含まないサンプルが大きな抗菌作用を示さなかった。これらの方法で調製し
たすべての機能性粒子が高い抗菌作用を示したことは驚きだったが、その平均的大きさは
約1,000nmから6nmだった。
結果のR48からR50(それぞれがサンプルのS51からS53に対するもの)は例
42bに規定されているプロセスを利用して調製された水溶液を含んでいるPVP存在下
で湿式研削によって作られた粒子の懸濁試験の結果である。これらの3つのサンプルは同
じ実験で得られたものだが、違う研削段階で取り出された。これらのサンプルの平均粒度
がそれぞれ120、220と920nmだった。最後のサンプルのS53は平均粒度が9
20nmで、2峰性(の)分布があり、粒子の平均の大きさが170と1,500nmで
最大化していた。これらがすべて高い抗菌効果を示し、粒度の最も小さいサンプル(サン
プルS51に対する結果のR48)程、短時間で最大の効果を発揮した。
例47: さまざまな機能性ナノ粒子のS.aureusに対する効果
表14は、一般的なブドウ球菌感染の原因となるグラム陽性菌のS.aureusに対
する同様な実験の結果を示す。この表においてR4をR3とR2と比較すると、ヨウ化銅
の高い効果についてわかる。Ag金属、AgBr、その組み合わせとCuIに対する結果
を比較すると、P.aeruginosaに対し同様な挙動すなわち、CuIがAg金属
、AgBr、そしてPVP表面改質を含んでいる銀とAgBrの混合物に比べより効果的
であることがわかる。また、結果のR7,R8とR9から明らかなように、粒度の小さい
CuIやAg金属またはAgBrを配合したCuIが非常に効果的である。S.aure
usに関しても、化合物の濃度、金属ハロゲン化物または金属ハロゲン化物と金属の混合
物、そして異なる表面改質の粒子についてP.aeruginosaのような結論に達す
ることができる。
例48: さまざまな機能性ナノ粒子のS.mutansに対する効果
金属ハロゲン化物、特に、ヨウ化銅の全般的な効果性を試験するために、我々は他のい
くつかの微生物に対してもこの物質の機能化ナノ粒子を試験した。その一つは口腔(内)
感染症の場合に一般的である連鎖球菌属細菌のS.mutansだった。表15のR27
とR28から明らかなように、PVPで改質したCuI粒子と共重合体(VP−VA)の
両方がこの細菌の対数減少に効果的だった。
例49: さまざまな機能性ナノ粒子のS.enterica Typhimuriu
mに対する効果
表16から明らかなように、濃度59ppmのPVPで表面改質したCuIが単独また
はチオリンゴ酸とアスパラギン酸(R16)で改質したAgBrとの組み合わせで使用し
た場合、S.entericaという細菌に対して高い効果(R23)を示した。これは
懸濁液に濃度10ppmを含んでいるAgBrを単独で使った場合に比べてより効果的だ
った。(R15)
例50: さまざまな機能性ナノ粒子のM.fortuitumに対する効果
表17は、M.fortuitumに対してこれらの物質の抗菌効果に関するデータを
示している。一般的に、他の微生物に対する濃度と同じ濃度でCuIを使うと効果的であ
る。この微生物に対する効果を上げるためにCuIの濃度を上げることが考えられる。最
大の減少はPVPで改質した銀金属(R2)の場合に見られた。これは臭化銀(R3)や
ヨウ化銅(R29)より高かった。AgまたはAgBrがCuI(それぞれR31とR3
2)と組み合わせた場合、調製が効果的だった。このような組み合わせの対数減少効果は
他の微生物の場合見られなかった。
例51: さまざまな機能性ナノ粒子のPenicilliumに対する効果
菌に対する無機の金属塩の効果を確認するために表18に示す実験をPenicill
iumに対して行った。同表における結果のR27とR28からわかるように、PVPで
改質したCuI粒子と共重合体(VP−VA)の両方が菌の減少に対し効果的だった。
例52: さまざまな機能性ナノ粒子のA.nigerに対する効果
表19は、別の菌A.nigerに対する結果を示す。最大の効果はCuIが単独で使
われた場合である(R35)。
例53: 混合金属ハロゲン化物の懸濁液(例37、38と39の方法に基づいて調製
された懸濁液)の抗菌効果試験について
Ag−Cu混合金属ハロゲン化物の抗菌効果試験およびそのCuIとの性能比較が吸光
度法に基づいて実施された。図5が、ヨウ化銅粒子とAg−CuI混合金属ハロゲン化物
の効果に対する成長の指標としての光学(的)濃度(OD、Y−軸)と、コントロールを
プロットしたバーチャートである。光学(的)濃度が抗菌溶液を混合金属ハロゲン化物(
または混合金属ハロゲン化物の固溶体)で処理した後測定された。低光学(的)濃度が増
殖阻害と高い効果性を示している。Ag.25Cu.75I,Ag.5Cu.5IとAg
.75Cu.25IのすべてがP.aureginosa(図5)およびS.aureu
s(図6)に対し効果的な抗菌性質を示したが、どれも単独のCuIナノ粒子ほど効果的
ではなかった(CuIが例23と同様な方法で調製された)。また、固溶体においては、
銅含有量が増加するに伴い物質の効果が増大した。
例54: 繊維の金属ハロゲン化物によるコーティングとその抗菌試験
機能性粒子の塗布用懸濁液の調製と織物への塗布にこれらの懸濁液の使用に以下の方法
が利用された。
a)粒子の調製
GLYMO −Sol: 0.144gギ酸と1.71gの水をそれぞれ7.5gのGl
ycidoxypropyltrimethoxysilane(GLYMO)に攪拌し
ながら添加し、一晩中攪拌を続けた。
AgBr粒子の調製(例5を参照)
CuI粒子の調製(例17を参照)
Ag°粒子の調製(例3を参照。利用された水の量が9.825gではなく、5.20
2gで、その結果銀濃度が0.61%w/wだった)
b)コーティングされた繊維サンプルの調製
i)コーティング懸濁液の調製:
アミン硬化されたPEGコーティング懸濁液が0.80gのポリエチレン・グリコール
(PEG,MW=1,000)を18.056gの水に溶解することによって調製された
。5.36gのGLYMO−Sol、6.192gのAgBr粒子、4.624gのC
uI粒子と4.968gの水における2%w/w Jeffamine HK−511が
徐々に撹拌下にPEG液体に垂らされた。この溶液がすぐにコーティングに使われた。
ii)コーティング懸濁液の繊維サンプルへの塗布
綿織物のサンプル(25x25cm,未処理綿モスリン)を温水で洗浄し、上述の b
)i)からのアミン硬化されたPEGコーティング懸濁液の入ったビーカーに入れた。次
に、手で綿織物のサンプルからコーティング懸濁液を絞り出し、再び同じ液に浸かり、数
回それを繰り返した。最後に、濡れた基質が機械ローラタイプの設備Dyna−Jet
Model BL−38を使って絞り出した後、オーブンにて120℃で1時間硬化され
た。硬化されたコーティングが理論的に1.5%w/wのAg/Cu=1/1mol/m
olの抗菌物質を含んでいた。
これとは別に綿織物のサンプル(25x25cm,未処理綿キャンバス)を温水で洗浄
し、コーティング懸濁液(ポリウレタンコーティング懸濁液またはアミン硬化されたPE
Gコーティング懸濁液)の入ったビーカーに入れた。次に、手で繊維のサンプルからコー
ティング懸濁液を絞り出し、再び同じ液に浸かり、数回それを繰り返した。最後に、濡れ
た基質がDyna−Jet Model BL−38を使って絞り出した後、オーブンに
て120℃で1時間硬化された。
機能性粒子でコーティングされた織物の抗菌効果性は、ASTM E 2149−01
を使って評価され、参照することにより全体として本報告に組み込まれる。すなわち、一
晩培養物が無菌PBSの入った容量250mlの三角フラスコにおいて1.5x10
濃度に調整された。次に、織物のサンプル(5.4cmx5.4cm)がフラスコに入れ
られ、25℃でかき回された。しかるべき間隔で1−ml分割量を取り出し、前述の通り
生菌が数えられた。
図3は、P.aeruginosaに対して本発明の機能性粒子を含んでいる処理され
た織物の効果性を示す。サンプルが最初、そして普通の家庭用洗剤で3回と10回洗浄し
た後試験された。“Sample 0X”が一度も洗浄されなかったサンプルを表し、“
Sample 3X”が3回洗浄されたサンプルを表し、そして“10X”が10回洗浄
されたサンプルを表している。コーティングされなかった織物のサンプルが(実験結果の
)検査(照合)として使われた。
4−log10を超える細菌の対数減少が、本発明の機能性粒子を含んでいる抗菌コー
ティングを使うことによってすぐに実現することができる。(図3)また、家庭用洗剤を
使うと、抗菌効果の発揮に遅れは発生するが、コーティングの抗菌効果が減少することは
ない。
例55: 金属ハロゲン化物を含んでいるコーティングの調製とその抗菌効果の試験
a)有機エポキシマトリックスを含んでいるコーティング溶液の調製
有機エポキシを含んでいるコーティング溶液の調製の手順は以下の通りだった。0.2
5g EPON(登録商標)8281(有機エポキシ、Miller Stephens
on Chemical社)と0.375g Anquamine(登録商標)721(
硬化剤と乳化剤、Air Products and Chemicals Inc.)
をガラス瓶に入れ、乳状で均質になるまでヘラで攪拌した。1.40g AgBr−so
l(AgBr−solの調製について例5を参照)、1.04g CuI−sol(Cu
I−solの調製について例17を参照)と0.155gの水をEPON(登録商標)と
Anquamine(登録商標)の混合物に加え、溶液をヘラで攪拌しながら均質な乳液
を得るために4分間超音波浴で処理した。最終的なコーティング溶液は14%w/wの固
形分を含んでいた。この場合、硬化コーティングにおける生体活性物質(金属製型枠で、
mol/molでAg/Cu=1/1)は3%w/wだった。異なる生体活性物質を含ん
でいるコーティングを調製するのに利用された成分は、表20の通りである。
b)エポキシ・シラン・マトリックスを含んでいるコーティング懸濁液の調製
エポキシ・シランを含んでいるコーティング懸濁液の調製の手順は以下の通りだった。
エポキシ・シラン・マトリックスを含んでいるコーティング懸濁液を調製するための固形
分を14%w/w含有する懸濁液は上述のa)で説明した通り調製したが、成分の量が表
21の通りだった。:
c)ポリスチレン24−ウェルプレートへコーティングの塗布
前述のa)とb)節で調製したコーティング懸濁液の一つの50μLを、ピペッターを
用いて24−ウェルプレート(シグマオールドリッチ,CLS3526−1EA)のウェ
ルに移した後、ヘラでウェルの底面(1.9cm)に広げた。このステップを3回繰り
返し、24穴のプレートの3つのウェルのサンプルを準備した後、このプレートをオーブ
ンに入れ、10〜15分間50℃で加熱した。次に、違うコーティング懸濁液のコーティ
ングを付け、もう一つのコーティングサンプルを作成した。そして、同じ手順を踏んで三
つ目のサンプルを作成した。8つの異なる組成のコーティングを3回ずつ塗布した後、2
4ウェルのプレートをオーブンに入れ、80℃で2時間にわたって最終硬化を行った。
セラミック(結晶性セラミックス)基板への抗菌コーティングをガラスと同様な方法で
施すことができる。場合によっては特定のセラミック基板へ有効な化学処理のスキルを保
有する人がいれば、10%水酸化ナトリウム溶液による初期処理を他の化学処理に変える
ことができる。
d)抗菌コーティングの試験
500μlのトリプチケースソイブロスを含んでいる24−ウェルのポリスチレンプレ
ート(顆粒)を一晩培養したP.aeruginosaで接種して0.05の光学濃度(
OD600;Eppendorfバイオ光度計)を得た。プレートを25℃で24時間培
養した。培養後100μlの上澄み液をウェルから取り出し、OD600が決定された。
機能性ナノ粒子で被覆された固形体の抗菌効果が立証された(図4)。図4からわかるよ
うに、機能性ナノ粒子を含んでいるコーティングが微生物集団を減少させるのに非常に有
効である。さらに、コーティングのマトリックス材(試料管理)は”control”と
いう印を付けたレーンに関連する減少されたODから明らかなように、抗菌行動に対し小
さくではあるが、測定できる効果がある。
例56: CuIを含んでいるコーティングの調製とその抗菌試験
物質と方法
この場合、CuIの二つのソースを利用した。一つはバルクヨウ化銅粉末(99.5%
シグマオールドリッチ)で、もう一つはアセトニトリルプロセスで調製され、乾燥粉末と
して分離されたPVPで機能化されたCuIナノ粒子だった。ナノ粒子としてPVPに高
配合のCuIすなわち、60と50wt%を含んでいるものを調製した。利用されたCu
Iは、シグマ・オールドリッチからの99.5%で、PVPはシグマ・オールドリッチか
らの10,000MWだった。典型的な高配合の調製は以下の通りだった。
攪拌子の付いたリットルナシフラスコに4.05gのCuI粉末と300mlの無水ア
セトニトリルを入れ、撹拌して淡黄色の溶液を得た。別の攪拌子の付いたフラスコに4.
05gのPVPと200mlの無水アセトニトリルを入れ、2時間撹拌し、麦わら色の溶
液を得た。CuI溶液を撹拌しながら、PVP溶液を徐々に加え、透明な黄色溶液を得た
。常温でこの溶液を約1時間撹拌すると、薄緑色の溶液に変わった。30℃の減圧下でこ
の溶液を乾燥して、50wt%のCuIを含有する薄緑色の粉末に変えた。粉末にCuI
の濃度を60wt%にするために初期CuI濃度を6.07gに増やす以外にこの手順を
繰り返した。
CuIを含んでいるウレタンコーティングの調製
Lamberti SpA(Gallarate,イタリア)社製のESACOTEと
いうブランド名で販売される5gの脂肪族ウレタン71/N水性分酸液(個体分35%、
最大粘度性200cP)をビーカーに入れ、これにCuI粉末(シグマオールドリッチか
らの99.5%のもので、機能化されていない粒子)を0.118g加え、激しく撹拌し
、コーティング調製に0.1gの架橋剤PZ28(PolyAziridine,LLC
Medford,NJ社製の多官能性アジリジン)を添加した。刷毛を使ってウレタン
コーティングをステンレス製の基板2”x2”に塗布し、常温で12時間硬化した後に7
0℃で2時間にわたって硬化した。硬化されたコーティングは透明で、茶色ぽかった。こ
のコーティングは耐久性があって、堅く水とエタノールの両方に対し優れた耐薬品性があ
った。乾燥されたコーティングのCu含有量が2.0wt%だった。被覆された表面が
異なる濃度・種類のCuが含まれるように、上述のCuIのナノ粉末を使う以外にこの
手順が繰り返された。これらの被覆された基板のP.aeruginosaに対する抗菌
作用を以下の方法で確認した。比較としてDuPont抗菌(市販の粉末被覆)ALES
TATMで被覆された金属(Dupont社の工業塗料部門,Wilmington,D
Eから入手)も試験した。これらのコーティングにおける抗菌物質は銀と亜鉛イオンを注
入されたゼオライト粒子(大きさは約2−3μm)だった。
コーティングを評価するための試験法(日本工業規格JIS Z 2801: 200
0に基づくもので、その全体を参考として本明細書に組み込む):
テストクーポン(50x50mm)が細菌密度を低下させるために70%エタノールを
噴霧することによって調製された。サンプルクーポンに70%エタノールを再噴霧する前
に空気乾燥されるように放置し、試験を実施する前に完全に乾燥させた。ポリエチレン(
PE)カバーガラス(40x40mm)を片面30分ずつ殺菌UVによって消毒した。
試験は、一晩培養したものからのPBSにおいてP.aeruginosa微生物のM
cFarland No.0.5標準液の調製に関するものだった。標準液を液状の40
0μLのサンプルクーポンにおいて1:100の比率で希釈・接種した。フィルムの下の
表面が湿っていることを保証するために、無菌のPEフィルムを接種した部分の上に被せ
た。サンプルを取り出す前に25℃でゼロから24時間に渡って密閉環境(95%の相対
湿度)において接種した。1mlのDey−Engley(D/E)中和培養液に事前に
浸かった綿棒でクーポンの表面とPEフィルムの両方を消毒することによって微生物を採
取した。次に、微生物を再懸濁するために標本をD/E培養液の入ったチューブに浸し、
ボルテックスさせた。試験サンプルは順次に無菌のPBSに希釈し、spread pl
ate method(Eaton et al.,“Spread Plate Me
thod,” in Standard Methods for the Exami
nation of Water & Wastewater,21st ed.,Am
erican Public Health Association,Washing
ton,DC,pp.9−38 ‐ 9−40.9215C,2005)によって37℃
で24〜48時間にわたって数えた。細菌密度の低下は、各露出間隔ごとにナノ粒子なし
のポリウレタンコーティングが施された管理クーポンから微生物の採取と比較することに
よって、確認された。
コーティング組成および結果を表22に纏めた。
これらの結果から明らかなように、特に6時間経過した時点で市販の抗菌コーティング
に比べ、機能化されたCuI粒子がはるかに高い抗菌効果を発揮したことである。ここで
注目に値することは、2μmの大きさのCuI(入手した形)をコーティングに非機能化
粒子として使った場合、識別できる抗菌作用を示さなかった。
例57: ウレタン(乳濁液)樹脂における湿式研削CuI分散液を含んでいるウレタ
ンコーティングの調製
Lamberti SpA(Gallarate,イタリア)社製のESACOTE
というブランド名で販売される脂肪族ウレタン71/N水性分散液(35%個体)を二
つに分けた。PU分散液によって小さいCuI粒子が機能化されていくために、例42a
に示したように、一つの部分にCuIを加え、粒径が小さくなるように240分間研削し
た。これらの二つの部分を皮膜調製において銅の含有量が異なるように、違う比率で混合
た。一例としてこれらが50%の比率で配合された調製は以下の通り重量で調製された。
ビーカーに脂肪性ウレタン71/N水性分酸液3gと分散液を含んでいるCuI3gを入
れた。これを十分配合し、均質な物質にした。この混合液を撹拌しながら架橋剤PZ28
(PolyAziridine,LLC Medford,NJ社製の多官能性のアジリ
ジン)を0.12g添加した。刷毛でウレタン調製をステンレス製基板2”x2”に塗布
し、常温で12時間硬化した後、70℃で2時間にわたって硬化した。硬化された調製は
透明で、茶色がかっていた。これは耐久性があって、硬く水とエタノール両方に対し優れ
た耐薬品性を持っていた。コーティングのCu含有量は3.51wt%だった。表23
に示した通り、コーティング表面が異なるCuの濃度を有するように、PU71/Nの
CuIウレタン分散に対する比率を変えながらこの手順を数回繰り返した。上述の例と表
23の結果から明らかなように、これらをP.aeruginosaに対して試験した。
この例で強調すべきことは、ポリウレタン71/N水分散液は疎水性分散の乳液であるた
め、水に溶媒和できない。
上述の結果から明らかなように、重合体エマルションプロセスにて研削することによっ
て調製されたコーティングにCuIを含んでいることで、抗菌作用の高い重合体の機能化
されたCuI粒子が得られた。粉末化されたため、重合体エマルションがCuI表面を機
能化し、粒子を安定化させた。表23の100:0の結果で実証されているように、銅を
含んでいる添加剤を含有しないPUコーティングは抗菌性質を示さなかった。また、Cu
I含有量が増加することに伴い抗菌作用が上昇した。ここで注目に値することは、表22
の工業用塗料に比べた場合、これらのCuIを含んでいるすべての塗料は、短期間で優れ
た性能を発揮した。
例58: ポビドンヨード+ヨウ化銅/ポリビニルピロリドン抗菌液
ヨウ化銅ポリビニルピロリドン(PVP)粉末を0.0476gのCuI(99.999
%シグマオールドリッチ)を50mlの無水アセトニトリルに溶解することによって調製
した。この溶液に10gのPVP(10,000MWシグマオールドリッチ)を加え、攪
拌することによって淡黄色の溶液を得た。30℃の減圧下でアセトニトリルを取り除き、
淡緑色の粉末を得た。この粉末が0.158wt%Cuを含んでいる。
ポビドンヨードの10%溶液の(CVSブランド,CVS Pharmacy,Tuc
son,AZから入手)10mlに0.38gの上述のCuI/PVP粉末を加え、溶液
におけるCuの密度を60ppmにした。これがポビドンヨード−CuI/PVP抗菌
溶液だった。
例59: CuIナノ粒子を含んでいる塗り薬:抑制域
この塗り薬を得るために、二つの異なる大きさの機能化されたCuI粒子をPVPにお
いて調製した。
最初の調合液において粒度は241nmで、シグマオールドリッチから10,000分
子量のPVPを利用した例56に説明された手順によって調製された。これを50%粉末
(乾燥粉末においてCuIが重量で50%だったから)と言う。
二つ目の調合液において粒度は主に4nmで、以下のように調製された。80mlの無
水アセトニトリル(99.8%シグマオールドリッチCat.#271004)の入った
反応フラスコに4.75gのPVP(BASFからのLuvitecTMK17)を加え
、攪拌して淡黄色の溶液を得た。この溶液に0.25gのCuI(99.999%シグマ
オールドリッチCat.#205540)を加え、30分攪拌した後透明な淡緑色の粉末
を得た。次に、アセトニトリルの大部分を30℃で減圧下で除外し、粘性ペーストを得た
。その後、温度を60℃に上げて溶媒を完全に取り除き、淡黄色の固体を得た。分散の希
薄試料に動的光を散乱することで微粒子体積の85%は平均粒度が4nmであることが確
認され、残りの粒子は大きかった。乾燥粉末にCuIの含有量が5重量%で、これを5%
粉末と呼称した。
ビーカーに0.06gのカルボマー(Lubrizol Inc,Wickliffe
,OHから入手)に2.0mlの脱イオン水(18Mohm−cm)を加えることによっ
て調製した。これを配合することによってやや濁った無色の液体を得た。この配合液に0
.2gのPVP(シグマオールドリッチ,分子量10,000)を加え、激しく攪拌した
。PVPを加えることによって粘度が若干減少した。この溶液に1.96gのCuI/P
VP50%粉末を攪拌しながら加えた後、1.45gのCuI/PVP5%粉末を加えた
。クリームにおけるCuの最終密度が2.1wt%だった。このクリームを後述の抑制
域法を利用しP.aeruginosaおよびS.aureusに対して試験した。
試験用のペトリ皿は、無菌のプレートに25mlの無菌寒天培地を調剤することによっ
て作製された。一晩培養したものを希釈して0.100の最終光学密度600nmにし、
無菌の綿棒を使って寒天に均一に画線した。 無菌のコルク穿孔器を使って直径約5.3
mmの円筒形プラグを固化した寒天プレートから取り除いた。約75μlのクリームをウ
ェルに添加した。Walgreens Pharmacy社(Walgreens Br
and,Walgreens Pharmacy,Tucson,AZから入手)のトリ
プル抗菌性応急用軟膏をコントロール物質として利用した。このクリーム(コントロール
)は亜鉛バシトラシン400単位、ネオマイシン3.5mgと白色ワセリンにおいて活性
成分として硫酸ポリミキシンB5,000単位を含んでいた。前述のように、プレートは
37℃で24時間湿度室にて接種した後、プレートにおける殺菌と成長抑制効果について
確認した。
プレートを検査したところ、ウェルの周りにややアクアマリンの色合いの光輪と同時に
クリームからなるCuIに対する抑制域が確認された。抑制域を決定するために3段の測
定尺度すなわち、“0”は抑制域が全くない存在しない場合、“1”は(ウェルを含めて
)域の直径が6mmから8mmの制限された抑制の場合、そして“2”は(ウェルを含め
て)域の直径が8mmを超える顕著な抑制の場合に使われた。結果を、表24に示してい
る。
コントロール・クリームはグラム陽性の微生物に対して効果的であることが知られてお
り、コントロールがS.aureusを予想通り抑制したことが結果からわかる。本調製
のCuIクリームがS.aureusに対して同等の効果性を示した。グラム陰性のP.
aeruginosaに対してコントロール・クリームは効果を発揮することが期待され
ていなくて、予想通り効果を示さなかった。しかし、CuIに基づくクリームは相当の効
果を示し、本発明の広範な抗菌性質をさらに強化した。
当然のことながら、ここで説明された実施態様にはさまざまな変更が可能である。従っ
て、上述の説明を限定的に解釈せずに、あくまでも好適実施態様の例示に過ぎないと見な
すべきである。この発明の以下の請求の精神と範囲を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
ることはこの技術に精通したものなら言うまでもない。ここで引用される特許と引用文献
の全体を参考として本明細書に組み込む。

Claims (16)

  1. 銅濃度が0.001〜5重量%未満のヨウ化銅の成形された粒子を含む抗菌性の製品であって、前記製品が、医薬品医療機器又は消毒薬であり、前記抗菌性が前記製品からの銅イオンの放出によって供給される抗菌性の製品。
  2. 前記ヨウ化銅が、ポリマーマトリクス内に存在する請求項1に記載の抗菌性の製品。
  3. 前記製品が、コーティングである請求項1に記載の抗菌性の製品。
  4. 前記製品が、クリームである請求項1に記載の抗菌性の製品。
  5. 抗生物質および抗菌物質から選択される少なくとも一つの付加的な成分をさらに含む、請求項1に記載の抗菌性の製品。
  6. 前記製品が、外傷用製品である請求項に記載の抗菌性の製品。
  7. 前記ヨウ化銅が、平均粒径が1000nm以下の粒子として存在する請求項1に記載の抗菌性の製品。
  8. 前記製品が、消毒液である請求項1に記載の抗菌性の製品。
  9. 銅濃度が0.001〜5重量%未満のヨウ化銅の成形された粒子を含む抗菌性の製品であって、前記製品が消費者製品であり、前記抗菌性が前記製品からの銅イオンの放出によって供給される抗菌性の製品
  10. 前記製品が、押出された製品または射出成型された製品である請求項9に記載の抗菌性の製品。
  11. 前記製品が、繊維である請求項9に記載の抗菌性の製品。
  12. 前記製品が、消毒薬である請求項9に記載の抗菌性の製品。
  13. 前記製品が、電子機器である請求項9に記載の抗菌性の製品。
  14. 前記製品が、シャンプーである請求項9に記載の抗菌性の製品。
  15. 前記製品が、衣料品である請求項9に記載の抗菌性の製品。
  16. 前記製品が、抗臭性を提供するものである請求項9に記載の抗菌性の製品。
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