JP6423232B2 - 伸線性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents
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ただし、上記の自然対数のA、B、Cは、A=−0.34[C]−0.09[Si]−0.044[Ni]−0.072[Al]、B=0.091[C]+0.056[Si]+0.045[Al]、C=0.39[C]+0.14[Si]+0.002[Mn]+0.005[Ni]+0.008[Cr]+0.058[Al]である。
なお、上記の[元素]は鋼中に含まれる元素の質量%を示す。
ただし、上記の自然対数のA、B、Cは、A=−0.34[C]−0.09[Si]−0.044[Ni]−0.072[Al]、B=0.091[C]+0.056[Si]+0.045[Al]、C=0.39[C]+0.14[Si]+0.002[Mn]+0.005[Ni]+0.008[Cr]+0.058[Al]である。
なお、上記の[元素]は鋼中に含まれる元素の質量%を示す。
ただし、上記の自然対数のA、B、Cは、A=−0.34[C]−0.09[Si]−0.044[Ni]−0.072[Al]、B=0.091[C]+0.056[Si]+0.045[Al]、C=0.39[C]+0.14[Si]+0.002[Mn]+0.005[Ni]+0.008[Cr]+0.058[Al]である。
なお、上記の[元素]は鋼中に含まれる元素の質量%を示す。
ただし、上記の自然対数のA、B、Cは、A=−0.34[C]−0.09[Si]−0.044[Ni]−0.072[Al]、B=0.091[C]+0.056[Si]+0.045[Al]、C=0.39[C]+0.14[Si]+0.002[Mn]+0.005[Ni]+0.008[Cr]+0.058[Al]である。
なお、上記の[元素]は鋼中に含まれる元素の質量%を示す。
Cは、鋼中のFe、Cr、V、Nbなどと炭窒化物を形成し高温での強度を高める。しかし、Cは0.1%より多いとCrと結合することにより耐酸化性に有効なCr量を減少して耐食性を悪化する。そこで、Cは0.1%以下とする。
Siは、脱酸剤であり、軟質酸化物の生成に必要な元素で、このためには0.5%以上とする必要がある。しかし、Siは1.0%より過度に含有されると靱性を低下する。そこで、Siは0.5〜1.0%とする。
Mnは、溶製時の脱酸剤としての働きをする元素で、このためには0.2%以上が必要である。しかし、Mnは0.2%より多く添加されると耐食性を悪化する。そこで、Mnは0.2〜2.0%とする。
Pは、不純物として含有される元素であるであるが、Pは0.045%より多いと、鋼の硬さを高めて熱間加工性を阻害する。そこで、Pは0.045%以下とする。
Sは、不純物として含有される元素であるであるが、0.030%より多いと耐食性が低下する。そこで、Sは0.030%以下とする。
Niは、オーステナイト安定化元素である。しかし、Niは8.0%未満ではオーステナイトは安定化しない。一方、Niは高価な元素であるので15.0%より多く含有するとコストが上昇する。そこで、Niは8.0〜15.0%とする。
Crは、耐食性を確保するために必要な元素である。しかし、Crは16.0%未満では十分な耐食性が得られない。一方、Crは高価な元素であるので20.0%より多く含有するとコストが上昇する。そこで、Crは16.0〜20.0%とする。
Alは、脱酸剤であり、軟質酸化物の生成に必要な元素で、このためには0.0008%以上とする必要がある。しかし、Alは0.0014%より多く含有されると、Al2O3濃度が25%を超える高融点介在物である硬質酸化物が形成され、伸線時に断線する原因となる。そこで、Alは0.0008〜0.0014%とする。
Caは、脱酸剤であり、軟質酸化物の生成に必要な元素で、このためには0.0024%以上とする必要がある。しかし、Caは0.0075%より多く含有されると、CaO濃度が45%を超える高融点介在物である硬質酸化物が形成され、伸線時に断線する原因となる。そこで、Caは0.0024〜0.0075%とする。
Oは、低融点介在物の生成に必要な元素で、このために0.005%以上とする必要がある。しかし、Oが0.015%より多く含有されると、MnやCrを主体とする高融点介在物である硬質酸化物が形成され、靱性が悪化する。そこで、Oは0.005〜0.015%とする。
Moは、耐食性を改善する元素として選択的に用いられるが、高価な元素であるのでコストの上昇を抑制する必要がある。そこで、Moは3.0%以下とする。
Cuは、耐食性を改善する元素として選択的に用いられるが、4.0%を超えて使用すると熱間加工性を悪化する。そこで、Cuは4.0%以下とする。
Tiは、鋼中での炭化物形成元素で、耐食性を改善する元素として選択的に用いられる。しかし、Tiは1%を超えて含有されると熱間加工性を悪化する。そこで、Tiは1.0%以下とする。
Nbは、鋼中での炭化物形成元素で、耐食性を改善する元素として選択的に用いられる。しかし、Nbは1%を超えて含有されると熱間加工性を悪化する。そこで、Nbは1.0%以下とする。
Vは、鋼中での炭化物形成元素で、耐食性を改善する元素として選択的に用いられる。しかし、Vは1%を超えて含有されると熱間加工性を悪化する。そこで、Vは1.0%以下とする。
Wは、鋼中での炭化物形成元素で、耐食性を改善する元素として選択的に用いられる。しかし、Wは1%を超えて含有されると熱間加工性を悪化する。そこで、Wは1.0%以下とする。
Taは、鋼中での炭化物形成元素で、耐食性を改善する元素として選択的に用いられる。しかし、Taは1%を超えて含有されると熱間加工性を悪化する。そこで、Taは1.0%以下とする。
Zrは、鋼中での炭化物形成元素で、耐食性を改善する元素として選択的に用いられる。しかし、Zrは1%を超えて含有されると熱間加工性を悪化する。そこで、Zrは1.0%以下とする。
Nは、鋼の耐食性を改善し強度を向上させる元素である。しかし、Nは0.3%を超えて含有されると熱間加工性を悪化する。そこで、Nは0.3%以下とする。
Bは、鋼の強度を向上する元素である。しかし、Bは0.01%を超えて含有されると熱間加工性を悪化する。そこで、Bは0.01%以下とする。
ln([Ca]×10A)は、軟質酸化物を生成するためには−7.5以上である必要がある。しかし、ln([Ca]×10A)が−6.2より大きくなると硬質酸化物が生成され、伸線性が悪化する。そこで、ln([Ca]×10A)は−7.5〜−6.2とする。
ただし、A=−0.34[C]−0.09[Si]−0.044[Ni]−0.072[Al]である。なお、[元素]は鋼中に含まれる元素の質量%を示す。
ln([Al]×10B)は、軟質酸化物を生成するためには−7.1以上である必要がある。しかし、ln([Al]×10B)が−6.4より大きくなると硬質酸化物が生成され、伸線性が悪化する。そこで、ln([Al]×10B)は−7.1〜−6.4とする。
ただし、B=0.091[C]+0.056[Si]+0.045[Al]である。なお、[元素]は鋼中に含まれる元素の質量%を示す。
ln([Si]×10C)は、軟質酸化物を生成するためには0.0以上である必要がある。しかし、ln([Si]×10C)が0.9より大きくなると硬質酸化物が生成され、伸線性が悪化する。そこで、ln([Si]×10C)は0.0〜0.9とする。
ただし、C=0.39[C]+0.14[Si]+0.002[Mn]+0.005[Ni]+0.008[Cr]+0.058[Al]である。なお、[元素]は鋼中に含まれる元素の質量%を示す。
本発明の鋼が伸線工程において断線が少なく伸線されるためには、鋼中の3μmを超える大きさの酸化物系介在物がCaO−Al2O3−SiO2を主体とする低融点の軟質介在物であることを必要とする。そして、CaO−Al2O3−SiO2を主体とする介在物が融点の低い軟質介在物であるためには、介在物の組成がCaO:20〜45%、Al2O3:10〜25%、SiO2:30〜65%の範囲内である必要があり、これを逸脱すると介在物の融点は高くなり高質化する。そこで、CaO:20〜45%、Al2O3:10〜25%、SiO2:30〜65%とする。
CaO−Al2O3−SiO2を主体とする介在物中にMnOは不純物として15%まで含有されてもよい。しかし、MnOが15%を超えると硬質酸化物の生成が多くなり、伸線性が悪化する。そこで、MnOは15%以下とする。
CaO−Al2O3−SiO2を主体とする介在物中にCr2O3は不純物として5%まで含有されていてもよい。しかし、Cr2O3が5%を超えると介在物が硬質となり、伸線性が悪化する。そこで、Cr2O3は5%以下とする。
CaO−Al2O3−SiO2を主体とする介在物中にMgOは不純物として5%まで含有されてもよい。しかし、MgOが5%を超えると介在物は硬質となり、伸線性が悪化する。そこで、MgOは5%以下とする。
Claims (4)
- 質量%で、C:0.1%以下、Si:0.5〜1.0%、Mn:0.2〜2.0%、P:0.045%以下、S:0.030%以下、Ni:8.0〜15.0%、Cr:16.0〜20.0%、Al:0.0008〜0.0014%、Ca:0.0024〜0.0075%、O:0.005〜0.015%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、上記のCa、Al、Siは軟質酸化物生成元素として、ln([Ca]×10A):−7.5〜−6.2、ln([Al]×10B):−7.1〜−6.4、ln([Si]×10C):0.0〜0.9の関係を有し、さらに、鋼中に生成する短径が3μmを超える大きさの酸化物系介在物の平均組成がCaO:20〜45%、Al2O3:10〜25%、SiO2:30〜65%、MnO:15%以下、Cr2O3:5%以下、MgO:5%以下から成り、かつ該酸化物系介在物の組成は合計で100%であることを特徴とする伸線性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼。
ただし、上記の自然対数の指数であるA、B、Cは、A=−0.34[C]−0.09[Si]−0.044[Ni]−0.072[Al]、B=0.091[C]+0.056[Si]+0.045[Al]、C=0.39[C]+0.14[Si]+0.002[Mn]+0.005[Ni]+0.008[Cr]+0.058[Al]である。
なお、上記の[元素]は鋼中に含まれる元素の質量%を示す。 - 質量%で、C:0.1%以下、Si:0.5〜1.0%、Mn:0.2〜2.0%、P:0.045%以下、S:0.030%以下、Ni:8.0〜15.0%、Cr:16.0〜20.0%、Al:0.0008〜0.0014%、Ca:0.0024〜0.0075%、O:0.005〜0.015%を含有し、さらに、Mo:3.0%以下、Cu:4.0%以下、Ti:1.0%以下、Nb:1.0%以下、V:1.0%以下、W:1.0%以下、Ta:1.0%以下、Zr:1.0%以下の中の1種又は2種以上を選択的に含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、上記のCa、Al、Siは軟質酸化物生成元素として、ln([Ca]×10A):−7.5〜−6.2、ln([Al]×10B):−7.1〜−6.4、ln([Si]×10C):0.0〜0.9の関係を有し、さらに、鋼中に生成する短径が3μmを超える大きさの酸化物系介在物の平均組成がCaO:20〜45%、Al2O3:10〜25%、SiO2:30〜65%、MnO:15%以下、Cr2O3:5%以下、MgO:5%以下から成り、かつ該酸化物系介在物の組成は合計で100%であることを特徴とする伸線性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼。
ただし、上記の自然対数の指数であるA、B、Cは、A=−0.34[C]−0.09[Si]−0.044[Ni]−0.072[Al]、B=0.091[C]+0.056[Si]+0.045[Al]、C=0.39[C]+0.14[Si]+0.002[Mn]+0.005[Ni]+0.008[Cr]+0.058[Al]である。
なお、上記の[元素]は鋼中に含まれる元素の質量%を示す。 - 質量%で、C:0.1%以下、Si:0.5〜1.0%、Mn:0.2〜2.0%、P:0.045%以下、S:0.030%以下、Ni:8.0〜15.0%、Cr:16.0〜20.0%、Al:0.0008〜0.0014%、Ca:0.0024〜0.0075%、O:0.005〜0.015%を含有し、さらに、N:0.3%以下、B:0.01%以下の中のいずれか1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、上記のCa、Al、Siは軟質酸化物生成元素として、ln([Ca]×10A):−7.5〜−6.2、ln([Al]×10B):−7.1〜−6.4、ln([Si]×10C):0.0〜0.9の関係を有し、さらに、鋼中に生成する短径が3μmを超える大きさの酸化物系介在物の平均組成がCaO:20〜45%、Al2O3:10〜25%、SiO2:30〜65%、MnO:15%以下、Cr2O3:5%以下、MgO:5%以下から成り、かつ該酸化物系介在物の組成は合計で100%であることを特徴とする伸線性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼。
ただし、上記の自然対数の指数であるA、B、Cは、A=−0.34[C]−0.09[Si]−0.044[Ni]−0.072[Al]、B=0.091[C]+0.056[Si]+0.045[Al]、C=0.39[C]+0.14[Si]+0.002[Mn]+0.005[Ni]+0.008[Cr]+0.058[Al]である。
なお、上記の[元素]は鋼中に含まれる元素の質量%を示す。 - 質量%で、C:0.1%以下、Si:0.5〜1.0%、Mn:0.2〜2.0%、P:0.045%以下、S:0.030%以下、Ni:8.0〜15.0%、Cr:16.0〜20.0%、Al:0.0008〜0.0014%、Ca:0.0024〜0.0075%、O:0.005〜0.015%を含有し、さらに、Mo:3.0%以下、Cu:4.0%以下、Ti:1.0%以下、Nb:1.0%以下、V:1.0%以下、W:1.0%以下、Ta:1.0%以下、Zr:1.0%以下の中の1種又は2種以上を選択的に含有し、なお、さらに、N:0.3%以下、B:0.01%以下のいずれか1種または2種を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなり、上記のCa、Al、Siは軟質酸化物生成元素として、ln([Ca]×10A):−7.5〜−6.2、ln([Al]×10B):−7.1〜−6.4、ln([Si]×10C):0.0〜0.9の関係を有し、さらに、鋼中に生成する短径が3μmを超える大きさの酸化物系介在物の平均組成がCaO:20〜45%、Al2O3:10〜25%、SiO2:30〜65%、MnO:15%以下、Cr2O3:5%以下、MgO:5%以下から成り、かつ該酸化物系介在物の組成は合計で100%であることを特徴とする伸線性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼。
ただし、上記の自然対数の指数であるA、B、Cは、A=−0.34[C]−0.09[Si]−0.044[Ni]−0.072[Al]、B=0.091[C]+0.056[Si]+0.045[Al]、C=0.39[C]+0.14[Si]+0.002[Mn]+0.005[Ni]+0.008[Cr]+0.058[Al]である。
なお、上記の[元素]は鋼中に含まれる元素の質量%を示す。
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