JP6422456B2 - 信号処理装置及びアレーアンテナ装置 - Google Patents
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アレーアンテナ装置では、目標に反射された反射波や通信対象から送信された通信波などの信号波の信号電力の低下を抑えながら、クラッタや妨害波などの干渉波を抑圧する干渉波抑圧処理が用いられることがある。
このアレーアンテナ装置では、複数のアンテナの受信信号間の相関行列、即ち、自己相関係数と相互相関係数を要素として有する相関行列を生成し、その相関行列の逆行列から、複数のアンテナの受信信号に対するアダプティブ荷重を算出するようにしている。
したがって、信号波の信号電力の低下を抑えながら、干渉波を抑圧することが可能なアダプティブ荷重を算出するには、相関行列の対角荷重を適切に調整する必要があるが、適正な対角荷重は、到来する干渉波の到来数、干渉波の受信電力、干渉波の到来方向など、到来する干渉波の状態によって決まる。このため、到来する干渉波の状態を事前に想定することができない場合には、適正な対角荷重を決定することができず、信号波の信号電力の低下を抑えながら、干渉波を抑圧することができないことがあるという課題があった。
図1はこの発明の実施の形態1による信号処理装置を含むアレーアンテナ装置を示す構成図であり、図2はこの発明の実施の形態1による信号処理装置のハードウェア構成図である。
図1及び図2において、アレーアンテナ1はDBF構成のアレーアンテナであり、複数のサブアレーアンテナ1aを備えている。
アナログ受信部2はサブアレーアンテナ1aにより受信された信号に対する各種の信号処理を実施する。
各種の信号処理として、例えば、サブアレーアンテナ1aにより受信された信号を増幅する処理、不要な高調波を除去する帯域通過フィルタ処理、信号の周波数を中間周波数に変換する周波数変換処理などが考えられる。
アナログデジタル変換器(以下、「A/D変換器」と称する)3はアナログ受信部2による各種の信号処理後の信号をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号をデジタル受信信号として信号処理装置4に出力する。
図1では、サブアレーアンテナ1a毎に、アナログ受信部2及びA/D変換器3が設けられている例を示しているが、アレーアンテナ1が複数の素子アンテナを備えている場合、素子アンテナ毎に、アナログ受信部2及びA/D変換器3が設けられているものであってもよい。
また、図1では、アレーアンテナ1における複数のサブアレーアンテナ1aの配置が1次元配置であるが、2次元配置の平面アレーアンテナであっても構わない。
相関行列生成部11は例えば図2の相関行列生成処理回路21で実現されるものであり、複数のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号間の相関行列を生成する処理を実施する。
固有ベクトル算出部12は例えば図2の固有ベクトル算出処理回路22で実現されるものであり、相関行列生成部11により生成された相関行列における複数の固有値に対応する固有ベクトルを算出する処理を実施する。
射影行列算出部14は例えば図2の射影行列算出処理回路23で実現されるものであり、固有ベクトル算出部12により算出された複数の固有ベクトルの中から、1つ以上の固有ベクトルを選択し、単位行列と選択した固有ベクトルから射影行列を算出する処理を実施する。
荷重算出処理部15は例えば図2の荷重算出処理回路24で実現されるものであり、射影行列算出部14により算出された射影行列から、複数のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号に対するアダプティブ荷重を算出する処理を実施する。
制御部17は例えば図2の制御処理回路26で実現されるものであり、状態良否判定部16の判定結果にしたがってアダプティブ荷重の算出に用いる固有ベクトルの数の変更を荷重算出部13に指示する処理を実施する。
信号合成部19は例えば図2の信号合成処理回路28で実現されるものであり、荷重選択部18により選択されたアダプティブ荷重を用いて、複数のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号を合成する処理を実施する。
ここで、相関行列生成処理回路21、固有ベクトル算出処理回路22、射影行列算出処理回路23、荷重算出処理回路24、状態良否判定処理回路25、制御処理回路26、荷重選択処理回路27及び信号合成処理回路28は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、または、これらを組み合わせたものが該当する。
ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。
コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)などが該当する。コンピュータのメモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性又は揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
信号処理装置がソフトウェアやファームウェアなどで実現される場合、相関行列生成部11、固有ベクトル算出部12、射影行列算出部14、荷重算出処理部15、状態良否判定部16、制御部17、荷重選択部18及び信号合成部19の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムをメモリ51に格納し、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図4はこの発明の実施の形態1による信号処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
また、図2では信号処理装置の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアで実現される例を示し、図3では、信号処理装置がソフトウェアやファームウェアなどで実現される例を示しているが、信号処理装置における一部の構成要素が専用のハードウェアで実現され、残りの構成要素がソフトウェアやファームウェアなどで実現されるものであってもよい。専用のハードウェアとソフトウェア等の組み合わせは任意である。
アレーアンテナ装置の通常の使用状態では、複数のサブアレーアンテナ1aが、例えば、目標に反射された反射波や通信対象から送信された通信波などの信号波のほか、クラッタや妨害波などの干渉波を受信する。
この実施の形態1によれば、サブアレーアンテナ1aが、信号波と干渉波の双方を受信している状態でも、信号波の信号電力の低下を抑えながら、干渉波を抑圧することが可能なアダプティブ荷重wprjを算出することが可能であるが、アダプティブ荷重wprjの算出精度をより高めるために、干渉波だけを受信している状態で、アダプティブ荷重wprjを算出するものとする。
例えば、アレーアンテナ装置がレーダ装置に適用される場合、当該アレーアンテナ装置がパルスなどの送信波を放射していないタイミングで、サブアレーアンテナ1aが干渉波を受信するとき、アダプティブ荷重wprjを算出するものとする。また、アレーアンテナ装置が通信装置に適用される場合、通信対象の装置から信号波が送信されてこないタイミングで、サブアレーアンテナ1aが干渉波を受信するとき、アダプティブ荷重wprjを算出するものとする。
各種の信号処理として、例えば、サブアレーアンテナ1aにより受信された信号を増幅する処理、不要な高調波を除去する帯域通過フィルタ処理、信号の周波数を中間周波数に変換する周波数変換処理などが考えられる。
A/D変換器3は、アナログ受信部2から信号処理後の信号を受けると、その信号をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号をデジタル受信信号として信号処理装置4に出力する。
この相関行列Aは、複数のデジタル受信信号の自己相関係数と、複数のデジタル受信信号間の相互相関係数とを要素として有する行列であり、相関行列Aを生成する処理自体は、例えば、上記の非特許文献1にも記載されているように公知の処理であるため詳細な説明を省略する。
下記の式(1)は、相関行列Aと、固有値λと、固有ベクトルeとの関係を示している。
式(1)において、“e”に上に付いている“→”の記号は、ベクトルであることを意味するが、明細書の文章中では、電子出願の関係上、文字の上に“→”の記号を付することができないので、矢印を省略して、固有ベクトルeのように表記している。
なお、固有ベクトル算出部12によりA/D変換器3の個数分の固有値λと固有ベクトルeが算出される。
以下、A/D変換器3の個数がN個(Nは2以上の整数)であるとし、n(n=1,2,・・・,N)番目の固有値をλn、n番目の固有ベクトルをenのように表記する。
この実施の形態1では、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルenの数Mの初期値として、M0(M=M0)が初期設定されるものとする(ステップST3)。ただし、1≦M0≦N−1である。
射影行列算出部14は、固有ベクトル算出部12がN個の固有値λ1,λ2,・・・,λNと、N個の固有ベクトルe1,e2,・・・,eNを算出すると、N個の固有値λ1,λ2,・・・,λNの大きさを比較して、N個の固有値λ1,λ2,・・・,λNの中から、値が相対的に大きな固有値λm(m=1,2,・・・,M0)、即ち、値が大きい上位M0個の固有値λm(m=1,2,・・・,M0)を選択する。
そして、射影行列算出部14は、下記の式(2)に示すように、N×Nの単位行列IN×Nと、選択したM0個の固有値λmに対応するM0個の固有ベクトルemとから射影行列Cprjを算出する(ステップST4)。
式(2)において、Hは転置を表す記号である。
式(3)において、wDBFは干渉波の抑圧処理を行わない場合のDBF荷重であり、一般的には、ビームの形成方向に対するアレーアンテナ1のステアリングベクトルである。
干渉波の抑圧状態の良否を判定する方法として、例えば、以下の4つの判定方法A,B,C,Dが考えられる。
状態良否判定部16は、下記の式(4)に示すように、アレーアンテナ1により形成されるメインビームのボアサイト方向θbeamの利得wprj Ha(θbeam)が、β1(第1の閾値)以上であるか否かを判定する。メインビームのボアサイト方向θbeamは、メインビームのビーム中心方向である。
式(4)において、a(θbeam)はメインビームの形成方向に対するアレーアンテナ1のステアリングベクトルである。β1は干渉波の抑圧条件を表す評価パラメータである。
状態良否判定部16は、メインビームのボアサイト方向θbeamの利得wprj Ha(θbeam)がβ1以上であり、式(4)が成立する場合、干渉波の抑圧状態が良であると判定する。
状態良否判定部16は、メインビームのボアサイト方向の利得wprj Ha(θbeam)がβ1未満であり、式(4)が成立しない場合、干渉波の抑圧状態が否であると判定する。
状態良否判定部16は、下記の式(5)に示すように、アレーアンテナ1により形成されるメインビームのボアサイト方向θbeamから任意の角度θ’だけずれている方向(θbeam+θ’)の利得wprj Ha(θbeam+θ’)が、β2(第2の閾値)以上であるか否かを判定する。メインビームのボアサイト方向θbeamから任意の角度θ’だけずれている方向(θbeam+θ’)としては、例えば、信号波が入射される方向が考えられる。
式(5)において、a(θbeam+θ’)はメインビームの形成方向から任意の角度θ’だけずれている方向に対するアレーアンテナ1のステアリングベクトルである。β2は干渉波の抑圧条件を表す評価パラメータである。
状態良否判定部16は、メインビームのボアサイト方向θbeamから任意の角度θ’だけずれている方向(θbeam+θ’)の利得wprj Ha(θbeam+θ’)がβ2以上であり、式(5)が成立する場合、干渉波の抑圧状態が良であると判定する。
状態良否判定部16は、メインビームのボアサイト方向θbeamから任意の角度θ’だけずれている方向(θbeam+θ’)の利得wprj Ha(θbeam+θ’)がβ2未満であり、式(5)が成立しない場合、干渉波の抑圧状態が否であると判定する。
状態良否判定部16は、下記の式(6)に示すように、アレーアンテナ1により形成されるメインビームのボアサイト方向θbeamの方位方向に対する微分値がβ3(第3の閾値)以下であるか否かを判定する。
式(6)において、β3は干渉波の抑圧条件を表す評価パラメータである。
メインビームのボアサイト方向θbeamは、理想的には方位方向に対する微分値が0になる。しかし、アレーアンテナ1としてアダプティブアレーを使用することで、メインビームに歪みが生じて、ビーム方向にずれが生じることがある。ビーム方向にずれが生じると、ボアサイト方向θbeamの方位方向に対する微分値が非ゼロの値を持つようになる。したがって、その微分値を評価することで、メインビームの方位ずれの有無を判定することができ、メインビームの方位ずれが無ければ、干渉波の抑圧状態が干渉波の抑圧条件を満足していると判定することができる。一方、メインビームの方位ずれが有れば、干渉波の抑圧状態が干渉波の抑圧条件を満足していないと判定することができる。
そこで、状態良否判定部16は、メインビームのボアサイト方向θbeamの方位方向に対する微分値がβ3以下であり、式(6)が成立する場合、干渉波の抑圧状態が良であると判定する。
状態良否判定部16は、メインビームのボアサイト方向θbeamの方位方向に対する微分値がβ3より大きく、式(6)が成立しない場合、干渉波の抑圧状態が否であると判定する。
状態良否判定部16は、下記の式(7)に示すように、アレーアンテナ1により形成される干渉波の入射方向θ”の利得wprj Ha(θ”)がβ4(第4の閾値)以下であるか否かを判定する。
式(7)において、θ”は干渉波の入射が想定される方向であり、Nullを形成する評価対象方位である。
a(θ”)は干渉波の入射が想定される方向θ”に対するアレーアンテナ1のステアリングベクトルである。β4は干渉波の抑圧条件を表す評価パラメータである。
この判定方法Dは、メインビームの歪みを評価するのではなく、既知の干渉波の方位で一定以上の抑圧ができているかの評価を行うものである。
状態良否判定部16は、干渉波の入射方向θ”の利得wprj Ha(θ”)がβ4以下であり、式(7)が成立する場合、干渉波の抑圧状態が良であると判定する。
状態良否判定部16は、干渉波の入射方向θ”の利得wprj Ha(θ”)がβ4より大きく、式(7)が成立しない場合、干渉波の抑圧状態が否であると判定する。
ただし、判定方法A,B,C,Dによる判定結果は、常に一致するものではなく、判定結果が異なることがある。
即ち、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルemの数Mが少ない場合は、干渉波に対する抑圧度が低くなるのに対して、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルemの数Mが多い場合は、干渉波に対する抑圧度が高くなる。このため、判定方法A,B,Cは、固有ベクトルemの使用数Mが少ない程、干渉波の抑圧状態が良である旨を示す判定結果が得られる可能性が高く、固有ベクトルemの使用数Mが多い程、干渉波の抑圧状態が否である旨を示す判定結果が得られる可能性が高い。一方、判定方法Dは、固有ベクトルemの使用数Mが多い程、干渉波の抑圧状態が良である旨を示す判定結果が得られる可能性が高く、固有ベクトルemの使用数Mが少ない程、干渉波の抑圧状態が否である旨を示す判定結果が得られる可能性が高い。
このため、複数の判定方法を使用する場合には、使用する判定方法の全ての判定結果が、干渉波の抑圧状態が良である旨を示すときの固有ベクトルemの使用数Mを探索する必要がある。
具体的には、制御部17は、例えば、状態良否判定部16が4つの判定方法A,B,C,Dを使用している場合において、判定方法A,B,Cの判定結果のいずれかが、干渉波の抑圧状態が否である旨を示していれば、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルemの数Mを減らす指示を射影行列算出部14に出力する。
また、判定方法Dの判定結果が、干渉波の抑圧状態が否である旨を示していれば、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルemの数Mを増やす指示を射影行列算出部14に出力する。
アレーアンテナ装置の使用状況にもよるが、判定方法A,B,Cの判定結果のいずれかが、干渉波の抑圧状態が否である旨を示している場合には、判定方法Dの判定結果は、干渉波の抑圧状態が良である旨を示すことが想定される。逆に、判定方法Dの判定結果が、干渉波の抑圧状態が否である旨を示している場合には、判定方法A,B,Cの判定結果は、干渉波の抑圧状態が良である旨を示すことが想定される。
なお、状態良否判定部16の判定結果が、干渉波の抑圧状態が良である旨を示すまで、ステップST4〜ST7の処理が繰り返し実施される。
信号合成部19は、荷重選択部18がアダプティブ荷重wprjを選択すると、そのアダプティブ荷重wprjを用いて、N個のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号を合成し、N個のデジタル受信信号の合成信号を出力する(ステップST9)。
この実施の形態1では、演算負荷が大きい処理として、相関行列を生成する相関行列処理と、その相関行列における複数の固有値及び固有ベクトルを算出する算出処理とを含んでいるが、状態良否判定部16の判定結果が、干渉波の抑圧状態が否である旨を示している場合の繰り返し処理には、上記の相関行列処理と算出処理が含まれていない。
したがって、状態良否判定部16の判定結果が、干渉波の抑圧状態が否である旨を示す毎に、新たに相関行列を生成する処理と、その相関行列の逆行列からアダプティブ荷重を算出する処理とを繰り返し実施する手法と比べて、演算負荷の増加を抑えることができる。
例えば、状態良否判定部16は、レーダ装置からアダプティブアレー処理後のレンジアジマスマップやレンジドップラマップ等を取得し、そのレンジアジマスマップやレンジドップラマップ等に対するノイズフロアレベルが閾値以下であれば、干渉波の抑圧状態が良であると判定し、そのノイズフロアレベルが閾値より大きければ、干渉波の抑圧状態が否であると判定するようにしてもよい。
上記実施の形態1では、状態良否判定部16の判定結果が、干渉波の抑圧状態が否である旨を示している場合、制御部17が、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルemの数Mの変更を荷重算出部13に指示する例を説明しているが、この実施の形態2では、状態良否判定部16の判定結果が、干渉波の抑圧状態が良である旨を示している場合、制御部17が、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルemの数Mを増やす指示を荷重算出部13に出力する例を説明する。
図5はこの発明の実施の形態2による信号処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
信号処理装置4の相関行列生成部11は、N個のA/D変換器3からデジタル受信信号を受けると、上記実施の形態1と同様に、N個のデジタル受信信号間の相関行列Aを生成する(図5のステップST11)。
固有ベクトル算出部12は、相関行列生成部11が相関行列Aを生成すると、上記実施の形態1と同様に、その相関行列Aを固有値展開することで、その相関行列AにおけるN個の固有値λnを算出するとともに、N個の固有値λnに対応する固有ベクトルenを算出する(ステップST12)。
この実施の形態2では、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルenの数Mの初期値として、“1”(M=1)が設定されるものとする(ステップST13)。固有ベクトルenの使用数Mが“1”の場合、干渉波に対する抑圧度が最も低い状態となる。
例えば、状態良否判定部16が、上記実施の形態1に示した4つの判定方法A,B,C,Dを使用する場合、固有ベクトルenの使用数Mが少ない段階では、判定方法Dの判定結果が、干渉波の抑圧状態が否である旨を示す可能性が高いものとなる。
しかし、制御部17が、固有ベクトルenの使用数Mを徐々に増やす制御を行うと、判定方法Dの判定結果が、干渉波の抑圧状態が良である旨を示す可能性が高まる。このため、判定方法A,B,Cの判定結果が、干渉波の抑圧状態が良である旨を示すときの固有ベクトルenの使用数Mの上限付近では、判定方法Dの判定結果についても、干渉波の抑圧状態が良である旨を示すことが想定される。
したがって、実際には判定方法Dを使用せずに、3つの判定方法A,B,Cだけを使用する場合でも、判定方法A,B,Cの判定結果が、干渉波の抑圧状態が良である旨を示すときの固有ベクトルenの使用数Mの上限付近では、4つの判定方法A,B,C,Dを使用する場合と同様の判別結果が得られる。
そこで、この実施の形態2では、状態良否判定部16が、例えば、判定方法Dを使用せずに、3つの判定方法A,B,Cを使用するものとする。
そして、射影行列算出部14は、N×Nの単位行列IN×Nと、選択したM個の固有値λmに対応するM個の固有ベクトルemとから射影行列Cprjを算出する(ステップST14)。
荷重算出部13の荷重算出処理部15は、射影行列算出部14が射影行列Cprjを算出すると、上記実施の形態1と同様に、その射影行列Cprjから、N個のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号に対するアダプティブ荷重wprjを算出する(ステップST15)。
状態良否判定部16の判定結果が、干渉波の抑圧状態が否である旨を示すまで、ステップST14〜ST17の処理が繰り返し実施される。
制御部17は、状態良否判定部16の判定結果が、干渉波の抑圧状態が否である旨を示している場合(ステップST16:NOの場合)、固有ベクトルemの使用数Mを増やす指示を行わず、制御の完了通知を荷重選択部18に出力する。
荷重選択部18は、今回使用された固有ベクトルemの数Mが“1”より大きい場合(ステップST18:YESの場合)、荷重算出処理部15により繰り返し算出されたアダプティブ荷重wprjの中から、今回使用された固有ベクトルemの数Mより“1”少ない“M−1”のときに、荷重算出処理部15に算出されたアダプティブ荷重wprjを、N個のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号に対するアダプティブ荷重wprjとして選択する(ステップST19)。
荷重選択部18は、今回使用された固有ベクトルemの数Mが“1”の場合(ステップST18:NOの場合)、使用している固有ベクトルemの数が“1”のときに、荷重算出処理部15に算出されたアダプティブ荷重wprjを、N個のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号に対するアダプティブ荷重wprjとして選択する(ステップST20)。
信号合成部19は、荷重選択部18がアダプティブ荷重wprjを選択すると、そのアダプティブ荷重wprjを用いて、N個のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号を合成し、N個のデジタル受信信号の合成信号を出力する(ステップST21)。
また、演算負荷の増加を抑えることができる。
上記実施の形態2では、状態良否判定部16の判定結果が、干渉波の抑圧状態が良である旨を示している場合、制御部17が、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルemの数Mを増やす指示を荷重算出部13に出力する例を説明しているが、この実施の形態3では、干渉波の抑圧状態が否である旨を示している場合、制御部17が、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルemの数Mを減らす指示を荷重算出部13に出力する例を説明する。
図6はこの発明の実施の形態3による信号処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
この実施の形態3でも、上記実施の形態2と同様の理由により、状態良否判定部16が、例えば、判定方法Dを使用せずに、判定方法A,B,Cを使用するものとする。
信号処理装置4の相関行列生成部11は、N個のA/D変換器3からデジタル受信信号を受けると、上記実施の形態1,2と同様に、N個のデジタル受信信号間の相関行列Aを生成する(図6のステップST31)。
固有ベクトル算出部12は、相関行列生成部11が相関行列Aを生成すると、上記実施の形態1,2と同様に、その相関行列Aを固有値展開することで、その相関行列AにおけるN個の固有値λnを算出するとともに、N個の固有値λnに対応する固有ベクトルenを算出する(ステップST32)。
この実施の形態3では、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルenの数Mの初期値として、“N−1”(M=N−1)が設定されるものとする(ステップST33)。固有ベクトルenの使用数Mが“N−1”の場合、干渉波に対する抑圧度が最も高い状態となる。
射影行列算出部14は、固有ベクトル算出部12がN個の固有値λ1,λ2,・・・,λNと、N個の固有ベクトルe1,e2,・・・,eNを算出すると、N個の固有値λ1,λ2,・・・,λNの大きさを比較して、N個の固有値λ1,λ2,・・・,λNの中から、値が大きい上位M個の固有値λmを選択する。初期段階では、M=N−1に設定されているため、値が大きい上位(N−1)個の固有値λmを選択する。
そして、射影行列算出部14は、N×Nの単位行列IN×Nと、選択したM個の固有値λmに対応するM個の固有ベクトルemとから射影行列Cprjを算出する(ステップST34)。
荷重算出部13の荷重算出処理部15は、射影行列算出部14が射影行列Cprjを算出すると、上記実施の形態1,2と同様に、その射影行列Cprjから、N個のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号に対するアダプティブ荷重wprjを算出する(ステップST35)。
状態良否判定部16の判定結果が、干渉波の抑圧状態が良である旨を示すまで、ステップST34〜ST37の処理が繰り返し実施される。
制御部17は、状態良否判定部16の判定結果が、干渉波の抑圧状態が良である旨を示している場合(ステップST36:YESの場合)、固有ベクトルemの使用数Mを減らす指示を行わず、制御の完了通知を荷重選択部18に出力する。
信号合成部19は、荷重選択部18がアダプティブ荷重wprjを選択すると、そのアダプティブ荷重wprjを用いて、N個のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号を合成し、N個のデジタル受信信号の合成信号を出力する(ステップST39)。
また、演算負荷の増加を抑えることができる。
上記実施の形態1では、制御部17が、状態良否判定部16の判定結果にしたがってアダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルemの数Mの変更を荷重算出部13に指示する例を説明しているが、この実施の形態4では、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルemの数Mの変更要求を受け付け、その変更要求にしたがって固有ベクトルemの使用数Mの変更を荷重算出部13に指示する例を説明する。
図7及び図8において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
レーダ処理部31は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどを実装している図8のレーダ処理回路41で実現されるものである。レーダ処理部31は荷重算出部13により算出されたアダプティブ荷重wprjを用いて、N個のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号を合成し、N個のデジタル受信信号の合成信号から観測対象の位置を検出するレーダ処理を実施し、そのレーダ処理の検出結果を例えば外部の表示装置に出力する処理を実施する。
制御部33は例えば図8の制御処理回路26で実現されるものであり、要求受付部32により受け付けられた変更要求にしたがって固有ベクトルの使用数の変更を荷重算出部13に指示する処理を実施する。
例えば、信号処理装置の構成要素のうち、要求受付部32以外の構成要素がソフトウェアやファームウェアなどで実現される場合、相関行列生成部11、固有ベクトル算出部12、射影行列算出部14、荷重算出処理部15、レーダ処理部31、制御部33、荷重選択部18及び信号合成部19の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを図3に示すメモリ51に格納し、図3に示すプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図9はこの発明の実施の形態4による信号処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
信号処理装置4の相関行列生成部11は、N個のA/D変換器3からデジタル受信信号を受けると、上記実施の形態1と同様に、N個のデジタル受信信号間の相関行列Aを生成する(図9のステップST41)。
固有ベクトル算出部12は、相関行列生成部11が相関行列Aを生成すると、上記実施の形態1と同様に、その相関行列Aを固有値展開することで、その相関行列AにおけるN個の固有値λnを算出するとともに、N個の固有値λnに対応する固有ベクトルenを算出する(ステップST42)。
この実施の形態4では、アダプティブ荷重wprjの算出に用いる固有ベクトルenの数Mの初期値として、M0(M=M0)が設定されるものとする(ステップST43)。ただし、1≦M0≦N−1である。
射影行列算出部14は、固有ベクトル算出部12がN個の固有値λ1,λ2,・・・,λNと、N個の固有ベクトルe1,e2,・・・,eNを算出すると、N個の固有値λ1,λ2,・・・,λNの大きさを比較して、N個の固有値λ1,λ2,・・・,λNの中から、値が大きい上位M0個の固有値λm(m=1,2,・・・,M0)を選択する。
そして、射影行列算出部14は、上記実施の形態1と同様に、N×Nの単位行列IN×Nと、選択したM0個の固有値λmに対応するM0個の固有ベクトルemとから射影行列Cprjを算出する(ステップST44)。
荷重算出部13の荷重算出処理部15は、射影行列算出部14が射影行列Cprjを算出すると、上記実施の形態1と同様に、その射影行列Cprjから、N個のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号に対するアダプティブ荷重wprjを算出する(ステップST45)。
そして、レーダ処理部31は、N個のデジタル受信信号の合成信号から観測対象の位置を検出するレーダ処理を実施し、そのレーダ処理の検出結果を例えば外部の表示装置に出力する(ステップST46)。
レーダ処理の検出結果としては、例えば、観測対象の位置を示すPPI(Plan Position Indicator)の2次元データなどが考えられる。
合成信号から観測対象の位置を検出するレーダ処理自体は公知の技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
レーダ処理の検出結果が外部の表示装置等に出力されることで、レーダ処理の検出結果が外部の表示装置等に表示される(ステップST47)。これにより、ユーザは、外部の表示装置等の表示内容を見ることで、アダプティブ荷重wprjが適正であるか否かを把握することができる。
要求受付部32は、外部の操作装置から出力された固有ベクトルemの使用数Mの変更要求を受け付けて、その変更要求を制御部33に出力する。
ユーザが固有ベクトルemの使用数Mの変更要求を入力しなくなるまで、ステップST44〜ST50の処理が繰り返し実施される。
制御部17は、ユーザが固有ベクトルemの使用数Mの変更要求を入力しなくなると(ステップST49:NOの場合)、例えば、レーダ処理部31がレーダ処理の検出結果を出力してから、一定期間を経過しても、固有ベクトルemの使用数Mの変更要求が入力されない場合、制御の完了通知を荷重選択部18に出力する。
信号合成部19は、荷重選択部18がアダプティブ荷重wprjを選択すると、そのアダプティブ荷重wprjを用いて、N個のA/D変換器3から出力されたデジタル受信信号を合成し、N個のデジタル受信信号の合成信号を出力する(ステップST52)。
また、演算負荷の増加を抑えることができる。
Claims (14)
- アレーアンテナを構成している複数のアンテナの受信信号間の相関行列を生成する相関行列生成部と、
前記相関行列生成部により生成された相関行列における複数の固有値に対応する固有ベクトルを算出する固有ベクトル算出部と、
前記固有ベクトル算出部により算出された複数の固有ベクトルのうち、1つ以上の固有ベクトルを用いて、前記複数のアンテナの受信信号に対する荷重を算出する荷重算出部と、
前記荷重算出部により算出された荷重を用いて、前記複数のアンテナの受信信号を合成することでビームを形成し、前記ビームでの干渉波の抑圧状態の良否を判定する状態良否判定部と、
前記状態良否判定部の判定結果にしたがって前記荷重の算出に用いる前記固有ベクトルの数の変更を前記荷重算出部に指示する制御部と、
前記複数のアンテナの受信信号に対する荷重として、前記荷重算出部により算出された荷重の中から、前記状態良否判定部により干渉波の抑圧状態が良であると判定された際のビームの形成に用いている荷重を選択する荷重選択部と
を備えた信号処理装置。 - 前記荷重選択部により選択された荷重を用いて、前記複数のアンテナの受信信号を合成する信号合成部を備えたことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
- 前記荷重算出部は、
前記固有ベクトル算出部により算出された複数の固有ベクトルの中から、1つ以上の固有ベクトルを選択し、単位行列と前記選択した固有ベクトルから射影行列を算出する射影行列算出部と、
前記射影行列算出部により算出された射影行列から前記複数のアンテナの受信信号に対する荷重を算出する荷重算出処理部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。 - 前記射影行列算出部は、前記固有ベクトル算出部により算出された複数の固有ベクトルの中から、値が相対的に大きな固有値に対応している固有ベクトルを選択することを特徴とする請求項3記載の信号処理装置。
- 前記制御部は、前記状態良否判定部により干渉波の抑圧状態が否であると判定された場合、前記荷重の算出に用いる前記固有ベクトルの数の変更を前記荷重算出部に指示することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
- 前記制御部は、前記荷重の算出に用いる前記固有ベクトルの数の初期値を1に設定し、前記状態良否判定部により干渉波の抑圧状態が良であると判定された場合、前記状態良否判定部により干渉波の抑圧状態が否であると判定されるまで、前記荷重の算出に用いる前記固有ベクトルの数を増やす指示を前記荷重算出部に繰り返し出力することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
- 前記制御部は、前記荷重の算出に用いる前記固有ベクトルの数の初期値を前記複数のアンテナの数より1つ少ない数に設定し、前記状態良否判定部により干渉波の抑圧状態が否であると判定された場合、前記状態良否判定部により干渉波の抑圧状態が良であると判定されるまで、前記荷重の算出に用いる前記固有ベクトルの数を減らす指示を前記荷重算出部に繰り返し出力することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
- 前記状態良否判定部は、前記ビームのボアサイト方向の利得が第1の閾値以上である場合、前記干渉波の抑圧状態が良であると判定し、前記利得が前記第1の閾値未満である場合、前記干渉波の抑圧状態が否であると判定することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
- 前記状態良否判定部は、前記ビームのボアサイト方向からずれている方向の利得が第2の閾値以上である場合、前記干渉波の抑圧状態が良であると判定し、前記利得が前記第2の閾値未満である場合、前記干渉波の抑圧状態が否であると判定することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
- 前記状態良否判定部は、前記ビームのボアサイト方向の方位方向に対する微分値が第3の閾値以下である場合、前記干渉波の抑圧状態が良であると判定し、前記微分値が前記第3の閾値より大きい場合、前記干渉波の抑圧状態が否であると判定することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
- 前記状態良否判定部は、前記干渉波の入射方向の利得が第4の閾値以下である場合、前記干渉波の抑圧状態が良であると判定し、前記利得が前記第4の閾値より大きい場合、前記干渉波の抑圧状態が否であると判定することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
- アレーアンテナを構成している複数のアンテナの受信信号間の相関行列を生成する相関行列生成部と、
前記相関行列生成部により生成された相関行列における複数の固有値に対応する固有ベクトルを算出する固有ベクトル算出部と、
前記固有ベクトル算出部により算出された複数の固有ベクトルのうち、1つ以上の固有ベクトルを用いて、前記複数のアンテナの受信信号に対する荷重を算出する荷重算出部と、
前記荷重算出部により算出された荷重を用いて、前記複数のアンテナの受信信号を合成し、前記複数の受信信号の合成信号から観測対象の位置を検出するレーダ処理を実施し、前記レーダ処理の検出結果を出力するレーダ処理部と、
前記アダプティブ荷重の算出に用いる前記固有ベクトルの数の変更要求を受け付ける要求受付部と、
前記要求受付部により受け付けられた変更要求にしたがって固有ベクトルの数の変更を前記荷重算出部に指示する制御部と
を備えた信号処理装置。 - アレーアンテナを構成している複数のアンテナと、
前記複数のアンテナの受信信号間の相関行列を生成する相関行列生成部と、
前記相関行列生成部により生成された相関行列における複数の固有値に対応する固有ベクトルを算出する固有ベクトル算出部と、
前記固有ベクトル算出部により算出された複数の固有ベクトルのうち、1つ以上の固有ベクトルを用いて、前記複数のアンテナの受信信号に対する荷重を算出する荷重算出部と、
前記荷重算出部により算出された荷重を用いて、前記複数のアンテナの受信信号を合成することでビームを形成し、前記ビームでの干渉波の抑圧状態の良否を判定する状態良否判定部と、
前記状態良否判定部の判定結果にしたがって前記荷重の算出に用いる前記固有ベクトルの数の変更を前記荷重算出部に指示する制御部と、
前記複数のアンテナの受信信号に対する荷重として、前記荷重算出部により算出された荷重の中から、前記状態良否判定部により干渉波の抑圧状態が良であると判定された際のビームの形成に用いている荷重を選択する荷重選択部と
前記荷重選択部により選択された荷重を用いて、前記複数のアンテナの受信信号を合成する信号合成部と
を備えたアレーアンテナ装置。 - アレーアンテナを構成している複数のアンテナと、
前記複数のアンテナの受信信号間の相関行列を生成する相関行列生成部と、
前記相関行列生成部により生成された相関行列における複数の固有値に対応する固有ベクトルを算出する固有ベクトル算出部と、
前記固有ベクトル算出部により算出された複数の固有ベクトルのうち、1つ以上の固有ベクトルを用いて、前記複数のアンテナの受信信号に対する荷重を算出する荷重算出部と、
前記荷重算出部により算出された荷重を用いて、前記複数のアンテナの受信信号を合成し、前記複数の受信信号の合成信号から観測対象の位置を検出するレーダ処理を実施し、前記レーダ処理の検出結果を出力するレーダ処理部と、
前記アダプティブ荷重の算出に用いる前記固有ベクトルの数の変更要求を受け付ける要求受付部と、
前記要求受付部により受け付けられた変更要求にしたがって固有ベクトルの数の変更を前記荷重算出部に指示する制御部と、
前記荷重算出部により算出された荷重を用いて、前記複数のアンテナの受信信号を合成する信号合成部と
を備えたアレーアンテナ装置。
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