JP6422075B2 - 組成物及び組成物を利用したモーター蛋白デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、組成物、特に抗体とレールタンパク質とを結合する組成物及びこの組成物を利用したモーター蛋白デバイスに関する。
真核生物の細胞内には、運動を発生する共通の機構があり、それが筋収縮、鞭毛運動、アメーバ運動、原形質流動のような運動だけでなく、物質輸送や染色体分配といった一般的機能を担っている。また、この機構には、細胞骨格と呼ばれるタンパク質繊維とその上を滑走するモータータンパク質と呼ばれるタンパク質群が関わっている。モータータンパク質は、アデノシン三リン酸(ATP)の加水分解によって生じる化学エネルギーを運動に変換して、細胞内を移動するタンパク質の総称である。モータータンパク質としては、例えば、アクチンと相互作用して滑り運動を起こすミオシンや、微小管と相互作用して滑り運動を起こすキネシン及びダイニンが知られている。また、このようなアクチンや微小管等の細胞骨格は、レールタンパク質とも呼ばれている。
このようなモータータンパク質とレールタンパク質との相互作用を利用し、DNA等の目的分子を高効率に輸送・捕集することを目的として、例えば、モータータンパク質を固定化した基板上に、目的分子との結合・分離が可能な修飾がなされたレールタンパク質を滑走させ、該レールタンパク質を輸送分子として作用させるシステムが報告されている(特許文献1〜3参照)。また、本発明者らは、以前、抗原抗体反応を利用して、目的分子を効率的に搬送して検出することができるモーター蛋白デバイスを報告している(特許文献4参照)。
一方、上記の抗原抗体反応を利用したシステムにおいて、目的分子の抗体とレールタンパク質であるアクチンとを結合する組成物として、SM(PEG)12試薬(succinimidyl-[(N-maleimidopropionamido)-dodecaethyleneglycol] ester)が報告されている(非特許文献1参照)。SM(PEG)12試薬は、スペーサーアームにポリエチレングリコール(12単位)をもち、アミノ基及びスルフヒドリル基反応性を有する二価性架橋試薬である。SM(PEG)12試薬は、抗体のアミノ基とSM(PEG)12試薬のNHSエステル基とをアミド結合により、また、アクチンのスルフヒドリル基とSM(PEG)12試薬のマレイミド基とをチオエーテル結合による化学架橋を行い、抗体とアクチン間を結合させ、分子輸送ユニットとして利用することができる。
しかし、上記非特許文献1に記載されたSM(PEG)12試薬は、タンパク質とポリエチレングリコールとの化学反応を行うため、反応効率が低く、また、反応時間が非常に長くなってしまったりして、高い収率が得られなかった。さらにまた、SM(PEG)12試薬は、上記の化学反応により、タンパク質の生理活性が損なわれることがあり、分子輸送ユニットとしての性能は十分とはいえなかった。したがって、SM(PEG)12試薬を利用した方法では、分子輸送ユニットとして、現実的な使用性は低いものとなっていた。
特開2006−204241号公報 特開2006−288336号公報 特開2007−111004号公報 WO2013/081035号公報
Saroj Kumar, et al., "Antibodies Covalently Immobilized on Actin Filaments for Fast Myosin Driven Analyte Transport," PLoS ONE, vol.7, Issue 10, e46298, Oct 2012
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、反応効率が向上することが可能であり、分子輸送ユニットを効率よく合成することができる組成物及び組成物を利用したモーター蛋白デバイスを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る1つの態様は、抗体とレールタンパク質とを結合する組成物であって、上記抗体に結合する抗体結合タンパク質と、上記抗体結合タンパク質とビオチンを介して結合する1又は2以上のビオチン結合タンパク質と、上記ビオチン結合タンパク質と上記ビオチンを介して結合し、かつ、上記レールタンパク質と選択的に結合する1又は2以上のレールタンパク質結合タンパク質とを備える組成物を提供する。
(2)上記抗体結合タンパク質は、上記(1)に記載の組成物において、プロテインAであってもよい。
(3)上記レールタンパク質は、上記(1)又は(2)に記載の組成物において、アクチンフィラメント及び微小管を構成するタンパク質から選択される1種又は2種以上であってもよい。
(4)上記レールタンパク質結合タンパク質は、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の組成物において、ファロイジンであってもよい。
(5)上記ビオチン結合タンパク質は、上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の組成物において、アビジン又はストレプトアビジンであってもよい。
(6)本発明に係る1つの態様は、抗原抗体反応を利用して担体分子が目的分子を捕集する捕集領域と、化学平衡を利用して上記担体分子から上記目的分子を荷降ろしする荷降ろし領域と、を含み、上記担体分子が上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の組成物であるモーター蛋白デバイスを提供する。
本発明によれば、反応効率が向上することが可能であり、分子輸送ユニットを効率よく合成できる組成物及びこの組成物を利用したモーター蛋白デバイスを提供できる。
(a)本発明の一実施形態に係る組成物の構造を示す図。(b)本発明の一実施形態に係る組成物を介して、抗体とレールタンパク質とが結合した一例を示す図。 本発明の一実施形態に係るモーター蛋白デバイスの基本構成を例示する図。 (a)本発明の一実施形態に係るがんセンサアレーとなるSi半導体基板の構造を説明する図。(b)モーター蛋白デバイスを備えるがんセンサアレーを例示する図。(c)モーター蛋白デバイスを備えるがんセンサアレーを例示する断面図。 本発明の一実施形態に係るモーター蛋白デバイスを用いたインピーダンスの測定結果を示す図。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
(組成物)
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る組成物の構造を示す図であり、図1(b)は、本発明の一実施形態に係る組成物を介して、抗体とレールタンパク質とが結合した一例を示す図である。図1(a)及び図1(b)に示すように、本発明の第1実施形態に係る組成物1は、抗体Ab1に結合する抗体結合タンパク質10と、抗体結合タンパク質10とビオチン30aを介して結合する1又は2以上のビオチン結合タンパク質20と、ビオチン30cを介して結合し、かつ、レールタンパク質RPと選択的に結合する1又は2以上のレールタンパク質結合タンパク質40とを備え、抗体Ab1とレールタンパク質RPとを結合するコネクタとして作用する。
(抗体結合タンパク質)
抗体結合タンパク質10は、抗体Ab1と特異的に結合することができ、また、1又は2以上のビオチン結合タンパク質20とビオチン30(30a〜30d)を介して結合することができるものであれば特に限定されない。抗体結合タンパク質10としては、例えば、プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、プロテインLが挙げられる。なかでも、入手性・知見の多さの点から、プロテインAが好ましい。また、抗体結合タンパク質10は、タンパク質全体に限定されず、抗体結合能を持つドメイン(例えば、プロテインAにおけるBドメイン)のみを使用することができる。
(ビオチン及びビオチン結合タンパク質)
ビオチン結合タンパク質20は、ビタミンB群に分類される低分子ビタミンの一種であるビオチン30と特異的に結合することができるものであれば特に限定されず、例えば、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジンが挙げられる。アビジン等のビオチン結合タンパク質20が複数個結合した融合タンパク質であってもよく、この融合タンパク質は、リンカーで化学的に結合されたものであってもよい。
アビジンは、卵白中に存在する分子量約68kDaの塩基性糖タンパク質であり、4個のサブユニットから構成される。各サブユニットは、それぞれ1分子のビオチン30(30a〜30d)と結合する。ストレプトアビジンは、ストレプトマイセスの一種であるStreptomyces avidiniiにより作られるタンパク質であり、アビジンと同様、4個のサブユニットから構成され、各サブユニットがそれぞれ1分子のビオチン30と結合する。ニュートラアビジンは、アビジンを脱グリコシル化することでレクチンとの非特異結合を抑えたビオチン結合タンパク質20である。ビオチン結合タンパク質20は、ビオチン30に対する親和性の高さ(解離係数Kd=10−15〜10−14mol/L)及び不可逆的な結合性から、アビジン又はストレプトアビジンが好ましい。
ビオチン30(30a〜30d)は、カルボキシル基を有しており、それ自身に化学修飾を施すことにより、タンパク質の各種官能基と共有結合をすることができる。これにより、ビオチン結合タンパク質20は、ビオチン30を介して抗体結合タンパク質10及び後述するレールタンパク質結合タンパク質40と不可逆的に強く結合することができる。また、例えば、ビオチン結合タンパク質20がアビジンの場合、アビジン1分子あたり4分子のビオチン30(30a〜30d)と結合することができる。図1では、ビオチン結合タンパク質20は、ビオチン30aを介して抗体結合タンパク質10と結合し、ビオチン30cを介して後述するレールタンパク質結合タンパク質40と結合しているが、これに限られない。ビオチン結合タンパク質20は、複数の抗体結合タンパク質10と結合し、複数種類及び/または同一種類の抗体Ab1を持つ分子輸送ユニットの作製が可能となる。同様に、ビオチン結合タンパク質20は、複数のレールタンパク質結合タンパク質40とも結合することができる。
(レールタンパク質結合タンパク質)
レールタンパク質結合タンパク質40は、ビオチン30と結合能を有し、また、レールタンパク質RPと選択的に結合することができるものであれば特に限定されない。そして、レールタンパク質RPは、モータータンパク質MPに対して滑り運動を発現するタンパク質であれば特に限定されず、例えば、アクチン、アクチンフィラメント、チューブリン、微小管が挙げられる。アクチンは、マイクロフィラメントの1種であるアクチンフィラメントを構成する球状タンパク質として知られており、分子量が約42000の球形アクチンはG−アクチンと呼ばれている。また、アクチンフィラメントは、こうしたアクチンの重合体であって、螺旋状の多量体を形成する糸状の重合体である。アクチンフィラメントを構成するタンパク質には、必要に応じて、各種アクチンフィラメント結合タンパク質、アクチン調節タンパク質等を備えていてもよく、例えば、トロポミオシン、フィンブリン、α−アクチニン、フィラミン、ゲルゾリン、スペクトリンを挙げることができる。チューブリンは、微小管や中心体を構成するタンパク質であり、α、β及びγがあることが知られている。通常、α−チューブリンとβ−チューブリンが1個ずつ結合したヘテロ二量体を基本ユニットとして、繊維状に連結した微小管のプロトフィラメントを構成し、このプロトフィラメントが管状に11〜16本程度結合したものが微小管である。微小管を構成するタンパク質には、必要に応じて、微小管結合タンパク質等の微小管構成タンパク質以外のタンパク質を含んでいてもよい。
レールタンパク質RPがアクチンフィラメントを構成するタンパク質であるとき、レールタンパク質結合物質40は、ファロイジン、トロポミオシンを挙げることができる。なかでも、アクチンフィラメントを構成するタンパク質との結合性の高さから、ファロイジンが好ましい。また、レールタンパク質RPが微小管を構成するタンパク質であるとき、レールタンパク質結合物質40は、コルヒチン、タキソールを挙げることができる。なかでも、微小管を構成するタンパク質との結合性の高さから、タキソールが好ましい。
モータータンパク質MPは、レールタンパク質RPに対して相互作用を行い、滑り運動を発現するタンパク質であれば特に限定されない。こうしたモータータンパク質MPとしては、アクチンフィラメントを構成するタンパク質に対するミオシン、ミオシンフィラメント、微小管を構成するタンパク質に対するキネシンやダイニンが挙げられる。
本発明の組成物1は、非特異的結合を利用し、複数種類の抗体Ab1とレールタンパク質RPとを結合する組成物1であり、抗体Ab1に結合する抗体結合タンパク質10と、抗体結合タンパク質10とビオチン30(30a〜30d)を介して結合する1又は2以上のビオチン結合タンパク質20と、ビオチン結合タンパク質20とビオチン30(30a〜30d)を介して結合し、かつ、レールタンパク質RPと選択的に結合する1又は2以上のレールタンパク質結合タンパク質40とを備える。これらが一定の会合体を形成し、レールタンパク質RPがモータータンパク質MPに対して相互作用を行うとき、滑り運動が生じ、当該滑り運動に基づく抗体Ab1の運動を外部に出力し、特定の抗原を搬送できる構造を有する分子輸送ユニットを形成できる。
(組成物の製造方法)
本発明の組成物1の製造方法は、例えば、(a)抗体結合タンパク質10をビオチン化する工程と、(b)レールタンパク質結合タンパク質40をビオチン化する工程と、(c)ビオチン化した抗体結合タンパク質10とビオチン化したレールタンパク質結合タンパク質40とを混合する工程と、(d)(c)工程で得られたビオチン化した抗体結合タンパク質10とビオチン化したレールタンパク質結合タンパク質40との混合液に、ビオチン結合タンパク質20を添加して混和する工程と、(e)さらにビオチン30を添加して混和する工程と、を含むことができる。この製造方法によれば、従来の製造方法と比較して、効率よく合成ができ、収率の高い、抗体Ab1とレールタンパク質RPとを結合する組成物1を得ることができる。
(a)抗体結合タンパク質10をビオチン化する工程は、既知の手法の利用や市販のタンパク質ビオチン化キットを用いることができ、また、市販のビオチン化された抗体結合タンパク質10を使用してもよい。例えば、抗体結合タンパク質10がプロテインAの場合、以下の方法によって、ビオチン化を行うことができる。まず、プロテインAをpH=7.4の緩衝液に1.0mg/mL以上10.0mg/mL以下の濃度にて溶解する。プロテインAが溶解されていた溶液が以降の反応に適していない場合には、透析等による溶液置換を行う。次に、プロテインA 1.0モル当たり、ビオチン(またはビオチン水溶液)を2倍モル量添加し、4℃、1時間反応させる。そして、L−システインをプロテインAと当モル量添加し、反応を停止させ、ビオチン化プロテインAを回収する。
同様に、(b)レールタンパク質結合タンパク質40をビオチン化する工程は、既知の手法の利用や市販のタンパク質ビオチン化キットあるいは市販のビオチン化されたレールタンパク質結合タンパク質40を使用してもよい。
(c)ビオチン化した抗体結合タンパク質10とビオチン化したレールタンパク質結合タンパク質40とを混合する工程は、両タンパク質の変性を防止する点から、氷上で行うことが好ましい。また、両タンパク質の結合の効率化の点から、ビオチン化した抗体結合タンパク質10とビオチン化したレールタンパク質結合物質40との比率(モル比率)は、1:0.8以上1:3.0以下とすることが好ましい。
(d)(c)工程で得られたビオチン化した抗体結合タンパク質10とビオチン化したレールタンパク質結合タンパク質40との混合液に、ビオチン結合タンパク質20を添加して混和する工程においては、ビオチン化した抗体結合タンパク質10とビオチン結合タンパク質20のモル比率は、例えば、ビオチン化ファロイジンとストレプトアビジンの場合、1:0.9以上1:1.5以下とすることが好ましい。
(e)さらにビオチン30を添加して混和する工程においては、ビオチン結合タンパク質と工程(d)で得られた混和物との比率(モル比率)は、例えば、ビオチン化ファロイジンとビオチンの場合、1:0.2以上1:1以下とすることが好ましい。
本発明の組成物1を分子輸送ユニットとして使用する際は、作製した組成物1に対して、(f)組成物1とレールタンパク質RPとを結合する工程と、(g)抗体Ab1とビオチン化した抗体結合タンパク質10を結合する工程と、を含むことにより、分子輸送ユニットを製造することができる。(f)組成物1とレールタンパク質RPとを結合する工程は、既知の手法の利用や市販のキットを用いることができる。そして、組成物1とレールタンパク質RPとの比率(モル比率)を1:10000以上1:100以下とすることにより、効率よく結合することができる。また、(g)抗体Ab1とビオチン化した抗体結合タンパク質10を結合する工程も、既知の手法や市販のキットを利用して行うことができる。(f)組成物1とレールタンパク質RPとを結合する工程と(g)抗体Ab1とビオチン化した抗体結合タンパク質10を結合する工程は、どちらを先に行ってもよい。
(モーター蛋白デバイス)
本発明のモーター蛋白デバイスは、抗原抗体反応を利用して担体分子が目的分子を捕集する捕集領域と、化学平衡を利用して上記担体分子から上記目的分子を荷降ろしする荷降ろし領域とを含み、上記担体分子として組成物1を使用するものである。図2は、本発明の一実施形態に係るモーター蛋白デバイスの基本構成を例示する図である。モーター蛋白デバイス100は、捕集領域110、荷降ろし領域120を含む。これらの領域は、例えば、タンパク質を固定化可能な基板上に設けられ、緩衝溶液等で満たされる。また、当該緩衝溶液は、必要に応じ、モータータンパク質を活性化するためのATP(アデノシン3リン酸)やCaged−ATP等の誘導体を含有することができる。
捕集領域110は、抗原抗体反応を利用して担体分子150が目的分子160を捕集する領域である。担体分子150とは、いわゆる分子輸送ユニットであり、担体分子150には、所定抗原との結合が可能な上記組成物1を使用することができる。一例として、担体分子150は、組成物1により所定抗体Ab1を修飾したレールタンパク質RPのアクチンを含み、捕集領域110及び荷降ろし領域120は、固定化されたモータータンパク質MPのミオシンを含むことができる。
目的分子160は、抗原抗体反応を利用した濃縮・検出において、濃縮・検出の目的となる分子のことをいう。目的分子160は、担体分子150に捕集されるものであれば、特に限定されない。目的分子160は、目的分子160を化学修飾した誘導体や、所定抗体との結合が可能な抗原部位を修飾したものを含むことができ。例えば、タンパク質、ペプチド、糖類、脂質類及び核酸を挙げることができる。さらに、抗原、免疫グロブリン、腫瘍マーカー、リガンド、ウイルス、細菌等を含むことができる。
荷降ろし領域120は、化学平衡を利用して担体分子150から目的分子160を荷降ろしする領域である。荷降ろし領域120は、単位表面積において担体分子150に修飾された所定抗体よりも高い補足力または高濃度の、目的分子160又は所定抗原との結合能を有する物質を含むことができる。一例として、荷降ろし領域120は、目的分子160と結合可能な抗体Ab2を含み、この抗体Ab2が担体分子150よりも高い補足力を有すること、または高濃度であることにより、化学平衡を利用して、目的分子160を担体分子150から荷降ろしさせることができる。
さらに、モーター蛋白デバイス100は、荷降ろし領域120における目的分子160の濃度変化を検出する分析部140と接続し、目的分子160が荷降ろし領域120に荷降ろしされたことを検出することができる。分析部140は、例えば、電気的検出手段の一部としての電極141、142を備え、これらの電極141、142を介して荷降ろし領域120のインピーダンスまたは当該インピーダンスの変化を検出することができる。すなわち、モーター蛋白デバイス100において、荷降ろし領域120のインピーダンスまたは当該インピーダンスの変化として、荷降ろし領域120における目的分子160の濃度変化を検出することができる。一例として、上記所定抗体Ab2は、少なくとも1つの免疫グロブリンとの結合能を有することができる。
これらのように構成することにより、モーター蛋白デバイス100の担体分子150は、捕集領域110において、抗原抗体反応を利用して、目的分子160としての免疫グロブリンを捕集した後、荷降ろし領域120まで移動できる。荷降ろし領域120においては、単位表面積において担体分子150に修飾された抗体よりも高い補足力または高濃度の抗体が含まれているため、目的分子160としての免疫グロブリンは、化学平衡により、荷降ろし領域120にある抗体Ab2に結合する。すなわち、担体分子150は、目的分子160を荷降ろし領域120に荷降ろしすることができる。時間の経過により、担体分子150が次々に荷降ろし領域120において免疫グロブリンを荷降ろし続けることにより、荷降ろし領域120には免疫グロブリンが濃縮される。この免疫グロブリンの濃縮は、分析部140により、荷降ろし領域120のインピーダンスの変化として検出することができる。
また、本発明のモーター蛋白デバイス100は、がんセンサアレーとして使用することができる。図3は、本発明の一実施形態にかかるモーター蛋白デバイス100を備えるがんセンサアレーの例を示す図である。該がんセンサアレーでは、目的分子150は腫瘍マーカーである。図3(a)は、がんセンサアレーとなるSi半導体基板の構造を説明する図であり、図3(b)は、モーター蛋白デバイスを備えるがんセンサアレーを例示する図であり、図3(c)は、モーター蛋白デバイスを備えるがんセンサアレーを例示する断面図である。
がんセンサアレーの荷積み領域190に、目的分子160が含まれると思われる検体をのせると、担体分子150のアクチンは、捕集した腫瘍マーカーを搬送し、荷降ろし領域120において腫瘍マーカーを荷降ろしする。荷降ろし領域120には、腫瘍マーカーが時間の経過とともに次々に荷降ろしされ、濃縮される。一方、参照領域125には腫瘍マーカーが濃縮されないため、荷降ろし領域120における目的分子160の濃度上昇は、分析部140に含まれる分析回路145が測定する荷降ろし領域120のインピーダンスの変化として、あるいは分析回路147による荷降ろし領域120と参照領域125とのインピーダンスの差分の変化として、検出することができる。
そして、図3(b)に例示するように、該がんセンサアレーは、モーター蛋白デバイス100を複数積載した構造をとることができ、複数の腫瘍マーカーを同時にかつ高感度に検出することが可能となる。
がんセンサアレーの作製方法としては、例えば、以下の方法があげられる。図3(a)に例示する、トラック状の流路を有する表面構造をもつSi半導体基板を、標準CMOSプロセスにより製作し、荷降ろし領域120と参照領域125の流路には、メタル配線層を利用した対向電極及び電極パッド191を形成する。さらに、トラック状流路以外のエリアにはリフトオフ用のレジストをコートする。
得られたSi半導体基板を、イソプロピルアルコールで1時間超音波洗浄し、無塵中で、60℃2時間加熱し、乾燥させ、表面コート剤をSi半導体基板にスピンコーターでコーティングする。これを無塵中で、加熱して乾燥させ、Si半導体基板の表面の疎水化処理を行った。さらに、70℃のNMP(N‐メチルピロリドン)溶液中でリフトオフ処理を行い、レジストを除去し、トラック内だけを疎水性になるようにする。
そして、図3(c)に示すように、半導体プラスチックパッケージ220内に、チップ全体を覆う粘着層付きアルミラミネートカバーフィルム200を所定の大きさにカットし、チップ表面に張った。
モータータンパク質MPとして、骨格筋ミオシンを、pH緩衝液で希釈して得たpH=8.0のモーター蛋白溶液に、カバー蛋白質20μg/mLを加えた溶液を作製し、スポッティングディスペンサーでSi半導体基板210のトラック全面に印刷し、目的分子150として、腫瘍マーカーを選択し、荷降ろし領域120にスポッティングディスペンサーで印刷した。
Sephadex G−25を用い、1.0mg/mLの腫瘍マーカーの抗体を、50mM リン酸緩衝液にて調整し、これに本発明の組成物1を加え、輸送ユニット蛋白を調整した。
(担体分子150の作成とSi半導体基板への注入)
輸送ユニット蛋白と、骨格筋アクチン繊維を溶媒(50mM imidazole−HCl(pH=7.4)、2.0mM MgCl、1.0mM ATP、1mM DTT、10mMクレアチンリン酸、100U/mLクレアチンキナーゼ)中にて混合し、担体分子150となるナノ輸送繊維を得る。これを、Si半導体基板210上に15μL滴下し、さらに、2.0μLを滴下し、表面の溶液2.0μLを吸引洗浄する。Si半導体基板210上に、ジエチルアミノエチル(DEAE)イオン交換膜を装着、周囲の水分を吸引する。表面処理を行ったカバーガラスを装着し、親水性接着剤を用い、加圧して接着する。
このがんセンサアレーに、腫瘍マーカーを含む人工血清を滴下して、センサユニットの半導体回路230を使い、インピーダンス計測を可能にする。
検体の一例として、血液、血清、血漿、尿、汗、疾、前立腺液、胃液、腸液、腎液、肺液、脳脊髄液、髄液、精子等あるいは脳、食道、胃、肺、小腸、大腸、すい臓、肝臓、腎臓、膀胱、脾臓、甲状腺、睾丸、子宮、骨等の組織から調製された試料を含むことができる。また、腫瘍マーカーの一例として、AFP、BCA225、CA15−3、CA19−9、CA72−4、CA125、CEA、CYFRA、DUPAN−2、NMP22、NSE、PA(PSA)、PIVKA−II、ProGRP、SCC、SLX、TPA、γ一Sm、抗p53抗体、エラスターゼ1等を含むことができる。
以下、本発明について、実施例をあげて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(組成物の作製)
まず、本発明の組成物1を製造した。プロテインAをpH=7.4の緩衝液に1.0mg/mL以上10.0mg/mL以下の濃度にて溶解する。プロテインAが溶解されていた溶液が以降の反応に適していない場合には、透析等による溶液置換を行った。次に、プロテインA 1.0モル当たり、ビオチンを2倍モル量添加し、4℃、1時間反応させた後、L−システインをプロテインAと当モル量添加し、反応を停止させ、ビオチン化プロテインAを回収した。
次に、市販のビオチン化ファロイジンを用意し、ビオチン化プロテインAと、ビオチン化ファロイジンとを、1:0.8以上1:3.0以下のモル比率で氷上にて混合した。
先の工程で得られたビオチン化プロテインAと、ビオチン化ファロイジンとの混合液にストレプトアビジンを混和する際、ビオチン化ファロイジンとストレプトアビジンとを、1:0.9以上1:1.5以下のモル比率となるように添加して、混和した。
さらに、先の工程で得られたビオチン化プロテインA、ビオチン化ファロイジン及びストレプトアビジンの混合液にビオチンを混和する際、ビオチン化ファロイジンとビオチンとを、1:0.2以上1:1以下のモル比率となるように添加して、混和し、組成物を得た。
(モーター蛋白デバイス100とインピーダンスの測定)
抗原抗体反応を利用して担体分子が目的分子を捕集する捕集領域と、化学平衡を利用して前記担体分子から前記目的分子を荷降ろしする荷降ろし領域と、を含むモーター蛋白デバイス100の担体分子として、作製した組成物1を使用し、アジレント・テクノロジー社のプレシジョン インピーダンスアナライザ4294Aにインピーダンス・プローブ・キット42941Aを組み付けたものを用いて、インピーダンスの測定を試みた。該プローブをパッケージングされたモーター蛋白デバイス100のPINと接続し、インピーダンス変化を測定・評価した。代表的なタンパク質であるBSAウシ血清アルブミン(Bovine serum albumin)をモーター蛋白デバイス100上で輸送濃縮した結果、BSAの濃度に対するインピーダンス(3.16MHz)の変化を図4に示す。図4に示す通り、組成物1を用いたモーター蛋白デバイス100は、BSAの濃度変化をインピーダンスとして出力・測定できた。
(がんセンサアレー)
本組成物1を用いて、がんセンサアレーを作製し、そのインピーダンスを計測した。まず、図3(a)に例示する、トラック状の流路を有する表面構造をもつSi半導体基板を、標準CMOSプロセスにより製作した。ここで、荷降ろし領域120と参照領域125の流路幅は1.2μm、荷積み領域90の円弧の流路幅は10μmとした。荷降ろし領域120と参照領域125の流路には、メタル配線層を利用した対向電極及び電極パッド191を形成した。さらに、トラック状流路以外のエリアにはリフトオフ用のレジストをコートした。
(Si半導体基板の表面処理)
得られたSi半導体基板を、イソプロピルアルコールで1時間超音波洗浄し、無塵中で、60℃2時間加熱し、乾燥させた。さらに、表面コート剤(信越化学工業製、KJC7022)を0.001mg/mLに調整し、Si半導体基板にスピンコーターでコーティングした。これを無塵中で、60℃5時間加熱して乾燥させ、Si半導体基板の表面の疎水化処理を行った。さらに、70℃のNMP(N‐メチルピロリドン)溶液中でリフトオフ処理を行い、レジストを除去し、トラック内だけを疎水性になるようにした。
(カバーフィルム)
チップ全体を覆う粘着層付きアルミラミネートカバーフィルム所定の大きさにカット、チップ表面に張った。
(モーター蛋白の印刷)
26μg/mLの骨格筋ミオシンを、25mM KCl、3.0mM MgCl2、5.0mM pH緩衝液(Tris−HCl)で希釈して得たpH=8.0のモーター蛋白溶液に、カバー蛋白質20μg/mLを加えた溶液を10作製し、スポッティングディスペンサーでSi半導体基板のトラック全面に印刷した。
(荷降ろし領域120への抗体180の印刷)
初期肺がんの腫瘍マーカーである、抗ヒトCEAモノクローナル抗体(1.0mg/mL)を抗体として選択し、荷降ろし領域120にスポッティングディスペンサーで印刷した。
(輸送ユニット蛋白の調整)
Sephadex G−25を用い、1.0mg/mLの抗ヒトCEAモノクローナル抗体0.1mLを、50mMリン酸緩衝液にて調整した。これに本発明の組成物1を加え、輸送ユニット蛋白を調整した。
(担体分子の作成とSi半導体基板への注入)
輸送ユニット蛋白と、骨格筋アクチン繊維を1:10000の割合で、溶媒(50mM imidazole−HCl(pH=7.4)、2.0mM MgCl2、1.0mM ATP、1mM DTT、10mMクレアチンリン酸、100U/mLクレアチンキナーゼ)中にて混合し、担体分子50となるナノ輸送繊維を得た。これを、Si半導体基板上に15μL滴下した。さらに、2.0μLを滴下し、表面の溶液2.0μLを吸引洗浄した。Si半導体基板上に、ジエチルアミノエチル(DEAE)イオン交換膜を装着、周囲の水分を吸引した。表面処理を行ったカバーガラスを装着し、親水性接着剤を用い、加圧して接着した。
11がんセンサアレーに、腫瘍マーカーCEAを0.10ng/mLから100ng/mL含む人工血清を2.0μL滴下した。センサユニットの半導体回路を使い、インピーダンス計測を行った。測定は並列四端子法で行われ、流路の下に設けられた分析回路147で、荷降ろし領域120と参照領域125のインピーダンス変化を差動検出し、その出力値を電圧に変換した。また比較例として、化学発光免疫測定法を使い腫瘍マーカーCEAを検出した。両者の結果を表1に示す。この結果から、本発明による初期ガン検出能力は従来法と同等であり、電気的に測定できるため、安価で高速に行えることが判明した。
Figure 0006422075
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 組成物
10 抗体結合タンパク質
20 ビオチン結合タンパク質
30,30a,30b,30c,30d ビオチン
40 レールタンパク質結合タンパク質
100 モーター蛋白デバイス
110 捕集領域
120 荷降ろし領域
140 分析部
150 担体分子
160 目的分子
Ab1,Ab2 抗体
MP モータータンパク質
RP レールタンパク質

Claims (6)

  1. 抗体とレールタンパク質とを結合する組成物であって、
    体結合タンパク質と、
    ビオチンを介して前記抗体結合タンパク質に結合した1又は2以上のビオチン結合タンパク質と、
    ビオチンを介して前記ビオチン結合タンパク質に結合した1又は2以上のレールタンパク質結合タンパク質とを備え
    前記抗体結合タンパク質が前記抗体と結合することができ、
    前記レールタンパク質結合タンパク質がレールタンパク質と選択的に結合することができることを特徴とする組成物。
  2. 前記抗体結合タンパク質は、プロテインAであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記レールタンパク質は、アクチンフィラメント及び微小管を構成するタンパク質から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記レールタンパク質結合タンパク質は、ファロイジンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記ビオチン結合タンパク質は、アビジン又はストレプトアビジンあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 抗原抗体反応を利用して担体分子が目的分子を捕集する捕集領域と、
    化学平衡を利用して前記担体分子から前記目的分子を荷降ろしする荷降ろし領域と、を含み、
    前記担体分子が請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物であることを特徴とするモーター蛋白デバイス。
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