JP6421885B1 - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
これらの性能は、血管閉塞病変部で血流を確保する為に、及び、その後の治療行為(例えばステント留置等)をする為に、ガイドワイヤに求められる重要な技術課題である。
芯線先端部の後端側に芯線後端径大部を有する芯線後端部を備える。
連接截頭円錐体は、1個の截頭円錐体の後端と先端に、芯線の長手方向の中心軸に平行な線と截頭円錐体の外形線とが成す傾斜角を有する節部を備える。
1個の截頭円錐体における先端の節部の断面二次モーメントに対する後端の節部の断面二次モーメントとの、節部での断面二次モーメント比(後端の節部の断面二次モーメント/先端の節部の断面二次モーメント)が、1を超え10.50以下で、その断面二次モーメント比が連接截頭円錐体の後端側から先端側へ徐変減少して成ることを特徴とする。
1を超え10.00以下で、その断面二次モーメント比が連接截頭円錐体の後端側から先端側へ徐変減少して成る。
後端側から先端側へ外径が徐変減少する截頭円錐体を2個以上連接した連接截頭円錐体を、少なくとも、外側コイルの後端側の芯線先端部に備える。
連接截頭円錐体は、1個の截頭円錐体の後端と先端に、芯線の長手方向の中心軸に平行な線と截頭円錐体の外形線とが成す傾斜角を有する節部を備える。
1個の截頭円錐体における先端の節部の断面二次モーメントに対する後端の節部の断面二次モーメントとの、節部での断面二次モーメント比(後端の節部の断面二次モーメント/先端の節部の断面二次モーメント)が、1を超え10.50以下で、その断面二次モーメント比が連接截頭円錐体の後端側から先端側へ徐変減少して成ることを特徴とする。
この理由は、芯線先端部の先端側徐変低柔軟特性を高めることができ、芯線先端部が先端側徐変低柔軟特性を備えながら、血管閉塞病変部での通過性を向上させる為である。
そして、節部での断面二次モーメント比が、前記下限直を下回れば、先端節部の断面二次モーメントが後端節部の断面二次モーメントよりも大きくなり、先端節部での曲げ剛性が増大し、先端側徐変低柔軟特性を有する芯線先端部を得ることはできなくなるからである。
又、節部での断面二次モーメント比が、前記上限値を上回れば、後端節部の断面二次モーメントと先端節部の断面二次モーメントとの差が拡大し、先端側徐変低柔軟特性を有する芯線先端部を得ることは困難となるからである。
この理由は、節部での先端側への傾斜角が、後端側から先端側へ徐変減少する連接截頭円錐体を、外側コイルの後端側の芯線先端部に備えていることにより、後端側が太径の芯線先端部でありながら節部でのねじり抵抗モーメントの減少と前進する際の圧力抵抗の軽減を図ることができるからである。
そして、後端側から先端側へ徐々に緩やかとなる柔軟性を有する先端側徐変低柔軟特性を備えるとともに、先端側への高度の円滑な回転伝達性と直線的前進性を高める為である。
これにより、血管閉塞病変部での通過性を飛躍的に向上させることができる。
この理由は、第1截頭円錐体と第2截頭円錐体との境界に位置する節部の外径を、同一位置における仮想単一截頭円錐体(第1截頭円錐体の径小外径と第2截頭円錐体の径大外径とを直線で結んだ仮想の1個の截頭円錐体のことをいう)の外径よりも減少させ、かつ、節部近傍の外径をも併せて減少させる為である。
1を超え10.00以下で、その断面二次モーメント比が連接截頭円錐体の後端側から先端側へ徐変減少して成る。この理由は、連接截頭円錐体の各節部での曲げ剛性を後端側から先端側へ徐変減少させる為である。
この理由は、2個の截頭円錐体から成る連接截頭円錐体において、後端の節部の断面二次モーメントと先端の節部の断面二次モーメントとの、節部間での断面二次モーメント比を抑制する為である。
ガイドワイヤ1は、芯線2と、外側コイル3と、潤滑性被膜5と、親水性被膜6とを有する。芯線2は、芯線後端径大部21を有する芯線後端部2Aと、後端側から先端側へ外径が徐変減少する截頭円錐体を2個以上連接した連接截頭円錐体を有する芯線先端部2Bとを備える。
外側コイル3は、芯線先端部2Bの先端側を貫挿し、接合部材を用いて外側コイル3の先端と芯線先端部2Bの先端とを接合した先丸形状の先端接合部4Aを有し、外側コイル3の後端と芯線先端部2Bとを接合した外側コイル後端接合部4Bを有する。
潤滑性被膜5は、ふっ素樹脂等を用いて芯線先端部2Bの後端側の外周と芯線後端部2Aの外周に形成されている。
親水性被膜6は、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸等の親水性物質を用いて外側コイル3の外周に形成されている。尚、本発明のガイドワイヤ1は、長さに比べて直径が極めて小さな値となっている。この為、本発明のガイドワイヤ1は、縦横の縮尺率を同じにすると所定のエリアに図示することが困難となる為、一部を誇張したり、省略したりして図示している。
芯線2の全長(概ね1740mm)をさらに延長させる為の接続具としての径小凸部22(長手方向の長さが概ね20mm、外径が0.25mm)は、設けても設けなくてもよく、用途による。
芯線先端部2Bは、後端側から先端側へ向かって、後端の第3截頭円錐体24C、第2截頭円錐体24B、先端の第1截頭円錐体24Aの3個の截頭円錐体を連接し、長手方向の長さLaが60mmから180mm(本実施例では120mm)で、外径が後端側から先端側へ徐変減少する連接截頭円錐体24を備える。
さらに、特開2009−60858に示すような高強度のタングステン線、ドープタングステン線等を用いてもよい。好ましくは、引張強さが2200MPa以上3500MPa以下のオーステナイト系ステンレス鋼線、2000MPa以上5000MPa以下のドープタングステン線等を用いる。
この理由は、縮径伸線加工により、又、縮径伸線加工と熱処理との繰り返しにより引張強さを容易に向上させ、かつ、耐座屈性を向上させることができるからである。
又、芯線先端部2Bと芯線後端部2Aとは、異なる線材を溶接接合した芯線2としてもよく、例えば前記芯線の材質等の組合せである。
外側コイル3は、金、白金、タングステン等の放射線不透過性の線材を巻回成形して用いる。又、先端側が放射線不透過性の線材で、後端側がステンレス鋼線等の放射線透過性の線材どうしを接合して用いてもよい。好ましくは、引張強さが1200MPa以上2000MPa以下の白金が90重量%以上99重量%以下で、残部がニッケルの、白金とニッケルとの合金であり、より好ましくは初張力が作用する密巻きコイルである。
この理由は、高強度の引張強さを有する放射線不透過性のコイル線を密巻き状に巻回成形することにより、高いねじり応力と高い初張力により、血管閉塞病変部における通過性の向上を補完することができるからである。
従って、石灰化した完全閉塞病変部をガイドワイヤ1で穿孔させる為には、断面二次モーメントの値が最も低い部位での座屈応力を高める必要がある。
σ=W/A ・・・(1)
関係式(1)で表すことができる。
ここで、一般に、座屈荷重Wは、長柱の強さを求めるオイラーの式を用いれば、芯線(長
ると、座屈荷重Wは、
関係式(2)で表すことができる。尚、比例定数kは、端末係数Nと円周率πの2乗との積の一定値である。
従って、芯線先端部2Bの座屈強度(座屈応力)を高める為には、この部位(符号240)の座屈応力を高める必要がある。
aは、
関係式(3)で表すことができる。
又、芯線後端部2Aの、最大外径の芯線後端径大部21の座屈応力をσb、横断面積を
関係式(3)と同様に、
関係式(4)で表すことができる。
そして、芯線後端径大部21の座屈応力σbに対する芯線先端部2Bにおける最小の座屈応力σaとの最小座屈応力比(芯線先端部2Bにおける最小の座屈応力σa/芯線後端径大部21の座屈応力σb)J(σa/σb)は、
J=(Ia/Aa)×(Ab/Ib) ・・・(5)
関係式(5)で表すことができる。
尚、ここでいう座屈応力とは、単位面積当たりの座屈荷重のことをいい、最小座屈応力比とは、単位長さ当りの芯線後端径大部21の座屈応力(最大の座屈応力)に対する芯線先端部2Bにおける最小の座屈応力との比(芯線先端部2Bにおける最小の座屈応力/芯線後端径大部21の座屈応力)のことをいう。
従って、最小座屈応力比の値が高いほど、芯線は座屈変形し難くなる。
第1截頭円錐体24AAの先端側に、第1截頭円錐体24AAの先端(径小外径D1)と同一外径で、外径D1が0.166mm(横断面積が第1截頭円錐体24AAの先端と
3Aを備える。他の仕様は、第1実施形態と同様であり、同一構成部材には同一符号が付してある。
この理由は、前記第1実施形態の第1截頭円錐体24Aの最小の座屈応力をもつ部位の断面二次モーメントと横断面積が、第2実施形態の先端細径体23Aの断面二次モーメントと横断面積が同じである為、芯線先端部2Bにおける最小の座屈応力が共に同じとなるからである。
第1截頭円錐体24AAは、先端の径小外径D1が0.166mm、後端の径大外径D2が0.200mm、長手方向の長さL1が30mmである。第1截頭円錐体24AAの先端側に、外径が第1截頭円錐体24AAの先端の径小外径D1と同じ外径D1の0.166mm(横断面積が第1截頭円錐体24AAの先端と同じ)の芯線に押圧加工等を行い、
2mm)である。
第3実施形態の芯線先端部2Bにおける最小の座屈応力を、先端細径体23Bが有する。先端細径体23Bは、横断面形状が矩形であり、長さaは長さbよりも長く、X−X軸方向に平行である為、X−X軸に関する断面二次モーメントは、Y−Y軸に関する断面二次モーメントよりも小さい。
従って、芯線先端部2Bが軸圧縮力を受けた場合に、先端細径体23BはX−X軸と直角な方向に曲がり易く、座屈変形し易くなる。
先端細径体23Bの横断面積は一定(第1截頭円錐体24AAの径小外径D1の位置の横断面積と同じ)で、矩形形状の短辺の長さbが0.135mmであることから、長辺の長さaは約0.160mmとなる。
外径D4が芯線後端径大部21の外径Doと同じ0.3556mmであることから、前記関係式(5)を用いて、第3実施形態の芯線2の前記最小座屈応力比Jを求めると、Jの値は、約0.1922となる。
この理由は、前記上限値を上回れば、外側コイル3内へ芯線先端部2Bの先端側を挿入して組付けすることは困難となり、前記下限値を下回れば、石灰化完全閉塞病変部からの軸圧縮力に屈して座屈変形し易くなり、そして、石灰化完全閉塞病変部内を穿孔してガイドワイヤを通過させることが困難となるからである。
尚、補足すれば、前記下限値は、後述する第4実施形態のガイドワイヤ40において、最小の座屈応力を第1截頭円錐体25Aが有し、第1截頭円錐体25Aの径小外径D1(0.120mm)を考慮したものであり、前記上限値は、後述する第4実施形態のガイドワイヤ40において、最小の座屈応力を芯線先端部2Bの截頭円錐体が有し、外側コイル3内へ貫挿できる截頭円錐体の径大外径(0.200mm)を考慮したものである。
前記特許文献2の特開2016−154821では、第4等径部27の外径が0.06mm(本発明の芯線先端部2Bの先端外径D1に相当)で、第1等径部21の外径が0.3556mm(本発明の芯線後端径大部21の外径Doに相当)であることから、芯線の最小座屈応力比を算出すると、約0.02847である。
本発明と前記特許文献2の特開2016−154821とを比較すると、本発明の第1実施形態のほうが約7.7倍高い値となる。
先行技術特許文献の特開2013−162920では、最先端部35の外径が約0.05mm(本発明の芯線先端部2Bの先端外径D1に相当)で、本体部20の外径が約0.33mm(本発明の芯線後端径大部21の外径Doに相当)であることから、芯線の最小座屈応力比を算出すると、約0.02296である。
本発明と特許文献特開2013−162920とを比較すると、本発明の第1実施形態のほうが約9.5倍高い値となる。
前記特許文献1の特開2014−136047では、第2小径部111の外径が0.05mm(本発明の芯線先端部2Bの先端外径D1に相当)で、近位端側大径部13の外径が0.36mm(本発明の芯線後端径大部21の外径Doに相当)であることから、芯線の最小座屈応力比を算出すると、約0.01929である。
本発明と前記特許文献1の特開2014−136047とを比較すると、本発明の第1実施形態のほうが約11.3倍高い値となる。
先行技術特許文献の特開2012−34922では、第2柱状柔軟部44の外径が約0.03mm(本発明の芯線先端部2Bの先端外径D1に相当)で、本体部20の外径が約0.35mm(本発明の芯線後端径大部21の外径Doに相当)であることから、芯線の最小座屈応力比を算出すると、約0.007346である。
本発明と特許文献特開2012−34922とを比較すると、本発明の第1実施形態のほうが約29.7倍高い値となる。
前記特許文献2の特開2016−154821の座屈応力比を符号ホで示し、特許文献特開2013−162920の最小座屈応力比を符号ヘ、前記特許文献1の特開2014−136047の最小座屈応力比を符号ト、特許文献特開2012−34922の最小座屈応力比を符号チで示す。
本発明の芯線の最小座屈応力比の上限値は、0.3163(符号X2)、下限値は0.1138(符号X1)で、符号X1から符号X2が上下限値の範囲を示す。尚、後述する本発明の第4実施形態は、最小座屈応力比が下限値に近い0.1139の場合である。
これに対して本発明の場合には、座屈応力比が後端側から先端側へ徐々に減少し、先端側になるほど傾斜が緩やかとなる。この点、本発明と前記特許文献2とは、座屈応力比の先端側への傾斜傾向が大きく異なる。
そして、本発明の芯線の座屈応力比は、先端部位(第1截頭円錐体24A、25Aの先端、及び、先端細径体23A、23B)で最小座屈応力比を示す。
本発明の芯線2の最小座屈応力比は、第1実施形態の場合で約0.2179、第2実施形態の場合で第1実施形態と同じ約0.2179、第3実施形態の場合で約0.1922、後述する第4実施形態の場合で約0.1139である。
前記特許文献2符号ホの芯線の最小座屈応力比は、約0.02847で、最小の座屈応力を第4等径部27が有する。
特許文献符号ヘの芯線の最小座屈応力比は、約0.02296で、最小の座屈応力を最先端部35が有する。
前記特許文献1符号トの芯線の最小座屈応力比は、約0.01929で、最小の座屈応力を第2小径部111が有する。
特許文献符号チの芯線の最小座屈応力比は、約0.007346で、最小の座屈応力を第2柱状柔軟部44が有する。
さらに、本発明の芯線2の上限値の最小座屈応力比と前記特許文献符号チの最小座屈応力比とを比較すると、本発明のほうが約43.1倍高い値となる。
このように、本発明の芯線2の最小座屈応力比は、前記特許文献(符号ホ〜チ)よりも数倍から数十倍高い値となり、本発明の芯線先端部2Bは、前記特許文献(符号ホ〜チ)よりも数倍から数十倍座屈応力が高く、座屈変形し難い構造である。
これにより、本発明のガイドワイヤは、血管閉塞病変部での通過性を飛躍的に向上させ、特に石灰化完全閉塞病変部での穿孔性能を向上させることができる。
第1截頭円錐体25Aは、先端の径小外径D1が0.120mm、後端の径大外径D2が0.153mm、長手方向の長さL1が54mm、第2截頭円錐体25Bは、先端の径小外径D2が第1截頭円錐体25Aの径大外径D2と同じ0.153mmとなり、後端の径大外径D3が0.200mm、長手方向の長さL2が45mm、第3截頭円錐体25Cは、先端の径小外径D3が第2截頭円錐体25Bの径大外径D3と同じ0.200mmとなり、後端の径大外径D4が0.265mm、長手方向の長さL3が40mm、第4截頭円錐体25Dは、先端の径小外径D4が第3截頭円錐体25Cの径大外径D4と同じ0.265mmとなり、後端の径大外径D5が芯線後端部2Aの芯線後端径大部21の外径Doと同じ0.3556mm(0.014インチ)、長手方向の長さL4が35mm、長手方向の長さLaが174mmの連接截頭円錐体25である。
他の仕様については、第1〜3実施形態と同様であり、同一構成部材には同一符号が付してある。尚、第1截頭円錐体25Aの先端側に、第2、第3実施形態と同様に横断面が円形の先端細径体23A、又は、横断面が矩形の先端細径体23Bを設けもよい。
第1截頭円錐体25Aの先端の位置(符号240)の外径D1が0.120mm、外径D5が芯線後端径大部21の外径Do(0.3556mm)と同じであることから、前記関係式(5)を用いて第4実施形態の芯線2の前記最小座屈応力比Jの値を求めると、Jの値は、約0.1139となる。この値は、前記最小座屈応力比の範囲内で、第4実施形態は、下限値に近い実施例である。
そして、第4実施形態の芯線2の各部位における座屈応力比を、図6符号ニで示す。
第4実施形態の芯線2の長手方向と座屈応力比との傾向は、前記第1〜3実施形態と同様に、後端側から先端側へ徐々に減少し、先端側になるほど傾斜が緩やかとなる。
関係式(5)において、(Ab/Aa)をk1とし、縦弾性係数Eを分子と分母にそれぞれ乗ずると、座屈応力比J(σa/σb)の関係式(5)は、
J=k1×{(E×Ia)/(E×Ib)} ・・・(6)
関係式(6)で表すことができる。
つまり、座屈応力比は、曲げ剛性比の関係として表すことができる為、図6で示す芯線の長手方向と座屈応力比との傾向は、芯線の長手方向と曲げ剛性比との傾向についても同様と考えられる。
従って、第1〜3実施形態の連接截頭円錐体24を含めて、本発明の連接截頭円錐体24,25は、図6で示す長手方向と座屈応力比との傾向と同様に、長手方向と曲げ剛性比との傾向についても、後端側から先端側へ徐々に減少し、先端側になるほど傾斜が緩やかとなる先端側徐変低柔軟特性を有する、と考えられる。
これに対して、前記特許文献2の場合(符号ホ)には、曲げ剛性が、後端側から先端側へ徐々に減少しながら先端側になるほど傾斜が急(下降)となり、先端側急変高柔軟特性と考えることができる。
従って、芯線先端部2Bの柔軟特性が、本発明の連接截頭円錐体24、25と前記特許文献2の連接截頭円錐体26とは、大きく相違する、と考えられる。
ここでいう連接截頭円錐体の節部での先端側への傾斜角(又は単に、節部での傾斜角という)とは、1個の截頭円錐体の後端節部(又は単に、節部という)で、芯線の長手方向の中心軸に平行な線と截頭円錐体の外形線とが成す先端側への鋭角を示す傾斜角のことをいう。
連接截頭円錐体25の先端側から、節部240(第1截頭円錐体25Aの先端節部で径小外径D1の位置)、節部241(第1截頭円錐体25Aの後端節部で径大外径D2の位置、第2截頭円錐体25Bの先端節部で径小外径D2と同じ位置)、節部242(第2截頭円錐体25Bの後端節部で径大外径D3の位置、第3截頭円錐体25Cの先端節部で径小外径D3と同じ位置)、節部243(第3截頭円錐体25Cの後端節部で径大外径D4の位置、第4截頭円錐体25Dの先端節部で径小外径D4と同じ位置)、節部244(第4截頭円錐体25Dの後端節部で径大外径D5の位置)とする。
節部241で、芯線の長手方向の中心軸に平行な線と第1截頭円錐体25Aの外形線とが成す先端側への鋭角を示す傾斜角を、第1截頭円錐体25Aの節部(又は後端節部)241での傾斜角をθ1とし、前記同様に、第2截頭円錐体25Bの節部(又は後端節部)242での傾斜角をθ2、第3截頭円錐体25Cの節部(又は後端節部)243での傾斜角をθ3、第4截頭円錐体25Dの節部(又は後端節部)244での傾斜角をθ4とする。
tanθ1=(D2−D1)/(2×L1) ・・・(7)
関係式(7)で表すことができる。
前記同様に、第2截頭円錐体25Bの後端節部242での傾斜角θ2、第3截頭円錐体25Cの後端節部243での傾斜角θ3、第4截頭円錐体25Dの後端節部244での傾斜角θ4は、それぞれ、
tanθ2=(D3−D2)/(2×L2) ・・・(8)
tanθ3=(D4−D3)/(2×L3) ・・・(9)
tanθ4=(D5−D4)/(2×L4) ・・・(10)
関係式(8)、(9)、(10)で表すことができる。
そして、連接截頭円錐体25の、4個の截頭円錐体の後端節部での傾斜角を、前記関係式(7)〜(10)に基いて算出し、算出した値を前記関係式(7)〜(10)の順(後端側の第4截頭円錐体25Dから先端側の第1截頭円錐体25Aの順)に、下記の左側から右側へ並べて比較すると、傾斜角の値(tanθ)は、
約1.294×10−3(tanθ4)>約0.813×10−3(tanθ3)>
約0.522×10−3(tanθ2)>約0.306×10−3(tanθ1)・・(11)
関係式(11)で表すことができる。
関係式(11)は、連接截頭円錐体25を構成する第1〜4截頭円錐体25A、25B、25C、25Dの後端節部241、242、243、244での先端側への傾斜角(θ1、θ2、θ3、θ4)が、後端側(傾斜角θ4)から先端側(傾斜角θ1)へ徐々に減少している。
このように、本発明の実施形態の連接截頭円錐体25は、節部での先端側への傾斜角が後端側から先端側へ向かって徐変減少して成る。
この理由は、図6で前記特許文献2符号ホで示すような、先端側へ急激に柔軟性が高められる先端側急変高柔軟特性とは異なり、後端側から先端側へ外径が徐変減少する傾斜構造の太径の芯線を備えながら、後端側から先端側へ徐々に傾斜が緩やかとなる低柔軟性を有する先端側徐変低柔軟特性を備えた連接截頭円錐体25から成る芯線先端部2Bを得る為である。尚、前記第1〜3実施形態も同様である。
第4実施形態のように、外側コイル3内に2個の截頭円錐体を連接した連接截頭円錐体25の場合には、外側コイルの内径の大きさにより、第1截頭円錐体25Aと第2截頭円錐体25Bの外径の大きさが制限を受ける。
そして、第4実施形態の外側コイル3内の第1截頭円錐体25Aの最小の座屈応力は、第1截頭円錐体25Aが有し、断面二次モーメントの低い位置は外径の小さい部位(符号240)であり、外径の小さい部位である径小外径D1を大きくすれば、第1截頭円錐体25Aにおける最小の座屈応力の値を高めることができる。
そして又、第1截頭円錐体25Aの先端の径小外径D1を大きくする為には、各截頭円錐体の節部での先端側への傾斜角を後端側から先端側へ徐々に小さくさせて、第1截頭円錐体25Aの先端の径小外径D1を大きくすればよい。
このようにすれば、外側コイル3の内径の大きさに制限を受ける連接截頭円錐体25であっても、第1截頭円錐体25Aの先端の径小外径D1を大きく確保することができる。
L2<{(D3−D2)/(D2−D1)}×L1 ・・・(12)
関係式(12)で表すことができる。
関係式(12)を満たすことにより、第1截頭円錐体25Aと第2截頭円錐体25Bとは、外径が先端側へ徐変減少する傾斜構造でありながら、第1截頭円錐体25Aの先端の径小外径D1を大きくして、芯線先端部2Bにおける最小の座屈応力比を高めることができる。この結果、芯線2の最小座屈応力比を高めることができる。
これにより、ガイドワイヤの前進の際の、直線的前進性を高めることができる。
連接截頭円錐体の、1個の截頭円錐体の先端節部の断面二次モーメントをIa1、後端節部の断面二次モーメントをIb1とし、縦弾性係数をEとすると、先端節部の曲げ剛性は(E×Ia1)、後端節部の曲げ剛性は(E×Ib1)で表すことができ、先端節部の曲げ剛性(E×Ia1)に対する後端節部の曲げ剛性(E×Ib1)の、節部での曲げ剛性比は「(E×Ib1)/(E×Ia1)」の関係式で表すことができる。この関係式の値が大きければ大きいほど、後端節部の曲げ剛性が先端節部の曲げ剛性よりも高くなる。逆に、曲げ剛性を柔軟性に置き換えて言えば、後端節部よりも先端節部での柔軟性が高くなることを示している。
そして、連接截頭円錐体を構成する芯線は同一材質であることから、縦弾性係数Eは同一値であり、前記関係式は、「(Ib1)/(Ia1)」として表すことができる。これは、先端節部の断面二次モーメントIa1に対する後端節部の断面二次モーメントIb1との、節部での断面二次モーメント比「(Ib1)/(Ia1)」として表すことができる。この関係式の値が大きければ大きいほど、前記同様に、後端節部よりも先端節部の柔軟性が高くなることを示している。
本発明の連接截頭円錐体25において、連接截頭円錐体25の、第1截頭円錐体25Aの先端節部240の断面二次モーメントをIo、後端節部241の断面二次モーメントをI1とし、先端節部240の断面二次モーメントIoに対する後端節部241の断面二次モーメントI1との断面二次モーメント比をIs1(後端節部241の断面二次モーメントI1/先端節部240に断面二次モーメントIo)とする。
前記同様に、第2截頭円錐体25Bの先端節部241の断面二次モーメントはI1となり、後端節部242の断面二次モーメントがI2で、断面二次モーメント比をIs2(I2/I1)とし、第3截頭円錐体25Cの先端節部242の断面二次モーメントはI2となり、後端節部243の断面二次モーメントがI3で、断面二次モーメント比をIs3(I3/I2)とし、第4截頭円錐体25Dの先端節部243の断面二次モーメントはI3となり、後端節部244の断面二次モーメントがI4で、断面二次モーメント比をIs4(I4/I3)とする。
前記同様に、
第4截頭円錐体25Dの節部での断面二次モーメント比Is4(I4/I3)と、
第3截頭円錐体25Cの節部での断面二次モーメント比Is3(I3/I2)と、
第2截頭円錐体25Bの節部での断面二次モーメント比Is2(I2/I1)とを算出し、算出した値を後端側から先端側へ順に(I4/I3からI1/Ioへ)並べて比較すると、節部での断面二次モーメント比の値は、
約3.242(Is4)>約3.082(Is3)>約2.920(Is2)
>約2.643(Is1) ・・・(13)
関係式(13)で表すことができる。
関係式(13)は、連接截頭円錐体25を構成する第1〜4截頭円錐体の節部(241、241、242、243、244)での断面二次モーメント比(Is1、Is2、Is3、Is4)が、後端側(Is4)から先端側(Is1)へ徐変減少していることを意味している。
前記同様に、前記特許文献2の連接截頭円錐体26における節部での断面二次モーメント比を算出すると、後端側の第1截頭円錐体26Aの、先端節部の断面二次モーメントに対する後端節部の、節部での断面二次モーメント比は、約4.300(0.180/0.125)4となる。又、先端側の第2截頭円錐体26Bの、先端節部の断面二次モーメントに対する後端節部の、節部での断面二次モーメント比は、約18.838(0.125/0.060)4となる。
これは、連接截頭円錐体26を構成する後端側の第1截頭円錐体26Aと先端側の第2截頭円錐体26Bの、節部での断面二次モーメント比が、後端側から先端側へ大きく増大(節部での断面二次モーメント比が約4.300から約18.838へ増大)していることを意味している。
従って、前記特許文献2の連接截頭円錐体26は、先端側の第2截頭円錐体26Aの先端節部(径小外径D1)で柔軟性が大きく増大し、先端側急変高柔軟特性を示している。
これに対して、本発明の連接截頭円錐体24、25は、後端側から先端側へ徐々に減少する先端側徐変低柔軟特性を示している、と考えることができる。
本発明の連接截頭円錐体24、25の節部での断面二次モーメント比の上下限値は、前記最小座屈応力比の上下限値の範囲を満たしながら、連接截頭円錐体24、25の節部での断面二次モーメント比を考慮する必要がある。
第4実施形態の連接截頭円錐体25は、外側コイル3の後端側の2個の截頭円錐体と外側コイル3内の2個の連接截頭円錐体とが連接して成る。
本発明の連接截頭円錐体は、截頭円錐体が2個以上連接した構造であればよく、外側コイル3の後端側の1個の截頭円錐体(例えば、第3截頭円錐体25Cと第4截頭円錐体25Dとが結合して1個の截頭円錐体となる場合)と外側コイル3内の1個の截頭円錐体(例えば、第1截頭円錐体25Aと第2截頭円錐体25Bとが結合して1個の截頭円錐体となる場合)とが連接して2個の截頭円錐体から成る連接截頭円錐体が考えられる。
外側コイル3の後端側の1個の截頭円錐体は、後端節部の外径D5が0.3556mm、先端節部の外径D3が0.200mmとなることから、節部での断面二次モーメント比は、約10.00{(0.3556/0.200)4}となる。
従って、節部での断面二次モーメント比を加工性、組付性等の生産性を考慮すると、第1〜3実施形態も同様に、本発明の連接截頭円錐体24、25の節部での断面二次モーメント比の上下限値は、1を超え10.50以下である。好ましくは、1を超え10.00以下である。
この理由は、節部での断面二次モーメント比が、前記下限値を下回れば、先端節部の断面二次モーメントが後端節部の断面二次モーメントよりも大きくなり、先端節部での曲げ剛性が増大し、先端側になるほど傾斜が緩やかとなる、図6で示すような先端側徐変低柔軟特性を有する芯線先端部を得ることはできなくなるからである。
又、節部での断面二次モーメント比が、前記上限値を上回れば、後端節部の断面二次モーメントと先端節部の断面二次モーメントとの差が拡大し、先端側になるほど傾斜が急(下降)となって柔軟性が増大し、先端側になるほど傾斜が緩やかとなる、図6で示すような先端側徐変低柔軟特性を有する芯線先端部を得ることは困難となるからである。
図8において、径大外径D5(節部244)と径小外径D3(節部242)との外形を直線で結んだ1個の截頭円錐体を仮想単一截頭円錐体261とし、2点鎖線で示す。
本発明の第3截頭円錐体25Cの節部243の位置での仮想単一截頭円錐体261の外径をD40とし、比例配分の考えに基いて外径D40を算出すると、約0.283mmとなる。
前記特許文献2に記載の連接截頭円錐体26は、長手方向の同一位置における外径が、仮想単一截頭円錐体260の外径よりも大きいことから(特許文献2、段落[0041]等)、節部243と同一位置において、仮想単一截頭円錐体261の外径D40よりも大きくすれば前記特許文献2の連接截頭円錐体26と類似した形状となる。
例えば、節部243と同一位置において、外径D40よりも大きな外径をD41とし、先端外径がD3で後端外径がD41の先端側の截頭円錐体と、先端外径がD41で後端外径がD5の後端側の截頭円錐体とを連接した、3点鎖線で示す連接截頭円錐体とすれば、前記特許文献2に類似した連接截頭円錐体(以下、類似連接截頭円錐体262という)を構成することができる。
ねじり抵抗モーメントは極断面係数に比例し、極断面係数は外径の3乗に比例することから、節部243において、類似連接截頭円錐体262のねじり抵抗モーメントRに対する本発明の連接截頭円錐体25のねじり抵抗モーメントrとの、節部243でのねじり抵抗モーメント比(r/R)を求めると、約0.625{(0.265/0.310)3}となる。
このことは、節部243において、本発明の連接截頭円錐体25のほうが、類似連接截頭円錐体262よりも約38%ねじり抵抗モーメントが低いことを意味する。
類似連接截頭円錐体262は、外径D41が大きい為、節部243の位置で先端側への傾斜角が増大し、かつ、節部243の位置近傍で外径が径大化している為、手元側(後端側)をねじり回転させた場合に、生体組織等と接触する節部243の位置、及び、節部243の位置近傍で、生体組織等からねじり回転に対する大きな抵抗を受ける。さらに又、ガイドワイヤ40を前進させた場合に、生体組織等から軸圧縮力のみならず、先端部の外周を覆っている生体組織等によるラジアル方向からの大きな圧力抵抗を受ける。
特に、血管閉塞病変長が長い下肢血管閉塞病変部(病変長が100mmから200mmで、例えば石灰化病変部等)においては、外側コイル3の外周部のみならず芯線先端部2Bの全長に亘って生体組織等で覆われる為、ガイドワイヤ40を回転させた場合に、生体組織等から大きな抵抗を受ける。
これに対して、本発明の連接截頭円錐体25は、類似連接截頭円錐体262よりも節部の外径が小さく、さらに、類似連接截頭円錐体262よりも節部243でのねじり抵抗モーメントが約38%低い為、生体組織等との接触により発生する「スティックスリップ現象」の発生を抑制することができる。
そして又、血管の収縮等によりガイドワイヤ40が血管内で捕捉される「スタック現象」が発生した場合も前記同様である。スタック現象が発生した場合には、本発明のガイドワイヤ40のねじり抵抗モーメントの低さを利用して、術者は、手元側を回転させながらガイドワイヤ40を後退させることにより、捕捉された血管閉塞病変部からの解放を容易にすることができる。
本発明の連接截頭円錐体25は、節部での傾斜角が先端側へ増大する前記特許文献2の連接截頭円錐体26とは異なり、節部での先端側への傾斜角が徐変減少する。特に、芯線先端部2Bの先端側で外径の大きさに制限を受ける外側コイル3内の連接截頭円錐体(第1截頭円錐体25Aと第2截頭円錐体25B)は、節部での傾斜角が先端側へ徐々に減少する構造である為、芯線先端部2Bの先端側での外径を比較的大きく確保することができる。
従って、本発明の連接截頭円錐体25(第1截頭円錐体25Aと第2截頭円錐体25B)の構造は、外径の大きさに制限を受ける外側コイル3内の芯線先端部2Bの外径(特に、先端外径D1)を、前記特許文献2の連接截頭円錐体26の構造よりも大きく確保することができる。
又、外側コイル3内の芯線先端部2Bの先端側は、節部での傾斜角が先端側へ徐変減少することにより、外側コイル3の内径の大きさに制限を受けながら、比較的大きな外径から成る芯線先端部2Bの先端側を備えることができる。
これにより、ガイドワイヤの先端側への円滑な回転伝達性を高めると共に、直線的前進性を高めることができ、特に、病変長が長い下肢血管閉塞病変部内での通過性を飛躍的に向上させることができる。
外側コイル3の、後端側の2個の連接截頭円錐体の節部での先端側への傾斜角と、外側コイル3内の、2個の連接截頭円錐体の節部での先端側への傾斜角とが、必ずしも連動して先端側へ徐変減少している必要はない。
外側コイル3の、後端側の2個以上の截頭円錐体を連接した連接截頭円錐体の、節部での傾斜角が先端側へ徐変減少していればよく、又、外側コイル3内の2個以上の截頭円錐体を連接した連接截頭円錐体の、節部での傾斜角が先端側へ徐変減少していればよい。
又、本発明の芯線先端部2Bの連接截頭円錐体を構成する截頭円錐体の個数は、加工性経済性の観点から30個以下(長手方向の長さが180mm)が好ましい。尚、長手方向の長さが180mmを超える場合には、前記関係に基く比例配分による個数以下とする。
後端側から先端側へ外径が徐変減少する部分を有する芯線の芯線先端部の先端側を外側コイルへ貫挿し、
前記外側コイルの先端と前記芯線先端部の先端とを接合した先端接合部と、前記外側コイルの後端と前記芯線先端部とを接合した外側コイル後端接合部とを有し、前記芯線先端部の後端側に芯線後端径大部を有する芯線後端部を備えた医療用ガイドワイヤであって、
前記芯線先端部は、後端側から先端側へ外径が徐変減少する截頭円錐体を2個以上連接した連接截頭円錐体を有し、
前記連接截頭円錐体は、1個の截頭円錐体の後端と先端に節部を有し、先端の前記節部の断面二次モーメントに対する後端の前記節部の断面二次モーメントとの、前記節部での断面二次モーメント比(後端の前記節部の断面二次モーメント/先端の前記節部の断面二次モーメント)が、後端側から先端側へ徐変減少して成ることを特徴とする。
20 医療用ガイドワイヤ(第2実施形態)
30 医療用ガイドワイヤ(第3実施形態)
40 医療用ガイドワイヤ(第4実施形態)
2 芯線
2A 芯線後端部
2B 芯線先端部
3 外側コイル
5 潤滑性被膜
6 親水性被膜
21 芯線後端径大部
23A、23B 先端細径体
24、25 連接截頭円錐体
24A、25A 第1截頭円錐体(第1〜4実施形態)
24B、25B 第2截頭円錐体(第1〜4実施形態)
24C、25C 第3截頭円錐体(第1〜4実施形態)
25D 第4截頭円錐体(第4実施形態)
Claims (5)
- 後端側から先端側へ外径が徐変減少する部分を有する芯線の芯線先端部の先端側を外側コイルへ貫挿し、
前記外側コイルの先端と前記芯線先端部の先端とを接合した先端接合部と、前記外側コイルの後端と前記芯線先端部とを接合した外側コイル後端接合部とを有し、前記芯線先端部の後端側に芯線後端径大部を有する芯線後端部を備えた医療用ガイドワイヤであって、
後端側から先端側へ外径が徐変減少する截頭円錐体を2個以上連接した連接截頭円錐体を、少なくとも、前記外側コイルの後端側の前記芯線先端部に備え、
前記連接截頭円錐体は、1個の截頭円錐体の後端と先端に、前記芯線の長手方向の中心軸に平行な線と前記截頭円錐体の外形線とが成す傾斜角を有する節部を備え、
前記1個の截頭円錐体における先端の前記節部の断面二次モーメントに対する後端の前記節部の断面二次モーメントとの、前記節部での断面二次モーメント比(後端の前記節部の断面二次モーメント/先端の前記節部の断面二次モーメント)が、1を超え10.50以下で、後端側から先端側へ徐変減少して成ることを特徴とする医療用ガイドワイヤ。 - 前記外側コイルの後端側の前記芯線先端部に備えられた前記連接截頭円錐体における前記節部での先端側への傾斜角が、後端側から先端側へ徐変減少して成ることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記外側コイルの後端側の前記芯線先端部に備えられた前記連接截頭円錐体は、先端の第1截頭円錐体と後端の第2截頭円錐体とを連接して成り、前記第1截頭円錐体の後端の径大外径をD2、先端の径小外径をD1、長手方向の長さをL1とし、前記第2截頭円錐体の後端の径大外径をD3、先端の径小外径はD2となり、長手方向の長さをL2とした場合に、
前記第2截頭円錐体の長手方向の長さL2と前記第1截頭円錐体の長手方向の長さL1とは、
L2<{(D3−D2)/(D2−D1)}×L1
の関係式を満たすことを特徴とする請求項2に記載の医療用ガイドワイヤ。 - 前記外側コイル内の前記芯線先端部に前記連接截頭円錐体を備え、前記外側コイル内の前記芯線先端部に備えられた前記連接截頭円錐体は、前記1個の截頭円錐体における前記節部での断面二次モーメント比(後端の前記節部の断面二次モーメント/先端の前記節部の断面二次モーメント)が、1を超え10.00以下で、後端側から先端側へ徐変減少して成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記外側コイル内の前記芯線先端部に前記連接截頭円錐体を備え、前記外側コイル内の前記芯線先端部に備えられた前記連接截頭円錐体は、先端の前記第1截頭円錐体と後端の前記第2截頭円錐体とを連接して成り、
前記第2截頭円錐体の、後端の前記節部の断面二次モーメントをI3、先端の前記節部の断面二次モーメントをI2とし、
前記第1截頭円錐体の、後端の前記節部の断面二次モーメントはI2となり、先端の前記節部の断面二次モーメントをI1とした場合に、
前記第2截頭円錐体の、先端の前記節部の断面二次モーメントI2に対する後端の前記節部の断面二次モーメントI3との、前記節部での断面二次モーメント比(I3/I2)と、
前記第1截頭円錐体の、先端の前記節部の断面二次モーメントI1に対する後端の前記節部の断面二次モーメントI2との、前記節部での断面二次モーメント比(I2/I1)が、
10.00≧(I3/I2)>(I2/I1)>1
の関係式を満たすことを特徴とする請求項4に記載の医療用ガイドワイヤ。
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