JP5953461B1 - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】外側第1コイルと外側第2コイルとの異種金属の線材から成る外側コイル内へ細径の芯線を貫挿して成る医療用ガイドワイヤであって、異種金属の線材を一体接合して成る外側コイルは、一体接合した境界部の前後で屈曲変形させた場合に均一な円弧を描くことはできず、又、芯線の細径化に伴う先端側への回転伝達性能と病変部の穿孔性能を向上させる為の技術課題が存在する。【解決手段】外側第1コイルと外側第2コイルの密巻きに初張力を作用させ、初張力によるねじり応力を一定範囲とすることにより、境界部の前後で屈曲変形させた場合に均一な円弧を描くことができ、又、芯線先端部は截頭円錐体を連接した一定の関係式を満たす連接截頭円錐体構造とすることにより、先端側へのねじりモーメントを増大させて閉塞病変部での穿孔性能を向上させることができる。【選択図】図6

Description

この発明は、血管病変部治療用等に用いられる医療用ガイドワイヤに関する。
従来血管の狭窄部、及び、完全閉塞部等の血管病変部治療に際して、先端部に単一のコイルスプリング等を設けた医療用ガイドワイヤ(以下ガイドワイヤという)を用い、又は、芯線を貫挿した内側コイルの外側に、内側コイルと同心状の外側コイルの二層構造から成るコイルスプリングを設けたガイドワイヤを用いて、先端部を血管病変部まで到達させて血管の狭窄部、及び、完全閉塞部等の血管病変部の拡径治療を行っている。
かかる場合において、ガイドワイヤを血管病変部内へ貫通させる為、手元側(後端側)から先端側への高度の、回転伝達性能と穿孔性能と繰り返し耐疲労特性を必要とする。
特許文献1には、コイルの中央部に密巻き部が設けられ、この密巻き部の両端に疎巻き部が設けられたガイドワイヤが記載されている。
特許文献2には、先端部のコイルスプリングよりも後端側の芯線について、芯線の曲げ剛性等の特性に関するガイドワイヤが記載されている。
特許文献3には、先端部のコイルスプリングが同心状の内側コイルと外側コイルの二層構造から成るガイドワイヤが記載されている。
特開2010−0222号公報 特許第4623906号公報 特開平8−317989号公報
特許文献1に記載のガイドワイヤは、コイルの両端部に疎巻き部を設け、中央部の密巻き部に初張力を作用させることにより、コイルの外周に樹脂被覆する際の偏りを防止させる技術内容である。
特許文献2に記載のガイドワイヤは、芯線がステンレス鋼、又は、ニッケルチタンの超弾性金属から成り、先端部のコイルよりも後端側の芯線が長手方向に曲げ剛性が線形に変化して急激な抵抗感をなくし、術者の操作性を向上させる技術内容である。
特許文献3に記載のガイドワイヤは、放射線不透過の線材から成る内側コイルと、ステンレス、形状記憶合金等から成る外側コイルとの二層構造から成り、主にばね用弾性材料から成る芯線を用いて先端側への回転伝達性能を向上させる技術内容である。
そして、特許文献1〜3のいずれについても、本発明のような異種金属の線材を用いて2つのコイルを一体化させた外側コイルについて、コイルの初張力に着目して初張力によるねじり応力を一定範囲とすることにより、屈曲変形させた場合に均一な円弧を描くと共に、コイルに作用する初張力を利用して屈曲蛇行血管内での挿入性を向上させる技術内容についての記載はない。又、コイル内の芯線について、芯線が連接截頭円錐体の構造を備えることにより、後端側の回転角度を減少させて、先端側へのねじり力を増大させ、さらに初張力が作用するコイルとを兼備することにより、先端側への高度の回転伝達性能と完全閉塞病変部での穿孔性能を向上させた技術内容については、何ら記載されていない。これらの性能は、血管病変部でガイドワイヤを通過させる為の重要な技術課題である。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、屈曲蛇行血管内、及び血管病変部での通過性を飛躍的に向上させるガイドワイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成する為、本発明のガイドワイヤは、後端側から先端側へ徐変縮径する部分を有する芯線の芯線先端部を外側コイル内へ貫挿する。
外側コイルは、先端側が放射線不透過性の線材を螺旋状に巻回した外側第1コイルと、後端側が放射線透過性の線材を螺旋状に巻回した外側第2コイルから成る。
外側第1コイルの先端と芯線先端部の先端と接合して先端接合部とし、外側第2コイルの後端と芯線先端部の後端と接合して外側第2コイル後端接合部とする。
外側第1コイルは、白金とニッケルの合金から成る放射線不透過性の線材を、後端側が密巻きで先端側が疎巻きに巻回する。外側第2コイルは、ステンレス鋼から成る放射線透過性の線材を密巻きに巻回する。
外側第1コイルと外側第2コイルは、ばね指数が2.8以上6.8以下で、外側第1コイルの密巻きの初張力によるねじり応力をτ1とし、外側第2コイルの密巻きの初張力によるねじり応力をτ2とした場合に、外側第1コイルのねじり応力τ1は、
0.62τ2≦τ1≦1.02τ2
の関係式を満たす。
芯線先端部は、少なくとも2個以上の截頭円錐体を長手方向に連接した連接截頭円錐体で、1個の截頭円錐体は、長手方向の長さが後端側の截頭円錐体から先端側の截頭円錐体へ向かって徐変減少し、かつ、後端の径大外径と先端の径小外径との外径比(後端の径大外径/先端の径小外径)が、後端側の截頭円錐体から先端側の截頭円錐体へ向かって徐変増大する。
そして、連接截頭円錐体の最大外径がD0で、最小外径をD1、全長がL、最大外径D0の横断面の中心位置から先端へ、任意の位置Xにおける連接截頭円錐体の外径をDmとし、任意の位置Xが0<X<Lの関係にある場合に、連接截頭円錐体の外径Dmは、
Dm>{D0−(D0−D1)X/L}の関係式を満たし、連接截頭円錐体の外側に、初張力が作用する外側第1コイルの密巻きと外側第2コイルの密巻きとを備えたことを特徴とする。
外側コイルは、後端側から先端側へ向かって後端径大等径部と中間テーパ部と先端径小部を備え、後端径大等径部と中間テーパ部は密巻きで、先端径小等径部は先端側に疎巻きを有する。
外側コイルは、後端径大等径部の外側第2コイルと、中間テーパ部と先端径小等径部との外側第1コイルから成る。又は、後端径大等径部と中間テーパ部の後端側との外側第2コイルと、中間テーパ部の先端側と先端径小等径部との外側第1コイルから成る。
連接截頭円錐体は、先端の截頭円錐体を第1截頭円錐体とし、第1截頭円錐体の外側に、外側コイルの中間テーパ部を配置する。第1截頭円錐体の外径が、後端から先端へ徐変減少するのに伴って、外側コイルの中間テーパ部の密巻きの初張力が、後端から先端へ徐変増大する。
外側コイルの後端径大等径部の外径をB1、先端径小等径部の外径をB2、連接截頭円錐体の第1截頭円錐体の後端の径大外径をD2とした場合に、第1截頭円錐体の先端の径小外径がD1であることから、第1截頭円錐体の径大外径D2と径小外径D1との外径比(D2/D1)は、外側コイルの外径比(B1/B2)よりも大きい{(D2/D1)>(B1/B2)}。
外側コイルと内側コイルは、後端側から先端側へ向かって後端径大等径部と中間テーパ部と先端径小等径部とを備える。内側コイルは、芯線先端部の外側で、外側コイルの内側に、外側コイルよりも長手方向の長さが短く同心状に配置する。
又、外側コイルの先端と内側コイルの先端径小等径部の先端と芯線先端部の先端と接合して先端接合部とし、内側コイルの後端径大等径部の後端と芯線先端部と接合して内側コイル後端接合部とする。
内側コイルは、ステンレス鋼から成る放射線透過性の線材を用いて、後端径大等径部と中間テーパ部は密巻きで、先端径小等径部の先端側が疎巻きに巻回する。
連接截頭円錐体の先端の第1截頭円錐体の外側に、内側コイルの中間テーパ部と外側コイルの中間テーパ部とを配置し、第1截頭円錐体の外径が、後端側から先端側へ徐変減少するのに伴って、外側第1コイルの中間テーパ部の密巻きの初張力と内側コイルの中間テーパ部の初張力とが共に、後端側から先端側へ徐変増大する。
本発明のガイドワイヤは、外側コイルは、先端側が白金とニッケルの合金から成る放射線不透過性の線材を先端側が疎巻きに巻回した外側第1コイルと、後端側がステンレス鋼から成る放射線透過性の線材を密巻きに巻回した外側第2コイルから成る。
外側第1コイルと外側第2コイルは、ばね指数が2.8以上6.8以下で、外側第1コイルの密巻きの初張力によるねじり応力をτ1とし、外側第2コイルの密巻きの初張力によるねじり応力をτ2とした場合に、外側第1コイルのねじり応力τ1は、
0.62τ2≦τ1≦1.02τ2
の関係式を満たす。
この理由は、外側コイルに、放射線不透過性の線材と放射線透過性の線材との異種金属線を巻回して一体化したコイルは、異種金属のそれぞれの線材のもつ機械的強度特性の差から屈曲変形させた場合に、一体化した接合部を境にして曲率半径が異なり、均一な円弧を描くことができない。又、手元側を回転させた場合に、異種金属の線材のもつねじり応力の差から、一体化した接合部を境にしてねじり溜まりが発生し、先端側への回転伝達性能が劣ることとなる。
密巻きコイルの巻回成形によって発生する初張力の強弱から初張力によるねじり応力を制御し、外側第1コイルのねじり応力τ1と外側第2コイルのねじり応力τ2とを前記一定範囲とすることにより、屈曲変形させた場合に接合部での異なる曲率半径の発生を低減させて均一な円弧形状を描く為と、接合部でのねじり溜まりを防いで、先端側への回転伝達性能の向上を図る為である。
又、外側コイル内を貫挿する芯線先端部は、少なくとも2個以上の截頭円錐体を長手方向に連接した連接截頭円錐体で、1個の截頭円錐体は、長手方向の長さが後端側の截頭円錐体から先端側の截頭円錐体へ向かって徐変減少し、かつ、後端の径大外径と先端の径小外径との外径比(後端の径大外径/先端の径小外径)が、後端側の截頭円錐体から先端側の截頭円錐体へ向かって徐変増大する。この理由は、後端側から先端側へ向かって回転操作による手元側の回転角度を低減させて先端側へのねじりモーメントを増大させる芯線先端部の構造を得る為である。
そして、連接截頭円錐体の外径は、前記一定の関係式を満たし、連接截頭円錐体の外側に、初張力が作用する外側第1コイルの密巻きと外側第2コイルの密巻きとを備えたことを特徴とする。この理由は、芯線先端部が細径の先細り形状でありながら先端の截頭円錐体(第1截頭円錐体)の外径比を後端側の截頭円錐体の外径比よりも最も高い値とする為である。又、異種金属の線材から成る外側第1コイルと外側第2コイルとの初張力によるねじり応力を前記一定範囲とし、かつ外側コイル内の芯線先端部が連接截頭円錐体の構造とし、これらを併用することにより、手元側の回転操作によるねじり溜まりを防いで先端側への回転伝達性能の向上を図ると共に、手元側の回転角度を減少させて先端側へのねじりモーメントを増大させ、閉塞病変部の穿孔性能を飛躍的に向上させる為である。
外側コイルは、後端側から先端側へ向かって、密巻きの後端径大等径部の外側第2コイルと密巻きの中間テーパ部と先端側に疎巻きを有する先端径小等径部との外側第1コイルから成る。又は、密巻きの後端径大等径部と密巻きの中間テーパ部の後端側との外側第2コイルと、密巻きの中間テーパ部の先端側と先端側に疎巻きを有する先端径小等径部との外側第1コイルから成る。
芯線先端部の連接截頭円錐体は、先端の截頭円錐体を第1截頭円錐体とし、第1截頭円錐体の外側に、外側コイルの中間テーパ部を配置する。
第1截頭円錐体の外径が、後端から先端へ徐変減少するのに伴って、外側コイルの中間テーパ部の密巻きの初張力が、後端から先端へ徐変増大する。
これにより、外径比(後端の径大外径/先端の径小外径)を最も高めた第1截頭円錐体を有する連接截頭円錐体の構造により、先端側への回転伝達性能を高めることができる。又、後端から先端へ徐変増大する外側コイルの中間テーパ部は、後端から先端へコイル線間の密着力(圧縮力)が増大する。
そして、後端から先端へコイル線間の密着力(圧縮力)が徐変増大する中間テーパ部を後端から先端へ外径が徐変減少する第1截頭円錐体の外側へ配置することにより、第1截頭円錐体の外径が先端側へ細径化するのに伴って、中間テーパ部のコイル線間の密着力(圧縮力)が先端側へ高められることとなり、細径の第1截頭円錐体でありながら先端側への回転伝達性能の向上を、コイルに作用する初張力により、より補完することができる。
外側コイルは、後端側から先端側へ向かって後端径大等径部と中間テーパ部先端径小等径部を備え、外側コイルの後端径大等径部の外径をB1、先端径小等径部の外径をB2、連接截頭円錐体の第1截頭円錐体の後端の径大外径をD2とした場合に、第1截頭円錐体の先端の径小外径がD1であることから、第1截頭円錐体の外径比(D2/D1)は、外側コイルの外径比(B1/B2)よりも大きい{(D2/D1)>(B1/B2)}。
これにより、外側コイルを先細り形状とすることによって外側コイル内の芯線先端部の細径に伴うねじり力の低下分を補完し、細径の芯線先端部でありながら先端の第1截頭円錐体の外径比を高めることにより、先端側へのねじりモーメントの増大を図り、先細り形状の外側コイルとの併用により、先端側への回転伝達性をより高めることができる。
外側コイルと内側コイルは、後端側から先端側へ向かって、後端径大等径部と中間テーパ部と先端径小等径部を備える。この内側コイルを芯線先端部の外側で、外側コイルの内側に、外側コイルよりも長手方向の長さが短く、外側コイルと同心状に配置する。又、外側コイルの先端と内側コイルの先端径小等径部の先端と芯線先端部の先端と接合して先端接合部とし、内側コイルの後端径大等径部の後端と芯線先端部と接合して内側コイル後端接合部とする。
内側コイルは、ステンレス鋼から成る放射線透過性の線材を用いて後端径大等径部と中間テーパ部は密巻きで、先端径小等径部は先端側が疎巻きを有して巻回して成る。
連接截頭円錐体の第1截頭円錐体の外側に、内側コイルの密巻きの中間テーパ部と外側第1コイルの密巻きの中間テーパ部とを共に配置する。
そして、第1截頭円錐体の外径が、後端側から先端側へ徐変減少するのに伴って、外側第1コイルの中間テーパ部の密巻きの初張力と内側コイルの密巻きの中間テーパ部の初張力とが共に、後端側から先端側へ徐変増大する。
これにより、後端から先端へ初張力が徐変増大する外側コイルの中間テーパ部と内側コイルの中間テーパ部は、後端から先端へコイル線間の密着力(圧縮力)が増大する。
そして、後端から先端へコイル線間の密着力(圧縮力)が徐変増大する2つの中間テーパ部を、後端から先端へ外径が徐変減少する第1截頭円錐体の外側へ配置することにより、第1截頭円錐体の外径が先端側へ細径化するのに伴って、2つの中間テーパ部のコイル線間の密着力(圧縮力)が先端側へ高められることとなり、細径の第1截頭円錐体でありながら先端側への回転伝達性能の向上を、2つの中間テーパに作用する初張力によってさらに補完することができる。
本発明の第1実施形態のガイドワイヤの全体を示す一部切欠き側面図である。 内側コイルと外側コイルのばね指数とねじり応力との相関関係を示す。 先端細径体と2個の截頭円錐体が連接する連接截頭円錐体を備えたガイドワイヤの先端部を示す一部切欠き側面図である。 3個の截頭円錐体が連接する第2実施形態の連接截頭円錐体を示す側面図である。 2個の截頭円錐体が連接する連接截頭円錐体の外径比と、仮想の単一截頭円錐体の外径との関係式を示す説明図である。 本発明の第3実施形態のガイドワイヤの先端部を示す一部切欠き側面図である。 本発明の第3実施形態の変形例のガイドワイヤの先端部を示す一部切欠き側面図である。 本発明の第4実施形態のガイドワイヤの先端部を示す一部切欠き側面図である。
本発明を実施するための形態
以下本発明のガイドワイヤの実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のガイドワイヤ1の全体図を示す。ガイドワイヤ1は、芯線2と、外側コイル3と、ふっ素樹脂被膜6と、親水性樹脂被膜7を有する。芯線2は、芯線後端部2Aと芯線先端部2Bとを有し、後端側から先端側へ徐変縮径する部分を有している。
外側コイル3は、先端側が放射線不透過性の線材を螺旋状に巻回した外側第1コイル31と、後端側が放射線透過性の線材を螺旋状に巻回した外側第2コイル32から成り、外側第1コイル31の後端部のコイル線と外側第2コイルの先端部のコイル線とをねじ込んだ後に、ろう材を用いて中間接合部5Dにて接合する。又、特開2002−336360、特開平9−38210の公開特許公報に示すような溶接接合手段を用いて接合してもよい。又、中間接合部5Dは、外側コイルと共に芯線先端部と接合されていてもよい。
外側コイル3は、芯線先端部2Bが貫挿し、接合部材を用いて外側第コイル31の先端と芯線先端部2Bの先端と接合して先丸形状の先端接合部5Aを形成し、外側第2コイル32の後端と芯線先端部2Bと接合して外側コイル後端接合部5Bを形成している。
ふっ素樹脂被膜6は、後端側の太径の芯線後端部2Aの外周に形成されている。親水性樹脂被膜7は、外側コイル3の外周に形成されている。尚、本発明のガイドワイヤ1は、長さに比べて直径が極めて小さな値となっている。この為、本発明のガイドワイヤ1は、縦横の縮尺率を同じにすると所定のエリアに図示することが困難となる為、一部を誇張したり、省略したりして図示している。
芯線2は、後端側から先端側へ向かって、第1等径部21、第1テーパ部22、第2等径部23、第2テーパ部24、第3等径部25、第1截頭円錐体26Aと第2截頭円錐体26Bとを連接させた連接截頭円錐体26、先端細径体27の順に、外径が0.3556mm(0.014インチで心臓血管治療用)から0.060mmへ徐変縮径する。
連接截頭円錐体26は、径大側の後端の外径0.180mmから径小側の先端の外径0.060mmへ徐変縮径する。外側コイル3の外側コイル後端接合部5Bは、第2截頭円錐体26Bの径大側の後端の外径0.180mmと、ろう材等の手段を用いて接合されている。又、外側コイル後端接合部5Bは、外径が0.180mmの第3等径部25と接合部材を用いて接合されていてもよい。
芯線2は、ステンレス鋼線、Ni−Ti合金線等が用いられる。例えば、特開2002−241836に示すように伸線加工と焼きなまし処理を繰り返した高強度のステンレス鋼線が用いられる。又は、特開2002−69555に示すように所定条件下で熱処理を施して製造されるNi−Ti合金線等が用いられる。好ましくは、引張強さが2200MPa以上3500MPa以下のオーステナイト系ステンレス鋼線が用いられる。
この理由は、縮径伸線加工により引張強さを容易に向上できるとともに、後述する連接截頭円錐体26の形状のセンターレス研削加工が容易になるからである。尚、ここでいう連接截頭円錐体26とは、1本の線材を用いて研削加工等を行い、截頭円錐体の形状を複数個長手方向へ設けた構造体のことをいう。又、芯線先端部2Bと芯線後端部2Aとは、異なる線材を溶接接合した芯線2としてもよく、例えば前記芯線の材質等の組合せ(具体的には、芯線後端部2Aがステンレス鋼線で、芯線先端部2BがNi−Ti合金線)等である。
外側コイル3は、外径B1が0.330mmの等径で、長手方向の長さが160mm、コイル線は1本、又は複数本の線材を巻回成形したコイルである。
先端側の外側第1コイル31は、引張強さが1200MPa以上2000MPa以下で白金が90重量%以上99重量%以下で残部がニッケルの白金とニッケルの合金線で、線直径t1が0.060mmの放射線不透過性の合金線を巻回したコイルから成り、長手方向の長さが40mmで後端側の25mmは初張力が作用する密巻きで先端側の15mmは線間間隙が線直径t1の0.07倍以上1.90倍以下の疎巻きである。
後端側の外側第2コイル32は、引張強さが1400MPa以上3500MPa以下のオーステナイト系ステンレス鋼線で、線直径t2が0.060mmの放射線透過性の金属線を巻回したコイルから成り、長手方向の長さが120mmの初張力が作用する密巻きである。
そして、外側第1コイル31と外側第2コイル32の引張強さと材質を前記内容とした理由は、縮径伸線加工により引張強さが向上する異種金属線から成る外側第1コイル31と外側第2コイルとのコイル同士を長手方向に一体接合した場合、一体接合によって生ずる境界部の機械的強度の差を少なくする為と、コイル同士の初張力によるねじり応力差を少なくする為である。好ましくは、外側第1コイル31と外側第2コイル32の前記引張強さの範囲が重複する範囲の線材を用いることである。
次に、外側第1コイル31と外側第2コイル32とを一体接合した場合に、コイル同士の初張力によるねじり応力について説明する。
図2は、外側第1コイル31と外側第2コイル32のねじり応力τとばね指数Cとの相関関係を示し、外側第1コイル31のねじり応力をτ1、ばね指数をC1とし、外側第2コル32のねじり応力をτ2、ばね指数をC2とする。
外側第1コイル31は、ばね指数C1が2.8以上6.8以下のとき、密巻きのねじり応力τ1(N/mm)は、
−17.2C1+165.7≦τ1≦−35.3C1+341.2 ・・(1)
の関係式(1)を満たすことが好ましい(図示符号ロとニ)。
より好ましくは、
−22.1C1+224.3≦τ1≦−35.3C1+341.2 ・・(2)
の関係式(2)を満たすことである(図示符号ロとハ)。
又、既に出願した特許出願(特願2013−183140)によれば、オーステナイト系ステンレス鋼線を用いた外側第2コイル32は、ばね指数C2が2.8以上6.8以下のとき、密巻きのねじり応力τ2(N/mm)は、
−11.2C1+111.7≦τ2≦−38.7C2+370.6 ・・・(3)
の関係式(3)を満たすこととしている(図示符号イとホ)。
そして、本発明では、白金とニッケルの合金線(本発明の第1実施形態では、白金が95重量%、残部がニッケル)を用いた外側第1コイル31の密巻きのねじり応力τ1(N/mm)とオーステナイト系ステンレス鋼線を用いた外側第2コイル32の密巻きのねじり応力τ2(N/mm)との双方満たす好ましい範囲は、上限値がオーステナイト系ステンレス鋼線を用いた外側第2コイル32の図示符号イで、下限値が前記白金とニッケルの合金線を用いた外側第1コイル31の図示符号ハで、図示符号イとハの範囲となる。
従って、外側第1コイル31のねじり応力τ1(N/mm)と外側第2コイル32のねじり応力τ2(N/mm)は、
−22.1C1+224.3≦τ1≦−38.7C1+370.6 ・・(4)
−22.1C2+224.3≦τ2≦−38.7C2+370.6 ・・(5)
の関係式(4)(5)を満たすことが好ましい(図示符号イとハ)。
この理由は、前記範囲であれば、放射線不透過性の線材と放射線透過性の線材との異種金属を巻回して一体化した外側コイルを屈曲させた場合に、接合部での異なる曲率半径の発生を低減させて均一な円弧形状を描くことができ、さらに、接合部でのねじり溜まりを防いで、先端側への回転伝達性能の向上を図ることができるからである。
そして、外側第1コイル31のねじり応力τ1(N/mm)と外側第2コイル32のねじり応力τ2(N/mm)との双方を満たす、より好ましい範囲は、上限値が図示符号ロで、下限値が図示符号ハで、図示符号ロとハの範囲となる。
従って、外側第1コイル31のねじり応力τ1(N/mm)と外側第2コイル32のねじり応力τ2(N/mm)は、
−22.1C1+224.3≦τ1≦−35.3C1+341.2 ・・(6)
−22.1C2+224.3≦τ2≦−35.3C2+341.2 ・・(7)
の関係式(6)(7)を満たすことが、より好ましい(図示符号ロとハ)。
尚、密巻きコイルの初張力Fは、コイル平均径をD,コイル線の線直径をt、密巻きのねじり応力をτとすると、
F=πtτ/(8D) ・・・(8)
の関係式(8)で表すことができる。図2は、試験品の初張力を測定し、前記関係式(8)から密巻きのねじり応力τを算出し、コイル平均径と密巻きコイルのねじり応力τとの相関関係を整理し、多くの試験結果から導き出した相関関係を図に表したものである。
そして、外側第1コイル31と外側第2コイル32とを一体接合した場合に、異種金属線から成るコイル同士の密巻きの初張力によるねじり応力差を、図2を用いて整理すると以下となる。
一体接合する外側第1コイル31と外側第2コイル32のばね指数C1とC2は、共に、2.8以上6.8以下の範囲内で、接合する部位のコイルの外側第1コイル31のコイル平均径と、外側第2コイル32のコイル平均径との差が10%以内で、外側第1コイル31のねじり応力τ1(N/mm)と外側第2コイル32のねじり応力τ2(N/mm)との関係は、
0.62τ2≦τ1≦1.02τ2 ・・・(9)
の関係式(9)を満たすことが好ましい。
より好ましくは、
0.65τ2≦τ1≦1.02τ2 ・・・(10)
の関係式(10)を満たすことである。
図2において図示符号イの関係式{関係式(4)(5)の上限を示す直線}は、図示符号ロの関係式{関係式(6)(7)の上限を示す直線}よりも上部に位置する。このことは、オーステナイト系ステンレス鋼の線材を巻回して成る外側第2コイル32のねじり応力τ2は、白金とニッケルの合金線を巻回して成る外側第1コイル31のねじり応力τ1よりも大きいことを示している。このことは、オーステナイト系ステンレス鋼から成る線材を用いた方が白金とニッケルの合金線よりも横弾性係数高く、ねじり応力を高く設定できる材質特性による。
従って、ねじり応力τ1の外側第1コイル31と、ねじり応力τ1よりも大きなねじり応力τ2の外側第2コイル32とを一体接合した場合には、一般的には、外側第1コイル31のねじり応力τ1が下限の値を示し、外側第2コイル32のねじり応力τ2が上限の値を示すこととなる。
具体例として、第1実施形態の外側コイル3の外側第1コイル31のばね指数C1と
外側第2コイル32のばね指数C2とは、共に4.5であることから、双方の好ましい範囲の前記関係式(4)(5)を用いると、下限値は、外側第1コイル31のねじり応力τ1である為、ばね指数C1を関係式(4)へ代入すると、外側第1コイル31のねじり応力τ1は、約124.9N/mmとなる。上限値は、外側第2コイル32のねじり応力τ2である為、ばね指数C2を関係式(5)へ代入すると、外側第2コイル32のねじり応力τ2は、約196.5N/mmとなる。
そして、外側第1コイルのねじり応力τ1(N/mm)と外側第2コイル32のねじり応力τ2(N/mm)とのねじり応力比(τ1/τ2)は、約0.64となり、前記関係式(9)を満たしている。
前記同様に、より好ましい範囲の前記関係式(6)(7)を用いると、外側第1コイル31のねじり応力τ1(N/mm)と外側第2コイル32のねじり応力τ2(N/mm)とのねじり応力比(τ1/τ2)は、約0.68となり、前記関係式(9)(10)を満たしている。
尚、補足すれば、例えば、引張強さが1400MPa以上3500MPa以下の範囲で、低い引張強さのオーステナイト系ステンレス鋼の線材から成る外側第2コイル32と、引張強さが1200MPa以上200MPa以下の範囲で、高い引張強さの白金とニッケルの合金線から成る外側第1コイル31とを用いることにより、さらに、コイルを巻回する場合の負のコイルピッチの負の量を制御することにより、外側第1コイル31のねじり応力τ1と外側第2コイル32のねじり応力τ2との差を僅差とすることができる。
例えば、後述する第3実施形態の外側第1コイル31の径大側のねじり応力τ1が約138.6N/mmの場合、外側第2コイル32のコイル線の引張強さを低くして、コイル線の密巻き加工時の初張力を低く制御することにより、外側第1コイル31のコイル平均径と線直径が同一の、外側第2コイル32のねじり応力τ2を135.9N/mmにすると、ねじり応力τ1とτ2のねじり応力比(τ1/τ2)は、約1.019となり、前記関係式(9)(10)を満たしている。尚、外側第2コイル32のねじり応力τ2の135.9N/mmも前記関係式(5)(7)を満たしている。
前記したように、外側第1コイル31のねじり応力τ1と外側第2コイル32ねじり応力τ2とのねじり応力比(τ1/τ2)は、約0.68となり、前記関係式(9)(10)を満たしている。この理由は、外側コイル3に白金とニッケルの合金線(白金が90重量%以上99重量%以下で残部がニッケル)から成る放射線不透過性の線材とオーステナイト系ステンレス鋼の放射線透過性の線材との異種金属線を用いて巻回し、一体化したコイルは、異種金属のそれぞれの線材のもつ機械的強度特性の差から、屈曲変形させた場合に、一体化した接合部を境にして放射線不透過性の金属線側と放射線透過性の金属線側とでは曲率半径が異なり、均一な円弧を描くことができない。又、手元側を回転させた場合に、異種金属の線材のもつねじり応力の差から一体化した接合部の近傍でねじり溜まりが発生し、先端側への回転伝達性能が劣ることとなる。
そして、外側第1コイル31のねじり応力τ1と外側第2コイル32のねじり応力τ2とを前記関係式(9)(10)で示す一定範囲とすることにより、屈曲変形させた場合に、一体化した接合部を境にして異なる曲率半径の発生を低減させて均一な円弧形状を描く為と、接合部の近傍でのねじり溜まりを防いで、先端側への回転伝達性能を向上させる為である。
そして、初張力は、コイルの密巻き加工時に負のコイルピッチを設けて巻回成形することにより得ることができる。負の量を大きくすることにより初張力を大きく(隣接線間の圧縮力を大きく)することができ、又、負の量を小さくすることにより初張力を小さく(隣接線間の圧縮力を小さく)することができる。
従って、密巻きコイルの巻回成形によって発生する初張力の大小(強弱)から初張力によるねじり応力を制御することにより、異種金属の線材から成るコイルであっても初張力によるねじり応力の範囲を、前記関係式(9)(10)で示す一定範囲とすることができる。又、異種金属の線材から成るコイルを一体化して屈曲変形させた場合に、一体化した接合部を境にした異なる曲率半径の発生を低減させることができ、さらに一体化した接合部の近傍でのねじり溜まりの発生を防いで、先端側への回転伝達性能を向上させることができる。
次に、芯線2の芯線先端部2Bの構造について説明する。
図3及び図4は、形状の異なる芯線先端部2B、2Cを示し、図3は截頭円錐体が2個の連接截頭円錐体26を有する第1実施形態の芯線先端部2Bを示し、図4は截頭円錐体が3個の場合の第2実施形態の芯線先端部2Cを示している。尚、芯線先端部2Cを除き、他の仕様は第1実施形態と同様であり、同一構成部材には同一符号が付してある。
図3について、芯線先端部2Bは、後端側から先端側へ連接截頭円錐体26と先端細径27から成る。連接截頭円錐体26は、長手方向の長さL2が100mm、径大外径D0が0.180mm、径小外径D2が0.125mmの第2截頭円錐体26Bと、長手方向の長さL1が50mm、第1截頭円錐体26Aからみて径大外径D2が0.125mm、径小外径D1が0.060mmの第1截頭円錐体26Aの2個の截頭円錐体から成る。
先端細径体27は、長手方向の長さL4が15mm、外径が第1截頭円錐体26Aの径小外径D1と同じで0.060mmの横断面の形状が円形である。又、外径が0.060mmの横断面が円形の形状を、押圧加工又は切削加工によりアスペクト比(長辺/短辺)が、1.676以上3.958以下の横断面が矩形としてもよい。
そして、初張力が作用する密巻きと初張力が作用しない疎巻きとを有する外側第1コイル31を、先端細径体27の外側に配置することにより、後述する別段の作用効果を発揮する。
第2截頭円錐体26Bの長手方向の長さL2は100mm、第1截頭円錐体26Aの長手方向の長さL1は50mm、後端側から先端側へ減少し(L2>L1)、かつ、第2截頭円錐体26Bの外径比D0/D2は1.44で、第1截頭円錐体26Aの外径比D2/D1は約2.08で、後端側から先端側へ増大する{(D0/D2)<(D2/D1)}。
図4において、芯線先端部2Cは、第1〜3截頭円錐体26A、26B、26Cを連接した連接截頭円錐体260から成る。第3截頭円錐体26Cは、後端側から先端側へ長手方向の長さがL3(mm)で、径大外径がD0(mm)で、径小外径がD3(mm)である。第2截頭円錐体26Bは、長手方向の長さがL2(mm)、径大外径がD3(mm)、径小外径がD2(mm)である。第1截頭円錐体26Aは、長手方向の長さがL1(mm)、径大外径がD2(mm)、径小外径がD1(mm)である。尚、図3に示す先端細径体27は省略している。
連接截頭円錐体260の各截頭円錐体26A、26B、26Cの長手方向の長さL3、L2、L1は、後端側から先端側へ徐変減少し(L3>L2>L1)、かつ、各截頭円錐体26C、26B、26Aの外径比(D0/D3)、(D3/D2)、(D2/D1)は、後端側から先端側へ徐変増大する{(D0/D3)<(D3/D2)<(D2/D1)}。
このように、本発明の芯線先端部2B、2Cは、少なくとも2個以上の截頭円錐体を長手方向に連接した連接截頭円錐体26、260であり、1個の截頭円錐体の長手方向の長さは、第3截頭円錐体26Cから第2截頭円錐体26Bへ、さらに第1截頭円錐体26Aへ、後端側から先端側の截頭円錐体へ徐変減少し、かつ、1個の截頭円錐体の後端の径大外径と先端の径小外径との外径比(後端の径大外径/先端の径小外径)は、後端側の截頭円錐体から先端側の截頭円錐体へ向かって徐変増大することを特徴とする。
この理由は、後端側を回転させたとき、後端側の回転角度を減少させて先端側へのねじりモーメントの増大を図り、さらに初張力が作用する外側第1コイル31と外側第2コイル32との併用により、先端側への高度の回転伝達性能の向上を図ると共に、狭窄部、及び、完全閉塞病変部での穿孔性能を向上させる為である。
より詳しくは、先端の回転角度が同一のとき、後端側の回転角度を低減させることができる。この理由は、後端側の回転角度、つまり、ねじり角はねじり剛性が高い程減少し、ねじり剛性は横弾性係数と断面二次極モーメントの積で表すことができ、連接截頭円錐体26、260の構造のほうが図4及び図5において二点鎖線で示した仮想の単一截頭円錐体100の構造よりも断面二次極モーメントが高いからである。
又、後端側を押し引き操作させる際に、先端の曲げ剛性と耐座屈強度を向上させることができる。この理由は、曲げ剛性は、縦弾性係数と断面二次モーメントの積で表すことができ、連接截頭円錐体26、260の構造のほうが単一截頭円錐体100の構造よりも断面二次モーメントが高いからである。又、圧縮応力は横断面の面積に反比例し、横断面の面積が増大すれば圧縮応力は低下する。連接截頭円錐体26、260の、特に節部28(芯線の外径が他に比較して大きく変化する位置)の横断面積は、節部28と同一位置における単一截頭円錐体100の横断面積よりも大きく、圧縮応力は低い値となる。
従って、長手方向に押し引き操作した場合に、特に横断面積が増大した節部28の存在により、連接截頭円錐体26、260の構造のほうが単一截頭円錐体100の構造よりも耐座屈強度を向上させることができるからである。
図5は、本発明の芯線先端部2Bの連接截頭円錐体26の外径と、仮想の単一截頭円錐体100との外径の関係式を示す説明図である。
実線は、本発明の第1実施形態の截頭円錐体が2個の場合の連接截頭円錐体26を示し、二点鎖線は、関係式を説明する為の仮想の単一截頭円錐体100を示す。尚、先端細径体27は省略している。
連接截頭円錐体26の最大外径がD0(mm)、最小外径がD1(mm)、全長がL(mm)である。又、連接截頭円錐体26の最大外径D0(mm)の横断面の中心位置から先端へ、任意の位置をX(mm)として、任意の位置X(mm)が0mmを超えてLmmを下回る関係(0<X<L)にある場合で、任意の位置X(mm)における連接截頭円錐体26の外径をDm(mm)とし、仮想の単一截頭円錐体100の外径をDx(mm)とした場合に、外径Dx(mm)は、
Dx=D0−(D0−D1)X/L ・・・(11)
の関係式(11)で表すことができる。
そして、任意の位置X(mm)における連接截頭円錐体26の外径Dm(mm)は、外径Dx(mm)よりも大きいことから(Dm>Dx)、
Dm>{D0−(D0−D1)X/L} ・・・(12)
の関係式(12)で表すことができる。
本発明は、芯線先端部2B、2Cの連接截頭円錐体26、260が前記関係式(12)を満たすことを特徴とする。
この理由は、後端側の回転角度を低減させ、先端の曲げ剛性と耐座屈強度を向上させ、先端のねじりモーメントを増大させて病変部での穿孔性能と耐疲労特性を向上させる芯線先端部2B、2Cの構造を得ることができるからである。
さらに、初張力が作用する外側第1コイル31と外側第2コイル32との併用により、先端側への高度の回転伝達性能の向上を図ると共に、狭窄部、及び完全閉塞病変部での穿孔性能を、より向上させることができるからである。
次に、図6は第3実施形態のガイドワイヤ11を示し、第1実施形態のガイドワイヤ1と異なるところは、外側コイル30が後端側から先端側へ向かって先細り形状である。尚、ふっ素樹脂被膜6と親水性樹脂被膜7は省略している。
外側コイル30は、後端径大等径部311の外径B1が0.330mm、長手方向の長さが125mm、中間テーパ部312の外径が0.330mmから0.260mmへ徐変減少し、長手方向の長さが20mm、先端径小等径部313の外径B2が0.260mmで長手方向の長さが15mmである。
コイル線の線直径t1と材質は、前記第1実施形態と同様で、外側第2コイル320は放射線透過の線材で、外側第1コイル310は放射線不透過の線材であり、外側コイル30の後端径大等径部311と中間テーパ部312は密巻きで、先端径小等径部313は、前記第1実施形態の外側コイル3の外側第1コイル31と同様に、疎巻きに巻回したコイルである。尚、先端径小等径部313は、後端側が密巻きで先端側が疎巻きに巻回したコイルとしてもよい。
外側コイル30の後端径大等径部311の外径B1と、先端径小等径部313の外径B2との外径比B1/B2は、心臓血管治療用に用いられているガイドワイヤの最大外径0.3556mm(0.0014インチ)と下肢血管治療用に用いられているガイドワイヤの最大外径0.4572mm(0.018インチ)との双方を併せ考慮すると、外径比B1/B2は1.10以上1.80以下で、好ましくは1.15以上1.80以下である。第3実施形態の外側コイル30の外径比B1/B2は、約1.27である。
そして、連接截頭円錐体26の第1截頭円錐体26Aの後端の径大外径D2と先端の径小外径D1の外径比D2/D1は、外側コイル30の外径比B1/B2よりも大きい{(D2/D1)>(B1/B2)}。
第3実施形態では、外側コイル30の外径比B1/B2が約1.27であり、第1截頭円錐体26Aの外径比D2/D1が約2.08であることから、第1截頭円錐体26Aの外径比D2/D1は、外側コイルの外径比B1/B2よりも大きい{(D2/D1)>(B1/B2)}。この理由は、以下である。
先端側へ先細り形状の外側コイル30とすることにより、外側コイル30内の芯線先端部2Bの細径に伴うねじり力の低下分を補完することができ、又、後端と先端の外径比D2/D1を外側コイル30の外径比B1/B2よりも大きくした第1截頭円錐体26Aを有する連接截頭円錐体26の構造とすることにより、先端側への回転伝達性能を向上させることができるからである。
さらに、後端から先端へ初張力が徐変増大する外側コイル30の中間テーパ部312は、後端から先端へコイル線間の圧縮力(密着力)が徐変増大する。
後端から先端へコイル線間の圧縮力が徐変増大する中間テーパ部312を、後端から先端へ外径が徐変減少する第1截頭円錐体26Aの外側へ配置することにより、第1截頭円錐体26Aの外径が先端側へ細径化するのに伴って、中間テーパ部312のコイル線間の圧縮力(密着力)が先端側へ高められることにより、細径の第1截頭円錐体26Aでありながら、先端側への回転伝達性能を、より補完することができるからである。
そして、第3実施形態の外側第1コイル31の中間テーパ部312は、外径が0.330mmから0.260mmへ徐変減少し、コイル線の線直径t1が0.060mmであることから、ばね指数C1は、径大側の4.5から径小側の約3.3へ徐変減少する。
かかる場合のねじり応力τ1は、径大側から径小側へ約138.6N/mmから約189.0N/mmへ徐変増大する。
径大側のねじり応力τ1が約138.6N/mmで、ばね指数C1が4.5であることから、前記関係式(4)へ代入すると、ねじり応力τ1の範囲は、約124.9N/mm以上196.5N/mm以下となり、前記関係式(6)へ代入すると、ねじり応力τ1の範囲は、約124.9N/mm以上182.4N/mm以下となり、いずれの場合も前記関係式(4)(6)を満たしている。
そして、径大側のねじり応力が約138.6N/mmのときの初張力は、前記関係式(8)を用いると約4.35×10−2Nとなり、又径小側のねじり応力が約189.0N/mmのときの初張力は前記関係式(8)を用いると約8.0×10−2Nとなる。
従って、第3実施形態の外側第1コイル31の中間テーパ部312は、第1截頭円錐体26Aの外径が先端側へ細径化するのに伴って、中間テーパ部312の初張力は、後端側から先端側へ約4.35×10−2Nから約8.0×10−2Nとなって、コイル線間の圧縮力(密着力)を後端側から先端側へ高めている。
そして、図7は前記第3実施形態の変形例を示し、前記第3実施形態と異なるところは、後端径大等径部311と中間テーパ部312の後端側が外側第2コイル320で、中間テーパ部312の先端側と先端径小等径部313とが外側第1コイル310から成る。
中間接合部5Dは、中間テーパ部312の傾斜部に位置しており、外側第1コイル310と外側第2コイル320とが接合部材により一体接合されている。他は、前記第3実施形態と同様である。
次に、図8は、第4実施形態のガイドワイヤ111を示し、前記第3実施形態のガイドワイヤ11と異なるところは、外側コイル30の内側に、長手方向の長さが短く、かつ、同心状で、後端側から先端側へ向かって先細り形状の内側コイル4を配置していることである。尚、ふっ素樹脂被膜6と親水性樹脂被膜7は省略している。
内側コイル4は、芯線先端部2Bが貫挿し、接合部材等を用いて外側コイル30の先端と内側コイル4の先端と芯線先端部2Bの先端と接合して先丸形状の先端接合部5Aを形成し、内側コイル4の後端と芯線先端部2Bと接合して内側コイル後端接合部5Cを形成する。中間接合部5Eは、内側コイル4と外側コイル30と芯線先端部2Bと一体接合している。尚、中間接合部5Eは、内側コイル4と芯線先端部2Bとの接合、又は、内側コイル4と外側コイル30との接合としてもよい。
内側コイル4は、後端径大等径部411の外径A1は0.185mmで長手方向の長さが20mm、中間テーパ部412の外径は0.185mmから0.130mm先端側へ徐変縮径して長手方向の長さが20mm、先端径小等径部413の外径A2は0.130mmで長手方向の長さは15mm、又、コイル線の線直径t3が0.030mmで、1本又は複数本の線材を用いて後端径大等径部411と中間テーパ部412は密巻きで、先端径小等径部413は前記第3実施形態の外側第1コイル310と同様に疎巻き、又は後端側が密巻きで先端側が疎巻きに巻回したコイルである。
内側コイル4のコイル線は、前記外側第1コイル31のコイル線と同様に放射線不透過の線材を用いてもよいが、前記外側第2コイル32のコイル線のオーステナイト系ステンレス鋼から成る放射線透過性の線材が好ましい。この理由は、オーステナイト系ステンレス鋼の線材のほうが白金とニッケルの合金線よりも横弾性係数が高く、ねじり応力を高く設定することができるからである。
このように、内側コイル4は、ステンレス鋼から成る放射線透過性の線材を用いて後端径大等径部411と中間テーパ部412が密巻きで、先端径小等径部413は、先端側が疎巻きを有して巻回して成る。連接截頭円錐体26の第1截頭円錐体26Aの外側に、内側コイルの密巻きの中間テーパ部412と外側第1コイル31の密巻きの中間テーパ部312とを共に配置する。
そして、第1截頭円錐体26Aの外径が、後端側から先端側へ徐変減少するのに伴って、外側第1コイル31の中間テーパ部312の密巻きの初張力と内側コイル4の密巻きの中間テーパ部412の初張力とが共に後端側から先端側へ徐変増大する。
これにより、後端から先端へ徐変増大する外側コイル30の中間テーパ部312と内側コイル4の中間テーパ部412は、後端から先端へコイル線間の密着力(圧縮力)が徐変増大する。
そして、後端から先端へコイル線間の密着力(圧縮力)が徐変増大する2つの中間テーパ部312、412を、後端から先端へ外径が徐変減少する第1截頭円錐体26Aの外側へ配置することにより、第1截頭円錐体26Aの外径が先端側へ細径化するのに伴って、2つの中間テーパ部312、412のコイル線間の密着力(圧縮力)が先端側へ高められることとなり、細径の第1截頭円錐体26Aでありながら先端側への回転伝達性能の向上を、高めた初張力を用いてさらに補完することができる。
内側コイル4の後端径大等径部411の外径A1と、先端径小等径部413の外径A2との外径比A1/A2は、心臓血管治療用に用いられている最大外径0.3556mm(0.014インチ)と下肢血管治療用に用いられているガイドワイヤの最大外径0.4572mm(0.018インチ)との双方を併せ考慮すると、外径比A1/A2は1.15以上2.80以下で、好ましくは1.15以上2.75以下で、より好ましくは1.25以上2.75以下である。第4実施形態の内側コイル4の外径比A1/A2は約1.42である。
そして、連接截頭円錐体26の第1截頭円錐体26Aの後端の径大外径D2と先端の径小外径D1との外径比D2/D1は、第2截頭円錐体26Bの外径比D0/D2よりも大きく{(D2/D1)>(D0/D2)}、かつ、第1截頭円錐体26Aの外径比D2/D1と、内側コイル4の外径比A1/A2と、外側コイル30の外径比B1/B2とは、
(D2/D1)>(A1/A2)>(B1/B2)・・・(13)
の関係式(13)を満たす。
第4実施形態では、第1截頭円錐体26Aの外径比D2/D1が約2.08であり、第2截頭円錐体26Bの外径比D0/D2が1.44であることから第1截頭円錐体26Aの外径比D2/D1は、第2截頭円錐体26Bの外径比D0/D2よりも大きく(約2.08>1.44)、かつ、内側コイル4の外径比A1/A2が約1.42であり、外側コイル30の外径比B1/B2が約1.27であることから第1截頭円錐体26Aの外径比D2/D1と、内側コイル4の外径比A1/A2と、外側コイル30の外径比B1/B2とは、約2.08>約1.42>約1.27となって(D2/D1)>(A1/A2)>(B1/B2)の関係式(13)を満たしている。
このように関係式(13)を満たすこととする理由は、先細り形状の、内側コイル4と外側コイル30との併用により、内側コイル4内の芯線先端部2Bの第1截頭円錐体26Aの、細径に伴うねじり力の低下分を、より補完することができるからである。
そして、第1截頭円錐体26Aの外径比D2/D1を最も大きくすることにより、細径の第1截頭円錐体26Aでありながら先端側へのねじりモーメント増大を図ることができる。
さらに、外側コイル30と内側コイル4の密巻き中間テーパ部312、412は、後端から先端への初張力を増大させ、後端から先端へコイル線間の圧縮力(密着力)を徐変増大させる。後端から先端へコイル線間の圧縮力(密着力)を徐変増大させた中間テーパ部312、412を第1截頭円錐体26Aの外側に配置することにより、先端側へのねじりモーメントを増大させて、閉塞部、及び完全閉塞病変部での穿孔性能を飛躍的に向上させることができる。
本発明の外側コイル3、30内の芯線先端部2Bの連接截頭円錐体26、260は、連接する截頭円錐体の個数は、外側コイル3、30の全長に影響されるが外側コイル3、30の全長が20mm以上350mm以下の場合には、少なくとも2個以上で20個以下であることが好ましい。
又、前記第1〜4実施形態において、初張力が作用するコイル(外側コイル3、30、内側コイル4)について述べた。前記実施形態において、先端細径体27の外側のコイル(外側第1コイル31の先端側、外側第1コイル310の先端径小等径部313、内側コイル4の先端径小等径部413)が疎巻きで、第1截頭円錐体26Aの外側のコイル(外側第1コイル31の後端側、外側第1コイル310の中間テーパ部312、内側コイル4の中間テーパ部412)が密巻きの場合に、先端細径体27と第1截頭円錐体26Aとの境界部で別段の作用効果がある。
つまり、近年の手技において、特開2012−5724号公報に記載されているように、病変部の入口部へ迅速にガイドワイヤを到達させる為、先端部を意図的にU字形状に屈曲させる手技がある。
かかる場合において、本発明は、第1截頭円錐体26Aが先端側へ徐変縮径する構造であり、第1截頭円錐体26Aの外側のコイルは先端側へ徐変増大する初張力を備えている構造である。又、先端細径体27の外側のコイルは初張力が作用しない疎巻き構造である。
先端側へ細径化する第1截頭円錐体26Aの構造と、先端側へ初張力が徐変増大する外側コイル構造と、初張力が作用しない先端細径体27の外側コイル構造との併用により、細径化と初張力が増大する第1截頭円錐体26Aの先端と、外側のコイルの初張力が働かない先端細径体27の後端の境界部近傍では、応力が集中する為にU字形状に屈曲させ易く、この結果、病変部の入口部へ迅速に到達できる別段の作用効果を発揮する。
そして、前記第1〜4実施形態において、芯線先端部2Bは、後端側から先端側へ徐変縮径する少なくとも2個以上の截頭円錐体を連接した連接截頭円錐体26、260として説明したが、本発明の内容は、芯線先端部2Bの截頭円錐体が1個(第1截頭円錐体26Aに相当する場合)で、コイルのねじり応力が一定範囲の場合についても、前記同様の考え方が適用できる。
つまり、
後端側から先端側へ徐変縮径する部分を有する芯線の芯線先端部を外側コイルへ貫挿し、芯線先端部は、後端側から先端側へ徐変縮径する少なくとも1個の截頭円錐体を有し、
前記外側コイルは、先端側が放射線不透過性の線材を螺旋状に巻回した外側第1コイルと、後端側が放射線透過性の線材を螺旋状に巻回した外側第2コイルから成り、
前記外側第1コイルの先端と前記芯線先端部の先端と接合して先端接合部とし、
前記外側第2コイルの後端と前記芯線先端部の後端と接合して外側第2コイル後端接合部とした医療用ガイドワイヤであって、
前記外側第1コイルは、白金とニッケルの合金から成る放射線不透過性の線材を、後端側が密巻きで先端側が疎巻きに巻回し、
前記外側第2コイルは、ステンレス鋼から成る放射線透過性の線材を密巻きに巻回し、
前記外側第1コイルと前記外側第2コイルは、ばね指数が2.8以上6.8以下で、
記外側第1コイルの密巻きの初張力によるねじり応力をτ1とし、前記外側第2コイルの密巻きの初張力によるねじり応力をτ2とした場合に、前記外側第1コイルのねじり応力τ1は、
0.62τ2≦τ1≦1.02τ2
の関係式を満たすことを特徴とする。
又、前記截頭円錐体の径大外径D2と径小外径D1との外径比D2/D1は、外側コイルの外径比B1/B2よりも大きい{(D2/D1)>(B1/B2)}。
そして又、前記截頭円錐体の外径比D2/D1と外側コイルの外径比B1/B2と内側コイルの外径比A1/A2とは、(D2/D1)>(A1/A2)>(B1>B2)の関係式を満たすことを特徴とする。
そして、本発明の内容は、外側コイル3、30が放射線不透過性の線材から成る外側第1コイル31のみから成る場合であっても前記同様に適用でき、外側コイル3、30が放射線不透過性の線材から成る外側第1コイルと芯線先端部が連接截頭円錐体26、260を有する構造の場合と、さらに、外側コイル3、30が放射線不透過性の線材のみから成る外側第1コイルと芯線先端部が1個の截頭円錐体を有する場合である。
後者の適用例として、
後端側から先端側へ徐変縮径する部分を有する芯線の芯線先端部を外側第1コイルへ貫挿し、前記芯線先端部は、後端側から先端側へ徐変縮径する少なくとも1個の截頭円錐体を有し、前記外側第1コイルは、前記外側第1コイルの先端と前記芯線先端部の先端と接合して先端接合部とし、前記外側第1コイルの後端と前記芯線先端部の後端と接合して外側第1コイル後端接合部とした医療用ガイドワイヤであって、
前記外側第1コイルは、白金が90重量%以上99重量%以下で残部がニッケルの放射線不透過性の線材を螺旋状に巻回し、後端側が密巻きで先端側は疎巻きから成り、
ばね指数をC1、密巻きの初張力によるねじり応力をτ1(N/mm)とすると、ばね指数C1が2.8以上6.8以下で、密巻きの初張力によるねじり応力τ1(N/mm)は、
−17.2C1+165.7≦τ1≦−35.3C1+341.2
の関係式を満たすことを特徴とする。
又、前記截頭円錐体の径大外径D2と径小外径D1との外径比D2/D1は、外側コイルの外径比B1/B2よりも大きい{(D2/D1)>(B1/B2)}。
そして又、前記截頭円錐体の外径比D2/D1と外側コイルの外径比B1/B2と内側コイルの外径比A1/A2とは、(D2/D1)>(A1/A2)>(B1>B2)の関係式を満たすことを特徴とする。又、外側第1コイルは、全長に亘って初張力が作用する密巻きとしてもよい。
1 医療用ガイドワイヤ
2 芯線
2A 芯線後端部
2B、2C 芯線先端部
3、30 外側コイル
31、310 外側第1コイル
32、320 外側第2コイル
5A 先端接合部
5B 外側コイル後端接合部
5C 内側コイル後端接合部
26、260 連接截頭円錐体
26A 第1截頭円錐体
26B 第2截頭円錐体
26C 第3截頭円錐体

Claims (4)

  1. 後端側から先端側へ徐変縮径する部分を有する芯線の芯線先端部を外側コイルへ貫挿し、
    前記外側コイルは、先端側が放射線不透過性の線材を螺旋状に巻回した外側第1コイルと、後端側が放射線透過性の線材を螺旋状に巻回した外側第2コイルから成り、
    前記外側第1コイルの先端と前記芯線先端部の先端と接合して先端接合部とし、
    前記外側第2コイルの後端と前記芯線先端部の後端と接合して外側第2コイル後端接合部とした医療用ガイドワイヤであって、
    前記外側第1コイルは、白金とニッケルの合金から成る放射線不透過性の線材を、後端側が密巻きで先端側が疎巻きに巻回し、
    前記外側第2コイルは、ステンレス鋼から成る放射線透過性の線材を密巻きに巻回し、
    前記外側第1コイルと前記外側第2コイルは、ばね指数が2.8以上6.8以下で
    記外側第1コイルの密巻きの初張力によるねじり応力をτ1とし、前記外側第2コイルの密巻きの初張力によるねじり応力をτ2とした場合に、前記外側第1コイルのねじり応力τ1は、
    0.62τ2≦τ1≦1.02τ2
    の関係式を満たし、
    前記芯線先端部は、少なくとも2個以上の截頭円錐体を長手方向に連接した連接截頭円錐体で、1個の截頭円錐体は、長手方向の長さが後端側の截頭円錐体から先端側の截頭円錐体へ向かって徐変減少し、かつ、後端の径大外径と先端の径小外径との外径比(後端の径大外径/先端の径小外径)が、後端側の截頭円錐体から先端側の截頭円錐体へ向かって徐変増大し、
    前記連接截頭円錐体の最大外径がD0で、最小外径をD1、全長がL、最大外径D0の横断面の中心位置から先端へ、任意の位置Xにおける前記連接截頭円錐体の外径をDmとし、任意の位置Xが0<X<Lの関係にある場合に、前記連接截頭円錐体の外径Dmは、Dm>{D0−(D0−D1)X/L}の関係式を満たし、
    前記連接截頭円錐体の外側に、初張力が作用する前記外側第1コイルの密巻きと前記外側第2コイルの密巻きとを備えたことを特徴とする医療用ガイドワイヤ。
  2. 前記外側コイルは、後端側から先端側へ向かって後端径大等径部と中間テーパ部と先端径小部を備え、後端径大等径部と中間テーパ部は密巻きで、先端径小等径部は先端側に疎巻きを有し、
    後端径大等径部の前記外側第2コイルと、中間テーパ部と先端径小等径部との前記外側第1コイルから成り、又は、
    後端径大等径部と中間テーパ部の後端側との前記外側第2コイルと、中間テーパ部の先端側と先端径小等径部との前記外側第1コイルから成り、
    前記連接截頭円錐体は、先端の截頭円錐体を第1截頭円錐体とし、前記第1截頭円錐体の外側に、前記外側コイルの中間テーパ部を配置し、
    前記第1截頭円錐体の外径が、後端から先端へ徐変減少するのに伴って、前記外側コイルの中間テーパ部の密巻きの初張力が、後端から先端へ徐変増大したことを特徴とする請求項1記載の医療用ガイドワイヤ。
  3. 請求項2記載の医療用ガイドワイヤであって、
    前記外側コイルの後端径大等径部の外径をB1、先端径小等径部の外径をB2、前記連接截頭円錐体の前記第1截頭円錐体の後端の径大外径をD2とした場合に、
    前記第1截頭円錐体の先端の径小外径がD1であることから、前記第1截頭円錐体の径大外径D2と径小外径D1との外径比(D2/D1)は、前記外側コイルの外径比(B1/B2)よりも大きい{(D2/D1)>(B1/B2)}ことを特徴とする医療用ガイドワイヤ。
  4. 後端側から先端側へ向かって後端径大等径部と中間テーパ部と先端径小等径部とを備えた内側コイルを、前記芯線先端部の外側で前記外側コイルの内側に、前記外側コイルよりも長手方向の長さが短く同心状に配置して、
    前記外側コイルの先端と前記内側コイルの先端径小等径部の先端と前記芯線先端部の先端と接合して先端接合部とし、前記内側コイルの後端径大等径部の後端と前記芯線先端部と接合して内側コイル後端接合部とした請求項2〜3のいずれか一つに記載の医療用ガイドワイヤであって、
    前記内側コイルは、ステンレス鋼から成る放射線透過性の線材を用いて、後端径大等径部と中間テーパ部は密巻きで、先端径小等径部の先端側が疎巻きに巻回し、
    前記第1截頭円錐体の外側に、前記内側コイルの中間テーパ部と前記外側コイルの中間テーパ部とを配置し、
    前記第1截頭円錐体の外径が、後端側から先端側へ徐変減少するのに伴って、前記外側第1コイルの中間テーパ部の密巻きの初張力と前記内側コイルの中間テーパ部の初張力とが共に、後端側から先端側へ徐変増大したことを特徴とする医療用ガイドワイヤ。
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