JP5565847B1 - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】医療用ガイドワイヤの先端側への回転伝達性能及び塑性変形性能を向上させるとともに、コイルの素線同士の噛み合い現象を防ぐ。
【解決手段】芯線11の先端部に、外側コイル13と内側コイル14を二重にして接合する。外側コイル13と内側コイル14におけるばね指数C1,C2と、外側密巻き部13Bと内側密巻き部14Bのねじり応力τ1,τ2とを一定範囲とする。手元側の外側密巻き部13B及び内側密巻き部14Bの初張力F1,F2を高めたことにより、先端側に疎巻き部が設けられた場合であっても、先端側への回転伝達性能が向上する。外側疎巻き部13AのコイルピッチPoを素線8Aの直径doの2倍未満とすることにより、塑性変形性能が向上し、素線同士の噛み合いも無くなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、血管病変部の治療等に用いられる医療用ガイドワイヤに関する。
従来、血管閉塞部や狭窄部等の血管病変部の拡径治療に際して、医療用ガイドワイヤ(以下、単にガイドワイヤという)が用いられている。このガイドワイヤは、芯線の先端部に単一のコイルを有するものや、芯線の先端部に内側コイル及び外側コイルを同軸上で有するものなどがある。これらガイドワイヤを用いて、先端部を血管内に挿入し、先端部が病変部に到達するまで血管内を進行させることにより、血管病変部の拡径治療が行われる。
かかる場合において、ガイドワイヤは、血管病変部での通過性能の向上を図るために、任意選択性能、塑性変形性能、及び回転伝達性能が必要になる。任意選択性能は、曲がりくねった複雑な経路の血管内や分岐血管部で任意の方向に進行させる性能をいう。塑性変形性能は、最先端部を「へ」の字形に屈曲して塑性変形させる性能をいう。回転伝達性能は、体外に位置する手元部(後端部)を回転させることで、挿通した芯線とともに、芯線と部分的に固着したコイルを介して先端部を回転させる性能をいう。
特許文献1には、コイルの中央部に密巻き部が設けられ、この密巻き部の両端に疎巻き部が設けられたガイドワイヤが記載されている。
特許文献2には、芯線を貫挿した内側コイルの外側に、内側コイルと同心で外側コイルを配した二重構造のガイドワイヤが記載されている。
特開2010−0222号公報 特開平8−317989号公報
しかしながら、特許文献1は、コイルの両端部に疎巻き部を設け、中央部の密巻き部に初張力を作用させることによって、コイルの外周に樹脂被覆する際の樹脂被膜の偏りを防止しているものの、他の塑性変形性能や任意選択性能、回転伝達性能の向上について考慮されていない。
特許文献2には、内側コイルに放射線不透過材を用い、外側コイルにステンレスや形状記憶合金等を用い、芯線に主にばね用弾性材料を用いることによって、ガイドワイヤの回転伝達性能を向上させているものの、他の塑性変形性能や任意選択性能、回転伝達性能の向上等を総合的に向上させたいという要請がある。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、分岐血管部での任意選択性能と病変部内の通過性能とを向上させることができる医療用ガイドワイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に、本発明は、芯線と、内側コイルと、外側コイルとを備える。芯線は、手元側は太径であり、先端側は先端へ向かって徐変縮径する。
内側コイルは、素線直径が0.020mm以上0.040mm以下で、引張強さが2200MPa以上3500MPa以下のオーステナイト系ステンレス鋼線の素線を螺旋状に巻いて形成され、前記芯線の先端部の外側で、先端が前記芯線の先端に、後端が前記芯線の先端部に接合される。
外側コイルは、先端側が放射線不透過性の素線、後端側が素線直径0.055mm以上0.090mm以下で引張強さが2200MPa以上3500MPa以下の放射線透過性のオーステナイト系ステンレス鋼線の素線を螺旋状に巻いて、前記内側コイルの外側で、前記内側コイルよりも前記芯線方向に長く、前記内側コイルと同心で形成され、前記芯線に前記内側コイルを取り付けた状態で、先端が前記芯線の先端に、後端が前記芯線の先端部に接合される。
前記内側コイルと前記外側コイルは、手元側から先端側へ向かって、太径等径部、中間テーパ部、小径等径部を有する。
前記小径等径部の先端部には、コイルピッチが素線直径の2.00倍以上3.50倍以下の内側疎巻き部が設けられ、前記芯線に前記内側コイル及び前記外側コイルを取り付けた状態で、前記内側疎巻き部の前記小径等径部の外側には、コイルピッチが素線直径の1.05倍以上1,90倍以下の外側疎巻き部が設けられ、前記内側疎巻き部のコイルピッチと前記外側疎巻き部のコイルピッチは異なる。
前記内側コイルの小径等径部の外径をDi1、大径等径部の外径をDi2、前記外側コイルの小径等径部の外径をDo1、大径等径部の外径をDo2としたときに、
前記内側コイルの外径比(Di2/Di1)は1.15以上2.80以下であり、
前記外側コイルの外径比(Do2/Do1)は1.10以上1.80以下であり、
前記内側コイルの外径比(Di2/Di1)は、前記外側コイルの外径比(Do2/Do1)よりも大きい{(Di2/Di1)>(Do2/Do1)}。
前記外側コイルの後端側には、ばね指数C1が2.8以上6.8以下で、初張力によるねじり応力をτ1(N/mm 2 )としたときに、
−11.2C1+111.7≦τ1≦−38.7C1+370.6の式を満たし、コイルピッチが密になる外側密巻き部が設けられる。
前記内側コイルの後端側には、ばね指数C2が2.8以上6.8以下で、初張力によるねじり応力をτ2(N/mm 2 )としたときに、
−11.2C2+111.7≦τ2≦−38.7C2+370.6の式を満たし、コイルピッチが密になる内側密巻き部が設けられる。
前記外側密巻き部及び前記内側コイルは、引張強さが2200MPa以上3500MPa以下のオーステナイト系ステンレス鋼線の素線を用いるとしたのは、外側密巻き部及び前記内側密巻き部は、縮径伸線加工、又は縮径伸線加工と熱処理とを組み合わせることにより引張強さを容易に向上させることができ、かつ、高い横弾性係数を得て高いねじり応力を得ることができるからである。さらに、後述するばね指数とねじり応力との相関関係において、ねじり応力を向上させ、先端側への回転伝達性能を向上させることができるからである。
又、前記内側コイルと前記外側コイルは、手元側から先端側へ向かって、大径等径部、中間テーパ部、小径等径部を有し、前記内側疎巻き部は、前記小径等径部の先端部に設けられ、前記外側疎巻き部は、前記芯線に前記内側コイル及び前記外側コイルを取り付けた状態で、前記内側疎巻き部の前記小径等径部の外側に少なくとも設けることを特徴とする。
この理由は、ねじりモーメントは大径等径部と小径等径部の外径比に比例する為、手元側の外径を径大化し、先端側を径小化すれば、その外径比に対応して手元側の芯線の回転による先端側への回転伝達性能を向上させることができるからである。又、内側コイルの内側疎巻き部と外側コイルの外側疎巻き部とを芯線方向で同一位置に設けることにより、先端の柔軟性の確保と「へ」の字形の易屈曲性と塑性変形性能の向上効果が得られるからである。これにより、病変部への分岐血管部での所望の病変部血管への任意選択性の向上、及び、病変部内の通過性を向上させることができる。
又、前記内側疎巻き部は、コイルピッチが素線直径の2.00倍以上3.50倍以下であり、前記外側疎巻き部は、コイルピッチが素線直径の1.05倍以上1.90倍以下であり、前記内側疎巻き部のコイルピッチと前記外側疎巻き部のコイルピッチは異なることを特徴とする。この理由は、各疎巻き部において、内側コイルの素線が外側コイルの素線の間隙へ食い込んだり、逆に、外側コイルの素線が内側コイルの素線の間隙へ食い込んだりする噛み合い現象を防ぐことができるからである。
又、前記内側コイルの小径等径部の外径をDi1、大径等径部の外径をDi2、前記外側コイルの小径等径部の外径をDo1、大径等径部の外径をDo2としたときに、前記内側コイルの外径比(Di2/Di1)が1.15以上2.80以下であり、前記外側コイルの外径比(Do2/Do1)が1.10以上1.80以下であり、前記内側コイルの外径比(Di2/Di1)は、前記外側コイルの外径比(Do2/Do1)よりも大きい{(Di2/Di1)>(Do2/Do1)}ことを特徴とする。この理由は、内側コイルの後端接合部の芯線の直径は、外側コイルの後端接合部の芯線の直径よりも細い場合に、手元側の芯線を回転させたとき、細径の芯線と接合された内側コイルのねじりモーメントは、大径の芯線と接合された外側コイルのねじりモーメントよりも、接合部の芯線の縮径分に応じて低くなり、この内側コイルのねじりモーメントの低下分を、内側コイルの外径比を高めることによって補完し、最先端部への回転伝達性能をより高めることができるからである。又、上記同様に、内側コイルの外径比(Di2/Di1)や外側コイルの外径比(Do2/Do1)に一定範囲の幅を持たせたのは、治療する部位の血管内径と、拡径治療に用いる各医療用具の実用寸法を併せて考慮したからである。
そして、前記外側コイルの後端側に形成され、ばね指数C1が2.8以上6.8以下で、初張力によるねじり応力をτ1(N/mm 2 )としたときに、−11.2C1+111.7≦τ1≦−38.7C1+370.6の式を満たし、コイルピッチが密になる外側密巻き部と、前記内側コイルの後端側に少なくとも形成され、ばね指数C2が2.8以上6.8以下で、初張力によるねじり応力をτ2(N/mm 2 )としたときに、−11.2C2+111.7≦τ2≦−38.7C2+370.6の式を満たし、コイルピッチが密になる内側密巻き部とを備えたことを特徴とする。この理由は、オーステナイト系ステンレス鋼線の縮径伸線加工と熱処理とを組み合わせることにより引張強さを容易に向上させることができ、かつ、高い横弾性係数を得て高いねじり応力が得られ、さらに、負のコイルピッチを設けて巻回成形することにより、手元側の外側密巻き部及び密巻き部の初張力F1、F2を高めたことにより、先端側に疎巻き部が設けられた場合であっても、前記内側コイルの外径比を外側コイルの外径比よりも高めることと併用して、先端側への回転伝達性能をより向上させることができるからである。さらに、手元側の高い初張力を有する外側密巻き部と、先端側の素線直径の2倍未満の一定範囲のコイルピッチの外側疎巻き部との併用により、後述するパラレルワイヤ手技における2本のガイドワイヤのコイル同士の噛み合い現象を防ぐことができるからである。
前記芯線に前記外側コイル及び内側コイルを取り付けた状態で、前記外側コイルのうち前記外側密巻き部と前記外側疎巻き部との境界を含む位置に、前記内側密巻き部を配置させ、前記内側コイルの初張力をF2(N)とし、前記外側コイルの初張力をF1(N)としたときに、F1>F2の式を満たすことが好ましい。この場合には、剛性が急激に変化しやすい外側疎巻き部と外側密巻き部との境界部において曲率半径を徐変減少させ、局部変形を防ぐことができる。従って、血管内での挿入性を向上させることができる。
前記芯線に前記外側コイル及び内側コイルを取り付けた状態で、前記外側コイルのうち先端の前記放射線不透過性の素線と後端の前記放射線透過性の素線との境界を含む位置に、前記内側密巻き部を配置させ、前記内側コイルの初張力をF2(N)とし、前記外側コイルの初張力をF1(N)としたときに、F1>F2の式を満たすことが好ましい。この場合には、剛性が急激に変化しやすい外側疎巻き部の素線と外側密巻き部の素線との境界部において曲率半径を徐変減少させ、局部変形を防ぐことができる。従って、血管内での挿入性を向上させることができる。
前記外側密巻き部及び前記内側コイルに用いるオーステナイト系ステンレス鋼線の素線は、外観が鏡面状であることが好ましい。前記外側密巻き部及び前記内側密巻き部は、オーステナイト系ステンレス鋼線の素線を螺旋状に巻いて形成する際に、負のコイルピッチを設けて巻回成形したため、素線が自由に回転することができずにねじられた形で巻回成形されている。このため、前記外側密巻き部及び前記内側密巻き部には、隣接した素線同士が初張力による圧縮力を受け、摩擦抵抗力が生じている。従って、前記外側密巻き部及び前記内側密巻き部に用いるオーステナイト系ステンレス鋼線の外観を鏡面状とすることにより、隣接する素線が鏡面状で、かつ、同一材料であるため、隣接する素線相互に強い凝着力が作用して摩擦抵抗力が増大するので、先端側への回転伝達性能を向上させることができる。
本発明によれば、高い引張強さをもつオーステナイト系ステンレス鋼線を用いることにより高い横弾性係数と高いねじり応力を得て、又外側コイルと内側コイルにおけるばね指数C1、C2と外側密巻き部と内側密巻き部のねじり応力τ1、τ2を一定範囲として、手元側の外側密巻き部及び内側密巻き部の初張力F1、F2を高めたことにより、先端側に疎巻き部が設けられた場合であっても、内側コイルの外径比を外側コイルの外径比よりも高めることと併用して、先端側への回転伝達性能をより向上させることができる。又、手元側の高い初張力を有する外側密巻き部と、先端側の素線直径の2倍未満の一定範囲のコイルピッチの外側疎巻き部との併用により、内側コイルと外側コイルのコイル同士の噛み合いを防ぐのみならず、後述するパラレルワイヤ手技における2本のガイドワイヤのコイル同士の噛み合いを防ぐことができる。
本発明の第1実施形態の医療用ガイドワイヤの一部を切り欠いて示す側面図である。 同実施形態の医療用ガイドワイヤの要部の各部寸法を示す側面図である。 内側コイルと外側コイルのばね指数とねじり応力との相関関係を示す。 本発明の医療用ガイドワイヤを評価するために用いた評価装置の断面図である。 本発明の医療用ガイドワイヤの特性図を示す。 第2実施形態の医療用ガイドワイヤの要部の各部寸法を示す側面図である。
(第1実施形態)
図1に示すように、ガイドワイヤ10は、芯線11と、外側コイル13と、内側コイル14と、これらを接合する接合部15A,15B,15C,15Dとを有する。芯線11は、ステンレス鋼製、又はNi−Ti合金製である。例えば、特開2002−69586号公報で説明されているように伸線処理と焼きなまし処理を繰り返すことにより、高強度のステンレス鋼製の芯線11が製造される。又は、特開2002−69555号公報で説明されているように所定条件下で熱処理を施すことにより、Ni−Ti合金製の芯線11が製造される。尚、本発明のガイドワイヤ10は、長さに比べて直径が極めて小さな値となっている。このため、本発明のガイドワイヤ10は、縦横の縮尺率を同じにすると所定のエリアに図示することが困難となるため、一部を誇張したり、省略したりして図示している。
芯線11は、手元側から順に、第1等径部11A、第1テーパ部11B、第2等径部11C、第2テーパ部11D、第3等径部11E、第3テーパ部11F、第4等径部11Gを有する。芯線11は、手元側から先端側へ向かうに従い、外径が例えば0.3556mm(0.014インチで心臓血管治療用)から0.060mmへと小さくなる。芯線11の手元側の太径部分の外周には、ふっ素樹脂被膜16が塗布などにより形成されている。
外側コイル13は、先端側に放射線不透過性の白金線又は白金とニッケルの合金線等の素線8A、後端側に放射線透過性のオーステナイト系ステンレス鋼線の素線8Bを用い、これら素線8A,8Bを巻回成形したコイルである。外側コイル13は、1本又は複数本の素線8A,8Bを用いて、1条又は複数条の円筒に形成される。外側コイル13の素線8A,8Bの巻き方向は、例えばZ巻(Z字表記による右ねじ方向)である。
外側コイル13には、第3等径部11E、第3テーパ部11F、及び第4等径部11Gが挿入された状態で、芯線11の先端部側の接合部(以下、先端接合部という)15Aと後端部側の接合部(以下、後端接合部という)15Bとによって、芯線11と接合される。先端接合部15Aは、先端が、例えば半球状のように断面が円弧状に丸くされた先丸形状であり、ガイドワイヤ10の最先端部分に設けられる。
後端接合部15Bは、外径が0.160mm以上0.190mm以下の第3等径部11Eに設けられる。外側コイル13の外周、先端接合部15Aの外周、及び後端接合部15Bの外周には、親水性樹脂被膜17が塗布などにより形成されている。
図2に示すように、外側コイル13の外径Doは、0.300mm以上0.3556mm以下であり、本実施形態では0.325mmである。外側コイル13の芯線方向の長さ(全長)Loは、100mm以上300mm以下であり、本実施形態では160mmである。外側コイル13の素線8A,8Bの直径doは、0.055mm以上0.090mm以下であり、本実施形態では0.060mmである。又、下肢血管閉塞部治療用等の比較的大きい血管治療に用いる場合を考慮すると、外側コイル13の素線8A,8Bの直径doは、0.090mmである。外側コイル13のコイル平均径Daoは、外径Doが0.325mmであり、素線8A,8Bの直径doが0.060mmであることから、0.265mmである。
外側コイル13は、先端部側の疎巻き部(外側疎巻き部)13Aと、手元側の密巻き部(外側密巻き部)13Bとを有する。
外側密巻き部13Bは、引張強さが2200MPa以上3500MPa以下のオーステナイト系ステンレス鋼線の素線8Bにより形成される。外側密巻き部13Bは、オーステナイト系ステンレス鋼線で形成したために、縮径伸線加工、又は縮径伸線加工と熱処理とを組み合わせることにより引張り強さを容易に向上させることができ、かつ、高い横弾性係数を得て高いねじり応力が得られる。さらに、引張強さが2200MPa以上3500MPa以下のオーステナイト系ステンレス鋼線は、例えば、特開2002−69586号等で説明されているように冷間伸線加工と熱処理を繰り返すことにより製造される。これにより、後述するばね指数とねじり応力との相関関係において、ねじり応力を向上させ、先端側への回転伝達性能を向上させることができる。より好ましくは、外側密巻き部13Bは、外観が鏡面状のオーステナイト系ステンレス鋼線で形成される。ここで、外側密巻き部13Bは、オーステナイト系ステンレス鋼線の素線8Bを螺旋状に巻いて形成する際に、負のコイルピッチを設けて巻回成形したため、素線8Bが自由に回転することができずにねじられた形で巻回成形されている。このため、外側密巻き部13Bには、隣接した素線8B同士が初張力F1による圧縮力を受け、摩擦抵抗力が生じている。従って、外側密巻き部13Bを、外観が鏡面状のオーステナイト系ステンレス鋼線で形成することにより、隣接する素線8Bが鏡面状で、かつ、同一材料であるため、隣接する素線8B相互に強い凝着力が作用して摩擦抵抗力が増大するので、先端側への回転伝達性能を向上させることができる。ここで、鏡面状とは、目視、及び触感により凸凹が感知できない程度、又は光が反射される程度の面状のことである。
外側コイル13の先端側で素線8Aを巻回成形したコイルの長さLoAは、30mm以上60mm以下であり、本実施形態では40mmである。外側疎巻き部13Aは、先丸形状の先端接合部15Aの内側から手元側へ少なくとも20mmの範囲に設けられる。尚、本実施形態では、外側コイル13の先端側で素線8Aを巻回成形したコイルは、全長に渡って外側疎巻き部13Aである。そのため、外側コイル13の先端側で素線8Aを巻回成形したコイルを、外側疎巻き部13Aとして説明する。外側コイル13の後端側で素線8Bを巻回成形したコイルの長さLoBは、90mm以上180mm以下であり、例えば120mmである。尚、本実施形態では、外側コイル13の後端側で素線8Bを巻回成形したコイルは、全長に渡って外側密巻き部13Bである。そのため、外側コイル13の後端側で素線8Bを巻回成形したコイルを、外側密巻き部13Bとして説明する。よって、外側密巻き部13Bは、外側コイル13の芯線方向の長さの3/5以上である。
外側疎巻き部13Aと外側密巻き部13Bは、芯線11の先端部と後端部との間の接合部15D(以下、中間接合部15Dという)にて接合される。この中間接合部15Dは、半田などのろう材やその他の接合部材が用いられる。接合に際しては、外側疎巻き部13Aの素線8Aと外側密巻き部13Bの素線8Bとの一部をねじ込み、このねじ込み部分にろう材を入れて両者を接合する方法や、素線同士を溶接などで接合する方法が用いられる。
外側疎巻き部13AのコイルピッチPoは、素線8Aの直径doの2倍未満の寸法とし、素線8Aの直径doの1.05倍以上1.90倍以下であり、本実施形態では1.25倍である。本実施形態では、素線8Aの直径doが0.060mmであるため、その1.25倍がコイルピッチPoとなり、0.075mmである。
内側コイル14は、外側密巻き部13Bと同様に、引張強さが2200MPa以上3500MPa以下のオーステナイト系ステンレス鋼線の素線9を用いて、1条又は複数条の円筒状に巻いて形成されている。
内側コイル14は、外側コイル13と第4等径部11Gとの間に設けられ、外側コイル13よりも全長Liが短く、かつ、外側コイル13と同心で取り付けられる。内側コイル14は、第4等径部11Gが挿入された状態で、先端接合部15Aと、芯線11の後端接合部15Cとによって芯線11と接合される。後端接合部15Cは、外径が0.100mm以上0.120mm以下の第4等径部11Gに設けられる。
内側コイル14の外径Diは、0.150mm以上0.210mm以下であり、本実施形態では0.205mmである。内側コイル14の芯線方向の長さ(全長)Liは、30mm以上90mm以下であり、本実施形態では60mmである。内側コイル14の素線9の直径diは、0.020mm以上0.040mm以下であり、本実施形態では0.035mmである。又、脳血管閉塞部治療用等の細血管治療に用いる場合を考慮すると、内側コイル14の素線9の直径diは、0.020mmである。内側コイル14のコイル平均径Daiは、外径Diが0.205mmであり、素線9の直径diが0.035mmであることから、0.170mmである。
内側コイル14は、先端部側の疎巻き部(内側疎巻き部)14Aと、手元側の密巻き部(内側密巻き部)14Bとを有する。内側疎巻き部14Aは、先丸形状の先端接合部15Aの内側から手元側へ向かって形成されている。この内側疎巻き部14Aの長さLiAは、4mm以上12mm以下であり、本実施形態では4mmである。本実施形態では、内側コイル14の芯線方向の全長Liが60mmであるため、内側疎巻き部14Aの長さLiAは、全長の約6.7%である。又、内側コイル14は引張強さが2200MPa以上3500MPa以下のオーステナイト系ステンレス鋼線の素線9により形成されているため、内側密巻き部14Bは、縮径伸線加工、又は縮径伸線加工と熱処理とを組み合わせることにより引張り強さを容易に向上させることができ、かつ、高い横弾性係数を得て高いねじり応力が得られる。より好ましくは、内側コイル14は、外側密巻き部13Bと同様に、外観が鏡面状のオーステナイト系ステンレス鋼線で形成される。これにより、内側密巻き部14Bにおいて、隣接する素線9が鏡面状で、かつ、同一材料であるため、隣接する素線9相互に強い凝着力が作用して摩擦抵抗力が増大するので、先端側への回転伝達性能を向上させることができる。内側コイル14の素線9の巻き方向は、外側コイル13と同一、すなわち、外側コイル13がZ巻の場合は、内側コイル14もZ巻である。
内側疎巻き部14Aは、芯線11の先端に外側コイル13、内側コイル14を取り付けた状態で、外側疎巻き部13Aと芯線方向で同一位置に設けられる。内側疎巻き部14AのコイルピッチPiは、素線9の直径diの2.0倍以上3.5倍以下であり、本実施形態では2.5倍である。本実施形態では、素線9の直径diが0.035mmで2.5倍のため、コイルピッチPiは約0.0875mmである。
内側密巻き部14Bは、芯線11の先端に外側コイル13、内側コイル14を取り付けた状態で、外側疎巻き部13Aと外側密巻き部13Bとの境界である中間接合部15を跨ぐようにして、芯線方向で同一位置に設けられる(すなわち、芯線11に外側コイル13及び内側コイル14を取り付けた状態で、外側疎巻き部13Aと外側密巻き部13Bとの境界を含む位置に配置される)。内側密巻き部14Bは、外側密巻き部13Bと同様に、素線9を螺旋状に巻いて形成する際に、隣接する素線9間に隙間が空かないように圧縮しながら巻いたため、初張力F2が作用している。
次に、図3を参照しながら、ねじり応力τ(τ1,τ2)とばね指数C(C1,C2)との関係について説明する。尚、図3に示すように、L1,L3,L4は、ばね指数が2.8以上6.8以下の場合の近似式であり、この範囲内を実線とし範囲外を点線としている。L2は、ばね指数が3.5以上5.5以下の場合の近似式であり、この範囲内を実線とし範囲外を点線としている。
図3は、ねじり応力τ(N/mm)とばね指数Cとの相関関係を示し、横軸がばね指数、縦軸がねじり応力τ(N/mm)のグラフである。このようなねじり応力τ(N/mm)とばね指数Cとの相関関係は、予め試験を行った結果から導かれる。外側コイル13のばね指数C1は、2.8以上6.8以下であり、本実施形態では約4.42である。内側コイル14のばね指数C2は、2.8以上6.8以下であり、本実施形態では約4.86である。
外側密巻き部13Bのばね指数C1を2.8以上6.8以下とし、内側密巻き部14Bのばね指数C2を2.8以上6.8以下としたときに、外側密巻き部13Bのねじり応力τ1、及び内側密巻き部14Bのねじり応力τ2は、下記式(1)(2)を満たすことが好ましい。(図示符号L1とL4)
−11.2C1+111.7≦τ1≦−38.7C1+370.6・・・(1)
−11.2C2+111.7≦τ2≦−38.7C2+370.6・・・(2)
ねじり応力τ1,τ2が上記式(1)(2)の下限値未満となると、後端側の外側密巻き部13B及び内側密巻き部14Bから先端側への回転伝達性能が低下する。ねじり応力τ1,τ2が上記式(1)(2)の上限値を超えると、外側密巻き部13B及び内側密巻き部14Bと外側疎巻き部13A及び内側疎巻き部14Aとの境界等に生じる剛性の変化により、境界等で曲率半径が先端側へ向かって徐変減少せず、急激な折れ曲がりが発生し易くなり、先端側への回転伝達性能が低下する。従って、急激な折れ曲がりよる局部変形を防ぐとともに、先端側への回転伝達性能の低下を防止することを考慮すると、外側密巻き部13Bのねじり応力τ1は上記式(1)を満たし、内側密巻き部14Bのねじり応力τ2は上記式(2)を満たすことが好ましい。
より好ましくは、外側密巻き部13B、及び内側密巻き部14Bのばね指数C1、C2を2.8以上6.8以下としたときに、外側密巻き部13Bのねじり応力τ1、及び内側密巻き部14Bのねじり応力τ2は、下記式(3)(4)を満たすことが好ましい。(図示符号L1とL3)
−21.8C1+198.1≦τ1≦−38.7C1+370.6・・・(3)
−21.8C2+198.1≦τ2≦−38.7C2+370.6・・・(4)
外側密巻き部13B及び内側密巻き部14Bと外側疎巻き部13A及び内側疎巻き部14Aとの境界等での急激な折れ曲がりよる局部変形をより防ぐと共に、外側密巻き部13B及び内側密巻き部14Bから外側疎巻き部13A及び内側疎巻き部14Aへの回転伝達性能をより向上させることを考慮すると、外側密巻き部13Bのねじり応力τ1は上記式(3)を満たし、内側密巻き部14Bのねじり応力τ2は上記式(4)を満たすことがより好ましい。
さらに好ましくは、外側密巻き部13B、及び内側密巻き部14Bのばね指数C1、C2を3.5以上5.5以下としたときに、外側密巻き部13Bのねじり応力τ1、及び内側密巻き部14Bのねじり応力τ2は、下記式(5)(6)を満たすことが好ましい。(図示符号L1とL2)
−30.9C1+280.4≦τ1≦−38.7C1+370.6・・・(5)
−30.9C2+280.4≦τ2≦−38.7C2+370.6・・・(6)
外側密巻き部13Bのねじり応力τ1は、ばね指数C1が約4.42であることから、上記式(5)に基づいて、約143.8N/mm以上約199.5N/mm以下であり、本実施形態では約166.5N/mmである。内側密巻き部14Bのねじり応力τ2は、ばね指数C2が約4.86であることから、上記式(6)に基づいて、約130.2N/mm以上約182.5N/mm以下であり、本実施形態では約151.4N/mmである。
次に、外側密巻き部13Bと内側密巻き部14Bのねじり応力τと初張力Fとの関係を説明する。
初張力F(N)は、下記式(7)で表される。尚、dは素線の直径、τはねじり応力、Daはコイル平均径を示す。
F=πdτ/(8Da)・・・(7)
初張力Fは、素線を螺旋状に巻いて形成する際に、負のコイルピッチを設けて巻回成形したことにより設けられるものである。従って、初張力Fは、負のコイルピッチの負の量を増減することにより、増減させることができる。これにより、外側密巻き部13B及び内側密巻き部14Bの初張力F1,F2のねじり応力τ1,τ2を、外側疎巻き部13A及び内側疎巻き部14Aとの相関関係により、高く設定したり、低く設定したりして調整することができる。
外側密巻き部13Bの初張力F1と内側密巻き部14Bの初張力F2との大小関係は、F1>F2である。外側密巻き部13Bの初張力F1は、外側コイル13の素線8Bの直径doが0.060mm、外側密巻き部13Bのねじり応力τ1が166.5N/mm、外側コイル13のコイル平均径Daoが0.265mmであるので、上記式(7)に基づいて、約5.33×10−2Nである。内側密巻き部14Bの初張力F2は、内側コイル14の素線9の直径diが0.035mm、内側密巻き部14Bのねじり応力τ2が151.4N/mm2、内側コイル14のコイル平均径Daiが0.170mmであるので、上記式(7)に基づいて、約1.50×10−2Nである。
外側疎巻き部13Aと外側密巻き部13Bとの境界にある中間接合部15Dでは、外側密巻き部13Bは初張力F1が作用しているものの外側疎巻き部13Aは初張力が作用していないために、剛性に差が生じている。このため、外側疎巻き部13Aと外側密巻き部13Bとの境界にある中間接合部15Dでは、急激な折れ曲がりが発生し易くなっている。従って、中間接合部15Dの後端側から先端側へ向かって曲率半径を徐変減少させることで急激な折れ曲がりを防ぐ。又、先端側への回転伝達性能の低下を防ぐことを考慮すると、外側疎巻き部13Aと外側密巻き部13Bとの境界にある中間接合部15Dを跨ぐようにして内側密巻き部14Bを設け(すなわち、芯線11に外側コイル13及び内側コイル14を取り付けた状態で、外側疎巻き部13Aと外側密巻き部13Bとの境界を含む位置に内側密巻き部14Bを配置させ)、外側密巻き部13Bの初張力F1と内側密巻き部14Bの初張力F2との大小関係をF1>F2とすることが好ましい。
又、外側疎巻き部13Aの素線8Aと外側密巻き部13Bの素線8Bとの境界では、外側疎巻き部13Aの素線8Aは白金とニッケルの合金線等で形成されているものの外側密巻き部13Bの素線8Bは白金とニッケルの合金線等よりも縦弾性係数が高いオーステナイト系ステンレス鋼線で形成されているために、剛性に差が生じている。このため、外側疎巻き部13Aの素線8Aと外側密巻き部13Bの素線8Bとの境界では、急激な折れ曲がりが発生し易くなっている。従って、外側疎巻き部13Aの素線8Aと外側密巻き部13Bの素線8Bとの境界では、後端側から先端側へ向かって曲率半径を徐変減少させることで急激な折れ曲がりを防ぐ。又、先端側への回転伝達性能の低下を防ぐことを考慮すると、外側疎巻き部13Aの素線8Aと外側密巻き部13Bの素線8Bとの境界を跨ぐようにして内側密巻き部14Bを設け(すなわち、芯線11に外側コイル13及び内側コイル14を取り付けた状態で、外側コイル13の素線8Aと素線8Bとの境界を含む位置に内側密巻き部14Bを配置させ)、外側密巻き部13Bの初張力F1と内側密巻き部14Bの初張力F2との大小関係をF1>F2とすることが好ましい。
次に、外側コイル3のばね指数C1と内側コイル4のばね指数C2とを変化させた場合に、ばね指数C(C1、C2)と変形発生率(%)を評価するために用いられる評価装置18について説明する。
図4に示すように、評価装置18は、入口部18aと、屈曲蛇行部18bとを有する。入口部18aは、内径ID1が2mmである。屈曲蛇行部18bは、内径ID2が0.5mmである。屈曲蛇行部18bは、半径r1が5mmの180度曲げ部18cが6箇所に設けられる。この評価装置18は、樹脂チューブによって形成される。
ここで、変形発生率(%)とは、外側コイル3及び内側コイル4の各試験品を、評価装置18内へ20回繰り返し挿入した後、挿入特性と回転伝達性能を評価することにより得られた塑性変形の不良発生率(%)のことである。
図5に示すように、変形発生率(%)は、ばね指数Cが6.8を超えると、急激に増大する。一方、変形発生率(%)は、ばね指数Cが2.8未満となると、螺旋状に巻いて形成した時に素線の表面に鱗紋やひび割れ等が発生し易くなる。従って、外側コイル3及び内側コイル4のばね指数C(C1、C2)は、外側コイル3及び内側コイル4の変形発生率やひび割れ等を考慮すると、2.8以上6.8以下である。
本実施形態によれば、外側コイル13と内側コイル14におけるばね指数C1,C2及びねじり応力τ1,τ2を一定範囲として、手元側の外側密巻き部13B及び内側密巻き部14Bの初張力F1,F2を高めたことにより、先端側に疎巻き部が設けられた場合であっても、先端側への回転伝達性能を向上させることができる。又、外側疎巻き部13AのコイルピッチPoを素線8Aの直径doの2倍未満としたことにより、塑性変形性能を向上させるとともに、コイル同士の噛み込み等を防ぐことができる。
外側コイル13と内側コイル14のばね指数C1,C2を一定範囲とし、外側密巻き部13Bと内側密巻き部14Bのねじり応力τ1,τ2の範囲をより狭い範囲としたことにより、疎巻き部が設けられた場合であっても、先端側への回転伝達性能をより向上させることができる。
内側密巻き部14Bは、外側疎巻き部13Aと外側密巻き部13Bとの境界にある中間接合部15を跨ぐようにして芯線方向で同一位置に設け(すなわち、芯線11に外側コイル13及び内側コイル14を取り付けた状態で、外側疎巻き部13Aと外側密巻き部13Bとの境界を含む位置に配置させ)、外側密巻き部13Bの初張力F1と内側密巻き部14Bの初張力F2との大小関係をF1>F2としたことにより、剛性が急激に変化しやすい外側疎巻き部13Aと外側密巻き部13Bとの境界において曲率半径を徐変減少させ、局部変形を防ぐことができる。従って、血管内での挿入性を向上させることができる。
又、内側密巻き部14Bは、外側疎巻き部13Aの素線8Aと外側密巻き部13Bの素線8Bとの境界を跨ぐようにして芯線方向で同一位置に設け(すなわち、芯線11に外側コイル13及び内側コイル14を取り付けた状態で、外側コイル13の素線8Aと素線8Bとの境界を含む位置に配置させ)、外側密巻き部13Bの初張力F1と内側密巻き部14Bの初張力F2との大小関係をF1>F2としたことにより、剛性が急激に変化しやすい素線8Aと素線8Bとの境界において曲率半径を徐変減少させ、局部変形を防ぐことができる。従って、血管内での挿入性を向上させることができる。
外側疎巻き部13Aと内側疎巻き部14Aとは、芯線方向で同一位置に設けることにより、二重のコイル構造であっても剛直化が防止され、ガイドワイヤ10の先端部の柔軟性が維持される。従って、血管壁とのソフトタッチが可能になる。又「へ」の字形の屈曲変形が容易に行え、塑性変形性能を向上させることができる。
外側疎巻き部13AのコイルピッチPoと内側疎巻き部14AのコイルピッチPiとを一定範囲とし、かつ外側疎巻き部13AのコイルピッチPoと内側疎巻き部14AのコイルピッチPiとを異ならせることにより、各疎巻き部13A,14Aにおいて、内側疎巻き部14Aの素線9が外側疎巻き部13Aの素線8Aの間隙toへ食い込んだり、逆に、外側疎巻き部13Aの素線8Aが内側疎巻き部14Aの素線9の間隙tiへ食い込んだりする噛み合い現象を防ぐことができる。噛み合い現象が発生すると、ガイドワイヤ10の先端部が局部的に変形し、この変形により狭窄病変内や完全閉塞病変内では病変組織に拘束されやすく、狭窄病変内や完全閉塞病変内を通過させることが困難となる。
外側密巻き部13Bは隣接した素線8B間に初張力F1による圧縮力(密着力)が加わり、かつ、外側疎巻き部13AはコイルピッチPoが、素線8Aの直径do(0.060mm)の2倍(0.120mm)未満(0.075mm)の寸法とし、これらを併用することにより、先端側への回転伝達性能の向上を図ると共に、術者による2本のガイドワイヤを用いる「パラレルワイヤ法」の手技時において、先に挿入している第1ガイドワイヤの外側疎巻き部13Aの素線8A同士の間隙toに、後から導入する第2ガイドワイヤの外側疎巻き部13Aの素線8Aが食い込む、噛み込み現象を防ぐことができる。尚、ここでいう「パラレルワイヤ法」とは、病変部内へ1本目の第1ガイドワイヤを挿入した後、第1ガイドワイヤを道案内として、後からもう1本の第2ガイドワイヤを導入し、第2ガイドワイヤで病変部内の本来通るべき血液通路(真腔)を捕えて、閉塞部の穿通を図る手技のことをいう。従って、第1ガイドワイヤを道案内として第2ガイドワイヤを導入した際に、素線8Aの間隙toが素線8Aの直径doよりも大きいと、一方のガイドワイヤの素線8Aの間隙toへ他方のガイドワイヤの素線8Aが食い込み、噛み込み現象が生じ易くなる。本発明の医療用ガイドワイヤは、この現象を防ぐことができ、第1ガイドワイヤと第2ガイドワイヤとが絡まることがない。
外側密巻き部13Bに初張力F1が作用していることにより、予め素線8B間に圧縮力が加わり密着力が高められているため、外側密巻き部13Bに引張力が加えられたときに、隣接した素線8Bが離間するまで(隙間が開くまで)の間に、この引張力に対する抵抗力として初張力F1が作用する。従って、手元側を回転操作したときに、先端側への回転伝達性能を向上させることができる。
外側密巻き部13Bの素線8B及び、内側密巻き部14Bの素線9は、外観が鏡面状のオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて形成したことにより、隣接する素線8B又は素線9が鏡面状で、かつ、同一材料であるため、隣接する素線8B又は素線9相互に強い凝着力が作用して摩擦抵抗力が増大するので、先端側への回転伝達性能を向上させることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態のガイドワイヤ10は、図1に示すように、外側コイル13と内側コイル14とを、共に手元側から先端側へ向かって外径を等しく形成したが、第2実施形態のガイドワイヤ20は、図6に示すように、外側コイル23と内側コイル24との外径を、共に手元側から先端側へ向かって徐変縮径する構成である。その他の構成は第1実施形態と同一であり、同一構成部材には、同一符号を付して重複した説明を省略している。
外側コイル23は、外側疎巻き部23Aと、外側密巻き部23Bとを有する。外側疎巻き部23Aは、先丸形状の先端接合部15Aの内側から手元側へ少なくとも10mmの範囲に設けられる。尚、外側疎巻き部23AのコイルピッチPo、素線8Aの間隙to、素線8A,8Bの直径do、外側コイル23の材質や、外側コイル23を少なくとも1本の素線8A,8Bを巻いて円筒に形成する点等においては、第1実施形態と同様である。又、外側疎巻き部23Aと外側密巻き部23Bは、第1実施形態と同様に、中間接合部15Dにて接合される。
外側コイル23は、手元側から順に大径等径部31、中間テーパ部32、小径等径部33を有する。内側コイル24も、手元側から順に大径等径部41、中間テーパ部42、小径等径部43を有する。これら各部31〜33、41〜43を識別するために、外側コイル23の各部31〜33には外側を付けて、外側大径等径部31、外側中間テーパ部32、外側小径等径部33とし、内側コイル24の各部41〜43には内側を付けて、内側大径等径部41、内側中間テーパ部42、内側小径等径部43としている。
外側大径等径部31の外径Do2は、0.325mmであり、コイル平均径Dao2は0.265mmである。外側中間テーパ部32の外径は、0.325mmから0.260mmへ徐変縮径する。外側小径等径部33の外径Do1は、0.260mmであり、コイル平均径Dao1は0.200mmである。
外側コイル23の全長Loは155mmである。外側大径等径部31の長さLo1は120mmである。外側中間テーパ部32の長さLo2は20mmである。外側小径等径部33の長さLo3は15mmである。
外側大径等径部31の外径Do2と、外側小径等径部33の外径Do1との外径比Do2/Do1は、1.10以上1.50以下であり、第2実施形態では約1.25である。又、下肢血管治療用に用いられているガイドワイヤの最大外径0.4572mm(0.018インチ)の場合を考慮すると、外径比Do2/Do1は、1.10以上1.80以下である。そして、心臓血管治療用と下肢血管治療用との双方を併せて考慮すると、外径比Do2/Do1は、1.10以上1.80以下であり、好ましくは1.15以上1.80以下である。
外側コイル23に生ずるねじりモーメントは、大径等径部31と小径等径部33の外径比Do2/Do1に比例する。そのため、外径比Do2/Do1が下限値1.10を下回れば手元側から先端側へのねじりモーメントは低くなって狭窄部や完全閉塞病変部の病変組織にガイドワイヤが拘束されて通過させることは困難となる。又、外径比Do2/Do1が上限値1.80を上回れば、後述する内側コイル24の小径等径部43の外径Di1を小さくするために素線9の直径diをさらに細径化しなければならず、そのように素線9の直径diをさらに細径化すると強度不足を招く。従って、治療する部位と血管内径と拡径治療に用いる各医療用具の実用寸法を併せて考慮すると、外径比Do2/Do1は、1.10以上1.80以下であり、好ましくは1.15以上1.80以下である。
内側コイル24は、先丸形状の先端接合部15Aの内側から手元側へ少なくとも3mmの範囲に内側疎巻き部24Aが設けられ、手元側に内側密巻き部24Bが設けられる。内側疎巻き部24AのコイルピッチPiは、素線9の直径diの2.0倍から3.5倍である。第2実施形態では、素線9の直径diが0.035mmであり、コイルピッチPiを素線9の直径diの2.5倍としているため、コイルピッチPiは約0.088mmとなる。従って、内側疎巻き部24AのコイルピッチPi(約0.088mm)は、外側疎巻き部23AのコイルピッチPo(0.075mm)と異なる。尚、内側コイル24を設ける位置、材質、強度特性、少なくとも1本の素線を巻いて円筒に形成する点等においては、第1実施形態と同様である。
内側大径等径部41の外径Di2は0.205mmであり、コイル平均径Dai2は0.170mmである。内側中間テーパ部42の外径は、0.205mmから0.150mmへ徐変縮径する。内側小径等径部43の外径Di1は、0.135mmであり、コイル平均径Dai1は0.100mmである。
内側コイル24の全長Liは55mmである。内側大径等径部41の長さLi1は20mm、内側中間テーパ部42の長さLi2は20mm、内側小径等径部43の長さLi3は15mmである。
内側大径等径部41の外径Di2と、内側小径等径部43の外径Di1との外径比Di2/Di1は1.15以上1.70以下であり、第2実施形態では約1.52である。又、下肢血管治療用に用いられているガイドワイヤの最大外径0.4572mm(0.018インチ)の場合を考慮すると、外径比Di2/Di1は1.15以上2.80以下である。心臓血管治療用と下肢血管治療用との双方を併せて考慮すると、外径比Di2/Di1は1.15以上2.80以下であり、好ましくは1.15以上2.75以下であり、より好ましくは1.25以上2.75以下である。
次に、外側コイル23と内側コイル24のばね指数C、及び外側密巻き部23Bと内側密巻き部24Bのねじり応力τついて説明する。外側密巻き部23Bのばね指数C1及びねじり応力τ1については、第1実施形態と同様である。
内側密巻き部24Bのばね指数C2は、内側大径等径部41の密巻き部のばね指数C21と、内側小径等径部43の密巻き部のばね指数C22とに区分けされる。ばね指数C22は、約4.86である。ばね指数C22は、約2.86である。ばね指数C21とばね指数C22は、いずれも2.8以上6.8以下である。
内側密巻き部24Bのねじり応力τ2は、内側大径等径部41の密巻き部のねじり応力τ21と、内側小径等径部43の密巻き部のねじり応力τ22とに区分けされる。ねじり応力τ21は、ばね指数C21が約4.86であることから、上記式(6)に基づいて、約130.2N/mm以上約182.5N/mm以下であり、第2実施形態では約151.4N/mmである。ねじり応力τ22は、ばね指数C22が約2.86であることから、上記式(4)に基づいて、約135.7N/mm以上約259.9N/mm以下であり、第2実施形態では約257.1N/mmである。
次に、外側密巻き部23Bと内側密巻き部24Bの初張力Fについて説明する。外側密巻き部23Bの初張力F1については、第1実施形態と同様である。
内側密巻き部24Bの初張力F2は、内側大径等径部41の密巻き部の初張力F21と、内側小径等径部43の密巻き部の初張力F22とに区分けされる。初張力F21は、素線9の直径diが0.035mm、ねじり応力τ21が約151.4N/mm、コイル平均径Dai2が0.170mmであるので、上記式(7)に基づいて、約1.50×10−2Nである。初張力F22は、素線9の直径diが0.035mm、ねじり応力τ22が257.1N/mm、コイル平均径Dai1が0.100mmであるので、上記式(7)に基づいて、約4.33×10−2Nである。
外側密巻き部23Bの初張力F1と内側大径等径部41の初張力F21との大小関係は、F1>F21である。
第2実施形態によれば、外側コイル23と内側コイル24の双方の形状を手元側から先端側へ向かって「大径等径部、中間テーパ部、小径等径部」とする概ね同形状とすることにより、手元側の芯線の回転による先端側への回転伝達性能を向上させることができる。これは、ねじりモーメントは大径等径部と小径等径部の外径比に比例することから、手元側の外径を径大化し、先端側を径小化すれば、その外径比に対応して回転伝達性能が向上する。又、内側コイル24の先端側の内側疎巻き部24Aと外側コイル23の外側疎巻き部23Aとを、芯線11方向で同一位置に設けることにより、先端の柔軟性の確保と「へ」の字形の易屈曲性と塑性変形性能の向上効果が得られる。従って、病変部への分岐血管部での所望の病変部血管への任意選択性の向上、及び、病変部内の通過性を向上させることができる。
外側コイル23と内側コイル24の外径比を一定範囲とし、内側コイル24の外径比Di2/Di1は、外側コイル23の外径比Do2/Do1よりも大きくした{(Di2/Di1)>(Do2/Do1)}ことにより、最先端側への回転伝達性能をより高めることができる。内側コイル24の後端接合部15Cは、芯線11の第4等径部11Gで接合され、その第4等径部11Gの外径は0.100mm以上0.120mm以下である。そして、外側コイル23の後端接合部15Bは、芯線11の第3等径部11Eで接合され、その第3等径部11Eの外径は0.160mm以上0.190mm以下である。すなわち、外側コイル23と内側コイル24とが接合する芯線11の外径は、内側コイル24のほうが外側コイル23よりも明らかに小さい寸法である。これにより、手元側の太径の芯線11を回転させたとき、外側コイル23のねじりモーメントよりも、内側コイル24のねじりモーメントの方が、外側コイル23と内側コイル24とが接合する芯線11の外径が細いのに比例して低くなる。従って、内側コイル24の外径比Di2/Di1を外側コイル23の外径比Do2/Do1よりも大きくしたことにより、この内側コイル24のねじりモーメントの低下分が内側コイル24の外径比を高めることによって補完され、最先端側への回転伝達性能をより高めることができる。
外側コイル23と内側コイル24に外側疎巻き部23A,内側疎巻き部24Aを容易に形成するためには、複数の素線8(8A,8B),9を用いて円筒に形成するよりも、それぞれ1本の素線8,9を用いて円筒に形成することが望ましい。複数本の素線を用いて外側疎巻き部23A,内側疎巻き部24Aを形成する場合には、素線の巻き方向とは逆方向へ素線を巻き戻して、素線間に隙間を空けなければならず、複数本のそれぞれの素線間の隙間を均一にすることが困難になる。又、ろう材等を用いて芯線11と接合する場合に、特に芯線方向の中間部で接合する場合には、コイルの中間部で均一な素線間の隙間にする必要があり、加工が極めて困難になる。これに対して、1本の素線を巻いたコイルの場合には、芯線方向へ張力を加えるのみで素線間の隙間を任意に設定することができ、しかもコイルの端部や中間部などのいずれの場所でも素線間の隙間を調節することができる。
本発明の技術思想は、内側コイルを備えていない外側コイルのみのガイドワイヤであっても、本発明の効果を発揮させることができる。つまり、
手元側は太径であり、先端側は先端へ向かって徐変縮径する芯線と、
少なくとも1本の素線を螺旋状に巻いて、先端に形成された疎巻き部が前記芯線の先端に、後端に形成された密巻き部が前記芯線の先端部に接合されるコイルであり、先端側が放射線不透過性の素線で、後端側が前記放射線透過性のオーステナイト系ステンレス鋼線の素線であるコイルとを備えた医療用ガイドワイヤにおいて、
前記コイルは、ばね指数Cが2.8以上6.8以下で、初張力によるねじり応力をτ(N/mm)としたときに、
−11.2C+111.7≦τ≦−38.7C+370.6の式を満たすことを特徴とする医療用ガイドワイヤである。又、コイルが手元側から先端側へ向かって大径等径部、中間テーパ部、小径等径部とから成る場合であっても、本発明の効果を発揮させることができる。
尚、後端接合部15Cは、外径が0.120mmから0.06mmで先端側へ向けて徐変縮径する第3テーパ部11Fに設けても良い。この場合、内側コイル14,24は、先端接合部15Aと、第3テーパ部11Fに設けられた後端接合部15Cとによって芯線11と接合される。
尚、内側コイル14,24は、先端側への回転伝達性能と塑性変形性能とを向上させるために、内側疎巻き部14A,24Aと内側密巻き部14B,24Bを設ける例で説明したが、内側コイル14,24を全長に亘って内側密巻き部14B,24Bとしても良い。内側コイル14,24を全長に亘って内側密巻き部14B,24Bとした場合は、内側コイル14,24の先端側への回転伝達性能をより向上させることができる。
内側疎巻き部14A,24Aは、外側疎巻き部13A,23Aと少なくとも芯線方向で同一位置に設けられていればよい。従って、外側疎巻き部13A,23A、外側密巻き部13B,23B、内側疎巻き部14A,24A、内側密巻き部14B,24Bの長さの芯線方向の長さは適宜変更してもよい。又、外側疎巻き部13AのコイルピッチPo、内側疎巻き部14AのコイルピッチPiは、先端側へ向かって徐変拡大した構成としてもよい。
第2テーパ部11D、第3等径部11E、第3テーパ部11Fに代えて、第2等径部11Cの先端側の端部から第4等径部11Gの手元側の端部に向けて外径が徐変縮径する第4テーパ部を設けても良い。この場合、外側コイル13,23は、後端接合部15Bが設けられた第4テーパ部と、先端接合部15Aとによって芯線11と接合される。又、内側コイル14,24は、後端接合部15Cが設けられた第4テーパ部と、先端接合部15Aとによって芯線11と接合される。
10、20 ガイドワイヤ
11 芯線
13、23 外側コイル
14、24 内側コイル
23A 外側疎巻き部
23B 外側密巻き部
24A 内側疎巻き部
24B 内側密巻き部
15A 先端接合部
16 ふっ素樹脂被膜
17 親水性樹脂被膜

Claims (3)

  1. 手元側は太径であり、先端側は先端へ向かって徐変縮径する芯線と、
    素線直径が0.020mm以上0.040mm以下で、引張強さが2200MPa以上3500MPa以下のオーステナイト系ステンレス鋼線の素線を螺旋状に巻いて形成され、前記芯線の先端部の外側で、先端が前記芯線の先端に、後端が前記芯線の先端部に接合される内側コイルと、
    先端側が放射線不透過性の素線、後端側が素線直径0.055mm以上0.090mm以下で引張強さが2200MPa以上3500MPa以下の放射線透過性のオーステナイト系ステンレス鋼線の素線を螺旋状に巻いて、前記内側コイルよりも前記芯線方向に長く、前記内側コイルと同心で形成され、前記芯線に前記内側コイルを取り付けた状態で、前記内側コイルの外側で、先端が前記芯線の先端に、後端が前記芯線の先端部に接合される外側コイルとを備え、
    前記内側コイルと前記外側コイルは、手元側から先端側へ向かって、太径等径部、中間テーパ部、小径等径部を有し、
    前記小径等径部の先端部には、コイルピッチが素線直径の2.00倍以上3.50倍以下の内側疎巻き部が設けられ、
    前記芯線に前記内側コイル及び前記外側コイルを取り付けた状態で、前記内側疎巻き部の前記小径等径部の外側には、コイルピッチが素線直径の1.05倍以上1,90倍以下の外側疎巻き部が設けられ、
    前記内側疎巻き部のコイルピッチと前記外側疎巻き部のコイルピッチは異なり、
    前記内側コイルの小径等径部の外径をDi1、大径等径部の外径をDi2、前記外側コイルの小径等径部の外径をDo1、大径等径部の外径をDo2としたときに、
    前記内側コイルの外径比(Di2/Di1)は1.15以上2.80以下であり
    前記外側コイルの外径比(Do2/Do1)は1.10以上1.80以下であり、
    前記内側コイルの外径比(Di2/Di1)は、前記外側コイルの外径比(Do2/Do1)よりも大きく{(Di2/Di1)>(Do2/Do1)}され、
    前記外側コイルの後端側には、ばね指数C1が2.8以上6.8以下で、初張力によるねじり応力をτ1(N/mm2)としたときに、
    −11.2C1+111.7≦τ1≦−38.7C1+370.6の式を満たし、コイルピッチが密になる外側密巻き部が設けられ、
    前記内側コイルの後端側には、ばね指数C2が2.8以上6.8以下で、初張力によるねじり応力をτ2(N/mm2)としたときに、
    −11.2C2+111.7≦τ2≦−38.7C2+370.6の式を満たし、コイルピッチが密になる内側密巻き部が設けられることを特徴とする医療用ガイドワイヤ。
  2. 前記芯線に前記外側コイル及び前記内側コイルを取り付けた状態で、前記外側コイルのうち前記外側密巻き部と前記外側疎巻き部の境界を含む位置に、前記内側密巻き部を配置させ、
    前記内側コイルの初張力をF2(N)、前記外側コイルの初張力をF1(N)としたときに、F1>F2の式を満たすことを特徴とする請求項1記載の医療用ガイドワイヤ。
  3. 前記芯線に前記外側コイル及び前記内側コイルを取り付けた状態で、前記外側コイルのうち先端の前記放射線不透過性の素線と後端の前記放射線透過性の素線との境界を含む位置に、前記内側密巻き部を配置させ、
    前記内側コイルの初張力をF2(N)、前記外側コイルの初張力をF1(N)としたときに、F1>F2の式を満たすことを特徴とする請求項1記載の医療用ガイドワイヤ。
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