JP6123091B2 - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents
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Description
外側コイルは、放射線不透過性の線材を螺旋状に巻回した外側第1コイルから成る。
外側第1コイルの先端と芯線先端部の先端とを接合して先端接合部とし、外側第1コイルの後端と芯線先端部の後端とを接合して外側第1コイル後端接合部とする。
−17.2C1+165.7≦τ1≦−35.3C1+341.2
の関係式を満たす。
Dm>{D0−(D0−D1)X/L}の関係式を満たし、連接截頭円錐体の外側に、初張力が作用する外側第1コイルの密巻きを備えたことを特徴とする。
又、外側第1コイルの先端と内側コイルの先端径小等径部の先端と芯線先端部の先端とを接合して先端接合部とし、内側コイルの後端径大等径部の後端と芯線先端部とを接合して内側コイル後端接合部とする。
内側コイルは、ステンレス鋼から成る放射線透過性の線材を用いて、後端径大等径部と中間テーパ部は密巻きで、先端径小等径部の先端側が疎巻きに巻回する。
外側第1コイルは、ばね指数が2.8以上6.8以下で、外側第1コイルの密巻きの初張力によるねじり応力をτ1とした場合に、外側第1コイルの密巻きの初張力によるねじり応力τ1は、−17.2C1+165.7≦τ1≦−35.3C1+341.2の関係式を満たす。
外側コイルに、金属線を巻回したコイルは、線材のもつ機械的強度特性(例えば、初張力の有無)の差から屈曲変形させた場合に、均一な円弧を描くことができない。又、手元側を回転させた場合に、線材のもつねじり応力の差から、ねじり溜まりが発生し、先端側への回転伝達性能が劣ることとなる。この為、密巻きコイルの巻回成形によって発生する初張力の強弱から初張力によるねじり応力を制御する必要がある。
このことから、前記関係式を満たすこととする理由は、外側第1コイルのねじり応力τ1を前記一定範囲とすることにより、屈曲変形させた場合に異なる曲率半径の発生を低減させて均一な円弧形状を描く為と、ねじり溜まりを防いで、先端側への回転伝達性能の向上を図る為である。
芯線先端部の連接截頭円錐体は、先端の截頭円錐体を第1截頭円錐体とし、第1截頭円錐体の外側に、外側コイルの中間テーパ部を配置する。
第1截頭円錐体の外径が、後端から先端へ徐変減少するのに伴って、外側第1コイルの中間テーパ部の密巻きの初張力が、後端から先端へ徐変増大する。
これにより、外径比(後端の径大外径/先端の径小外径)を最も高めた第1截頭円錐体を有する連接截頭円錐体の構造により、先端側への回転伝達性能を高めることができる。又、後端から先端へ徐変増大する外側第1コイルの中間テーパ部は、後端から先端へコイル線間の密着力(圧縮力)が増大する。
そして、後端から先端へコイル線間の密着力(圧縮力)が徐変増大する中間テーパ部を後端から先端へ外径が徐変減少する第1截頭円錐体の外側へ配置することにより、第1截頭円錐体の外径が先端側へ細径化するのに伴って、中間テーパ部のコイル線間の密着力(圧縮力)が先端側へ高められることとなり、細径の第1截頭円錐体でありながら先端側への回転伝達性能の向上を、コイルに作用する初張力により、より補完することができる。
これにより、外側第1コイルを先細り形状とすることによって外側第1コイル内の芯線先端部の細径に伴うねじり力の低下分を補完し、細径の芯線先端部でありながら先端の第1截頭円錐体の外径比を高めることにより、先端側へのねじりモーメントの増大を図り、先細り形状の外側コイルとの併用により、先端側への回転伝達性をより高めることができる。
内側コイルは、ステンレス鋼から成る放射線透過性の線材を用いて後端径大等径部と中間テーパ部は密巻きで、先端径小等径部は先端側が疎巻きを有して巻回して成る。
連接截頭円錐体の第1截頭円錐体の外側に、内側コイルの密巻きの中間テーパ部と外側第1コイルの密巻きの中間テーパ部とを共に配置する。
そして、第1截頭円錐体の外径が、後端側から先端側へ徐変減少するのに伴って、外側第1コイルの中間テーパ部の密巻きの初張力と内側コイルの密巻きの中間テーパ部の初張力とが共に、後端側から先端側へ徐変増大する。
これにより、後端から先端へ初張力が徐変増大する外側第1コイルの中間テーパ部と内側コイルの中間テーパ部は、後端から先端へコイル線間の密着力(圧縮力)が増大する。
そして、後端から先端へコイル線間の密着力(圧縮力)が徐変増大する2つの中間テーパ部を、後端から先端へ外径が徐変減少する第1截頭円錐体の外側へ配置することにより、第1截頭円錐体の外径が先端側へ細径化するのに伴って、2つの中間テーパ部のコイル線間の密着力(圧縮力)が先端側へ高められることとなり、細径の第1截頭円錐体でありながら先端側への回転伝達性能の向上を、2つの中間テーパに作用する初張力によってさらに補完することができる。
外側コイルは、先端側が放射線不透過性の線材を螺旋状に巻回した外側第1コイル31から成る。又、ろう材を用いて中間接合部5Dを備えていてもよく、中間接合部5Dは外側第1コイル31と共に芯線先端部と接合されていてもよい。
外側第1コイル31は、芯線先端部2Bが貫挿し、接合部材を用いて外側第1コイル31の先端と芯線先端部2Bの先端とを接合して先丸形状の先端接合部5Aを形成し、外側第1コイル31の後端と芯線先端部2Bとを接合して外側コイル後端接合部5Bを形成している。
ふっ素樹脂被膜6は、後端側の太径の芯線後端部2Aの外周に形成されている。親水性樹脂被膜7は、外側第1コイル31の外周に形成されている。尚、本発明のガイドワイヤ1は、長さに比べて直径が極めて小さな値となっている。この為、本発明のガイドワイヤ1は、縦横の縮尺率を同じにすると所定のエリアに図示することが困難となる為、一部を誇張したり、省略したりして図示している。
連接截頭円錐体26は、径大側の後端の外径0.180mmから径小側の先端の外径0.060mmへ徐変縮径する。外側第1コイル31の外側第1コイル後端接合部5Bは、第2截頭円錐体26Bの径大側の後端の外径0.180mmと、ろう材等の手段を用いて接合されている。又、外側第1コイル後端接合部5Bは、外径が0.180mmの第3等径部25と接合部材を用いて接合されていてもよい。
この理由は、縮径伸線加工により引張強さを容易に向上できるとともに、後述する連接截頭円錐体26の形状のセンターレス研削加工が容易になるからである。尚、ここでいう連接截頭円錐体26とは、1本の線材を用いて研削加工等を行い、截頭円錐体の形状を複数個長手方向へ設けた構造体のことをいう。又、芯線先端部2Bと芯線後端部2Aとは、異なる線材を溶接接合した芯線2としてもよく、例えば前記芯線の材質等の組合せ(具体的には、芯線後端部2Aがステンレス鋼線で、芯線先端部2BがNi−Ti合金線)等である。
外側第1コイル31は、引張強さが1200MPa以上2000MPa以下で白金が90重量%以上99重量%以下で残部がニッケルの白金とニッケルの合金線で、線直径t1が0.060mmの放射線不透過性の合金線を巻回したコイルから成り、長手方向の長さが160mmで後端側の45mmは初張力が作用する密巻きで先端側の15mmは線間間隙が線直径t1の0.07倍以上1.90倍以下の疎巻きである。
外側第1コイル31は、ばね指数C1が2.8以上6.8以下のとき、密巻きのねじり応力τ1(N/mm2)は、
−17.2C1+165.7≦τ1≦−35.3C1+341.2 ・・(1)
の関係式(1)を満たすことが好ましい(図示符号ロとニ)。
より好ましくは、
−22.1C1+224.3≦τ1≦−35.3C1+341.2 ・・(2)
の関係式(2)を満たすことである(図示符号ロとハ)。
F=πt3τ/(8D) ・・・(3)
の関係式(3)で表すことができる。図2は、試験品の初張力を測定し、前記関係式(3)から密巻きのねじり応力τを算出し、コイル平均径と密巻きコイルのねじり応力τとの相関関係を整理し、多くの試験結果から導き出した相関関係を図に表したものである。
従って、密巻きコイルの巻回成形によって発生する初張力の大小(強弱)から初張力によるねじり応力を制御することにより、初張力によるねじり応力の範囲を一定範囲とすることができる。又、屈曲変形させた場合に異なる曲率半径の発生を低減させることができ、さらにねじり溜まりの発生を防いで、先端側への回転伝達性能を向上させることができる。
図3について、芯線先端部2Bは、後端側から先端側へ連接截頭円錐体26と先端細径体27から成る。連接截頭円錐体26は、長手方向の長さL2が100mm、径大外径D0が0.180mm、径小外径D2が0.125mmの第2截頭円錐体26Bと、長手方向の長さL1が50mm、第1截頭円錐体26Aからみて径大外径D2が0.125mm、径小外径D1が0.060mmの第1截頭円錐体26Aの2個の截頭円錐体から成る。
先端細径体27は、長手方向の長さL4が15mm、外径が第1截頭円錐体26Aの径小外径D1と同じで0.060mmの横断面の形状が円形である。又、外径が0.060mmの横断面が円形の形状を、押圧加工又は切削加工によりアスペクト比(長辺/短辺)が、1.676以上3.958以下の横断面が矩形としてもよい。
そして、初張力が作用する密巻きと初張力が作用しない疎巻きとを有する外側第1コイル31を、先端細径体27の外側に配置することにより、後述する別段の作用効果を発揮する。
この理由は、後端側を回転させたとき、後端側の回転角度を減少させて先端側へのねじりモーメントの増大を図り、さらに初張力が作用する外側第1コイル31との併用により、先端側への高度の回転伝達性能の向上を図ると共に、狭窄部、及び、完全閉塞病変部での穿孔性能を向上させる為である。
従って、長手方向に押し引き操作した場合に、特に横断面積が増大した節部28の存在により、連接截頭円錐体26、260の構造のほうが単一截頭円錐体100の構造よりも耐座屈強度を向上させることができるからである。
実線は、本発明の第1実施形態の截頭円錐体が2個の場合の連接截頭円錐体26を示し、二点鎖線は、関係式を説明する為の仮想の単一截頭円錐体100を示す。尚、先端細径体27は省略している。
連接截頭円錐体26の最大外径がD0(mm)、最小外径がD1(mm)、全長がL(mm)である。又、連接截頭円錐体26の最大外径D0(mm)の横断面の中心位置から先端へ、任意の位置をX(mm)として、任意の位置X(mm)が0mmを超えてLmmを下回る関係(0<X<L)にある場合で、任意の位置X(mm)における連接截頭円錐体26の外径をDm(mm)とし、仮想の単一截頭円錐体100の外径をDx(mm)とした場合に、外径Dx(mm)は、
Dx=D0−(D0−D1)X/L ・・・(4)
の関係式(4)で表すことができる。
そして、任意の位置X(mm)における連接截頭円錐体26の外径Dm(mm)は、外径Dx(mm)よりも大きいことから(Dm>Dx)、
Dm>{D0−(D0−D1)X/L} ・・・(5)
の関係式(5)で表すことができる。
この理由は、後端側の回転角度を低減させ、先端の曲げ剛性と耐座屈強度を向上させ、先端のねじりモーメントを増大させて病変部での穿孔性能と耐疲労特性を向上させる芯線先端部2B、2Cの構造を得ることができるからである。
さらに、初張力が作用する外側第1コイル31との併用により、先端側への高度の回転伝達性能の向上を図ると共に、狭窄部、及び完全閉塞病変部での穿孔性能を、より向上させることができるからである。
外側第1コイル310は、後端径大等径部311の外径B1が0.330mm、長手方向の長さが125mm、中間テーパ部312の外径が0.330mmから0.260mmへ徐変減少し、長手方向の長さが20mm、先端径小等径部313の外径B2が0.260mmで長手方向の長さが15mmである。
コイル線の線直径t1と材質は、前記第1実施形態と同様で、外側第1コイル310の後端径大等径部311と中間テーパ部312は密巻きで、先端径小等径部313は、疎巻きに巻回したコイルである。尚、先端径小等径部313は、後端側が密巻きで先端側が疎巻きに巻回したコイルとしてもよい。
第3実施形態では、外側第1コイル310の外径比B1/B2が約1.27であり、第1截頭円錐体26Aの外径比D2/D1が約2.08であることから、第1截頭円錐体26Aの外径比D2/D1は、外側第1コイル310の外径比B1/B2よりも大きい{(D2/D1)>(B1/B2)}。この理由は、以下である。
先端側へ先細り形状の外側第1コイル310とすることにより、外側第1コイル310内の芯線先端部2Bの細径に伴うねじり力の低下分を補完することができ、又、後端と先端の外径比D2/D1を外側第1コイル310の外径比B1/B2よりも大きくした第1截頭円錐体26Aを有する連接截頭円錐体26の構造とすることにより、先端側への回転伝達性能を向上させることができるからである。
さらに、後端から先端へ初張力が徐変増大する外側第1コイル310の中間テーパ部312は、後端から先端へコイル線間の圧縮力(密着力)が徐変増大する。
後端から先端へコイル線間の圧縮力が徐変増大する中間テーパ部312を、後端から先端へ外径が徐変減少する第1截頭円錐体26Aの外側へ配置することにより、第1截頭円錐体26Aの外径が先端側へ細径化するのに伴って、中間テーパ部312のコイル線間の圧縮力(密着力)が先端側へ高められることにより、細径の第1截頭円錐体26Aでありながら、先端側への回転伝達性能を、より補完することができるからである。
かかる場合のねじり応力τ1は、径大側から径小側へ約138.6N/mm2から約189.0N/mm2へ徐変増大する。
径大側のねじり応力τ1が約138.6N/mm2で、ばね指数C1が4.5であることから、前記関係式(1)へ代入すると、ねじり応力τ1の範囲は、約88.3N/mm2以上182.4N/mm2以下となり、前記関係式(2)へ代入すると、ねじり応力τ1の範囲は、124.9N/mm2以上182.4N/mm2以下となり、いずれの場合も前記関係式(1)(2)を満たしている。
そして、径大側のねじり応力が約138.6N/mm2のときの初張力は、前記関係式(3)を用いると約4.35×10−2Nとなり、又径小側のねじり応力が約189.0N/mm2のときの初張力は前記関係式(3)を用いると約8.0×10−2Nとなる。
従って、第3実施形態の外側第1コイル310の中間テーパ部312は、第1截頭円錐体26Aの外径が先端側へ細径化するのに伴って、中間テーパ部312の初張力は、後端側から先端側へ約4.35×10−2Nから約8.0×10−2Nとなって、コイル線間の圧縮力(密着力)を後端側から先端側へ高めている。
内側コイル4は、芯線先端部2Bが貫挿し、接合部材等を用いて外側第1コイル310の先端と内側コイル4の先端と芯線先端部2Bの先端とを接合して先丸形状の先端接合部5Aを形成し、内側コイル4の後端と芯線先端部2Bとを接合して内側コイル後端接合部5Cを形成する。中間接合部5Eは、内側コイル4と外側第1コイル310と芯線先端部2Bとを一体接合している。尚、中間接合部5Eは、内側コイル4と芯線先端部2Bとの接合、又は、内側コイル4と外側第1コイル310との接合としてもよい。
内側コイル4のコイル線は、前記外側第1コイル31のコイル線と同様に放射線不透過の線材を用いてもよいが、オーステナイト系ステンレス鋼から成る放射線透過性の線材が好ましい。この理由は、オーステナイト系ステンレス鋼の線材のほうが白金とニッケルの合金線よりも横弾性係数が高く、ねじり応力を高く設定することができるからである。
連接截頭円錐体の第1截頭円錐体26Aの外側に、内側コイルの密巻きの中間テーパ部412と外側第1コイル310の密巻きの中間テーパ部312とを共に配置する。
そして、第1截頭円錐体26Aの外径が、後端側から先端側へ徐変減少するのに伴って、外側第1コイル310の中間テーパ部312の密巻きの初張力と内側コイル4の密巻きの中間テーパ部412の初張力とが共に後端側から先端側へ徐変増大する。
これにより、後端から先端へ徐変増大する外側第1コイル310の中間テーパ部312と内側コイル4の中間テーパ部412は、後端から先端へコイル線間の密着力(圧縮力)が徐変増大する。
そして、後端から先端へコイル線間の密着力(圧縮力)が徐変増大する2つの中間テーパ部312、412を、後端から先端へ外径が徐変減少する第1截頭円錐体26Aの外側へ配置することにより、第1截頭円錐体26Aの外径が先端側へ細径化するのに伴って、2つの中間テーパ部312、412のコイル線間の密着力(圧縮力)が先端側へ高められることとなり、細径の第1截頭円錐体26Aでありながら先端側への回転伝達性能の向上を、高めた初張力を用いてさらに補完することができる。
(D2/D1)>(A1/A2)>(B1/B2)・・・(6)
の関係式(6)を満たす。
このように関係式(6)を満たすこととする理由は、先細り形状の、内側コイル4と外側第1コイル310との併用により、内側コイル4内の芯線先端部2Bの第1截頭円錐体26Aの、細径に伴うねじり力の低下分を、より補完することができるからである。
そして、第1截頭円錐体26Aの外径比D2/D1を最も大きくすることにより、細径の第1截頭円錐体26Aでありながら先端側へのねじりモーメント増大を図ることができる。
さらに、外側第1コイル310と内側コイル4の密巻き中間テーパ部312、412は、後端から先端への初張力を増大させ、後端から先端へコイル線間の圧縮力(密着力)を徐変増大させる。後端から先端へコイル線間の圧縮力(密着力)を徐変増大させた中間テーパ部312、412を第1截頭円錐体26Aの外側に配置することにより、先端側へのねじりモーメントを増大させて、閉塞部、及び完全閉塞病変部での穿孔性能を飛躍的に向上させることができる。
つまり、近年の手技において、特開2012−5724号公報に記載されているように、病変部の入口部へ迅速にガイドワイヤを到達させる為、先端部を意図的にU字形状に屈曲させる手技がある。
かかる場合において、本発明は、第1截頭円錐体26Aが先端側へ徐変縮径する構造であり、第1截頭円錐体26Aの外側のコイルは先端側へ徐変増大する初張力を備えている構造である。又、先端細径体27の外側のコイルは初張力が作用しない疎巻き構造である。
先端側へ細径化する第1截頭円錐体26Aの構造と、先端側へ初張力が徐変増大する外側コイル構造と、初張力が作用しない先端細径体27の外側コイル構造との併用により、細径化と初張力が増大する第1截頭円錐体26Aの先端と、外側のコイルの初張力が働かない先端細径体27の後端の境界部近傍では、応力が集中する為にU字形状に屈曲させ易く、この結果、病変部の入口部へ迅速に到達できる別段の作用効果を発揮する。
適用例として、
後端側から先端側へ徐変縮径する部分を有する芯線の芯線先端部を外側第1コイルへ貫挿し、前記芯線先端部は、後端側から先端側へ徐変縮径する少なくとも1個の截頭円錐体を有し、前記外側第1コイルは、前記外側第1コイルの先端と前記芯線先端部の先端とを接合して先端接合部とし、前記外側第1コイルの後端と前記芯線先端部の後端とを接合して外側第1コイル後端接合部とした医療用ガイドワイヤであって、
前記外側第1コイルは、白金が90重量%以上99重量%以下で残部がニッケルの放射線不透過性の線材を螺旋状に巻回し、後端側が密巻きで先端側は疎巻きから成り、
ばね指数をC1、密巻きの初張力によるねじり応力をτ1(N/mm2)すると、ばね指数C1が2.8以上6.8以下で、密巻きの初張力によるねじり応力τ1(N/mm2)は、
−17.2C1+165.7≦τ1≦−35.3C1+341.2
の関係式を満たすことを特徴とする。
又、前記截頭円錐体の径大外径D2と径小外径D1との外径比D2/D1は、外側コイルの外径比B1/B2よりも大きい{(D2/D1)>(B1/B2)}。
そして又、前記截頭円錐体の外径比D2/D1と外側コイルの外径比B1/B2と内側コイルの外径比A1/A2とは、(D2/D1)>(A1/A2)>(B1>B2)の関係式を満たすことを特徴とする。又、外側第1コイルは、全長に亘って初張力が作用する密巻きとしてもよい。
2 芯線
2A 芯線後端部
2B、2C 芯線先端部
31、310 外側第1コイル
5A 先端接合部
5B 外側第1コイル後端接合部
5C 内側コイル後端接合部
26、260 連接截頭円錐体
26A 第1截頭円錐体
26B 第2截頭円錐体
26C 第3截頭円錐体
Claims (4)
- 後端側から先端側へ徐変縮径する部分を有する芯線の芯線先端部を外側コイルへ貫挿し、
前記外側コイルは、放射線不透過性の線材を螺旋状に巻回した外側第1コイルから成り、
前記外側第1コイルの先端と前記芯線先端部の先端とを接合して先端接合部とし、
前記外側第1コイルの後端と前記芯線先端部の後端とを接合して外側第1コイル後端接合部とした医療用ガイドワイヤであって、
前記外側第1コイルは、白金が90重量%以上99%重量以下で残部がニッケルの合金から成る放射線不透過性の線材を、後端側が密巻きで先端側が疎巻きに巻回し、
ばね指数をC1、密巻きの初張力によるねじり応力をτ1とすると、
ばね指数C1が2.8以上6.8以下で、密巻きの初張力によるねじり応力τ1は、
−17.2C1+165.7≦τ1≦−35.3C1+341.2
の関係式を満たし、
前記芯線先端部は、少なくとも2個以上の截頭円錐体を長手方向に連接した連接截頭円錐体で、1個の截頭円錐体は、長手方向の長さが後端側の截頭円錐体から先端側の截頭円錐体へ向かって徐変減少し、かつ、後端の径大外径と先端の径小外径との外径比(後端の径大外径/先端の径小外径)が、後端側の截頭円錐体から先端側の截頭円錐体へ向かって徐変増大し、
前記連接截頭円錐体の最大外径がD0で、最小外径をD1、全長がL、最大外径D0の横断面の中心位置から先端へ、任意の位置Xにおける前記連接截頭円錐体の外径をDmとし、任意の位置Xが0<X<Lの関係にある場合に、前記連接截頭円錐体の外径Dmは、Dm>{D0−(D0−D1)X/L}の関係式を満たし、
前記連接截頭円錐体の外側に、初張力が作用する前記外側第1コイルの密巻きを備えたことを特徴とする医療用ガイドワイヤ。 - 前記外側第1コイルは、後端側から先端側へ向かって後端径大等径部と中間テーパ部と先端径小部を備え、後端径大等径部と中間テーパ部は密巻きで、先端径小等径部は先端側に疎巻きを有し、
前記連接截頭円錐体は、先端の截頭円錐体を第1截頭円錐体とし、前記第1截頭円錐体 の外側に、前記外側第1コイルの中間テーパ部を配置し、
前記第1截頭円錐体の外径が、後端から先端へ徐変減少するのに伴って、前記外側第1コイルの中間テーパ部の密巻きの初張力が、後端から先端へ徐変増大したことを特徴とする請求項1記載の医療用ガイドワイヤ。 - 請求項2記載の医療用ガイドワイヤであって、
前記外側第1コイルの後端径大等径部の外径をB1、先端径小等径部の外径をB2、前記連接截頭円錐体の前記第1截頭円錐体の後端の径大外径をD2とした場合に、
前記第1截頭円錐体の先端の径小外径がD1であることから、前記第1截頭円錐体の径大外径D2と径小外径D1との外径比(D2/D1)は、前記外側第1コイルの外径比(B1/B2)よりも大きい{(D2/D1)>(B1/B2)}ことを特徴とする医療用ガイドワイヤ。 - 後端側から先端側へ向かって後端径大等径部と中間テーパ部と先端径小等径部とを備えた内側コイルを、前記芯線先端部の外側で前記外側第1コイルの内側に、前記外側第1コイルよりも長手方向の長さが短く同心状に配置して、
前記外側第1コイルの先端と前記内側コイルの先端径小等径部の先端と前記芯線先端部の先端とを接合して先端接合部とし、前記内側コイルの後端径大等径部の後端と前記芯線先端部とを接合して内側コイル後端接合部とした請求項2〜3のいずれか一つに記載の医療用ガイドワイヤであって、
前記内側コイルは、ステンレス鋼から成る放射線透過性の線材を用いて、後端径大等径部と中間テーパ部は密巻きで、先端径小等径部の先端側が疎巻きに巻回し、
前記第1截頭円錐体の外側に、前記内側コイルの中間テーパ部と前記外側第1コイルの中間テーパ部とを配置し、
前記第1截頭円錐体の外径が、後端側から先端側へ徐変減少するのに伴って、前記外側第1コイルの中間テーパ部の密巻きの初張力と前記内側コイルの中間テーパ部の初張力とが共に、後端側から先端側へ徐変増大したことを特徴とする医療用ガイドワイヤ。
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