JP6421607B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、ステアリング装置に関する。
車両の操舵機構にモータの動力を付与することにより、運転者のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置(EPS)が知られている。例えば、特許文献1のようにラックシャフトと平行にモータが取り付けられ、プーリおよびベルトを介して減速されたモータの回転運動を、ボールねじ装置が当該ラックシャフトの直線運動に変換することによって、運転者のステアリング操作を補助するEPSがある。
この構成では、モータとラックシャフトとの間にベルトが介在する。このため、特許文献1のように、従動プーリと駆動プーリとの間の距離を増減させることにより、ベルトのテンションを調整する。ベルトのテンションを調整する際には、治具であるガイドホルダにより、モータハウジングを保持する。モータハウジングは、モータの回転軸を収容し、モータの回転軸は駆動プーリと連結される。
特開2012−206634号公報
ところで、特許文献1のEPSで使用されるガイドホルダはモータハウジングを取り囲むリング状に形成されているため、ガイドホルダは大型化してしまう。治具が大型化すると、ベルトのテンションを調整する際の作業者の負担は大きくなる。
本発明の目的は、治具を小型化できるステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成しうるステアリング装置は、モータと、軸方向に往復移動する転舵シャフトと、多数のボールを介して前記転舵シャフトと螺合するナットと、前記ナットが挿入されてその外周面に固定される従動プーリと、前記モータの回転軸と一体回転可能に固定される駆動プーリと、前記従動プーリと前記駆動プーリの間に巻き掛けられるベルトと、を有する減速機と、前記転舵シャフトおよび前記ナットを収容する筒部と、前記減速機を収容するとともに前記モータが固定される減速機ハウジングとを有するハウジングと、を備え、前記モータは、前記減速機ハウジングに固定されるための複数のボルトをそれぞれ受ける複数の孔を有するフランジ部を備え、前記減速機ハウジングは、前記複数のボルトのうち一つが挿通される丸孔と、前記複数のボルトのうち前記丸孔に挿通されたボルトを除いたボルトが挿通されるとともに前記丸孔を基準として前記モータを回転させたときの軌跡に対応して延びる長孔とを有し、前記減速機ハウジングおよび前記モータのフランジ部には、前記丸孔から外れた位置に前記モータを保持する治具を取り付けるための2つの固定座が形成されている。
この構成によれば、2つの固定座を形成することにより、減速機ハウジングを保持する治具を小型化することができる。減速機ハウジングを保持するために、減速機ハウジングを覆うような治具を必要としないためである。
上記のステアリング装置において、前記2つの固定座は、前記長孔の延びている方向で、前記長孔を挟む位置に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、治具は、2つの固定座に当接して、減速機ハウジングの長孔が形成された部分を挟み込む力を付与する。この挟み込む力の作用線は、モータの移動する方向とほとんど一致する。挟み込む力の作用線上に、固定座が位置しているため、治具により減速機ハウジングをより確実に保持することができる。
上記のステアリング装置において、前記2つの固定座が並ぶ方向は、前記モータの移動方向であることが好ましい。
この構成によれば、モータが移動する方向に2つの固定座が並んで形成され、治具が2つの固定座を挟み込むことにより、減速機ハウジングを保持することができる。
上記のステアリング装置において、前記固定座は前記減速機ハウジングおよび前記モータのフランジ部を切り欠くことにより凹んで形成され、前記固定座には、前記モータの移動方向に交わるとともに、前記治具により挟み込まれる座面が形成され、前記2つの固定座の前記座面と前記移動方向とのなす角度の和は、180度より小さく設定されることが好ましい。
上記のステアリング装置において、前記2つの固定座の角度はそれぞれ90度より小さく設定されることが好ましい。
これらの構成によれば、固定座とモータの移動方向とがなす2つの固定座の角の和が、180度よりも小さくなるように形成されているため、治具が固定座から外れることを抑制できる。
また、この場合、2つの固定座の角がそれぞれ90度より小さく設定されることがより好ましい。治具が固定座から外れようとすると、2つの固定座の間の距離がより拡がった状態を経なければ外れないためである。このため、治具が2つの固定座から外れ難くなる。また、2つの固定座の角がそれぞれ90度より小さく設定される場合には、より効率的に挟み込む力を固定座に作用させることができる。
本発明のステアリング装置によれば、治具を小型化できるステアリング装置を提供する。
電動パワーステアリング装置の構成を示す構成図。 実施形態の電動パワーステアリング装置について、アシスト機構の概略構成を示す断面図。 図2の3−3線に沿う断面図。 (a)は、実施形態の固定座の概略構成を示す構成図、(b)は、他の実施形態の固定座の概略構成を示す構成図。 第2実施形態の電動パワーステアリング装置について、アシスト機構の概略構成を示す断面図。
以下、ステアリング装置の一実施形態について説明する。本実施形態のステアリング装置は、いわゆるラックパラレル型の電動パワーステアリング装置(RP−EPS)である。
図1に示すように、EPS1は運転者のステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪15を転舵させる操舵機構2、および運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構3を備えている。
操舵機構2は、ステアリングホイール10およびステアリングホイール10と一体回転するステアリングシャフト11を備えている。ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール10と連結されたコラムシャフト11aと、コラムシャフト11aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト11b、およびインターミディエイトシャフト11bの下端部に連結されたピニオンシャフト11cを有している。ピニオンシャフト11cの下端部はラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12に連結されている。したがって、操舵機構2では、ステアリングシャフト11の回転運動は、ピニオンシャフト11cおよびラックシャフト12からなるラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12の軸方向(図1の左右方向)の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動は、ラックシャフト12の両端にそれぞれ連結されたタイロッド14を介して、左右の転舵輪15にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪15の転舵角が変化する。
アシスト機構3は、ラックシャフト12に設けられている。アシスト機構3は、アシスト力の発生源であるモータ20と、ラックシャフト12の周囲に一体的に取り付けられたボールねじ機構30と、モータ20の回転軸21の回転力をボールねじ機構30に伝達する減速機40からなる。アシスト機構3は、モータ20の回転軸21の回転力を減速機40およびボールねじ機構30を介してラックシャフト12の軸方向の往復直線運動に変換して、ラックシャフト12に付与する力により運転者のステアリング操作を補助する。
ボールねじ機構30、減速機40、ピニオンシャフト11c、およびラックシャフト12はラックハウジング16により覆われている。ラックハウジング16は、ラックシャフト12およびボールねじ機構30を収容する筒部16aを有している。ラックハウジング16には、減速機40の一部を収容する減速機ハウジング17が設けられている。減速機ハウジング17は、ラックシャフト12の延びる方向に対して交わる方向(図中の下方)へ突出している。減速機ハウジング17の外壁(図中の右側壁)には、貫通孔22が設けられている。モータ20の回転軸21は、貫通孔22を通じて減速機ハウジング17の内部に伸びている。軸方向から見て、モータ20より外周側に突出したフランジ部17aが減速機ハウジング17に形成されている。また、モータ20の外周面には、モータ20から突出したフランジ部24が形成されている。フランジ部17aおよびフランジ部24を複数のボルト23により連結することで、モータ20は減速機ハウジング17に固定されている。回転軸21はラックシャフト12に対して平行をなしている。
つぎに、アシスト機構3について詳細に説明する。
図2に示すように、ボールねじ機構30は、ラックシャフト12に多数のボール32を介して螺合する円筒状のナット31を備えている。ナット31は、円筒状の軸受34を介してラックハウジング16の内周面に対して回転可能に支持されている。ラックシャフト12の外周面には螺旋状のねじ溝12aが形成されている。ナット31の内周面には、ラックシャフト12のねじ溝12aに対応する螺旋状のねじ溝33が形成されている。ナット31のねじ溝33とラックシャフト12のねじ溝12aにより囲まれる螺旋状の空間は、ボール32が転動する転動路Rとして機能する。また、図示しないが、ナット31には転動路Rの2箇所に開口して、当該2箇所の開口を短絡する循環路が設けられている。したがって、ボール32はナット31内の循環路を介して転動路R内を無限循環することができる。なお、転動路Rにはたとえばグリース等の潤滑剤が塗布されて、ボール32が転動する際の摩擦抵抗等が低減されている。
減速機40は、モータ20の回転軸21に一体的に取り付けられた駆動プーリ41、ナット31の外周に一体的に取り付けられた従動プーリ42、および駆動プーリ41と従動プーリ42との間に巻き掛けられたベルト43を備えている。減速機ハウジング17の内部空間には、モータ20の回転軸21と、回転軸21に取り付けられた駆動プーリ41と、ベルト43の一部が配置される。
このような構成からなるアシスト機構3では、モータ20の回転軸21が回転すると、回転軸21と一体となって駆動プーリ41が回転する。駆動プーリ41の回転は、ベルト43を介して従動プーリ42に伝達されて、これにより従動プーリ42は回転する。このため、従動プーリ42と一体的に取り付けられたナット31も一体回転する。ナット31はラックシャフト12に対して相対回転するため、ナット31とラックシャフト12との間に介在される多数のボール32は双方から負荷を受けて転動路R内を無限循環する。ボール32が無限循環することにより、ナット31に付与されたトルクがラックシャフト12の軸方向に付与される力に変換される。このため、ラックシャフト12はナット31に対して軸方向に移動する。このラックシャフト12に付与される軸方向の力がアシスト力となり、運転者のステアリング操作を補助する。
複数のボルト23を介して、フランジ部17aとフランジ部24は締結される。図3に示すように、フランジ部17aには各ボルト23を挿通させる2つの長孔50,51と、1つの丸孔52が形成されている。丸孔52はフランジ部17aにおける径方向の端部(図中の下部)に形成されている。長孔50は、フランジ部17aにおいて、丸孔52と径方向でほぼ反対側の位置(図中の上部)に形成されている。長孔51は、周方向において丸孔52と長孔50に挟まれた位置(図中の左部)に形成されている。丸孔52はベルト43のテンションを調整する際の基準位置となる。長孔50,51は、ボルト23がその孔に沿って移動できるよう細長く形成されている。減速機ハウジング17のフランジ部17aにフランジ部24を締結する際、たとえば長孔50,51および丸孔52に挿通した各ボルト23をフランジ部24に形成されためねじに緩く締め付け、フランジ部24を各ボルト23とともに長孔50,51に沿って移動させることによって、フランジ部24の固定位置が変えられる。このとき、丸孔52はフランジ部24を移動させる際の基準位置となり、丸孔52を回転中心としてフランジ部24は移動する。このため、長孔50,51が細長く形成されている向きは、フランジ部24が回転する際の向きに対応している。すなわち、長孔50は、駆動プーリ41と従動プーリ42を結ぶ直線とほぼ平行な向きに細長く形成されている。また、長孔51は、長孔50から傾いた向きに細長く形成され、駆動プーリ41から離れるにつれて(図中の左部)、丸孔52へと近づく方向に傾いて形成されている。すなわち、長孔50,51は、丸孔52を中心としてモータ20(フランジ部24)を回転させたときの軌跡に対応して、円弧に近い傾きを有している。
このように、フランジ部24を移動させることによって、モータ20の回転軸21の位置が変わり、駆動プーリ41と従動プーリ42の間の芯間距離は変化する。このため、駆動プーリ41と従動プーリ42との間に巻き掛けられたベルト43のテンションも変わる。すなわち、駆動プーリ41と従動プーリ42の間の芯間距離が増加すると、ベルト43のテンションは増加する。また、駆動プーリ41と従動プーリ42の間の芯間距離が減少すると、ベルト43のテンションは減少する。
ベルト43のテンションを調整する際には、駆動プーリ41と従動プーリ42の間の芯間距離が重要である。すなわち、作業者がベルト43のテンションを調整する際に、フランジ部24が移動してしまうと、ベルト43のテンションが目標値からずれてしまう。フランジ部24が移動しないように作業者が注意していても、各ボルト23の締め付けに伴って、フランジ部24の位置はわずかに移動してしまう。また、ベルト43のテンションが増加したとき、ベルト43のテンションの増加に伴って、ベルト43にはテンションの増加を妨げるような反力が作用する。この反力は、ベルト43が引っ張られることに抵抗するように、ベルト43が元の形状へと戻る方向へ作用する。これらの要因のため、ベルト43のテンションを精度よく調整することは難しい。
このため、作業者がベルト43のテンションを調整する際には、フランジ部17a,24を保持するための治具60,60が用いられる。治具60としては、たとえばクランプが用いられる。治具60は、減速機ハウジング17およびラックハウジング16に対して、モータ20を保持する。
治具60によりフランジ部17a,24を保持するには、フランジ部17a,24の一部を治具によって挟み込む必要がある。このため、減速機ハウジング17のフランジ部17aの周縁部には、治具60を固定するための2つの固定座53,54が凹んで形成されている。固定座53,54は互いに近い位置に形成され、それらが長孔50を挟み込むように形成されている。また、固定座53,54の設けられている向きは、長孔50に沿って移動するボルト23の移動方向と一致している。また、同様の固定座がモータ20のフランジ部24のめねじを挟んで、固定座53,54に隣接して形成される(図示略)。治具60が固定座53,54を挟み込むとき、治具60は、固定座53,54に当接して、フランジ部24における長孔50が形成された部分を挟み込む力(クランプ力)を付与する。このクランプ力の作用線Lは、減速機ハウジング17(フランジ部17a)およびモータ20(フランジ部24)が相対移動する方向とほとんど一致している。すなわち、フランジ部17a,24に相隣接して治具60,60が取り付けられ、これら治具が作用線L方向にほぼ一致して相対移動するクランプ力の作用線L上に、固定座53,54が位置しているため、治具60はより確実にクランプ力を固定座53,54に付与することができる。
治具60が固定座53,54から外れることを抑制するために、固定座53,54はつぎのように形成されている。すなわち、図4(a)に示すように、固定座53には、治具60を挿入する方向において治具60がフランジ部17aと当接する底面53aと、クランプ力の作用線Lに対してフランジ部17aの外側に角度αだけ傾いて座面53bが形成されている。また、固定座54には、治具60を挿入する方向において治具60がフランジ部17aと当接する底面54aと、クランプ力の作用線Lに対してフランジ部17aの外側に角度βだけ傾いて座面54bが形成されている。固定座53,54は、角度αと角度βの和が180度よりも小さくなるように形成されている。また、固定座53の座面53bを作用線Lに沿って平行移動した延長線上に、固定座54の座面54bが位置している。
つぎに、固定座53,54の作用について説明する。
作業者がベルト43のテンションを調整する際には、フランジ部17aの固定座53,54に治具60を取り付ける。同様に、フランジ部24の固定座に治具60を取り付ける。この状態で、作業者が治具60,60を相対移動させて、ベルト43のテンションを調整する。駆動プーリ41が従動プーリ42から遠ざかる方向にモータ20を移動させることにより、駆動プーリ41と従動プーリ42の間の芯間距離は増加する。駆動プーリ41と従動プーリ42の間の芯間距離の増加に伴って、ベルト43のテンションは増加する。このとき、ベルト43は元の形状に戻ろうとして、駆動プーリ41には従動プーリ42へ向けて引き寄せる力が反力として作用する。この反力の作用する方向は、治具60によるクランプ力の作用線Lとほとんど等しい向きである。このため、ベルト43の反力により、固定座53,54から治具60が外れることを抑制できる。
これに対して、たとえば、治具60によるクランプ力がベルト43の反力と直交している場合には、反力はモーメントとして固定座53,54に作用する。すなわち、治具60,60によりフランジ部17a,24は固定されるが、そのクランプ力の作用線Lとベルト43の反力の作用線Lはほぼ直交しているため、治具60は固定座53,54にクランプ力を十分に働かせることができない。治具60によりフランジ部17a,24を挟んでいる方向とは異なる向きに、モーメントが作用してしまうためである。このため、ベルト43の反力とクランプ力の作用線Lが直交する場合には、クランプ力は治具60とフランジ部24との間の摩擦力の範囲でのみ作用し、モーメントがこの摩擦力よりも大きい場合には、治具60によるフランジ部24の固定は解除されてしまう。
また、固定座53,54は、角度αと角度βの和が180度よりも小さくなるように形成されている。このため、治具60が固定座53,54から外れることを抑制できる。すなわち、治具60は、座面53b,54bの間の距離よりも拡がった状態を経なければ、固定座53,54から外れない。このため、治具60によりクランプ力が固定座53,54に作用している状態では、治具60が固定座53,54から外れることは困難である。
また、固定座53,54は、角度αと角度βがそれぞれ90度よりも小さくなるように形成されている。治具60によりクランプ力が固定座53,54に作用する際に、より確実に治具60が固定座53,54から外れることを抑制できる。たとえば、角度αが180度に近くなるほど、固定座53,54を挟み込む力と垂直な方向の分力は増大してしまうため、治具60は効率的にクランプ力を固定座53,54に作用させることができない。この分力は固定座53,54を挟み込むことにほとんど寄与しないためである。
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)固定座53,54を形成することにより、治具60を小型化することができる。治具60は、固定座53,54を挟める程度の大きさがあればよいためである。また、固定座53,54を互いに近い位置に設けたため、治具60を小型化することができる。従来であれば、フランジ部24を覆うように治具が設けられたが、本実施形態では、治具60はフランジ部24の一部のみを保持すればよく、治具60は固定座53,54を挟める程度の大きさがあればよいためである。
治具60が小型化することにより、治具60の製造コストの削減が期待できる。また、治具60が小型化することにより、治具60を保管する場所が小さくなり、作業場の省スペースが期待できる。また、治具60が小型化することにより、ベルト43のテンションを調整する作業者の作業性を向上させることが期待できる。これは、治具60が大型化している場合には、治具60を移動させるときにも大きな仕事量が要求されるため、作業者の疲労や運搬機械を使用することによるタイムロスが考えられるためである。
(2)ベルト43のテンションを調整して駆動プーリ41と従動プーリ42の間の距離が増加した際に生じる反力は、治具60によるクランプ力の作用線Lとほとんど等しい向きである。このため、治具60,60によりフランジ部17a,24をより確実に保持することができる。また、クランプ力と直交するようなモーメントが生じることを抑制できる。たとえば、反力がモーメントとして作用するような場合には、治具60が固定座53,54から外れてしまうおそれがあるが、本実施形態ではこれが抑制される。
(3)固定座53,54は、角度αと角度βの和が180度よりも小さくなるように形成されているため、治具60が固定座53,54から外れることを抑制できる。さらに、治具60によるクランプ力がベルト43の反力と直交している場合であっても、治具60とフランジ部24との間の摩擦力だけでなく、治具60が座面53b,54bに引っかかる。このため、治具60が固定座53,54から外れることを抑制できる。
<第2実施形態>
つぎにステアリング装置の第2実施形態について説明する。ここでは、第1実施形態との違いを中心に説明する。
図5に示すように、固定座55と固定座56はフランジ部17aの径方向においてほぼ反対側に位置するように設けられている。なお、固定座55の座面55bを作用線L2に沿って平行移動した延長線から離れた位置に固定座56は形成されている。また、治具60は、フランジ部17aの径方向を挟む程度の長さが必要である。また、図示しないが、フランジ部24にもフランジ部17aと同様の固定座が形成される。
固定座55,56に治具を取り付ける場合、第1実施形態の治具60よりも大きい治具が必要になるが、固定座55,56を挟むように治具でクランプすることにより、ベルト43のテンションを調整する際にフランジ部24がフランジ部17aに対し保持される。この状態で、作業者はベルト43のテンションを調整する。
本実施形態の効果について説明する。
(1)固定座55,56を形成することにより、治具を小さくすることができる。すなわち、フランジ部17a,24を覆うような治具を設ける必要はない。
(2)また、フランジ部17a,24を部分的に挟み込むことにより、一部分に応力が集中することを抑制できる。また、第1実施形態の治具60よりも大きくなる分、治具のクランプ力が大きくなることが期待されるため、より確実にフランジ部17a,24を保持することができる。
なお、各実施形態は次のように変更してもよい。以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・第1実施形態では、角度αと角度βの和が180度よりも小さくなるように、固定座53,54を設けたが、これに限らない。たとえば、図4(b)に示すように、角度αと角度βの和が180度になるようにしてもよい。この場合、座面53bと座面54bは互いに平行である。
・第1実施形態では、固定座53,54は長孔50を挟むように形成されたが、これに限らない。たとえば、長孔51を挟み込むように形成されてもよい。また、長孔50,51を挟み込むように形成されなくてもよい。すなわち、固定座53,54は、回転中心である丸孔52を避けて、丸孔52から離れた位置に形成されればよい。
・両実施形態では、それぞれ2つの固定座53,54および固定座55,56を設けたがこれに限らない。たとえば、固定座を二組以上設けてもよい。
・両実施形態において、一例として治具60はクランプが用いられたが、これに限らない。
・両実施形態において、固定座53,54は、フランジ部24の周縁部に凹んだ形状に形成されたが、突出するように形成されてもよい。
・両実施形態では、RP−EPSに具体化して示したが、これに限らない。すなわち、ベルト43を用いた減速機40を備えるステアリング装置であればよい。また、ステアリング操作に連動するラックシャフト12の直線運動を、モータ20の回転力を利用して補助する電動パワーステアリング装置を例に挙げたが、ステアバイワイヤ(SBW)に適用してもよい。なお、ステアバイワイヤに具体化する場合には、前輪操舵装置としてだけでなく、後輪操舵装置あるいは4輪操舵装置(4WS)として具体化することもできる。
1…EPS、2…操舵機構、3…アシスト機構、10…ステアリングホイール、11…ステアリングシャフト、11a…コラムシャフト、11b…インターミディエイトシャフト、11c…ピニオンシャフト、12…ラックシャフト(転舵シャフト)、12a…ねじ溝、13…ラックアンドピニオン機構、14…タイロッド、15…転舵輪、16…ラックハウジング(ハウジング)、16a…筒部、17…減速機ハウジング、17a…フランジ部、18…ラックブーツ、20…モータ、21…回転軸、22…貫通孔、23…ボルト、24…フランジ部、30…ボールねじ機構、31…ナット、32…ボール、33…ねじ溝、34…軸受、R…転動路、40…減速機、41…駆動プーリ、42…従動プーリ、43…ベルト、50,51…長孔、52…丸孔、53,54…固定座、53a,54a…底面、53b,54b…座面、55,56…固定座、55b,56b…座面、60…治具。

Claims (5)

  1. モータと、
    軸方向に往復移動する転舵シャフトと、
    多数のボールを介して前記転舵シャフトと螺合するナットと、
    前記ナットが挿入されてその外周面に固定される従動プーリと、前記モータの回転軸と一体回転可能に固定される駆動プーリと、前記従動プーリと前記駆動プーリの間に巻き掛けられるベルトと、を有する減速機と、
    前記転舵シャフトおよび前記ナットを収容する筒部と、前記減速機を収容するとともに前記モータが固定される減速機ハウジングとを有するハウジングと、を備え、
    前記モータは、前記減速機ハウジングに固定されるための複数のボルトをそれぞれ受ける複数の孔を有するフランジ部を備え、
    前記減速機ハウジングは、前記複数のボルトのうち一つが挿通される丸孔と、前記複数のボルトのうち前記丸孔に挿通されたボルトを除いたボルトが挿通されるとともに前記丸孔を基準として前記モータを回転させたときの軌跡に対応して延びる長孔とを有し、
    前記減速機ハウジングおよび前記モータのフランジ部には、前記丸孔から外れた位置に治具を取り付けるための2つの固定座が形成されているステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記2つの固定座は、前記長孔の延びている方向で、前記長孔を挟む位置に設けられているステアリング装置。
  3. 請求項1または2に記載のステアリング装置において、
    前記2つの固定座が並ぶ方向は、前記モータの移動方向であるステアリング装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置において、
    前記固定座は前記減速機ハウジングおよび前記モータのフランジ部を切り欠くことにより凹んで形成され、
    前記固定座には、前記モータの移動方向に交わるとともに、前記治具により挟み込まれる座面が形成され、
    前記2つの固定座の前記座面と前記移動方向とのなす角度の和は、180度より小さく設定されるステアリング装置。
  5. 請求項4に記載のステアリング装置において、
    前記2つの固定座の角度はそれぞれ90度より小さく設定されるステアリング装置。
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