JP6421596B2 - 熱交換機構 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン(内燃機関)の吸気温度を制御する熱交換機構に関する。
従来、エンジンの吸気系において、スロットルバルブが設けられたスロットルボディ内に熱媒体の流路を形成し、エンジンの作動状態に応じて流路に熱媒体を供給することで吸気温度を制御する技術が知られている。すなわち、外気温よりも高温の熱媒体で吸気温度を上昇させ、あるいは、外気温よりも低温の熱媒体で吸気温度を低下させるものである。
吸気は、温度が低下するほど単位質量あたりの体積が小さくなる。そのため、吸気を冷却することで、エンジンの充填効率を向上させることができ、エンジンの出力を高めることができる。一方、冬期や寒冷地といった低温環境下でエンジンを暖機運転する場合には、吸気温度を上昇させることで、機械的摩擦損失の低下や燃焼の安定化を促すことができる。
このような制御を実現するための熱交換機構としては、エンジン冷却水やインタークーラ冷却水(過給機用の冷却水)を熱媒体としたものが考えられる。例えば、スロットルボディにインタークーラ冷却水の循環路を内蔵させ、この循環路にエンジン冷却水の流路を接続するとともに、この流路上にバルブを介装する(特許文献1参照)。このような構造により、インタークーラ冷却水を冷却用熱媒体として機能させつつ、エンジン冷却水を加熱用熱媒体として機能させることができる。
特開2012−219687号公報
上記のような熱交換機構を用いてスロットルボディ全体を冷却した場合、スロットルボディ内を通過する吸気温度と比較して、吸気通路の表面温度が低くなることがある。この場合、吸気中の水分が吸気通路の表面に結露し、凝縮水がスロットルバルブに付着するおそれがある。このような凝縮水は、スロットルバルブの固着を誘発し、スロットルバルブの動作を不安定にさせる一因となる。
本発明は、上記のような課題に鑑み創案されたもので、その目的の一つは、スロットルバルブを安定して作動させることができるとともに内燃機関の出力を確保することができるようにした、熱交換機構を提供することである。
なお、ここでいう目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
(1)本発明の熱交換機構は、内燃機関の吸気通路に介装され、吸気の流通量を調整するスロットルバルブを有するスロットルボディと、前記スロットルボディ内の前記吸気通路となるボア部の外周で前記スロットルバルブよりも吸気流通方向上流側に配置されて吸気よりも高温の第一熱媒体が流通する第一回路と、前記ボア部の外周で前記スロットルバルブよりも吸気流通方向下流側に配置されて吸気よりも低温の第二熱媒体が流通する第二回路と、を備え、前記吸気通路が複数の列をなして並んで設けられ、前記スロットルボディは、前記吸気通路のそれぞれに対応して前記ボア部が配置された多連型であって、前記第一回路および前記第二回路のそれぞれが、前記ボア部のそれぞれの外周を覆うように前記ボア部の並ぶ方向に沿って連設されたことを特徴としている。
)前記内燃機関から流出する排気が流通する排気通路と前記吸気通路とを連通して前記排気通路内の排気を前記吸気通路に還流させるEGR通路を備えることが好ましい。
)前記吸気通路において前記スロットルバルブよりも吸気流通方向下流側に、結露した凝縮水を排出する排水口を備えることが好ましい。
)前記ボア部の内壁面に沿った曲面形状に形成され、前記第一回路および前記第二回路内のそれぞれに挿入されたスペーサを備えることが好ましい。
)前記第一回路は、前記内燃機関を冷却する前記第一熱媒体が循環して流通する内燃機関冷却回路であることが好ましい。すなわち、前記第一熱媒体がエンジン冷却水であることが好ましい。
)前記吸気通路において前記スロットルボディよりも吸気流通方向流側に介装され、吸気を冷却する冷却装置を備えることが好ましい。前記冷却装置の具体例としては、インタークーラが挙げられる。
)前記第二回路は、空調用の前記第二熱媒体が循環して流通する空調冷却回路であることが好ましい。すなわち、前記第二熱媒体が空調冷媒であることが好ましい。
)前記吸気通路において前記スロットルボディよりも吸気流通方向上流側に介装され、吸気を過給する過給機を備えることが好ましい。
)前記第一回路の前記第一熱媒体による加熱度合いと前記第二回路の前記第二熱媒体による冷却度合いとを制御する制御装置を備えることが好ましい。
(10)もう一つの本発明の熱交換機構は、内燃機関の吸気通路に介装され、吸気の流通量を調整するスロットルバルブを有するスロットルボディと、前記スロットルボディ内の前記吸気通路となるボア部の外周で前記スロットルバルブよりも吸気流通方向上流側に配置されて吸気よりも高温の第一熱媒体が流通する第一回路と、前記ボア部の外周で前記スロットルバルブよりも吸気流通方向下流側に配置されて吸気よりも低温の第二熱媒体が流通する第二回路と、前記ボア部の内壁面に沿った曲面形状に形成され、前記第一回路および前記第二回路内のそれぞれに挿入されたスペーサと、を備えたことを特徴としている。
本発明の熱交換機構によれば、吸気がスロットルバルブよりも吸気流通方向上流側で加熱されるとともに吸気流通方向下流側で冷却されるため、スロットルバルブへの凝縮水の付着を抑えながら、吸気を冷却することができる。よって、スロットルバルブを安定して作動させることができるとともに内燃機関の出力を確保することができる。
本発明の一実施形態における熱交換機構とこれが適用されるエンジン(内燃機関)の吸排気系と熱交換回路とを模式的に示す全体図である。 本発明の一実施形態における熱交換機構のスロットルボディを示す斜視図である。 本発明の一実施形態における熱交換機構のスロットルボディにおける吸気の流通方向に沿う断面を示す模式図である。この図3は、図2のA−A矢視断面に対応している。 本発明の一実施形態における熱交換機構のスロットルボディにおける吸気の流通方向に直交する断面を示す模式図である。この図4は、図2のB−B矢視断面および図3のC−C矢視断面に対応している。 本発明の実施形態における熱交換機構の変形例の要部を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。
本熱交換機構では、内燃機関の吸気系に設けられたスロットルボディに二系統の熱交換回路が設けられている。ここでは、内燃機関として、車両に搭載されたエンジンを例に挙げて説明する。
なお、本実施形態では、吸気および排気の流通方向を基準に上流(吸気流通方向上流)および下流(吸気流通方向下流)を定め、同様に、熱交換回路を流通する熱媒体の流通方向を基準に上流および下流を定める。また、重力の作用方向を下方とする。
〔I.一実施形態〕
[1.構成]
以下、本実施形態の熱交換機構の基本的な構成について、エンジンの吸排気系,熱交換回路の順に説明する。
[1−1.吸排気系]
はじめに、図1を参照して、エンジン1の吸気系および排気系の構成を説明する。以下、エンジン1,吸気系および排気系に跨って設けられるターボチャージャ(過給機)40およびEGR通路50,吸気系ならびに排気系の順に各構成を説明する。なお、白抜きの矢印で吸気通路10における吸気の流通方向を示し、黒塗りの矢印で排気通路30における排気の流通方向を示し、斜線を付した矢印でEGR通路50において還流する排気の流通方向を示す。
[1−1−1.エンジン]
エンジン1は、シリンダ1a(破線で示し一箇所のみに符号を付す)内で燃料を燃焼させた熱エネルギーにより出力を得る内燃機関である。ここでは、複数のシリンダ1aが設けられた多気筒型であって図示省略する点火プラグが装備されたガソリンエンジンをエンジン1の例に挙げて説明する。
エンジン1には、吸気ポート2および排気ポート3(それぞれ破線で示し一箇所のみに符号を付す)が、燃焼室となるシリンダ1aのそれぞれに連通して設けられている。吸気ポート2のそれぞれは、上流側から下流側に向けて複数に分岐しており、同様に、排気ポート3のそれぞれは、下流側から上流側に向けて複数に分岐している。ここでは、各ポート2,3が二つに分岐したものを例示している。
吸気ポート2には、シリンダ1aに流入する吸気が流通し、排気ポート3には、シリンダ1aから流出した排気が流通する。
なお、四つのシリンダ1aを例示するが、シリンダ1aは、三つ以下であってもよいし五つ以上であってもよい。
吸気ポート2よりも上流側にはエンジン1に流入する吸気が流通する通路(以下、「吸気通路」という)10が形成され、排気ポート3よりも下流側にはエンジン1から流出した排気が流通する通路(以下、「排気通路」という)30が形成されている。
これらの吸排気系10,30に跨って、ターボチャージャ40およびEGR通路50が設けられている。
[1−1−2.ターボチャージャおよびEGR通路]
ターボチャージャ40は、吸気を過給する機構である。このターボチャージャ40は、同軸に設けられたタービン41およびコンプレッサ42を有する。これらのタービン41およびコンプレッサ42は一体に回転するように結合されている。タービン41は排気通路30に介装され、コンプレッサ42は吸気通路10に介装されている。
ターボチャージャ40では、排気によってタービン41が回転してコンプレッサ42が回転し、吸気が圧縮される。そして、圧縮された吸気がエンジン1に供給される。すなわち、吸気が過給される。
EGR(Exhaust Gas Recirculation)通路50は、排気を排気通路30から吸気通路10へと還流させるものである。具体的には、EGR通路50によって、排気側の端部である一端部50aと吸気側の端部である他端部50bとが連通され、タービン41よりも下流側の排気通路30内を流通する排気はコンプレッサ42よりも上流側の吸気通路10に導入される。このようにして、窒素酸化物(以下、「NOx」という)の生成量の低減が図られる。
このEGR通路50には、EGRクーラ51およびEGRバルブ52が介装されている。このEGRクーラ51は、EGRバルブ52よりも一端部50a側に設けられている。
EGRクーラ51は、還流する排気を冷却する装置である。EGRクーラ51を流通する排気は、外気と熱交換することで冷却される。
EGRバルブ52は、排気の還流量を調整するものである。ここでは、開度調整可能なEGRバルブ52が採用されている。
[1−1−3.吸気系]
吸気系では、新気の吸気が流通する順に、エアクリーナ11,上述したコンプレッサ42,インタークーラ(冷却装置)12,スロットルボディ20,サージタンク13,インテークマニホールド(以下、「インマニ」と略称する)14が吸気通路10に介装されている。
エアクリーナ11は、吸入される新気中の異物を取り除く濾過装置である。
インタークーラ12は、吸気を冷却するものである。このインタークーラ12では、吸気と外気との熱交換により、ターボチャージャ40で圧縮されて上昇した吸気の温度が低下され、吸気の空気密度の低下が回復する。
スロットルボディ20は、吸気通路10となるボア部20a(破線で示す)と、このボア部20aにおいて吸気の流通量を調整するスロットルバルブ22(破線で示す)とを有する。このスロットルバルブ22によって、ボア部20aにおける吸気の流通量が調整され、エンジン1に流入する吸気の量が制御される。なお、スロットルボディ20については、構成の詳細を後述する。
サージタンク13は、吸気の圧力脈動を抑えるものである。このサージタンク13は、次に説明するインマニ14の上流側に連結された空間を有する。この空間において、例えば圧力波の共鳴が吸収され、シリンダ1aどうしの吸気圧の干渉が抑えられる。
インマニ14は、エンジン1の各シリンダ1aに向かってサージタンク13から分岐するように形成された多岐管である。ここでは、エンジン1に四つのシリンダ1aが設けられているため、インマニ14は四つの分岐管14a,14b,14c,14dを有する。
これらの分岐管14a,14b,14c,14dは、複数の列をなして並んで設けられている。また、分岐管14a,14b,14c,14dそれぞれの内部には、吸気通路10が形成されている。すなわち、インマニ14では、吸気通路10が複数の列をなして並んで設けられている。
また、分岐管14aには、燃料を噴射するインジェクタ15aが設けられている。同様に、分岐管14b,14c,14dのそれぞれには、対応するインジェクタ15b,15c,15dが設けられている。すなわち、インジェクタ15a,15b,15c,15dは、対応する各分岐管14a,14b,14c,14dの内部に燃料を噴射するポート噴射型のものである。
[1−1−4.排気系]
排気系では、排気が流通する順に、エキゾーストマニホールド(以下、「エキマニ」と略称する)31,上述したタービン41,排気処理装置32が排気通路30に介装されている。
エキマニ31は、エンジン1の各シリンダ1aから合流するように形成された多岐管である。ここではエンジン1に四つのシリンダ1aが設けられているため、エキマニ31は、インマニ14と同様に、四つの分岐管が複数の列をなしており、各分岐管の内部に排気通路30が形成されている。
排気処理装置32は、排気に含まれる有害成分を浄化処理するものである。ここでは、排気処理装置32として三元触媒コンバータを用いている。
三元触媒コンバータとは、排気に含まれる炭化水素(以下、「HC」という),一酸化炭素(以下、「CO」という),およびNOxの三成分を酸化または還元させて浄化処理する変換装置である。この三元触媒コンバータでは、HCが水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に、COが二酸化炭素に、NOxが窒素(N2)に、酸化または還元される。三元触媒コンバータとしては、セラミックスやコーディエライトなどで生成された触媒担体にプラチナ,パラジウム,ロジウムなどの貴金属の微粒子を担持させたものが挙げられる。
[1−2.熱交換回路]
次に、熱交換回路の基本的な構成について説明する。
熱交換回路では、循環して流通する熱媒体と熱交換対象とが熱エネルギーを授受(すなわち熱交換)する。このようにして、熱交換対象が加熱または冷却される。
ここでは、三系統の熱交換回路を説明する。具体的には、エンジン1を冷却するエンジン冷却水(第一熱媒体)が流通するエンジン冷却回路(内燃機関冷却回路,第一回路)60と、空調用の空調冷媒(第二熱媒体)が流通する空調冷媒回路(第二回路)70と、インタークーラ12を冷却するインタークーラ冷媒(以下、「IC冷媒」という)が流通するインタークーラ冷却回路(以下、「IC冷却回路」という)80とを説明する。これらの冷却回路60,70,80は互いに独立しており、エンジン冷却水,空調冷媒,IC冷媒は互いに混ざることがない。
エンジン冷却回路60を流通するエンジン冷却水は、エンジン1によって昇温される。そのため、空調冷却回路70を流通する空調冷媒やIC冷却回路80を流通するIC冷媒よりも比較的高温になるものといえる。
[1−2−1.エンジン冷却回路]
エンジン冷却回路60には、冷却対象のエンジン1と放熱器のラジエータ62との間を環状に接続する流路と、ラジエータ62と並列に接続される流路とが設けられる。前者は、おもに作動中のエンジン1を冷却する機能を持つのに対し、後者はラジエータ62を迂回してエンジン冷却水の過冷却を防止する機能を持つ。また、本実施形態ではこれらの流路に加えて、スロットルボディ20を冷却するための流路が設けられ、ラジエータ62に対して並列に接続される。
エンジン1の本体(シリンダブロック,シリンダヘッド)内には、ウォータージャケットが形成され、その流入口1bと流出口1cとにエンジン冷却回路60が接続される。また、エンジン1の流入口1bには、エンジン冷却水を圧送するエンジン冷却水ポンプ61が付設される。エンジン冷却水が圧送されることで、エンジン冷却水がエンジン冷却回路60を流通し、エンジン1において流入口1bから流入して流出口1cから流出する。ウォータージャケットの内部をエンジン冷却水が流通することで、エンジン冷却水とエンジン1とが熱交換し、エンジン冷却水はもっぱら昇温する。このようにして、エンジン冷却水はエンジン冷却回路60を循環して流通する。
エンジン1の流出口1cよりも下流側の分岐箇所E1では、第一分岐路60aと第二分岐路60bとの二つに分岐している。第二分岐路60bでは、分岐箇所E1よりも下流側の分岐箇所E2において第三分岐路60cと第四分岐路60dとに分岐している。
第三分岐路60cには、ラジエータ62が介装されている。ラジエータ62は、エンジン冷却水の熱を放出させる放熱器である。ラジエータ62の内部を流通するエンジン冷却水は、外気と熱交換することで冷却される。
また、第四分岐路60dには、エンジン冷却水が流通する方向の順に、第一切替弁65およびスロットルボディ20が介装されている。第一切替弁65は、エンジン冷却水の流通とその停止とを切り替える弁である。ここでは、第一切替弁65が開度調整可能に構成されており、エンジン冷却水の流通量を連続的あるいは段階的に調整することができる。
第一分岐路60aと第三分岐路60cとは各下流端で合流し、その下流端にサーモスタット63が設けられている。このサーモスタット63よりも下流側に第一合流路60eが設けられる。
サーモスタット63は、エンジン冷却水の温度に応じてエンジン冷却水の流通量を調整する温度感応型の弁である。具体的に言えば、サーモスタット63は、エンジン冷却水の温度が所定温度よりも高くなれば第三分岐路60cの流路を開放し、逆に、エンジン冷却水の温度が所定温度よりも低くなるに連れて第三分岐路60cの流路の開度を小さくし、更にエンジン冷却水の温度が低くなると第三分岐路60cの流路を閉鎖する弁である。ここでいう所定温度は、例えば75℃や80℃である。
なお、サーモスタット63は、第一分岐路60aおよび第一合流路60eの各流路の開度については調整しない。これらの第一分岐路60aおよび第一合流路60eの各流路は開放されている。
第一合流路60eの下流端である合流箇所E3には、第四分岐路60dが合流している。この合流箇所E3よりも下流側の第二合流路60fは、その下流端にエンジン1の流入口1bが接続されており、上記したエンジン冷却水ポンプ61が介装されている。
[1−2−2.空調冷却回路]
空調冷却回路70は、空調用のメイン回路70aと、このメイン回路70aの一部を迂回するサブ回路70bとを有する。
メイン回路70aには、空調冷媒が流通する順に、コンプレッサ71,コンデンサ72,膨張弁73,エバポレータ74が介装されている。
コンプレッサ71は、空調冷媒を圧縮する圧縮機である。このコンプレッサ71により空調冷媒が圧送される。このコンプレッサ71は、空調装置の作動および非作動に応じて駆動される。
コンデンサ72は、コンプレッサ71で圧縮された空調冷媒を凝縮し液化する凝縮機である。コンデンサ72には、空調冷媒が凝縮するときには凝縮熱が発生するため、送風して凝縮熱の発散を促すファンが設けられていてもよい。
膨張弁73は、コンデンサ72により液化された空調冷媒を膨張させて低圧の霧状に変化させる弁である。この膨張弁73とコンデンサ72との間には、空調冷媒を一時的に貯留するレシーバが設けられていてもよい。レシーバが設けられていれば、膨張弁73に流入する空調冷媒の量や圧力の変動が緩和される。
エバポレータ74は、膨張弁によって霧化された空調冷媒を気化させる蒸発器である。空調冷媒が気化するときの潜熱によってエバポレータ74は冷却される。このエバポレータ74には、ブロア74aが付設されている。ブロア74aは、冷却されたエバポレータ74に送風することで、冷却された空気を車室に送る。
エバポレータ74よりも下流側の分岐箇所A1では、メイン回路70aからサブ回路70bが分岐している。この分岐箇所A1よりも下流側の合流箇所A2において、サブ回路70bがメイン回路70aに合流している。
サブ回路70bには、空調冷媒が流通する方向の順に、第二切替弁75およびスロットルボディ20が介装されている。第二切替弁75は、空調冷媒の流通とその停止とを切り替える弁である。ここでは、第二切替弁75が開度調整可能に構成されており、空調冷媒の流通量を連続的あるいは段階的に調整することができる。
[1−2−3.IC冷却回路]
IC冷却回路80には、IC冷媒が流通する順に、IC冷媒を圧送するIC冷媒ポンプ81とIC冷媒を冷却する放熱器82とインタークーラ12とが介装されている。
IC冷媒は、インタークーラ12において吸気通路10とは異なる内部通路を流通する。このIC冷媒がインタークーラ12において熱交換することでインタークーラ12が冷却される。
なお、IC冷媒ポンプ81は、エンジン1によって機械的に駆動されてもよいし、電気的に駆動されてもよい。同様に、上述したエンジン冷却水ポンプ61およびコンプレッサ71も、機械的に駆動されてもよいし、電気的に駆動されてもよい。
[1−3.スロットルボディ]
次に、図2〜図4を参照して、スロットルボディ20の構成を詳細に説明する。
ここでは、スロットルバルブ22として、アクセルペダルの操作量が電気的に伝達されることで作動するドライブバイワイヤ方式のものを例に挙げて説明する。ただし、アクセルペダルの操作量が機械的に伝達されることで作動するスロットルバルブを用いてもよい。
[1−3−1.構造]
はじめに、スロットルボディ20の構造を説明する。
図2および図3に示すように、スロットルボディ20には、ボア部20aの吸気流通方向中間部にスロットルバルブ22が設けられている。すなわち、ボア部20aは、図3に示すように、スロットルバルブ22に対して上流側のボア部(以下、「上流ボア部」という)201と下流側のボア部(以下、「下流ボア部」という)202とを有する。
図2に示すように、スロットルボディ20は、内部のボア部20aを囲繞するボア壁部21と、スロットルバルブ22を駆動するための機構が収容される駆動機構収容部23との二つの部位に大別することができる。なお、図3および図4には、駆動機構収容部23を簡略化して模式的に示す。
図2および図4に示すように、ボア壁部21は、吸気通路10(図1参照)の一部をなすボア部20aの周りを囲む円筒状の部位である。ボア壁部21の内部では、ボア部20aが円柱状の空間をなしている。すなわち、ボア壁部21の内壁面21aはボア部20aがなす円柱空間の外表面に対応している。
図3に示すように、ボア壁部21は、上流ボア部201を囲繞する上流ボア壁部211と下流ボア部202を囲繞する下流ボア壁部212とを有する。これらの上流ボア壁部211,下流ボア壁部212は、スロットルバルブ22を挟んでその上流側と下流側とに配置される。上流ボア壁部211は、上流ボア部201のなす円柱空間の外表面に対応する上流内壁面211aを有し、同様に、下流ボア壁部212は、下流ボア部202のなす円柱空間の外表面に対応する下流内壁面212aを有する。
図2〜図4に示すように、下流ボア壁部212の下部には排水口29aが穿設されており、この排水口29aには排水管29が接続されている。
ボア壁部21には、スロットルバルブ22がそのスロットルシャフト22aを介して90°回転自在に支持されている。すなわち、スロットルバルブ22は、ボア部20aの流路断面に対応する円盤状に形成されており、スロットルシャフト22aを機軸に揺動するバタフライバルブである。なお、スロットルシャフト22aには、図示省略するリターンスプリングが設けられている。
図2に示すように、駆動機構収容部23は、スロットルバルブ22を回転駆動するためのモータ(例えばDCモータ)が収容されるモータ収容部23aと、モータ収容部23aに収容されたモータの出力軸に連結された歯車列(ギヤトレイン)やベルトなどの動力伝達機構を介して連結されるアクチュエータが収容されたメカニカル機構収容部23bとに大別することができる。
スロットルバルブ22は、図示省略するアクセルペダルが操作されると、その操作量に応じてモータ収容部23aに収容されたモータの出力軸が所定の回転角度だけ回転し、その回転力がメカニカル機構収容部23bに収容された動力伝達機構によってスロットルシャフト22aに伝達され、スロットルバルブ22が所定の回転角度だけ回転する。その結果、ボア部20aが所定の開度で開放される。よって、ボア部20aを流通する吸気の量が調整され、エンジン1(図1参照)に流入する吸気の量が制御される。
[1−3−2.冷却回路]
次に、図3および図4を参照して、スロットルボディ20に設けられたエンジン冷却回路60および空調冷却回路70について説明する。
エンジン冷却回路60を流通するエンジン冷却水は、エンジン1(図1参照)に流入した吸気の燃焼エネルギーによって昇温される。よって、エンジン冷却水は吸気よりも高温になりやすい。また、スロットルボディ20を流通するエンジン冷却水は、ラジエータ62で冷却されていない点からも吸気に対して高温になりやすい。一方、エンジン冷却水に対して比較的低温の空調冷媒は、吸気に対して低温になりやすい。また、スロットルボディ20を流通する空調冷媒は、エバポレータ74で放熱した後にスロットルボディ20を流通する点からも吸気に対して低温になりやすい。
スロットルボディ20では、ボア部20aの外周にエンジン冷却回路60および空調冷却回路70が設けられている。具体的には、ボア壁部211,212の各内部に、エンジン冷却水または空調冷媒が流通する空間が形成されており、この空間が冷却回路60,70の一部をなしている。
ここでは、冷却回路60,70の一部をなす空間が、吸気の流通方向に直交する断面においてランドルト環の開放側(C字の開放側)を下方に向けたような形状をなしている。特に、下流ボア壁部212においては、空調冷却回路70をなす空間が形成されていない領域に上記の排水口29aが穿設されている。
図3に示すように、スロットルバルブ22に対して、上流側にエンジン冷却回路60が配置され、下流側に空調冷却回路70が配置されている。
図3および図4に示すように、エンジン冷却回路60には、上流ボア部201を囲繞する上流ボア壁部211の上流内壁面211aに沿った曲面形状のスペーサ69(二点鎖線で示す)が挿入されていてもよい。
同様に、空調冷却回路70には、下流ボア部202を囲繞する下流ボア壁部212の下流内壁面212aに沿った曲面形状のスペーサ79(二点鎖線で示す)が挿入されていてもよい。
スペーサ69,79は、冷却回路60,70を流通するエンジン冷却水あるいは空調冷媒の流れを適正化する挿入部材である。これらのスペーサ69,79は、想定されるエンジン冷却水あるいは空調冷媒の流れによって種々の形状に設定されうる。例えば、スペーサ69,79は樹脂から成形される。
[1−4.制御装置]
次に、図1を参照して、本熱交換機構を制御する制御装置100について説明する。
制御装置100は、例えばCPU(Central Processing Unit)に代表されるマイクロプロセッサ(MPU,Micro Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),不揮発メモリなどを集積した電子デバイスである。マイクロプロセッサは、制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ群)などを内蔵する処理装置(プロセッサ)である。また、ROM,RAMおよび不揮発メモリは、プログラムや作業中のデータが格納されるメモリ装置である。不揮発メモリの具体例としては、フラッシュメモリ,相変化メモリ(Phase Change Memory),抵抗変化メモリ(Resistive RAM),強誘電体メモリ(Ferroelectric RAM),磁気抵抗メモリ(Magneto-resistive RAM)などが挙げられる。制御装置100での制御内容は、例えばアプリケーションプログラムとしてROMや不揮発メモリ内に記録される。また、プログラムの実行時には、プログラムの内容がRAMや不揮発メモリ内のメモリ空間内に展開され、マイクロプロセッサによって実行される。
この制御装置100は、入力側に接続された各種センサ類からの情報に基づいて各制御を実施する。
[1−4−1.センサ類]
まず、制御装置100の入力側に接続された各種センサ類について具体的に説明する。
制御装置100の入力側には、三つの温度センサ90,91,92,湿度センサ93,スロットルポジションセンサ94およびブーストセンサ95が接続されている。各センサ90,91,92,93,94,95によって検出されたそれぞれの情報は制御装置に伝達される。
温度センサ90,91,92のそれぞれは、吸気の温度を検出するものである。これらの温度センサ90,91,92は、吸気系においてそれぞれ異なる箇所に設けられている。以下の説明では、温度センサ90,91,92のそれぞれについて、上流から配置される順に、第一温度センサ90,第二温度センサ91,第三温度センサ92という。
第一温度センサ90は、エアクリーナ11の直下流であって吸気通路10とEGR通路50との接続箇所よりも上流側に配置される。すなわち、第一温度センサ90は、吸気系に流入した直後の吸気の温度を検出する。そのため、第一温度センサ90は外気温に対応する温度を検出するものといえる。
第二温度センサ91は、インタークーラ12とスロットルボディ20との間に配置される。すなわち、第二温度センサ91は、インタークーラ12によって冷却されてスロットルボディ20のボア部20aに流入する吸気の温度を検出する。
第三温度センサ92は、サージタンク13に配置される。すなわち、第三温度センサ92は、スロットルバルブ22を通過してエンジン1に流入する直前の吸気の温度を検出する。
湿度センサ93は、吸気の湿度を検出するものである。この湿度センサ93は、インタークーラ12の直上流に配置される。すなわち、湿度センサ93は、インタークーラ12に流入する吸気の湿度を検出する。
スロットルポジションセンサ94は、スロットルボディ20に配置され、スロットルバルブ22の開度を検出するものである。ここで検出されたスロットルバルブ22の実開度情報は、制御装置100に伝達される。このスロットルポジションセンサ94は、スロットルバルブ22が固着している場合には、例えばスロットルバルブ22の開度に対応する電流値よりも大きな電流値を出力する。このようにして、スロットルバルブ22の固着情報も制御装置100に伝達することができる。
ブーストセンサ95は、吸気の圧力を検出するものである。このブーストセンサ95は、サージタンク13に配置される。すなわち、ブーストセンサ95は、エンジン1に流入する吸気の圧力(以下、「ブースト圧」という)を検出する。
[1−4−2.制御内容]
次に、制御装置100によって実施される各種の制御について説明する。
制御装置100は、エンジン1の吸排気系やこれに適用される熱交換回路に関する広汎なシステムを制御する。ここでは、制御装置100によって実施される制御のうち、吸排気系については排気を還流させるEGR制御を説明し、熱交換回路についてはエンジン冷却回路60および空調冷却回路70による熱交換度合いに関する熱交換制御を説明する。
まず、EGR制御について説明する。EGR制御における具体的な制御対象としては、EGRバルブ52が挙げられる。このEGRバルブ52は、制御線を介して制御装置100に接続されている。
制御装置100は、EGR条件の成立を判断するとEGR制御を実施する。ここでいうEGR条件は、エンジン1の作動状態に応じて予め実験的または経験的に設定されている。
EGR制御では、排気の還流量に応じてEGRバルブ52を開放する。このEGR制御では、副次的にスロットルバルブ22の開度が調整されて、排気の還流量が調整されてもよい。この場合、制御装置100にはスロットルバルブ22が開度調整可能に接続される。さらに、制御装置100は、EGR条件の成立下において、エンジン1の作動状態に応じてEGRバルブ52あるいはスロットルバルブ22の開度を調整することで、排気の還流量を増減させることができる。
[1−4−3.熱交換制御]
次に、熱交換制御について説明する。熱交換制御における具体的な制御対象としては、第一切替弁65および第二切替弁75が挙げられる。これらの切替弁65,75は、制御線を介して制御装置100に接続されている。
上述したように、スロットルボディ20では、エンジン冷却回路60のエンジン冷却水が吸気に対して高温になりやすく、空調冷却回路70の空調冷媒が吸気に対して低温になりやすい。したがって、エンジン冷却回路60のエンジン冷却水によって吸気が加熱されやすく、空調冷却回路70の空調冷媒によって吸気が冷却されやすい。これらより、以下の説明では、吸気に対してエンジン冷却水が高温であるとともに空調冷媒が低温であるものとして説明する。すなわち、スロットルボディ20では、エンジン冷却回路60のエンジン冷却水によって吸気が加熱されるものとし、空調冷却回路70の空調冷媒によって吸気が冷却されるものとする。
制御装置100は、熱交換条件が成立すると熱交換制御を実施する。
〈熱交換条件〉
熱交換条件は、制御装置100によって成立または不成立が判断される。この熱交換条件には、凝縮水生成条件,固着条件および乾燥条件が含まれる。これらの凝縮水生成条件,固着条件および乾燥条件は、それぞれ予め実験的または経験的に設定されている。
以下、凝縮水生成条件,固着条件および乾燥条件の順に説明する。
凝縮水生成条件とは、吸気から生成された凝縮水がスロットルバルブに付着するのを防止する制御を実施するための条件である。言い換えれば、スロットルボディ20に流入する吸気から凝縮水が生成されやすい状態であるか否かを判断するための条件のことである。
以下、凝縮水生成条件について、吸気の温度,吸気に含まれる水蒸気量,吸気の圧力の三つの要因に着目して説明する。なお、吸気には水蒸気が含有されることを前提とする。
吸気は、温度が低くなるほど飽和水蒸気量が小さくなる。そのため、吸気の温度が低くなるほど、吸気に含まれる水蒸気の量(以下、「実水蒸気量」という)よりも飽和水蒸気量のほうが小さくなり、水蒸気が凝縮した水(以下、「凝縮水」という)が生成されやすくなる。
また、吸気の実水蒸気量が多いほど、飽和水蒸気量に対する実水蒸気量が多くなるため、凝縮水が生成されやすい。例えば、排気にはエンジン1における燃焼によって生成された水分(水蒸気)が含まれるため、排気が還流された吸気のほうが新気の吸気よりも実水蒸気量が多い傾向にある。
また、吸気は、圧力が高くなるほど飽和水蒸気量が小さくなる。そのため、吸気の圧力が高くなるほど、実水蒸気量よりも飽和水蒸気量のほうが小さくなり、凝縮水が生成されやすくなる。
ここでは、下記の(A1)〜(A6)の少なくとも何れかに該当する場合に凝縮水生成条件が成立するものとしている。
(A1)EGRバルブ52が開放されていること。
(A2)第一温度センサ90により検出された温度が所定温度以下であること。
(A3)第二温度センサ91により検出された温度が所定温度以下であること。
(A4)第三温度センサ92により検出された温度が所定温度以下であること。
(A5)湿度センサ93により検出された湿度が所定湿度以上であること。
(A6)ブーストセンサ95により検出されたブースト圧が所定圧力以上であること。
上記(A1)は、吸気に含まれる水蒸気量を要因とする凝縮水生成条件の成立に該当する。この(A1)は、EGR制御を実施しているときに該当する。このため、制御装置100は、EGR制御を実施しているか否かを判断することで、(A1)に該当するか否かを判断することができる。
上記(A2),(A3)および(A4)は、吸気の温度を要因とする凝縮水生成条件の成立に該当する。これらの(A2),(A3)および(A4)における各所定温度は、吸気から凝縮水が生成されやすいか否かを判断する閾値として、予め実験的または経験的に設定される。これらの所定温度は、それぞれ異なる温度に設定されてもよいし、同温度に設定されてもよい。制御装置100は、温度センサ90,91,92の検出情報に基づいて、(A2),(A3)または(A4)に該当するか否かを判断することができる。
上記(A5)は、吸気の実水蒸気量を要因とする凝縮水生成条件の成立に該当する。この(A5)における所定湿度は、吸気から凝縮水が生成されやすいか否かを判断する閾値として、予め実験的または経験的に設定される。制御装置100は、湿度センサ93の検出情報に基づいて、(A5)に該当するか否かを判断することができる。
上記(A6)は、吸気の圧力を要因とする凝縮水生成条件の成立に該当する。例えば、(A6)はターボチャージャ40による吸気の圧縮効率が高いときに成立する。この(A6)における所定圧力は、吸気から凝縮水が生成されやすいか否かを判断する閾値として、予め実験的または経験的に設定される。制御装置100は、ブーストセンサ95の検出情報に基づいて、(A6)に該当するか否かを判断することができる。
固着条件とは、スロットルバルブ22が固着する条件のことである。制御装置100は、スロットルポジションセンサ94によりスロットルバルブ22の固着が検出されているときに、固着条件の成否を判断することができる。
乾燥条件とは、吸気が乾燥する条件のことである。ここでは、湿度センサ93により検出された湿度が(A5)の所定湿度よりも低い第二の所定湿度以下であるときに乾燥条件の成立が判断される。エンジン1に流入する吸気の湿度が低ければ(すなわち、吸気が乾燥していると)、エンジン1のノッキングを招くおそれがある。そのため、第二の所定湿度は、エンジン1のノッキングを招くおそれがあるか否かの閾値として予め実験的または経験的に設定される。制御装置100は、湿度センサ93の検出情報に基づいて、乾燥条件の成否を判断することができる。
〈熱交換制御〉
熱交換制御では、エンジン冷却回路60のエンジン冷却水による加熱度合いと空調冷却回路70の空調冷媒による冷却度合いとが制御される。例えば、エンジン冷却水による加熱度合いと空調冷媒による冷却度合いとが同程度に制御されてもよいし、エンジン冷却水による加熱度合いよりも空調冷媒による冷却度合いのほうが増大されてもよい。
制御装置100は、第一切替弁65の開度を開放側または閉鎖側に制御することでエンジン冷却水による加熱度合いを増減させることができ、第二切替弁75の開度を開放側または閉鎖側に制御することで空調冷媒による冷却度合いを増減させることができる。
エンジン冷却水ポンプ61が電動であれば、エンジン冷却水ポンプ61の回転速度を上昇または低下(すなわちエンジン冷却水の圧送量の増大または減少)させることで、エンジン冷却水による加熱度合いが制御されてもよい。この場合、制御装置100は、回転速度を制御可能にエンジン冷却水ポンプ61と接続される。同様に、コンプレッサ71が電動であれば、コンプレッサ71の回転速度を上昇または低下(すなわち空調冷媒の圧送量の増大または低下)させることで、空調冷媒による冷却度合いが制御されてもよい。この場合、制御装置100は、回転速度を制御可能にコンプレッサ71と接続される。
以下、熱交換制御について具体的に説明する。
熱交換制御は、凝縮水生成条件が成立した場合に第一熱交換制御が実施され、固着条件が成立した場合に第二熱交換制御が実施され、乾燥条件が成立した場合に第三熱交換制御が実施される。
第一熱交換制御では、エンジン冷却回路60のエンジン冷却水による加熱度合いを増大させ、空調冷却回路70の空調冷媒による冷却度合いを減少させる。このようにして、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を防止するための制御が実施される。
さらに、制御装置100は、凝縮水生成条件の成立下において、スロットルボディ20に流入する吸気から凝縮水が生成されやすくなるほど、エンジン冷却回路60のエンジン冷却水による加熱度合いを更に増大させ、空調冷却回路70の空調冷媒による冷却度合いを更に減少させてもよい。延いては、エンジン冷却回路60のエンジン冷却水による加熱度合いを最も増大させ、空調冷却回路70の空調冷媒による冷却を停止してもよい。
一方で、スロットルボディ20に流入する吸気の温度が高いほど空調冷却回路70の空調冷媒による冷却度合いの減少度合いを抑える、延いては、空調冷媒による冷却度合いを増大させてもよい。
第二熱交換制御では、少なくともエンジン冷却水による加熱度合いが増大される。合わせて、空調冷媒による冷却度合いが減少されることが好ましい。
第三熱交換制御では、少なくとも空調冷媒による冷却度合いが減少される。
[2.作用および効果]
本発明の一実施形態における熱交換機構は、上述したように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
本熱交換機構によれば、ボア部20aを流通する吸気が、スロットルバルブ22よりも上流側でエンジン冷却回路60を流通するエンジン冷却水によって加熱される。したがって、スロットルバルブ22よりも上流側の吸気(以下、「上流側吸気」という)は、温度が上昇することで、飽和水蒸気量が大きくなる。そのため、上流側吸気は、実水蒸気量よりも飽和水蒸気量のほうが大きくなりやすくなる。言い換えれば、上流側吸気では、飽和水蒸気量と実水蒸気量との差が確保されやすくなる。よって、上流側吸気から水が凝縮されにくくなり、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を抑えることができる。
また、エンジン冷却回路60を流通するエンジン冷却水により、スロットルバルブ22よりも上流側のボア部20aの表面温度、すなわち、上流内壁面211aの温度が上昇する。そのため、吸気中の水分が上流内壁面211aに結露するのを抑えることができる。この点からも、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を抑えることができる。
さらに、スロットルボディ20では、スロットルバルブ22が、上流側のエンジン冷却回路60により加熱されるとともに下流側の空調冷却回路70により冷却される。したがって、スロットルバルブ22ではエンジン冷却回路60および空調冷却回路70それぞれからの熱エネルギーが打ち消しあうことになる。このことから、一系統の冷却回路がスロットルボディに設けられた機構に比較して、吸気を冷却する場合に、スロットルバルブ22の温度変化が抑えられる。つまり、吸気の温度に対してスロットルバルブ22の温度が低くなるのを抑えることができる。よって、スロットルバルブ22によって吸気が冷却されることで凝縮水が生成されるのを抑えることができ、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を抑えることができる。
凝縮水は、スロットルバルブの固着を誘発し、スロットルバルブの動作を不安定にさせる一因となる。しかしながら、本熱交換機構によれば、スロットルバルブ22への凝縮水の付着が抑えられるため、スロットルバルブ22の固着を抑えることができ、スロットルバルブ22を安定して作動させることができる。
例えば、スロットルバルブは、凝縮水が付着したままエンジン1が停止され、冬期や寒冷地といった低温環境下におかれることで、凝縮水の凍結により固着するおそれがある。しかしながら、本熱交換機構によれば、スロットルバルブ22への凝縮水の付着が抑えられるため、凝縮水の凍結によってスロットルバルブ22が固着するのを抑えることができる。このようにして、スロットルバルブ22の固着を未然に防ぐことができる。
また、本熱交換機構によれば、ボア部20aを流通する吸気が、スロットルバルブ22よりも下流側で空調冷却回路70を流通する空調冷媒によって冷却される。そのため、例えばエンジン冷却回路60による加熱度合いよりも空調冷却回路70による冷却度合いを大きくすることで、ボア部20aに流入する吸気の温度よりもボア部20aから流出する吸気の温度を低くすることができる。このようにして、スロットルボディ20で吸気を冷却することができる。よって、エンジン1の充填効率を向上させることができる。したがって、エンジン1の出力を確保することができる。さらに、開度が絞られたスロットルバルブ22を膨張弁として機能させることで、下流側吸気の冷却効率を向上させることもできる。
このようにして、スロットルバルブ22を安定して作動させることができるとともにエンジン1の出力を確保することができる。
排気にはエンジン1における燃焼によって生成された水分(水蒸気)が含まれるため、排気が還流された吸気のほうが新気の吸気よりも実水蒸気量が多い傾向にある。具体的に言えば、EGR通路50によって還流された排気を含む吸気は、新気よりも多くの水分を含んでいることが多い。そのため、EGR通路50が設けられていると凝縮水が生成されやすい。
また、吸気は、圧力が高くなるほど凝縮水が生成されやすい。具体的に言えば、ターボチャージャ40によって圧縮された吸気は、凝縮水が生成されやすい。そのため、ターボチャージャ40が設けられていると凝縮水が生成されやすい。
しかしながら、本熱交換機構によれば、EGR通路50やターボチャージャ40が設けられることで凝縮水が生成されやすいとしても、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を効果的に抑えることができ、延いては、スロットルバルブ22の固着を効果的に抑えることができる。よって、スロットルバルブ22を確実に作動させることができる。
EGR通路50によって還流される排気の量が抑えられれば、凝縮水の生成は抑えられるものの、排気の還流に関する制御性が低下する。また、ターボチャージャ40のコンプレッサ42による吸気の過給が抑えられれば、凝縮水の生成は抑えられるものの、吸気の充填効率を確保することができないおそれがある。しかしながら、本熱交換機構によれば、凝縮水の生成を抑えることができるため、排気の還流に関する制御性を向上させることができ、また、吸気の充填効率を確実に向上させることができる。
スロットルバルブ22よりも下流側の吸気(以下、「下流側吸気」という)は、空調冷却回路70によって冷却されるため、凝縮水が生成されやすい。言い換えれば、下流側吸気は除湿されやすい。また、空調冷却回路70を流通する空調冷媒により、スロットルバルブ22よりも下流側のボア部20aの表面温度、すなわち、下流内壁面212aの温度が低下する。そのため、吸気中の水分が下流内壁面212aに結露して凝縮水が生成されやすくなる。これに対し、下流ボア壁部212の下部に排水口29aが穿設されているため、下流内壁面212aに結露した凝縮水を排出することができる。また、エンジン1への凝縮水の流入を抑えることができる。よって、エンジン1の燃焼を安定させることができ、エンジンストールやウォータハンマといった不具合の発生を抑えることができる。さらに、下流側吸気が除湿されることで、エンジン1の安定燃焼に寄与しうる。
エンジン冷却回路60に上流ボア部201の上流内壁面211aに沿った曲面形状のスペーサ69が挿入されていれば、上流ボア部201の温度分布を適正化することができ、温度調節機能を向上させることができる。同様に、空調冷却回路70の下流ボア部202の下流内壁面212aに沿った曲面形状のスペーサ79が挿入されていれば、下流ボア部202の温度分布を適正化することができ、温度調節機能を向上させることができる。
エンジン冷却回路60を流通するエンジン冷却水はエンジン1を冷却する。逆に言えば、エンジン冷却水はエンジン1によって昇温される。そのため、エンジン冷却水がスロットルボディ20におけるエンジン冷却回路60において放熱することで、上流ボア壁部211および上流ボア部201を流通する上流側吸気を確実に加熱することができる。
一方、空調冷却回路70を流通する空調用の空調冷媒は、エンジン冷却水よりも比較的低温であり、ここではエバポレータ74で放熱した後にスロットルボディ20を流通する。そのため、空調冷媒がスロットルボディ20における空調冷却回路70(すなわちサブ回路70b)において吸熱することで、下流ボア壁部212とこの内部の下流ボア部202を流通する下流側吸気を確実に冷却することができる。
スロットルボディ20において、上流側の熱交換回路にエンジン1を冷却するエンジン冷却回路60を兼用し、また、下流側の熱交換回路に空調用の空調冷却回路70を兼用しているため、例えばスロットルボディ20に熱交換回路を別途の設ける必要がない。したがって、製造コストを低減させることができ、熱交換機構の小型化に寄与する。
制御装置100は、エンジン冷却水による加熱度合いと空調冷媒による冷却度合いとを制御するため、上流側吸気の加熱度合いと下流側吸気の冷却度合いとを調節することができる。
具体的には、制御装置100は、第一熱交換制御において、エンジン冷却回路60のエンジン冷却水による加熱度合いを増大させ、空調冷却回路70の空調冷媒による冷却度合いを減少させるため、上流側吸気が温度上昇しやすく、下流側吸気が温度低下しにくくなる。よって、凝縮水が生成されやすい凝縮水生成条件の成立下で、凝縮水の生成を抑えることができる。延いては、スロットルバルブ22の固着を効果的に抑えることができ、スロットルバルブ22を更に安定して作動させることができる。
また、制御装置100は、第二熱交換制御においてエンジン冷却水による加熱度合いを増大させるため、スロットルバルブ22を昇温させることができる。この場合、空調冷媒に冷却度合いが減少されていれば、スロットルバルブ22を効率よく昇温させることができる。これにより、固着条件の成立下で、例えば凍結によって固着したスロットルバルブ22を解凍することができる。このようにして、スロットルバルブ22を作動させることができる。
また、制御装置100は、第三熱交換制御において空調冷媒による冷却度合いを減少させるため、乾燥条件の成立下で吸気の湿度低下を抑えることができ、延いては、エンジン1におけるノッキングの発生を抑えることができる。
なお、制御装置100によって、エンジン冷却水による加熱度合いと空調冷媒による冷却度合いとが同程度にされれば、スロットルバルブ22の温度は略変化しない。また、エンジン冷却水によって昇温された上流側吸気がスロットルバルブ22に向かう。そのため、ボア部20aに流入する吸気とボア部20aから流出する吸気との温度差を抑えたうえで、上流側吸気の温度を昇温させることができる。よって、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を抑えることができる。延いては、スロットルバルブ22の固着を未然に防ぐことができ、昇温された上流側吸気によってスロットルバルブ22を昇温させることができる。
また、制御装置100によってエンジン冷却水による加熱度合いよりも空調冷媒による冷却度合いのほうが増大させられれば、スロットルボディ20のボア部20aにおいて吸気を冷却することができる。この場合、一系統の冷却回路がスロットルボディに設けられたスロットルバルブの温度に比較して、スロットルバルブ22の温度変化が抑えられ、また、上流側吸気が昇温される。よって、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を抑えつつ、吸気を冷却することができる。
〔II.変形例〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した一実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせてもよい。
以下、本発明の変形例を説明する。変形例で説明する点を除いては上述した一実施形態と同様の構成になっており、これらについては、同様の符号を付し、各部の説明を省略する。
[1.配設箇所の異なるスロットルボディ]
[1−1.インマニにスロットルボディを配設した例]
上述の一実施形態では、スロットルボディ20が吸気通路10においてインタークーラ12とサージタンク13との間に配置されたものを説明したが、このような配置に替えて、図5に示すように、スロットルボディ20′がインマニ14に介装されていてもよい。
スロットルボディ20′は、インマニ14の分岐管14a,14b,14c,14dそれぞれに対応したスロットルバルブ22′a,22′b,22′c,22′dを内蔵している。このスロットルボディ20′は、吸気通路10をなす分岐管14a,14b,14c,14dそれぞれに対応してボア部20′a,20′b,20′c,20′dが配置された多連型である。ここでは、スロットルボディ20′が所謂四連スロットル型に構成されている。
これらのスロットルバルブ22′a,22′b,22′c,22′dは、共通のスロットルシャフト221を介して90°回転自在に支持されている。
このように構成されたスロットルボディ20′において、エンジン冷却回路60′の第四分岐路60′dと空調冷却回路70′のサブ回路70′bとのそれぞれが、ボア部20′a,20′b,20′c,20′dそれぞれの外周を覆うようにボア部20′a,20′b,20′c,20′dの並ぶ方向に沿って連設されている。言い換えれば、ボア部20′a,20′b,20′c,20′dの並ぶ方向に沿って、エンジン冷却回路60′の第四分岐路60′dと空調冷却回路70′のサブ回路70′bとのそれぞれが延びて設けられている。
なお、本変形例では、インマニ14が四つの分岐管14a,14b,14c,14dを有するものを例示したが、少なくとも二本以上の分岐管が設けられていればよい。この場合、分岐管の本数に応じた個数のスロットルバルブが設けられる。
このように構成された熱交換機構によれば、ボア部20′a,20′b,20′c,20′dのそれぞれに、例えば分岐したエンジン冷却回路や分岐した空調冷却回路を設けることを要せず、配管構造を簡素化することができる。
スロットルボディ20′がエンジン1に連結されたインマニ14に介装されるため、エンジン1に流入する直前の吸気に対して、凝縮水の生成を抑えつつ冷却することができる。また、エンジン冷却回路60′の配管を短くすることもできる。これにより、構造の簡素化に寄与し、重量増加の抑制に寄与しうる。
もちろん、エンジン1のレスポンスの向上やエンジン1の周辺構造の小型化といった一般的な四連スロットルによって得られる効果を奏することもできる。
その他、上述した一実施形態の熱交換機構による効果を得ることもできる。
[1−2.インタークーラよりも上流側にスロットルボディを配設した例]
また、吸気通路10においてコンプレッサ42とインタークーラ12との間にスロットルボディが設けられていてもよい。この場合、制御装置100は、湿度センサ93により検出された湿度が高いほど、下流側吸気を冷却することで吸気の除湿を促すことが好ましい。
このような構成によれば、コンプレッサ42で圧縮された吸気がスロットルボディのボア部を流通する。この吸気は圧縮されているため凝縮水が生成されやすいものの、本熱交換機構によれば、スロットルバルブへの凝縮水の付着を効果的に抑えることができ、延いては、固着が効果的に抑えられてスロットルバルブを確実に作動させることができる。
また、インタークーラ12で冷却される前の吸気がスロットルバルブのボア部を流通する。そのため、スロットルバルブにおける下流側吸気から凝縮水を排水口から排水したうえで、吸気をインタークーラ12に供給することができる。したがって、インタークーラ12の内部における凝縮水の付着を抑えることができる。よって、スロットルバルブから流出した凝縮水の付着によるインタークーラ12の腐食を防ぎ、冷却効率の低下を抑えることができる。湿度センサ93により検出された湿度が高いほど下流側吸気が冷却されれば、インタークーラ12の腐食と冷却効率の低下とを効率よく抑えることができる。
[2.吸排気系の構成が置換または省略された例]
上述の一実施形態では、EGR通路50およびインタークーラ12が設けられたものを説明したが、EGR通路50またはインタークーラ12は設けられていなくてもよい。また、ターボチャージャ40に替えてまたは加えて、エンジン1により駆動されるスーパーチャージャ(過給機)が設けられていてもよい。
[3.その他の例]
上述の一実施形態では、排水口29aがスロットルボディ20,20′に穿設されたものを示したが、スロットルボディ20,20′よりも下流側であってエンジン1よりも上流側の吸気通路10に排水口が穿設され、この排水口に排水管が接続されていてもよい。この場合、下流側吸気から生成された凝縮水を確実に排水することができる。一方、排水口を省略してもよい。この場合、製造コストを低減させることができる。
また、エンジン冷却回路60,60′のエンジン冷却水および空調冷却回路70,70′の空調冷媒がスロットルボディ20,20′のボア壁部21に設けられた空間を流通する構造を示したが、このような構造に限定されるものではない。例えば、ボア壁部を空間が設けられない中実の構造とし、このボア壁部の外周にエンジン冷却回路や空調冷却回路が巻回される構造を採用してもよい。
本熱交換機構が適用されるエンジン1は、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジンであってもよい。エンジン1がディーゼルエンジンの場合には、排気処理装置32として、三元触媒コンバータに替えて、酸化触媒(所謂DOC)やフィルタ(所謂DPF)などが用いられる。
また、下流側吸気を、空調冷却回路70,70′で冷却するものを示したが、IC冷却回路80で冷却してもよい。すなわち、下流ボア部202の外周にIC冷却回路80が設けられていてもよい。このIC冷却回路80を流通するIC冷媒は、空調冷媒と同様に、エンジン冷却水よりも比較的低温であり、吸気よりも低温となりやすい。このため、上述したように、下流側吸気を冷却することができる。
さらに、IC冷却回路80と空調冷却回路70,70′とが連通されていてもよい。つまり、IC冷却回路80と空調冷却回路70,70′とで共通の冷媒を用いてもよい。
1 エンジン(内燃機関)
1a シリンダ
10 吸気通路
11 エアクリーナ
12 インタークーラ(冷却装置)
13 サージタンク
14 インテークマニホールド
14a,14b,14c,14d 分岐管
20 スロットルボディ
20a,20′a,20′b,20′c,20′d ボア部
201 上流ボア部
202 下流ボア部
21 ボア壁部
211 上流ボア壁部
212 下流ボア壁部
21a ボア内壁面(内壁面)
211a 上流内壁面
212a 下流内壁面
22,22′a,22′b,22′c,22′d スロットルバルブ
22a,221 スロットルシャフト
29 排水管
29a 排水口
30 排気通路
40 ターボチャージャ(過給機)
50 EGR通路
60 エンジン冷却回路(内燃機関冷却回路,第一回路)
60a,60b,60c,60d 分岐路
60e,60f 合流路
61 エンジン冷却水ポンプ
62 ラジエータ
63 サーモスタット
65 第一切替弁
69 スペーサ
70 空調冷却回路(第二回路)
70a メイン回路
70b サブ回路
71 コンプレッサ
72 コンデンサ
73 膨張弁
74 エバポレータ
74a ブロア
75 第二切替弁
79 スペーサ
80 IC冷却回路
81 IC冷媒ポンプ
82 放熱器
90,91,92 温度センサ
93 湿度センサ
94 スロットルポジションセンサ
95 ブーストセンサ
100 制御装置
1,A2,E1,E2,E3, 分岐箇所,合流箇所

Claims (10)

  1. 内燃機関の吸気通路に介装され、吸気の流通量を調整するスロットルバルブを有するスロットルボディと、
    前記スロットルボディ内の前記吸気通路となるボア部の外周で前記スロットルバルブよりも吸気流通方向上流側に配置されて吸気よりも高温の第一熱媒体が流通する第一回路と、
    前記ボア部の外周で前記スロットルバルブよりも吸気流通方向下流側に配置されて吸気よりも低温の第二熱媒体が流通する第二回路と、を備え
    前記吸気通路が複数の列をなして並んで設けられ、
    前記スロットルボディは、前記吸気通路のそれぞれに対応して前記ボア部が配置された多連型であって、
    前記第一回路および前記第二回路のそれぞれが、前記ボア部のそれぞれの外周を覆うように前記ボア部の並ぶ方向に沿って連設された
    ことを特徴とする、熱交換機構
  2. 前記内燃機関から流出する排気が流通する排気通路と前記吸気通路とを連通して前記排気通路内の排気を前記吸気通路に還流させるEGR通路を備えた
    ことを特徴とする、請求項1に記載の熱交換機構。
  3. 前記吸気通路において前記スロットルバルブよりも吸気流通方向下流側に設けられ、結露した凝縮水を排出する排水口を備えた
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の熱交換機構。
  4. 前記ボア部の内壁面に沿った曲面形状に形成され、前記第一回路および前記第二回路内のそれぞれに挿入されたスペーサを備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の熱交換機構。
  5. 前記第一回路は、前記内燃機関を冷却する前記第一熱媒体が循環して流通する内燃機関冷却回路である
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の熱交換機構。
  6. 前記吸気通路において前記スロットルボディよりも吸気流通方向流側に介装され、吸気を冷却する冷却装置を備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の熱交換機構。
  7. 前記第二回路は、空調用の前記第二熱媒体が循環して流通する空調冷却回路である
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の熱交換機構。
  8. 前記吸気通路において前記スロットルボディよりも吸気流通方向上流側に介装され、吸気を過給する過給機を備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の熱交換機構。
  9. 前記第一回路の前記第一熱媒体による加熱度合いと前記第二回路の前記第二熱媒体による冷却度合いとを制御する制御装置を備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の熱交換機構。
  10. 内燃機関の吸気通路に介装され、吸気の流通量を調整するスロットルバルブを有するスロットルボディと、
    前記スロットルボディ内の前記吸気通路となるボア部の外周で前記スロットルバルブよりも吸気流通方向上流側に配置されて吸気よりも高温の第一熱媒体が流通する第一回路と、
    前記ボア部の外周で前記スロットルバルブよりも吸気流通方向下流側に配置されて吸気よりも低温の第二熱媒体が流通する第二回路と、
    前記ボア部の内壁面に沿った曲面形状に形成され、前記第一回路および前記第二回路内のそれぞれに挿入されたスペーサと、を備えた
    ことを特徴とする、熱交換機構。
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