JP6421597B2 - 吸気温度制御装置 - Google Patents

吸気温度制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6421597B2
JP6421597B2 JP2014265251A JP2014265251A JP6421597B2 JP 6421597 B2 JP6421597 B2 JP 6421597B2 JP 2014265251 A JP2014265251 A JP 2014265251A JP 2014265251 A JP2014265251 A JP 2014265251A JP 6421597 B2 JP6421597 B2 JP 6421597B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake air
internal combustion
temperature
refrigerant
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014265251A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016125387A (ja
Inventor
征二 松田
征二 松田
弘己 大島
弘己 大島
幸司 秦
幸司 秦
山本 剛司
剛司 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2014265251A priority Critical patent/JP6421597B2/ja
Publication of JP2016125387A publication Critical patent/JP2016125387A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6421597B2 publication Critical patent/JP6421597B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Description

本発明は、エンジン(内燃機関)の吸気温度を制御する吸気温度制御装置に関する。
エンジンに流入する吸気は、温度が低下するほど単位質量あたりの体積が小さくなる。そのため、吸気を冷却することで、エンジンの充填効率を向上させることでき、エンジンの出力を高めることができる。一方、冬期や寒冷地といった低温環境下でエンジンを暖機運転する場合には、吸気温度を上昇させることで、機械的摩擦損失の低下や燃焼の安定化を促すことができる。
そこで、スロットルボディにおいて熱媒体により吸気温度を上昇または低下させる技術が提案されている。このような吸気温度の上昇および低下を実現するために、エンジン冷却水やインタークーラ冷却水(過給機用の冷却水)を熱媒体に用いる制御が考えられる。例えば、スロットルボディにインタークーラ冷却水の循環路を内蔵させ、この循環路にエンジン冷却水の流路を接続し、この流路上に介装されたバルブをインタークーラ冷却水の温度に応じて開閉制御する(特許文献1参照)。バルブが開放されると、エンジン冷却水がインタークーラ冷却水に混ざることで、循環路を流通する冷却水が昇温する。このようなバルブ制御により、循環路を流通する冷却水に加熱用熱媒体としての機能と冷却用熱媒体としての機能とを持たせることができる。
特開2012−219687号公報
しかしながら、上記のようなバルブ制御では、循環路で暖められた冷却水の温度が吸気温度よりも低ければ、吸気温度を上昇させることができない。仮に、循環路で暖められた冷却水が吸気温度よりも高温であったとしても、エンジン冷却水をインタークーラ冷却水に混ぜることで冷却水が暖められることから、冷却水の温度上昇が緩慢であり、吸気温度の制御性を確保することができないおそれがある。
本発明は、上記のような課題に鑑み創案されたもので、その目的の一つは、吸気温度の制御性を向上させることができるようにした、吸気温度制御装置を提供することである。
なお、ここでいう目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
(1)本発明の吸気温度制御装置は、内燃機関の吸気通路に介装され、吸気の流通量を調整するスロットルバルブを有するスロットルボディと、前記スロットルボディ内の前記吸気通路となるボア部の外周に配置され、前記内燃機関を冷却する内燃機関冷媒が流通する内燃機関冷却回路と、を備えた熱交換機構において、前記内燃機関冷媒の熱交換度合いを制御する吸気温度制御装置であって、吸気の温度と前記内燃機関冷媒の温度とに基づき、吸気に対する前記内燃機関冷媒の作用が加熱側および冷却側のどちらであるかを判断する作用判断部と、前記作用判断部で判断された前記内燃機関冷媒の作用に基づき、前記スロットルボディにおける前記内燃機関冷媒の熱交換度合いを制御する制御部と、吸気の温度を検出する吸気温センサと、前記内燃機関冷媒の温度を検出する冷媒温センサと、を備え、前記作用判断部は、前記吸気温センサで検出された吸気の温度よりも前記冷媒温センサで検出された前記内燃機関冷媒の温度が高い場合に、吸気に対する前記内燃機関冷媒の作用が加熱側であると判断し、前記吸気温センサで検出された吸気の温度よりも前記冷媒温センサで検出された前記内燃機関冷媒の温度が低い場合に、吸気に対する前記内燃機関冷媒の作用が冷却側であると判断することを特徴としている。
)前記制御部は、吸気の温度と前記内燃機関冷媒の温度との差に応じて、前記スロットルボディにおける前記内燃機関冷媒の熱交換度合いを制御することが好ましい。
)前記スロットルボディで吸気を加熱するための加熱条件が成立したか否かを判断する加熱条件判断部を備え、前記制御部は、前記作用判断部で前記内燃機関冷媒の作用が加熱側であると判断された場合、前記加熱条件判断部で前記加熱条件の成立が判断されたときに、前記スロットルボディにおける前記内燃機関冷媒の熱交換度合いを増大させることが好ましい。
)前記スロットルボディで吸気を冷却するための冷却条件が成立したか否かを判断する冷却条件判断部を備え、前記制御部は、前記作用判断部で前記内燃機関冷媒の作用が冷却側であると判断された場合、前記冷却条件判断部で前記冷却条件の成立が判断されたときに、前記スロットルボディにおける前記内燃機関冷媒の熱交換度合いを増大させることが好ましい。
)前記ボア部の外周に配置され、前記内燃機関冷媒よりも温度の低い第二冷媒が流通する第二回路を備え、前記制御部が、前記作用判断部で判断された前記内燃機関冷媒の作用に基づき、前記第二回路を流通する前記第二冷媒の熱交換度合いを制御することが好ましい。例えば、前記第二回路が空調冷却回路であり、前記第二冷媒が空調冷媒であることが好ましい。
)前記内燃機関冷却回路は、前記スロットルバルブよりも吸気流通方向上流側に配置され、前記第二回路は、前記スロットルバルブよりも吸気流通方向下流側に配置されることが好ましい。
)吸気から生成された凝縮水が前記スロットルバルブに付着するのを防止する制御を実施するための凝縮水生成条件が成立したか否かを判断する凝縮水生成条件判断部を備え、前記制御部は、前記作用判断部で前記内燃機関冷媒の作用が加熱側であると判断された場合、前記凝縮水生成条件判断部で前記凝縮水生成条件の成立が判断されたときに、前記内燃機関冷却回路を流通する前記内燃機関冷媒の熱交換度合いを増大させることが好ましい。
)前記制御部は、前記凝縮水生成条件判断部で前記凝縮水生成条件の成立が判断された場合、前記第二回路を流通する第二冷媒の熱交換度合いを増大させることが好ましい。
)前記吸気通路において前記スロットルバルブよりも吸気流通方向下流側に設けられ、結露した凝縮水を排出する排水口を備えることが好ましい。
10)前記吸気通路において前記スロットルボディよりも吸気流通方向上流側に介装され、吸気を過給する過給機を備えることが好ましい。
11)前記吸気通路が複数の列をなして並んで設けられ、前記スロットルボディは、前記吸気通路のそれぞれに対応して前記ボア部が配置された多連型であって、前記内燃機関冷却回路が、前記ボア部の外周を覆うように前記ボア部の並ぶ方向に沿って連設されることが好ましい。
本発明の吸気温度制御装置によれば、吸気の温度と内燃機関冷媒の温度とに基づいて吸気に対する内燃機関冷媒の作用が加熱側および冷却側のどちらであるかが判断されたうえで、スロットルボディにおける内燃機関冷媒の熱交換度合いが制御されるため、吸気温度の制御性を向上させることができる。
本発明の一実施形態における吸気温度制御装置とこれが適用されるエンジン(内燃機関)の吸排気系および熱交換回路を模式的に示す全体図である。 本発明の一実施形態における熱交換機構のスロットルボディを示す斜視図である。 本発明の一実施形態における熱交換機構のスロットルボディにおける吸気の流通方向に沿う断面を示す模式図である。この図3は、図2のA−A矢視断面に対応している。 本発明の一実施形態における熱交換機構のスロットルボディにおける吸気の流通方向に直交する断面を示す模式図である。この図4は、図2のB−B矢視断面および図3のC−C矢視断面に対応している。 本発明の一実施形態における吸気温度制御装置による制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における熱交換機構の変形例の要部を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。
本吸気温度制御装置は熱交換機構を制御対象とする。この熱交換機構には、内燃機関の吸気系に設けられたスロットルボディに二系統の熱交換回路が設けられている。ここでは、内燃機関として、車両に搭載されたエンジンを例に挙げて説明する。
なお、本実施形態では、吸気および排気の流通方向を基準に上流(吸気流通方向上流)および下流(吸気流通方向下流)を定め、同様に、熱交換回路を流通する熱媒体の流通方向を基準に上流および下流を定める。また、重力の作用方向を下方とする。
〔I.一実施形態〕
[1.構成]
以下、本実施形態の熱交換機構の基本的な構成について、エンジンの吸排気系,熱交換回路の順に説明する。
[1−1.吸排気系]
はじめに、図1を参照して、エンジン1の吸気系および排気系の構成を説明する。この図1では、白抜きの矢印で吸気通路10における吸気の流通方向を示し、黒塗りの矢印で排気通路30における排気の流通方向を示し、斜線を付した矢印でEGR通路50において還流する排気の流通方向を示す。
以下、エンジン1,吸気系および排気系に跨って設けられるターボチャージャ(過給機)40およびEGR通路50,吸気系ならびに排気系の順に各構成を説明する。
[1−1−1.エンジン]
エンジン1は、シリンダ1a(破線で示し一箇所のみに符号を付す)内で燃料を燃焼させた熱エネルギーにより出力を得る内燃機関である。ここでは、複数のシリンダ1aが設けられた多気筒型であって図示省略する点火プラグが装備されたガソリンエンジンをエンジン1の例に挙げて説明する。
エンジン1には、吸気ポート2および排気ポート3(それぞれ破線で示し一箇所のみに符号を付す)が、燃焼室となるシリンダ1aのそれぞれに連通して設けられている。吸気ポート2のそれぞれは、上流側から下流側に向けて複数に分岐しており、同様に、排気ポート3のそれぞれは、下流側から上流側に向けて複数に分岐している。ここでは、各ポート2,3が二つに分岐したものを例示している。
吸気ポート2には、シリンダ1aに流入する吸気が流通し、排気ポート3には、シリンダ1aから流出した排気が流通する。
なお、四つのシリンダ1aを例示するが、シリンダ1aは、三つ以下であってもよいし五つ以上であってもよい。
吸気ポート2よりも上流側にはエンジン1に流入する吸気が流通する通路(以下、「吸気通路」という)10が形成され、排気ポート3よりも下流側にはエンジン1から流出した排気が流通する通路(以下、「排気通路」という)30が形成されている。
これらの吸排気系10,30に跨って、ターボチャージャ40およびEGR通路50が設けられている。
[1−1−2.ターボチャージャおよびEGR通路]
ターボチャージャ40は、吸気を過給する機構である。このターボチャージャ40は、同軸に設けられたタービン41およびコンプレッサ42を有する。これらのタービン41およびコンプレッサ42は一体に回転するように結合されている。タービン41は排気通路30に介装され、コンプレッサ42は吸気通路10に介装されている。
ターボチャージャ40では、排気によってタービン41が回転してコンプレッサ42が回転し、吸気が圧縮される。そして、圧縮された吸気がエンジン1に供給される。すなわち、吸気が過給される。
EGR(Exhaust Gas Recirculation)通路50は、排気を排気通路30から吸気通路10へと還流させるものである。具体的には、EGR通路50によって、排気側の端部である一端部50aと吸気側の端部である他端部50bとが連通され、タービン41よりも下流側の排気通路30内を流通する排気はコンプレッサ42よりも上流側の吸気通路10に導入される。このようにして、窒素酸化物(以下、「NOx」という)の生成量の低減が図られる。
このEGR通路50には、EGRクーラ51およびEGRバルブ52が介装されている。このEGRクーラ51は、EGRバルブ52よりも一端部50a側に設けられている。
EGRクーラ51は、還流する排気を冷却する装置である。EGRクーラ51を流通する排気は、外気と熱交換することで冷却される。
EGRバルブ52は、排気の還流量を調整するものである。ここでは、開度調整可能なEGRバルブ52が採用されている。
[1−1−3.吸気系]
吸気系では、新気の吸気が流通する順に、エアクリーナ11,上述したコンプレッサ42,インタークーラ(冷却装置)12,スロットルボディ20,サージタンク13,インテークマニホールド(以下、「インマニ」と略称する)14が吸気通路10に介装されている。
エアクリーナ11は、吸入される新気中の異物を取り除く濾過装置である。
インタークーラ12は、吸気を冷却するものである。このインタークーラ12では、吸気と外気との熱交換により、ターボチャージャ40で圧縮されて上昇した吸気の温度が低下され、吸気の空気密度の低下が回復する。
スロットルボディ20は、吸気通路10となるボア部20a(破線で示す)と、このボア部20aにおいて吸気の流通量を調整するスロットルバルブ22(破線で示す)とを有する。このスロットルバルブ22によって、ボア部20aにおける吸気の流通量が調整され、エンジン1に流入する吸気の量が制御される。なお、スロットルボディ20については、構成の詳細を後述する。
サージタンク13は、吸気の圧力脈動を抑えるものである。このサージタンク13は、次に説明するインマニ14の上流側に連結された空間を有する。この空間において、例えば圧力波の共鳴が吸収され、シリンダ1aどうしの吸気圧の干渉が抑えられる。
インマニ14は、エンジン1の各シリンダ1aに向かってサージタンク13から分岐するように形成された多岐管である。ここでは、エンジン1に四つのシリンダ1aが設けられているため、インマニ14は四つの分岐管14a,14b,14c,14dを有する。
これらの分岐管14a,14b,14c,14dは、複数の列をなして並んで設けられている。また、分岐管14a,14b,14c,14dそれぞれの内部には、吸気通路10が形成されている。すなわち、インマニ14では、吸気通路10が複数の列をなして並んで設けられている。
[1−1−4.排気系]
排気系では、排気が流通する順に、エキゾーストマニホールド(以下、「エキマニ」と略称する)31,上述したタービン41,排気処理装置32が排気通路30に介装されている。
エキマニ31は、エンジン1の各シリンダ1aから合流するように形成された多岐管である。ここではエンジン1に四つのシリンダ1aが設けられているため、エキマニ31は、インマニ14と同様に、四つの分岐管が複数の列をなしており、各分岐管の内部に排気通路30が形成されている。
排気処理装置32は、排気に含まれる有害成分を浄化処理するものである。ここでは、排気処理装置32として三元触媒コンバータを用いている。
三元触媒コンバータとは、排気に含まれる炭化水素(以下、「HC」という),一酸化炭素(以下、「CO」という),およびNOxの三成分を酸化または還元させて浄化処理する変換装置である。この三元触媒コンバータでは、HCが水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に、COが二酸化炭素に、NOxが窒素(N2)に、酸化または還元される。三元触媒コンバータとしては、セラミックスやコーディエライトなどで生成された触媒担体にプラチナ,パラジウム,ロジウムなどの貴金属の微粒子を担持させたものが挙げられる。
[1−2.熱交換回路]
次に、熱交換回路の基本的な構成について説明する。
熱交換回路では、循環して流通する熱媒体と熱交換対象とが熱エネルギーを授受(すなわち熱交換)する。このようにして、熱交換対象が加熱または冷却される。
ここでは、三系統の熱交換回路を説明する。具体的には、エンジン1を冷却するエンジン冷却水(内燃機関冷媒)が流通するエンジン冷却回路(内燃機関冷却回路)60と、空調用の空調冷媒(第二冷媒)が流通する空調冷却回路(第二回路)70と、インタークーラ12を冷却するインタークーラ冷媒(以下、「IC冷媒」という)が流通するインタークーラ冷却回路(以下、「IC冷却回路」という)80とを説明する。これらの冷却回路60,70,80は互いに独立しており、エンジン冷却水,空調冷媒,IC冷媒は互いに混ざることがない。
エンジン冷却回路60を流通するエンジン冷却水は、エンジン1によって昇温される。そのため、空調冷却回路70を流通する空調冷媒やIC冷却回路80を流通するIC冷媒よりも比較的高温になるものといえる。
[1−2−1.エンジン冷却回路]
エンジン冷却回路60には、冷却対象のエンジン1と放熱器のラジエータ62との間を環状に接続する流路と、ラジエータ62と並列に接続される流路とが設けられる。前者は、おもに作動中のエンジン1を冷却する機能を持つのに対し、後者はラジエータ62を迂回してエンジン冷却水の過冷却を防止する機能を持つ。また、本実施形態ではこれらの流路に加えて、スロットルボディ20を冷却するための流路が設けられ、ラジエータ62に対して並列に接続される。
エンジン1の本体(シリンダブロック,シリンダヘッド)内には、ウォータージャケットが形成され、その流入口1bと流出口1cとにエンジン冷却回路60が接続される。また、エンジン1の流入口1bには、エンジン冷却水を圧送するエンジン冷却水ポンプ61が付設される。エンジン冷却水が圧送されることで、エンジン冷却水がエンジン冷却回路60を流通し、エンジン1において流入口1bから流入して流出口1cから流出する。ウォータージャケットの内部をエンジン冷却水が流通することで、エンジン冷却水とエンジン1とが熱交換し、エンジン冷却水はもっぱら昇温する。このようにして、エンジン冷却水はエンジン冷却回路60を循環して流通する。
エンジン1の流出口1cよりも下流側の分岐箇所E1では、第一分岐路60aと第二分岐路60bとの二つに分岐している。第二分岐路60bでは、分岐箇所E1よりも下流側の分岐箇所E2において第三分岐路60cと第四分岐路60dとに分岐している。
第三分岐路60cには、ラジエータ62が介装されている。ラジエータ62は、エンジン冷却水の熱を放出させる放熱器である。このラジエータ62の内部を流通するエンジン冷却水は、外気と熱交換することで冷却される。
また、第四分岐路60dには、エンジン冷却水が流通する方向の順に、第一切替弁65およびスロットルボディ20が介装されている。第一切替弁65は、エンジン冷却水の流通とその停止とを切り替える弁である。ここでは、第一切替弁65が開度調整可能に構成されており、エンジン冷却水の流通量を連続的あるいは段階的に調整することができる。
第一分岐路60aと第三分岐路60cとは各下流端で合流し、その下流端にサーモスタット63が設けられている。このサーモスタット63よりも下流側に第一合流路60eが設けられる。
サーモスタット63は、エンジン冷却水の温度に応じてエンジン冷却水の流通量を調整する温度感応型の弁である。具体的に言えば、サーモスタット63は、エンジン冷却水の温度が所定温度よりも高くなれば第三分岐路60cの流路を開放し、逆に、エンジン冷却水の温度が所定温度よりも低くなるに連れて第三分岐路60cの流路の開度を小さくし、更にエンジン冷却水の温度が低くなると第三分岐路60cの流路を閉鎖する弁である。ここでいう所定温度は、例えば75℃や80℃である。
なお、サーモスタット63は、第一分岐路60aおよび第一合流路60eの各流路の開度については調整しない。これらの第一分岐路60aおよび第一合流路60eの各流路は開放されている。
第一合流路60eの下流端である合流箇所E3には、第四分岐路60dが合流している。この合流箇所E3よりも下流側の第二合流路60fは、その下流端にエンジン1の流入口1bが接続されており、上記したエンジン冷却水ポンプ61が介装されている。
[1−2−2.空調冷却回路]
空調冷却回路70は、空調用のメイン回路70aと、このメイン回路70aの一部を迂回するサブ回路70bとを有する。
メイン回路70aには、空調冷媒が流通する順に、コンプレッサ71,コンデンサ72,膨張弁73,エバポレータ74が介装されている。
コンプレッサ71は、空調冷媒を圧縮する圧縮機である。このコンプレッサ71により空調冷媒が圧送される。このコンプレッサ71は、空調装置の作動および非作動に応じて駆動される。
コンデンサ72は、コンプレッサ71で圧縮された空調冷媒を凝縮し液化する凝縮機である。コンデンサ72には、空調冷媒が凝縮するときには凝縮熱が発生するため、送風して凝縮熱の発散を促すファンが設けられていてもよい。
膨張弁73は、コンデンサ72により液化された空調冷媒を膨張させて低圧の霧状に変化させる弁である。この膨張弁73とコンデンサ72との間には、空調冷媒を一時的に貯留するレシーバが設けられていてもよい。レシーバが設けられていれば、膨張弁73に流入する空調冷媒の量や圧力の変動が緩和される。
エバポレータ74は、膨張弁によって霧化された空調冷媒を気化させる蒸発器である。空調冷媒が気化するときの潜熱によってエバポレータ74は冷却される。このエバポレータ74には、ブロア74aが付設されている。ブロア74aは、冷却されたエバポレータ74に送風することで、冷却された空気を車室に送る。
エバポレータ74よりも下流側の分岐箇所A1では、メイン回路70aからサブ回路70bが分岐している。この分岐箇所A1よりも下流側の合流箇所A2において、サブ回路70bがメイン回路70aに合流している。
サブ回路70bには、空調冷媒が流通する方向の順に、第二切替弁75およびスロットルボディ20が介装されている。第二切替弁75は、空調冷媒の流通とその停止とを切り替える弁である。ここでは、第二切替弁75が開度調整可能に構成されており、空調冷媒の流通量を連続的あるいは段階的に調整することができる。
[1−2−3.IC冷却回路]
IC冷却回路80には、IC冷媒が流通する順に、IC冷媒を圧送するIC冷媒ポンプ81とIC冷媒を冷却する放熱器82とインタークーラ12とが介装されている。
IC冷媒は、インタークーラ12において吸気通路10とは異なる内部通路を流通する。このIC冷媒がインタークーラ12において熱交換することでインタークーラ12が冷却される。
なお、IC冷媒ポンプ81は、エンジン1によって機械的に駆動されてもよいし、電気的に駆動されてもよい。同様に、上述したエンジン冷却水ポンプ61およびコンプレッサ71も、機械的に駆動されてもよいし、電気的に駆動されてもよい。
[1−3.スロットルボディ]
次に、図2〜図4を参照して、スロットルボディ20の構成を詳細に説明する。
ここでは、スロットルバルブ22として、アクセルペダルの操作量が電気的に伝達されることで作動するドライブバイワイヤ方式のものを例に挙げて説明する。ただし、アクセルペダルの操作量が機械的に伝達されることで作動するスロットルバルブを用いてもよい。
[1−3−1.構造]
はじめに、スロットルボディ20の構造を説明する。
図2および図3に示すように、スロットルボディ20には、ボア部20aの吸気流通方向中間部にスロットルバルブ22が設けられている。すなわち、ボア部20aは、図3に示すように、スロットルバルブ22に対して上流側のボア部(以下、「上流ボア部」という)201と下流側のボア部(以下、「下流ボア部」という)202とを有する。
図2に示すように、スロットルボディ20は、内部のボア部20aを囲繞するボア壁部21と、スロットルバルブ22を駆動するための機構が収容される駆動機構収容部23との二つの部位に大別することができる。なお、図3および図4には、駆動機構収容部23を簡略化して模式的に示す。
図2および図4に示すように、ボア壁部21は、吸気通路10(図1参照)の一部をなすボア部20aの周りを囲む円筒状の部位である。ボア壁部21の内部では、ボア部20aが円柱状の空間をなしている。すなわち、ボア壁部21の内壁面21aはボア部20aがなす円柱空間の外表面に対応している。
図3に示すように、ボア壁部21は、上流ボア部201を囲繞する上流ボア壁部211と下流ボア部202を囲繞する下流ボア壁部212とを有する。これらの上流ボア壁部211,下流ボア壁部212は、スロットルバルブ22を挟んでその上流側と下流側とに配置される。上流ボア壁部211は、上流ボア部201のなす円柱空間の外表面に対応する上流内壁面211aを有し、同様に、下流ボア壁部212は、下流ボア部202のなす円柱空間の外表面に対応する下流内壁面212aを有する。
図2〜図4に示すように、下流ボア壁部212の下部には排水口29aが穿設されており、この排水口29aには排水管29が接続されている。
ボア壁部21には、スロットルバルブ22がそのスロットルシャフト22aを介して90°回転自在に支持されている。すなわち、スロットルバルブ22は、ボア部20aの流路断面に対応する円盤状に形成されており、スロットルシャフト22aを機軸に揺動するバタフライバルブである。なお、スロットルシャフト22aには、図示省略するリターンスプリングが設けられている。
図2に示すように、駆動機構収容部23は、スロットルバルブ22を回転駆動するためのモータ(例えばDCモータ)が収容されるモータ収容部23aと、モータ収容部23aに収容されたモータの出力軸に連結された歯車列(ギヤトレイン)やベルトなどの動力伝達機構を介して連結されるアクチュエータが収容されたメカニカル機構収容部23bとに大別することができる。
スロットルバルブ22は、図示省略するアクセルペダルが操作されると、その操作量に応じてモータ収容部23aに収容されたモータの出力軸が所定の回転角度だけ回転し、その回転力がメカニカル機構収容部23bに収容された動力伝達機構によってスロットルシャフト22aに伝達され、スロットルバルブ22が所定の回転角度だけ回転する。その結果、ボア部20aが所定の開度で開放される。よって、ボア部20aを流通する吸気の量が調整され、エンジン1(図1参照)に流入する吸気の量が制御される。
[1−3−2.冷却回路]
次に、図3および図4を参照して、スロットルボディ20に設けられたエンジン冷却回路60および空調冷却回路70について説明する。
エンジン冷却回路60を流通するエンジン冷却水は、エンジン1(図1参照)に流入した吸気の燃焼エネルギーによって昇温される。スロットルボディ20において、エンジン冷却水の温度が、吸気の温度よりも低温であれば吸気の冷却用熱媒体として機能し、吸気の温度よりも高温であれば吸気の加熱用熱媒体として機能する。
一方、エンジン冷却水に対して比較的低温の空調冷媒は、吸気に対して低温になりやすい。また、スロットルボディ20を流通する空調冷媒は、エバポレータ74で放熱した後にスロットルボディ20を流通する点からも吸気に対して低温になりやすい。そのため、以下の説明では、空調冷媒が吸気の冷却用熱媒体として機能するものとする。
スロットルボディ20では、ボア部20aの外周にエンジン冷却回路60および空調冷却回路70が設けられている。具体的には、ボア壁部211,212の各内部に、エンジン冷却水または空調冷媒が流通する空間が形成されており、この空間が冷却回路60,70の一部をなしている。
ここでは、冷却回路60,70の一部をなす空間が、吸気の流通方向に直交する断面においてランドルト環の開放側(C字の開放側)を下方に向けたような形状をなしている。特に、下流ボア壁部212においては、空調冷却回路70をなす空間が形成されていない領域に上記の排水口29aが穿設されている。
図3に示すように、スロットルバルブ22に対して、上流側にエンジン冷却回路60が配置され、下流側に空調冷却回路70が配置されている。
図3および図4に示すように、エンジン冷却回路60には、上流ボア部201を囲繞する上流ボア壁部211の上流内壁面211aに沿った曲面形状のスペーサ69(二点鎖線で示す)が挿入されていてもよい。
同様に、空調冷却回路70には、下流ボア部202を囲繞する下流ボア壁部212の下流内壁面212aに沿った曲面形状のスペーサ79(二点鎖線で示す)が挿入されていてもよい。
スペーサ69,79は、冷却回路60,70を流通するエンジン冷却水あるいは空調冷媒の流れを適正化する挿入部材である。これらのスペーサ69,79は、想定されるエンジン冷却水あるいは空調冷媒の流れによって種々の形状に設定されうる。例えば、スペーサ69,79は樹脂から成形される。
[1−4.制御装置]
次に、図1を参照して、本熱交換機構を制御する制御装置(吸気温度制御装置)100について説明する。
制御装置100は、例えばCPU(Central Processing Unit)に代表されるマイクロプロセッサ(MPU,Micro Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),不揮発メモリなどを集積した電子デバイスである。マイクロプロセッサは、制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ群)などを内蔵する処理装置(プロセッサ)である。また、ROM,RAMおよび不揮発メモリは、プログラムや作業中のデータが格納されるメモリ装置である。不揮発メモリの具体例としては、フラッシュメモリ,相変化メモリ(Phase Change Memory),抵抗変化メモリ(Resistive RAM),強誘電体メモリ(Ferroelectric RAM),磁気抵抗メモリ(Magneto-resistive RAM)などが挙げられる。制御装置100での制御内容は、例えばアプリケーションプログラムとしてROMや不揮発メモリ内に記録される。また、プログラムの実行時には、プログラムの内容がRAMや不揮発メモリ内のメモリ空間内に展開され、マイクロプロセッサによって実行される。
この制御装置100は、入力側に接続された各種センサ類からの情報に基づいて各制御を実施する。
まず、制御装置100の入力側に接続された各種センサ類について具体的に説明する。
制御装置100の入力側には、三つの吸気温センサ90,91,92、湿度センサ93、スロットルポジションセンサ94、ブーストセンサ95および冷却水温センサ(冷媒温センサ)96が接続されている。各センサ90〜96によって検出されたそれぞれの情報は制御装置に伝達される。
吸気温センサ90,91,92のそれぞれは、吸気の温度を検出するものである。これらの吸気温センサ90,91,92は、吸気系においてそれぞれ異なる箇所に設けられている。以下の説明では、吸気温センサ90,91,92のそれぞれについて、上流から配置される順に、第一吸気温センサ90,第二吸気温センサ91,第三吸気温センサ92という。
第一吸気温センサ90は、エアクリーナ11の直下流であって吸気通路10とEGR通路50との接続箇所よりも上流側に配置される。すなわち、第一吸気温センサ90は、吸気系に流入した直後の吸気の温度を検出する。そのため、第一吸気温センサ90は外気温に対応する温度を検出するものといえる。
第二吸気温センサ91は、インタークーラ12とスロットルボディ20との間に配置される。すなわち、第二吸気温センサ91は、インタークーラ12によって冷却されてスロットルボディ20のボア部20aに流入する吸気の温度を検出する。
第三吸気温センサ92は、サージタンク13に配置される。すなわち、第三吸気温センサ92は、スロットルバルブ22を通過してエンジン1に流入する直前の吸気の温度を検出する。
湿度センサ93は、吸気の湿度を検出するものである。この湿度センサ93は、インタークーラ12の直上流に配置される。すなわち、湿度センサ93は、インタークーラ12に流入する吸気の湿度を検出する。
スロットルポジションセンサ94は、スロットルボディ20に配置され、スロットルバルブ22の開度を検出するものである。ここで検出されたスロットルバルブ22の実開度情報は、制御装置100に伝達される。このスロットルポジションセンサ94は、スロットルバルブ22が固着している場合には、例えばスロットルバルブ22の開度に対応する電流値よりも大きな電流値を出力する。このようにして、スロットルバルブ22の固着情報も制御装置100に伝達することができる。
ブーストセンサ95は、吸気の圧力を検出するものである。このブーストセンサ95は、サージタンク13に配置される。すなわち、ブーストセンサ95は、エンジン1に流入する吸気の圧力(以下、「ブースト圧」という)を検出する。
冷却水温センサ96は、エンジン冷却水の温度を検出するものである。ここでは、冷却水温センサ96が第二分岐路60bに設けられるものを例示する。この冷却水温センサ96によって、スロットルボディ20に流入するエンジン冷却水の温度が検出される。
次に、制御装置100によって実施される各種の制御について説明する。
制御装置100は、エンジン1の吸排気系やこれに適用される熱交換回路に関する広汎なシステムを制御する。ここでは、制御装置100によって実施される制御のうち、吸排気系については排気を還流させるEGR制御を説明し、熱交換回路についてはエンジン冷却回路60および空調冷却回路70それぞれを流通するエンジン冷却水および空調冷媒による熱交換度合いに関する熱交換制御を説明する。
まず、EGR制御について説明する。EGR制御における具体的な制御対象としては、EGRバルブ52が挙げられる。このEGRバルブ52は、制御線を介して制御装置100に接続されている。
制御装置100は、EGR条件の成立を判断するとEGR制御を実施する。ここでいうEGR条件は、エンジン1の作動状態に応じて予め実験的または経験的に設定されている。
EGR制御では、排気の還流量に応じてEGRバルブ52を開放する。このEGR制御では、副次的にスロットルバルブ22の開度が調整されて、排気の還流量が調整されてもよい。この場合、制御装置100にはスロットルバルブ22が開度調整可能に接続される。さらに、制御装置100は、EGR条件の成立下において、エンジン1の作動状態に応じてEGRバルブ52あるいはスロットルバルブ22の開度を調整することで、排気の還流量を増減させることができる。
次に、熱交換制御について説明する。
制御装置100は、熱交換制御を実施するための機能要素として、作用判断部110および条件判断部120と、これらの判断部110,120による各判断に応じてエンジン冷却水の熱交換度合いを制御する制御部130を有する。
以下、作用判断部110,条件判断部120,制御部130の順に説明する。
[1−4−1.作用判断部]
作用判断部110は、吸気の温度とエンジン冷却水の温度とに基づき、吸気に対するエンジン冷却水の作用が加熱側および冷却側のどちらであるかを判断するものである。具体的には、第二吸気温センサ91で検出された吸気の温度よりも冷却水温センサ96で検出されたエンジン冷却水の温度が高い場合に、吸気に対するエンジン冷却水の作用が加熱側であると判断される。逆に、第二吸気温センサ91で検出された吸気の温度よりも冷却水温センサ96で検出されたエンジン冷却水の温度が低い場合には、吸気に対するエンジン冷却水の作用が冷却側であると判断される。
なお、作用判断部110は、第二吸気温センサ91で検出された吸気の温度と冷却水温センサ96で検出されたエンジン冷却水の温度とが等しい場合には、エンジン冷却水は吸気に対して加熱側にも冷却側にも作用しないと判断する。
[1−4−2.条件判断部]
条件判断部120は、熱交換制御に関する種々の条件の成否を判断する。ここでは、条件判断部120によって判断される条件として、加熱条件,冷却条件,凝縮水生成条件を例に挙げて説明する。これらの条件は、同時に二つ以上の条件が成立することはなく、択一的に成立する。この条件判断部120は、判断する条件それぞれに対応して、加熱条件判断部121,冷却条件判断部122,凝縮水生成条件判断部123を有する。
〈加熱条件判断部〉
加熱条件判断部121は、加熱条件が成立したか否かを判断する。加熱条件とは、スロットルボディ20で吸気を加熱するための条件である。この加熱条件は、例えば、冬期や寒冷地といった低温環境下でエンジン1を暖機運転する場合や吸気の湿度が低い場合などに成立する。
ここでは、下記の(A1)〜(A5)の少なくとも何れかに該当する場合に、加熱条件が成立するものとしている。
(A1)第一吸気温センサ90により検出された温度が第一所定温度以下であること。
(A2)第二吸気温センサ91により検出された温度が第二所定温度以下であること。
(A3)第三吸気温センサ92により検出された温度が第三所定温度以下であること。
(A4)湿度センサ93により検出された湿度が所定湿度以下であること。
(A5)スロットルポジションセンサ94によりスロットルバルブ22の固着が検出されていること。
上記(A1),(A2)および(A3)は、吸気温度が低いときに該当する。これら(A1),(A2)および(A3)における各所定温度は、吸気の温度を上昇させるべきか否かを判断する閾値として予め実験的または経験的に設定される。例えば、第一所定温度は、第二所定温度や第三所定温度よりも低く設定される。これは、ターボチャージャ40によって圧縮されることで昇温した吸気温度が第二吸気温センサ91および第三吸気温センサ92で検出されるのに対し、ターボチャージャ40によって圧縮される前の吸気温度が第一吸気温度センサ90で検出されるからである。ただし、第一所定温度,第二所定温度および第三所定温度は、同温度に設定されてもよいし、もちろん異なる温度に設定されてもよい。
加熱条件判断部121は、吸気温センサ90,91,92の検出情報に基づいて、上記(A1),(A2)または(A3)に該当するか否かを判断することができる。
上記(A4)は、吸気の湿度が低いときに該当する。エンジン1に流入する吸気の湿度が極めて低いと、エンジン1の燃焼が不安定となるおそれがある。仮に吸気が冷却されれば、吸気中の水分が凝縮して除湿されるため、湿度が更に低下された吸気がエンジン1に流入するおそれがある。一方、吸気が加熱されれば、吸気の飽和水蒸気量が増大するため、吸気は除湿されにくくなる。よって、(A4)における所定湿度は、エンジン1が安定して燃焼することができるか否かを判断する閾値として予め実験的または経験的に設定される。
加熱条件判断部121は、湿度センサ93の検出情報に基づいて、(A4)に該当するか否かを判断することができる。
上記(A5)は、スロットルバルブ22が例えば凍結して固着するときに該当する。
加熱条件判断部121は、スロットルポジションセンサ94の検出情報に基づいて、(A5)に該当するか否かを判断することができる。
〈冷却条件判断部〉
冷却条件判断部122は、冷却条件が成立したか否かを判断する。冷却条件とは、スロットルボディ20で吸気を冷却するための条件である。この冷却条件は、例えば、吸気の温度が高い場合やブースト圧が高い場合などに成立する。
ここでは、下記の(B1)〜(B4)の少なくとも何れかに該当する場合に、冷却条件が成立するものとしている。
(B1)第一吸気温センサ90により検出された温度が第四所定温度以上であること。
(B2)第二吸気温センサ91により検出された温度が第五所定温度以上であること。
(B3)第三吸気温センサ92により検出された温度が第六所定温度以上であること。
(B4)ブーストセンサ95により検出されたブースト圧が所定圧力以上であること。
上記(B1),(B2)および(B3)は、吸気温度が高いときに該当する。これら(B1),(B2)および(B3)における各所定温度は、吸気の温度を低下させるべきか否かを判断する閾値として予め実験的または経験的に設定される。第四所定温度は上記(A1)の第一所定温度よりも高く設定され、第五所定温度は上記(A2)の第二所定温度よりも高く設定され、第六所定温度は上記(A3)の第三所定温度よりも高く設定される。また、第四所定温度は、第五所定温度や第六所定温度よりも低く設定される。これは、上述したように、ターボチャージャ40によって圧縮される前後で吸気の温度が異なるからである。ただし、第四所定温度,第五所定温度および第六所定温度は、同温度に設定されてもよいし、異なる温度に設定されてもよい。
冷却条件判断部122は、吸気温センサ90〜92の検出情報に基づいて、(B1)〜(B3)に該当するか否かを判断することができる。
上記(B4)は、ブースト圧が高いときに該当する。ここでは、ターボチャージャ40により吸気が効率よく圧縮されるときに該当する。このように吸気が効率よく圧縮されるほど、吸気温度が上昇する。そのため、(B4)における所定圧力は、ターボチャージャ40により吸気が効率よく圧縮されているか否かを判断する閾値として予め実験的または経験的に設定される。
冷却条件判断部122は、ブーストセンサ95の検出情報に基づいて、(B4)に該当するか否かを判断することができる。
〈凝縮水生成条件判断部〉
凝縮水生成条件判断部123は、凝縮水生成条件が成立したか否かを判断する。凝縮水生成条件とは、吸気から生成された凝縮水がスロットルバルブ22に付着するのを防止する制御を実施するための条件である。言い換えれば、凝縮水が生成されやすい状態であるか否かを判断するための条件である。この凝縮水生成条件は吸気の湿度が高い場合に成立する。
吸気に含まれる水蒸気の量(以下、「実水蒸気量」という)が多いほど、飽和水蒸気量に対する実水蒸気量が多くなるため、吸気から水蒸気が凝縮した水、すなわち凝縮水が生成されやすい。例えば、排気にはエンジン1における燃焼によって生成された水分(水蒸気)が含まれるため、排気が還流された吸気のほうが新気の吸気よりも実水蒸気量が多い傾向にある。よって、凝縮水が生成されやすくなる。
ここでは、下記の(C1)または(C2)に該当する場合に凝縮水生成条件が成立するものとしている。
(C1)EGRバルブ52が開放されていること。
(C2)湿度センサ93により検出された湿度が所定湿度以上であること。
上記(C1)および(C2)は、湿度が高いときに該当する。エンジン1に流入する吸気の湿度が高いときにも、エンジン1の燃焼が不安定となるおそれがある。仮に吸気が加熱されれば、吸気中の湿度が低下されることなくエンジン1に流入するおそれがある。一方、吸気が冷却されれば、吸気の飽和水蒸気量が低下するため、吸気は除湿されやすくなる。よって、(C2)における所定湿度は、エンジン1が安定して燃焼することができるか否かを判断する閾値として予め実験的または経験的に設定される。凝縮水生成条件判断部123は、制御装置100がEGR制御を実施しているか否かを判断することで(C1)に該当するか否かを判断することができ、また、湿度センサ93の検出情報に基づいて、(C2)に該当するか否かを判断することができる。
[1−4−3.制御部]
制御部130は、作用判断部110によって判断された吸気に対するエンジン冷却水の作用に基づき、条件判断部120によって成立が判断された条件ごとに、スロットルボディ20において冷却回路60,70を流通するエンジン冷却水および空調冷媒それぞれの熱交換度合いを増減させる熱交換制御を実施する。
制御部130による具体的な制御対象としては、第一切替弁65および第二切替弁75が挙げられる。これらの切替弁65,75は、制御線を介して制御装置100に接続され、制御部130によって開度を制御される。制御部130は、第一切替弁65の開度を開放側または閉鎖側に制御することでエンジン冷却水による熱交換度合いを増減させることができ、第二切替弁75の開度を開放側または閉鎖側に制御することで空調冷媒による冷却度合いを増減させることができる。
以下、熱交換制御について具体的に説明する。
熱交換制御では、下記の表1に示すように、吸気に対するエンジン冷却水の作用が判断されたうえで、成立が判断された条件に応じて、エンジン冷却水あるいは空調冷媒による熱交換度合いが増減される。
Figure 0006421597
まず、吸気に対するエンジン冷却水の作用が加熱側と判断された場合について、加熱条件,冷却条件,凝縮水生成条件のそれぞれが成立したと判断されたときの各熱交換制御を説明する。
加熱条件の成立が判断されたときには、エンジン冷却回路60を流通するエンジン冷却水の熱交換度合い(ここでは加熱度合い)が増大され、空調冷却回路70を流通する空調冷媒の冷却度合いが減少される。すなわち、制御部130は、第一切替弁65の開度を大きくし、第二切替弁75の開度を小さくする。
冷却条件の成立が判断されたときには、加熱条件の成立が判断されたときとは反対に、エンジン冷却水の加熱度合いが減少され、空調冷媒の冷却度合いが増大される。すなわち、制御部130は、第一切替弁65の開度を小さくし、第二切替弁75の開度を大きくする。
凝縮水生成条件の成立が判断されたときには、エンジン冷却水の加熱度合いと空調冷媒の冷却度合いとが何れも増大される。すなわち、制御部130は、第一切替弁65の開度と第二切替弁75の開度とを何れも大きくする。このようにして、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を防止するための熱交換制御が実施される。
次に、吸気に対するエンジン冷却水の作用が冷却側と判断された場合について、加熱条件,冷却条件,凝縮水生成条件のそれぞれが成立したと判断されたときの各熱交換制御を説明する。
加熱条件の成立が判断されたときには、エンジン冷却水の熱交換度合い(ここでは冷却度合い)と空調冷媒の冷却度合いとが何れも減少される。すなわち、制御部130は、第一切替弁65の開度と第二切替弁75の開度とを何れも小さくする。
冷却条件の成立が判断されたときには、加熱条件の成立が判断されたときとは反対に、エンジン冷却水の冷却度合いと空調冷媒の冷却度合いとが何れも増大される。すなわち、制御部130は、第一切替弁65の開度と第二切替弁75の開度とを何れも大きくする。
凝縮水生成条件の成立が判断されたときには、エンジン冷却水の冷却度合いが減少され、空調冷媒の冷却度合いが増大される。すなわち、制御部130は、第一切替弁65の開度を小さくし、第二切替弁75の開度を大きくする。このようにして、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を防止するための熱交換制御が実施される。
さらに、上記の熱交換制御において、制御部130は、第二吸気温センサ91で検出された吸気の温度と冷却水温センサ96で検出されたエンジン冷却水の温度との差に応じて、エンジン冷却水の熱交換度合いを制御する。これは、吸気とエンジン冷却水との温度差が大きいほど、吸気に対するエンジン冷却水の熱交換度合いが増大するからである。
例えば、エンジン冷却水ポンプ61の吐出圧(回転速度)が一定の場合に、所定の温度差のもとで第一切替弁65が所定開度で開放されたときの熱交換度合いを達成するには、所定温度差よりも小さい温度差のもとでは第一切替弁65が所定開度よりも大きい開度で開放することが必要となる。このような特性を踏まえて、制御部130は、第一切替弁65の開度を温度差に応じて調整する。
[2.フローチャート]
次に、図5のフローチャートを参照して、制御装置100で実施される制御手順を説明する。フローチャートに示される制御手順は、車両のエンジン1が始動されると開始され、その後に所定の制御周期で実施され、エンジン1が停止されると終了する。また、フローチャート中の各ステップは、制御装置100のハードウェアに割り当てられた各機能がソフトウェア(コンピュータプログラム)によって動作することで実施される。
ステップS10では、冷却水温センサ96で検出されたエンジン冷却水の温度(TC)が第二吸気温センサ91で検出された吸気の温度(TI)よりも高いか否かが判断される。すなわち、吸気に対するエンジン冷却水の作用が加熱側か否かが判断される。
エンジン冷却水の作用が加熱側であればステップS11へ移行し、そうでなければステップS20へ移行する。
ステップS11では、加熱条件が成立したか否かを判断する。加熱条件の成立が判断されればステップS12へ移行し、そうでなければステップS13へ移行する。
ステップS12では、第一切替弁65の開度を大きく(θE=θE+ΔθE)し、第二切替弁75の開度を小さく(θA=θA−ΔθA)する。
そして、本制御周期を終了(リターン)する。
また、ステップS13では、冷却条件が成立したか否かを判断する。冷却条件の成立が判断されればステップS14へ移行し、そうでなければステップS15へ移行する。
ステップS14では、第一切替弁65の開度を小さく(θE=θE−ΔθE)し、第二切替弁75の開度を大きく(θA=θA+ΔθA)する。
そして、本制御周期を終了する。
また、ステップS15では、凝縮水生成条件が成立したか否かを判断する。凝縮水生成条件の成立が判断されればステップS16へ移行し、そうでなければ本制御周期を終了する。
ステップS16では、第一切替弁65の開度を大きく(θE=θE+ΔθE)し、第二切替弁75の開度を大きく(θA=θA+ΔθA)する。
そして、本制御周期を終了する。
また、ステップS20では、冷却水温センサ96で検出されたエンジン冷却水の温度が第二吸気温センサ91で検出された吸気の温度よりも低いか否かが判断される。すなわち、吸気に対するエンジン冷却水の作用が冷却側か否かが判断される。
エンジン冷却水の作用が冷却側であればステップS21へ移行し、そうでなければ本制御周期を終了する。
ステップS21では、加熱条件が成立したか否かを判断する。加熱条件の成立が判断されればステップS22へ移行し、そうでなければステップS23へ移行する。
ステップS22では、第一切替弁65の開度を小さく(θE=θE−ΔθE)し、第二切替弁75の開度を小さく(θA=θA−ΔθA)する。
そして、本制御周期を終了する。
また、ステップS23では、冷却条件が成立したか否かを判断する。冷却条件の成立が判断されればステップS24へ移行し、そうでなければステップS25へ移行する。
ステップS24では、第一切替弁65の開度を大きく(θE=θE+ΔθE)し、第二切替弁75の開度を大きく(θA=θA+ΔθA)する。
そして、本制御周期を終了する。
また、ステップS25では、凝縮水生成条件が成立したか否かを判断する。凝縮水生成条件の成立が判断されればステップS26へ移行し、そうでなければ本制御周期を終了する。
ステップS26では、第一切替弁65の開度を小さく(θE=θE−ΔθE)し、第二切替弁75の開度を大きく(θA=θA+ΔθA)する。
そして、本制御周期を終了する。
上記のステップS10およびS20は、吸気に対するエンジン冷却水の作用の作用判断部110による判断に対応する。
また、上記のステップS11,S13,S15,S21,S23およびS25は、条件判断部120の加熱条件判断部121,冷却条件判断部122,凝縮水生成条件判断部123による各条件の成否判断に対応する。
また、上記のステップS12,S14,S16,S22,S24およびS26は、制御部130により実施される熱交換制御に対応する。
[3.作用および効果]
本発明の一実施形態における吸気温度制御装置は、上述したように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
本吸気温度制御装置によれば、吸気の温度とエンジン冷却水の温度とに基づいて、吸気に対するエンジン冷却水の作用が加熱側および冷却側のどちらであるかが判断されたうえで、スロットルボディ20におけるエンジン冷却水の熱交換度合いが制御されるため、吸気温度の制御性を向上させることができる。
例えば、車両の高速走行時や高負荷運転時といった吸気の温度がエンジン冷却水の温度よりも高くなりやすい場合に、スロットルボディ20におけるエンジン冷却水の冷却度合いが増大されれば、吸気の冷却度合いが増大し、速やかに吸気を冷却することができる。
例えば、エンジン1のノッキング(異常燃焼)を防止するために吸気温度が上昇すると点火時期を遅角側にするリタード制御が実施される場合に、吸気の冷却度合いが増大されれば、吸気を速やかに冷却することができ、リタード制御を停止して遅角側にされていた点火時期を進角側にすることができる。
一方、スロットルボディ20におけるエンジン冷却水の冷却度合いが減少されれば、吸気の冷却度合いが減少し、吸気の冷却を抑えることができる。
また、低温環境下で吸気の温度がエンジン冷却水の温度よりも低くなりやすい場合には、スロットルボディ20におけるエンジン冷却水の加熱度合いが増大されれば、吸気の加熱度合いが増大し、速やかに吸気を加熱することができる。一方、スロットルボディ20におけるエンジン冷却水の加熱度合いが減少されれば、吸気の加熱度合いが減少し、吸気の加熱を抑えることができる。
このようにして、エンジン1を冷却するエンジン冷却水を吸気の加熱および冷却に利用することができる。言い換えれば、エンジン1を冷却するエンジン冷却水に、加熱用熱媒体としての機能と冷却用熱媒体としての機能とを持たせることができる。そのため、スロットルボディ20に冷却用および加熱用それぞれの熱交換回路を設けなくてもよい。したがって、製造コストを低減させることができ、スロットルボディ20を小型化することができる。
作用判断部110は、第二吸気温センサ91で検出された吸気の温度よりも冷却水温センサ96で検出されたエンジン冷却水の温度が高い場合に吸気に対するエンジン冷却水の作用が加熱側であると判断し、逆に、第二吸気温センサ91で検出された吸気の温度よりも冷却水温センサ96で検出されたエンジン冷却水の温度が低い場合に吸気に対するエンジン冷却水の作用が冷却側であると判断するため、吸気に対するエンジン冷却水の作用が加熱側か冷却側かを精度よく判断することができる。
制御部130は、熱交換制御において、第二吸気温センサ91で検出された吸気の温度と冷却水温センサ96で検出されたエンジン冷却水の温度との差に応じて、エンジン冷却水の熱交換度合いを制御するため、吸気温度の制御精度を向上させることができる。
また、制御部130は、作用判断部110でエンジン冷却水の作用が加熱側であると判断された場合、加熱条件判断部121で加熱条件の成立が判断されたときに、スロットルボディ20におけるエンジン冷却水の熱交換度合いを増大させるため、加熱条件の成立下で効率よく吸気を加熱することができる。
上記(A1)〜(A3)に該当することで、吸気の温度が低いときに加熱条件が成立すれば、吸気の温度を速やかに上昇させることができる。例えば、冬期や寒冷地といった低温環境下でエンジン1を速やかに暖機運転させることができ、機械的摩擦損失の低下や燃焼の安定化を促すことができる。
上記(A4)に該当することで、吸気の湿度が低いときに加熱条件が成立すれば、吸気が除湿されにくくなる。言い換えれば、吸気の乾燥が抑えられる。よって、エンジン1の燃焼を安定させることができる。
上記(A5)に該当することで、スロットルバルブ22が例えば凍結して固着している際に加熱条件が成立すれば、加熱された吸気をスロットルバルブ22に衝突させ、あるいは、エンジン冷却水によってスロットルボディ20を加熱することで、スロットルバルブ22を解凍して固着を軽減あるいは解消することができる。
また、制御部130は、作用判断部110でエンジン冷却水の作用が冷却側であると判断された場合、冷却条件判断部122で冷却条件の成立が判断されたときに、スロットルボディ20におけるエンジン冷却水の冷却度合いを増大させるため、冷却条件の成立下で効率よく吸気を冷却することができる。さらに、開度が絞られたスロットルバルブ22を膨張弁として機能させることで、スロットルバルブ22よりも下流側の吸気(以下、「下流側吸気」という)の冷却効率を向上させることもできる。
上記(B1)〜(B3)に該当することで、吸気温度が高いときに冷却条件が成立すれば、吸気の温度を速やかに低下させることができる。上記(B4)に該当することで、ブースト圧が高いときに冷却条件が成立すれば、吸気の温度を低下させることで、ブースト圧の過剰な上昇を抑えることができる。これらのように、吸気の温度が低下されることで、エンジン1の充填効率を向上させることができ、エンジン1の出力を高めることができる。
制御部130は、作用判断部110で判断されたエンジン冷却水の作用に基づき、スロットルボディ20における空調冷媒の冷却度合いを制御するため、吸気温度の制御性を向上させることができる。例えば、エンジン冷却回路60のエンジン冷却水によって吸気を冷却するのに加えて、空調冷却回路70の空調冷媒によっても吸気を冷却することができる。
エンジン冷却回路60は、スロットルバルブ22よりも上流側に配置され、空調冷却回路70は、スロットルバルブ22よりも下流側に配置される。そのため、スロットルボディ20のボア部20aを流通する吸気を、スロットルバルブ22よりも上流側でエンジン冷却回路60を流通するエンジン冷却水によって加熱または冷却することができ、スロットルバルブ22よりも下流側で空調冷却回路70を流通する空調冷媒によって冷却することができる。
ターボチャージャ40が設けられていると、吸気が圧縮されることで、吸気温度が上昇しやすい。しかしながら、本吸気温度制御装置によれば、エンジン冷却水および空調冷媒によって吸気を冷却することができる。これにより、エンジン1の充填効率を更に向上させることができ、エンジン1の出力向上に寄与する。
ターボチャージャ40による吸気の過給が抑えられれば、吸気温度の上昇は抑えられるものの、吸気の充填効率を確保することができないおそれがある。しかしながら、本吸気温度制御装置によれば、吸気を冷却することができるため、吸気温度の上昇を抑えつつターボチャージャ40によって吸気を過給することができる。
また、制御部130は、作用判断部110でエンジン冷却水の作用が加熱側であると判断された場合、凝縮水生成条件判断部123で凝縮水生成条件の成立が判断されたときに、スロットルボディ20におけるエンジン冷却水の加熱度合いを増大させる。そのため、スロットルバルブ22よりも上流側の吸気(以下、「上流側吸気」という)は、温度が上昇することで、飽和水蒸気量が大きくなる。すなわち、上流側吸気は、実水蒸気量よりも飽和水蒸気量のほうが大きくなりやすくなる。言い換えれば、上流側吸気では、飽和水蒸気量と実水蒸気量との差が確保されやすくなる。よって、上流側吸気から水が凝縮されにくくなり、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を抑えることができる。
また、エンジン冷却回路60を流通するエンジン冷却水により、スロットルバルブ22よりも上流側のボア部20aの表面温度、すなわち、上流内壁面211aの温度が上昇する。そのため、吸気中の水分が上流内壁面211aに結露するのを抑えることができる。この点からも、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を抑えることができる。
制御部130は、凝縮水生成条件判断部123で凝縮水生成条件の成立が判断されたときに、スロットルボディ20における空調冷媒の冷却度合いを増大させる。そのため、下流側吸気を冷却して温度を低下させることができる。温度が低下された下流側吸気は、飽和水蒸気量が実水蒸気量を下回って凝縮水が生成され、除湿される。吸気をエンジン1に流入する吸気を除湿することで、エンジン1の燃焼を安定させることができる。
例えば、エンジン冷却水による加熱度合いよりも空調冷媒による冷却度合いを大きくすることで、ボア部20aに流入する吸気の温度よりもボア部20aから流出する吸気の温度を低くすることができる。これにより、エンジン1の充填効率を向上させることができ、エンジン1の出力を確保することができる。
さらに、スロットルボディ20では、スロットルバルブ22が、上流側のエンジン冷却回路60を流通するエンジン冷却水により加熱されるとともに下流側の空調冷却回路70を流通する空調冷媒により冷却される。したがって、スロットルバルブ22ではエンジン冷却水および空調冷媒それぞれからの熱エネルギーが打ち消しあうことになる。このことから、一系統の冷却回路がスロットルボディに設けられた機構に比較して、吸気を冷却する場合に、スロットルバルブ22の温度変化が抑えられる。つまり、吸気の温度に対してスロットルバルブ22の温度が低くなるのを抑えることができる。よって、スロットルバルブ22によって吸気が冷却されることで凝縮水が生成されるのを抑えることができ、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を抑えることができる。
なお、制御部130によって、エンジン冷却水による加熱度合いと空調冷媒による冷却度合いとが同程度にされれば、スロットルバルブ22の温度は略変化しない。また、エンジン冷却水によって昇温された上流側吸気がスロットルバルブ22に向かう。そのため、ボア部20aに流入する吸気とボア部20aから流出する吸気との温度差を抑えたうえで、上流側吸気の温度を昇温させることができる。よって、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を抑えることができる。延いては、スロットルバルブ22の固着を未然に防ぐことができ、昇温された上流側吸気によってスロットルバルブ22を昇温させることができる。
凝縮水は、スロットルバルブの固着を誘発し、スロットルバルブの動作を不安定にさせる一因となる。しかしながら、本吸気温度制御装置によれば、スロットルバルブ22への凝縮水の付着が抑えられるため、スロットルバルブ22の固着を抑えることができ、スロットルバルブ22を安定して作動させることができる。
例えば、スロットルバルブは、凝縮水が付着したままエンジン1が停止され、冬期や寒冷地といった低温環境下におかれることで、凝縮水の凍結により固着するおそれがある。しかしながら、本吸気温度制御装置によれば、スロットルバルブ22への凝縮水の付着が抑えられるため、凝縮水の凍結によってスロットルバルブ22が固着するのを抑えることができる。このようにして、スロットルバルブ22の固着を未然に防ぐことができる。
下流側吸気は、空調冷媒によって冷却されるため、凝縮水が生成されやすい。言い換えれば、下流側吸気は除湿されやすい。また、空調冷媒により、スロットルバルブ22よりも下流側のボア部20aの表面温度、すなわち、下流内壁面212aの温度が低下する。そのため、吸気中の水分が下流内壁面212aに結露して凝縮水が生成されやすくなる。これに対し、下流ボア壁部212の下部に排水口29aが穿設されているため、下流内壁面212aに結露した凝縮水を排出することができる。また、エンジン1への凝縮水の流入を抑えることができる。よって、エンジン1の燃焼を安定させることができ、エンジンストールやウォータハンマといった不具合の発生を抑えることができる。さらに、下流側吸気が除湿されることで、エンジン1の安定燃焼に寄与しうる。
排気にはエンジン1における燃焼によって生成された水分(水蒸気)が含まれるため、排気が還流された吸気のほうが新気の吸気よりも実水蒸気量が多い傾向にある。具体的に言えば、EGR通路50によって還流された排気を含む吸気は、新気よりも多くの水分を含んでいることが多い。そのため、EGR通路50が設けられていると凝縮水が生成されやすい。
しかしながら、本吸気温度制御装置によれば、EGR通路50が設けられることで凝縮水が生成されやすいとしても、スロットルバルブ22への凝縮水の付着を効果的に抑えることができ、延いては、スロットルバルブ22の固着を効果的に抑えることができる。よって、スロットルバルブ22を確実に作動させることができる。
EGR通路50によって還流される排気の量が抑えられれば、凝縮水の生成は抑えられるものの、排気の還流に関する制御性が低下する。しかしながら、本吸気制御装置によれば、凝縮水の生成を抑えることができるため、排気の還流に関する制御性を向上させることができ、また、吸気の充填効率を確実に向上させることができる。
エンジン冷却回路60に上流ボア部201の上流内壁面211aに沿った曲面形状のスペーサ69が挿入されていれば、上流ボア部201の温度分布を適正化することができ、温度調節機能を向上させることができる。同様に、空調冷却回路70の下流ボア部202の下流内壁面212aに沿った曲面形状のスペーサ79が挿入されていれば、下流ボア部202の温度分布を適正化することができ、温度調節機能を向上させることができる。
一方、空調冷却回路70を流通する空調用の空調冷媒は、エンジン冷却水よりも比較的低温であり、ここではエバポレータ74で放熱した後にスロットルボディ20を流通する。そのため、空調冷媒がスロットルボディ20における空調冷却回路70(すなわちサブ回路70b)において吸熱することで、下流ボア壁部212とこの内部の下流ボア部202を流通する下流側吸気を確実に冷却することができる。
また、下流側の熱交換回路に空調用の空調冷却回路70を利用しているため、例えばスロットルボディ20に冷却回路を別途の設ける必要がない。したがって、製造コストを低減させることができ、小型化に寄与する。
〔II.変形例〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した一実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせてもよい。
以下、本発明の変形例を説明する。変形例で説明する点を除いては上述した一実施形態と同様の構成になっており、これらについては、同様の符号を付し、各部の説明を省略する。
[1.配設箇所の異なるスロットルボディ]
[1−1.インマニにスロットルボディを配設した例]
上述の一実施形態では、スロットルボディ20が吸気通路10においてインタークーラ12とサージタンク13との間に配置されたものを説明したが、このような配置に替えて、図6に示すように、スロットルボディ20′がインマニ14に介装されていてもよい。
スロットルボディ20′は、インマニ14の分岐管14a,14b,14c,14dそれぞれに対応したスロットルバルブ22′a,22′b,22′c,22′dを内蔵している。このスロットルボディ20′は、吸気通路10をなす分岐管14a,14b,14c,14dそれぞれに対応してボア部20′a,20′b,20′c,20′dが配置された多連型である。ここでは、スロットルボディ20′が所謂四連スロットル型に構成されている。
これらのスロットルバルブ22′a,22′b,22′c,22′dは、共通のスロットルシャフト221を介して90°回転自在に支持されている。
このように構成されたスロットルボディ20′において、エンジン冷却水が流通するエンジン冷却回路60′の第四分岐路60′dと空調冷媒が流通する空調冷却回路70′のサブ回路70′bとのそれぞれが、ボア部20′a,20′b,20′c,20′dそれぞれの外周を覆うようにボア部20′a,20′b,20′c,20′dの並ぶ方向に沿って連設されている。言い換えれば、ボア部20′a,20′b,20′c,20′dの並ぶ方向に沿って、エンジン冷却回路60′の第四分岐路60′dと空調冷却回路70′のサブ回路70′bとのそれぞれが延びて設けられている。
なお、本変形例では、インマニ14が四つの分岐管14a,14b,14c,14dを有するものを例示したが、少なくとも二本以上の分岐管が設けられていればよい。この場合、分岐管の本数に応じた個数のスロットルバルブが設けられる。
このように構成された熱交換機構によれば、ボア部20′a,20′b,20′c,20′dのそれぞれに、例えば分岐したエンジン冷却回路や分岐した空調冷却回路を設けることを要せず、配管構造を簡素化することができる。
スロットルボディ20′がエンジン1に連結されたインマニ14に介装されるため、エンジン1に流入する直前の吸気に対して、温度を上昇または低下させることができ、凝縮水の生成を抑えつつ除湿することができる。また、エンジン冷却回路60′の配管を短くすることもできる。これにより、構造の簡素化に寄与し、重量増加の抑制に寄与しうる。
もちろん、エンジン1のレスポンスの向上やエンジン1の周辺構造の小型化といった一般的な四連スロットルによって得られる効果を奏することもできる。
その他、上述した一実施形態の熱交換機構による効果を得ることもできる。
[1−2.インタークーラよりも上流側にスロットルボディを配設した例]
また、吸気通路10においてコンプレッサ42とインタークーラ12との間にスロットルボディが設けられていてもよい。
この場合、スロットルボディにおいて、インタークーラ12に流入する吸気が事前に冷却されることで、吸気を確実に冷却することができる。また、湿度センサ93により検出された湿度が高いほど、上流側吸気が加熱されるとともに下流側吸気が冷却されれば、スロットルバルブへの凝縮水の付着を効果的に抑えつつ、吸気を除湿することができる。このとき、スロットルバルブにおける下流側吸気から凝縮水を排水口29aから排水したうえで、吸気をインタークーラ12に供給することができる。したがって、インタークーラ12の内部における凝縮水の付着を抑えることができる。よって、スロットルバルブから流出した凝縮水の付着によるインタークーラ12の腐食を防ぎ、冷却効率の低下を抑えることができる。湿度センサ93により検出された湿度が高いほど下流側吸気が冷却されれば、インタークーラ12の腐食と冷却効率の低下とを効率よく抑えることができる。
[2.吸排気系の構成が置換または省略された例]
上述の一実施形態では、EGR通路50およびインタークーラ12が設けられたものを説明したが、EGR通路50またはインタークーラ12は設けられていなくてもよい。また、ターボチャージャ40に替えてまたは加えて、エンジン1により駆動されるスーパーチャージャ(過給機)が設けられていてもよい。
[3.その他の例]
上述の一実施形態では、切替弁65,75の開度を調整することでエンジン冷却水および空調冷媒の各熱交換度合いが制御されるものを示したが、これに替えてまたは加えて、次のように制御されてもよい。
エンジン冷却水ポンプ61が電動であれば、エンジン冷却水ポンプ61の回転速度を上昇または低下(すなわちエンジン冷却水の吐出圧の増大または減少)させることで、エンジン冷却水による熱交換度合いが制御されてもよい。この場合、エンジン冷却水ポンプ61は、制御装置100に接続されて制御部130によって回転速度が制御される。同様に、コンプレッサ71が電動であれば、コンプレッサ71の回転速度を上昇または低下(すなわち空調冷媒の吐出圧の増大または低下)させることで、空調冷媒による冷却度合いが制御されてもよい。この場合、コンプレッサ71は、制御装置100に接続されて制御部130によって回転速度が制御される。
また、排水口29aがスロットルボディ20,20′に穿設されたものを示したが、スロットルボディ20,20′よりも下流側であってエンジン1よりも上流側の吸気通路10に排水口が穿設され、この排水口に排水管が接続されていてもよい。この場合、下流側吸気から生成された凝縮水を確実に排水することができる。一方、排水口を省略してもよい。この場合、製造コストを低減させることができる。
また、エンジン冷却回路60,60′のエンジン冷却水および空調冷却回路70,70′の空調冷媒がスロットルボディ20,20′のボア壁部21に設けられた空間を流通する構造を示したが、このような構造に限定されるものではない。例えば、ボア壁部を空間が設けられない中実の構造とし、このボア壁部の外周にエンジン冷却回路や空調冷却回路が巻回される構造を採用してもよい。
また、下流側吸気を、空調冷却回路70,70′で冷却するものを示したが、IC冷却回路80で冷却してもよい。すなわち、下流ボア部202の外周にIC冷却回路80が設けられていてもよい。このIC冷却回路80を流通するIC冷媒は、空調冷媒と同様に、エンジン冷却水よりも比較的低温であり、吸気よりも低温となりやすい。このため、上述したように、下流側吸気を冷却することができる。
さらに、IC冷却回路80と空調冷却回路70,70′とが連通されていてもよい。つまり、IC冷却回路80と空調冷却回路70,70′とで共通の冷媒を用いてもよい。
また、少なくともエンジン冷却回路60が設けられていればよい。すなわち、空調冷却回路70やIC冷却回路80は設けられていなくてもよい。この場合、吸気温度の制御性は低下するものの、簡素な構成とすることができる。
また、作用判断部110は、センサ91,96で検出された各温度に基づくものに限らず、推定された吸気の温度と推定されたエンジン冷却水の温度とに基づいて、吸気に対するエンジン冷却水の作用を判断してもよい。
本吸気温度制御装置が適用されるエンジン1は、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジンであってもよい。エンジン1がディーゼルエンジンの場合には、排気処理装置32として、三元触媒コンバータに替えて、酸化触媒(所謂DOC)やフィルタ(所謂DPF)などが用いられる。
1 エンジン(内燃機関)
1a シリンダ
10 吸気通路
11 エアクリーナ
12 インタークーラ(冷却装置)
13 サージタンク
14 インテークマニホールド
14a,14b,14c,14d 分岐管
20 スロットルボディ
20a,20′a,20′b,20′c,20′d ボア部
201 上流ボア部
202 下流ボア部
21 ボア壁部
211 上流ボア壁部
212 下流ボア壁部
21a ボア内壁面(内壁面)
211a 上流内壁面
212a 下流内壁面
22,22′a,22′b,22′c,22′d スロットルバルブ
22a,221 スロットルシャフト
29 排水管
29a 排水口
30 排気通路
40 ターボチャージャ(過給機)
50 EGR通路
60 エンジン冷却回路(内燃機関冷却回路,第一回路)
60a,60b,60c,60d 分岐路
60e,60f 合流路
61 エンジン冷却水ポンプ
62 ラジエータ
63 サーモスタット
65 第一切替弁
69 スペーサ
70 空調冷却回路(第二回路)
70a メイン回路
70b サブ回路
71 コンプレッサ
72 コンデンサ
73 膨張弁
74 エバポレータ
74a ブロア
75 第二切替弁
79 スペーサ
80 IC冷却回路
81 IC冷媒ポンプ
82 放熱器
90,91,92 吸気温センサ
93 湿度センサ
94 スロットルポジションセンサ
95 ブーストセンサ
96 冷却水温センサ(冷媒温センサ)
100 制御装置(吸気温度制御装置)
110 作用判断部
120 条件判断部
121 加熱条件判断部
122 冷却条件判断部
123 凝縮水生成条件判断部
130 制御部
1,A2,E1,E2,E3, 分岐箇所,合流箇所

Claims (11)

  1. 内燃機関の吸気通路に介装され、吸気の流通量を調整するスロットルバルブを有するスロットルボディと、前記スロットルボディ内の前記吸気通路となるボア部の外周に配置され、前記内燃機関を冷却する内燃機関冷媒が流通する内燃機関冷却回路と、を備えた熱交換機構において、前記内燃機関冷媒の熱交換度合いを制御する吸気温度制御装置であって、
    吸気の温度と前記内燃機関冷媒の温度とに基づき、吸気に対する前記内燃機関冷媒の作用が加熱側および冷却側のどちらであるかを判断する作用判断部と、
    前記作用判断部で判断された前記内燃機関冷媒の作用に基づき、前記スロットルボディにおける前記内燃機関冷媒の熱交換度合いを制御する制御部と、
    吸気の温度を検出する吸気温センサと、
    前記内燃機関冷媒の温度を検出する冷媒温センサと、を備え、
    前記作用判断部は、
    前記吸気温センサで検出された吸気の温度よりも前記冷媒温センサで検出された前記内燃機関冷媒の温度が高い場合に、吸気に対する前記内燃機関冷媒の作用が加熱側であると判断し、
    前記吸気温センサで検出された吸気の温度よりも前記冷媒温センサで検出された前記内燃機関冷媒の温度が低い場合に、吸気に対する前記内燃機関冷媒の作用が冷却側であると判断する
    ことを特徴とする、吸気温度制御装置
  2. 前記制御部は、吸気の温度と前記内燃機関冷媒の温度との差に応じて、前記スロットルボディにおける前記内燃機関冷媒の熱交換度合いを制御する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の吸気温度制御装置。
  3. 前記スロットルボディで吸気を加熱するための加熱条件が成立したか否かを判断する加熱条件判断部を備え、
    前記制御部は、前記作用判断部で前記内燃機関冷媒の作用が加熱側であると判断された場合、前記加熱条件判断部で前記加熱条件の成立が判断されたときに、前記スロットルボディにおける前記内燃機関冷媒の熱交換度合いを増大させる
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の吸気温度制御装置。
  4. 前記スロットルボディで吸気を冷却するための冷却条件が成立したか否かを判断する冷却条件判断部を備え、
    前記制御部は、前記作用判断部で前記内燃機関冷媒の作用が冷却側であると判断された場合、前記冷却条件判断部で前記冷却条件の成立が判断されたときに、前記スロットルボディにおける前記内燃機関冷媒の熱交換度合いを増大させる
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の吸気温度制御装置。
  5. 前記ボア部の外周に配置され、前記内燃機関冷媒よりも温度の低い第二冷媒が流通する第二回路を備え、
    前記制御部が、前記作用判断部で判断された前記内燃機関冷媒の作用に基づき、前記第二回路を流通する前記第二冷媒の熱交換度合いを制御する
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の吸気温度制御装置。
  6. 前記内燃機関冷却回路は、前記スロットルバルブよりも吸気流通方向上流側に配置され、
    前記第二回路は、前記スロットルバルブよりも吸気流通方向下流側に配置された
    ことを特徴とする、請求項に記載の吸気温度制御装置。
  7. 吸気から生成された凝縮水が前記スロットルバルブに付着するのを防止する制御を実施するための凝縮水生成条件が成立したか否かを判断する凝縮水生成条件判断部を備え、
    前記制御部は、前記作用判断部で前記内燃機関冷媒の作用が加熱側であると判断された場合、前記凝縮水生成条件判断部で前記凝縮水生成条件の成立が判断されたときに、前記内燃機関冷却回路を流通する前記内燃機関冷媒の熱交換度合いを増大させる
    ことを特徴とする、請求項に記載の吸気温度制御装置。
  8. 前記制御部は、前記凝縮水生成条件判断部で前記凝縮水生成条件の成立が判断された場合、前記第二回路を流通する第二冷媒の熱交換度合いを増大させる
    ことを特徴とする、請求項に記載の吸気温度制御装置。
  9. 前記吸気通路において前記スロットルバルブよりも吸気流通方向下流側に設けられ、結露した凝縮水を排出する排水口を備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の吸気温度制御装置。
  10. 前記吸気通路において前記スロットルボディよりも吸気流通方向上流側に介装され、吸気を過給する過給機を備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の吸気温度制御装置。
  11. 前記吸気通路が複数の列をなして並んで設けられ、
    前記スロットルボディは、前記吸気通路のそれぞれに対応して前記ボア部が配置された多連型であって、
    前記内燃機関冷却回路が、前記ボア部の外周を覆うように前記ボア部の並ぶ方向に沿って連設された
    ことを特徴とする、請求項1〜10の何れか1項に記載の吸気温度制御装置。
JP2014265251A 2014-12-26 2014-12-26 吸気温度制御装置 Active JP6421597B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014265251A JP6421597B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 吸気温度制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014265251A JP6421597B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 吸気温度制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016125387A JP2016125387A (ja) 2016-07-11
JP6421597B2 true JP6421597B2 (ja) 2018-11-14

Family

ID=56356755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014265251A Active JP6421597B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 吸気温度制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6421597B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020129251A1 (ja) * 2018-12-21 2020-06-25 三菱電機株式会社 防汚性基材及び物品

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55130051U (ja) * 1979-03-08 1980-09-13
JP2006316698A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Toyota Motor Corp オイルミスト処理装置
JP5825184B2 (ja) * 2012-04-11 2015-12-02 トヨタ自動車株式会社 エンジン冷却装置
US9605587B2 (en) * 2012-12-04 2017-03-28 Ford Global Technologies, Llc Boosted engine charge air cooler condensation reduction device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016125387A (ja) 2016-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10473063B2 (en) EGR system for internal-combustion engine
WO2016178302A1 (ja) 内燃機関の低水温冷却装置
RU2711900C2 (ru) Способ охлаждения воздуха в тракте двигателя
JP6213322B2 (ja) 内燃機関
US9828902B2 (en) Cooling control system for internal combustion engine
JP6339701B2 (ja) 内燃機関の冷却制御装置
JP6327199B2 (ja) 内燃機関の低水温冷却装置
JP5076822B2 (ja) 内燃機関の制御装置
CN108071478B (zh) 用于去除冷凝水的发动机系统
JP2018021510A (ja) 凝縮水抑制装置
JP5742469B2 (ja) 内燃機関の排気再循環システム
JP2014148957A (ja) Egrガス冷却装置
JP6421597B2 (ja) 吸気温度制御装置
JP6421596B2 (ja) 熱交換機構
JP2008280953A (ja) 内燃機関の排気還流装置
JP2017082623A (ja) Egrシステム
JP6323488B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6648536B2 (ja) 内燃機関の暖機促進システム
JP7243663B2 (ja) 内燃機関の冷却システム
JP6769415B2 (ja) 排気処理装置
JP2022158467A (ja) 内燃機関の排気装置
JP2006037931A (ja) 内燃機関の吸気加熱装置
JP2022140939A (ja) 排気処理装置
JP2015124672A (ja) 内燃機関
JP2005273594A (ja) 内燃機関の排気還流システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180807

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180918

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181001

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6421597

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350