JP6420969B2 - ポリメトキシフラボノイド溶解組成物及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、ポリメトキシフラボノイド又はポリメトキシフラボノイド含有物と可溶化剤とを含むポリメトキシフラボノイド溶解組成物及びその製造方法に関する。
ノビレチン及びタンゲレチンは、柑橘類に含まれるポリメトキシフラボノイドの一種である。ノビレチンは下記式(I)で表わされる構造を有する。また、タンゲレチンは、下記式(II)で表わされる構造を有する。ノビレチン及びタンゲレチンは、発癌抑制作用、血糖値の低下作用、アルツハイマー型認知症の予防効果等の種々の薬理作用を有するといわれている。
ノビレチン及びタンゲレチンは、上記のとおりに複数のメトキシ基を有し、これにより疎水性が高く難水溶性であることから、化粧品、医薬品、医薬部外品などへ高濃度に配合することが難しいものである。
ノビレチンの可溶化物としては、包接化合物として知られているシクロデキストリンと、ノビレチン及び水とを含むノビレチン溶解組成物が、特許文献1に記載されている。
特開2008−74723号公報
確かに、特許文献1に記載のノビレチン溶解組成物は、シクロデキストリンの包接効果によって、ノビレチンを水に可溶化させたものであり得る。しかし、特許文献1の製造例1では、例えば、β−シクロデキストリンを用いた場合、その配合量は、精製ノビレチンに対して80倍以上を必要とすることが記載されている。
一般に、天然物からの抽出物は、夾雑物によるマスキング効果などの影響によって、精製品に比べて溶解性が小さくなる傾向にある。そこで、特許文献1に記載のノビレチン溶解組成物を応用して、天然物からのノビレチン抽出物を可溶化させる場合には、より大量のシクロデキストリンが必要となる蓋然性があり、ノビレチン含有量に比べて100〜1,000倍以上のシクロデキストリンを要する可能性がある。この場合、用途によっては、β−シクロデキストリンの溶血性や腎臓障害性などの副作用が問題となる。
さらに、ノビレチンはシクロデキストリンに包接されることにより、ノビレチンが有する薬理効果が減弱される蓋然性がある。そこで、所望の効果を得るためには、ノビレチンの含有量を大きくしなければならないという問題がある。
そこで、本発明は、特許文献1に記載のノビレチン溶解組成物が有する、天然物由来のノビレチンに対して副作用が顕在化する量を必要とし、かつ、ノビレチンの薬理効果の減弱をもたらすという問題がある可溶化剤を使用することなく、ノビレチンやタンゲレチンなどのポリメトキシフラボノイドが可溶化したポリメトキシフラボノイド溶解組成物を提供することを、本発明が解決しようとする課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究開発を進め、化粧品、医薬部外品、医薬品などへの適用を考慮して、ノビレチンに対して可溶性があることが知られているエタノール、ベンゼン、アセトン、クロロホルムなどの有機溶媒を用いず、さらに皮膚に対して低刺激性である可溶化剤について種々検討した。その結果、ジエステル、二価アルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコールエーテル類を用いれば、ノビレチンやタンゲレチンなどのポリメトキシフラボノイドを可溶化できることを見出した。特に、コハク酸ジエトキシエチル、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を用いたところ、ポリメトキシフラボノイドが最大で9w/v%含有したポリメトキシフラボノイド溶解組成物を得ることに成功した。本発明はこのような知見や成功例に基づいて完成された発明である。
したがって、本発明によれば、ノビレチン及びタンゲレチンからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリメトキシフラボノイド又は該ポリメトキシフラボノイド含有物と、コハク酸ジエトキシエチル、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の可溶化剤とを含む、ポリメトキシフラボノイド溶解組成物が提供される。
本発明の別の側面によれば、ノビレチン及びタンゲレチンからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリメトキシフラボノイド又は該ポリメトキシフラボノイド含有物と、コハク酸ジエトキシエチル、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の可溶化剤とを混合することにより、ポリメトキシフラボノイド溶解組成物を得ることを含む、ポリメトキシフラボノイド溶解組成物の製造方法が提供される。
本発明の組成物や製造方法において、好ましくは、前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がPEG−20水添ヒマシ油である。
本発明の組成物や製造方法において、好ましくは、前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類がポリソルベート20である。
本発明の組成物や製造方法において、好ましくは、前記ポリメトキシフラボノイドの濃度が、2w/v%以上である。
本発明の別の側面によれば、本発明の組成物や製造方法によって得られる組成物を含む、化粧品、医薬部外品又は医薬品用組成物が提供される。
本発明の組成物及び製造方法によれば、使用されている可溶化剤は化粧品原料として一般的に使用されているように安全性が高いものであり、かつ、ポリメトキシフラボノイドを包接しないことからポリメトキシフラボノイドの含有量に応じた薬理効果が得られる、ポリメトキシフラボノイド溶解組成物を提供できる。このようなポリメトキシフラボノイド溶解組成物は、特許文献1に記載の組成物に比べて、安全性が高く、かつ、薬理効果が高いものであり得る。
さらに、本発明の組成物や製造方法によれば、皮膚に対して低刺激性であり安全性が高く、かつ、ポリメトキシフラボノイドの含有量が大きい、化粧品、医薬部外品、医薬品などへの適用が期待できる汎用性の高いポリメトキシフラボノイド溶解組成物を得ることができる。
図1は、実施例における、ノビレチン及びタンゲレチン含有物を、コハク酸ジエトキシエチル、ジプロピレングリコール、PEG−20水添ヒマシ油又はポリソルベート20に溶解した場合の溶解性試験の結果を示した図である。図中、%は「w/v%」を表わす。
以下に、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の組成物は、ポリメトキシフラボノイド又はポリメトキシフラボノイド含有物と可溶化剤とを含むポリメトキシフラボノイド溶解組成物に関する。
本発明の組成物におけるポリメトキシフラボノイド及びポリメトキシフラボノイド含有物は、ノビレチン、タンゲレチン若しくはその両方であるポリメトキシフラボノイド、又はノビレチン、タンゲレチン若しくはその両方を少なくとも含むポリメトキシフラボノイド含有物であれば特に限定されない。
ノビレチン及びタンゲレチンとしては、例えば、化学合成したもの、天然物から分離したもの、化学合成や天然物から分離した後に精製したもの、市販されているものなどを挙げることができ、特に限定されない。ノビレチン及びタンゲレチンの純度は特に限定されず、例えば、ポリメトキシフラボノイド溶解組成物とした際に所望の薬理効果が発揮できる程度の純度であればよい。
ポリメトキシフラボノイド含有物はノビレチン、タンゲレチン又はその両方を少なくとも含むものであれば特に限定されず、例えば、ノビレチンやタンゲレチンを含む植物体などの天然物から得ることができる。ノビレチンやタンゲレチンを含む植物体としては、例えば、柑橘類が挙げられ、具体的には、キノット、ジャッファ・オレンジ、ジョッパ、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、福原オレンジ、ブラッドオレンジ、ベルガモットなどのオレンジ類;オランジェロ、グレープフルーツなどのグレープフルーツ類;カボス、清岡橙、コブミカン、三宝柑、シークヮーサー、シトロン、スダチ、ダイダイ、新姫、ブッシュカン、ゆうこう、柚柑、ユズ、ライム、レモンなどの香酸柑橘類;カクテルフルーツ、カワノナツダイダイ、黄蜜柑、ジャバラ、湘南ゴールド、スウィーティー、夏ミカン、八朔(ハッサク)、はるか、媛小春、日向夏などの雑柑類;安芸の輝き(デコポン)、伊予柑、愛媛果試第28号、清見、佐賀果試34号(デコポン)、師恩の恵、シラヌヒ(デコポン)、せとか、せとみ、大将季(デコポン)、タンカン、はるみ、肥の豊(デコポン)、マーコット、麗紅などのタンゴール類;アグリフルーツ、サマーフレッシュ、スイートスプリング、セミノール、タンジェロ、ミネオラなどのタンジェロ類;安政柑、河内晩柑、晩白柚、ブンタン(ザボン)などのブンタン類;温州ミカン、大津四号、カラマンシー、甘平、紀州ミカン、コウジ(柑橘類)、桜島ミカン、タチバナ、藤中みかん、ポンカン、マンダリンオレンジなどのミカン類;カラタチなどのカラタチ属;長葉金柑、長実金柑、寧波金柑、福州金柑、香港金柑、丸実金柑などのキンカン属が挙げられるが、好ましくはミカン科ミカン亜科カンキツ属後生カンキツ亜属ミカン区の柑橘類及びミカン科ミカン亜科カンキツ属初生カンキツ亜族ダイダイ区の柑橘類であり、より好ましくはシークヮーサー(Citrus depressa)、ウンシュウミカン(C.unshiu)、タチバナ(C.tachibana)、コウジ(C.leiocarpa)、ギリミカン(C.tardiva)、ジミカン(C.succosa)、キシュウ(C.kinokuni)、コベニミカン(C.erythrosa)、スンキ(C.sunki)、チチュウカイマンダリン(C.deliciosa)、キング(C.nobilis)、ポンカン(C.reticulata)、ダンシータンジェリン(C.tangerine)、ハナユ(C.hanayu)、コウライタチバナ(C.nippokoreana)、ヤツシロ(C.yatsusiro)、ケラジ(C.keraji)、オト(C.oto)、クレメンティン(C.clementina)、シカイカン(C.suhuiensis)、シラヌヒ及び清見などであり、さらに好ましくはシークヮーサーである。また、これらの柑橘類は1種又は2種以上であればよく、上記具体例として挙げた柑橘類の交配種であってもよい。
柑橘類からポリメトキシフラボノイド含有物を得る工程は特に限定されないが、例えば、柑橘類の果実や搾汁残渣を、メタノールやエタノールなどのポリメトキシフラボノイド可溶性の有機溶媒で抽出処理することにより得ることができる。この際、柑橘類の果実や搾汁残渣を抽出処理に供する前に、乾燥処理、細断処理、粉末化処理、アワモリ菌などを用いた発酵処理に供することや該抽出処理の後にアルカリ処理することにより得た不溶性成分を再度抽出処理に供することなどをすれば、ノビレチン及びタンゲレチンなどのポリメトキシフラボノイドが高含有率又は高含有量で存在するポリメトキシフラボノイド含有物を得ることができる。このような柑橘類からポリメトキシフラボノイド含有物を得る方法については、例えば、国際公開第2014/057727号明細書や特願2014−82230明細書などを参照できる。
本発明の組成物における可溶化剤は、コハク酸ジエトキシエチル、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類又はこれらの2種、3種若しくは4種の組み合わせであれば特に限定されない。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の好ましい具体例がPEG−20水添ヒマシ油であり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類の好ましい具体例はポリソルベート20である。
本発明の組成物における可溶化剤は液状物であることから、本発明の組成物はポリメトキシフラボノイドが溶解した液状組成物を呈する。
ポリメトキシフラボノイド及びポリメトキシフラボノイド含有物のコハク酸ジエトキシエチル、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類に対する溶解度は、溶解温度によって変化する。そこで、常温、すなわち24℃付近である場合、本発明の組成物におけるポリメトキシフラボノイド及びポリメトキシフラボノイド含有物の濃度は、例えば、0.2w/v%以上であり、好ましくは2w/v%以上であり、より好ましくは7w/v%以上であり、さらに好ましくは8w/v%以上である。
可溶化剤としてコハク酸ジエトキシエチルを用いた場合、本発明の組成物におけるポリメトキシフラボノイド及びポリメトキシフラボノイド含有物の濃度は、常温で8w/v%であり、加温して40℃付近にすることにより9w/v%とすることができる。さらにこの場合、15℃という低温下に保持しても、ポリメトキシフラボノイド及びポリメトキシフラボノイド含有物が析出せずに、組成物全体が透明(澄明)な液性を維持できる。したがって、本発明の組成物において、好ましい可溶化剤の態様は、コハク酸ジエトキシエチルである。
本発明の組成物は、ポリメトキシフラボノイド及びポリメトキシフラボノイド含有物の溶解性が損なわれない限り、ポリメトキシフラボノイド及びポリメトキシフラボノイド含有物並びに可溶化剤に加えて、種々の成分を含有することができる。このような成分としては、例えば、水;緩衝成分;化粧品、医薬部外品及び医薬品に用いられている添加物などが挙げられるが特に限定さない。
本発明の組成物は、例えば、本発明の製造方法によって製造され得る。本発明の製造方法は、ポリメトキシフラボノイド又はポリメトキシフラボノイド含有物と可溶化剤とを混合することにより、ポリメトキシフラボノイド溶解組成物を得る工程を含む、ポリメトキシフラボノイド溶解組成物の製造方法である。
ポリメトキシフラボノイド又はポリメトキシフラボノイド含有物の使用量は、上記したとおりの本発明の組成物におけるポリメトキシフラボノイド及びポリメトキシフラボノイド含有物の濃度となるように設定できる。具体的には、後述する実施例や図1を参照して、溶解温度及び可溶化剤の種類に基づいて設定すればよい。
可溶化剤の使用量は特に限定されず、例えば、最終濃度が50vol%以上、好ましくは70vol%以上、より好ましくは80vol%以上、さらに好ましくは90vol%以上、なおさらに好ましくは95vol%以上、特に好ましくは100vol%となるように設定することができる。
ポリメトキシフラボノイド又はポリメトキシフラボノイド含有物と可溶化剤との混合方法は特に限定されず、例えば、可溶化剤を入れた容器にポリメトキシフラボノイド又はポリメトキシフラボノイド含有物を加え、15〜60℃、好ましくは24〜40℃にて、数分間〜数時間かけて、ポリメトキシフラボノイド又はポリメトキシフラボノイド含有物が十分に分散又は溶解したことを確認するまで攪拌することにより混合することができる。
本発明の製造方法では、本発明の目的を達成し得る限り、上記した工程以外にも種々の工程を工程の前段、途中、後段などに加入することができる。
本発明の組成物である、及び本発明の製造方法によって得られるポリメトキシフラボノイド溶解組成物は、それ自体単独で、又はその他の成分とともに経口用組成物又は非経口用組成物、具体的には化粧品、医薬部外品、医薬品用組成物などの形態を採り得る。また、ポリメトキシフラボノイド溶解組成物は、そのまま液状物として用いることもできるが、さらに必要に応じて常法により精製してもよく、さらにまた凍結乾燥などの手段により乾燥させた粉末状のものとしてもよい。ポリメトキシフラボノイド溶解組成物は、使用時に水などで希釈して用いても良い。本発明の別の態様は、このようなポリメトキシフラボノイド溶解組成物を含有する化粧品、医薬部外品及び医薬品用組成物であり、この中で好ましい態様はポリメトキシフラボノイド溶解組成物を含有する化粧品用組成物である。
本発明の化粧品用組成物に使用されるその他の成分としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、収斂剤、殺菌剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料などが挙げられる。
本発明の化粧品用組成物の形態は特に限定されないが、例えば、ローション剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤などの種々の形態が挙げられ、具体的には化粧水、化粧クリーム、乳液、クリーム、パック、ヘアトニック、ヘアクリーム、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、洗顔剤、ファンデーション、育毛剤、水性軟膏、スプレーなどが挙げられる。
本発明の化粧品用組成物に含まれるポリメトキシフラボノイドの量は、ノビレチン及びタンゲレチンによる所望の効果を発揮し得る程度の量に設定すれば良い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
シークヮーサーから抽出されたポリメトキシフラボノイドであるノビレチン(メトキシ基が6個)、及びタンゲレチン(メトキシ基が5個)はそれぞれメトキシ基を有する。このメトキシ基は水素結合受容能がほとんどないことから、ノビレチン及びタンゲレチンは疎水性であり、基本的に水に不溶である。そこで、ノビレチン及びタンゲレチンを可溶化させる可溶化剤について下記のとおりに試験した。
シークヮーサーから抽出した、ノビレチンが60wt%、タンゲレチンが35wt%及びその他のポリメトキシフラボノイドが5wt%であるノビレチン及びタンゲレチン含有物 0.01gと可溶化剤 10mlとを、室温で撹拌することにより混合した。可溶化剤は、化粧品原料として使用されるポリオール類、オイル、水素添加脂肪酸エステル、アミノ酸系界面活性剤などを用いた。混合物の溶解性を、沈殿の有無を目視で確認することにより、以下の表1のとおりに6段階で評価した。なお、陰性対照として蒸留水を用いてノビレチン及びタンゲレチン含有物を溶解しようとしたところ、ほとんど溶けなかった(スコア値:6)。
混合物の溶解性の評価結果を表2に示す。
表2に示すとおり、ノビレチン及びタンゲレチン含有物の沈殿がほとんど見られなかった、スコアが3以上である可溶化剤は、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、コハク酸ジエトキシエチル、PEG−20水添ヒマシ油、ポリソルベート20、イソステアリン酸PEG−20グリセリルGWIS−120、テトラオレイン酸ソルベス−30及びPEG−8−(カプリル/カプリン酸)グリセリルの計8種あった。
このうち、コハク酸ジエトキシエチル、ジプロピレングリコール、PEG−20水添ヒマシ油及びポリソルベート20について、ノビレチン及びタンゲレチン含有物の最大溶解量についてさらに検討した。その結果を図1に示す。
図1に示すとおり、コハク酸ジエトキシエチルを可溶化剤として用いた場合、ノビレチン及びタンゲレチン含有物を常温下では最大8w/v%(ノビレチン 4.8w/v%;タンゲレチン 2.8wt%)、加温下では最大9w/v%(ノビレチン 5.4wt%;タンゲレチン 3.2wt%)まで溶解することができた。また、溶解液を15℃にまで下げた場合でも、析出物が見られず、安定して透明性を維持した。
同様に、ジプロピレングリコールを可溶化剤として用いた場合、ノビレチン及びタンゲレチン含有物を常温下では最大7w/v%(ノビレチン 4.2w/v%;タンゲレチン 2.5w/v%)、加温下では最大8w/v%まで溶解することができた。しかし、溶解液を15℃にまで下げた場合、析出が見られ、ペースト状物が見られた。ただし、さらに加温した場合に、この析出物は完全に溶解した。
さらに、PEG−20水添ヒマシ油及びポリソルベート20を可溶化剤として用いた場合、ノビレチン及びタンゲレチン含有物を常温下及び加温下で2w/v%(ノビレチン 1.2w/v%;タンゲレチン 0.7w/v%)まで溶解することができた。ただし、これらの可溶化剤は粘度が高いことから2w/v%まで溶解することができなかったが、粘度を制御できればさらに溶解し得ると考えられる。
以上のとおり、コハク酸ジエトキシエチル、ジプロピレングリコール、PEG−20水添ヒマシ油及びポリソルベート20を可溶化剤として用いた場合、少なくとも2w/v%のノビレチン及びタンゲレチン含有物を溶解することができ、最大では9w/v%のノビレチン及びタンゲレチン含有物を溶解することができた。
本発明の組成物及び本発明の製造方法により得られる組成物は、化粧品、医薬部外品、医薬品などへの適用が期待できる汎用性の高いポリメトキシフラボノイド溶解組成物である。


Claims (4)

  1. ノビレチン及びタンゲレチンからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリメトキシフラボノイド又は該ポリメトキシフラボノイド含有物と
    コハク酸ジエトキシエチル、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の可溶化剤とを含
    グリセリンを含まず、かつ、
    該ポリメトキシフラボノイドの濃度が2w/v%以上である、
    ポリメトキシフラボノイド溶解組成物。
  2. 前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がPEG−20水添ヒマシ油である、請求項1に記載のポリメトキシフラボノイド溶解組成物。
  3. 前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類がポリソルベート20である、請求項1又は2に記載のポリメトキシフラボノイド溶解組成物。
  4. グリセリンを添加せずに、
    ノビレチン及びタンゲレチンからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリメトキシフラボノイド又は該ポリメトキシフラボノイド含有物と
    コハク酸ジエトキシエチル、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の可溶化剤と
    を混合することにより、該ポリメトキシフラボノイドの濃度が2w/v%以上であるポリメトキシフラボノイド溶解組成物を得る工程を含む、ポリメトキシフラボノイド溶解組成物の製造方法。
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