JP6415870B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属植物の抽出物と、特定の植物抽出物を併用してなる皮膚外用剤に関する。
ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属植物の抽出物が、老化防止効果、抗酸化効果などを発揮し、皮膚外用剤に配合することが知られている(特許文献1、特開2003−292418号公報)。
また、植物抽出物を併用して皮膚外用剤に配合することも数多く検討されている。しかしながら、植物抽出物は単に併用すれば効果が相乗的に向上するものではなく、相加的に効果が向上するもの、効果を相殺するものなど、その併用による効果は、予測不可能な効果であり、より少量で、より高い効果の得られる植物抽出物の併用に関するニーズは非常に高い。
特開2003−292418号公報
本発明は、ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属植物の抽出物と、特定の植物抽出物を併用することにより、表皮ターンオーバーの改善、表皮バリア機能改善、抗酸化などの効果が相乗的に向上し、高い保湿効果、老化防止効果が得られる皮膚外用剤を提供することを課題とする。
本発明は、ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属(LycopodiumL.)に属する植物の抽出物と、
エーデルワイス抽出物、ヨモギ属植物抽出物、オオウメガサソウ抽出物、オリーブ抽出物、ホホバ抽出物、ゴレンシ抽出物、チョウジ抽出物、カミツレ抽出物、カロット抽出物、ヒナギク抽出物から選択される1種または2種以上の抽出物を含有する皮膚外用剤を提供する。
本発明の皮膚外用剤は、ヒカゲノカズラ属植物抽出物と特定の植物抽出物を併用して配合することにより、表皮ターンオーバーの改善、表皮バリア機能改善、抗酸化などの効果が相乗的に向上し、高い保湿効果、老化防止効果を発揮する。
図1は、ヒカゲノカズラ抽出物とエーデルワイス抽出物を併用することにより、ターンオーバー改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図2は、ヒカゲノカズラ抽出物とエーデルワイス抽出物を併用することにより、ターンオーバー改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図3は、ヒカゲノカズラ抽出物とエーデルワイス抽出物を併用することにより、ターンオーバー及び表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図4は、ヒカゲノカズラ抽出物とエーデルワイス抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図5は、ヒカゲノカズラ抽出物とエーデルワイス抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図6は、ヒカゲノカズラ抽出物とエーデルワイス抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図7は、ヒカゲノカズラ抽出物とエーデルワイス抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善及び抗酸化に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図8は、ヒカゲノカズラ抽出物とオオウメガサソウ抽出物を併用することにより、ターンオーバー改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図9は、ヒカゲノカズラ抽出物とオオウメガサソウ抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図10は、ヒカゲノカズラ抽出物とオオウメガサソウ抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図11は、ヒカゲノカズラ抽出物とオオウメガサソウ抽出物を併用することにより、表皮バリア機能に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上すること、肌荒れを発生させる遺伝子の発現が相乗的に減少することを示す図である。 図12は、ヒカゲノカズラ抽出物とヤマヨモギ抽出物を併用することにより、ターンオーバー改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図13は、ヒカゲノカズラ抽出物とヤマヨモギ抽出物を併用することにより、ターンオーバー改善及び表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図14は、ヒカゲノカズラ抽出物とヤマヨモギ抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図15は、ヒカゲノカズラ抽出物とヤマヨモギ抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図16は、ヒカゲノカズラ抽出物とヤマヨモギ抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善及び抗酸化に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図17は、ヒカゲノカズラ抽出物とヤマヨモギ抽出物を併用することにより、肌荒れを発生させる遺伝子の発現が相乗的に減少することを示す図である。 図18は、ヒカゲノカズラ抽出物とオリーブ抽出物を併用することにより、ターンオーバー改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図19は、ヒカゲノカズラ抽出物とオリーブ抽出物を併用することにより、ターンオーバー改善及び表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図20は、ヒカゲノカズラ抽出物とオリーブ抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図21は、ヒカゲノカズラ抽出物とオリーブ抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図22は、ヒカゲノカズラ抽出物とオリーブ抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図23は、ヒカゲノカズラ抽出物とオリーブ抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善及び抗酸化に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図24は、ヒカゲノカズラ抽出物とホホバ抽出物を併用することにより、ターンオーバー改善及び表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。 図25は、ヒカゲノカズラ抽出物とホホバ抽出物を併用することにより、表皮バリア機能改善に関連する遺伝子の発現が相乗的に向上することを示す図である。
以下本発明を実施するための形態を説明する。
本発明の皮膚外用剤に配合する、ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属(LycopodiumL.)に属する植物としては、ミズスギ(L. cernuum L.)、ヒカゲノカズラ(L. clavatum L.)、ナンカクラン(L. fordii Bak.)、マンネンスギ(L. obscurum L.)、トウゲシバ(L. serratum Thunb.)等、ヒモラン(L. sieboldii Miq.)等が好適に用いられるが、これらの種に限定するものではないが、原料の供給の安定性からヒカゲノカズラを用いることが好ましい
本発明にかかる抽出物は、ヒカゲノカズラ属の植物の胞子、胞子嚢穂、葉、茎、根等の何れの部分を用いて抽出しても良く、さらにはその全草を用いて抽出しても良い。本発明においてはカゲノカズラ属植物の全草を用いることが好ましい。
本発明において使用する上記ヒカゲノカズラ属植物抽出物を調製する方法について以下に述べるが、これらの抽出溶媒および抽出方法に限定されるものではない。抽出溶媒としては、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−オクチルアルコールなどのアルコール類、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等の多価アルコール又はその誘導体、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−プロピルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル等のエーテル類などの極性溶媒から選択される1種又は2種以上の混合溶媒が好適に使用でき、また、リン酸緩衝生理食塩水を用いることができる。或いは、石油エーテル、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−ブタン、n−オクタン、シクロヘキサン、スクワラン等の炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、ベンゼン、トルエンなどの低極性もしくは無極性溶媒から選択される1種又は2種以上の混合溶媒も好適に使用することもできる。さらには、水や二酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタノール、メタノール、アンモニアなどの1種または2種以上の超臨界流体や亜臨界流体も用いることもできる。
抽出方法としては、常圧、若しくは加圧,減圧下で、室温、冷却又は加熱した状態で含浸させて抽出する方法、水蒸気蒸留などの蒸留法を用いて抽出する方法、ヒカゲノカズラ属植物を圧搾して抽出物を得る圧搾法などが例示され、これらの方法を単独で、又は2種以上を組み合わせて抽出を行うこともできる。
このようにして得られたヒカゲノカズラ属植物抽出物は、抽出物をそのまま用いることもできるが、その効果を失わない範囲で、脱臭、脱色、濃縮などの精製操作を加えたり、さらにはカラムクロマトグラフィーなどを用いて分画物として用いてもよい。これらの抽出物や、その精製物、分画物は、これらから溶媒を除去することによって乾固物とすることもでき、さらに、アルコールなどの溶媒に可溶化した形態、或いは乳剤の形態で用いることができる。
本発明においては、ヒカゲノカズラ属植物のエタノール水溶液抽出物を用いることが好ましい。
ヒカゲノカズラ属植物抽出物の皮膚外用剤への配合量は、抽出物の溶媒の有無、剤型などにより変動するが概ね0.0001〜1質量%である。
本発明の皮膚外用剤に配合する、エーデルワイス(Leontopodium alpinum)は、キク科ウスユキソウ属に分類される高山植物であり、栽培されたものを用いる。抽出部位は皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されないが、エーデルワイスの全草、茎、花、葉、根から選択される1種又は2種以上の部位を用いることが好ましく、さらに好ましくは根を除いた全草である。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のヒカゲノカズラ属植物の場合と同様である。好ましい抽出溶媒としてはエタノール水溶液を挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤に配合する、ヨモギ属植物抽出物としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されない。ヨモギ属植物の具体的な種としては、オウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris)、カワラヨモギ(Artemisia capillaris)、ニガヨモギ(Artemisia absinthium)、モウコヨモギ(Artemisia mongolia)、ヤマヨモギ(Artemisia montana)、ヨモギギク(Tanacetum vulgare)などが例示されるが、本発明の効果の点からヤマヨモギを用いることが好ましい。抽出部位は、葉、茎、花、全草、地上部位全草から選択される1種又は2種以上の部位を用いることが好ましく、さらに好ましくは葉である。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のヒカゲノカズラ属植物の場合と同様である。好ましい抽出溶媒としてはエタノール水溶液を挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤に配合するオオウメガサソウ(Chimaphila umbellata)抽出物としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されない。抽出部位はオオウメガサソウの全草、茎、花、葉から選択される1種又は2種以上の部位を用いることが好ましく、さらに好ましくは全草である。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のヒカゲノカズラ属植物の場合と同様である。好ましい抽出溶媒としてはエタノール水溶液を挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤に配合するオリーブ(Olea europaea)抽出物としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されない。抽出部位はオリーブの葉、花、実から選択される1種又は2種以上の部位を用いることが好ましく、さらに好ましくは葉である。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のヒカゲノカズラ属植物の場合と同様である。好ましい抽出溶媒としてはエタノール水溶液を挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤に配合するホホバ(Simmondsia chinensis)抽出物としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されない。抽出部位はホホバの葉、花、実から選択される1種又は2種以上の部位を用いることが好ましく、さらに好ましくは葉である。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のヒカゲノカズラ属植物の場合と同様である。好ましい抽出溶媒としてはエタノール水溶液を挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤に配合する、ゴレンシ(Averrhoa carambola)抽出物としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されない。抽出部位はゴレンシの葉、花、果実から選択される1種又は2種以上の部位を用いることが好ましく、さらに好ましくは葉である。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のヒカゲノカズラ属植物の場合と同様である。好ましい抽出溶媒としてはエタノール水溶液を挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤に配合する、チョウジ(Eugenia caryophyllus,Syzygium aromaticum)抽出物としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されない。抽出部位はチョウジのつぼみを用いることが好ましい。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のヒカゲノカズラ属植物の場合と同様である。好ましい抽出溶媒としてはエタノール水溶液を挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤に配合する、カミツレ(Chamomilla Recutita)抽出物としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されない。抽出部位はカミツレの葉、茎、花から選択される1種又は2種以上の部位を用いることが好ましく、さらに好ましくは葉及び/又は花である。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のヒカゲノカズラ属植物の場合と同様である。好ましい抽出溶媒としてはエタノール水溶液を挙げることができる
本発明の皮膚外用剤に配合する、カロット(Daucus carota var. sativa)抽出物としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されない。抽出部位はカロットの根を用いることが好ましい。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のヒカゲノカズラ属植物の場合と同様である。好ましい抽出溶媒としては1,3−ブチレングリコール水溶液,1,2−ペンタンジオール水溶液、プロピレングリコール水溶液、エタノール水溶液、水から選択される1種又は2種以上を用いることができ、さらには、1,3−ブチレングリコール水溶液を用いることが最も好ましい。
本発明の皮膚外用剤に配合する、ヒナギク(Bellis perennis)抽出物としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されない。抽出部位はヒナギクの全草、葉、茎、花、実から選択される1種又は2種以上の部位を用いることが好ましく、さらに好ましくは花である。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のヒカゲノカズラ属植物の場合と同様である。好ましい抽出溶媒としては水、エタノール水溶液、1,3−ブチレングリコール水溶液,1,2−ペンタンジオール水溶液、プロピレングリコール水溶液から選択される1種又は2種以上を用いることができ、さらには、水抽出物を用いることが最も好ましい。
本発明の皮膚外用剤には上述の必須成分の他に、必要に応じて通常皮膚外用剤に配合される、水性成分、油性成分、保湿剤、色素、界面活性剤、紫外線吸収剤、増粘剤、美容成分、香料、高分子物質、防菌防微剤、アルコール類、粉体、スクラブ剤、生体由来成分等を適宜配合することができる。
本発明の皮膚外用剤は、例えば、ローション剤、乳剤、軟膏の剤型で用いることができる。また、本発明の皮膚外用剤は、製造方法を問わない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのない限り質量%である。
まず、使用した各植物の抽出物の調製例を示す。
[シンキンソウ抽出物]
シンキンソウの全草を乾燥後細切し、20質量倍量の50質量%エタノール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去した。得られた抽出物を50質量%エタノール水溶液に溶解後熟成し、再度ろ過したものを、シンキンソウ抽出物とした。
[エーデルワイス抽出物]
エーデルワイスの地上部部位全草を乾燥後細切し、10質量倍量の50質量%エタノール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去した。得られた抽出物をグリセリン、エタノール水溶液に溶解後熟成し、再度ろ過したものをエーデルワイス抽出物とした。
[ヤマヨモギ抽出物]
ヤマヨモギの葉を乾燥後細切し、10質量倍量の50質量%エタノール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去した。得られた抽出物を50質量%1,3−ブチレングリコール水溶液に溶解後熟成し、再度ろ過したものをヤマヨモギ抽出物とした。
[オオウメガサソウ抽出物]
オオウメガサソウの葉を乾燥後細切し、10質量倍量の50質量%エタノール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去した。得られた抽出物を50質量%1,3−ブチレングリコール水溶液に溶解後熟成し、再度ろ過したものをオオウメガサソウ抽出物とした。
[オリーブ抽出物]
オリーブの葉を乾燥後細切し、10質量倍量の50質量%エタノール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去した。得られた抽出物を50質量%1,3−ブチレングリコール水溶液に溶解後熟成し、再度ろ過したものをオリーブ抽出物とした。
[ホホバ抽出物]
ホホバの葉を乾燥後細切し、10質量倍量の50質量%エタノール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去した。得られた抽出物を50質量%1,3−ブチレングリコール水溶液に溶解後熟成し、再度ろ過したものをホホバ抽出物とした。
[ゴレンシ抽出物]
ゴレンシの葉を乾燥後細切し、10質量倍量の80質量%エタノール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去した。得られた抽出物を30質量%1,3−ブチレングリコール水溶液に溶解後熟成し、再度ろ過したものをゴレンシ抽出物とした。
[チョウジ抽出物]
チョウジのつぼみを乾燥後細切し、10質量倍量の50質量%エタノール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去した。得られた抽出物を50質量%エタノール水溶液に溶解後熟成し、再度ろ過したものをチョウジ抽出物とした。
[カミツレ抽出物]
カミツレの花を乾燥後細切し、10質量倍量の50質量%1,3−ブチレングリコール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去した。得られた抽出物を50質量%1,3−ブチレングリコール水溶液に溶解後熟成し、再度ろ過したものをカミツレ抽出物とした。
[カロット抽出物]
ニンジンの根を洗浄後ペースト状とし、熟成後20質量%1,3−ブチレングリコール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、再度熟成後、ろ過したものをカロット抽出物とした。
[ヒナギク抽出物]
ヒナギクの花を乾燥後細切し、水に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去した。得られた抽出物を水に溶解後熟成し、再度ろ過したものをヒナギク抽出物とした。
[実施例1]クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)精製水 全量を100とする量
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(12)ヒカゲノカズラ抽出物 0.5
(13)表1に示す抽出物 0.5
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、(11)を加え、冷却を開始し、40℃にて(12)、(13)を加え、均一に混合する。
[比較例1]クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)精製水 全量を100とする量
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(12)表1に示す抽出物 1.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、(11)を加え、冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
[保湿性評価]
男女パネラー15名を一群として表1に示した実施例及び、対応する比較例をブラインドにて同時に使用させ、30分後の保湿効果が高く感じるほうを回答させた。実施例のほうが比較例より高い保湿効果を感じる場合を「+1」、同程度である「±0」、比較例のほうが実施例より高い保湿効果を感じる場合を「−1」として、それぞれの評価点の和を算出した。◎:15〜8点、○:7〜0点、×:−1点以下として、結果を表1に示した。
Figure 0006415870
本発明の実施例のクリームは、ヒカゲノカズラ抽出物と特定の植物抽出物を併用して配合することにより、特定の植物抽出物を単独で配合した比較例のクリームより、非常に高い保湿効果を発揮するものであった。
[実施例2]乳液
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 全量を100とする量
(11)アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
(12)ヒカゲノカズラ抽出物 0.3
(13)表2に示す抽出物 0.3
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、冷却を開始し、(11)〜(13)を順次加え、均一に混合する。
Figure 0006415870
[実施例3]化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 全量を100とする量
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)ヒカゲノカズラ抽出物 0.3
(10)表2に示す抽出物 0.3
製法:(1)に(2)及び(3)を溶解する。溶解後、(4)〜(8)を順次添加した後、十分に攪拌し、(9)、(10)を加え、均一に混合する。
[実施例4]美容液
(1)精製水 全量を100とする量
(2)グリセリン 10.0(質量%)
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(8)N-ラウロイル-L-グルタミン酸
ジ(フィトステリル−2−オクチルドデシル) 2.0
(9)硬化パーム油 2.0
(10)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(11)ベヘニルアルコール 0.75
(12)ミツロウ 1.0
(13)ホホバ油 1.0
(14)1、3−ブチレングリコール 10.0
(15)L−アルギニン(10質量%水溶液) 2.0
(16)ヒカゲノカズラ抽出物 0.2
(17)エーデルワイス抽出物 0.2
(18)オオウメガサソウ抽出物 0.2
(19)ヤマヨモギ抽出物 0.2
(20)ホホバ抽出物 0.2
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、50℃にて(15)を加える。さらに40℃まで冷却し、(16)〜(20)を加え、均一に混合する。
[実施例5]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(質量%)
(2)精製水 全量を100とする量
(3)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(5)ヒカゲノカズラ抽出物 0.3
(6)オオウメガサソウ抽出物 0.3
(7)エタノール 10.0
(8)香料 0.1
(9)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 0.1
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後、(4)〜(9)を加え、均一に攪拌混合する。
[実施例6]クレンジング料
(1)スクワラン 81.0(質量%)
(2)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 15.0
(3)精製水 全量を100とする量
(4)ヒカゲノカズラ抽出物 0.5
(5)オリーブ抽出物 0.5
製法:(1)と(2)を均一に溶解する。これに、(3)〜(5)を順次加え、均一に混合する。
[実施例7]洗顔フォーム
(1)ステアリン酸 16.0(質量%)
(2)ミリスチン酸 16.0
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)グリセリン 20.0
(5)水酸化ナトリウム 7.5
(6)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
(7)精製水 全量を100とする量
(8)ヒカゲノカズラ抽出物 0.4
(9)エーデルワイス抽出物 0.4
製法:(1)〜(4)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(5)〜(7)の水相成分を80℃にて加熱溶解し、油相成分と均一に混合撹拌する。冷却を開始し、40℃にて(8)、(9)を加え、均一に混合する。
[実施例8]メイクアップベースクリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)セタノール 2.0
(3)グリセリントリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.5
(4)親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(5)プロピレングリコール 11.0
(6)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(7)精製水 全量を100とする量
(8)酸化チタン 1.0
(9)ベンガラ 0.1
(10)黄酸化鉄 0.4
(11)香料 0.1
(12)ヒカゲノカズラ抽出物 0.2
(13)ヤマヨモギ抽出物 0.1
(14)オリーブ抽出物 0.1
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(8)〜(10)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(11)〜(14)の成分を加え、均一に混合する。
[実施例9]乳液状ファンデーション
(1)メチルポリシロキサン 2.0(質量%)
(2)スクワラン 5.0
(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0
(4)セタノール 1.0
(5)ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 0.7
(7)1、3−ブチレングリコール 8.0
(8)キサンタンガム 0.1
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)精製水 全量を100とする量
(11)酸化チタン 9.0
(12)タルク 7.4
(13)ベンガラ 0.5
(14)黄酸化鉄 1.1
(15)黒酸化鉄 0.1
(16)香料 0.1
(17)ヒカゲノカズラ抽出物 0.2
(18)オオウメガサソウ抽出物 0.1
(19)ヤマヨモギ抽出物 0.1
(20)オリーブ抽出物 0.1
(21)ホホバ抽出物 0.1
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(11)〜(15)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散する。油相成分を加え、乳化を行う。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(16)〜(21)の成分を順次加え、均一に混合する。
[実施例10]油中水型エモリエントクリーム
(1)流動パラフィン 30.0(質量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリンオレイン酸エステル 5.0
(5)塩化ナトリウム 1.3
(6)塩化カリウム 0.1
(7)プロピレングリコール 3.0
(8)1、3−ブチレングリコール 5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)ヒカゲノカズラ抽出物 0.2
(11)チョウジ抽出物 0.1
(12)オリーブ抽出物 0.1
(13)精製水 全量を100とする量
(14)香料 0.1
製法:(5)と(6)を(13)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に撹拌しながら徐々に加える。これを混合した後、70℃にて加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに(7)〜(12)を(13)の残部に70℃にて加熱溶解したものを撹拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(14)を加え、均一に混合する。
[実施例11]パック
(1)精製水 全量を100とする量
(2)ポリビニルアルコール 12.0(質量%)
(3)エタノール 17.0
(4)グリセリン 5.0
(5)ポリエチレングリコール(平均分子量1000) 2.0
(6)ヒカゲノカズラ抽出物 0.2
(7)ホホバ抽出物 0.2
(8)エーデルワイス抽出物 0.2
(9)ヤマヨモギ抽出物 0.2
(10)香料 0.1
製法:(2)と(3)を混合し、80℃に加温した後、80℃に加温した(1)に溶解する。均一に溶解した後、(4)と(5)を加え、攪拌しながら冷却を開始する。40℃まで冷却し、(6)〜(10)を加え、均一に混合する。
[実施例12]入浴剤
(1)香料 0.3(質量%)
(2)ヒカゲノカズラ抽出物 0.2
(3)エーデルワイス抽出物 0.2
(4)炭酸水素ナトリウム 50.0
(5)硫酸ナトリウム 49.3
製法:(1)〜(5)を均一に混合する。
[実施例13]シート状パック
(1)香料 0.1(質量%)
(2)1,3−ブチレングリコール 5.0
(3)グリセリン 5.0
(4)エタノール 3.0
(5)ヒカゲノカズラ抽出物 0.2
(6)オオウメガサソウ抽出物 0.2
(7)精製水 全量を100とする量
製法:(1)〜(7)を均一に混合したのち、不織布性のシートに含浸させる。
[相乗効果の確認]
ヒカゲノカズラ抽出物と特定の植物抽出物を皮膚外用剤に併用して用いることにより、表皮ターンオーバーの改善、表皮バリア機能改善、抗酸化などの効果が相乗的に向上することを、下記の手順で確認した。
ヒト表皮角化細胞を3×105個/ウェルとなるように6ウェルプレートに播種し、5%FBSを含むDMEM培地にて一晩培養した。植物抽出物を溶解した培地に交換し、37℃、5% CO2インキュベーター内で24時間培養した。細胞からのTotal RNA抽出はTrizol reagentを用い、ライフテクノロジーズ社のプロトコールに従って調製した。cDNA合成後に下記表のプライマーを使用してリアルタイムPCRにより遺伝子発現を確認した。内部標準として下記表3のGAPDHを使用した。また、植物抽出物の培地への添加量は、単独の添加で細胞毒性を示さない濃度を単独添加時の添加量とし、併用の場合は、それぞれ単独添加時の添加量の半量とした。
Figure 0006415870
図1〜図25に示した通り、本発明の皮膚外用剤は、ヒカゲノカズラ抽出物と、特定の植物抽出物を併用することにより、表皮ターンオーバーの改善、表皮バリア機能改善、抗酸化などの効果が相乗的に向上し、高い保湿効果、老化防止効果が得られた。

Claims (1)

  1. ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属(LycopodiumL.)に属する植物の抽出物と、
    エーデルワイス抽出物、オオウメガサソウ抽出物、オリーブ抽出物、ゴレンシ抽出物、ヒナギク抽出物から選択される1種または2種以上の抽出物を含有する皮膚外用剤。
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