JP6420809B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技盤を光透過性を有する合成樹脂製基盤で構成した遊技機に関する。
遊技機の遊技盤においては、ベニヤ製基盤が主流であったが、近年、光透過性を有する合成樹脂製基盤が採用される様になってきた(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の遊技機は、ナイロンフィルムからなる透明な表面層の裏側にグラビア印刷によって絵柄を形成すると共にPET製の透明な裏打層を積層した化粧板を、アクリル系の透明成樹脂製基盤の上に接合した遊技盤の裏側に電飾装置を配置し、電飾装置による発光演出を遊技盤を透かして視認させる様にしたものである。
特開平10−179854
特許文献1に記載の遊技機によれば、ベニヤ製遊技盤にはない電飾効果を発揮することができる反面、絵柄による装飾効果が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、遊技盤を光透過性を有する合成樹脂板基盤で構成した遊技機において、絵柄による装飾効果を低下させることなく装飾性を高めることを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の遊技機は、遊技盤を光透過性を有する合成樹脂製基盤で構成し、該合成樹脂製基盤の後方に演出装置を備えると共に、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1A)前記合成樹脂製基盤の裏面側には、絵柄が印刷されると共に裏面全体を裏打材で裏打ちされたベース材を備える化粧板が貼り付けられていること。
(1B)前記ベース材は光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、印刷部と非印刷部とにより、裏面側に前記絵柄が印刷されていること。
(1C)前記裏打材は光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、全体に前方からの光を反射し、後方からの光を透過し得る光反射性が付与されていること。
(1D)前記ベース材と前記裏打材との間には、光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成されたセパレータ層が介在されていること。
(1E)前記演出装置は、少なくとも前記非印刷部の後方で所定の演出を実行する様に設置されていること。
本発明の遊技機においては、「光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、印刷部と非印刷部とにより、裏面側に前記絵柄が印刷されたベース材」と、このベース材の裏面全体を裏打ちする「光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、全体に前方からの光を反射し、後方からの光を透過し得る光反射性が付与された裏打材」との間には、「光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成されたセパレータ層」が介在されている。この結果、ベース材の裏面側が印刷部と非印刷部とによって構成されていても、ベース材と裏打材とが的確に密着される。この様な化粧板を合成樹脂製基盤の裏面側に貼り付けているから、合成樹脂製基盤の表側から見たとき、印刷部によって表現された絵柄は、非印刷部を介して視認される光反射性フィルムによる装飾が施されたものとして視認され、非印刷部の光反射性フィルムによる光の反射によって絵柄を強調することができる。また、合成樹脂製基盤の後方に備える演出装置は、少なくとも非印刷部の後方で所定の演出を実行する様に設置され、裏打材は後方からの光を透過し得る光反射性を付与されたものであるから、非印刷部を介して演出装置の演出を視認させることができる。
ここで、本発明の遊技機は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(2)前記ベース材は、表面全体に粘着剤層を備えたPETフィルムで構成されていること。
かかる構成をも備えることにより、化粧板を合成樹脂製基盤の裏面に容易に張り付けることができる。
また、本発明の遊技機は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(3)前記印刷部は、前記絵柄をオフセット印刷用インキを用いて印刷したオフセット印刷層と、該オフセット印刷層の裏面全体に重なる様にシルク印刷用インキを用いて印刷したシルク印刷層とによって構成されていること。
かかる構成をも備えることにより、オフセット印刷によって印刷した精緻な絵柄を、その裏面全体に印刷したスクリーン印刷層によって際立たせることができる。なお、スクリーン印刷層を印刷するスクリーン印刷用インキとしては「光遮断性を有するインキ、特に、白色不透明インキ」を用いるとよい。
また、本発明の遊技機は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(4)前記セパレータ層は、全体にシリコン処理がなされたPETフィルムによって構成されていること。
かかる構成をも備えることにより、ベース材と裏打材との密着性を高めると共に、釘打ち等によって裏打材に加わる衝撃を和らげることも可能となる。
また、本発明の遊技機は、さらに、以下の(5)〜(7)のいずれか一つの構成をも備えるとよい。
(5)前記裏打材は、PVCフィルムに対して形成したエンボス層によって光を拡散反射させる光拡散フィルムによって構成され、前記セパレータ層が前記エンボス層を覆う様に貼り付けられていること。
(6)前記裏打材は、PETフィルムに対して形成したエンボス層の表面にアルミ蒸着層を重ね合わせたレンズフィルムによって構成され、前記セパレータ層が前記アルミ蒸着層を覆う様に貼り付けられていること。
(7)前記裏打材は、PETフィルムの表面にアルミ蒸着層を重ね合わせたハーフミラーフィルムによって構成され、前記セパレータ層が前記アルミ蒸着層を覆う様に貼り付けられていること。
(5)の構成を備える遊技機は、裏打材のエンボス層が光を拡散反射させ、(6)又は(7)の構成を備える遊技機は、裏打材のアルミ蒸着層が光を反射させる。(6)の構成を備える遊技機においては、さらに、エンボス層によるレンズ効果も加わり、光の反射が特殊な装飾性を発揮する。ここで、「(6A)前記エンボス層は、多数のレンズをマトリクス状に並べたマルチレンズを前記裏打材に備えさせたものとして構成されていること。」という構成をも採用するとよい。(6)の構成を備えた遊技機において(6A)の構成をも備えさせた場合、非印刷部において視認される反射光が、多数の鱗片状に輝く様な印象を与えることができる。また、「(8)前記非印刷部は、前記遊技盤に開口されたセンター飾り取付用開口の周囲の少なくとも一部を取り囲むと共に、該遊技盤に取り付けられる釘(障害釘・誘導釘)・風車・盤面役物等の盤面取付部材の取付範囲の少なくとも一部に重なる様に配置されていること。」とするとよい。かかる構成を採用した場合、非印刷部の前方で遊技球が転動したり、風車が回転することとなり、非印刷部に生じる反射光により、これまでにない遊技球転動状態や風車回転状態を演出することができる。特に、(6)又は(7)の構成を備える遊技機では、合成樹脂製基盤の前面側における遊技球や風車の動きがアルミ蒸着層に反射された鏡像としても視認させ得る。このとき、アルミ蒸着層は、合成樹脂製基盤の裏面側に位置しているから、合成樹脂製基盤の厚さにより、鏡像として視認させる遊技球の動き等があたかも合成樹脂製基盤の中で生じている様な印象を与えることができる。また、盤面取付部材が発光体を内蔵した役物であれば、当該役物において実行される発光演出の光が反射フィルムで反射されて非印刷部を介して視認され、役物における発光演出についても、今までにない斬新な印象を与えることも可能となる。また、「(9)前記演出装置が発光演出を実行する発光演出装置であること。」という構成をも採用するとよい。この場合、(6)及び(6B)の構成と組み合わせるなら、レンズ効果による斬新な発光演出が可能となる。また、「(10)前記演出装置が可動体演出を実行する可動体演出装置であって、前記合成樹脂製基盤の後方には、前記可動体演出装置が前記非印刷部の後方で前記所定の演出を実行する際に、前記合成樹脂製基盤の後方を照明する照明装置を備えさせること。」とすれば、可動体演出であっても、非印刷部を透かした状態で視認させることができる。このとき、ハーフミラーフィルム以外の光反射性を有する裏打材を備える遊技機にあっては、可動体演出の見え方に対してさらなる装飾性を付与することができる。
本発明によれば、遊技盤を光透過性を有する合成樹脂板基盤で構成した遊技機において、絵柄による装飾効果を低下させることなく装飾性を高めることができる。
実施例1を示し、(A)はパチンコ機の正面図、(B)はパチンコ機の右側面図、(C)は遊技盤の正面図である。 実施例1を示し、(A)は裏ユニットの正面図、(B)は遊技盤及び裏ユニットの断面図、(C)は要部拡大断面図である。 実施例1を示し、(A)は遊技盤の正面図、(B)は遊技盤の分解斜視図である。 具体例1を示し、(A)は化粧板の正面図、(B)は遊技盤の層構造を示す模式図である。 具体例1を示し、(A)は遊技盤の正面図、(B)は遊技盤において拡散反射される様子を示す正面図である。 具体例2を示し、(A)は化粧板の正面図、(B)は遊技盤の層構造を示す模式図である。 具体例2を示し、(A)は遊技盤の正面図、(B)は遊技盤において発光演出が透過される様子を示す一部拡大図を併記した正面図である。 具体例3を示し、(A)は化粧板の正面図、(B)は遊技盤の層構造を示す模式図である。 具体例3を示し、一部拡大図を併記した遊技盤の正面図である。 具体例3を示し、(A)は遊技盤の正面図、(B)は遊技盤において発光演出が透過される様子を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態として、具体的な実施例を図面に基づき詳細に説明する。
[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機Pは、図1(A),(B)に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤C、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤Cは、中枠Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは、施錠装置Hの操作によって、左端のヒンジを中心に開閉可能となる様に、中枠Bの前面側に組み付けられる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿である。なお、前枠Dは、前枠上部と前枠下部が一体となっているものに限らず、前枠上部だけを独立して開閉する状態と、前枠上部及び前枠下部を共に開閉する状態とを施錠装置Hに対する鍵の操作で切り換える構成としておいてもよい。また、下の球受け皿Fは、開閉可能な前枠Dにではなく中枠Bの下部に固定した構成としてもよい。発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置であって、中枠Bの右下部に装備される。
[2 遊技盤の構成]
遊技盤Cは、透明合成樹脂製の板材によって形成され図1(C)に示す様に、釘(障害釘・誘導釘)11や風車12が植設された遊技領域10の中央にセンター役物30が取り付けられ、センター役物30の中央直下に始動入賞装置7が備えられている。また、この始動入賞装置7の右斜め下方に大入賞口15が設置され、センター役物30の右側には大入賞口15の開放時に右側から遊技球を入賞させるための右打ち通路20が備えられた構成となっている。遊技盤Cには、この他、誘導レール17、普通入賞口18、アウト口19等も設置されている。
センター役物30は、大型装飾体31、ステージ32、ワープ通路33を備えるリング状を呈し、左上部分には障害釘に代わる障害ブロック34が設けられている。また、センター役物30には、右打ち通路20に侵入した遊技球を受け入れる入口35aを備えた右側トンネル35も組み付けられている。この右側トンネル35の出口35bの真下に位置する様にゲート37が設けられている。また、センター役物30の右側下方には、第2始動入賞装置27も設置されている。この第2始動入賞装置27は、ゲート37を遊技球が通過したことを契機に実行される普通図柄抽選結果に基づいて開閉動作される電動式チューリップを供えている。本実施例では、風車12やセンター役物30等の役物は、光透過性を有する合成樹脂成形品によって構成されている。
遊技盤Cの裏面には、図1(B),図2(B)に示す様に、液晶表示装置LCDを保持させる裏ユニットC2が取り付けられる。図2(A)〜(C)に示す様に、裏ユニットC2の前面側には、発光演出装置LED01,LED02が備えられると共に、玉排出路41〜43が取り付けられている。また、図示していないが、可動体も、裏ユニットC2の前面側に取り付けられる。また、裏ユニットC2の裏面側に各種制御基板が基板ケースで覆われる様にして取り付けられる。
遊技盤Cは、図2(C),(D),図3に示す様に、光透過性を有する合成樹脂製基盤C1の裏面側に、絵柄DESIGNが印刷された化粧板C3が貼り付けられ、開口部OPN01〜OPN08や、切り欠き部CUT01〜CUT05が所定位置に形成されている。
化粧板C3は、絵柄DESIGNが印刷されたベース材C3aの裏面全体を裏打材C3bで裏打ちされている。ベース材C3aと裏打材C3bとの間にはセパレータ層C3cが介在されている。
ベース材C3aは、光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、印刷部PATETERNと非印刷部BLANKとにより、裏面側に絵柄DESIGNが印刷されている。裏ユニットC2に取り付けられた発光演出装置LED01,LED02は、少なくとも非印刷部BLANKの後方で所定の発光演出を実行する様に設置されている。
裏打材C3bは光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、図2(C)に示す様に、前方からの光LIGHToutsideを反射し、後方からの光LIGHTinsideを透過し得る光反射性が全体に付与されている。
セパレータ層C3cも、光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成されている。
[3 基本的な作用・効果]
本実施例のパチンコ機Pにおいては、「光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、印刷部PATTERNと非印刷部BLANKとにより、裏面側に絵柄DESIGNが印刷されたベース材C3a」と、このベース材C3aの裏面全体を裏打ちする「光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、全体に前方からの光を反射し、後方からの光を透過し得る光反射性が付与された裏打材C3b」との間には、「光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成されたセパレータ層C3c」が介在されている。この結果、ベース材C3aの裏面側が印刷部PATTERNと非印刷部BLANKとによって構成されていても、ベース材C3aと裏打材C3bとが的確に密着される。この様な化粧板C3を合成樹脂製基盤C1の裏面側に貼り付けているから、合成樹脂製基盤C1の表側から見たとき、印刷部PATTERNによって表現された絵柄DESIGNは、非印刷部BLANKを介して視認される光反射性フィルム(裏打ち材C3b)による装飾が施されたものとして視認され、非印刷部BLANKの光反射性フィルム(裏打ち材C3b)による光の反射によって絵柄DESIGNを強調することができる。また、合成樹脂製基盤C1の後方に備える発光演出装置LED01,LED02は、少なくとも非印刷部BLANKの後方で所定の発光演出を実行する様に設置され、裏打材C3bは後方からの光LIGHTinsideを透過し得る光反射性を付与されたものであるから、非印刷部BLANKを介して発光演出装置LED01,LED02の発光演出を視認させることができる。
[4 化粧板の具体例と作用・効果]
以下、化粧板C3の具体例を説明する。
[4.1 具体例1]
[4.1.1 層構造]
具体例1を、図4,図5に基づいて説明する。具体例1は、図4(A)に示す様に、絵柄DESIGNが印刷されたベース材C3a1の裏面全体を、エンボス層によって光拡散性を付与した裏打材C3b1で裏打ちした化粧板C3−1を用いたものである。
この化粧板C3−1は、図4(B)に示す様に、透明アクリル板で構成された合成樹脂製基盤C1−1の裏面側に貼り付けられる。化粧板C3−1は、合成樹脂製基盤C1−1側から、ベース材C3a1、セパレータ層C3c1、裏打ち材C3b1の順に積層された構成となっている。
[4.1.2 ベース材]
より具体的には、ベース材C3a1は、表面側から、粘着剤付きベース材、オフセット印刷層、シルク印刷層となっている。
粘着剤付きベース材は、厚さ25μ±2μの透明なPETフィルムの表面にアクリル系粘着剤による厚さ70μ±10%の粘着層を形成したものである。粘着剤としては、日本タック工業株式会社製のアクリル・酢酸ビニル共重合体系粘着剤、製品名「NTA−001」を用いた。
オフセット印刷層は、アクリル系化合物からなるオフセット印刷用インキを用いて、厚さ12μ±2μとなる様にオフセット印刷によって形成されている。シルク印刷層は、ウレタン系化合物からなるシルク印刷用インキを用いて、厚さ20μ±2μとなる様にスクリーン印刷によって形成されている。シルク印刷層は、オフセット印刷層の裏面全体に重なる様に印刷されている。
オフセット印刷用インキは、絵柄PATTERNに合わせて種々の色のものを用いる。一方、シルク印刷用インキは、白色のものを用いる。シルク印刷用インキとして白色を用いるのは、オフセット印刷によって形成した絵柄PATTERNの色を際立たせることができるからである。
[4.1.3 裏打ち材]
裏打ち材C3b1は、表面側から、粘着剤層、エンボス層、透明フィルム層となっている。
粘着剤層は、厚さ18μ±3μとし、ベース材と同じく日本タック工業株式会社製のアクリル・酢酸ビニル共重合体系粘着剤、製品名「NTA−001」を用いた。
透明フィルム層には厚さ50μのPVCフィルムを用い、その表面に約1μのエンボス層を形成した。具体的には、Spectratek Technology,Inc製のアクリルコーティング二軸延伸ポリエステルフィルム、製品名「#11738−67−1」を用いてエンボス加工を施して図4(B)に示す様な拡散模様を備えた光拡散フィルムを製造した。
[4.1.4 セパレータ層]
ベース材C3a1と裏打ち材C3b1の間には、厚さ50μのセパレータ層C3c1を介在させた。具体的には、リンテック株式会社製の剥離コートフィルム、製品名「PET50SP」、成分:ポリエチレンテレフタレート、シリコーンを用いた。
なお、アクリル板C1−1に貼り付ける前の化粧板C3−1の状態では、表面及び裏面に、弱粘着性を有する保護フィルムC3d1(PVCフィルム、厚さ50μ)を貼り付けて、化粧板の表面及び裏面を保護している。
[4.1.5 遊技盤]
具体例1の化粧板C3−1を、表面の保護フィルムC3d1を剥がしてアクリル板C1−1の裏面に貼り付けた後、図5(A)に示す様に、ルーター加工により、開口部や、切り欠き部を所定位置に形成して遊技盤C−1とする。この後、釘(障害釘・誘導釘)、風車、センター役物、始動入賞装置等の盤面取付部材を取り付ける。
具体例1の遊技盤C−1は、裏打材C3−1の光拡散フィルムが光を拡散反射させ、図5(B)に示す様に、遊技機の周囲の光を「チカ、チカ」と拡散反射して、絵柄PATTERNの周囲を明るくするなど、特殊な装飾性を発揮することができる。
[4.2 具体例2]
[4.2.1 層構造]
具体例2を、図6,図7に基づいて説明する。具体例2は、図6(A)に示す様に、絵柄DESIGNが印刷されたベース材3a2の裏面全体を、レンズ付きフィルムによって光反射性を付与した裏打材C3b2で裏打ちした化粧板C3−2を用いたものである。
この化粧板C3−2は、図6(B)に示す様に、透明アクリル板で構成された合成樹脂製基盤C1−2の裏面側に貼り付けられる。化粧板C3−2は、合成樹脂製基盤C1−2側から、ベース材C3a2、セパレータ層C3c2、裏打ち材C3b2の順に積層された構成となっている。なお、ベース材C3a2、セパレータ層C3b2、及び保護フィルムC3d2は、具体例1と同様なので、説明は省略する。
[4.2.2 裏打ち材]
裏打ち材C3b2は、表面側から、粘着剤層、アルミ蒸着層、エンボス層、透明フィルム層となっている。
粘着剤層は、厚さ18μ±3μとし、日本タック工業株式会社製のアクリル・酢酸ビニル共重合体系粘着剤、製品名「NTA−001」を用いた。
アルミ蒸着層、エンボス層、及び透明フィルム層からなるレンズフィルムとしては、厚さ25μのPETフィルムの表面に、Wavefront Technology,Inc製の紫外線硬化樹脂、製品名「P1−Fast UV Curing Coating」をコーティングして厚さ約8μの紫外線硬化樹脂膜を形成し、紫外線透過性ローラーによってレンズアレイを形成しつつ硬化させた後に、膜厚380オングストロームのアルミ蒸着層を形成したものである。これにより、図6(B)に示す様なマルチレンズアレイを備えたレンズフィルムを製造している。
[4.2.3 遊技盤]
具体例2の化粧板C3−2を、表面の保護フィルムを剥がしてアクリル板C1−2の裏面に貼り付けた後、図7(A)に示す様に、ルーター加工により、開口部や、切り欠き部を所定位置に形成して遊技盤C−2とする。この後、釘(障害釘・誘導釘)、風車、センター役物、始動入賞装置等の盤面取付部材を取り付ける。
具体例2の遊技盤C−2は、図7(A)に示す様に、裏打材C3−2のレンズフィルムによる反射光が多数の鱗片の様に見え、絵柄PATTERNの見え方に対して特殊な装飾性を発揮することができる。さらに、発光演出装置LED01,LED02による発光演出を行うと、図7(B)に拡大して示す様に、レンズによって集光された光線が印刷部PATTERNをも透過して「ピカ、ピカ」と点滅し、今までにはない、全く新しい装飾性を与えることもできる。
[4.3 具体例3]
[4.3.1 層構造]
具体例3を、図8〜図10に基づいて説明する。具体例3は、図8(A)に示す様に、絵柄DESIGNが印刷されたベース材3a3の裏面全体を、ハーフミラーフィルムによって光反射性を付与した裏打材C3b3で裏打ちした化粧板C3−3を用いたものである。
この化粧板C3−3は、図8(B)に示す様に、透明アクリル板で構成された合成樹脂製基盤C1−3の裏面側に貼り付けられる。化粧板C3−3は、合成樹脂製基盤C1−3側から、ベース材C3a3、セパレータ層C3c3、裏打ち材C3b3の順に積層された構成となっている。なお、ベース材C3a3、セパレータ層C3b3、及び保護フィルムC3d3は、具体例1と同様なので、説明は省略する。
[4.3.2 裏打ち材]
裏打ち材C3b3は、表面側から、粘着剤層、アルミ蒸着層、透明フィルム層となっている。
粘着剤層は、厚さ18μ±3μとし、日本タック工業株式会社製のアクリル・酢酸ビニル共重合体系粘着剤、製品名「NTA−001」を用いた。
アルミ蒸着層、及び透明フィルム層からなるハーフミラーフィルムとしては、厚さ16μのPETフィルムの表面に膜厚180〜220オングストロームのアルミ蒸着層を形成した。具体的には、株式会社コーテック製のアルミ蒸着PET、製品名「16VMPETハーフ」を用いた。
[4.3.3 遊技盤]
具体例3の化粧板C3−3を、表面の保護フィルムを剥がしてアクリル板C1−3の裏面に貼り付けた後、図9に示す様に、ルーター加工により、開口部や、切り欠き部を所定位置に形成して遊技盤C−3とする。この後、釘(障害釘・誘導釘)、風車、センター役物、始動入賞装置等の盤面取付部材を取り付ける。
具体例3の遊技盤C−3は、図9の拡大図に示す様に、裏打材C3−3のハーフミラーフィルムにより、鏡像IMAGEmirrorを反射し、絵柄PATTERNの見え方に対して特殊な装飾性を発揮することができる。図示の様に、非印刷部BLANKが、遊技盤に開口されたセンター飾り取付用開口の周囲の少なくとも一部を取り囲むと共に、遊技盤に取り付けられる障害釘・風車・盤面役物等の盤面取付部材の取付範囲の少なくとも一部に重なる様に配置され、当該非印刷部BLANKの裏面にハーフミラーフィルムが配置されているから、非印刷部BLANKの前方で遊技球が転動したり、風車が回転することとなり、非印刷部BLANKに生じる反射光により、これまでにない遊技球転動状態や風車回転状態を演出することができる。このとき、アクリル板C1−3の厚さにより、鏡像として視認させる釘や風車がアクリル板の中で回転したり遊技球が転動したりする様な印象を与えることができる。
また、図10(A)に示す様に、ハーフミラーに隠れていた発光演出装置LED01の発光演出が、図10(B)に示す様に、ハーフミラーを通して「キラ、キラ」と視認され、単なる発光演出にはない装飾性を与えることもできる。
この様に、本実施例及び具体例によれば、遊技盤を光透過性を有する合成樹脂板基盤で構成した遊技機において、絵柄による装飾効果を低下させることなく装飾性を高めることができる。
以上、発明を実施するための最良の形態としての実施例及び具体例を説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
例えば、盤面取付部材が発光体を内蔵した役物であれば、当該役物において実行される発光演出の光が反射フィルムで反射されて非印刷部を介して視認され、役物における発光演出についても、今までにない斬新な印象を与えることも可能となる。また、可動体役物に発光体を備えさせたり、遊技盤の裏側を照明する照明装置を備えさせ、可動体演出であっても、非印刷部を透かした状態で視認させる様にすることもできる。このとき、ハーフミラーフィルム以外の光反射性を有する裏打材を備える遊技機にあっては、可動体演出の見え方に対してさらなる装飾性を付与することができる。
本発明は遊技機に利用することができる。
A・・・外枠、B・・・中枠、BLANK・・・非印刷部、C・・・遊技盤、C−1,C−2,C−3・・・遊技盤、C1・・・合成樹脂製基盤、C1−1,C1−2,C1−3・・・アクリル板、C2・・・裏ユニット、C3,C3−1,C3−2,C3−3・・・化粧板、C3a,C3a1,C3a2,C3a3・・・ベース材、C3b,C3b1,C3b2,C3b3・・・裏打材、C3c,C3c1,C3c2,C3c3・・・セパレータ層、C3d1,C3d2,C3d3・・・保護フィルム、CUT01〜CUT05・・・切り欠き部、D・・・前枠、DESIGN・・・絵柄、E・・・上の球受け皿、F・・・下の球受け皿、G・・・発射装置、H・・・施錠装置、LCD・・・液晶表示装置、LED01,LED02・・・発光演出装置、LIGHTinside・・・後方からの光、LIGHToutside・・・前方からの光、OPN01〜OPN08・・・開口部、P・・・パチンコ機、PATETERN・・・印刷部。
7・・・始動入賞装置、10・・・遊技領域、11・・・釘、12・・・風車、15・・・大入賞口、17・・・誘導レール、18・・・普通入賞口、19・・・アウト口、20・・・右打ち通路、27・・・第2始動入賞装置、30・・・センター役物、31・・・大型装飾体、32・・・ステージ、33・・・ワープ通路、34・・・障害ブロック、35・・・右側トンネル、37・・・ゲート、41〜43・・・玉排出路。

Claims (3)

  1. 遊技盤を光透過性を有する合成樹脂製基盤で構成し、該合成樹脂製基盤の後方に演出装置を備えると共に、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする遊技機。
    (1A)前記合成樹脂製基盤の裏面側には、絵柄が印刷されると共に裏面全体を裏打材で裏打ちされたベース材を備える化粧板が貼り付けられていること。
    (1B)前記ベース材は光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、印刷部と非印刷部とにより、裏面側に前記絵柄が印刷されていること。
    (1C)前記裏打材は光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、全体に前方からの光を反射し、後方からの光を透過し得る光反射性が付与されていること。
    (1D)前記ベース材と前記裏打材との間には、光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成されたセパレータ層が介在されていること。
    (1E)前記演出装置は、少なくとも前記非印刷部の後方で所定の演出を実行する様に設置されていること
    5)前記裏打材は、PVCフィルムに対して形成したエンボス層によって光を拡散反射させる光拡散フィルムによって構成され、前記セパレータ層が前記エンボス層を覆う様に貼り付けられていること。
  2. 遊技盤を光透過性を有する合成樹脂製基盤で構成し、該合成樹脂製基盤の後方に演出装置を備えると共に、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする遊技機。
    (1A)前記合成樹脂製基盤の裏面側には、絵柄が印刷されると共に裏面全体を裏打材で裏打ちされたベース材を備える化粧板が貼り付けられていること。
    (1B)前記ベース材は光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、印刷部と非印刷部とにより、裏面側に前記絵柄が印刷されていること。
    (1C)前記裏打材は光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、全体に前方からの光を反射し、後方からの光を透過し得る光反射性が付与されていること。
    (1D)前記ベース材と前記裏打材との間には、光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成されたセパレータ層が介在されていること。
    (1E)前記演出装置は、少なくとも前記非印刷部の後方で所定の演出を実行する様に設置されていること。
    (6)前記裏打材は、PETフィルムに対して形成したエンボス層の表面にアルミ蒸着層を重ね合わせたレンズフィルムによって構成され、前記セパレータ層が前記アルミ蒸着層を覆う様に貼り付けられていること。
  3. 遊技盤を光透過性を有する合成樹脂製基盤で構成し、該合成樹脂製基盤の後方に演出装置を備えると共に、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする遊技機。
    (1A)前記合成樹脂製基盤の裏面側には、絵柄が印刷されると共に裏面全体を裏打材で裏打ちされたベース材を備える化粧板が貼り付けられていること。
    (1B)前記ベース材は光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、印刷部と非印刷部とにより、裏面側に前記絵柄が印刷されていること。
    (1C)前記裏打材は光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成され、全体に前方からの光を反射し、後方からの光を透過し得る光反射性が付与されていること。
    (1D)前記ベース材と前記裏打材との間には、光透過性を有する合成樹脂製フィルムによって構成されたセパレータ層が介在されていること。
    (1E)前記演出装置は、少なくとも前記非印刷部の後方で所定の演出を実行する様に設置されていること。
    (7)前記裏打材は、PETフィルムの表面にアルミ蒸着層を重ね合わせたハーフミラーフィルムによって構成され、前記セパレータ層が前記アルミ蒸着層を覆う様に貼り付けられていること。
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