JP6420568B2 - 収穫用作業機およびこれを用いた収穫作業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プランテーション等で栽培される椰子の実などのように果樹の高所に結実する果実を収穫する用途に好適な収穫用作業機およびこれを用いた収穫作業方法に関する。
この種の収穫用作業機としては、例えば特許文献1ないし2に記載の技術が開示されている。
特許文献1には、椰子の実等のように、高所に結実する果実を収穫するための伸縮ブーム式の高所作業車が開示される。この高所作業車は、走行可能な下台と、下台上に旋回機構を介して設けられた上台と、上台に立設されたブラケットと、ブラケット上部の軸を支軸にして起伏可能な入り子式の伸縮ブームとを有し、この伸縮ブーム先端に、作業者が搭乗するプラットホームが設けられている。プラットホームは、回動可能(支軸まわりの正逆方向に回転運動が可能なこと、以下同じ)な一つのアーム部が、プラットホームの一部として取り付けられており、このアーム部とプラットホームとの間で果樹の幹を挟んで高所での作業姿勢を安定させるようになっている。
特開昭61−128817号公報(第1図) 特開昭59−74918号公報
しかし、同文献記載の高所作業機の場合、上台に立設したブラケットの軸を支軸にして伸縮ブームが起伏するため、上台に立設したブラケットからプラットホーム直下までの間には、樹木と車体間に必ずデッドスペースが生じる。このデッドスペースは、旋回機構での旋回による伸縮ブームの位置する方向(車体の前後方向や左右方向)に関係なく生じ、また、ブーム長が長ければ長いほどデッドスペースは広くなる。そのため、隣接する果樹の幹同士の間が狭い場合には、車体を設置する場所を確保すること自体が困難である。また、伸縮ブームの伸長によるプラットホームの移動であると、果樹の葉枝の間隙を縫ってプラットホームを所望する位置まで差込ませることも難しい。したがって、椰子の実等の高所に結実する果実を収穫する収穫用作業機として、伸縮ブーム式の高所作業車は改善の余地がある。
一方、特許文献2では、パンタグラフ式の垂直昇降装置を備える高所作業機を基礎とした収穫機が提案されている。特許文献2に記載の収穫機は、車体上に設けられた荷台と、収穫した果実を車体上の荷台に向けて滑り落とすシュートとを備え、収穫すべく果樹の幹から高所にて切り落とした果実を、シュートを用いて車体上の荷台に滑り落とすようになっている。なお、同文献記載の技術では、高所での作業姿勢を安定させるための機構を有していない。
特許文献2に記載の収穫機のように、パンタグラフ式の垂直昇降装置を備える高所作業機であれば、上記伸縮ブーム式でのデッドスペースが生じないため、伸縮ブーム式に比べて、果樹の幹に対して車体をより近い位置に位置させることができる。そのため、果樹と車体間に生じるデッドスペースを可及的に少なくすることができる。よって、ヤシの実等の高所に結実する果実を収穫する収穫用作業機として適している。
しかし、例えば収穫物となる果実がオイルパームの場合、1房当たりの質量が30〜50kg前後である。そのため、特許文献2に記載の収穫機であると、シュートの角度が急傾斜であれば、高所からの収穫物の落下により荷台に相当の衝撃が加わるという問題があり、また、高所からの落下により収穫物が痛むという問題がある。これらの問題点を踏まえると、収穫物を落下させずに、上昇したプラットホーム内に収穫物を積載することが望ましい。
また、特許文献2記載の技術では、高所での作業姿勢を安定させるための機構を有していないところ、椰子の実等のプランテーション内は不整地であり、また、椰子の木が植えられている地面は柔らかく、落ち葉や枝などが落ちている場合も多い。そのため、地面が崩れた場合に、高所作業機の傾斜角度によっては転倒のおそれがあり、特に、高所での作業姿勢を安定させる上では改善の余地が残される。
これに対し、上記特許文献1に開示される高所作業車であれば、アーム部とプラットホームとの間で果樹の幹を挟んで高所での作業姿勢を安定させることができる。しかしながら、同文献記載の高所作業車は、上述のように、伸縮ブーム式故に、果樹と車体間に、上記デッドスペースを考慮して充分な距離を保たなければ、アーム部とプラットホームとの間での挟持機能を十分に発揮できないという問題がある。
また、同文献に開示されるアーム部とプラットホームによる挟持方式では、高所での作業姿勢自体を安定させることはできるものの、伸縮ブームの伸長ないし縮小中における姿勢を安定させることは不可能である。そのため、相当の質量のプラットホームを伸縮ブームにより伸長させた場合、上記のようにプランテーション内は不整地であることから、車両の傾斜角度によっては、伸縮ブームの伸長ないし縮小中に高所作業車が転倒する可能性がある。
特に、収穫物を落下させずに、上昇したプラットホーム内に収穫物を積載する場合には、1房30〜50kg前後ものオイルパームを数十個積載したプラットホームを伸長ないし縮小させると、プラットホーム内に積載した収穫物の重心によっては転倒のおそれが高くなる。そのため、高所での作業姿勢に至る途中の姿勢での安定性を向上させることがより重要な問題となる。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、収穫物を落下させずに収穫しつつも、作業姿勢の安定性を向上させ得る収穫用作業機および収穫作業方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る収穫用作業機は、果樹に結実する果実を収穫する収穫用作業機であって、走行可能な台車上に、作業者が搭乗する操作台と、収穫する果実を格納する格納箱と、前記操作台および前記格納箱を垂直方向に昇降させるパンタグラフ式の昇降装置と、該昇降装置の上部またはそれよりも高い位置に設けられ且つ当該作業機の側方に張り出し可能な挟持式の転倒防止装置とを備え、前記転倒防止装置は、果樹の幹を左右両側から挟み込むように開閉可能な一対のアームを有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る収穫用作業機によれば、作業者が搭乗する操作台と、収穫する果実を格納する格納箱と、操作台および格納箱を垂直方向に昇降させるパンタグラフ式の昇降装置とを備えているので、果実を収穫するときは、昇降装置で操作台および格納箱を垂直方向に上昇させ、収穫位置で停止した後、果実の下方に位置した格納箱に刈り取った果実を収穫できる。よって、収穫物を落下させずに収穫することができる。また、垂直方向に昇降させるパンタグラフ式の昇降装置を採用したので、格納箱内に収穫物を積載した場合においても、伸縮ブーム式の高所作業車に比べて、収穫位置での作業姿勢および収穫位置での作業姿勢に至る途中の姿勢での安定性を向上させることができる。
ここで、本発明の一態様に係る収穫用作業機では、垂直方向に昇降させるパンタグラフ式の昇降装置を採用したものの、収穫用作業機の操作台および格納箱が上昇した収穫位置にあっては、作業機の重心が高い位置となる上、収穫対象となる果実(例えばオイルパームの質量は30〜50kgある)を格納箱内に収穫するにつれて収穫位置での姿勢が不安定となり、作業機自体が大きく揺れてしまう可能性がある。
これに対し、本発明の一態様に係る収穫用作業機によれば、パンタグラフ式の昇降装置を採用した上で、さらに、昇降装置の上部またはそれよりも高い位置に設けられ且つ作業機の側方に張り出し可能な転倒防止装置を有するので、一対のアームを、幹を把持可能な距離まで近接することができる。そして、この一対のアームは、果樹の幹を左右両側から挟み込むように開閉可能なので、操作台および格納箱が上昇した収穫位置のときに、果樹の幹に触れるように幹の左右両側から挟み込む挟持位置に一対のアームを位置させることができる。これにより、収穫位置において、果樹に対して作業機を確実に固定することができる。したがって、本発明の一態様に係る収穫用作業機によれば、収穫位置での作業姿勢の安定性をより向上させることができる。
ここで、本発明の一態様に係る収穫用作業機の第一の好適態様として、前記転倒防止装置は、前記昇降装置の上部の位置に、基端部が垂直な支軸まわりで回動可能に支持された長尺なフレームを有し、前記一対のアームは、それぞれの基端側の部分が、前記フレームの両端部に垂直な軸まわりで回動可能に支持されており、前記フレームおよび前記一対のアームは、前記一対のアームが閉じられるとともに前記フレームが前記台車の前後方向に沿った格納姿勢と、前記フレームが前記台車の側方に張り出すとともに前記一対のアームが開いた展開姿勢とに位置可能に設けられていることは好ましい。
このような構成であれば、例えば台車での走行時には、転倒防止装置を格納姿勢とすることにより、台車に沿ったコンパクトな状態に収容することができる。また、転倒防止装置を展開姿勢とすることにより、使用するときは、一対のアームを果樹の幹を左右両側から挟み込むように作業機の側方に張り出す上で好適である。
また、本発明の一態様に係る収穫用作業機の第二の好適態様として、上記第一の好適態様において、前記格納箱は、前記操作台よりも前記台車の前側に配置され、前記転倒防止装置は、前記フレームの基端部が、前記操作台よりも前記台車の前側の位置で回転可能に支持され、前記一対のアームのそれぞれは、前記フレームが前記台車の側方に張り出したときに、当該張り出したフレームから前記台車の前側に向かって張り出すように開かれることは好ましい。
このような構成であれば、操作台に搭乗する作業者からの転倒防止装置の視認性を確保する上で好適である。さらに、収穫物が格納箱に収容されるにつれて、重心が次第に格納箱の前方寄りに移動するところ、一対のアームの基端側にフレームが位置しているので、転倒防止装置により一対のアームを果樹の幹を左右両側から挟み込むように位置させているときに、前方寄りに重心移動する作業機の傾きをフレームによって支えることができる。よって、作業姿勢の安定性を向上させる上でより好適である。
また、本発明の一態様に係る収穫用作業機の第三の好適態様として、上記第二の好適態様において、前記フレームの基端部の位置は、平面視において、前記格納箱の前後方向の中央位置よりも後方であり、さらに、前記一対のアームは、前記フレームに対して左右対称に設けられていることは好ましい。
このような構成であれば、フレームの長手方向での中央部を果樹の幹に接触させた後に、一対のアームにより果樹の幹を左右両側から挟み込んだとき、幹の中心が、台車の前後方向における格納箱の略中央またはそれよりも後方に位置するよう配置することができる。そのため、格納箱の中央またはその近傍に幹が位置するので、収穫時に果実を格納箱へと効率良く収容する上でより好適である。
また、本発明の一態様に係る収穫用作業機の第四の好適態様として、上記第一から第三の好適態様のうちのいずれか一の態様において、前記転倒防止装置は、果樹の幹に接触可能なように前記フレームの長手方向に沿って前記フレームに設けられたバンパと、該バンパが果樹の幹に接触して押圧されたときに信号を出力する感知スイッチと、該感知スイッチからの信号を取得して当該信号が出力されているときには前記台車の走行を停止させる演算装置とを有する安全装置を更に備えることは好ましい。
このような構成であれば、台車の走行時に転倒防止装置を用いる場合に、フレームに設けられたバンパが果樹の幹に接触して押圧されたときは、台車の走行を停止させることができる。よって、転倒防止装置の損傷を防止する上で好適である。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る収穫作業方法は、果樹に結実する果実を収穫するときの作業の方法であって、上述した、本発明の一態様に係る収穫用作業機のいずれか一の態様を用い、前記昇降装置により前記操作台および前記格納箱を垂直方向に上昇させて果樹に結実する果実を収穫する収穫位置で停止した後は、前記転倒防止装置の一対のアームにより果樹の幹を左右両側から挟み込んで前記操作台および前記格納箱の上昇時の収穫位置を安定させ、その後に、前記格納箱に刈り取った果実を落とし込んで収穫することを特徴とする。
本発明の一態様に係る収穫作業方法によれば、本発明の一態様に係る収穫用作業機を用いて、昇降装置により操作台および格納箱を垂直方向に上昇させて果樹に結実する果実を収穫する収穫位置で停止した後は、転倒防止装置の一対のアームにより果樹の幹を左右両側から挟み込んで操作台および格納箱の上昇時の収穫位置を安定させ、その後に、格納箱に刈り取った果実を落とし込んで収穫するので、果樹に結実する果実を収穫するときに、収穫物を落下させずに収穫しつつも、収穫位置での作業姿勢の安定性を向上させることができる。
ここで、本発明の一態様に係る収穫用作業機の第五の好適態様として、上記本発明の一態様に係る収穫用作業機のいずれか一の態様において、前記転倒防止装置は、前記一対のアームを開閉する油圧シリンダと、該油圧シリンダを任意の伸縮位置において停止させるとともにその任意の伸縮位置を保持可能な油圧回路とを備え、前記一対のアームが、その開閉範囲において任意の開度での停止およびその停止時の位置を保持可能とされており、さらに、前記一対のアームは、前記停止時の位置として、各アームが果樹の幹に触れない位置で幹の左右両側に各アームを対向させた対向位置と、各アームで果樹の幹を左右両側から挟み込む挟持位置とに位置可能に設けられていることは好ましい。
また、本発明の一態様に係る収穫作業方法において、本発明の一態様に係る収穫用作業機の第五の好適態様を用い、前記昇降装置により前記操作台および前記格納箱を上昇または下降させるときは、前記一対のアームを前記対向位置に位置させ、前記昇降装置により前記操作台および前記格納箱を垂直方向に上昇させて果樹に結実する果実を収穫する収穫位置で停止した後は、前記一対のアームを前記挟持位置に位置させることは好ましい(以下、「本発明の一態様に係る収穫作業方法の第一の好適態様」ともいう)。
上述したように、例えばプランテーションは不整地であり、果樹(例えば椰子の木)が植えられている地面は柔らかく、落ち葉や枝などが落ちている場合も多い。そのため、このような不整地で作業機の操作台および格納箱を上昇させる場合においては、作業機自体を傾斜させないために、収穫位置での作業姿勢および収穫位置に至る途中の姿勢においても作業機の姿勢を安定させることがより望ましい。
すなわち、本発明の一態様に係る収穫用作業機の第五の好適態様によれば、転倒防止装置の一対のアームは、停止時の位置として、各アームが果樹の幹に触れない位置で幹の左右両側に各アームを対向させた対向位置に位置可能に設けられているので、操作台および格納箱が上昇または下降時においては、一対のアームを当該対向位置に位置させることができる。これにより、万一、操作台の昇降時に作業機がバランスを崩した場合であっても、対向位置にある一対のアームのいずれかが幹に引っ掛かるため、果樹の幹が作業機を支え、いずれかのアームが引っ掛かかったときの姿勢以上には作業機が傾倒しない。よって、収穫位置に至る途中においても作業機の姿勢を安定させることができる。
また、操作台および格納箱が上昇した収穫位置においては、一対のアームを、各アームで果樹の幹を左右両側から挟み込む挟持位置に位置させることができるので、収穫位置においては果樹に対して作業機を確実に固定することができる。よって、本発明の一態様に係る収穫用作業機の第五の好適態様によれば、収穫位置での作業姿勢および収穫位置に至る途中の姿勢での安定性を向上させる上で好適である。
また、本発明の一態様に係る収穫作業方法の第一の好適態様によれば、本発明の一態様に係る収穫用作業機の第五の好適態様を用い、昇降装置により操作台および格納箱を上昇または下降させるときは、一対のアームを上記対向位置に位置させるので、収穫位置に至る途中の姿勢での安定性を向上させる上で好適である。そして、昇降装置により操作台および格納箱を垂直方向に上昇させて収穫位置で停止した後に、一対のアームを、上記挟持位置に位置させるので、収穫位置での作業姿勢を安定させることができる。よって、収穫位置での作業姿勢および収穫位置に至る途中の姿勢での安定性を向上させる上で好適である。
また、本発明の一態様に係る収穫作業方法において、本発明の一態様に係る収穫用作業機の第一から第四の好適態様のうちいずれか一の態様を用い、前記昇降装置により前記操作台および前記格納箱を垂直方向に上昇させて収穫位置で停止した後、前記フレームを果樹の幹に接触させるとともに、前記一対のアームで果樹の幹を左右両側から挟み込むことは好ましい。
このような構成であれば、果樹の幹をその周方向の3点(一対のアームの2点とフレームの1点)で支持することができる。よって、収穫位置での作業姿勢を安定させる上でより好適である。
特に、本発明の一態様に係る収穫用作業機の第三の好適態様を用いた場合であれば、フレームの長手方向での中央部を果樹の幹に接触させた後に、一対のアームにより果樹の幹を左右両側から挟み込んだとき、幹の中心が、台車の前後方向における格納箱の略中央またはそれよりも後方に位置するよう配置することができるため、格納箱の中央またはその近傍に幹が位置するので、収穫時に果実を格納箱へと効率良く収容する上でより好適である。
上述のように、本発明によれば、収穫物を落下させずに収穫しつつも、作業姿勢の安定性を向上させることができる。
本発明の一態様に係る収穫用作業機の一実施形態の側面図である。 図1に示す収穫用作業機の平面図である(なお、作業者は不図示)。 図2に示す収穫用作業機の転倒防止装置の部分を拡大して示す平面図であり、同図では操作台および格納箱の図示を省略している。 図1に示す収穫用作業機の油圧回路を説明する図である。 図2に示す収穫用作業機の転倒防止装置の動作を説明する図((a)〜(f))である。 図5(e)での転倒防止装置の一対のアームの部分を拡大して示す図であり、同図では操作台および格納箱の図示を省略している。 図5(e)での収穫用作業機の正面図(昇降装置作動前の縮小状態)である。 図5(e)での収穫用作業機の正面図(昇降装置作動中の伸長状態)である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、本実施形態は、果樹の高所に結実する果実として、プランテーション等で栽培される椰子の実を収穫物として収穫する収穫用作業機の例である。
図1ないし図2に示すように、この収穫用作業機10は、不整地での走行が可能なクローラ装置1を下部に有する台車2を備え、台車2の後部(同図の右側)には駆動機構部3が設けられている。駆動機構部3の内部には、エンジン3aおよびこのエンジン3aの出力軸に連結された油圧ポンプ4、並びに収穫用作業機10の各油圧アクチュエータ6s、21、22、23を制御する圧油制御ユニット40、60等が設けられている(図4参照)。クローラ装置1は、台車2の左右にそれぞれ設けられた履帯1R、1Lを有する(図2参照)。左右の履帯1R、1Lは、エンジン3aの駆動により油圧ポンプ4から発生する圧油で駆動され、また、油圧ポンプ4から発生する圧油は、収穫用作業機10の各油圧アクチュエータ6s、21、22、23にも供給される(図4参照)。
台車2のシャシフレーム5上には、油圧シリンダ6s(図4参照)で昇降するパンタグラフ式の昇降装置6が設けられている。昇降装置6の上フレーム6tの上部には、台車2の前方側から順に、収穫する果実を格納する格納箱7と、作業者(運転者)Pが搭乗する操作台8とが設けられている。これにより、操作台8および格納箱7は、昇降装置6による垂直方向への昇降動作により同時に昇降可能になっている。格納箱7の上部には、左右側面に設けられた油圧シリンダ7c,7dによって左右に開閉可能な一対の蓋体7a,7bが設けられている。なお、油圧シリンダ7c,7dの装着位置は、格納箱7の前後方向の中央の位置に設けられている。
操作台8の周囲は柵体8cによって囲繞されている。また、操作台8の床面8cの左側には、下方に張り出す梯子8aが設けられ、作業者Pは、梯子8aから操作台8に搭乗可能になっている。また、操作台8の床面8bの高さは、作業者(運転者)Pが立ち姿勢で搭乗したときに、格納箱7上部の蓋体7a,7b越しに周囲を目視で確認可能な高さに設定されている。なお、作業者Pの想定身長は、例えば150cm以上である。
操作台8の前側には、不図示の走行用操作レバー等の操作部を上部に有する操縦装置9が設けられている。操縦装置9内には、本体側圧油制御ユニット60および演算装置50が内蔵され、操縦装置9からの操作信号は演算装置50に送られる(図4参照)。なお、図4中の、各制御ユニット62〜65の切換え弁に付設されるレバーが上記操作部に対応している。演算装置50は、所定のプログラムに基づき、操作信号に応じた必要な駆動用の信号を、圧油制御ユニット40、60の各切換弁等に出力して収穫用作業機10全体を制御可能に構成されている。
ここで、この収穫用作業機10は、図1ないし図2に示すように、昇降装置6の上部の位置且つ当該作業機10の側方に張り出し可能に設けられた挟持式の転倒防止装置20を備えている。本実施形態の例では、転倒防止装置20は、台車2の右側方(昇降装置6の上フレーム6tの右側)に装備されている。この転倒防止装置20は、果樹である椰子の木Wの幹Tを左右両側から挟み込むように開閉可能な一対のアーム31,32を有する(図7、図8参照)。そして、果樹の高所に結実する果実を収穫するときに、作業者は、昇降装置6による操作台8および格納箱7の昇降時、および上昇後に、この転倒防止装置20を用い、一対のアーム31,32で椰子の木Wの幹Tを左右両側から挟み込むように適宜開閉させることにより、高所での収穫用作業機10の作業姿勢の安定性を向上させるものである。
詳しくは、図3に拡大図示するように、転倒防止装置20は、昇降装置6の上フレーム6tに固定されたブラケット35と、このブラケット35に対して基端支軸部33kが垂直な軸まわりに回動可能に支持された長尺なフレーム33と、フレーム33の両端部にそれぞれ設けられた一対のアーム31,32とを有する。フレーム33の中央部23tと軸まわりに回動可能に支持されたブラケット35の支持部23kは、回動用シリンダ23によって繋がれている。これにより、回動用シリンダ23の伸縮に応じてフレーム33が水平面に沿って回動するようになっている。台車2の走行時においては、転倒防止装置20は、図3に示す格納状態とされている。
なお、ブラケット35に設けられたフレーム33の基端支軸部33kの位置は、平面視において、格納箱7の前後方向の中央位置よりも後方であり、且つ操作台8の前面よりも前後方向の前方に位置している。特に、本実施形態では、格納箱7の前後方向の中央位置に対し、椰子の木Wの幹Tの平均的な半径の長さ分だけ、格納箱7の前後方向の中央位置よりも後方の位置に基端支軸部33kを設けることで、結果として、転倒防止装置20で幹Tを把持したとき、幹Tの中心が、格納箱7の中央に位置することで、収穫時に果実Fが格納箱7へ効率良く収容することができる。
つまり、フレーム33および一対のアーム31,32は、転倒防止装置20の格納時は、車幅の最大位置となる台車2の右履帯1Rの外側の位置から突出しないように、一対のアーム31,32を閉じた状態で、且つ、フレーム33が昇降装置6の上フレーム6tの側面に沿った格納姿勢となるように、台車2の後方に向かって平面視で時計方向に回動されて格納される。一対のアーム31,32を最も閉じたこの格納姿勢のときに、転倒防止装置20が最もコンパクトな状態となる。
そして、転倒防止装置20の使用時、つまり、果樹の高所に結実する果実を収穫するときは、図6に拡大図示するように、回動用シリンダ23を伸長させる。これにより、支軸33kを中心に、台車2の前後方向と略直交する位置までフレーム33が反時計方向に回動して張り出した張出姿勢とする。さらに、椰子の木Wの幹Tを把持すべく一対のアーム31,32を開く。各アーム31,32は、図3に示す最閉時から、図6に示すように、約90°の範囲まで各支軸31a,32aを中心に回動して「コ字状」に展開する。
詳しくは、図6に示すように、挟持部となる一対のアーム31,32は、フレーム33に対して左右対称に配置されている。第一アーム31は、フレーム33の先端側に取り付けられ、第二アーム32は、フレーム33の基端側に取り付けられている。各アーム31,32は、幹Tを把持し易いように、先端側の途中部分から先端に向かうにつれて幅が狭くなって先端部が尖頭状をなすとともに、先端側の途中部分から内側へ向かって歪曲して形成されている。一対のアーム31,32は、各アーム毎に1本の油圧シリンダ21,22がそれぞれ設けられ、各アーム31,32を独立して開閉作動可能になっている。
第一アーム31は、フレーム33の先端側に、垂直な軸まわりに回動可能な、第一アーム31の基端支軸部31b寄りの途中部分の支軸31aで支持されているとともに、第一アーム駆動シリンダ21がフレーム33中央の支軸部21kと基端支軸部31bとに繋がれている。これにより、第一アーム駆動シリンダ21の伸縮に応じて、フレーム33に沿った閉じ位置からフレーム33に対して直角よりも大きな角度まで広がる開き位置までの回動が可能になっている(図4に示す一対のアームの模式図も併せて参照)。
第二アーム32は、フレーム33の基端側に、垂直な軸まわりに回動可能な、第二アーム32の基端支軸部32b寄りの途中部分の支軸32aで支持されているとともに、第二アーム駆動シリンダ22がフレーム33中央の支軸部22kと基端支軸部32bとに繋がれている。これにより、第二アーム駆動シリンダ22の伸縮に応じて、フレーム33に沿った閉じ位置からフレーム33に対して直角よりも大きな角度まで広がる開き位置までの回動が可能になっている(図4に示す一対のアームの模式図も併せて参照)。
また、この転倒防止装置20は、フレーム33の中央部であって椰子の木Wの幹Tの側を向く部分に、転倒防止装置20が幹Tに強く触れた場合に、転倒防止装置20の破損を防止するための安全装置が設けられ、この安全装置の作動により、台車2のクローラ装置1の駆動が停止するようになっている。
本実施形態の例では、安全装置は、フレーム33の長手方向に沿って設けられたバンパ34と、このバンパ34が押圧されたときに作動する感知スイッチ24とを有する。感知スイッチ24としては、リミットスイッチや近接スイッチ等のスイッチを用いることができる。感知スイッチ24は、バンパ34が押圧されたときに作動することにより、幹Tが感知スイッチ24に直接当たることがなく、また、バンパ34がフレーム33の長手方向に沿って設けられているので、フレーム33の長手方向の広い範囲で作動するようになっている。
安全装置の作動による台車2の停止システムは、演算装置50において制御され、感知スイッチ24が作動すると、停止信号が演算装置50に入力されるようになっている。演算装置50は、感知スイッチ24からの停止信号によって台車2のクローラ装置1(履帯1R用の油圧モータ72、図4参照)を制御する右用走行制御ユニット65(図4参照)内に設けたアンロード弁を作動させ、エンジン3aと連結した油圧ポンプ4から吐出する圧油を全てタンク70に戻すようになっている。さらに、操作台8の操縦装置9の走行用操作レバー(不図示)の後進側操作を感知する感知スイッチ(例えば操作レバーの傾倒に応じて作動するように設けられたリミットスイッチ、または切換制御弁のスプール移動量を監視する差動トランス等)が、走行用操作レバーの操作を感知した場合に、演算装置50は、当該走行用操作レバーの感知スイッチの信号に基づいて、アンロード弁の作動を解除させ、これにより、台車2が後進するようになっている。
次に、この収穫用作業機10により果樹の高所に結実する果実を収穫するときの作業の方法、および転倒防止装置20の動作並びにその作用効果について説明する。
図2に示したように、収穫用作業機10の走行時は、転倒防止装置20は、台車2の右側の履帯1Rの外側の位置から突出しないように、一対のアーム31,32を閉じた状態で、昇降装置6の上フレーム6tの側面に沿った格納姿勢とされている。
果実を収穫するときは、作業者Pは、まず、操作台8の操縦装置9の走行用操作レバーを操作し、台車2を、椰子の木Wの幹Tの傍の適宜な準備位置で停止させる。準備位置とは最終的に操作台8を伸長させる本作業位置でなく、本作業位置よりも手前の位置がよい。転倒防止装置20の一対のアーム31,32を開くスペースを確保するためである。
次いで、作業者Pは、転倒防止装置20により幹Tを挟持すべく、図5(a)に示すように、フレーム33を反時計方向に回動させて台車2の右側方に張り出させる。ここで、フレーム33は、回動用シリンダ23を最伸長させたときに台車2と直交する姿勢まで回動するところ、準備位置では、回動用シリンダ23を完全に伸長させず、最伸長よりも手前の仮位置でフレーム33を停止させる。その理由は、その後に、昇降装置6で操作台8を上昇させた収穫位置で回動用シリンダ23を再度伸長させて、幹Tを押さえるためである。なお、同図の矢印は、フレーム33を反時計方向に回動させるイメージを示している。
次いで、作業者Pは、図5(b)に示すように、一対のアーム31,32を展開方向にそれぞれ全開するまで回動させて展開姿勢にする。なお、同図の矢印は、一対のアーム31,32を展開方向に回動させるイメージを示している。
次いで、作業者Pは、図5(c)に示すように、一対のアーム31,32により幹Tを把持可能な距離を見極めながら台車2を前進させて本作業位置を決定する。このとき、万一、図5(d)に示すように、フレーム33が幹Tに近づきすぎても、フレーム33の幹T側に設けたバンパ34が幹Tに触れることにより、上記安全装置が作動して直ちに台車2が停止する。安全装置が作動したときは、作業者Pは、僅かに台車2を後進させる。なお、同図(c)、(d)の矢印は、本作業位置まで台車2を前進させるイメージを示し、同図(d)の稲妻状の図形は、バンパ34が幹Tに触れたイメージを示している。
次いで、作業者Pは、図5(e)に示すように、一対のアーム31,32を閉じる側に回動させる。このとき、作業者Pは、各アーム31,32が幹Tに触れない位置で幹Tの左右両側に各アーム31,32を対向させた対向位置となるように、各アーム31,32を目視にて適宜な位置で停止させる。操作台8および格納箱7を昇降させるときは、転倒防止装置20の一対のアーム31,32は幹Tを掴まない程度まで閉じた対向位置にて保持する。各アーム31,32は左右独立して作動するため、作業者Pが幹を掴まない程度に各アーム31,32の開閉の度合いを調節させて作動するに適している。なお、同図の矢印は、対向位置まで各アーム31,32を閉じる側に回動させるイメージを示している。
図7に、一対のアーム31,32を上記対向位置としたときに、昇降装置作動前の縮小状態の収穫用作業機10を正面から見た図を示す。同図に示すように、この収穫用作業機10によれば、転倒防止装置20は、パンタグラフ式の昇降装置6の上部の位置且つ当該作業機10の側方に張り出し可能に設けられているので、昇降装置作動前の縮小状態においても、一対のアーム31,32を、果樹Wの幹Tを左右両側から挟み込むように位置させることができる。
次いで、作業者Pは、一対のアーム31,32を上記対向位置とした状態で、昇降装置6を作動させて、図8に示すように、操作台8および格納箱7を垂直方向に上昇させる。昇降装置6は、操作台8および格納箱7を垂直方向に昇降させるパンタグラフ式なので、操作台8および格納箱7は垂直に昇降する。収穫物が椰子の実であれば、椰子の木はほぼ垂直に生えているので、一対のアーム31,32の開度の保持状態を適切な対向位置に調整することにより、操作台8および格納箱7の昇降の際の収穫用作業機10の転倒を防止しつつ、転倒防止装置20の一対のアーム31,32が幹に干渉することも防止される。
次いで、操作台8および格納箱7が、果実を収穫するのに適した高さとなる収穫可能目標位置(以下、「収穫位置」ともいう)に達したら、作業者Pは、収穫位置にて操作台8および格納箱7を停止させてから、転倒防止装置20の回動用シリンダ23を更に伸長させて、バンパ34の長手方向での中央部を幹Tに接触させる。なお、このときは、台車2を前進させてバンパ34を幹Tに接触させてしまう場合とは異なり、回動用シリンダ23による押圧力によってフレーム33(バンパ34)を接触させるため、転倒防止装置20が壊れてしまうことはない。
次いで、作業者Pは、図5(f)に示すように、一対のアーム31,32を幹に触れる位置まで更に閉じて幹を把持する。これにより、本実施形態によれば、幹Tを把持する左右一対のアーム31,32及びバンパ34の3点が、幹Tに対しほぼ均等に3方向から幹に触れる。そのため、高所の収穫位置での作業姿勢を安定させることができる。
特に、本実施形態であれば、フレーム33の基端支軸部33kの位置は、平面視において、格納箱7の前後方向の中央位置よりも後方であり、さらに、一対のアーム31,32は、フレーム33に対して左右対称に設けられているので、バンパ34の長手方向での中央部を幹Tに接触させた後に、一対のアーム31,32により果樹Wの幹Tを左右両側から挟み込んだとき、幹Tの中心が、台車2の前後方向における格納箱7の略中央またはそれよりも後方に位置するよう配置される。そのため、格納箱7の長手方向における中央またはその近傍に幹Tが位置するので、収穫時に果実Fを格納箱7へと効率良く収容することができる。なお、図5(f)に示す符号TCWは、台車2の前後方向と平行になる幹Tの中心を通る仮想線を示し、符号TCLは、台車2の左右方向と平行になる幹Tの中心を通る仮想線を示している。
作業者Pは、果実Fを収穫するとき、収穫位置での作業姿勢を上記のように安定させ、その後に、格納箱7の蓋体7a,7bを左右に開いて格納箱7上部を解放し、果実Fを刈り取って格納箱7に収容する(図8に、蓋体7a,7bを左右に開いた状態のイメージを二点鎖線にて示す)。収穫後は、収穫用作業機10を図1の走行位置に戻す。なお、収穫用作業機10を図1の走行位置に戻す手順は、図5を参照して説明した上記収穫位置に設定する手順とは逆の手順により行うことができるので、説明を省略する。
このように、本実施形態の収穫用作業機10によれば、作業者が搭乗する操作台8と、収穫する果実Fを格納する格納箱7と、操作台8および格納箱7を垂直方向に昇降させるパンタグラフ式の昇降装置6とを備えているので、果実Fを収穫するときは、昇降装置6で操作台8および格納箱7を垂直方向に上昇させて収穫位置で停止した後、刈り取った果実Fを収穫位置に位置した格納箱7に収穫することができる。よって、果実Fを地面に落下させることなく、傷付けずに収穫することができる。また、垂直方向に昇降させるパンタグラフ式の昇降装置6を採用したので、格納箱7内に果実Fを積載した場合においても、伸縮ブーム式の高所作業車に比べて、高所での収穫位置での姿勢および収穫位置に至る途中の姿勢での安定性を向上させることができる。
そして、この収穫用作業機10によれば、パンタグラフ式の昇降装置6を採用した上で、さらに、昇降装置6の上部の位置に、作業機10の側方に張り出し可能な転倒防止装置20が設けられているので、一対のアーム31,32を、幹Tを把持可能な距離まで近接することができる。そして、この一対のアーム31,32は、果樹Wの幹Tを左右両側から挟み込むように開閉可能なので、操作台8および格納箱7が上昇した収穫位置のときに、一対のアーム31,32の開閉位置を、果樹Wの幹Tに触れるように幹Tの左右両側から挟み込む挟持位置に位置させることができる。これにより、収穫位置においては果樹Wに対して作業機10を確実に固定することができる。したがって、高所の収穫位置での作業姿勢の安定性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、果樹Wの高所に結実する果実Fを収穫するときの作業において、一対のアーム31,32を二段階の把持姿勢とする。つまり、昇降装置6により操作台8および格納箱7を上昇または下降させるときは、一対のアーム31,32の開閉位置を上記対向位置に位置させ、昇降装置6により操作台8および格納箱7を垂直方向に上昇させて果樹Wの高所に結実する果実Fの収穫位置で停止した後は、一対のアーム31,32の開閉位置を、上記挟持位置に位置させるので、高所の収穫位置での作業姿勢および収穫位置に至る途中の姿勢での安定性を向上させる上で好適である。
すなわち、一対のアーム31,32を二段階の把持姿勢とする理由は、操作台8および格納箱7の昇降時の転倒に対する安全を考慮したもので、万一、操作台8および格納箱7の昇降時に収穫用作業機10がバランスを崩した場合であっても、一対のアーム31,32のいずれかが幹Tに引っ掛かるため、椰子の木Wが収穫用作業機10を支えて、台車2をそれ以上傾倒させない。よって、転倒による事故を未然に防ぐことができる。そして、果実Fの収穫時は、操作台8および格納箱7が収穫位置まで上昇した後に、転倒防止装置20の一対のアーム31,32にて幹Tを確実に把持することができる。
以上説明したように、この収穫用作業機10によれば、収穫物を落下させずに収穫しつつも、高所での作業姿勢の安定性を向上させることができる。なお、本発明に係る収穫用作業機は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
例えば、上記実施形態では、収穫位置において、一対のアーム31,32を挟持位置に位置させた例として、幹Tを把持する左右一対のアーム31,32及びフレーム33(バンパ34)の3点が、幹Tに対してほぼ均等に3方向から幹に触れるようにした例で説明したが、これに限らず、少なくとも一対のアームム31,32により果樹Wの幹Tを左右両側から挟み込むようにして幹Tを把持することで挟持位置に位置させることができる。しかし、幹Tの全方向にて収穫用作業機10の転倒をより確実に防止する上では、フレーム33を果樹の幹に接触させるとともに、一対のアーム31,32で果樹Wの幹Tを左右両側から挟み込むことが好ましい。
また、例えば上記実施形態では、昇降装置6により操作台8および格納箱7を上昇または下降させるときに、一対のアーム31,32を、各アーム31,32が果樹Wの幹Tに触れない位置で幹Tの左右両側に各アーム31,32を対向させた対向位置に位置させる例で説明したが、これに限らず、少なくとも収穫位置において一対のアーム31,32を挟持位置に位置させるように転倒防止装置20を使用すれば、作業姿勢の安定性を向上させることができる。しかし、高所の収穫位置での作業姿勢および収穫位置に至る途中の姿勢での安定性をより向上させる上では、上記実施形態のように、収穫位置に至る途中の姿勢にあっては、一対のアーム31,32を上記対向位置に位置させることが好ましい。
また、例えば上記実施形態では、転倒防止装置20に、台車2の走行を停止させる安全装置を装備した例で説明したが、本発明はこれに限らず、上記実施形態のような安全装置を有しない転倒防止装置としてもよい。しかし、台車2の走行時に転倒防止装置を用いる場合に、転倒防止装置の損傷を防止する上では、上記実施形態の例のような、安全装置を装備することが好ましい。
また、例えば上記実施形態では、一対のアーム31,32を個別の油圧シリンダ21,22によってそれぞれ単独で作動可能な構成例で説明したが、これに限らず、一対のアーム31,32を一本の油圧シリンダによって連動作動させるように構成してもよい。しかし、果樹Wの幹Tに対する各アーム31,32それぞれの位置をよりきめ細かく調整可能とする上では、一対のアーム31,32を個別の油圧シリンダ21,22によってそれぞれ単独で作動可能とすることが好ましい。
また、例えば上記実施形態では、転倒防止装置20は、昇降装置6の上部またはそれよりも高い位置に設けられ且つ作業機10の側方に張り出し可能な例として、昇降装置6の上部のフレームに、基端部が垂直な軸まわりで回動可能に支持された長尺なフレーム33を有し、一対のアーム31,32は、それぞれの基端側の部分が、フレーム33の両端部に垂直な軸まわりで回動可能に支持された例を示したが、これに限定されるものではない。しかし、台車2での走行時に、転倒防止装置20を格納姿勢とすることにより、台車2に沿ったコンパクトな状態に収容し、使用するときに、転倒防止装置20を展開姿勢とすることにより、一対のアーム31,32を果樹Wの幹Tを左右両側から挟み込むように作業機10の側方に張り出す上で、上記実施形態に示した構成を採用することは好ましい。
また、例えば上記実施形態では、格納箱7は、操作台8よりも台車2の前側に配置され、転倒防止装置20は、フレーム33の基端部が、操作台8よりも台車2の前側の位置で支軸回りに回動可能に支持され、一対のアーム31,32のそれぞれは、フレーム33が台車2の右側方に張り出したときに、当該張り出したフレーム33から台車2の前側に向かって張り出すように開かれるという各部の配置例で説明したが、これに限定されない。しかし、操作台に搭乗する作業者からの転倒防止装置の視認性を確保するとともに、前方寄りに重心移動する作業機10の傾きをフレーム33によって支えて、作業姿勢の安定性をより向上させる上では、このように各部を配置することが好ましい。
1 クローラ装置
1R、1L(左右の)履帯
2 台車
3 駆動機構部
4 油圧ポンプ
5 シャシフレーム
6 昇降装置
7 格納箱
8 操作台
9 操縦装置
10 収穫用作業機
20 転倒防止装置
21 第一アーム駆動シリンダ
22 第二アーム駆動シリンダ
23 回動用シリンダ
24 感知スイッチ
31 第一アーム
32 第二アーム
33 フレーム
34 バンパ
35 ブラケット
40 挟持部圧油制御ユニット
41 第一アーム用切換弁
42 第二アーム用切換弁
43 フレーム回動用切換弁
50 演算装置
60 本体側圧油制御ユニット
61 アクセルシリンダユニット
62 挟持部用制御ユニット
63 昇降駆動制御ユニット
64 左用走行制御ユニット
65 右用走行制御ユニット
69 アンロード弁
70 タンク
71 左用走行モータ
72 右用走行モータ
P 作業者
F 果実
T 幹
W 椰子の木(果樹)
GL 地面

Claims (3)

  1. 果樹に結実する果実を収穫する収穫用作業機であって、
    走行可能な台車上に、作業者が搭乗する操作台と、収穫する果実を格納する格納箱と、前記操作台および前記格納箱を垂直方向に昇降させるパンタグラフ式の昇降装置と、該昇降装置の上部またはそれよりも高い位置に設けられ且つ当該作業機の側方に張り出し可能な挟持式の転倒防止装置とを備え、
    前記転倒防止装置は、果樹の幹を左右両側から挟み込むように開閉可能な一対のアームと、前記昇降装置の上部の位置に、基端部が垂直な軸まわりで回動可能に支持された長尺なフレームとを有し、
    前記一対のアームは、それぞれの基端側の部分が、前記フレームの両端部に垂直な軸まわりで回動可能に支持されており、
    前記フレームおよび前記一対のアームは、前記一対のアームが閉じられるとともに前記フレームが前記台車の前後方向に沿った格納姿勢と、前記フレームが前記台車の側方に張り出すとともに前記一対のアームが開いた展開姿勢とに位置可能に設けられていることを特徴とする収穫用作業機。
  2. 前記転倒防止装置は、果樹の幹に接触可能なように前記フレームの長手方向に沿って前記フレームに設けられたバンパと、該バンパが果樹の幹に接触して押圧されたときに信号を出力する感知スイッチと、該感知スイッチからの信号を取得して当該信号が出力されているときには前記台車の走行を停止させる演算装置とを有する安全装置を更に備えることを特徴とする請求項に記載の収穫用作業機。
  3. 果樹に結実する果実を収穫するときの作業の方法であって、
    走行可能な台車上に、作業者が搭乗する操作台と、収穫する果実を格納する格納箱と、前記操作台および前記格納箱を垂直方向に昇降させるパンタグラフ式の昇降装置と、該昇降装置の上部またはそれよりも高い位置に設けられ且つ当該作業機の側方に張り出し可能な挟持式の転倒防止装置とを備え、
    前記転倒防止装置は、果樹の幹を左右両側から挟み込むように開閉可能な一対のアームと、前記一対のアームを開閉する油圧シリンダと、該油圧シリンダを任意の伸縮位置において停止させるとともにその任意の伸縮位置を保持可能な油圧回路とを備え、前記一対のアームが、その開閉範囲において任意の開度での停止およびその停止時の位置を保持可能とされており、
    さらに、前記一対のアームは、前記停止時の位置として、各アームが果樹の幹に触れない位置で幹の左右両側に各アームを対向させた対向位置と、各アームで果樹の幹を左右両側から挟み込む挟持位置とに位置可能に設けられている収穫用作業機を用い、
    前記昇降装置により前記操作台および前記格納箱を上昇または下降させるときは、前記一対のアームを前記対向位置に位置させ、
    前記昇降装置により前記操作台および前記格納箱を垂直方向に上昇させて果樹に結実する果実を収穫する収穫位置で停止した後は、前記一対のアームを、前記挟持位置に位置させることを特徴とする収穫作業方法。
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