JP6419051B2 - エレベータの据付作業用足場 - Google Patents

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Description

この発明は、エレベータの据付作業時に、昇降路内に突き出るように乗り場に設置されて使用される据付作業用足場に関するものである。
エレベータを据え付ける際には、昇降路の最頂部にアクセスする、揚重ビームなどの取り付け、取り外し作業があるが、その他の作業では、最頂部より2m以上下方で作業することになる。
このような状況を鑑み、作業者が適切な姿勢で作業できるよう、作業床の高さ位置が調整可能な据付作業用足場が提案されていた(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平2−52886号公報 特開2005−89148号公報
特許文献1に記載された従来の据付作業用足場では、設置時には、作業床の高さを調整できるが、一旦設置した後では、作業床の高さを調整できなかった。そこで、作業床の高さを変えようとすると、設置されている据付作業用足場を解体し、再度組み立てる必要があり、エレベータの据付作業性が低下するという課題があった。
特許文献2に記載された従来の据付作業用足場では、設置後、必要に応じて、追加パーツを用いて高さの高い2段目の作業床を構築するように構成されているので、パーツ数が多くなり、質量が増大してしまう。作業者は、エレベータの据付時に、質量が増大した従来の据付作業用足場を最上階まで人力で運搬しなければならず、作業者の運搬作業負荷が増大する課題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、部品点数の増大を抑えて軽量化を図り、据付後に作業床の昇降を可能とするエレベータの据付作業用足場を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータの据付作業用足場は、乗り場に固定状態に取り付けられる支柱部と、一端を上記支柱部に固定されて、昇降路内の上記乗り場から離反する奥側に突出する土台部と、上記土台部の上記昇降路内への突出部に昇降可能に取り付けられる作業床部と、上記土台部に支点を回動可能に支持されて上記乗り場側から上記昇降路内の奥側に延びるように配設され、乗り場側端部を作業者が操作する力点とし、奥側端部を上記作業床部に荷重を加える作用点とするてこを有する昇降機構部と、上記作業床部を上記土台部に固定する固定装置と、を備える。
この発明によれば、作業床部が、一端を支柱部に固定された土台部の昇降路内への突出部に昇降可能に取り付けられている。そこで、据付作業用足場を据え付けた後、作業床部の高さを変えることができるので、据え付けられた据付作業用足場の解体、再組み立てが不要となり、エレベータの据付作業性が高められる。さらに、作業床部の高さを変えるための追加パーツが不要となり、据付作業用足場の軽量化が図られる。そこで、据付作業用足場を最上階まで運搬する作業者の運搬作業負荷が軽減される。
この発明の実施の形態1に係る据付作業用足場を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る据付作業用足場を昇降路に設置した状態を示す側面図である。 この発明の実施の形態1に係る据付作業用足場の固定部周りを示す要部断面図である。 この発明の実施の形態1に係る据付作業用足場における遠隔操作固定装置の構成を説明する上面図である。 この発明の実施の形態1に係る据付作業用足場における遠隔操作固定装置の構成を説明する背面図である。 この発明の実施の形態1に係る据付作業用足場における昇降機構部のてこの可動範囲を示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係る据付作業用足場におけるてこの作用点の位置と作業床部の重心の位置との関係を示す模式図である。 この発明の実施の形態2に係る据付作業用足場におけるてこの作用点周りを示す要部模式図である。 この発明の実施の形態3に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す側面図である。 この発明の実施の形態4に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す側面図である。 この発明の実施の形態4に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す正面図である。 この発明の実施の形態5に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す側面図である。 この発明の実施の形態5に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す正面図である。 この発明の実施の形態5に係る据付作業用足場におけるてこと作業床部の脚部との連結状態を説明する要部斜視図である。 この発明の実施の形態5に係る据付作業用足場におけるてこと作業床部の脚部との連結状態を説明する要部側面図である。 この発明の実施の形態6に係る据付作業用足場におけるてこと作業床部の脚部との連結状態を説明する要部斜視図である。 この発明の実施の形態6に係る据付作業用足場におけるてこと作業床部の脚部との連結状態を説明する要部側面図である。 この発明の実施の形態7に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す側面図である。 この発明の実施の形態7に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す背面図である。 この発明の実施の形態7に係る据付作業用足場における昇降機構部を示す上面図である。 この発明の実施の形態8に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す側面図である。 この発明の実施の形態8に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す背面図である。 この発明の実施の形態8に係る据付作業用足場における昇降機構部を示す上面図である。 この発明の実施の形態9に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す側面図である。 この発明の実施の形態9に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す背面図である。 この発明の実施の形態9に係る据付作業用足場における昇降機構部を示す上面図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る据付作業用足場を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係る据付作業用足場を昇降路に設置した状態を示す側面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る据付作業用足場の固定部周りを示す要部断面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る据付作業用足場における遠隔操作固定装置の構成を説明する上面図、図5はこの発明の実施の形態1に係る据付作業用足場における遠隔操作固定装置の構成を説明する背面図である。なお、各図において、X方向は間口方向、Y方向は上下方向、Z方向は奥行き方向である。また、奥側とは、Z方向における乗り場側から離反する方向を意味する。
図1および図2において、据付作業用足場100は、乗り場2に固定状態に設置される支柱部10と、一端を支柱部10に固定されて昇降路1内の奥側に突き出るように設置される土台部15と、土台部15に昇降可能に設置される作業床部25と、作業床部25を昇降移動させる昇降機構部と、を備える。
支柱部10は、それぞれ、長さ方向をY方向として、X方向に離間して配置される一対の支柱11と、長さ方向をX方向として、一対の支柱11の上端側を連結する梁12と、を備える。そして、支柱部10は、一対の支柱11の下端をアンカーボルトなどにより乗り場2の床に固着されて、乗り場2の出入り口3側に立設される。
土台部15は、長さ方向をZ方向とする4本の前後フレーム16と、長さ方向をY方向とする4本の上下フレーム17と、長さ方向をX方向とする4本の左右フレーム18と、を備え、前後フレーム16、上下フレーム17および左右フレーム18の端部同士を連結して、直方体の12辺により構成される枠状体に作製されている。また、Y方向に離間する前後フレーム16の対のそれぞれが、Z方向の略中間位置で、長さ方向をY方向とするてこ支点支持梁19により、連結されている。さらに、天板20が、前後フレーム16、上下フレーム17および左右フレーム18の端部同士を連結して作製された枠状体の上面に設けられている。なお、上方に位置する一対の前後フレーム16の奥側を連結する左右フレーム18は、Y方向から見て、下方に位置する一対の前後フレーム16の奥側端部を連結する左右フレーム18と重ならないように、乗り場側にシフトされている。
作業床部25は、矩形平板状の作業床26と、それぞれ、断面矩形に作製され、長さ方向をY方向として、作業床26の四隅から下方に延びる脚部27と、それぞれ、Z方向に離間する脚部27の下端同士を連結する前後連結梁28と、を備える。作業床26のX方向の幅が、土台部15のX方向に離間する前後フレーム16の間の隙間より短くなっている。また、Z方向に離間する脚部27の間隔が、土台部15の奥側の上下フレーム17とてこ支点支持梁19との間の間隔に略一致している。なお、図示していないが、作業床26の上には、巾木や手摺が設置されている。
ガイド部21は、脚部27が挿通可能な断面矩形の筒状、又はこの断面矩形の筒状の内側の一面が開いた形状に作製され、図2および図3に示されるように、穴方向をY方向として、土台部15の上方に位置する一対の前後フレーム16の相対する側面のそれぞれのZ方向の略中間位置と奥側端部とに、溶接などにより接合されている。各ガイド部21の直交する二面には、ピン挿入穴22が形成されている。そして、4つのガイド部21は、ピン挿入穴22がX方向に相対し、残るピン挿入穴22が乗り場側に向くように、配設されている。
そして、作業床部25は、4本の脚部27をガイド部21のそれぞれに挿入して、土台部15に取り付けられる。そこで、土台部15に取り付けられた作業床部25は、ガイド部21に案内されて、Y方向に移動可能となっている。また、ピン係合穴23が、4本の脚部27のX方向の外側の面のそれぞれに、Y方向に等ピッチで複数形成されている。さらに、図示していないが、ピン係合穴23は、4本の脚部27の乗り場側の面のそれぞれにも、Y方向に等ピッチで複数形成されている。
昇降機構部は、X方向に離間して平行に配置され、それぞれ、中間部を支点29で水平軸周りに回動可能にてこ支点支持梁19に保持された一対の棒部材31と、一対の棒部材31の端部同士を連結する一対の連結梁32と、からなるてこ30を備えている。乗り場側の連結梁32が、作業者が操作する力点となり、一対の棒部材31の奥側の端部が、作業床部25の前後連結梁28に荷重を加える作用点33となる。また、前後連結梁28の荷重が加えられる部位が、荷重印加部となる。
つぎに、作業床部25の固定機構部について、図3から図5を参照しつつ説明する。
作業床部25の固定機構部は、自動固定装置35と、遠隔操作固定装置45と、を備える。
自動固定装置35は、図3に示されるように、板を有底円筒状、又は一辺が開いた矩形状に形成した保持具36と、後端部が保持具36の底部から突出し、かつ先端部が保持具36の開口から出没可能に保持具36に収納された円柱状の固定ピン37と、固定ピン37の先端側に径方向に突出するように形成され、保持具36の内周面に案内されて、固定ピン37を円滑に出没動作させるフランジ38と、保持具36内に収納され、フランジ38を介して固定ピン37を保持具36の開口から突出させるように付勢するばね39と、固定ピン37の保持具36の底部から突出する後端部に連結されたワイヤ40と、固定ピン37の先端部を斜めに切断して形成された傾斜面41と、を備える。
このように構成された自動固定装置35は、固定ピン37の先端がピン挿入穴22に挿入可能に、かつ、傾斜面39を下方に向けて、保持具36の開口側を各ガイド部21の乗り場側の面に溶接などにより接合して、取り付けられている。そこで、通常時には、ばね39の付勢力により、固定ピン37が押圧されて、ピン挿入穴22とピン係合穴23とに挿入されて、脚部27が固定状態となる。また、ワイヤ40を引っ張ることで、固定ピン37がピン挿入穴22とピン係合穴23とから引き出され、脚部27の固定が解除される。また、ワイヤ40を引っ張るのをやめると、ばね39の復元力で、固定ピン37がピン挿入穴22とピン係合穴23とに挿入されて、脚部27が固定状態となる。なお、自動固定装置35は、ばね39の付勢力により固定ピン37の先端がピン係合穴23に挿入されたとき、傾斜面41の根元がピン挿入穴22とピン係合穴23との境界に位置するように構成されている。
遠隔操作固定装置45は、図4および図5に示されるように、奥側に位置する左右フレーム18の奥側の面のX方向中央部に取り付けられた固定具46と、軸方向をY方向とし、固定具46を貫通して回動可能に取り付けられた駆動軸47と、駆動軸47の固定具46から下方への突出部に一端が固着された第1リンク48と、駆動軸47の固定具46から上方への突出部に中央部が固着された第2リンク49と、一端を第1リンク48の他端に軸方向をY方向とする軸周りに回動可能に連結されて、乗り場側に延びる操作棒50と、奥側に位置する2つのガイド部21の相対する面にX方向に移動可能に、かつピン挿入穴22に挿入可能に取り付けられた一対の固定ピン51と、それぞれ、第2リンク49の端部と固定ピン51とを連結する一対の第3リンク52と、を備える。
このように構成された遠隔操作固定装置45では、操作棒50をZ方向の奥側に押すと、操作棒50の押力が第1リンク48を介して駆動軸47に伝達され、駆動軸47が,図4中反時計回りに回動する。これにより、第2リンク49が、図4中反時計回りに回動し、第3リンク52が固定具46側に引き寄せられ、固定ピン51がピン挿入穴22とピン係合穴23とから引き抜かれ、脚部27の固定が解除される。
また、操作棒50をZ方向の乗り場側に引くと、操作棒50の引き力が第1リンク48を介して駆動軸47に伝達され、駆動軸47が,図4中時計回りに回動する。これにより、第2リンク49が、図4中時計回りに回動し、第3リンク52がガイド部21側に押され、固定ピン51がピン挿入穴22とピン係合穴23とに挿入され、脚部27が固定される。
このように構成された据付作業用足場100を据え付けるには、まず、工場にて、別々に組み立てられた支柱部10、土台部15、および作業床部25を現場に搬送する。このとき、作業床部25は、前後連結梁28が未装着状態となっている。ついで、作業床部25の4本の脚部27をガイド部21のそれぞれに挿入して、作業床部25を土台部15に取り付ける。ついで、前後連結梁28で、Z方向に離間する脚部27の下端同士を連結し、作業床部25を組み上げる。ここで、4本の脚部27が自動固定装置35により土台部15に固定されている。また、奥側の2本の脚部27が遠隔操作固定装置45により土台部15に固定されている。さらに、固定ピン51が乗り場側に位置する2つのガイド部21のピン挿入穴22および脚部27のピン係合穴23に差し込まれ、乗り場側の2本の脚部27が土台部15に固定される。
ついで、土台部15の枠状体の乗り場側を一対の支柱11に取付金(図示せず)などにより固着して、土台部15を支柱部10の下部側に取り付ける。ついで、斜め支持体14の上端を支柱11の上端側に締着し、下端を下側の前後フレーム16の奥側に締着して、一対の斜め支持体14により支柱部10と土台部15とを連結する。これにより、据付作業用足場100が組み立てられる。
ついで、支柱部10を乗り場2の壁面側に押しつつ、土台部15の一部を乗り場2の出入り口3から昇降路1内に突き出させる。ついで、一対の支柱11の上端と乗り場2の壁面との間に調節部材13を挟み込み、支柱11を鉛直状態とする。ついで、一対の支柱11の下端をアンカーボルトなどにより乗り場2の床に固着して、支柱部10を乗り場2の出入り口3側に立設し、据付作業用足場100の据え付けが完了する。
このように据え付けられた据付作業用足場100では、土台部15が支柱部10に片持ち支持されているが、土台部15が支柱部10に斜め支持体14により連結されているので、土台部15は支柱部10に強固に支持される。このとき、土台部15の荷重が、図2中、支柱部10の下端を中心として、支柱部10を時計回りに回動させるように作用する。支柱部10を時計回りに回動させる力は、支柱11の上端と乗り場2の壁面との間に配設された調節部材13を介して乗り場2の壁面で受けられる。そこで、乗り場2の出入り口3側に立設された支柱部10は、鉛直状態に保持される。
つぎに、作業床26の位置を高くする場合には、まず、作業者は、乗り場側に位置する2つのガイド部21のピン挿入穴22および脚部27のピン係合穴23に差し込まれている固定ピン51を引き抜き、乗り場側の2本の脚部27の固定ピン51による固定を解除する。ついで、作業者は、乗り場2から操作棒50を奥側に押して、固定ピン51をピン挿入穴22およびピン係合穴23から引き抜き、奥側に位置する2本の脚部27の遠隔操作固定装置45による固定を解除する。なお、4本の脚部27は、自動固定装置35により固定されており、作業床部25は下降しない。
ついで、作業者は、乗り場2で乗り場側の連結梁32を押し下げ、図2中、棒部材31を支点29周りに反時計回りに回動させる。これにより、てこ30の作用点33が前後連結梁28を押し上げ、作業床部25を上方に移動させる。このとき、脚部27に形成されたピン係合穴23の周壁部が、ピン係合穴23に挿入されている固定ピン37の傾斜面41上を摺動しつつ上昇する。そこで、固定ピン37が、脚部27、すなわちピン係合穴23の上昇とともに、ばね39に付勢力に抗して保持具36側に後退し、ついにはピン係合穴23から抜け出る。そして、次のピン係合穴23がピン挿入穴22の位置まで上昇すると、ばね39の復元力により、固定ピン37がピン係合穴23内に挿入される。この動作を繰り返し、作業床部25を所望の高さ位置まで移動させる。
そこで、作業者は、乗り場側に位置する2つのガイド部21のピン挿入穴22および脚部27のピン係合穴23に固定ピン51を差し込み、さらに、操作棒50を乗り場側に引いて、奥側に位置する2つのガイド部21のピン挿入穴22および脚部27のピン係合穴23に固定ピン51を差し込む。これにより、作業床部25が所望の高さ位置に固定される。作業者は、乗り場2から天板20に乗り、さらに作業床26に乗って、昇降路1の最頂部に揚重ビームなどを取り付け、あるいは取り外しの作業を行うことができる。
つぎに、作業床26の位置を低くする場合には、まず、作業者は、乗り場側に位置する2つのガイド部21のピン挿入穴22および脚部27のピン係合穴23に差し込まれている固定ピン51を引き抜き、乗り場側の2本の脚部27の固定ピン51による固定を解除する。ついで、作業者は、乗り場2から操作棒50を奥側に押して、固定ピン51をピン挿入穴22およびピン係合穴23から引き抜き、奥側に位置する2本の脚部27の遠隔操作固定装置45による固定を解除する。
ついで、作業者は、乗り場2で乗り場側の連結梁32を押し下げ、てこ30の作用点33を前後連結梁28に押し当てる。そこで、作業者は、乗り場2からワイヤ40を引っ張り、固定ピン37をピン挿入穴22およびピン係合穴23から引き出して、自動固定装置35による固定を解除する。ついで、作業者は、乗り場側の連結梁32を少しずつ持ち上げる。これにより、作用点33が下降し、作業床部25が自重により下降する。そして、作業床26が所望の高さ位置まで移動すると、ワイヤ40を引っ張るのをやめ、脚部27を自動固定装置35により固定する。また、乗り場側に位置する2つのガイド部21のピン挿入穴22および脚部27のピン係合穴23に固定ピン51を差し込み、さらに、操作棒50を乗り場側に引いて、奥側に位置する2つのガイド部21のピン挿入穴22および脚部27のピン係合穴23に固定ピン51を差し込む。これにより、作業床部25が所望の高さ位置に固定される。作業者は、乗り場2から天板20に乗り、さらに作業床26に乗って、例えば、昇降路1の最頂部より2m以上下方の位置で、作業することができる。
実施の形態1によれば、据付作業用足場100が、乗り場2に固定される支柱部10と、一端を支柱部10に固定されて昇降路1内に突出する土台部15と、土台部15に昇降可能に取り付けられる作業床部25と、を備えている。そこで、作業者は、作業内容に合わせて、作業床26の高さを調整し、適切な姿勢で作業することができる。また、据付作業用足場100を据え付けた後、作業床部25の高さ位置を調整できるので、作業床部25の高さ位置を変える度に、据付作業用足場100を解体し、再組立する必要がなく、エレベータの据付作業性が高められる。また、作業床部25の高さ位置を変えるための追加パーツが不要であり、据付作業用足場100の軽量化が図られる。そこで、エレベータの据え付け時に、据付作業用足場100を最上階まで運搬する際の、作業者の運搬作業負荷が軽減される。
また、作業床部25の昇降機構部として、てこ30を用いているので、作業者の作業床部25の昇降作業負荷が軽減される。
ここで、昇降機構部として、てこ30を用いていた場合、てこ30の作用点33は、支点29を中心とする円弧上を動く。そこで、水平に対する棒部材31の角度、すなわち支点29と作用点33を結ぶ線分が水平となす角度に応じて、鉛直方向成分の力に加えて水平方向成分の力が、作用点33から作業床部25の前後連結梁28に加わる。脚部27を上下方向に案内するガイド部21が存在するので、脚部27は水平方向に移動することはないが、作用点33から加わる水平方向成分の力は、上下動する脚部27の抵抗として作用し、上下動する脚部27の引っ掛かりなどの要因となる。
図6はこの発明の実施の形態1に係る据付作業用足場における昇降機構部のてこの可動範囲を示す模式図である。なお、図6中、θ1は可動範囲の上限に位置する棒部材31が水平となす角度、θ2は可動範囲の下限に位置する棒部材31が水平となす角度である。
可動範囲(θ1+θ2)を一定とすると、作用点33から前後連結梁28に加わる水平方向成分の力の最大値は、θ1とθ2との差が大きくほど大きくなる。つまり、作用点33から前後連結梁28に加わる水平方向成分の力の最大値は、θ1とθ2が等しい時に最小となる。したがって、上下動する脚部27の引っ掛かりの要因となる水平方向成分の力を低減するという観点から、θ1とθ2は、θ2−10°≦θ1≦θ2+10°を満足するように設定することが望ましく、θ1=θ2を満足するように設定することが特に望ましい。
図7はこの発明の実施の形態1に係る据付作業用足場におけるてこの作用点の位置と作業床部の重心の位置との関係を示す模式図である。なお、図7中、作業床部25の重心のZ方向の位置と一致する前後連結梁28の位置を、便宜上、重心34として示している。
図7において、てこ30の作用点33が、Z方向に関して、重心34から離れるほど、作用点33と重心34との間のZ方向の距離に応じたモーメントが、作業床部25に発生する。この作業床部25に作用するモーメントが大きくなるほど、作業床部25のスムーズな上下動の妨げとなる。つまり、重心34と作用点33との間のZ方向の距離を小さくすることが、作業床部25に作用するモーメントを小さくし、作業床部25のスムーズな上下動を可能とする。そこで、重心34は、Z方向に関して、可動範囲を可動するてこ30の作用点33の最奥側位置と、最乗り場側位置との間に存在することが望ましく、最奥側位置と最乗り場側位置との中央位置に位置することが特に望ましい。なお、作用点33の最奥側位置とは、棒部材31が水平である時の作用点33の位置である。また、作用点33の最乗り場側位置とは、棒部材31が上限又は下限の角度の大きい状態にあるときの作用点33の位置である。
なお、上記実施の形態1では、自動固定装置35による固定と、遠隔操作固定装置45による固定と、手動による固定ピン51による固定と、を併用しているが、4本の脚部の固定に自動固定装置35のみを用いてもよい。また、奥側の脚部27の固定に遠隔操作固定装置45を用い、乗り場側の脚部27の固定に手動による固定ピン51を用いてもよい。また、奥側の脚部27の固定に遠隔操作固定装置45を用い、乗り場側の脚部27の固定に自動固定装置35を用いてもよい。
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2に係る据付作業用足場におけるてこの作用点周りを示す要部模式図であり、図8の(a)は棒部材が可動範囲の上限に位置している状態を示し、図8の(b)は棒部材が水平に位置している状態を示している。なお、図8中、符号42は、重心34の位置を通る鉛直線である。
図8において、てこ30の作用点33が、前後連結梁28の重心34の位置に、リンク53を介して連結されている。つまり、重心34が荷重印加部である。また、θ1とθ2との関係は、θ1≧θ2である。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態2では、棒部材31が可動範囲の上限に位置している状態において、リンク53が重心34の位置を通る鉛直線42となす角度θ1’が、θ1より小さくなっている。また、棒部材31が水平な状態において、リンク53が重心34の位置を通る鉛直線42となす角度θ3’が、θ1より小さくなっている。
このように、てこ30の作用点33と前後連結梁28の重心34の位置とをリンク53により連結することにより、作業床部25に作用する水平方向線分の力を小さくでき、作業床部25のスムーズな上下動を実現できる。
なお、リンク53の長さを長くするほど、リンク53が鉛直線42となす角度が小さくなり、作業床部25をスムーズに上下動しやすくなる。
なお、上記実施の形態2では、θ1≧θ2の場合について説明したが、θ2≧θ1の場合においても、リンク53を設けることにより、作業床部25をスムーズに上下動することができる。
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す側面図である。
図9において、てこ30の作用点33は、前後連結梁28の重心34の位置に、リンク54を介して連結されている。つまり、重心34が荷重印加部である。リンク54は、長さ方向に複数の連結用穴55を有しており、連結に用いる連結用穴55を変えることにより、作用点33と前後連結梁28の重心34の位置との距離を変更可能となっている。
なお、他の構成は、実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態3では、てこ30の作用点33が、前後連結梁28の重心34の位置に、リンク54を介して連結されているので、上記実施の形態2と同様の効果が得られる。
つぎに、作用点33と前後連結梁28の重心34の位置との間の距離を変更できることによる効果について説明する。
まず、土台部15の高さは、A+Bとなる。但し、Aは、可動範囲の上限に位置しているてこ30の作用点33が土台部15の天板20に接するときの作用点33と重心34との間の鉛直方向長さであり、Bは、てこ30をその可動範囲内を可動させたときの作業床部25が可動する鉛直方向長さである。
図9中、作用点33と重心34との間の鉛直方向長さが最小の時の作業床部25を実線で示し、作用点33と重心34との間の鉛直方向長さが最大の時の作業床部25を点線で示している。このように、土台部15の高さを一定とした場合、Aが長くなると、Bが小さくなり、作業床26の最大到達高さCが低くなる。また、作業床26の最大到達高さCは、工事物件により異なる。
これらを鑑み、工事物件毎に、必要な作業床26の到達高さCが確保できるBを算出し、土台部15の高さと算出したBとからAを算出する。そして、可動範囲の上限に位置しているてこ30の作用点33が土台部15の天板20に接するときの作用点33と重心34との間の鉛直方向長さが算出したAとなるように、連結に用いる連結用穴55を選ぶことにより、必要な作業床26の到達高さを確保しつつ、作業床部25のスムーズな上下動を実現できる据付作業用足場を構築することができる。
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す側面図、図11はこの発明の実施の形態4に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す正面図である。
図10および図11において、ローラ56が、棒部材31の奥側端部のX方向の外側に、軸方向をX方向とする軸周りに、つまり支点29の軸と平行な軸周りに回転可能に取り付けられている。このローラ56は、てこ30の動作時に、前後連結梁28の下面を転動して、てこ30の作用点33における荷重伝達部となる。そして、前後連結梁28の下面が荷重印加部となる。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態4では、てこ30の動作時に、ローラ56が前後連結梁28の下面を転動して、荷重が前後連結梁28に加わるので、作業床部25に作用する水平方向成分の力を軽減することができ、作業床部25のスムーズな上下動を実現できる。また、実施の形態4ではリンク53,54を用いている実施の形態2,3に較べて、棒部材31の可動範囲を広くすることができる。
実施の形態5.
図12はこの発明の実施の形態5に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す側面図、図13はこの発明の実施の形態5に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す正面図、図14はこの発明の実施の形態5に係る据付作業用足場におけるてこと作業床部の脚部との連結状態を説明する要部斜視図、図15はこの発明の実施の形態5に係る据付作業用足場におけるてこと作業床部の脚部との連結状態を説明する要部側面図である。
図12から図15において、Y方向に離間する前後フレーム16が、作業床部25の乗り場側の脚部27と同じZ方向の位置で、支持梁24により連結されている。また、てこ支点支持梁19が、支持梁24のZ方向の奥側で、Y方向に離間する前後フレーム16を連結している。さらに、棒部材31の奥側端部である作用点33が、リンク53を介して奥側の脚部27の下端に連結され、前後連結梁28が省略されている。そして、脚部27のリンク53との連結部が、荷重印加部となる。なお、支持梁24は、土台部15を構成する上下フレーム17と同じものである。
脚受け部材57が、鋼板を折り曲げて一辺が開いた矩形状に作製され、X方向に離間する奥側の2本の脚部27のそれぞれのZ方向の両側面と底面を覆うように配設され、溶接などにより接合されて、両脚部27を連結している。一対のリンク受け部材58が、両脚部27と相対するように脚受け部材57内に固着されている。そして、リンク53の両端が、てこ30の作用点33とリンク受け部材58に、軸方向をX方向とする軸周りに回動可能に連結されている。脚部27のZ方向の両側面を覆う脚受け部材57の両辺を脚部27からX方向に突出させた上下方向ガイド57aが、X方向に離間する奥側の上下フレーム17のZ方向の両側面に沿って配設されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態5では、てこ30の作用点33がリンク53を介して作業床部25の奥側の2本の脚部27の下端に連結され、てこ支点支持梁19のZ方向の位置が奥側にシフトされている。これにより、上記実施の形態1に比べて、てこ30の支点29と力点との間の長さを長くできるので、小さい力で作業床部25を昇降させることができ、作業者の昇降作業負荷を軽減できる。
このとき、てこ30による荷重は作業床部25の奥側にしか印加されないが、乗り場2に居る作業者が、力点を押して作業床部25を昇降させる際に、天板20に上った作業者が、作業床部25の乗り場側に力を加えることで、作業床部25をバランス良く昇降させることができる。
また、上下方向ガイド57aが、X方向に離間する奥側の2本の上下フレーム17のそれぞれのZ方向の両側面に沿って配設されている。そこで、脚部27は、上下フレーム17に案内されて、上下フレーム17の長さ方向に対して傾くことなく、上下フレーム17の長さ方向に昇降するので、作業床部25のスムーズな上下動を実現できる。
なお、実施の形態5では、Y方向に離間する前後フレーム16のZ方向の中間部あたりを支持梁24とてこ支点支持梁19との2本で連結しているが、上記実施の形態1と同様に、てこ支点支持梁19に支持梁24の機能を兼用させ、支持梁24を省略してもよい。この場合、部品点数が削減され、据付作業用足場の軽量化が図られる。
実施の形態6.
図16はこの発明の実施の形態6に係る据付作業用足場におけるてこと作業床部の脚部との連結状態を説明する要部斜視図、図17はこの発明の実施の形態6に係る据付作業用足場におけるてこと作業床部の脚部との連結状態を説明する要部側面図である。
図16および図17において、延長用脚部60が、X方向に離間する奥側の脚部27の下端にボルトなどにより着脱可能に装着されている。そして、固定穴61が、脚部27の下端側と延長用脚部60のZ方向の乗り場側の面に上下方向に等ピッチで複数形成されている。
脚受け部材57’は、底部が短く形成され、X方向に離間する奥側の脚部27のZ方向の両側面を覆う上下方向ガイド57aが底部の両側に設けられている。そして、底部と上下方向ガイド57aとを接続する一対のリンク受け部材58が、両脚部27と相対するように脚受け部材57’内に固着されている。この脚受け部材57’は、上下方向ガイド57aがX方向に離間する奥側の脚部27のZ方向の両側部を覆うように装着されて、Y方向に移動可能に配設される。脚受け部材57’のZ方向の乗り場側の辺の脚部27を覆う部位にピン挿入穴(図示せず)が形成されている。そして、自動固定装置35が、脚受け部材57’のZ方向の乗り場側の辺の脚部27を覆う部位に装着され、固定ピン37がピン挿入穴から固定穴61に挿入されて、脚受け部材57’が脚部27又は延長用脚部60に固定されている。ここでは、便宜上、自動固定装置35は、固定ピン37のみで図示されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態5と同様に構成されている。
実施の形態6では、据付作業用足場を据え付ける際に、延長用脚部60が奥側の脚部27の下端に取り付けられている。そして、据付作業用足場を据え付けた後、遠隔操作固定装置45による脚部27の固定を解除し、棒部材31を可動範囲の上限に位置させる。ついで、遠隔操作固定装置45により脚部27を固定し、作業床部25が上下動しないことを確認する。ついで、脚受け部材57’に装着された自動固定装置35による固定を解除し、脚受け部材57’を上下動可能とする。ついで、脚受け部材57’を一番下まで移動させ、自動固定装置35により脚受け部材57’を延長用脚部60に固定する。ついで、遠隔操作固定装置45による脚部27の固定を解除し、棒部材31を可動範囲の上限に位置させた後、遠隔操作固定装置45により脚部27を固定する。
したがって、実施の形態6では、脚受け部材57’が奥側の脚部27の下端に固定されているときに、棒部材31を可動範囲の上限位置まで移動させることで、作業床26の到達高さを土台部15の高さの略2倍の高さとすることができる。そして、脚受け部材57’が奥側の脚部27の下端に装着された延長用脚部60に固定されているときに、棒部材31を可動範囲の上限位置まで移動させることで、作業床26の到達高さをさらに高くすることができ、作業者の作業可能高さ範囲を拡大できる。
このように、実施の形態6によれば、作業床26の到達高さを土台部15の高さの2倍以上の高さにすることができる据付作業用足場を実現できる。
また、脚受け部材57’の脚部27に対する固定位置を調整可能となっているので、作業床26の到達高さを任意に調節することができる。
なお、上記実施の形態6では、脚受け部材57’が、自動固定装置35により脚部27又は延長用脚部60に固定されているが、脚受け部材57’と脚部27又は延長用脚部60との固定手段は、両者を着脱可能に固定できれば、自動固定装置35に限定されない。
また、上記実施の形態6では、延長用脚部60が脚部27の下端に着脱可能に取り付けられているが、脚部27は、延長用脚部60が一体となった長い脚部としてもよい。
実施の形態7.
図18はこの発明の実施の形態7に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す側面図、図19はこの発明の実施の形態7に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す背面図、図20はこの発明の実施の形態7に係る据付作業用足場における昇降機構部を示す上面図である。
図18から図20において、タラップ65は、昇降機構部30の一対の棒部材31の内側を通って、土台部15の乗り場側に設置され、作業者が天板20に上れるようになっている。
なお、他の構成は、上記実施の形態5と同様に構成されている。
この実施の形態7によれば、タラップ65が土台部15の乗り場側に設置されているので、作業者が、タラップ65を上って、天板20に容易に上がることができ、据付作業性が高められる。このとき、てこ30の力点を構成する乗り場側の連結梁32を着脱可能とし、てこ30の動作時のみ、連結梁32を装着するようにすれば、作業者がタラップ65の利用時に、てこ30が邪魔になることがない、したがって、タラップ65を取り外すことなく、タラップ65を利用した作業者の天板20への上り下りや、てこ30を用いた作業床部25の上下動が可能となる。
実施の形態8.
図21はこの発明の実施の形態8に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す側面図、図22はこの発明の実施の形態8に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す背面図、図23はこの発明の実施の形態8に係る据付作業用足場における昇降機構部を示す上面図である。
図21から図23において、昇降機構部は、1本の棒部材31と、棒部材31をてこ支点支持梁19に支持する支点29と、棒部材31の乗り場側に着脱可能に装着される力点を構成する柄66と、からなるてこ30’を備えている。そして、棒部材31の奥側の端部である作用点33が、リンク53を介して、脚受け部材57のX方向の中央部に連結されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態7と同様に構成されている。
実施の形態8においても、タラップ65が土台部15の乗り場側に設置されているので、作業者が、タラップ65を上って、天板20に容易に上がることができ、据付作業性が高められる。また、てこ30’の力点を構成する柄66が棒部材31に着脱可能に装着されているので、てこ30’の動作時のみ、柄66を装着するようにすれば、作業者がタラップ65の利用時に、てこ30’が邪魔になることがない。また、タラップ65をボルトなどにより着脱可能に構成し、てこ利用時に取り外すことで、作業床部25の昇降時にタラップ65が邪魔になることがない。
実施の形態8によれば、てこ30’を構成する棒部材31が1本となり、部品点数が削減され、軽量化が図られる。
実施の形態9.
図24はこの発明の実施の形態9に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す側面図、図25はこの発明の実施の形態9に係る据付作業用足場における土台部と作業床部の組立体を示す背面図、図26はこの発明の実施の形態9に係る据付作業用足場における昇降機構部を示す上面図である。
図24から図26において、昇降機構部は、1本の棒部材31と、棒部材31をてこ支点支持梁19に支持する支点29と、棒部材31の乗り場側に設けられ、力点を構成する枠体67と、からなるてこ30”を備えている。枠体67は、タラップ65を囲繞する大きさに構成され、乗り場側の横棒67aが着脱可能となっている。そして、棒部材31の奥側の端部である作用点33が、リンク53を介して、脚受け部材57のX方向の中央部に連結されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態7と同様に構成されている。
実施の形態9においても、タラップ65が土台部15の乗り場側に設置されているので、作業者が、タラップ65を上って、天板20に容易に上がることができ、据付作業性が高められる。また、てこ30”の力点を構成する枠体67の乗り場側の横棒67aが着脱可能に構成されているので、てこ30”の動作時のみ、横棒67aを装着するようにすれば、作業者がタラップ65の利用時に、てこ30”が邪魔になることがない、したがって、タラップ65を取り外すことなく、タラップ65を利用した作業者の天板20への上り下りや、てこ30”を用いた作業床部25の上下動が可能となる。
実施の形態9によれば、てこ30”を構成する棒部材31が1本となり、部品点数が削減され、軽量化が図られる。
1 昇降路、2 乗り場、10 支柱部、15 土台部、17 上下フレーム、19 てこ支点支持梁、25 作業床部、27 脚部、29 支点、30,30’、30” てこ、31 棒部材、32 連結梁、33 作用点、35 自動固定装置、45 遠隔操作固定装置、56 ローラ、57 脚受け部材、60 延長用脚部、65 タラップ、66 柄、67 枠体、67a 横棒、100 据付作業用足場。

Claims (14)

  1. 乗り場に固定状態に取り付けられる支柱部と、
    一端を上記支柱部に固定されて、昇降路内の上記乗り場から離反する奥側に突出する土台部と、
    上記土台部の上記昇降路内への突出部に昇降可能に取り付けられる作業床部と、
    上記土台部に支点を回動可能に支持されて上記乗り場側から上記昇降路内の奥側に延びるように配設され、乗り場側端部を作業者が操作する力点とし、奥側端部を上記作業床部に荷重を加える作用点とするてこを有する昇降機構部と、
    上記作業床部を上記土台部に固定する固定装置と、
    を備えたエレベータの据付作業用足場。
  2. 上記固定装置は、上記作業床部の上昇動作を許容し、上昇動作時に自動的に上記作業床部を上記土台部に固定する自動固定装置、および上記作業床部の上記土台部に対する固定および固定解除を上記乗り場側から操作できる遠隔操作固定装置の少なくとも一方を備える請求項1記載のエレベータの据付作業用足場。
  3. 上記作用点の高さ位置が最大となっているときの上記てこの水平に対する角度をθ1、上記作用点の高さ位置が最小となっているときの上記てこの水平に対する角度をθ2としたときに、θ2−10°≦θ1≦θ2+10°である請求項1又は請求項2記載のエレベータの据付作業用足場。
  4. 上記作業床部の上記荷重が加えられる荷重印加部の水平方向の位置が、上記てこが水平となっているときの上記作用点の位置と高さ位置が最大となっている上記作用点の位置との間、又は上記てこが水平となっているときの上記作用点の位置と高さ位置が最小となっているときの上記作用点の位置との間にある請求項1又は請求項2記載のエレベータの据付作業用足場。
  5. 上記作業床部の上記荷重が加えられる荷重印加部の水平方向の位置が、上記作業床部の重心を通る鉛直線上またはその近傍にある請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエレベータの据付作業用足場。
  6. 上記作業床部の上記荷重が加えられる荷重印加部の水平方向の位置が、上記作業床部の奥側端部である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエレベータの据付作業用足場。
  7. 上記作用点と上記荷重印加部とが、リンクを介して連結されている請求項5又は請求項6記載のエレベータの据付作業用足場。
  8. 上記リンクは、上記作用点と上記荷重印加部との間の距離を可変に構成されている請求項7記載のエレベータの据付作業用足場。
  9. 上記作業床部は、奥側端部に、かつ上記支点の軸方向に離間して配設され、それぞれ、長さ方向を上下方向とする一対の脚部と、上記一対の脚部のそれぞれの下端に、着脱可能に取り付けられる一対の延長用脚部と、上記一対の脚部間又は上記一対の脚部の下端に取り付けられた上記一対の延長用脚部間を連結する脚受け部材と、を有し、
    上記荷重印加部が、上記脚受け部材に設けられている請求項7記載のエレベータの据付作業用足場。
  10. 上記作用点は、上記てこの奥側端部に取り付けられ、上記てこの動作時に、上記作業床部の上記荷重が加えられる荷重印加部上を転動して上記荷重を加えるローラである請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエレベータの据付作業用足場。
  11. 上記てこは、上記支点の軸方向に離間する一対の棒部材と、上記一対の棒部材の乗り場側端部を連結し、上記力点を構成する連結梁と、を備え、上記連結梁が、上記一対の棒部材に対して着脱可能となっており、
    タラップが、上記一対の棒部材の間の乗り場側を通るように上記土台部に設置されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエレベータの据付作業用足場。
  12. 上記てこは、1本の棒部材と、上記棒部材の乗り場側端部に着脱可能に取り付けられて、上記力点を構成する柄と、を備え、
    タラップが、上記土台部の乗り場側に着脱可能に設置されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエレベータの据付作業用足場。
  13. 上記てこは、1本の棒部材と、上記棒部材の乗り場側端部に取り付けられて、上記力点を構成する枠体と、を備え、上記枠体の乗り場側端部を構成する横棒が着脱可能に構成されており、
    タラップが、上記枠体内を通るように上記土台部に設置されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエレベータの据付作業用足場。
  14. 上記土台部を構成する上下フレームが、上記てこの支点を支持するてこ支点支持梁を兼用している請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエレベータの据付作業用足場。
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