JP6417774B2 - ソフトコンタクトレンズケア用品 - Google Patents

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Description

本発明は、ソフトコンタクトレンズケア用品に関し、更に詳細には、優れた消毒力(抗菌活性)を有するとともに、高い安全性を兼ね備えたソフトコンタクトレンズケア用品に関する。
頻回交換型ソフトコンタクトレンズや定期交換型ソフトコンタクトレンズの消毒保存液としてポリヘキサメチレンビグアニドや塩化ポリドロニウムを消毒成分とするMPS(マルチパーパスソリューション)が開発され、消毒・保存が非常に簡便になったものの、MPSは煮沸消毒、過酸化水素タイプの消毒剤やポビドンヨードタイプの消毒剤と比べて消毒力が弱いことが知られている。また、近年のソフトコンタクトレンズ装用者の増加により、ソフトコンタクトレンズのこすり洗いや、コンタクトレンズケースの洗浄などの不徹底が見られるようになり、これら不徹底などによる細菌等の増殖による角膜感染症も報告されている。
一方、従来のソフトコンタクトレンズに比べて高い酸素透過性を有するシリコーンハイドロゲルレンズが開発、販売されており、このシリコーンハイドロゲルレンズに対してMPSを使用することで、MPSに配合される消毒成分が原因と考えられる角膜上皮障害(角膜ステイニング)の発生が報告されている(非特許文献1)。MPSに配合される消毒成分としては塩化ポリドロニウムやポリヘキサメチレンビグアニドが広く用いられており、これらの中でも、ポリヘキサメチレンビグアニドにおいて角膜上皮障害(角膜ステイニング)が顕著に見られるとの報告がなされている(非特許文献2)。塩化ポリドロニウムを消毒成分とするMPSは、ポリヘキサメチレンビグアニドを消毒成分とするMPSと比較して、角膜上皮障害(角膜ステイニング)の発生頻度は少ないものの、ポリヘキサメチレンビグアニドよりも消毒効果が弱いことが報告されている(非特許文献3)。
このように、ポリヘキサメチレンビグアニドを消毒成分とするMPSには、角膜感染症を予防するための優れた消毒力と角膜上皮障害(角膜ステイニング)を防ぐための高い安全性とを兼ね備えることが求められている。消毒力については、非特許文献4によると、細菌等の消毒効果が現れやすい菌種においては菌数の減少が1000分の1以下になること、真菌等の効果が現れにくい菌種においては菌数の減少が10分の1以下になることがもとめられている。しかし、近年のMPSの実態を踏まえると、真菌等においても菌数の減少が1000分の1程度となることが求められているものと考えられる。安全性については、MPSが生体へ使用することからできる限り高いことが望ましいと考えられる。
一方で、消毒効果と安全性は容易に両立しないことが報告(非特許文献5)されており、このため、従来、優れた消毒力と高い安全性を兼ね備えるための検討がなされてきた(特許文献1)(特許文献2)。
特開2011−64723号公報 特開2000−86536号公報
工藤昌之、糸井素純、「シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズと消毒剤との相性」、あたらしい眼科、2005年,22,p.1349−1355. 植田喜一ら、「化学消毒剤による角膜ステイニングの発生」、日本コンタクトレンズ学会誌、2007年,49,p.187−191. 植田喜一ら、「温度による細菌の増殖性と化学消毒剤の効果」、日本コンタクトレンズ学会誌、2013年,55,p.14−22. 「ソフトコンタクトレンズ用消毒剤の消毒効果に係る自主点検について」平成15年7月2日付、薬食審査発第0702006号. 柳井亮二ら、「市販多目的用剤の消毒効果と細胞毒性の比較」、日本コンタクトレンズ学会誌、2007年,49,s13−s18.
特許文献1に記載の実施例では真菌における菌数の減少が10分の1程度であり消毒力が十分ではなく、特許文献2に記載の実施例は、消毒成分であるポリヘキサメチレンビグアニドが0.001w/v%とMPSにとって高濃度で配合されており、これよりも低濃度での消毒力については例示されておらず、必ずしも消毒力と安全性を兼ね備えたMPSが開発されてきたとはいえない状況であった。
すなわち、角膜感染症を予防するために優れた消毒力と角膜上皮障害(角膜ステイニング)を防ぐための高い安全性を兼ね備えたソフトコンタクトレンズケア用品は、いまだ満足のいくものが得られていない。
そこで、本発明の課題は、優れた消毒力を有するとともに、高い安全性を兼ね備えたソフトコンタクトレンズケア用品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、特定の化合物及び共重合体を特定の割合で含有する組成物をソフトコンタクトレンズケア用品とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、(A)グリセリンを0.7〜1.3w/v%、(B)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを0.7〜1.3w/v%、(C)式(1)に示す化合物又はその塩を0.00007〜0.00013w/v%、(D)式(2)に示す2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−メタクリル酸ブチル共重合体を0.05〜0.15w/v%、塩化カリウムを0.05〜0.35w/v%、及び水を含有する、ソフトコンタクトレンズケア用品が提供される。
Figure 0006417774
[式(1)中、kは繰り返し単位を示す数字で、3〜40の整数である。]
Figure 0006417774
[式(2)中、m、nは各構成単位のモル比を示し、モル比でm/n=70/30〜90/10である。]
(D)成分である式(2)の共重合体の重量平均分子量は、100,000〜1,000,000が好ましい。
なお、上記各成分の配合量を示す単位であるw/v%は、重量体積%を表し、単位体積当たりに含有される各成分の重量を百分率で表したものである。
本発明のソフトコンタクトレンズケア用品は、上記(A)〜(D)成分を所定の割合で含有するという特徴を有しており、優れた消毒力を有するとともに、高い安全性を兼ね備えている。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のソフトコンタクトレンズケア用品は、(A)成分としてグリセリン、(B)成分としてトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、(C)成分として下記式(1)に示される化合物、すなわち、ポリヘキサメチレンビグアニドまたはその塩、及び(D)成分として下記式(2)に示される共重合体を各々特定量と、水とを含有する。
Figure 0006417774
[式(1)中、kは繰り返し単位を示す数字で、3〜40の整数である。]
Figure 0006417774
[式(2)中、m、nは各構成単位のモル比を示し、モル比でm/n=70/30〜90/10である。]
本発明のソフトコンタクトレンズケア用品に用いる(A)成分は、グリセリンである。(A)成分の配合量は、ソフトコンタクトレンズケア用品の全量を基準(以下、他の成分も同じ)として、0.7〜1.3w/v%である。0.7w/v%未満若しくは1.3w/v%より大きいと、ソフトコンタクトレンズケア用品としての消毒力が十分に発揮できなくなる恐れがあり好ましくない。より十分な消毒力を発揮する点において、(A)成分の配合量の下限値は0.9w/v%以上、上限値は1.1w/v%以下が好ましい。
本発明のソフトコンタクトレンズケア用品に用いる(B)成分は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである。(B)成分の配合量は0.7〜1.3w/v%である。0.7w/v%未満若しくは1.3w/v%より大きいと、ソフトコンタクトレンズケア用品としての消毒力が十分に発揮できなくなる恐れがあり好ましくない。より十分な消毒力を発揮する点において、(B)成分の配合量の下限値は0.9w/v%以上、上限値は1.1w/v%以下が好ましい。
本発明のソフトコンタクトレンズケア用品に用いる(C)成分は、上記式(1)で表される化合物であり、ポリヘキサメチレンビグアニドと称される。また、その塩であってもよい。式(1)中のkは繰り返し単位を示す数字で、3〜40の整数である。kの値が3未満若しくは40より大きいと、ソフトコンタクトレンズケア用品としての消毒力が十分に発揮できなくなる恐れがある。より十分な消毒力を発揮する点において、kの値の下限値は10以上、上限値は18以下が好ましい。
ここで、kの値は次の式から算出できる。なお、各元素の原子量は、日本薬局方に記載の炭素:12.0107、水素:1.00794、窒素:14.0067を用いた。
k={(ポリヘキサメチレンビグアニドの重量平均分子量)/183.25408}−1
(C)成分のポリヘキサメチレンビグアニドの塩とは、例えば、塩酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩又はクエン酸塩が挙げられる。その具体例としては、例えば、アーチケミカルズ株式会社製のCosmocil CQ(登録商標)、あるいはVantcil IB(登録商標)や、三洋化成工業株式会社製のBG−1等の市販品が挙げられる。これらは、1種類を選択して単独で使用しても良く、2種類以上を任意に組合せて使用しても良い。市販されているポリヘキサメチレンビグアニドは、式(1)に示す末端基がシアノグアニジノ基以外にもグアジニン基等の置換基の異なる化合物が少量混入しているが、問題なく使用できる。
(C)成分の配合量は0.00007〜0.00013w/v%である。0.00007w/v%未満であると、ソフトコンタクトレンズケア用品としての消毒力が十分に発揮できない恐れがあり、0.00013w/v%より大きくても、配合量に見合った消毒効果の向上を期待できない。より十分な消毒力を発揮する点において、(C)成分の配合量の下限値は0.00008w/v%以上が好ましい。また、配合量に見合った消毒効果の向上の点において、その上限値は0.00012w/v%以下が好ましい。
本発明のソフトコンタクトレンズケア用品に用いる(D)成分は、上記式(2)に示す、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、MPCと称する)とメタクリル酸ブチルとの共重合体である。MPCとメタクリル酸ブチルとの共重合モル比は、「MPC:メタクリル酸ブチル=70:30〜90:10」の範囲である。
また、当該共重合体の重量平均分子量(Mw)は、100,000〜1,000,000であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が100,000未満であると、十分な消毒力を発揮できない恐れがあり、重量平均分子量(Mw)が1,000,000より大きいと製造するための無菌ろ過が困難となる恐れがある。
(D)成分の共重合体は、例えば、次のように製造することができる。すなわち、MPCとメタクリル酸ブチルとを、脱気条件下、ラジカル重合開始剤の存在下、あるいは窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガスなどの不活性ガス置換または雰囲気中、水、メタノール、エタノールなどの溶媒中で加熱あるいは光を照射することにより重合させ、製造することができる。
(D)成分の配合量は0.05〜0.15w/v%である。0.05w/v%未満であると、消毒効果を期待できない恐れがある。0.15w/v%より大きいと、ソフトコンタクトレンズケア用品としての消毒力が十分に発揮できない恐れがある。より十分な消毒力を発揮する点において、(D)成分の配合量は0.10w/v%以上、0.15w/v%以下が好ましい。
本発明のソフトコンタクトレンズケア用品には、上記(A)〜(D)成分の他に本発明の効果を損なわない範囲において、また、他の効果を期待して、その他の成分や、通常、ソフトコンタクトレンズケア用品に使用される成分を、その目的等に応じて適宜、適量配合することができる。
その他の成分としては、例えば、糖類、粘稠化剤、清涼化剤、無機塩、有機酸の塩、酸、塩基、酸化防止剤、安定化剤を挙げることができる。
糖類としては、例えば、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース等があげられる。
粘稠化剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。
清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフルが挙げられる。
無機塩としては、例えば、塩化カリウム、ホウ砂、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウムが挙げられる。
無機塩として塩化カリウムを、後述するソフトコンタクトレンズケア用品の好適な導電率範囲となるように配合することが好ましい。具体的には、ソフトコンタクトレンズケア用品の全量を基準として、0.05〜0.35w/v%の範囲が好ましく、下限値は0.07w/v%以上、上限値は0.13w/v%以下がより好ましい。当該範囲内であれば、消毒力と安全性の両立に好適な導電率範囲とすることができるからである。
有機酸の塩としては、例えば、クエン酸ナトリウムが挙げられる。
酸としては、例えば、ホウ酸、リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、塩酸が挙げられる。
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミンが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、酢酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエンが挙げられる。
安定化剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、グリシンが挙げられる。
ソフトコンタクトレンズケア用品は、ソフトコンタクトレンズのこすり洗いをしやすくするために、粘稠化剤を配合することが好ましく、特にヒドロキシプロピルメチルセルロースを配合することが好ましい。
水への溶解性及び水溶液の透明性の点で、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース全量に対して28.0〜30.0質量%のメトキシ基、及び7.0〜12.0質量%のヒドロキシプロポキシ基を有し、メトキシ基/ヒドロキシプロポキシ基の値が質量比で2.5〜4.0であり、20℃における2質量%水溶液の粘度が50〜4000mPa・sである、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。
粘稠化剤の配合量は、ソフトコンタクトレンズケア用品の全量を基準として、0.05〜0.2w/v%であることが好ましい。ソフトコンタクトレンズケア用品を所望の粘度に調整できるからである。
本発明のソフトコンタクトレンズケア用品は、上記(A)〜(D)成分、及び所望により上記その他の成分を水に溶解させた水溶液形態のものである。水としては、安全性の点で純水、イオン交換水等が好ましい。
本発明のソフトコンタクトレンズケア用品の導電率は特に規定されなくてもよいが、4.0〜8.0mS/cmの範囲であることが好ましく、4.5〜5.5mS/cmの範囲であることがより好ましい。ソフトコンタクトレンズケア用品の消毒力を向上させることができるからである。
当該導電率は、例えば、本発明のソフトコンタクトレンズケア用品を希釈などせずそのまま測定する。測定法は、第16改正日本薬局方 一般試験法 2.51 導電率測定法にて測定することができる。
本発明のソフトコンタクトレンズケア用品の導電率を調整する場合には、ソフトコンタクトレンズケア用品の成分として、導電率調整剤を所望の導電率となるように添加すればよい。本発明でいう導電率調整剤とは、ソフトコンタクトレンズケア用品の導電率を調整するために用いる添加剤であり、具体的には、上記の無機塩、酸、塩基が挙げられる。消毒力を向上させ得る点において、塩化ナトリウムを用いず、塩化カリウムとホウ酸を用いて導電率を調整するのが好ましい。
本発明のソフトコンタクトレンズケア用品の具体的な製品形態としては、次のようなものを例示することができる。すなわち、ソフトコンタクトレンズ装着液、ソフトコンタクトレンズ用消毒剤、ソフトコンタクトレンズ用保存剤、ソフトコンタクトレンズ用洗浄剤、ソフトコンタクトレンズ用すすぎ液、ソフトコンタクトレンズ用洗浄保存剤などが挙げられる。
また、本発明のソフトコンタクトレンズケア用品は、あらゆるソフトコンタクトレンズへ使用することができるが、ソフトコンタクトレンズの中でも、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの使用が好ましい。
つづいて、本発明のソフトコンタクトレンズケア用品の製造方法について説明する。
本発明のソフトコンタクトレンズケア用品は、(A)〜(D)成分、及び所望により上記その他の成分を、室温〜70℃程度の温度下に水中に添加、撹拌して溶解させることにより製造することができる。(A)〜(D)成分は逐次に添加してもよく、あるいは、一括して添加してもよい。また、(A)〜(D)成分の添加順序としてはどの成分から添加してもよく、その他の成分を配合する場合も、適宜添加すればよい。
しかし、粘稠化剤、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを配合する場合は、当該成分の水への溶解特性を考慮して、次のように添加することが好ましい。
すなわち、70〜90℃に加熱した熱水中にヒドロキシプロピルメチルセルロースを分散させた後、これを30〜50℃まで撹拌しながら冷却することによりヒドロキシプロピルメチルセルロースを溶解させ、次に、この得られた溶液に(A)〜(D)成分、及び所望によりその他の成分を添加、撹拌して溶解させる。
製造における加熱、冷却及び撹拌は溶液全体を均一に加熱、冷却及び撹拌することができれば良く、いずれも公知の器具、装置を用いることができる。
以下、本発明について実施例及び比較例により、本発明及びその効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
1.ソフトコンタクトレンズケア用品のpH
各実施例及び比較例のソフトコンタクトレンズケア用品のpHは、第16改正日本薬局方 一般試験法 2.54 pH測定法に従い、pH測定計(D−51型、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。
2.ソフトコンタクトレンズケア用品の浸透圧
各実施例及び比較例のソフトコンタクトレンズケア用品の浸透圧は、第16改正日本薬局方 一般試験法 2.47 浸透圧測定法(オスモル濃度測定法)に従い行った。具体的には、氷点測定法によるオズモメーター(Fiske Model 210 マイクロサンプル・オズモメーター、Advanced Instruments、inc製)を用いて測定した。
3.ソフトコンタクトレンズケア用品の導電率
各実施例及び比較例のソフトコンタクトレンズケア用品の導電率は、第16改正日本薬局方 一般試験法 2.51 導電率測定法に従い行った。具体的には、導電率測定計(B−173型、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。
実施例1−1
<ソフトコンタクトレンズケア用品の製造>
精製水80gを80℃になるように加熱し、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ(登録商標)60SH−50)0.1gを少しずつ投入してマグネチックスターラーで30分間激しく攪拌し、分散体を得た。この分散体を50℃まで冷却し、均一に溶解している溶液とした。この後、ホウ酸0.4g、グリセリン1.05g、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン1.05g、塩酸0.47g、塩化カリウム0.1g、Cosmocil CQ(登録商標)0.0005g(20%水溶液であるため、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩として0.0001gを含む(重量平均分子量は2806であり、換算することにより、繰返し単位であるkは14))、−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−メタクリル酸ブチル共重合体5%水溶液2.0g該共重合体有効分として0.1g、共重合モル比は80:20重量平均分子量は約650,000)を順次加え、攪拌した。この溶液を50℃のまま、1時間攪拌混合した。この後、これに全量100mLとなるように精製水を加えた。この溶液を30℃以下まで冷却し、ろ過滅菌を行い、無菌のソフトコンタクトレンズケア用品とした。このソフトコンタクトレンズケア用品の外観は無色澄明、pHは7.5、浸透圧は281mOsm/kg、導電率は5.1mS/cmであった。結果を表1に示す。
実施例1−2〜1−5、1−7、1−8、及び参考例1−6
表1に示す種類及び量の成分を使用した以外は、実施例1−1と同様の手順に従って各実施例及び参考例1−6のソフトコンタクトレンズケア用品を製造した。各実施例及び参考例1−6のソフトコンタクトレンズケア用品の性状、pH、浸透圧及び導電率を表1に示す。
Figure 0006417774
比較例1−1〜1−10
表2に示す種類及び量の成分を使用した以外は、実施例1−1と同様の手順に従って各比較例のソフトコンタクトレンズケア用品を製造した。各比較例のソフトコンタクトレンズケア用品の性状、pH、浸透圧及び導電率を表2に示す。
Figure 0006417774
実施例2−1
<ソフトコンタクトレンズケア用品の抗菌活性試験>
ソフトコンタクトレンズケア用品の抗菌活性試験には、真菌類であるCandida albicans ATCC10231(以下、カンジタ菌)を用いた。
次の(1)〜(4)の手順に従い、実施例1−1のソフトコンタクトレンズケア用品の抗菌活性試験を実施した。
(1)カンジタ菌をサブロー・デキストロースカンテン培地に接種し、20〜25℃で44時間培養した。
(2)培養終了後、ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩液に懸濁して、カンジタ菌が約10〜10個/mLになるように調製し、試験菌液とした。
(3)実施例1−1のソフトコンタクトレンズケア用品10mLをプラスチック製容器に分注し、これに試験菌液0.1mLを加えて攪拌し、カンジタ菌が約10〜10個/mLとなるように調製し、試験溶液とした。また、試験溶液の生菌数をカンテン平板混釈法により測定した:試験溶液の初期生菌数(以後、単に初期生菌数と称する)。
(4)試験溶液を20〜25℃にて静置し、試験菌液を添加してから4時間後に試験溶液1mLを回収し、中和溶液(Dey−Engley Neutralizing Broth)9mLを加えてソフトコンタクトレンズケア用品を中和し、生菌数をカンテン平板混釈法により測定した:試験溶液の4時間後生菌数(以後、単に4時間後生菌数と称する)。
上記のようにして測定した初期生菌数及び4時間後生菌数から、下記式(a)を用いて菌減少度を算出した。
(菌減少度)=−log{(4時間後生菌数)/(初期生菌数)}・・・・(a)
実施例2−2〜2−5、2−7、2−8、参考例2−6、及び比較例2−1〜2−10
実施例1−2〜1−5、1−7、1−8、参考例1−6、及び比較例1−1〜1−10の各ソフトコンタクトレンズケア用品を使用して、実施例2−1と同様に各ソフトコンタクトレンズケア用品の抗菌活性試験を実施し、抗菌活性を評価した。結果を表3及び表4に示す。
Figure 0006417774
Figure 0006417774
抗菌活性試験の結果、実施例2−1〜2−8については抗菌活性試験の菌減少度が2.1〜3.1となり、中でも実施例2−1について菌減少度が3.1となり最も抗菌活性に優れた。一方、比較例2−1〜2−10については菌減少度が0.0〜1.4であった。これより、実施例2−1〜2−8の菌減少度は各比較例よりも約1〜3高い値を示し、優れた抗菌活性を有することが分かった。
実施例3−1
<ウサギ角膜上皮細胞(SIRC細胞)を用いたコンタクトレンズ抽出物細胞毒性試験>
該細胞毒性試験には、ソフトコンタクトレンズとして2ウィークアキュビュー(登録商標)(含水率が50%以上でイオン性であるソフトコンタクトレンズ、ジョンソンエンドジョンソン株式会社製)及びアキュビューオアシス(登録商標)(シリコーンハイドロゲルレンズ、ジョンソンエンドジョンソン株式会社製)の2種類を用いた。
以下に、具体的な試験方法を示す。
(1)コンタクトレンズケースを2つ用意し、実施例1−1のソフトコンタクトレンズケア用品を1mLずつ入れた。
(2)1つ目のコンタクトレンズケースに2ウィークアキュビューを1枚、2つ目のコンタクトレンズケースにアキュビューオアシスを1枚入れ、35℃、65%RHで24時間浸漬させた。
(3)この後、コンタクトレンズケースから2ウィークアキュビューとアキュビューオアシスを取り出し、これを牛胎児血清を10vol%添加したEagleのMinimum Essential Medium(MEM10培地)に浸漬し、37℃、5.0%COインキュベーターで24時間保管して、ソフトコンタクトレンズに吸着した物質を抽出した。
(4)あらかじめ培養したSIRC細胞を細胞培養用培地へ懸濁させ、この懸濁液を10cells/ウェルとなるように調製し、96ウェルプレートに100μLずつ播種し、24時間培養した。
(5)(4)での培養終了後、SIRC細胞を培養した96ウェルプレートから細胞培養用培地を除いた。
(6)(3)にて調製した抽出液、陰性対照(生理食塩液)及び細胞培養用培地を96ウェルプレートに100μLずつ添加し、24時間培養した。
(7)抽出液、陰性対照及び細胞培養用培地を96ウェルプレートから除き、ニュートラルレッド混合培地(ニュートラルレッドを5mg/mLとなるように精製水で溶解させ、この液を細胞培養用培地で100倍希釈して、ニュートラルレッド混合培地とした。)を96ウェルプレートに100μLずつ添加し、3時間静置した。
(8)96ウェルプレートからニュートラルレッド混合培地を除いた。この後、エタノール/精製水/酢酸=50/49/1の体積比で調製したニュートラルレッド抽出液を96ウェルプレートに100μLずつ添加し、振盪機で5分間攪拌し、SIRC細胞からニュートラルレッドを抽出した。
(9)(8)にて抽出した液について540nmにおける吸光度を測定した。得られた吸光度から下記式(b)を用いて、SIRC細胞の細胞生存率(%)を算出した。
(細胞生存率(%))=(実施例又は陰性対照の吸光度−ブランクの吸光度)/(細胞培養用培地の吸光度−ブランクの吸光度)×100・・・・(b)
ここで、ブランクの吸光度とは、96ウェルプレートの540nmにおける吸光度を示す。細胞毒性試験結果を表5に示す。
実施例3−2〜3−5、3−7、3−8、参考例3−6、及び参考例
実施例1−2〜1−5、1−7、1−8、及び参考例1−6の各ソフトコンタクトレンズケア用品を使用して、実施例3−1と同様にウサギ角膜上皮細胞(SIRC細胞)を用いたコンタクトレンズ抽出物細胞毒性試験を実施した。また、参考例として、ソフトコンタクトレンズケア用品の代わりに生理食塩水を使用した、陰性対照の抽出物細胞毒性試験も実施した。
各細胞毒性試験結果を表5に示す。
Figure 0006417774
細胞毒性試験結果から、実施例1−1〜1−8のソフトコンタクトレンズケア用品は、生理食塩水と同等の高い細胞生存率、すなわち安全性を有することが示され、本発明のソフトコンタクトレンズケア用品は、高い安全性と高い抗菌活性を併せ持つことが示された。

Claims (2)

  1. (A)グリセリンを0.7〜1.3w/v%、
    (B)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを0.7〜1.3w/v%、
    (C)式(1)に示す化合物又はその塩を0.00007〜0.00013w/v%、
    (D)式(2)に示す2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−メタクリル酸ブチル共重合体を0.05〜0.15w/v%、
    塩化カリウムを0.05〜0.35w/v%、及び水を含有する、
    ソフトコンタクトレンズケア用品。
    Figure 0006417774
    [式(1)中、kは繰り返し単位を示す数字で、3〜40の整数である。]
    Figure 0006417774
    [式(2)中、m、nは各構成単位のモル比を示し、モル比でm/n=70/30〜90/10である。]
  2. 前記(D)式(2)に示す2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−メタクリル酸ブチル共重合体の重量平均分子量が100,000〜1,000,000である、
    請求項1に記載のソフトコンタクトレンズケア用品。
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