JP6417536B2 - 低温硬化性樹脂組成物及びその使用 - Google Patents

低温硬化性樹脂組成物及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、低温硬化性樹脂組成物、特にハードディスク装置用、カメラモジュール組み立用、光学部品固定用(例えば、ディスプレイ装置バックライトユニット組み立て用、光ピックアップ組み立て用を含む)の低温硬化樹脂組成物に関し、この組成物を用いて作製したハードディスク装置、カメラモジュール、ディスプレイ装置バックライトユニット、光ピックアップに関する。
近年、電子部品や各種装置の組み立てに接着剤が汎用されている。例えば、ハードディスクの組み立てでは磁気ヘッドの周辺部位を接着するのに接着剤が使用され、カメラモジュールの組み立てではレンズバレルと呼ばれるレンズユニットと台座(筐体)を接着し、ディスプレイの組み立てではバックライトユニットに装着する光学レンズを基板に固定するのに接着剤が使用され、光ピックアップの組み立てではレーザーユニットや受光素子の固定に接着剤が使用されている。接着剤が適用される部位や、周辺の材料(例えば、耐熱性の低いプラスチック材料等が周辺で使用されている場合)によっては、接着剤を硬化させる際、100〜150℃のような高い温度に加熱すると、ダメージを受ける可能性がある。
低温硬化性樹脂組成物として、エポキシ樹脂に、メルカプト基含有シリコーン及びアミンアダクト系潜在硬化性を含む組成物(特許文献1参照)や、エポキシ樹脂に、酸無水物、スルホニル化したイミダゾール類を含む組成物(特許文献2参照)が提案されている。
特開2010−70634号公報 特開平5−78456号公報
しかしながら、上記の組成物には、保存安定性に劣るという問題があった。そこで、低温硬化可能でありながら、保存安定性に優れた硬化性組成物が依然として求められている。
本発明は、保存安定性に優れた低温硬化性組成物を提供するものである。ここで、「低温硬化性組成物」とは、60〜80℃の熱により硬化し、硬化物を与えることができる組成物をいう。本発明の発明者らが鋭意検討した結果、オニウム塩や、第一族金属塩及び第二族金属塩といった塩や、多孔質材料を、特定の硬化剤及び潜在硬化剤と組み合わせて、熱硬化性樹脂に配合すると、保存時の安定化剤として機能することを見出し、本発明を完成させた。
本発明1は、(A)熱硬化性樹脂、(B)チオール系硬化剤、(C)潜在性硬化剤、並びに(D)オニウム塩、第一族金属塩、第二族金属塩及び多孔質材料からなる群より選択される1種以上である安定化剤を含む、低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明2は、(A)100質量部に対し、(D)が0.01〜80質量部である、本発明1の低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明3は、(D)が、オニウム塩、第一金属塩及び第二族金属塩からなる群より選択される1種以上である、本発明1又は2の低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明4は、(D)が、オニウム塩である、本発明3の低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明5は、オニウム塩が、スルホニウム塩及びヨードニウム塩からなる群より選択される1種以上である、本発明4の低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明6は、(D)が、第一族金属塩及び/又は第二族金属塩である、本発明3の低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明7は、第一族金属塩及び/又は第二族金属塩が、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、スルホン酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び酢酸ナトリウムからなる群より選択される1種以上である、本発明6の低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明8は、(D)が、多孔質材料である、本発明1又は2の低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明9は、多孔質材料が、ゼオライト、シリカゲル、モレキュラーシーブ、アルミナ及びアルフェンからなる群より選択される1種以上である、本発明8の低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明10は、(A)100質量部に対し、(B)が10〜120質量部であり、(C)が1〜20質量部である、本発明1〜9のいずれかの低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明11は、ハードディスク装置用である、本発明1〜10のいずれかの低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明12は、カメラモジュール組み立て用である、本発明1〜10のいずれかの低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明13は、バックライトユニット組み立て用である、本発明1〜10のいずれかの低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明14は、光ピックアップ組み立て用である、本発明1〜10のいずれかの低温硬化性樹脂組成物に関する。
本発明15は、本発明11の低温硬化性樹脂組成物を用いて作製したハードディスク装置に関する。
本発明16は、本発明12の低温硬化性樹脂組成物を用いて作製したカメラモジュールに関する。
本発明17は、本発明13の低温硬化性樹脂組成物を用いて作製したバックライトユニットに関する。
本発明18は、本発明14の低温硬化性樹脂組成物を用いて作製した光ピックアップ装置に関する。
本発明によれば、保存安定性に優れた低温硬化性組成物を提供することができ、特に、保存安定性に優れた、ハードディスク装置用、カメラモジュール組み立用、光学部品固定用(例えば、ディスプレイ装置バックライトユニット組み立て用、光ピックアップ組み立て用を含む)の低温硬化性組成物を提供することができる。本発明によれば、この組成物を用いて作製したハードディスク装置、カメラモジュール、ディスプレイ装置バックライトユニット及び光ピックアップも提供することができる。
本発明の低温硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)チオール系硬化剤、(C)潜在性硬化剤、並びに(D)オニウム塩、第一族金属塩、第二族金属塩及び多孔質材料からなる群より選択される1種以上の安定化剤を含む。
<(A)エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂は、特に限定されず、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものを使用することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの水素添加物及びハロゲン化物であってもよい。好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等であり、さらに好ましくは、ビスフェノールF型エポキシ樹脂である。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、DIC社製EPICLON850S、860、1055等が挙げられる。水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、ADEKA社製KRM−2408、JER社製のYX−8034等が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、DIC社製EPICLON830S等が挙げられる。ナフタレン型エポキシ化合物として、DIC社製EPICLONのHP4032D、HP−7200H等が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、DIC社製EPICLON N−740、N−770等が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、DIC社製のEPICLON N−660、N−670等が挙げられる。脂環型エポキシ樹脂として、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル社製セロキサイド(登録商標)2021P)、1,2:8,9ジエポキシリモネン(ダイセル社製セロキサイド3000)、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(ダイセル社製セロキサイド2000)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(ダイセル社製EHPE3150)等が挙げられる。
<(B)チオール系硬化剤>
(B)は、チオール系硬化剤であり、分子内にチオール基を1つ以上含有する化合物であれば、特に限定されず、分子内にチオール基を2つ以上有するポリチオール化合物が好ましい。分子内にチオール基を2つ以上有するポリチオール化合物としては、例えば、3,3’−ジチオジプロピオン酸、トリメチロールプロパン トリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトール テトラキス(チオグリコレート)、エチレングリコール ジチオグリコレート、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトール ヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)等のポリオールとメルカプト有機酸のエステル化反応によって得られるチオール化合物、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオール等のアルキルポリチオール;末端チオール基含有ポリエーテル;末端チオール基含有ポリチオエーテル;エポキシ化合物と硫化水素との反応によって得られるチオール化合物;ポリチオール化合物とエポキシ化合物との反応によって得られる末端チオール基を有するチオール化合物等が挙げられる。
好ましいポリチオール化合物は、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトール ヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)である。
(B)は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
<(C)潜在性硬化剤>
潜在性硬化剤は、熱によって活性化して、熱硬化性樹脂の硬化に寄与する硬化剤をいい、60℃以上で活性化するものであることが好ましい。ジシアンジアミド等のシアノ化合物やアミンアダクトが挙げられる。アミンアダクトとしては、例えばADEKA社製のアデカハードナーEH5030S、味の素ファインテクノ社製のアミキュアPN−23、アミキュアPN−30、アミキュアMY−24、アミキュアMY−H等が挙げられる。また、マイクロカプセル型硬化剤も使用することができ、旭化成イーマテリアルズ社製のノバキュアHX3721、HX3722が挙げられる。
(C)としては、アミン類も使用することができ、ラウリルジメチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2−メチルイミダゾリルエチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2−ウンデシルイミダゾリルエチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2−エチル−4−メチルイミダゾリルエチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等が例示される。好ましくは、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)等の環状アミンである。
(C)は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(D)オニウム塩、第一族金属塩、第二族金属塩及び多孔質材料からなる群より選択される1種以上の安定化剤
(D)は、オニウム塩、第一族金属塩、第二族金属塩及び多孔質材料からなる群より選択され、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(D)として、オニウム塩、第一金属塩及び第二族金属塩からなる群より選択される塩である安定剤を使用することができる。このような塩は、保存時等の非加熱下での(A)と(B)の反応を抑制することにより、組成物に保存安定性を付与することができる。(D)として、オニウム塩のみを使用してもよいし、第一族金属塩及び/又は第二金属族塩のみを使用してもよい。好ましくは、オニウム塩である。
(D)として、多孔質材料である安定剤を使用することができ、このような安定剤を使用することによって、組成物中の水分の除去を通して、組成物の保存安定性の向上を図ることができる。
オニウム塩としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられ、アニオン部分としては、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、[BX4-(Xは、フッ素又はトリフルオロメチル基で置換されていてもよいフェニル基)、[(Rf)PF6−n] -(Rfは、炭素原子数1〜6のフッ素化アルキル基であり、nは1〜5である)等が挙げられる。例えば、p−フェニルベンジルメチルスルホニウム塩、p−フェニルジメチルスルホニウム塩や、ベンジルメチルp−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のp−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウム塩等のベンジルメチルスルホニウム塩や、トリフェニルスルホニウム塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム塩等のトリアリールスルホニウム塩や、4,4−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]フェニスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート等のビス−[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド骨格を持つジスルホニウム塩、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウム等のヨードニウム塩等が挙げられ、安定性の点から好ましくはベンジルメチルp−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートである。
オニウム塩は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
第一族金属塩としては、第一族元素であるナトリウム、カリウムの塩が挙げられ、第二金属塩としては、第二族元素であるカルシウムの塩が挙げられる。第一族金属塩及び第二族金属塩としては、硫酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、塩化物、カルボン酸塩(例えば、酢酸塩、コハク酸塩、フタル酸塩等)が挙げられ、例えば、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、スルホン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
第一族金属塩及び/又は第二族金属塩は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
多孔質材料としては、ゼオライト、シリカゲル、モレキュラーシーブ、アルミナ、アロフェン等の無機多孔質材料が挙げられ、組成物の安定性向上の点から好ましくはゼオライトである。多孔質材料は、平均細孔径が0.05nm以下を使用することができ、0.01〜0.5nmのものが好ましく、より好ましくは0.01〜0.4nmである。
多孔質材料は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、(A)100質量部に対して、(B)は10〜120質量部が好ましく、より好ましくは20〜100質量部であり、さらに好ましくは50〜85質量部である。
本発明の組成物において、(A)100質量部に対して、(C)は1〜20質量部が好ましく、より好ましくは3〜15質量部であり、さらに好ましくは5〜13質量部である。
本発明の組成物において、(A)100質量部に対して、(D)は0.01〜90質量部であることができ、0.01〜50質量部が好ましい。(D)として、オニウム塩を使用する場合、その使用量は、0.1〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.2〜3質量部であり、さらに好ましくは0.4〜2質量部である。(D)として、第一族金属塩及び/又は第二族金属塩を使用する場合、その使用量は0.01〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3質量部であり、さらに好ましくは0.1〜2質量部である。(D)として多孔質材料を使用する場合は、その使用量は0.1〜80質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜40質量部であり、さらに好ましくは1〜20質量部である。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、シランカップリング剤、酸化防止剤、可塑剤、粘着付与剤、顔料、充填剤等を配合することができる。
硬化剤として、本発明の効果を損なわない範囲で、酸無水物系硬化剤を使用することができる。酸無水物としては、特に限定されず、例えば、ヘキサヒドロフタル酸無水物、3−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン無水物、1−メチルナジック酸無水物、5−メチルナジック酸無水物、ナジック酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、3−メチルテトラヒドロフタル酸無水物、4−メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物が挙げられる。α−テルピネンやアロオシメン等のテルペン系ジエン若しくはトリエン化合物と無水マレイン酸とのディールス・アルダー反応物、これらの酸無水物のうちの不飽和結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。酸無水物は、分子内に2個以上の酸無水物基を有する化合物でもよく、例えば、テトラカルボン酸二無水物、ヘキサカルボン酸三無水物、ヘキサカルボン酸二無水物、無水マレイン酸共重合樹脂等の多価カルボン酸無水物類が挙げられ、具体的にはテトラカルボン酸二無水物 としては、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等である。酸無水物は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、成分を混合することにより調製することができる。混合には、例えば、プラネタリーミキサー、三本ロールミル等の混合装置を用いることができる。
本発明の組成物は、調製直後の組成物について、コーンプレート型粘度計で、25℃、20rpmの条件で測定した場合の粘度が、100〜50000mPa・sであることができ、1000〜30000mPa・sが好ましい。本発明の組成物は、保存安定性に優れており、室温(25℃)付近で保管した場合、3日後の粘度変化を20%以内に抑えることができる。
本発明の組成物は、60〜80℃に加熱することにより、硬化させることができる。このような温度とすることにより、周辺の材料にダメージを与えることなく、接着や固定を行うことができる。ただし、本発明の組成物は、この範囲を超える温度で加熱して、硬化させてもよい。
本発明の組成物は、ハードディスク装置、カメラモジュール、ディスプレイ装置バックライトユニット、光ピックアップ装置、電子部品等の製造に使用することができる。温度は、65〜80℃が好ましく、より好ましくは70〜80℃である。ハードディスク装置の製造においては、例えば、本発明の組成物を使用して、磁気ヘッド部位に部品を接着することができ、カメラモジュールの製造においては、本発明の組成物を使用して、レンズユニットと台座(筐体)、フィルター(IRカットフィルター)と台座(筐体)の接着を行うことができ、ディスプレイバックライトユニットの製造においては光学レンズと基板の接着を行うことができ、光ピックアップ装置の製造においては、レーザーダイオードとハウジング、フォトディテクターとハウジング、受発光素子とハウジングの接着を行うことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。表示は、特に断りがない限り、質量部、質量%である。
表1に示す配合(質量部)で、各成分を混合し、自公転式攪拌機(シンキー社製商品名ARV−310)を用いて1500rpmにて2分間十分に混練して、実施例及び比較例の組成物を調製した。
[反応開始温度]
反応開始温度は、DSC(PerkinElmer社製、商品名DSC4000)で、昇温速度10℃/minで測定した。発熱のピークが立ち上がった温度を反応開始温度とした。反応開始温度は、組成物が硬化可能な温度といえる。
[粘度/粘度変化率]
組成物の粘度は、コーンプレート型粘度計(東機産業社製、商品名RC-215)で、25℃、20rpmの条件で、調製直後及び3日間25℃で放置した後、測定した。
粘度変化率(%)=
(3日後の粘度−作製直後の粘度)/作製直後の粘度×100
Figure 0006417536
(a)ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(DIC社製、830S)
(b)ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(SC有機化学社製、DPMP)
(c)ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とマイクロカプセル化されたアミン系硬化剤の混合物(エポキシ樹脂60〜70質量%、アミン系硬化剤40〜30質量%、旭化成イーマテリアルズ社製、HX3722)
(d−1)ベンジルメチルp−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートを主成分、芳香族化合物を助剤、γ−ブチロラクトンを溶剤とした混合物(スルホニウム塩48.5質量%、三新化学工業社製、SI100L)
(d−2)リン酸三カルシウム(和光純薬工業製)
(d−3)モレキュラーシーブ(ユニオン昭和社製、3A)
表1に示されるように、実施例の組成物は、低温で硬化可能でありながら、保存安定性にも優れている。
本発明によれば、保存安定性に優れた低温硬化性組成物を提供することができ、特に、保存安定性に優れた、ハードディスク装置用、カメラモジュール組み立用、ディスプレイ装置バックライトユニット組み立て用、光ピックアップ装置組み立て用の低温硬化性組成物を提供することができる。本発明によれば、この組成物を用いて作製したハードディスク装置、カメラモジュール、ディスプレイ装置バックライトユニット、光ピックアップ等も提供することができ、産業上有用性が高い。

Claims (16)

  1. (A)熱硬化性樹脂、
    (B)チオール系硬化剤、
    (C)アミン系硬化剤である、熱によって活性化する潜在性硬化剤、並びに
    (D)オニウム塩と多孔質材料との組合せ、第一族金属塩、及び第二族金属塩からなる群より選択される1種以上である安定化剤
    を含み、第一族金属塩及び第二族金属塩が、硫酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、塩化物及び/又はカルボン酸塩であり、
    オニウム塩が、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩及びホスホニウム塩からなる群より選択される1種以上である、
    低温硬化性樹脂組成物。
  2. (A)100質量部に対し、(D)が0.01〜80質量部である、請求項1記載の低温硬化性樹脂組成物。
  3. (D)が、オニウム塩と多孔質材料との組合せである、請求項1又は2記載の低温硬化性樹脂組成物。
  4. オニウム塩が、スルホニウム塩及びヨードニウム塩からなる群より選択される1種以上である、請求項3記載の低温硬化性樹脂組成物。
  5. 多孔質材料が、ゼオライト、シリカゲル、モレキュラーシーブ、アルミナ及びアルフェンからなる群より選択される1種以上である、請求項3又は4記載の低温硬化性樹脂組成物。
  6. (D)が、第一族金属塩及び/又は第二族金属塩である、請求項1又は2記載の低温硬化性樹脂組成物。
  7. 第一族金属塩及び/又は第二族金属塩が、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、スルホン酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び酢酸ナトリウムからなる群より選択される1種以上である、請求項6記載の低温硬化性樹脂組成物。
  8. (A)100質量部に対し、(B)が10〜120質量部であり、(C)が1〜20質量部である、請求項1〜7のいずれか1項記載の低温硬化性樹脂組成物。
  9. ハードディスク装置用である、請求項1〜8のいずれか1項記載の低温硬化性樹脂組成物。
  10. カメラモジュール組み立て用である、請求項1〜8のいずれか1項記載の低温硬化性樹脂組成物。
  11. ディスプレイ装置バックライトユニット組み立て用である、請求項1〜8のいずれか1項記載の低温硬化性樹脂組成物。
  12. 光ピックアップ組み立て用である、請求項1〜8のいずれか1項記載の低温硬化性樹脂組成物。
  13. 請求項9記載の低温硬化性樹脂組成物を用いて作製したハードディスク装置。
  14. 請求項10記載の低温硬化性樹脂組成物を用いて作製したカメラモジュール。
  15. 請求項11記載の低温硬化性樹脂組成物を用いて作製したディスプレイ装置バックライトユニット。
  16. 請求項12記載の低温硬化性樹脂組成物を用いて作製した光ピックアップ。
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