JP6417214B2 - 鉄道車両の磁気遮蔽構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両の床下に設置された電線から発生する漏洩磁束の車内への漏れを低減するための鉄道車両の磁気遮蔽構造に関する。
従来より、鉄道車両において、人体への影響等を考慮し、鉄道車両に搭載された機器等から発生した漏洩磁束が車内へ漏れるのを低減するための磁気遮蔽構造が種々提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
例えば、特許文献1,2には、車両床下に設置されるリアクトルから発生する漏洩磁束が車内へ漏れるのを低減するために、リアクトルと床との間に、例えば板状の磁気遮蔽部材を配置する構成が開示されている。
また、特許文献3には、車両床下に設置される電線から発生する漏洩磁束が車内へ漏れるのを低減するために、断面がチャンネル状の2枚の鉄板の間に珪素鋼板を積層した構造からなる磁気遮蔽板を、平行な2本の電線管の上面及び両側面を覆うように配置する構成が開示されている。
特開平7−202470号公報 特開平7−235795号公報 特開2005−212575号公報
ところで、車両床下に設置される電線管の場合、例えば、鉄道車両の台枠の梁(例えば枕梁)に電線管より若干大きい径の貫通穴が設けられ、この貫通穴に電線管を挿入させる場合もあり、このような貫通穴に、特許文献3の技術(断面がチャンネル状の磁気遮蔽板)を適用することはできない。例えば、貫通穴を大きくしようとすれば、台枠の強度に悪影響を及ぼすことになる。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、磁気遮蔽のために必要なスペースが小さくてすみ、鉄道車両の床下の電線から発生する漏洩磁束の車内への漏れを低減することができる鉄道車両の磁気遮蔽構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のある形態に係る鉄道車両の磁気遮蔽構造は、内部に電線が通されて鉄道車両の床下に配置された単一の電線管の外周面を覆い、かつ、前記電線管の下方において前記電線管の延在方向に延びるスリットを有する磁気遮蔽部材を備えている。
この構成によれば、電線から発生する漏洩磁束は、磁気遮蔽部材中を多く流れ、磁気遮蔽部材の上方の車内(鉄道車両の床面上)への漏洩磁束の漏れを低減することができる。また、磁気遮蔽部材が単一の電線管の外周面を覆うように配置されることにより、磁気遮蔽部材の配置に必要なスペースを小さくできる。そのため、大きな磁気遮蔽板などを設けることができない部分にも磁気遮蔽部材の取付けが可能となる。
前記磁気遮蔽部材の前記スリットの幅が前記電線管の外径よりも小さいことが、磁気遮蔽効果を得る上でより好ましい。
前記磁気遮蔽部材は、前記電線管の延在方向と直交する断面が多角形の辺をなし、前記多角形の下端の一辺が前記スリットによって形成されていてもよい。
この構成によれば、磁気遮蔽部材を、例えば電磁鋼板からなる平板状の部材を曲げ加工して形成する場合、折り曲げ部分において磁気遮蔽性能が劣化するが、電線管の延在方向と直交する断面が例えば円弧状(曲線状)となるように、平板状の部材を曲面状に加工した場合には全面において磁気遮蔽性能が劣化することになり、この場合よりも劣化の程度を小さくできる。なお、応力除去焼なましを実施することにより磁気遮蔽性能を回復させるようにしてもよいが、この場合、応力除去焼なましを実施するためのコスト及び時間が必要になる。
前記磁気遮蔽部材は、前記電線管の延在方向から見て2つに分割され、かつ、互いの一部が前記電線管の上方において重ね合わせられた2つの遮蔽部材を有して構成されていてもよい。
この構成によれば、磁気遮蔽部材が2つの遮蔽部材を有して構成されることにより、電線管への磁気遮蔽部材の取付けが容易になる。また、既存の鉄道車両の電線管に対しても磁気遮蔽部材の取付けが容易になる。また、電線管の上方において、2つの遮蔽部材が重ね合わせられることにより、車内への漏洩磁束の漏れをより低減することができる。
前記電線管に、該電線管の延在方向と直交する断面がC字状となるように該電線管の延在方向に延びるスリットが設けられ、前記スリットが下部に位置するように前記電線管が配置されていてもよい。
この構成によれば、電線から発生する漏洩磁束は、磁性体からなる電線管に集中して流れ、電線管の下部のスリットの間に強い磁界が生じる。一方、電線管の上方への漏洩磁束が少なくなるため、車内への漏洩磁束の漏れを低減し、漏洩磁束による車内の磁界を低減することができる。さらに、磁気遮蔽部材による磁気遮蔽効果もあるので、車内への漏洩磁束の漏れをより低減し、漏洩磁束による車内の磁界をより低減することができる。
前記電線管及び前記磁気遮蔽部材は、前記鉄道車両の床下に設けられた所定の取付部分に、前記電線管と前記磁気遮蔽部材との間にスペーサを挟んで固定されていてもよい。
この構成によれば、スペーサによって鉄道車両の走行時における振動が吸収され、電線管及び磁気遮蔽部材の取付部分への固定を強固にできるとともに、電線管と磁気遮蔽部材との摩耗及び電気的接触を防止できる。なお、スペーサは弾力性を有するものであってもよい。
前記鉄道車両の台枠に前記電線管を挿入するための貫通穴が設けられ、この貫通穴に前記磁気遮蔽部材が前記電線管とともに挿入されていてもよい。
磁気遮蔽部材が単一の電線管の外周面を覆うように配置されることにより、磁気遮蔽部材の配置スペースを小さくできるので、磁気遮蔽部材を電線管とともに台枠に設けられた貫通穴に通すことができる。
また、本発明の別のある形態に係る鉄道車両の磁気遮蔽構造は、内部に電線が通されて鉄道車両の床下に配置された電線管に、該電線管の延在方向と直交する断面がC字状となるように該電線管の延在方向に延びるスリットが設けられ、前記スリットが下部に位置するように前記電線管が配置されている。
この構成によれば、電線から発生する漏洩磁束は、磁性体からなる電線管に集中して流れ、電線管の下部のスリットの間に強い磁界が生じる。一方、電線管の上方への漏洩磁束が少なくなるため、車内への漏洩磁束の漏れを低減し、漏洩磁束による車内の磁界を低減することができる。
本発明は、以上に説明した構成を有し、鉄道車両の磁気遮蔽構造において、磁気遮蔽のために必要なスペースが小さくてすみ、鉄道車両の床下の電線から発生する漏洩磁束の車内への漏れを低減することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る鉄道車両の一例を示す概略側面図である。 図2(A)は、実施形態に係る鉄道車両の磁気遮蔽構造の一例を示す断面図であり、図2(B)は、図2(A)に示す鉄道車両の磁気遮蔽構造の側面図である。 図3(A)は、磁気遮蔽部材を構成する遮蔽部材を一方向から見た図であり、図3(B)は、図3(A)に示す遮蔽部材を他方向から見た図である。 図4は、実施形態に係る鉄道車両の磁気遮蔽構造の他の例を示す断面図である。 図5は、実施形態に係る鉄道車両の磁気遮蔽構造の他の例を示す断面図である。
以下、好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る鉄道車両の一例を示す概略側面図である。図1の紙面左右方向(矢印Xで示す方向)が鉄道車両100の長手方向であり、紙面奥行き方向が、鉄道車両100の幅方向である。以下では、鉄道車両100の長手方向を「車両長手方向」と称し、鉄道車両100の幅方向を「車幅方向」と称して説明する。
図1に示すように、鉄道車両100は、車輪101が設けられた台車102と、台車102上に設けられた車体103とを備えている。車体103は、例えばステンレス製であり、妻面にあたる妻構体104と、側面にあたる側構体105と、屋根にあたる屋根構体106と、車体底部となる台枠107と、を有している。このうち台枠107は、台車102が取り付けられる枕梁21を有している。また、台枠107の上面には波板(例えば、キーストンプレートやコルゲートプレート)等が固定される。
詳細は図示しないが、台枠107には、その車幅方向の両端部にて車両長手方向に延びる一対の側梁と、台枠107の車両長手方向の端部にて車幅方向に延びて車幅方向両側の側梁の間に架け渡された端梁と、この端梁よりも車両長手方向内側に位置し、車幅方向両側の側梁の間に架け渡されて台車102に載置される枕梁21と、車両長手方向の前後の枕梁21の間において、車幅方向に延びて車幅方向両側の側梁の間に架け渡された複数の横梁などを備えている。
また、台枠107には、電線が設置されている。本実施形態に係る鉄道車両の磁気遮蔽構造は、台枠107に設置された電線(すなわち鉄道車両100の床下の電線)から発生する漏洩磁束の車内への漏れを低減するための構造である。
図2(A)は、実施形態に係る鉄道車両の磁気遮蔽構造の一例を示す断面図であり、図2(B)は、図2(A)に示す鉄道車両の磁気遮蔽構造の側面図である。
図2(A)、図2(B)では、2本の電線(被覆電線)1が車両長手方向(矢印Xで示す方向)に延在する部分を図示している。電線1は、集電子(図示せず)に接続され、鉄道車両100に搭載された各機器、電動機の電源用であり、電線管2内に挿入されて収納されている。電線管2は鉄製の電線管(鋼製電線管)である。図2(A)の矢印Yで示す方向は車幅方向を示す。
本実施形態では、電線管2の全長に亘ってスリット2sが設けられ、そのスリット2sが下部に位置するように電線管2が配置されており、スリット2sが設けられていることによって、電線管2は、その延在方向と直交する断面がC字状になっている。
そして、下部のスリット3s部分を除いて電線管2の外周面を覆うように、磁気遮蔽部材3が設けられている。すなわち、磁気遮蔽部材3は、電線管2の外周面に沿って電線管2の延在方向に延びて設けられ、電線管2の下方において電線管2の延在方向に延びるスリット3sを有している。ここでは、磁気遮蔽部材3は、電線管2の延在方向から見て2つの遮蔽部材3pに分割され、かつ、2つの遮蔽部材3pの互いの一部が電線管2の上方において重ね合わせられることにより構成されている。各遮蔽部材3pは、電線管2の延在方向と直交する断面が略半円状である。
これらの電線管2及び磁気遮蔽部材3は、各々のスリット2s、3sが鉄道車両100の床面から最も遠くなるようにして配置されている。
そして、電線管2と磁気遮蔽部材3との間には、例えば合成ゴムからなる弾力性を有するスペーサ4が挟持されており、電線管2と磁気遮蔽部材3とは直接接触していない。電線管2と磁気遮蔽部材3とは、それらの間にスペーサ4を挟んだ状態で、電線管取付用のブラケット12に押さえ部材13等を用いて固定されている。ブラケット12は、例えば、台枠107の横梁11に固設されている。このブラケット12にはボルト14の挿入穴が設けられており、この挿入穴に、予めボルト14が挿入された状態で、ブラケット12が横梁11に溶接等によって固定されている。また、押さえ部材13には、ボルト14が挿入されるボルト挿入穴が設けられている。
電線管2及び磁気遮蔽部材3をブラケット12に取り付ける際には、スリット2sを下に向けた電線管2にスペーサ4を被せて、2つの遮蔽部材3pを、互いの上部部分が重なり、かつ下方に磁気遮蔽部材3のスリット3sができるようにして、2つの遮蔽部材3pで電線管2を囲んだ状態とする。そして、この状態のものを、押さえ部材13で下から受けるようにして、押さえ部材13のボルト挿入穴にボルト14を通して、ボルト14にナット15を締め付けることによって、電線管2及び磁気遮蔽部材3がブラケット12に固定される。
また、上記のようにして固定された電線管2及び磁気遮蔽部材3は、枕梁21に電線管2を通すために設けられた円形の貫通穴22に挿入されている。
なお、横梁11の上には、波板(例えばキーストーンプレート)等の床下材及び床上材からなる床部材23(詳細な構造は図示せず)が設けられる。この床部材23の上面すなわち車内の床面の高さ位置(床表面のレベル)をFLで示している。
図3(A)は、磁気遮蔽部材3を構成する遮蔽部材3pを一方向から見た図であり、図3(B)は、図3(A)に示す遮蔽部材3pを他方向から見た図である。
この遮蔽部材3pは、例えば、2枚の電磁鋼板3a、3bを重ねて形成されている。より具体的には、遮蔽部材3pは、その断面形状が正八角形の連続する4辺をなすように、平板状の2枚の電磁鋼板3a、3bを3箇所a、b、cで折り曲げて、これらを重ねて形成されている。この遮蔽部材3pの断面形状のように、正八角形の連続する4辺をなす形状も、前述のように略半円状(略半円をなす形状)に含めるものとする。
そして、同じ構成の2つの遮蔽部材3pを、上記4辺のうちの互いの1辺部分が電線管2の上方において重なるようにして向かい合わせることにより、磁気遮蔽部材3の断面形状である八角形の下端の1辺がスリット3sからなるようにして、磁気遮蔽部材3を構成している。
本例では、各遮蔽部材3pが、2枚の電磁鋼板3a、3bで形成されているが、1枚の電磁鋼板で形成されていてもよいし、3枚以上の電磁鋼板で形成されていてもよい。また、電磁鋼板に代えて、他の磁性体(強磁性体)で形成されていてもよい。
以上のように構成される鉄道車両の磁気遮蔽構造において、電線管2及び磁気遮蔽部材3は磁性体(強磁性体)で形成され、スペーサ4、ブラケット12、押さえ部材13、ボルト14及びナット15は非磁性体で形成されている。
本実施形態の磁気遮蔽構造によれば、電線管2にスリット2sを設け、このスリット2sが電線管2の下部に位置するように電線管2が配置されている。よって、電線1に流れる電流によって電線1の周囲に発生する漏洩磁束は、磁性体からなる電線管2に集中して流れ、電線管2の下部のスリット2sの間に強い磁界が生じる。一方、電線管2の上方への漏洩磁束が少なくなるため、車内(床面上)への漏洩磁束の漏れを低減し、漏洩磁束による車内の磁界を低減することができる。
さらに、磁気遮蔽部材3が、下部のスリット3s部分を除いて電線管2の外周面を覆うように配置されているので、車内への漏洩磁束の漏れをより低減し、漏洩磁束による車内の磁界をより低減することができる。
また、本実施形態では、各々の電線管2に対して、磁気遮蔽部材3を電線管2の外周面を覆うように配置しているため、磁気遮蔽部材3の配置スペースが小さくてすみ、枕梁21に設けられた小さな貫通穴22にも電線管2とともに磁気遮蔽部材3を通すことができる。
また、本実施形態において、電線管2にスリット2sを設けていない場合にも、磁気遮蔽部材3による磁気遮蔽効果が得られる。この場合の一例を図4に示す。
すなわち、図4の場合、上記のようなスリット2sが無い円筒状の電線管2Aを用いている他は、図2(A)、(B)に示された前述の例と同様である。
この場合、電線1に流れる電流によって発生する磁界によって、電線管2A自体が1つの電線のようになって電線管2Aの周囲に磁界が発生する。この磁界による磁束は、磁性体からなる磁気遮蔽部材3に集中して流れ、磁気遮蔽部材3の下部のスリット3sの間に強い磁界が生じる。一方、磁気遮蔽部材3の上方への漏洩磁束が少なくなるため、車内への漏洩磁束の漏れを低減し、漏洩磁束による車内の磁界を低減することができる。
本実施形態では、磁気遮蔽部材3を2つの遮蔽部材3pで構成しているため、電線管2、2Aにその両側から2つの遮蔽部材3pで挟むようにして、磁気遮蔽部材3を取り付けることができるので、磁気遮蔽部材3の取付けを容易に行うことができる。また、既存の鉄道車両においても、例えば図4に示すような円筒状の電線管2Aの両側から2つの遮蔽部材3pで挟むようにして取り付けることができるので、既存の鉄道車両においても磁気遮蔽部材3の取付けが容易になる。
また、本実施形態では、磁気遮蔽部材3の上部部分において2つの遮蔽部材3pを重ねているので、その上方部分の漏洩磁束をより低減することができる。
また、磁気遮蔽部材3を、平板状の部材(例えば電磁鋼板)を曲げ加工して形成する場合、折り曲げ部分において歪みが生じて磁気遮蔽性能が劣化するが、磁気遮蔽部材3の電線管2,2Aの延在方向と直交する断面形状(以下、「磁気遮蔽部材3の断面形状」とも言う)が例えば円弧のような曲線状となるように、平板状の部材(例えば電磁鋼板)を曲面状に加工した場合には全面に歪みが生じて磁気遮蔽性能が大幅に劣化することとなり、この場合よりも劣化の程度を小さくできる。なお、応力除去焼なましを実施することにより磁気遮蔽性能を回復させるようにしてもよいが、この場合、応力除去焼なましを実施するためのコスト及び時間が必要になる。そのため、本実施形態のように、磁気遮蔽部材3の断面形状を1辺がスリット3sからなる多角形(本例では八角形としているが六角形等でもよい)として、歪みが生じる部分を少なくすることにより、応力除去焼なましを実施しなくても、磁気遮蔽性能の劣化を抑え、有効な効果を得ることができる。
なお、応力除去焼なましを実施する場合には、磁気遮蔽部材3の電線管2,2Aの延在方向と直交する断面形状が例えば円弧のような曲線状となるようにしてもよい。この場合も、磁気遮蔽部材3を2つの遮蔽部材で構成することにより、その取付け等が容易になる。また、磁気遮蔽部材3の断面形状が、2つの遮蔽部材(3pに相当)の上部の重なり部分のみを線状とし、他の部分を例えば円弧のような曲線状となるようにしてもよい。
また、2つの遮蔽部材の重なり部分において、当該遮蔽部材に沿う形状の別の遮蔽部材を1つ以上さらに重ねて磁気遮蔽部材3を構成するようにしてもよい。例えば、前述の2つの遮蔽部材3pの上部の重なり部分の間に、平板状の遮蔽部材(例えば電磁鋼板)を挿入して、磁気遮蔽部材3としてもよい。
すなわち、磁気遮蔽部材3は、上述した例に限らず種々変更することができ、下部のスリット3s部分を除いて各電線管2,2Aの外周面を覆うように設けられ、上述した例を含めてその断面形状が略C字状となるように構成することができる。このような磁気遮蔽部材3は、電線管2,2Aの延在方向から見て(言い換えれば、電線管2,2Aの延在方向と直交する断面において)スリット3sを挟んで対向する2つの端部が、電線管2,2Aの直下領域内に位置するように設けられる。よって、スリット3sの幅は電線管2,2Aの外径よりも小さく、スリット3sが電線管2,2Aの直下領域内に位置している。ここで、電線管2,2Aの延在方向から見て、スリット3sが、電線管2,2Aの直下領域内の一部の領域であって、かつ電線管2,2Aの中心の直下を含む領域に位置するように、磁気遮蔽部材3が設けられることが好ましい。
なお、本実施形態において、スペーサ4を設けない構成としてもよいが、スペーサ4によって鉄道車両の走行時における振動が吸収され、電線管2、2A及び磁気遮蔽部材3のブラケット12への固定を強固にできるとともに、電線管2、2Aと磁気遮蔽部材3との摩耗及び電気的接触を防止できる。
また、本実施形態において、磁気遮蔽部材3を設けていない場合にも、電線管2の下部にスリット2sを設けることにより前述したように磁気遮蔽効果が得られる。この場合の一例を図5に示す。この場合、押さえ部材13が電線管2の表面に沿うように、押さえ部材13の形状を図2(A)の場合とは変えている。
例えば、車内床面と電線管2との距離を大きくとれる箇所などにおいては、磁気遮蔽部材3を設けなくても、電線管2にスリット2sを設けることにより、車内(床面上)への漏洩磁束の漏れを低減し、漏洩磁束による車内の磁界を低減することができる。この場合、磁気遮蔽のために必要となるスペースを無くすることができる。
なお、前述したように、スリット2sは、電線管2の延在方向(長手方向)全長に亘って設けられており、スリット2sが下部に位置するように電線管2が配置されている。ここで、スリット2sが鉄道車両100の床面から最も遠くなるように電線管2が配置されることが好ましい。よって、電線管2の中心の直下にスリット2sが位置するように電線管2が配置されることが好ましい。このことは、図5の場合に限らず、図2(A)の場合も同様である。
本発明は、磁気遮蔽のために必要なスペースが小さくてすみ、車両床下の電線から発生する漏洩磁束の車内への漏れを低減することができる鉄道車両の磁気遮蔽構造等として有用である。
1 電線
2,2A 電線管
2s スリット
3 磁気遮蔽部材
3p 遮蔽部材
3s スリット
4 スペーサ
12 ブラケット
22 貫通穴
100 鉄道車両
107 台枠

Claims (7)

  1. 内部に電線が通されて鉄道車両の床下に配置された単一の電線管の外周面を覆い、かつ、前記電線管の下方において前記電線管の延在方向に延びるスリットを有する磁気遮蔽部材を備えた、
    鉄道車両の磁気遮蔽構造。
  2. 前記磁気遮蔽部材の前記スリットの幅が前記電線管の外径よりも小さい、
    請求項1に記載の鉄道車両の磁気遮蔽構造。
  3. 前記磁気遮蔽部材は、前記電線管の延在方向と直交する断面が多角形の辺をなし、前記多角形の下端の一辺が前記スリットによって形成された、
    請求項1または2に記載の鉄道車両の磁気遮蔽構造。
  4. 前記磁気遮蔽部材は、前記電線管の延在方向から見て2つに分割され、かつ、互いの一部が前記電線管の上方において重ね合わせられた2つの遮蔽部材を有して構成された、
    請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道車両の磁気遮蔽構造。
  5. 前記電線管に、該電線管の延在方向と直交する断面がC字状となるように該電線管の延在方向に延びるスリットが設けられ、前記スリットが下部に位置するように前記電線管が配置された、
    請求項1〜4のいずれかに記載の鉄道車両の磁気遮蔽構造。
  6. 前記電線管及び前記磁気遮蔽部材は、前記鉄道車両の床下に設けられた所定の取付部分に、前記電線管と前記磁気遮蔽部材との間にスペーサを挟んで固定された、
    請求項1〜5のいずれかに記載の鉄道車両の磁気遮蔽構造。
  7. 前記鉄道車両の台枠に前記電線管を挿入するための貫通穴が設けられ、この貫通穴に前記磁気遮蔽部材が前記電線管とともに挿入された、
    請求項1〜6のいずれかに記載の鉄道車両の磁気遮蔽構造
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