JP6417164B2 - 積層体製造装置、積層体、分離装置及び積層体製造方法 - Google Patents

積層体製造装置、積層体、分離装置及び積層体製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、デバイスウェーハに接着剤を介してサポートウェーハを貼合した積層体を製造する積層体製造技術に関する。
近年、複数の半導体素子(半導体チップ)を積層し、ワイヤーボンディングやシリコン貫通電極(TSV;Through Silicon Via)などを用いて1つのパッケージ内に実装するマルチチップパッケージ(MCP;Multi Chip Package)が用いられるようになってきている。
この様なマルチチップパッケージに用いられる半導体素子は、通常の半導体素子よりも厚み寸法を薄くするのが一般的である。また、半導体装置の高集積化などの観点からも半導体素子の厚み寸法は、薄くなる傾向にある。
この様な厚み寸法の薄い半導体素子を製造するためには、例えば、ダイシングする前の製品基板であるデバイスウェーハの厚み寸法を薄くする薄化工程が必要となる。ところが、デバイスウェーハの厚み寸法が薄くなると、機械的な強度が低下するので、薄化工程等の際に、デバイスウェーハが破損するおそれがある。
そのため、薄化工程の際に必要となる強度を付与するために、所定の厚みを有する支持基板であるサポートウェーハをデバイスウェーハに貼り合わせて、積層体を形成することが行われている。これは、デバイスウェーハとサポートウェーハとを貼り合わせることにより、デバイスウェーハの薄化工程中にサポートウェーハによって支持し、薄化工程後に、デバイスウェーハからサポートウェーハを剥離させる技術である。
しかしながら、かかる技術では、薄化工程に用いられるエッチング液、研磨液、CMP液などの処理液が、積層体の内部に侵入することが考慮されていなかった。そのため、薄化工程で侵入した処理液によってパターンやデバイスウェーハが損傷するおそれがあった。
特開2012−79836号公報 特開2004−311744
これに対処するため、接着剤として、一種類ではなく、異なる種類の接着剤を用いる技術が提案されている(特許文献1参照)。この従来技術に記載された実施例では、最終的にデバイスウェーハとサポートウェーハとが剥離しやすいように、処理液に対して溶解しやすい易溶解性の接着剤で接着する。但し、この易溶解性の接着剤の周縁を、これよりも各種の処理液に対して難溶解性の接着剤を用いて覆い、液体が積層体の内部に入り込まないようにする。この難溶解性の接着剤は、処理液では除去できないため、剥がす時にはレーザを用いる。
かかる技術では、最終的に内側の接着剤を液体で溶解してデバイスウェーハをサポートウェーハから剥離する場合に、内側の接着剤が外部に露出する部分が、難溶解性の接着剤をレーザにより除去した周縁部のみとなる。このため、積層体を液体に浸漬した場合に、接着剤が接液する部分が周縁部のみとなり、溶解に時間がかかる。
また、易溶解性の接着剤は、乾燥させて内部に発生する気泡が抜けるようにすることが望ましい。しかし、デバイスウェーハ側に接着剤を塗り、サポートウェーハを貼合して固めてしまうと、内部に発生した気泡が抜けるルートがなくなるため、接着剤の内部に気泡が残存する。一方、接着剤を乾燥させてからサポートウェーハを貼合すると、接着力が弱くなってしまう。
また、貼り合わせに用いた接着剤を溶解させる溶剤を接液させる貫通孔をサポートウェーハに設けて、浸漬したときに接着剤の溶解速度を向上させることも行われている(特許文献2参照)。しかしながらサポートウェーハに貫通孔を開けるため、サポートウェーハの面が平坦ではなくなり、デバイスウェーハを薄化する際に所望の平坦度を得られなくなる。また、サポートウェーハの貫通孔を作製する製造工程が増え、生産効率が悪くなる。
本発明の実施の形態は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、デバイスウェーハを薄化する際には、良好に接着されたサポートウェーハによって安定して保持し、薄化した後には、サポートウェーハを短時間で容易に分離できる積層体製造装置、積層体、分離装置及び積層体製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、実施の形態の接着層形成装置は、所定の溶媒により溶解する第1の接着剤によって、デバイスウェーハに形成された複数の機能デバイスを覆うことにより、第1の接着層を形成する第1の接着層形成部と、前記第2の接着層の周縁部を覆う位置に、前記第2の接着剤を溶解させる第2の溶媒に対して、前記第2の接着剤よりも難溶解性の第3の接着剤を供給することにより第3の接着層を形成する第3の接着層形成部と、前記第1の接着剤よりも前記所定の溶媒に対して難溶解性であって、前記デバイスウェーハを支持するサポートウェーハと前記第1の接着層との間に介在させるとともに、前記第1の接着層の周縁部を覆うための第2の接着剤を、前記サポートウェーハ又は前記第1の接着剤の表面に供給することにより第2の接着層を形成する第2の接着層形成部と、前記デバイスウェーハに対して、前記第1の接着層及び前記第2の接着層を介して、前記第1の接着層の周縁部が露出しないように、サポートウェーハを貼り合わせる貼合部と、を有することを特徴とする。
また、他の実施の形態によれば、所定の溶媒により溶解する第1の接着剤によって、デ
バイスウェーハに形成された複数の機能デバイスを覆う第1の接着層と、前記第1の接着
剤よりも前記所定の溶媒に対して難溶解性である第2の接着剤によって形成され、前記デバイスウェーハを支持するサポートウェーハと前記第1の接着層との間に介在するとともに、前記第1の接着層の周縁部を覆う第2の接着層と、前記第2の接着剤を溶解させる第2の溶媒に対して、前記第2の接着剤よりも難溶解性の第3の接着剤によって、前記第2の接着層の周縁部を覆う第3の接着層と、前記デバイスウェーハに、前記第1の接着層及び前記第2の接着層を介して、前記第1の接着層の周縁部が露出しないように貼り合わされたサポートウェーハと、を有することを特徴とする積層体が提供される。
また、他の実施の形態によれば、所定の溶媒により溶解する第1の接着剤によって、デバイスウェーハに形成された複数の機能デバイスを覆う第1の接着層と、前記第1の接着剤よりも前記所定の溶媒に対して難溶解性である第2の接着剤によって、前記デバイスウェーハを支持するサポートウェーハと前記第1の接着層との間に介在するとともに、前記第1の接着層の周縁部を覆う第2の接着層と、前記デバイスウェーハに、前記第1の接着層及び前記第2の接着層を介して、前記第1の接着層の周縁部が露出しないように貼り合わされたサポートウェーハと、を有する積層体に形成された複数の前記機能デバイスを、個片に分割する溝を形成するダイシング部と、前記積層体を、前記所定の溶媒に浸漬することにより、前記溝を介して前記第1の接着層を溶解させる溶解部と、を有することを特徴とする分離装置が提供される。
また、他の実施の形態によれば、所定の溶媒により溶解する第1の接着剤によって、デ
バイスウェーハに形成された複数の機能デバイスを覆うことにより、第1の接着層を形成
し、前記第1の接着剤よりも前記所定の溶媒に対して難溶解性であって、前記デバイスウ
ェーハを支持するサポートウェーハと前記第1の接着層との間に介在させるとともに、前
記第1の接着層の周縁部を覆うための第2の接着剤を、前記サポートウェーハ及び前記第
1の接着剤の少なくとも一方の表面に供給することにより、第2の接着層を形成し、前記第2の接着層の周縁部を覆う位置に、前記第2の接着剤を溶解させる第2の溶媒に対して、前記第2の接着剤よりも難溶解性の第3の接着剤を供給することにより第3の接着層を形成し、前記デバイスウェーハに、前記第1の接着層及び前記第2の接着層を介して、前記第1の接着層の周縁部が露出しないように、サポートウェーハを貼り合わせた積層体とする積層体製造方法が提供される。
以上のような本発明の実施の形態によれば、デバイスウェーハを薄化する際には、良好に接着されたサポートウェーハによって安定して保持し、薄化した後には、サポートウェーハを短時間で容易に分離可能な積層体製造装置、積層体、分離装置及び積層体製造方法を提供することができる。
実施形態の積層体を示す断面図 実施形態が適用される電子部品製造装置を示す簡略構成図 積層体製造装置における第1の接着層形成装置の一例を示す説明図 第1の接着層形成装置による減圧塗布を示す説明図 第1の接着剤形成装置における除去部を示す説明図 第1の接着剤形成装置における除去部の他の例を示す説明図 積層体製造装置における第2の接着層形成装置の一例を示す説明図 第2の接着層形成装置の塗布を示す説明図 積層体製造装置における貼合部の貼合前を示す説明図 貼合部における貼合を示す説明図 薄化装置を示す説明図 薄化装置による研磨工程を示す説明図 電極形成装置によるスルーホールの形成を示す説明図 分離装置におけるダイシング部によるダイシングを示す説明図 分離装置における溶解部を示す説明図 溶解部における第1の接着層の溶解を示す説明図 分離装置における剥離部を示す説明図 剥離部における機能デバイスの剥離を示す説明図 再生装置における第2の接着層の溶解を示す説明図 電極形成過程を示す説明図 第1の接着層の溶解過程を示す説明図 第2の接着層の形成態様を示す説明図 第2の接着層の形成態様を示す説明図 第1の接着層及び第2の接着層の形成態様を示す説明図 ダイシング溝の形成態様を示す説明図 フィルムへの貼付態様を示す説明図 機能デバイスを保持する保持手段の態様を示す説明図 機能デバイスを保持する保持手段の態様を示す説明図 電極形成過程を示す説明図 他の実施形態の積層体を示す断面図 他の実施形態が適用される電子部品製造装置を示す簡略構成図 第3の接着層形成装置における除去部を示す説明図 第3の接着層形成装置における供給部を示す説明図 再生装置における第2の接着層の溶解を示す説明図 再生装置における第3の接着層の溶解を示す説明図 電極形成過程を示す説明図 第1の接着層の溶解過程を示す説明図 第3の接着層の形成態様を示す説明図 第3の接着層の形成態様を示す説明図
本発明の実施の形態(以下、実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。
[積層体]
まず、図1を参照して、本実施形態により製造される積層体Lを説明する。この積層体Lは、デバイスウェーハS1、サポートウェーハS2、第1の接着層B1、第2の接着層B2を有する。
デバイスウェーハS1は、電子部品となる複数の機能デバイスDを形成した基板である。デバイスウェーハS1は、例えば、電子部品がCMOSイメージセンサの場合、シリコン基板の表面に受光センサであるフォトダイオードを含む半導体層及び配線層を形成した薄板である。このような機能デバイスDの表面には、保護層Cが設けられている。この保護層Cは、機能デバイスDが形成された領域を保護する膜である。機能デバイスDの表面に直接接着することは、機能デバイスDの損傷につながるので、これを防止するために、保護層Cが形成されている。保護層Cの例としては、機能デバイスDを形成した段階で、パッシベーションにより形成される酸化膜がある。この保護層Cは、一般的に形成されているものであるため、詳細は省略する。
第1の接着層B1は、後述する第1の接着剤R1によって形成された層である。この第1の接着層B1は、デバイスウェーハS1における複数の機能デバイスDを覆うように形成されている。
第1の接着剤R1は、所定の溶媒に対して溶解しやすい易溶解性である。第1の接着剤R1としては、例えば、殿粉ノリ、ポリビニルアルコール(PVA)系接着剤、ポリビニルピロリドン(PVP)系接着剤等の水溶性の接着剤を用いることができる。この場合、溶媒としては、水を用いることができ、水で洗い流すことができる。但し、後述するように、第1の接着剤R1としては、これらには限定されない。温度についても、材料に応じて、冷水、温水、熱水といった温度を選択して用いることができる。
第2の接着層B2は、後述する第2の接着剤R2によって形成された層である。第2の接着剤R2は、第1の接着剤R1を溶解する所定の溶媒に対して、溶解し難い難溶解性である。一方、第2の接着剤R2は、例えば紫外線硬化樹脂等を用いることができ、第1の接着剤R1を溶解し易い溶媒の他の溶媒、例えば有機溶媒に対して、易溶解性である。この第2の接着層B2は、サポートウェーハS2と第1の接着層B1との間に介在するとともに、第1の接着層B1の周縁部を覆っている。
サポートウェーハS2は、デバイスウェーハS1を支持するための支持基板である。サポートウェーハS2としては、例えば、石英ガラス製の薄板を用いることができる。サポートウェーハS2は、薄化するデバイスウェーハS1を安定して保持するために、デバイスウェーハS1よりも厚みがある。このサポートウェーハS2は、第1の接着層B1及び第2の接着層B2を介して、第1の接着層B1の周縁部が露出しないように貼り合わされている。
[構成]
本実施形態は、電子部品製造装置Eに適用される装置である。電子部品製造装置Eは、図2に示すように、ブースU、ストッカK、積層体製造装置1、薄化装置2、電極形成装置3、分離装置4、再生装置5、制御装置6を有する。
[ブース]
ブースUは、上記のストッカK、積層体製造装置1、薄化装置2、電極形成装置3、分離装置4、再生装置5を収容する容器である。ブースUの内部は、フィルタ及び気流制御を行う給排気システムにより、高い清浄度が維持されている。ブースUの側面には、投入口IN、取出口OUTが設けられている。投入口INは、ストッカKに対して、デバイスウェーハS1、サポートウェーハS2を投入するための開口部である。取出口OUTは、キャリアフィルムに貼り付けられた機能デバイスDを取り出すための開口部である。投入口IN及び取出口OUTは、エアシャワーによって、外気からの異物の侵入が遮断されている。
なお、ブース内には、デバイスウェーハS1、サポートウェーハS2、積層体Lを搬送する搬送手段として、搬送アームAが設けられている。この搬送アームAは、例えば、ストッカKから積層体製造装置1へ、デバイスウェーハS1、サポートウェーハS2を搬送する。その他、図示はしないが、積層体製造装置1、薄化装置2、電極形成装置3、分離装置4、再生装置5、ストッカKの間及びこれら各装置内の各部の間にも、それぞれデバイスウェーハS1、サポートウェーハS2又は積層体Lを搬送する搬送アーム等の搬送手段が設けられている。これらを、以下の説明では、単に搬送手段と呼ぶ。
[ストッカ]
ストッカKは、デバイスウェーハS1、サポートウェーハS2を、あらかじめ収容する装置である。例えば、複数の薄板を、隙間を空けて多段に積層して収容する容器とすることができる。デバイスウェーハS1用の容器、サポートウェーハS2用の容器は、隣接する位置に配置されているものとする。搬送アームAは、ストッカKに収容されたデバイスウェーハS1、サポートウェーハS2を取り出して、積層体製造装置1における第1の接着層形成部11、第2の接着層形成部12に搬入する。
[積層体製造装置]
積層体製造装置1は、上記の積層体Lを製造する装置である。この積層体製造装置1は、第1の接着層形成部11、第2の接着層形成部12、貼合部13を有する。
(第1の接着層形成部)
第1の接着層形成部11は、第1の接着剤R1によって、デバイスウェーハS1における複数の機能デバイスDを覆うように、第1の接着層B1を形成する装置である。この第1の接着層形成部11としては、スピンコータ、スリットコータ等、ウェーハへの接着剤の塗布に一般的に使用されている種々のものを用いることができる。図3〜図5に、スピンコータの一例を示す。この例の第1の接着層形成部11は、支持部111、塗布部112、収容部113、除去部114を有する。
支持部111は、デバイスウェーハS1を支持する装置である。支持部111は、図3に示すように、載置台111a、駆動部111bを有する。載置台111aは、上部に平坦面を有し、この平坦面において、デバイスウェーハS1の機能デバイスDが形成された面と反対側の面を支持する装置である。なお、載置台111aには、図示はしないが、デバイスウェーハS1を保持してずれを防止する保持機構が設けられている。この保持機構は、静電チャック、バキュームチャック、メカチャック等、周知の技術を適用可能である。駆動部111bは、載置台111aを回転させるモータ等の駆動機構である。
塗布部112は、デバイスウェーハS1に第1の接着剤R1を塗布する装置である。塗布部112は、塗布ノズル112aを有している。塗布ノズル112aは、載置台111a上のデバイスウェーハS1の中心位置に、第1の接着剤R1を滴下する装置である。この塗布ノズル112aは、図示しない駆動機構によって昇降可能に設けられている。
収容部113は、図4に示すように、塗布部112が退避した後の支持部111の周囲を密閉空間として、減圧する装置である。収容部113は、基台113a、チャンバ113bを有する。基台113aは、支持部111が設置された台である。チャンバ113bは、上下動が可能であり、上方に移動すると支持部111が外部に開放され、デバイスウェーハS1が搬入可能となる。
チャンバ113bは、下方に移動すると、下端が基台113aに接して支持部111はチャンバ113b内に収容される。これにより、チャンバ113b内部に密閉空間が形成される。チャンバ113bは、不図示の排気手段によって内部圧力を調整可能となっている。つまり、デバイスウェーハS1が搬入され、第1の接着剤R1が滴下されると、チャンバ113bが下降して内部が密閉された上で減圧され、減圧雰囲気下で第1の接着剤R1の展延が行われるようになっている。このように、第1の接着剤R1の展延を減圧雰囲気下で行うことにより、第1の接着剤R1の脱気を行いながら、乾燥を促進することができる。なお、第1の接着剤R1に気泡が生じないように、乾燥を行うことができればよい。このため、第1の接着剤R1の乾燥は、自然乾燥でも、空気を吹き付けることによる乾燥でもよく、減圧は必須ではない。
除去部114は、第2の接着剤R2との接触前に、第1の接着剤R1の周縁部を除去する構成部である。本実施形態の除去部114は、デバイスウェーハS1に塗布された第1の接着剤R1の周縁部を除去する装置である。除去部114としては、例えば、図5に示すように、ワイパー114aを用いたものが適用可能である。ワイパー114aは、軸部の先端に弾性体が設けられている。軸部は、図示しない駆動機構によって、弾性体が第1の接着剤R1の周縁部に接離する方向に移動する。この弾性体には、第1の接着剤R1を溶解させる溶媒が含まれている。例えば、第1の接着剤R1が水溶性の場合には、水とすることができる。
除去部114としては、例えば、図6に示すように、上記と同様の溶媒Wを収容した容器Xを用いることもできる。この容器X内の溶媒Wに、載置台111aに支持されたデバイスウェーハS1の第1の接着剤R1の周縁部を接触させて、載置台111aを回転させることにより、第1の接着剤R1の周縁部を除去することができる。なお、この態様は、デバイスウェーハS1を支持した載置台111aを直立させることによって実現してもよいし、別途直立してデバイスウェーハS1を支持して回転させる装置を用いてもよい。
なお、塗布後の第1の接着剤R1は、貼り合わせ前に乾燥される。この乾燥は、所定時間放置することにより行うことができる。但し、乾燥装置として、送風機、加熱装置等を備えることもできる。
以上により第1の接着層B1が形成される。
(第2の接着層形成部)
第2の接着層形成部12は、第2の接着剤R2を、サポートウェーハS2の表面に供給する装置である。この第2の接着剤R2は、サポートウェーハS2と第1の接着層B1との間に介在させるとともに、貼り合わせ後に、第1の接着層B1の周縁部を覆う。第2の接着層形成部12は、例えば、図7及び図8に示すように、支持部121、塗布部122を有する。
支持部121は、サポートウェーハS2を支持する装置である。支持部121は、載置台121a、駆動部121bを有する。載置台121aは、上部に平坦面を有し、この平坦面において、サポートウェーハS2を支持する装置である。なお、載置台121aには、図示はしないが、サポートウェーハS2を保持してずれを防止する保持機構が設けられている。この保持機構は、静電チャック、バキュームチャック、メカチャック等、周知の技術を適用可能である。駆動部121bは、載置台121aを回転させるモータ等の駆動機構である。
塗布部122は、サポートウェーハS2に第2の接着剤R2を塗布する装置である。塗布部122は、塗布ノズル122aを有している。塗布ノズル122aは、載置台121a上のサポートウェーハS2の中心位置に、第2の接着剤R2を滴下する装置である。この塗布ノズル122aは、図示しない駆動機構によって昇降可能に設けられている。第2の接着剤R2を塗布する間、または塗布した後、駆動部121bにより載置台121aを回転させて、第2の接着剤R2を展延させる。
以上により第2の接着層B2が形成される。
(貼合部)
貼合部13は、デバイスウェーハS1に対して、第1の接着層B1及び第2の接着層B2を介して、サポートウェーハS2を貼り合わせる装置である。貼合部13は、例えば、図9に示すように、チャンバ131、載置部132、支持部133、移動機構部134、排気部135を有する。
チャンバ131は、内部を減圧可能な気密構造の容器である。チャンバ131の側壁には、デバイスウェーハS1、サポートウェーハS2の搬入搬出を行うための開口部131aが設けられ、開口部131aを気密に開閉可能な開閉扉131bが設けられている。また、チャンバ131の底部には、チャンバ131内の排気をするための開口部131cが設けられている。
載置部132は、チャンバ131の内部に設けられ、サポートウェーハS2を載置、保持する装置である。載置部132の載置面は平坦面となっており、載置面にサポートウェーハS2が載置されるようになっている。また、載置部132には、図示はしないが、サポートウェーハS2における第2の接着剤R2を塗布した面と反対側の面を保持する保持機構が設けられている。この保持機構としては、静電チャック、メカチャック等、周知の技術を適用可能である。
チャンバ131の内部における載置部132の上方であって対向する位置に、デバイスウェーハS1における第1の接着剤R1を塗布した面と反対側の面を支持する支持部133が設けられている。支持部133によるデバイスウェーハS1の支持面には、図示しない保持機構が設けられている。この保持機構としては、静電チャック、メカチャック等、周知の技術を適用可能である。
移動機構部134は、図10に示すように、支持部133を動作させることにより、載置部132に対して接離する方向に移動させる装置である。移動機構部134としては、例えば、駆動源としてエアシリンダなどを備えたものとすることができる。載置部132上のサポートウェーハS2と、支持部133に支持されたデバイスウェーハS1は、所定の間隔をあけて対向する。
なお、載置部132又は支持部133には、サポートウェーハS2、デバイスウェーハS1を位置決めする位置決め機構を設けてもよい。この位置決め機構は、図示しない撮像部や位置センサからの情報に基づいて、載置部132に載置されたサポートウェーハS2に対するデバイスウェーハS1の位置を調整することができる。
排気部135は、配管135aを介して開口部131cに接続されている。排気部135は、例えば、ドライポンプなどとすることができる。なお、サポートウェーハS2とデバイスウェーハS1との貼り合わせは、減圧雰囲気下で行うことにより、空気が巻き込まれることによるボイドの発生と、パーティクルの侵入を防止することができる。ボイドやパーティクルの排除は、デバイスウェーハS1を薄化する際に、加工精度の低下を防止する。
但し、貼合は、必ずしも減圧雰囲気下で行う必要はなく、例えば、大気圧雰囲気下で行うこともできる。デバイスウェーハS1とサポートウェーハS2との貼り合わせを減圧雰囲気下で行わない場合には、排気部135を設ける必要はない。
[薄化装置]
薄化装置2は、デバイスウェーハS1の厚み寸法を薄く加工する装置である。この加工は、デバイスウェーハS1における機能デバイスDを形成した面と反対側の面に対して行う。薄化装置2としては、機械研磨装置、CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置等、一般的に使用されている種々の装置を適用可能である。機械研磨装置の例として、図11及び図12に示すように、研削用ホイール21と、支持部22を有する装置を説明する。研削用ホイール21は、下面に砥粒が塗布された研削面21aを有する円板状の部材である。この研削用ホイール21は、図示しない駆動機構によって回動可能に且つ昇降可能に設けられている。
支持部22は、デバイスウェーハS1とサポートウェーハS2とを貼合した積層体Lを支持する装置である。支持部22は、上部に平坦面を有し、この平坦面において、積層体LのサポートウェーハS2側を支持する。なお、支持部22には、図示はしないが、サポートウェーハS2を保持してずれを防止する保持機構が設けられている。この保持機構は、静電チャック、バキュームチャック、メカチャック等、周知の技術を適用可能である。なお、薄化装置2による薄化作業中は、研削面21aに研磨液が供給されるが、詳細は省略する。
[電極形成装置]
電極形成装置3は、積層体LにおけるデバイスウェーハS1の機能デバイスDに、電極を形成する装置である。電極形成装置3は、穴あけ部31、充填部32を有する。穴あけ部31は、機能デバイスDにスルーホールhを形成する装置である。穴あけ部31は、例えば、図13に示すように、載置台31a、レーザ加工機31bを有する。載置台31aは、上部に平坦面を有し、この平坦面において、積層体Lを支持する装置である。なお、載置台31aには、図示はしないが、積層体Lを保持してずれを防止する保持機構が設けられている。この保持機構は、静電チャック、バキュームチャック、メカチャック等、周知の技術を適用可能である。
レーザ加工機31aは、レーザ光の照射により、機能デバイスDにスルーホールhを形成する装置である。レーザ加工機31aは、図示しない駆動機構によって走査されて、機能デバイスDの所望の位置にレーザ光を照射することができる。なお、スルーホールhの形成は、エッチング等によっても行うことができる。
充填部32は、スルーホールh内に導体を充填する装置である。この充填部32は、詳細は省略するが、例えば、スルーホールh内にスパッタやめっき等の方法で金属等の導電材を含む電極材料Mを充填する装置である。
[分離装置]
分離装置4は、複数の機能デバイスDを含む領域から、それぞれの機能デバイスDを個片に分割し、いわゆるチップとしてサポートウェーハS2から分離する装置である。この分離装置4は、例えば、ダイシング部41、溶解部42、剥離部43を有する。
(ダイシング部)
ダイシング部41は、デバイスウェーハS1にダイシング溝Hを形成することにより、個々の機能デバイスDに切り分けたチップにする装置である。ダイシング部41は、例えば、図14に示すように、ブレード411、駆動部412、支持部413を有する。
ブレード411は周縁部が砥石となった円形のプレートである。駆動部412は、回転軸がブレード411の中心に接続され、ブレード411を回転させるモータである。支持部413は、上部に平坦面を有し、この平坦面において、積層体LのサポートウェーハS2側を支持する。なお、支持部413には、図示はしないが、サポートウェーハS2を保持してずれを防止する保持機構が設けられている。この保持機構は、静電チャック、バキュームチャック、メカチャック等、周知の技術を適用可能である。なお、ダイシング部41によるダイシング作業中は、切削面に研磨液が供給されるが、詳細は省略する。
さらに、図示はしないが、ダイシング部41は、ブレード411及び駆動部412を走査及び昇降させることにより、機能デバイスDのパターンの境界を切削させる駆動機構を有している。この駆動機構は、ダイシング溝Hの深さを調節することができる。例えば、ブレード411による切削の高さを調節することにより、デバイスウェーハS1に、第1の接着層B1まで貫通したダイシング溝Hを形成することも、第1の接着層B1まで貫通していないダイシング溝Hを形成することもできる。なお、ダイシング部41において、ダイシング溝Hを形成する装置としては、レーザ照射装置、ウォータジェット装置、超音波装置等の切削装置を用いることができる。
(溶解部)
溶解部42は、ダイシング後の積層体Lを、溶媒である溶解液Z1に浸漬することにより、ダイシング溝Hを介して第1の接着層B1を溶解させる装置である。溶解部42には、例えば、図15及び図16に示すように、処理槽421、タンク422、送液配管423、送液部424、送液制御部425、ノズル426、排出液配管427、タンク428、排出弁429が設けられている。処理槽421は、上面が開放されている。処理槽421の底板には、排出口421bが設けられており、排出口421bには排出液配管427の一端が接続されている。
タンク422は、溶解液Z1を収納する。溶解液Z1は、第1の接着層B1を溶解させるものとする。第1の接着層B1が水溶性である場合には、溶解液Z1を水とする。送液配管423の一端は、ノズル426に接続され、送液配管423の他端はタンク428内の溶解液Z1に浸漬する位置に設けられている。
送液部424は、送液配管423に設けられ、タンク428内に収納された溶解液Z1をノズル426に供給する。送液部424は、例えば、ポンプなどとすることができる。送液制御部425は、送液配管423に設けられ、送液部424により送液される溶解液Z1の供給と停止とを制御する。また、送液部424により送液される溶解液Z1の流量を制御するようにすることもできる。ノズル426の開口端は処理槽421の内部に向けて設けられており、処理槽421の内部に溶解液Z1を供給することができるようになっている。ノズル426の開口端とは反対側の端部には送液配管423が接続されている。
タンク428は、使用済みの溶解液Z1を収納する。排出液配管427は、一端が処理槽421の排出口421bに接続され、他端がタンク428に接続されている。排出弁429は、排出液配管427に設けられ、タンク428に向けて排出される使用済みの溶解液Z1の排出と停止とを制御する。
また、図示はしないが、溶解部42は、処理槽421内において、積層体Lを保持する保持手段を有する。この保持手段は、例えば、メッシュ状の板や積層体Lの周縁を把持するリング状の部材等とすることができる。より具体的な例は、後述する。さらに、第1の接着剤B1の溶解後、搬送手段によって処理装置421から取り出された積層体Lに付着した溶解液Z1等を、乾燥により除去する乾燥装置(図示せず)が設けられている。
(剥離部)
剥離部43は、機能デバイスDを、サポートウェーハS2から剥離させる構成部である。本実施形態の剥離部43は、個片に分割された機能デバイスDを、第2の接着層B2及びサポートウェーハS2から剥離させる装置である。この剥離部43は、例えば、図17及び図18に示すように、支持台431、圧着部432、切断部433を有する。支持台431は、リングGを支持する台座である。リングGは、キャリアフィルムであるフィルムFの支持枠となる環状の部材である。フィルムFは、一方の面が粘着性を有する接着面となったシートである。フィルムFは、図示しない伸張機構によって、張力が与えられ、機能デバイスDに対する平行状態を保っている。
圧着部432は、例えば、図17のように、回転するローラにより、フィルムFの接着面を、リングG内に挿入された機能デバイスDに圧着させて、機能デバイスDを、リングGとともにフィルムFに貼り付ける装置である。
切断部433は、リングGの外周に沿って、フィルムFを切断する装置である。なお、剥離部43は、吸着ノズル等により機能デバイスDを個別に又は複数まとめてピックアップして、フィルムFに貼付する装置とすることもできる。
[再生装置]
再生装置5は、機能デバイスDを分離後のサポートウェーハS2を、溶媒である溶解液Z2に浸漬することにより、第2の接着層B2を溶解させて、再利用可能にする装置である。この再生装置5は、図19に示すように、浸漬部51を有する。この浸漬部51は、上記の分離装置4と同様の構成を有する。但し、処理槽51a内に収容される溶解液Z2は、第2の接着剤R2を溶解させるものとする。第2の接着剤R2が有機溶媒に溶解する場合には、溶解液Z2を有機溶媒とする。
[制御装置]
制御装置6は、本装置の各部を制御する装置である。この制御装置6は、例えば、専用の電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって、各部が後述する動作をするように制御するための構成を有している。
[作用]
以上のような本実施形態の動作を、上記の図1〜図19に加えて、図20〜図23の説明図を参照して以下に説明する。なお、ブースU内へのデバイスウェーハS1、サポートウェーハS2の搬入手段、機能デバイスDの搬出手段及びその動作については、説明を省略する。このような搬入、搬出は、手作業で行うこともできる。
(接着層形成工程)
まず、第1の接着層B1及び第2の接着層B2の形成工程を説明する。図2に示すように、搬送アームAが、ストッカKからデバイスウェーハS1を取り出して、第1の接着層形成部11における支持部111の載置台111a上に、機能デバイスDが形成された面を上にして載置する。図3に示すように、塗布部112の塗布ノズル112aは、載置台111a上のデバイスウェーハS1の中心の上部に移動して、第1の接着剤R1を滴下する。
そして、図4に示すように、チャンバ113bが下降して、デバイスウェーハS1の周囲の空間を密閉し、排気手段により減圧を行う。これとともに、載置台111aを高速回転させることにより、遠心力により、第1の接着剤R1を外周側に展延させる。これにより、デバイスウェーハS1における機能デバイスDの形成面が、第1の接着剤R1により覆われる。また、減圧により第1の接着剤R1の気泡低減、乾燥促進が図られる。
減圧停止、大気開放後、図5に示すように、載置台111aによりデバイスウェーハS1を回転させながら、除去部114のワイパー114aの先端の弾性体が、周縁部の第1の接着剤R1に接触することにより、溶媒が第1の接着剤R1を溶解させる。なお、図6に示すように、回転するデバイスウェーハS1における第1の接着剤R1の周縁部を、溶媒Wに接触させることによっても、溶解させることができる。その後、デバイスウェーハS1を所定時間放置することにより又は乾燥装置により、第1の接着剤R1を乾燥させる。これにより、周縁部が除去された第1の接着層B1が形成される。つまり、第1の接着剤R1と第2の接着剤R2が接触する前に、第1の接着剤R1を乾燥させる。
一方、第1の接着層B1の形成過程と並行に、図2に示すように、搬送アームAが、ストッカKからサポートウェーハS2を取り出して、第2の接着層形成部11における支持部121の載置台121a上に載置する。図7に示すように、塗布部122の塗布ノズル122aは、載置台121a上のサポートウェーハS2の中心の上部に移動して、第2の接着剤R2を滴下する。
そして、図8に示すように、載置台121aを高速回転させることにより、遠心力により、第2の接着剤R2を外周側に展延させる。これにより、サポートウェーハS2の上面に、第2の接着層B2が形成される。
[貼合工程]
上記のように、第1の接着層B1が形成されたデバイスウェーハS1、第2の接着層B2が形成されたサポートウェーハS2は、搬送手段によって、第1の接着層形成部11、第2の接着層形成部12から搬出される。そして、デバイスウェーハS1、サポートウェーハS2は、貼合部13における開閉扉131bが開けられた開口部131aから、チャンバ131内に搬入される。
デバイスウェーハS1は、図9に示すように、搬送手段によって反転されて、第1の接着層B1が形成された面を下面として、上面が支持部133に支持される。サポートウェーハS2は、第2の接着層B2が形成された面を上にして、載置部132に載置される。そして、開閉扉131bが閉じられ、チャンバ131が密閉され、チャンバ131内が排気される。
次に、図10に示すように、移動機構部134により、支持部133を下降させる。すると、デバイスウェーハS1とサポートウェーハS2とが、第1の接着層B1、第2の接着層B2を介して貼り合わされて、図1に示すような積層体Lが製造される。積層体Lにおいて、第1の接着層B1における除去された周縁部では、第2の接着層B2がデバイスウェーハS1に達して接着されて、第1の接着層B1を覆うので、第1の接着層B1の露出部分がなくなる。その後、チャンバ131内は、排気停止、大気開放され、開閉扉131bが開いて開口部131aが開放される。
[薄化工程]
次に、薄化装置2によるデバイスウェーハS1の薄化工程を説明する。まず、搬送手段が、チャンバ131の開口部131aから積層体Lを取り出し、図11に示すように、薄化装置2の支持部22に、デバイスウェーハS1側を上にして載置する。そして、図12に示すように、研削用ホイール21が回転しながら下降して、研削面21aをデバイスウェーハS1に接触させることにより、デバイスウェーハS1を研削する。これにより、デバイスウェーハS1が薄化される。このようにデバイスウェーハS1が薄化された積層体Lを、図20(A)に示す。
[電極形成工程]
デバイスウェーハS1が薄化された積層体Lは、搬送手段によって取り出され、図13に示すように、穴あけ部31の載置台31aに、デバイスウェーハS1側を上にして載置される。レーザ加工機31bは、載置台31a上の積層体Lに対して、レーザ光を照射することにより、機能デバイスDにスルーホールhを形成する。このようにスルーホールhが形成された積層体Lを、図20(B)に示す。
さらに、充填部32において、図20(C)に示すように、デバイスウェーハS1に、スパッタやめっき等の方法により電極材料Mを形成することにより、スルーホールh内に電極材料Mを充填させる。そして、図20(D)に示すように、表面の電極材料Mを、研削やエッチングの方法により除去することにより、スルーホールh内に電極eを形成する。なお、電極材料Mを形成する箇所であるスルーホールh以外をマスキングして、電極材料Mを形成してもよい。なお、後述するように、積層体Lを形成する前に、デバイスウェーハに電極eを形成してもよい。
[分離工程]
次に、機能デバイスDをサポートウェーハS2から分離する工程を説明する。
(ダイシング工程)
まず、機能デバイスDを個片に分割するダイシング工程を説明する。搬送手段は、電極形成装置3において電極eが形成された積層体Lを、図14に示すように、ダイシング部41の載置部413に載置する。ブレード411は、駆動部412によって回転しながら駆動機構によって走査され、機能デバイスDのパターンの境界を切削する。これにより、図21(E)に示すように、機能デバイスDが個片に分割されるとともに、デバイスウェーハS1を貫通し、第1の接着層B1に達するダイシング溝Hが形成される。
(第1の接着層の溶解)
第1の接着層B1の溶解工程は、以下の通りである。搬送手段は、載置台22からダイシング後の積層体Lを受け取り、図16、図21(F)に示すように、処理槽421に貯留されている溶解液Z1中に積層体Lを浸漬させる。処理槽421内において、積層体Lは、図示しない保持手段によって保持される。積層体Lには、第1の接着層B1まで達するダイシング溝Hが形成されているので、多数のダイシング溝Hを介して、第1の接着層B1まで溶解液Z1が確実に流入する。これにより、図21(G)(H)に示すように、溶解液Z1によって、第1の接着層B1が溶解する。第2の接着層B2は、処理槽421内の溶解液Z1に対して難溶解性であるため溶解しない。この後、搬送手段によって処理槽421から積層体Lが取り出され、図示しない乾燥装置によって乾燥が行われる。
使用済みの溶解液Z1は、図15に示すように、排出液配管427を介してタンク428に排出される。この際、使用済みの剥離液の排出と停止とが排出弁429により制御される。また、処理槽421内の溶解液Z1の量が略一定となるようにタンク428から送液部424、送液制御部425、送液配管423、ノズル426を介して処理槽421内に溶解液Z1が補充される。処理槽421内の溶解液Z1の量は図示しない液面計などにより制御するようにすることができる。
(機能デバイスの剥離)
機能デバイスDの剥離工程は、以下の通りである。搬送手段は、図17に示すように、積層体Lを、機能デバイスDが形成された面を下にして、剥離部43の支持台431に装着されたリングG内にセットする。この積層体L上を水平に覆うように、伸張機構によって貼着面が下になるようにフィルムFを張る。
圧着部432は、リングGの端から、フィルムFをリングG、機能デバイスDに圧着させながら移動することにより、フィルムFの接着面に、積層体Lの、機能デバイスDが形成された面とは反対側の面を貼り付ける。さらに、切断部433は、リングGの外周に沿って、フィルムFを切断する。図18に示すように、搬送手段又は手作業により、リングGとともに、フィルムFを取り出すと、フィルムFに貼り付けられた機能デバイスDが、サポートウェーハS2から剥離する。
(サポートウェーハの再生)
さらに、搬送手段は、第2の接着層B2が付着したサポートウェーハS2を、再生装置5の浸漬部51の処理槽51aにおける溶解液Z2に浸漬する。これにより、第2の接着層B2が溶解され、サポートウェーハS2が、何も付着していない初期状態に再生される。搬送手段は、サポートウェーハS2を、ストッカKに収容する。これにより、サポートウェーハS2を再利用できる。なお、再生装置5内、搬送経路、ストッカKのいずれかに設けられた乾燥装置によって、サポートウェーハS2を乾燥させてもよい。
[効果]
以上のような本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1)本実施形態は、所定の溶媒により溶解する第1の接着剤R1によって、デバイスウェーハS1に形成された複数の機能デバイスDを覆うことにより、第1の接着層B1を形成する第1の接着層形成部11と、第1の接着剤R1よりも所定の溶媒に対して難溶解性であって、デバイスウェーハS1を支持するサポートウェーハS2と第1の接着層B1との間に介在させるとともに、第1の接着層R1の周縁部を覆うための第2の接着剤R2を、サポートウェーハS2の表面に供給することにより第2の接着層B2を形成する第2の接着層形成部12と、デバイスウェーハS1に対して、第1の接着層B1及び第2の接着層B2を介して、第1の接着層B1の周縁部が露出しないように、サポートウェーハS2を貼り合わせる貼合部13と、を有する。
これにより、デバイスウェーハS1は、第1の接着層B1及び第2の接着層B2によって良好に接着されたサポートウェーハS2によって、安定して保持される。特に、サポートウェーハS2と第1の接着層B1との間に、第2の接着層B2が介在するため、強い接着力を維持することができる。このため、薄化により取り扱いの難しいデバイスウェーハS1を、サポートウェーハS2で支持したまま、研磨、電極形成、ダイシング等を行うことができるので、機械的なストレスを最小限に止めつつ、機能デバイスDの固片化が可能となる。
(2)単に剥離しやすくするために、デバイスウェーハS1とサポートウェーハS2との間に接着力の低い接着剤を用いて、周縁部に強い接着力の接着剤を用いた場合には、デバイスウェーハS1の薄化の際にずれたり、割れたりしないような強度を確保するために、周縁部の接着剤の幅を広くとる必要がある。すると、機能デバイスDが形成される領域としての有効面積が狭くなり、チップ数も少なくなる。
しかし、本実施形態においては、サポートウェーハS2と第1の接着層B1との間に、第2の接着層B2が介在する。このため、周縁部の第2の接着層B2については、幅を狭くすることができ、機能デバイスDとしての有効面積を広くして、製造できるチップ数も多くすることができる。例えば、図22に示すように、第2の接着層B2の周縁部の幅を非常に狭くしてもよい。
例えば、上記の実施形態では、第1の接着層R1は、機能デバイスDが形成される領域を覆って接着されている。また、第1の接着層R1と第2の接着層R2も接着されている。さらに、第2の接着層R2とサポートウェーハS2も接着されている。このため、機械的には、周縁部に第2の接着層R2を設けなくても、強度を保っている。周縁部の第2の接着層R2は、第1の接着層R1を接液させないために設けられている。このため、この部分は非常に薄くてもよい。各工程で第1の接着層B1を接液させないだけの幅が、剥離工程まで維持されていればよい。例えば、100ミクロン程度でも十分である。
また、第1の接着層R1は、分離工程における溶液によって溶解させるので、薄化工程におけるデバイスウェーハS1に対する接着力は、第2の接着層R2と同等かそれ以上に高くすることができる。そのため、薄化工程において、デバイスウェーハS1がずれたり剥がれたりすることなく、機械的強度を保って接着することができる。
第2の接着層B2は、第1の接着層B1とデバイスウェーハS1との間に介在すればよい。第1の接着層B1及びデバイスウェーハS1の全面に介在している必要はなく、一部でも接触している部分があればよい。このため、例えば、図23に示すように、第2の接着層B2が、第1の接着層B1の周縁部を覆うとともに、デバイスウェーハS1とサポートウェーハS2との間の一部に第2の接着層B2が存在し、それ以外の部分に第1の接着層B1が存在している態様でもよい。これによっても、第2の接着剤R2の塗布領域が少なくなるので、第1の接着層B1が溶解すれば、第2の接着層B2の剥離は容易となる。これは、第2の接着剤R2が、第1の接着剤R1よりも高価な場合等に、第2の接着剤R2を節約できるのでよい。このような例としては、第2の接着剤B2を、ノズル等により、複数のスジ状に塗布する、螺旋状に塗布する、散点状に塗布する場合が考えられる。
(3)第1の接着層B1が、機能デバイスDとサポートウェーハS2との間に介在するとともに、第2の接着層B2によって覆われているために外部に露出していない。このため、薄化工程、穴開け工程、ダイシング工程等において一般的に使用される研磨液、エッチング液、洗浄液、純水等の液体から、第1の接着層B1が影響を受けることが防止され、接着状態が堅牢に維持される。
なお、第2の接着層B2は、第1の接着層B1の周縁部を覆って、第1の接着層B1の接液を防ぐことができればよい。このため、第2の接着層B2は、デバイスウェーハS1、サポートウェーハS2の周縁部の内側に入っている必要はない。例えば、図24に示すように、積層体Lを平面視したときに、第2の接着層B2がデバイスウェーハS1、サポートウェーハS2の側面から隆起していてもよい。さらに、第1の接着層B1も、第2の接着層B1に覆われており、露出していなければ、デバイスウェーハS1、サポートウェーハS2の側面から隆起していてもよい。
(4)積層体Lに形成された複数の機能デバイスDを、個片に分割するダイシング溝Hを形成するダイシング部41と、積層体Lを、所定の溶媒に浸漬することにより、ダイシング溝Hを介して第1の接着層B1を溶解させる溶解部42と、を有する。これにより、ダイシング後は、デバイスウェーハS1の機能デバイスDの形成面に亘って、第1の接着層B1に達する多数のダイシング溝Hが形成される。このため、溶解液への浸漬時には、ダイシング溝を介して、溶解液を第1の接着層B1に効率良く接触させることができるので、素早く溶解させることができる。これにより、機能デバイスDのサポートウェーハS2からの分離も容易となる。周縁部の接着剤をレーザで除去する従来技術のように、機能デバイスDに負担をかけることもない。また、接着剤の接液効率を良くするために、サポートウェーハS2に孔を開ける必要もない。このため、薄化する際のデバイスウェーハS1の平坦度を維持でき、製造工程が簡略となり、生産効率が良好となる。サポートウェーハS2の再生、再利用も容易である。
なお、ダイシング溝Hは、デバイスウェーハS1を貫通して第1の接着層B1にまで達していてもよいが、貫通していなくてもよい。つまり、ダイシング時に、ダイシング溝Hが、第1の接着層B1まで貫通してしまうと、ダイシング時の研磨液、冷却液等が、第1の接着層B1に流入してしまう。このため、ダイシング溝Hを、デバイスウェーハS1の肉厚を僅かに残すか、保護層Cまでに達するが第1の接着層B1に達しない程度の深さとしてもよい。このように、ダイシングを完全な切断に至る手前の寸止めとした例を、図25に示す。このように、寸止めしておいて、その後、所望のタイミングにエッチング液で貫通させることが好ましい。例えば、第1の接着層B1を溶解させる前に、あらかじめエッチング等によって、ダイシング溝Hが第1の接着層B1まで達するように、デバイスウェーハS1の残存部分を除去する。エッチングには、例えば、フッ酸溶液を用いることができる。これにより、第1の接着層B1の除去前に、それまでの工程での処理液等によって第1の接着剤R1が溶解してしまうことが防止される。
さらに、例えば、機械研磨、CMPを行った場合、最終的な仕上げとして、フッ酸等によるエッチング液で溶かして、所定の厚さまで薄くして、表面を滑らかにする工程が必要となる。そこで、この工程と、寸止めにより残存した部分をエッチング液で除去する工程という2工程を同時に行うこともできる。
(5)第2の接着剤R2との接触前に、第1の接着剤R1の周縁部を除去する除去部114を有する。このため、除去部114によって、第1の接着剤R1の周縁部を除去することにより、第2の接着層B2と接触させる際に、第2の接着剤R2によって第1の接着剤R1の周縁部を覆うことができる。周縁部における第2の接着剤R2は、僅かな幅でよいので、第1の接着剤R1は、溶解液を含むワイパー114aで少しだけなぞることによって又は溶解液に周縁部を接触させることによって、容易に除去することができる。
(6)サポートウェーハS2は、比較的厚くて頑丈なので、サポートウェーハS2に残存した第2の接着層B2を除去する際に、比較的腐食性の高い液等によって速く除去できる。そして、サポートウェーハS2は、穴あけ等の加工をせず、形状を変化させないため、第2の接着層B2を除去することにより、元の状態に戻すことができる。このため、再利用が可能となり、コストを節約できる。また、全工程において、サポートウェーハS2の表面の形状に変化がないため、デバイスウェーハS1に与える影響も少なく、安定した支持ができる。
(7)デバイスウェーハS1に対してサポートウェーハS2は、第2の接着層B2により
第2の接着層B2の第2の接着剤R2と、第1の接着層B1の第1の接着剤R1とが接触する前に、第1の接着剤R1を乾燥させるので、貼合後の気泡の発生が抑制される。また、貼合後に気化が阻害されて良好な接着が得られなくなることが防止される。第1の接着剤R1の乾燥により、機能デバイスDをより強力に保護し、第2の接着層B2との混合防止にもなる。
また、第1の接着剤R1を乾燥させてから第2の接着剤R2と接触させるため、第1の接着剤R1に含まれる溶媒により第2の接着剤R2を溶解させないようにすることができる。そのため、第2の接着剤R2を、第1の接着剤R1に含まれる溶媒に溶解する特性を有する接着剤とすることもでき、第2の接着剤R2の選択性が向上する。
(8)第1の接着層B1の厚みは数μm〜数10μmとすることができる。また、第2の接着層B2の厚みは、デバイスウェーハS1の所望の平坦度を得ることができる程度の厚みであり、平坦度を数μm〜数mmとすることができる。第1の接着剤B1の平坦度が低く、つまり粗く塗布されたとしても、第2の接着剤B2の厚みを調整することによって、第1の接着剤B1の粗さを吸収することができ、デバイスウェーハS1の平坦度を高くすることができる。
[他の実施形態]
(1)第2の接着層B2は、最終的にデバイスウェーハS1とサポートウェーハS2とを接着できればよい。このため、第2の接着層B2を形成するための第2の接着剤R2の塗布は、サポートウェーハS2側に行っても、デバイスウェーハS1側に行っても、双方に行ってもよい。つまり、第2の接着剤R2を、サポートウェーハS2及び第1の接着剤R1の少なくとも一方の表面に供給することにより、第2の接着層B2を形成すればよい。よって、第2の接着層形成部12は、第1の接着層B1の表面に、第2の接着剤R2を供給する態様であってもよい。
(2)機能デバイスDの剥離は、上記のように、機能デバイスDと反対側である背面にフィルムFを接着して行う方が、デバイスウェーハS1から全てを一度に剥離させることができるとともに、機能デバイスDへ与える影響も少ない。但し、機能デバイスDの背面を、吸着ノズル等により個別にピックアップして、図26に示すように、機能デバイスDの保護層Cの面を、フィルムFに接着させてもよい。この場合、保護層Cがあるために、機能デバイスDは保護される。また、保護層Cの上に、さらに保護層を重ねて塗っておけば、機能デバイスDへの影響を少なくすることができる。さらなる保護層として、例えば、
非水溶性の有機溶媒等で洗浄可能な第4の接着層を形成することが考えられる。
(3)上記のように、積層体Lを、所定の溶媒に浸漬させたとき、個片に分割された機能デバイスDに接する保持手段を有してもよい。つまり、溶解液中で、第1の接着層B1を完全に除去すると、個片の機能デバイスDの位置が不安定になる。例えば、機能デバイスDが液中に浮いてきたり、溶解液から出したときに、第2の接着層B2に接触する場合がある。これに対処するため、完全に溶けて溶解する前に、機能デバイスDを保持する保持手段を設けることもできる。この保持手段としては、例えば、吸着具、メッシュ、穴あきシート等とすることが考えられる。吸着具の例としては、図27の42aに示すように、機能デバイスDの個片位置に対応して剣山状に多数設けられた棒状の突出部材42bの先端を、吸着ノズル又は粘着部材としたものが考えられる。
メッシュの例としては、図28の42cに示すように、機能デバイスDの背面から接触して、浮きや移動を防止するものとすることが考えられる。さらに、穴あきシートの例としては、穴あきのキャリアフィルムを、機能デバイスDの背面に貼った状態で溶解液に浸漬することが考えられる。
(4)上記の実施形態では、機能デバイスDには、TSV(Through Silicon Via)というスルーホールhを形成してから、電極を形成し、その後、ダイシングを行っている。このように、ダイシングの前に電極を形成しておくことは、電極材料Mを充填した後に研磨する際に、研磨液等がダイシング溝Hから入り込むことがないために好ましい。但し、スルーホールhの形成は、ダイシング工程の後に行ってもよい。
また、デバイスウェーハS1にサポートウェーハS2を貼合する前に、電極を形成してもよい。例えば、図29(A)に示すように、貼合前のデバイスウェーハS1に対して、スルーホールhを形成する。そして、(B)に示すように、スルーホールhの端部側の面に電極材料Mを形成し、(C)に示すように、電極材料Mを除去する。さらに、(D)に示すように、第1の接着層B1を形成した後、(E)に示すように、第2の接着層B2を介してサポートウェーハS2を貼合する。(A)〜(E)の各工程の詳細は、上記の実施形態で示した通りである。
(5)ダイシング溝Hの幅が細い場合には、溶媒が通り難い場合もある。これに対処するため、溶媒の温度を上げることが考えられる。例えば、温水、熱水を用いてもよい。また、上記の保持手段により保持しながら、流水をかける、圧力をかける、上下に揺らす等によってもよい。溶媒が沸騰しない程度に減圧することも考えられる。なお、機能デバイスDを分割したチップは、縁が浮くように反る場合もあるため、その場合には、隙間が開いて溶媒が入りやすくなる。
(6)第1の接着層B1、第2の接着層B2に加えて、第3の接着層B3を形成する態様も、本発明の一態様である。このような態様を、以下に説明する。
[積層体]
まず、本態様の積層体Lの一例を、図30に示す。この積層体Lは、基本的は、上記の実施形態と同様である。但し、本態様では、第1の接着層B1、第2の接着層B2に、さらに、第3の接着層B3を有する。
第3の接着層B3は、後述する第3の接着剤R3によって形成された層である。第3の接着剤R3は、第1の接着剤R1及び第2の接着剤R2を溶解する所定の溶媒に対して、溶解し難い難溶解性である。この第3の接着層B3は、デバイスウェーハS1とサポートウェーハS2との間に介在するとともに、第2の接着層B2の周縁部を覆っている。
このサポートウェーハS2は、第1の接着層B1及び第2の接着層B2を介して貼り合わされ、第3の接着層B3によって第2の接着層B2の周縁部が露出していない。
[第3の接着層形成部]
上記の積層体Lを製造するための積層体製造装置1も、本発明の一態様である。この積層体製造装置1は、基本的には、上記の実施形態と同様の構成である。但し、本態様の積層体製造装置1は、図31に示すように、第2の接着層B2の周縁部を覆う位置に、第2の接着剤R2を溶解させる溶媒に対して、難溶解性の第3の接着剤R3を供給することにより第3の接着層B3を形成する第3の接着層形成部14を有している。第3の接着層形成部14は、第3の接着剤R3を、第2の接着層B2の周縁部に供給することにより、第3の接着層B3を形成する装置である。第3の接着層B3は、第2の接着層B2が露出しないように、第2の接着層B2の周縁部を覆う。
この第3の接着層形成部14の一例を、図32及び図33に示す。この例の第3の接着層形成部14は、支持部141、除去部142、塗布部143を有する。
支持部141は、貼合部13によって貼り合わされたデバイスウェーハS1及びサポートウェーハS2を支持する装置である。デバイスウェーハS1及びサポートウェーハS2を貼り合わせたものを、貼合体Laとする。支持部141は、図32に示すように、載置台141a、駆動部141bを有する。載置台141aは、上部に平坦面を有し、この平坦面において、貼合体LaのサポートウェーハS2側を支持する装置である。なお、載置台141aには、図示はしないが、貼合体Laを保持してずれを防止する保持機構が設けられている。この保持機構は、静電チャック、バキュームチャック、メカチャック等、周知の技術を適用可能である。駆動部141bは、載置台141aを回転させるモータ等の駆動機構である。
除去部142は、貼合体Laにおける第2の接着剤Rの周縁部を除去する装置である。除去部142としては、例えば、図32に示すように、ワイパー142aを用いたものが適用可能である。ワイパー142aは、軸部の先端に弾性体が設けられている。軸部は、図示しない駆動機構によって、弾性体が第2の接着層B2の周縁部に接離する方向に移動する。この弾性体には、第2の接着剤R2を溶解させる溶媒が含まれている。除去部142としては、例えば、上記の図6に示したものと同様の装置を用いることもできる。
塗布部143は、デバイスウェーハS1に第3の接着剤R3を塗布する装置である。塗布部143は、図33に示すように、塗布ノズル143aを有している。塗布ノズル143aは、載置台141a上の貼合体Laにおける第2の接着層B2の周縁部に、第3の接着剤R3を吐出して塗布する装置である。この塗布ノズル143aは、図示しない駆動機構によって、先端が第2の接着層B2の周縁部に接離する方向に移動する。
[再生装置]
さらに、本態様では、図31に示すように、再生装置5が、浸漬部51(図34参照)に加えて、浸漬部52を有している。浸漬部52は、第3の接着層B3が形成された積層体LのサポートウェーハS2を再生するための構成部である。この浸漬部52は、図35に示すように、第3の溶媒である溶解液Z3を収容する処理槽52aを有し、サポートウェーハS2を溶解液Z3に浸漬することにより、第3の接着層B3を溶解させる装置である。この浸漬部52は、それぞれ上記の分離装置4と同様の構成を有する。このように、第2の接着層B2、第3の接着層B3を溶解させて除去することにより、サポートウェーハS2は再利用可能となる。溶解液Z1に対して第2の接着剤R2及び第3の接着剤R3は難溶解性であり、溶解液Z2に対して第3の接着剤R3は難溶解性である。
[第3の接着層形成工程]
このような第3の接着層B3の形成工程を説明する。貼合部13による貼合体Laの製造については、上記の実施形態と同様である。そして、図32に示すように、搬送手段が、チャンバ131の開口部131aから貼合体Laを取り出して、第3の接着層形成部14における支持部141の載置台141a上に載置する。載置台141aによりデバイスウェーハS1を回転させながら、除去部142のワイパー142aの先端の弾性体が、第2の接着層B2の周縁部に接触することにより、溶媒が第2の接着層B2の周縁部を溶解させる。なお、図6に示すように、回転する貼合体Laにおける第2の接着剤R2の周縁部を、溶媒Wに接触させることによっても、溶解させることができる。
次に、図33に示すように、塗布部143の塗布ノズル143aは、回転する載置台143a上の貼合体Laの周縁部に移動して、第3の接着剤R3を吐出することにより、第3の接着剤R3を塗布する。これにより、第2の接着層B2の周縁部を覆う第3の接着層B3が形成される。このように、第2の接着層B2の周縁部が第3の接着層B3に覆われて露出していない積層体Lが製造される。
[薄化−電極形成−分離工程]
以上のように、第3の接着層B3を形成した積層体Lは、上記の実施形態と同様に、薄化された後、図36(A)〜(D)、図37(E)〜(H)に示すように、電極形成、第1の接着層B1の溶解が行われる。さらに、機能デバイスDの剥離が行われるが、これも、図17、図18に示した上記の実施形態と同様である。
[サポートウェーハの再生]
そして、搬送手段は、第2の接着層B2及び第3の接着層B3が付着したサポートウェーハS2を、図34に示すように、再生装置5の浸漬部51における溶解液Z2に浸漬する。これにより、第2の接着層B2が溶解されて除去される。さらに、搬送手段は、第3の接着層B3が付着したサポートウェーハS2を、図35に示すように、浸漬部52における溶解液Z3に浸漬する。これにより、第3の接着層B3が溶解されて除去されるので、サポートウェーハS2が、何も付着していない初期状態に再生される。搬送手段は、サポートウェーハS2を、ストッカKに収容する。これにより、サポートウェーハS2を再利用できる。再生装置5内、搬送経路、ストッカKのいずれかに設けられた乾燥装置によって、サポートウェーハS2を乾燥させてもよい。
[効果]
以上のような態様によれば、上記の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本態様では、第1の接着層B1が、機能デバイスDとサポートウェーハS2との間に介在するとともに、第2の接着層B2及び第3の接着層B3によって覆われているために外部に露出していない。このため、薄化工程、穴開け工程、ダイシング工程等において一般的に使用される研磨液、エッチング液、洗浄液、純水等の液体から、第1の接着層B1及び第2の接着層B2が影響を受けることが防止され、接着状態が堅牢に維持される。各工程において使用される液体は、種々存在するため、第2の接着層B2も影響を受ける可能性があるが、第3の接着層B3として、より難溶解性の第3の接着剤R3を用いることにより、第2の接着層B2の溶解を防止できる。
また、除去部142によって、第2の接着剤R2の周縁部を除去することにより、第3の接着層B3と接触させる際に、第3の接着剤R3によって第2の接着層B2の周縁部を覆うことができる。周縁部における第3の接着剤R2は、僅かな幅でよいので、溶解液を含むワイパー142aで少しだけなぞることによって又は溶解液に周縁部を接触させることによって、容易に除去することができる。
さらに、サポートウェーハS2は、比較的厚くて頑丈なので、第2の接着層B2、第3の接着層B3を、比較的腐食性の高い液等によって速く除去できる。また、第3の接着層B3は、非常に幅が狭いため、除去も容易である。そして、サポートウェーハS2は、穴あけ等の加工をせず、形状を変化させないため、第2の接着層B2及び第3の接着層B3を除去することにより、元の状態に戻すことができる。このため、再利用が可能となり、コストを節約できる。また、全工程において、サポートウェーハS2の表面の形状に変化がないため、デバイスウェーハS1に与える影響も少なく、安定した支持ができる。
なお、本態様においても、周縁部の第2の接着層B2及び第3の接着層B3については、幅を狭くすることができ、機能デバイスDとしての有効面積を広くして、製造できるチップ数も多くすることができる。つまり、図38に示すように、第2の接着層B2及び第3の接着層B2の周縁部の幅は、非常に狭くしてもよい。特に、第3の接着層B3は非常に薄くてもよい。各工程で接液させないだけの幅が、剥離工程まで維持されていればよい。例えば、100ミクロン程度でも十分である。
また、第3の接着層B3は、第2の接着層B2の周縁部を覆って、第1の接着層B1の接液を防ぐことができればよい。このため、第3の接着層B3についても、デバイスウェーハS1、サポートウェーハS2の周縁部の内側に入っている必要はない。例えば、図39に示すように、第2の接着層B2がデバイスウェーハS1、サポートウェーハS2の側面から隆起していてもよい。さらに、第1の接着層B1及び第2の接着層B1も、第3の接着層B3に覆われていれば、デバイスウェーハS1、サポートウェーハS2の側面から隆起していてもよい。
また、第3の接着層B3は、最終的に第2の接着層B2が露出しないように周縁部を覆うことができればよい。このため、第3の接着層B3を形成するための第3の接着剤R3の塗布は、第1の接着層B1の形成工程の前、第2の接着層B2の形成工程の前に行ってもよい。また、第3の接着剤R3の塗布は、サポートウェーハS2側に行っても、デバイスウェーハS1側に行っても、双方に行ってもよい。
例えば、図7及び図8で示した載置台121aに載置されて回転するサポートウェーハS2上の周縁近傍に、塗布ノズルによって第3の接着剤R3を吐出することにより、第3の接着剤R3をリング状に塗布する。そして、図7及び図8に示したように、サポートウェーハS2の中央部から第2の接着剤R2を展延させることにより、周縁部が第3の接着剤R3に囲まれた第2の接着層B2を形成することができる。これを、上記のように、第1の接着層B1が形成されたデバイスウェーハS1に貼り付けることにより、第2の接着層B2が第3の接着層B3に覆われた積層体Lを形成することができる。
さらに、第1の接着層B1を形成したデバイスウェーハS1上に、上記のようにリング状に第3の接着剤R3を塗布しておいて、これを、上記のように第3の接着剤R3が塗布されたサポートウェーハS2と貼り合わせてもよい。これにより、デバイスウェーハS1とサポートウェーハS2の双方にリング状に形成された第3の接着剤R3が重ね合わされるので、より確実に第2の接着層B2の周縁部を、第3の接着層B3によって覆うことができる。なお、上記のように、貼合部13による貼合工程は、第3の接着剤R3の供給前であっても供給後であってもよい。つまり、貼合時には、デバイスウェーハS1とサポートウェーハS2との間には、少なくとも第1の接着層B1及び第2の接着層B2が介在していればよいが、第1の接着層B1、第2の接着層B2及び第3の接着層B3が介在してもよい。
(7)第1の接着剤R1の種類としては、以下に例示するような種々のものが適用可能である。溶媒も、研磨工程の最中には第1の接着層B1に接液をさせず、所定の工程を経て個片化する段階で接液させる状態が作れて、なおかつ溶媒で第1の接着層B1を溶かすことができればよい。機能デバイスDに影響を与えにくい溶媒とすればなおよい。なお、第2の接着剤R2は、第1の接着剤R1が溶解する溶媒に対して難溶解性の接着剤を選択することができる。また、第3の接着剤R3は、第1の接着剤R1が溶解する溶媒及び第2の接着剤R2が溶解する溶媒に対して、難溶解性の接着剤を選択することができる。
例えば、第1の接着剤R1が水溶性のものであれば、第2の接着剤R2は、水に対して難溶解性の接着剤を選択することができる。さらに、第2の接着剤R2は、他の溶媒によって溶解する接着剤を選択することができる。例えば、第2の接着剤R2を、有機溶媒やアルカリ水に溶解する特性を有する接着剤とすることができる。また、第3の接着剤R3を、第1の接着剤R1及び第2の接着剤Rとして選択した溶媒に対して、溶解し難い難溶解性のものとすることができる。
水溶性の特性を有する接着剤としては、例えば、澱粉ノリ、ポリビニルアルコール(PVA:polyvinyl alcohol)系接着剤、ポリビニルピロリドン(PVP:polyvinyl pyrrolidone)系接着剤を挙げることができる。このような水溶性の接着剤は、使用する材料に応じて冷水、温水、熱水等といった温度を選択し、水で洗い流すことができる。PVA〈ポリビニルアルコール〉は、水溶性でありつつも、短時間であれば、耐フッ酸性がある程度はある。このため、ダイシング溝Hが貫通してから、剥離する工程まで、ある程度残存させることができる。フッ酸は、後で水で洗い落とすことになるが、その際にも、第1の接着層B1が残存していれば、フッ酸が回路に悪影響を与えることがない。
アルカリ水に溶解する特性を有する接着剤としては、例えば、カゼイン(casein)、フェノール樹脂を挙げることができる。
有機溶媒に溶解する特性を有する接着剤としては、以下を挙げることができる。メタノール(methanol)、酢酸エチル(ethyl acetate)、アセトン(acetone)、クロロオルム(chloroform)、クリクレン、ベンゼン(benzene)、ジオキサン(dioxane)などの有機溶媒に溶解する特性を有する接着剤としては、酢酸ビニル系、ポリ酢酸ビニル系樹脂が挙げられる。また、メチルエチルケトン(MEK:methyl ethyl ketone)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、酢酸メチル、などの有機溶媒に溶解する特性を有する接着剤としては、ポリ塩化ビニル(PVC)系接着剤が挙げられる。
その他の有機溶媒に溶解するものとして、クロロプレンゴム(CR:polychloroprene)、ニトリルゴム(nitrile rubber, NBR)、ポリイミド系接着剤、ポリスチレン系樹脂(polystyrene)、ニトロセルロース系接着剤などがある。
熱可塑性のものとしては、酢酸ビニル系、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride, PVC)系、シアノアクリレート(cyanoacrylate)系、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)系、ナイロン系11,12、ポリビニルアルコール(PVA)系接着剤、ポリビニルピロリドン(PVP)系接着剤、パラフィン系・にかわ系に含まれる材料が挙げられる。これらは、加熱した上で、接着面を剥離させて洗浄することにより除去できる。また、熱水を利用したり、スチームを利用して洗浄することができる。これらは、熱剥離性の接着剤と呼ぶこともできる。また、このような場合の洗浄用及び除去用の液体も、溶解液に含まれる。
(8)デバイスウェーハS1、サポートウェーハS2は、円板状の基板には限定されず、平面状の製品を広く含む。
(9)第1の接着層B1は溶液によって溶解させるが、第2の接着層B2や第3の接着層B3は、レーザ光や紫外光や熱によって溶解させることもできる。この場合、第2の接着層B2や第3の接着層B3は、第1の接着層B1が溶解する溶媒に対しては難溶解性を持つが、レーザ光や紫外光や熱によって溶解させる特性を持つ接着剤を選択することができる。また、この場合、再生装置5の浸漬部51、浸漬部52をレーザ照射部や光照射部、加熱部に置き換えることができる。つまり、本発明の実施形態は、第1の接着層B1を溶解させる溶解部42に加えて、第2の接着層B2を溶解させる溶解部を有する構成とすることもできるし、さらに、第3の接着層B3を溶解させる溶解部を有する構成とすることもできる。この溶解部としては、例えば、浸漬部、レーザ照射部、光照射部、加熱部とすることができる。
1…積層体製造装置
2…薄化装置
3…電極形成装置
4…分離装置
5…再生装置
6…制御装置
11…第1の接着層形成部
12…第2の接着層形成部
13…貼合部
14…第3の接着層形成部
21…研削用ホイール
21a…研削面
22…支持部
31…穴あけ部
31a…載置台
31b…レーザ加工機
32…充填部
41…ダイシング部
42…溶解部
42a…吸着具
42b…突出部材
42c…メッシュ
43…剥離部
51…浸漬部
51a…処理槽
52…浸漬部
52a…処理槽
111…支持部
111a…載置台
111b…駆動部
112…塗布部
112a…塗布ノズル
113…収容部
113a…基台
113b…チャンバ
114…除去部
114a…ワイパー
121…支持部
121a…載置台
121b…駆動部
122…塗布部
122a…塗布ノズル
131…チャンバ
131a…開口部
131b…開閉扉
131c…開口部
132…載置部
133…支持部
134…移動機構部
135…排気部
135a…配管
141…支持部
141a…載置台
141b…駆動部
142…除去部
142a…ワイパー
143…塗布部
143a…塗布ノズル
411…ブレード
412…駆動部
413…支持部
421…処理槽
421b…排出口
422…タンク
423…送液配管
424…送液部
425…送液制御部
426…ノズル
427…排出液配管
428…タンク
429…排出弁
431…支持台
432…圧着部
433…切断部
A…搬送アーム
B1…第1の接着層
B2…第2の接着層
B3…第3の接着層
C…保護層
D…機能デバイス
E…電子部品製造装置
F…フィルム
G…リング
H…ダイシング溝
h…スルーホール
IN…投入口
K…ストッカ
L…積層体
La…貼合体
M…電極材料
OUT…取出口
R1…第1の接着剤
R2…第2の接着剤
R3…第3の接着剤
S1…デバイスウェーハ
S2…サポートウェーハ
U…ブース
W…溶媒
X…容器
Z1〜Z3…溶解液

Claims (12)

  1. 所定の溶媒により溶解する第1の接着剤によって、デバイスウェーハに形成された複数の機能デバイスを覆うことにより、第1の接着層を形成する第1の接着層形成部と、
    前記第1の接着剤よりも前記所定の溶媒に対して難溶解性であって、前記デバイスウェーハを支持するサポートウェーハと前記第1の接着層との間に介在させるとともに、前記第1の接着層の周縁部を覆うための第2の接着剤を、前記サポートウェーハ及び前記第1の接着剤の少なくとも一方の表面に供給することにより第2の接着層を形成する第2の接着層形成部と、
    前記第2の接着層の周縁部を覆う位置に、前記第2の接着剤を溶解させる第2の溶媒に対して、前記第2の接着剤よりも難溶解性の第3の接着剤を供給することにより第3の接着層を形成する第3の接着層形成部と、
    前記デバイスウェーハに対して、前記第1の接着層及び前記第2の接着層を介して、前記第1の接着層の周縁部が露出しないように、サポートウェーハを貼り合わせる貼合部と、
    を有することを特徴とする積層体製造装置。
  2. 所定の溶媒により溶解する第1の接着剤によって、デバイスウェーハに形成された複数の機能デバイスを覆う第1の接着層と、
    前記第1の接着剤よりも前記所定の溶媒に対して難溶解性である第2の接着剤によって形成され、前記デバイスウェーハを支持するサポートウェーハと前記第1の接着層との間に介在するとともに、前記第1の接着層の周縁部を覆う第2の接着層と、
    前記第2の接着剤を溶解させる第2の溶媒に対して、前記第2の接着剤よりも難溶解性の第3の接着剤によって、前記第2の接着層の周縁部を覆う第3の接着層と、
    前記デバイスウェーハに、前記第1の接着層及び前記第2の接着層を介して、前記第1の接着層の周縁部が露出しないように貼り合わされたサポートウェーハと、
    を有することを特徴とする積層体。
  3. 前記第1の接着剤が、水溶性であることを特徴とする請求項2記載の積層体。
  4. 前記第1の接着剤が、熱可塑性であることを特徴とする請求項2記載の積層体。
  5. 所定の溶媒により溶解する第1の接着剤によって、デバイスウェーハに形成された複数の機能デバイスを覆う第1の接着層と、前記第1の接着剤よりも前記所定の溶媒に対して難溶解性である第2の接着剤によって、前記デバイスウェーハを支持するサポートウェーハと前記第1の接着層との間に介在するとともに、前記第1の接着層の周縁部を覆う第2の接着層と、前記デバイスウェーハに、前記第1の接着層及び前記第2の接着層を介して、前記第1の接着層の周縁部が露出しないように貼り合わされたサポートウェーハと、を有する積層体に形成された複数の前記機能デバイスを、個片に分割する溝を形成するダイシング部と、
    前記積層体を、前記所定の溶媒に浸漬することにより、前記溝を介して前記第1の接着層を溶解させる溶解部と、
    を有することを特徴とする分離装置。
  6. 前記ダイシング部により形成される溝は、前記第1の接着層まで達していず、前記デバイスウェーハの残存部分があり、
    前記第1の接着層を溶解させる前に、前記溝が前記第1の接着層まで達するように、前記残存部分をエッチングにより除去することを特徴とする請求項5記載の分離装置。
  7. 前記機能デバイスを、前記サポートウェーハから剥離させる剥離部を有することを特徴とする請求項5または6記載の分離装置。
  8. 前記積層体を、前記所定の溶媒に浸漬させたとき、個片に分割された機能デバイスに接する保持手段を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の分離装置。
  9. 所定の溶媒により溶解する第1の接着剤によって、デバイスウェーハに形成された複数の機能デバイスを覆うことにより、第1の接着層を形成し、
    前記第1の接着剤よりも前記所定の溶媒に対して難溶解性であって、前記デバイスウェーハを支持するサポートウェーハと前記第1の接着層との間に介在させるとともに、前記第1の接着層の周縁部を覆うための第2の接着剤を、前記サポートウェーハ及び前記第1の接着剤の少なくとも一方の表面に供給することにより、第2の接着層を形成し、
    前記第2の接着層の周縁部を覆う位置に、前記第2の接着剤を溶解させる第2の溶媒に対して、前記第2の接着剤よりも難溶解性の第3の接着剤を供給することにより第3の接着層を形成し、
    前記デバイスウェーハに、前記第1の接着層及び前記第2の接着層を介して、前記第1の接着層の周縁部が露出しないように、サポートウェーハを貼り合わせた積層体とする積層体製造方法。
  10. 前記第3の接着層を形成する工程は、前記貼り合わせる工程の後に、前記第2の接着層の周縁部に、前記第3の接着剤を供給することを特徴とする請求項記載の積層体製造方法。
  11. 前記第3の接着層を形成する工程は、前記第2の接着層の形成前に、前記デバイスウェーハ又は前記サポートウェーハに、前記第3の接着剤を供給することを特徴とする請求項記載の積層体製造方法。
  12. 前記第1の接着剤と前記第2の接着剤が接触する前に、前記第1の接着剤を乾燥させる
    ことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の積層体製造方法。
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